JPH0821623B2 - レ−ザ処理方法 - Google Patents

レ−ザ処理方法

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JPH0821623B2
JPH0821623B2 JP60206471A JP20647185A JPH0821623B2 JP H0821623 B2 JPH0821623 B2 JP H0821623B2 JP 60206471 A JP60206471 A JP 60206471A JP 20647185 A JP20647185 A JP 20647185A JP H0821623 B2 JPH0821623 B2 JP H0821623B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は半導体集積回路にレーザ処理を行う方法に係
り、特に大容量半導体メモリの冗長化技術に適用するに
好適なレーザ処理方法に関する。
〔発明の背景〕
半導体集積回路内の配線の一部を切断することによ
り、製作済の集積回路チップにプログラム(回路変更)
を行うことができる。最近では、特に半導体メモリ素子
の欠陥セルを救済するために利用されている。この配線
切断にはレーザが使用される。この技術については、例
えば「プロシーディング・オブ・ナショナル・エレクト
ロン・コンファレンス(Proceeding of National Elect
ron Conference)第36号(1982年発行)第385〜389頁」
に報告されている。
即ち第6図(a)に示す様に、Si基板1上にSiO2膜2
を介して絶縁されたpoly-Si配線3が形成され、リンガ
ラス層4で絶縁され、poly-Si配線3の両端がAl配線5
に接続した構造のリンク部に対して、NdドープYAGレー
ザ(波長1.064μm)のパルス光6を照射する。この
時、第6図(b)に示す様にレーザ光6はリンガラス層
4は透過するがpoly-Si3により吸収され、poly-Si3は急
激に加熱され爆発的に飛散し、切断される。そのため、
切断部の上のリンガラス4も同時に飛散除去される。そ
して開口部からの汚染の侵入を防ぐために、第6図
(c)に示す様にSiN膜7を形成する。レーザとしてYAG
レーザの第2の高調波を使用することも行なわれてい
る。
しかし、この方法ではウエハ工程の途中でレーザ処理
を行うため、レーザにより飛散したpoly-Siやリンガラ
スの粒子が周辺に付着するし、レーザ処理に先立って、
プローバによる針あて・テスタによる検査が行なわれる
ため、最後のSiN膜形成時に針あての跡が悪影響を及ぼ
し、完成したチップの信頼性を低下させる欠点がある。
一方、第6図(a)に示す状態でレーザ処理を行なわ
ず、SiN膜を形成してからレーザを照射する可能性のあ
る部分のSiN膜に窓あけを行って、検査結果に基づいて
必要な部分にレーザを照射する方法もとられている。し
かしこの方法では、レーザ処理が不必要なリンクも全
て、窓あけされたままであるため、水分の浸入による断
線、あるいは汚染の侵入等による信頼性に問題が残る。
そこで、改めて処理後、SiN膜を形成する方法もある
が、この場合には余分な工程を必要とし、コストを上昇
させてしまう問題点があった。
さらに、第7図(a)に示す様にSiN膜7を形成した
後に窓あけを行なわずに、レーザ6(YAGレーザおよび
その第2の高調波)を照射してpoly-Si配線3の切断を
試みたが、第7図(b)に示す様に、レーザ照射部周辺
のSiN膜が大きく剥離したり、クラック8が入ったりし
て、チップの信頼性上大きな問題が生じることがわかっ
た。これは、パシベーション膜厚が厚いことと、最上層
のSiN膜7が機械的強度の大きな材質であるからと推定
される。なお、パシベーション膜としてリンガラス(PS
G)を使用する場合には、十分な厚さが必要であるが、
昭和59年春季第31回応用物理学関係連合講演会予稿集第
431頁に記載されてる様に、PSGが厚いとpoly-Siの切断
歩留りが低下するという問題も生じる。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、半導
体メモリの冗長化技術に適用可能な、パシベーション膜
に覆われた配線を切断するのに適したレーザ処理方法を
提供することにある。
〔発明の概要〕
本発明は、上記目的を達成するために、所望の部分の
