JPH06314807A - 光起電力装置の製造方法 - Google Patents
光起電力装置の製造方法Info
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- JPH06314807A JPH06314807A JP5103878A JP10387893A JPH06314807A JP H06314807 A JPH06314807 A JP H06314807A JP 5103878 A JP5103878 A JP 5103878A JP 10387893 A JP10387893 A JP 10387893A JP H06314807 A JPH06314807 A JP H06314807A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 逆タイプ構造の光起電力装置10を製造する
際、導電層14の分離部14a,半導体層16の分離部
16aおよび透明導電層18の分離部18aを形成する
とき、波長0.308μmでパルス半値幅40nsec以下
のXeClエキシマレーザのパルスビームを照射する。 【効果】 導電層14の凸部に起因する短絡事故や、下
層の導電層14や半導体層16の損傷がない。
際、導電層14の分離部14a,半導体層16の分離部
16aおよび透明導電層18の分離部18aを形成する
とき、波長0.308μmでパルス半値幅40nsec以下
のXeClエキシマレーザのパルスビームを照射する。 【効果】 導電層14の凸部に起因する短絡事故や、下
層の導電層14や半導体層16の損傷がない。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は光起電力装置の製造方
法に関し、特にたとえば、絶縁表面を有す基板または絶
縁基板上に、各セル毎に、導電層,半導体層および透明
導電層がこの順で積層され、透明電極層が隣接セルの導
電層に接続されたいわゆる逆タイプ構造の光起電力装置
の製造方法に関する。
法に関し、特にたとえば、絶縁表面を有す基板または絶
縁基板上に、各セル毎に、導電層,半導体層および透明
導電層がこの順で積層され、透明電極層が隣接セルの導
電層に接続されたいわゆる逆タイプ構造の光起電力装置
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】透光性基板上に透明導電層,光活性層を
含む半導体層および金属導電層を順次積層した膜状光電
変換セルが互いに電気的に直列接続された、いわゆる順
タイプ構造の光起電力装置の製造に際し、上記各層の不
要部分を除去する際にレーザ光を照射する方法が、たと
えば特開昭61−210682号〔H01L 31/0
4〕等に開示されている。レーザビームの照射により各
層の不要部分を除去するこの方法はフォトレジスト等を
一切使わず精密加工性に富んでいることから光起電力装
置の製造方法として極めて有効である。
含む半導体層および金属導電層を順次積層した膜状光電
変換セルが互いに電気的に直列接続された、いわゆる順
タイプ構造の光起電力装置の製造に際し、上記各層の不
要部分を除去する際にレーザ光を照射する方法が、たと
えば特開昭61−210682号〔H01L 31/0
4〕等に開示されている。レーザビームの照射により各
層の不要部分を除去するこの方法はフォトレジスト等を
一切使わず精密加工性に富んでいることから光起電力装
置の製造方法として極めて有効である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、基板上
に導電層,半導体層および透明導電層をこの順に積層し
た膜状光電変換セルが互いに電気的に直列接続された、
いわゆる逆タイプ構造の光起電力装置の製造において
は、レーザビームの照射により導電層の不要部分を除去
する際、可視あるいは近赤外等のレーザ光を用いると、
レーザ照射領域における導電層の溶融物がその表面に凸
部を形成し、この凸部が後に導電層上に形成される半導
体層を貫通して透明電極層との短絡事故を生じることが
ある。
に導電層,半導体層および透明導電層をこの順に積層し
た膜状光電変換セルが互いに電気的に直列接続された、
いわゆる逆タイプ構造の光起電力装置の製造において
は、レーザビームの照射により導電層の不要部分を除去
する際、可視あるいは近赤外等のレーザ光を用いると、
レーザ照射領域における導電層の溶融物がその表面に凸
部を形成し、この凸部が後に導電層上に形成される半導
体層を貫通して透明電極層との短絡事故を生じることが
ある。
【0004】また、レーザビームの照射により半導体層
の不要部分を除去する際、下層である導電層への損傷を
防止する観点から導電層の温度上昇は抑える必要がある
が、可視あるいは近赤外等のレーザ光を用いると半導体
層が融点を超えることにより除去されるため、融点が半
導体と同等もしくはそれ以下である下層の導電層は損傷
を生じる。
の不要部分を除去する際、下層である導電層への損傷を
防止する観点から導電層の温度上昇は抑える必要がある
が、可視あるいは近赤外等のレーザ光を用いると半導体
層が融点を超えることにより除去されるため、融点が半
導体と同等もしくはそれ以下である下層の導電層は損傷
を生じる。
【0005】さらに、透明導電層の不要部分をレーザビ
ームの照射により除去する際、損傷および特性劣化防止
の観点から下層である半導体層等の温度上昇は抑える必
要があるが、可視あるいは近赤外等のレーザ光を用いる
と、レーザ光の大部分は透明導電層を透過し、下層であ
る半導体層に照射されるため半導体層の温度上昇は不可
避であり、融点が透明導電層と同等もしくはそれ以下で
ある下層の半導体層は損傷を生じる。
ームの照射により除去する際、損傷および特性劣化防止
の観点から下層である半導体層等の温度上昇は抑える必
要があるが、可視あるいは近赤外等のレーザ光を用いる
と、レーザ光の大部分は透明導電層を透過し、下層であ
る半導体層に照射されるため半導体層の温度上昇は不可
避であり、融点が透明導電層と同等もしくはそれ以下で
ある下層の半導体層は損傷を生じる。
【0006】それゆえに、この発明の主たる目的は、い
わゆる逆タイプ構造の光電変換セルが互いに直列接続さ
れた光起電力装置において、レーザビームの照射により
不要部分を除去する際、レーザ照射に起因する短絡事故
を防止するとともに、不要部分の下層への損傷を防止す
ることができる、製造方法を提供することである。
わゆる逆タイプ構造の光電変換セルが互いに直列接続さ
れた光起電力装置において、レーザビームの照射により
不要部分を除去する際、レーザ照射に起因する短絡事故
を防止するとともに、不要部分の下層への損傷を防止す
ることができる、製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、絶縁層上
に、各セル毎に、導電層,光活性層を含む半導体層およ
び透明導電層がこの順で形成され、透明導電層が隣接セ
ルの導電層に接続されている、光起電力装置の製造方法
において、少なくとも導電層,半導体層,および透明導
電層を分離する際に、所定値以下のパルス半値幅を有す
る所定値以下の短波長のパルスレーザを照射することに
よって各層の不要部分を除去するようにしたことを特徴
とする、光起電力装置の製造方法である。
に、各セル毎に、導電層,光活性層を含む