上部の絶縁膜にこの絶縁膜で吸収される波長のパルスレ
ーザ光を照射して絶縁膜を除去することにより絶縁膜と
異なる材質の層を露出させ、この露出した絶縁膜と異な
る材質の層にパルスレーザ光を照射することにより配線
の所望の部分を除去して切断することを特徴とするレー
ザ処理方法を採用した。
即ち、本発明は、上記目的を達成するために、レーザ
処理に用いるレーザ光としてパシベーション膜で吸収さ
れる波長を選択し、パシベーション表面から順次、除去
加工を行い最後に配線を切断することにより、クラック
の生じない切断を可能にし、しかもレーザ処理が不要な
チップ(完全良品)の配線部(リンク)は全てパシベー
ションで保護されており、十分な信頼性が確保できる
上、余分な工程は全く必要としないことを特徴とするも
のである。
〔発明の実施例〕
以下、本発明の詳細を図に従って説明する。まず、本
発明を実施するに好適な装置の光学系の構成を第3図に
示す。レーザ発振器11から発振された赤外レーザ光12a
は第3高調波発生器13により、波長が1/3の紫外レーザ1
2b(波長0.355μm)に変換され、ミラー14,ダイクロイ
ックミラー15により、参照光16と結合される。参照光16
は光源17からの光を干渉フィルタ18により特定の可視波
長に選択される。参照光16は矩形開口スリット19によ
り、任意の寸法の矩形に成形され、ミラー20により曲げ
られ、対物レンズ21により集光・結像されたX-Y-Z-θに
移動可能なステージ22に載置されたウエハ23上に照射さ
れる。
この時、ウエハ23は矩形開口スリット19の像が対物レ
ンズ21により対物レンズ倍率の逆数、即ち倍率をMとす
ると1/Mに縮少投影される位置に置かれる。手動の場合
には作業者は観察光源24,接眼レンズ25等によりなる観
察光学系により参照光16によるスリット像とウエハ面を
同時に観察しながら、あるいは自動の場合にはパターン
認識を応用して切断すべき配線部とスリット像の位置合
せを行い、しかる後、紫外レーザ光12bを発振する。こ
の時、レーザ光12bは参照光16によるスリット像と同一
の位置,寸法に集光され加工が行なわれる。
ここで、レーザが照射されるリンク部は第7図(a)
に示した様に、最終的パシベーションであるSiN膜7が
形成されている。SiN膜7は成膜プロセスにより吸収端
が異なるが、例えば第5図に示す様に分光透過特性を持
つ。実線(曲線27),破線(曲線28),鎖線(曲線29)
はそれぞれ吸収端が2000Å,2500Å,2700Åの場合であ
る。
ここで、曲線29の特性を示すSiN膜7が形成されてい
るチップにYAGレーザの第3高調波12bを照射すると、第
1図(a)に示す様に紫外レーザ光はSiN膜7で吸収さ
れ上から順に除去加工が進み、第1図(b)に示す様に
レーザが照射された部分のみ、SiN7が完全に除去され
る。さらにレーザ光12bを照射するとリンガラス層4は
レーザ光を透過するが、poly-Si層3で吸収され、爆発
的に飛散し、同時にリンガラス層4も除去される。
厚さ2000Å,巾2μmのpoly-Si配線3上にSiO2膜4
が2500Å,その上にSiN膜が1μm形成されているサン
プルに対して矩形スリットにより5μm□の照射領域を
設定し、8×108W/cm2のパワー密度となる様に調整され
たYAGレーザの第3高調波(パルス巾15nsのパルス光)
を照射した。1パルス目でSiN膜に5μm□の溝が形成
され、2パルス目で深さが増し、3パルス目でSiN膜が
ほぼ完全に除去でき、4パルス目でpoly-Si配線が切断
できた。その切断は極めて良好で、周辺のSiN膜へのク
ラック発生も見られず、また下層のSiO2膜、Si基板への
ダメージも見られなかった。
また、同じサンプルに対して5μm□の照射領域を設
定し、4×108W/cm2のパワー密度となる様に調整された
YAGレーザの第3高調波(パルス巾15nsのパルス光)を
照射した。その結果、レーザ出力のバラツキに起因する
加工速度のバラツキのため、5〜7パルスでSiN膜が除
去され、次の1パルスでpoly-Si配線が切断し、さらに
2〜4パルス(計10パルス)照射しても、何ら下層ある
いは周辺へのダメージのない良好な切断が得られた。
また、同じサンプルに対して10μm□の照射領域を設
定し、同じくYAGレーザの第3高調波パルス光(パルス
巾15ns)をパワー密度が1×109W/cm2となる様に調整し
てpoly-Si配線上のSiN膜に2パルス照射した。これによ
り、10μm□の領域のSiN膜がほぼ完全に除去できた。
これはフォトエッチング技術により、SiN膜に窓あけを
行なった場合と同一の形状であった。これに、照射領域
を5μm□に設定しなおし、パワー密度を4×108W/cm2
に調整して照射した結果、良好な切断が得られた。ま
た、YAGレーザの第3高調波で10μm□,1×109W/cm2,2
パルスでSiN膜に窓あけを行った後、YAGレーザの基本波
(波長1.06μm)のパルス光(パルス巾40ns)をガウス
型のスポットに集光して1パルスで切断を行った。スポ
ット径(加工径)6μm,パルスエネルギ2μJで良好な
切断を得た。
次に別な実施例を示す。実施するに好適な装置の光学
系を第4図に示す。YAGレーザ発振器11より発振され、
第3高調波発生器13により紫外レーザ12bに交換されて
対物レンズ31によりX-Y-Z-θステージ22に載置されたウ
エハ23に集光・照射される。この時、ウエハ23は対物レ
ンズ31の焦点に一致する位置関係に置かれる。この場
合、集光されたレーザ光は、焦点においてガウス型のパ
ワー密度分布を持つため、第2図に示す様に中心部が深
く周辺は浅い除去加工がなされる。パルスごとに深さが
増し第2図(b)示す様にSiN膜7の除去部からSiO2
4が露出する状態になると、次のパルスでpoly-Si配線
3は爆発的に飛散し、同時にSiO24も除去され、第2図
(c)に示す様に、良好な切断が得られる。
前に述べた試料に対してスポット径5μmφが得られ
る対物レンズを用い、パルス・エネルギが2μJになる
様に調整したYAGレーザの第3高調波を照射した。その
結果、3パルスでSiN膜が除去され、4パルス目でpoly-
Si配線が切断できた。SiN膜は円形に除去され、その側
面はほぼ垂直で、周辺のSiN膜へのクラック発生も見ら
れず、下層のSiO2膜・Si基板へのダメージも見られなか
った。
なお、本発明の実施例の説明において、パシベーショ
ン膜としてSiN膜を対象に、YAGレーザの第3高調波を用
いて、その下層のpoly-Si配線を切断する場合について
述べて来た。しかし、本発明はこれに限定されるもので
はない。例えばより吸収端波長の短いSiN膜に対してはN
2レーザ(波長337nm),YAGレーザの第4高調波(266n
m),XeClエキシマレーザ(308nm),KrFエキシマレーザ
(249nm),KrClエキシマレーザ(222nm),ArFエキシマ
レーザ(193nm)を用いることにより、レーザ照射部の
みSiN膜を除去しその下層の配線を切断することができ
る。また、パシベーション膜として、リンガラス等のSi
O2系の材料が用いられる場合には、YAGレーザの第4高
調波(266nm),KrFエキシマレーザ(249nm),KrClエキ
シマレーザ(222nm),ArFエキシマレーザ(193nm)を用
いることにより、レーザ照射部のみパシベーション膜を
除去しその下層の配線を切断することができる。
また、切断対象となる配線についてもpoly-Si配線に
ついて説明して来たが、MoSi,WSi,Mo,W,Al等の金属、金
属シリサイド、あるいはそれらの複数の層からなる配線
についても、本発明を適用することができることは明ら
かである。
さらに、本発明を実施するに好適な装置として第3図
および第4図にその光学系の構成を示したが、これらに
限定されるものではない。実施例においては対物レンズ
として、透過・屈折型のレンズで示したが反射型の対物
レンズを使用することも可能である。また、レーザ照射
位置の調整についてはX-Y-Z-θステージを使用する様に
示したが、対物レンズを含めた光学系の移動、ガルバノ
ミラー等による走査、あるいはそれらの組合せを使用で
きることは明らかである。
以上、本発明について実施例に基づいて説明してきた
が、要約すると以下の通りである。
切断すべき配線上に最終的パシベーション膜としてSi
Nが形成されている場合、YAGレーザの第3高調波(355n
m)あるいはこれより短い波長のパルスレーザをSiN表面
に集光照射して、SiNの除去加工を行う。パルス幅は100
nsより短い方が周辺への熱影響の観点から望ましい。照
射するレーザ・パワー密度としてはSiN膜厚波長に対す
る吸収率により異なるが概ね1×108W/cm2以上で、複数
のパルスを照射して除去することが望ましい。除去加工
を行える値、例えば1×108W/cm2で、処理速度の観点か
らパルス数として1〜数10パルスで照射することが望ま
しいが、特にこれらに限定されるものではない。
また、最終的パシベーション膜としてSiO2が形成され
ている場合には、YAGレーザの第4高調波(266nm)ある
いはこれより短い波長のパルスレーザを使用する。
最終パシベーション膜、あるいは配線層のすぐ上の層
まで除去した後、さらにレーザ光を照射して配線を切断
する。この場合は、レーザとして配線で吸収される波長
であれば良く、一般的には赤外・可視・紫外のいずれで
も可能である。
ただし、複数の波長のレーザを使用する場合は、光学
系(特に反射ミラーの特性、対物レンズの色収差、レー
ザ出力の調整等)が複雑になるため、実用上の観点から
考えてパシベーション膜の除去に使用したレーザをその
まま使用するのが最も適切であり、1パルスの照射で切
断するのが望ましい。
以上述べて来た様に、本発明は最終パシベーション膜
が形成されたウエハに対して、窓あけ等の余分な工程を
必要とせず、切断を必要とする配線を周辺へのダメージ
なく処理(切断)でき、しかも切断の不要なチップにつ
いては十分な信頼性が確保できる効果を有する。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、パシベーショ
ン膜に覆われた配線を、周辺にダメージを与えることな
く、かつ、窓明け等の余分な工程を必要とせずに、レー
ザを照射するだけで切断できるので、半導体メモリの冗
長化技術における通常の製造工程終了後のウエハの配線
の切断を、より少ない工程数で、半導体メモリの信頼性
を損なうことなく最小限の部分のみの加工により実現で
きるとうい効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は各々本発明の処理方法による被処
理部を示す断面図、第3図および第4図は各々本発明を
実施するに好適な装置の光学系の構成図、第5図は本発
明に係るSiNの分光透過特性図、第6図および第7図は
従来技術による被処理部を示す断面図である。 1……Si基板、2……SiO2膜、3……poly-Si配線、4
……リンガラス膜、5……Al配線、6……レーザ光、7
……SiN膜、11……YAGレーザ発振器、13……第3高調波
発生器、19……矩形開口スリット、21……対物レンズ、
23……ウエハ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 盛生 東京都小平市上水本町1450番地 株式会社 日立製作所武蔵工場内 (56)参考文献 特開 昭58−56355(JP,A) 特開 昭59−104141(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面を絶縁膜で覆われた半導体装置の内部
    に形成された配線の所望の部分をレーザを用いて切断す
    るレーザ処理方法であって、前記所望の部分の上部の前
    記絶縁膜に前記絶縁膜で吸収される波長のパルスレーザ
    光を照射して前記絶縁膜を除去することにより該絶縁膜
    と異なる材質の層を露出させ、該露出した前記絶縁膜と
    異なる材質の層に前記パルスレーザ光を照射することに
    より前記配線の所望の部分を除去して切断することを特
    徴とするレーザ処理方法。
  2. 【請求項2】上記パルスレーザ光のパルス幅が100ns以
    下であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    レーザ処理方法。
  3. 【請求項3】前記表面の絶縁膜の除去を、前記パルスレ
    ーザ光を複数のパルス照射して行うことを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載のレーザ処理方法。
  4. 【請求項4】前記露出した前記絶縁膜と異なる材質の層
    へ前記パルスレーザ光を1パルス照射することにより前
    記配線の所望の部分を除去して切断することを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載のレーザ処理方法。
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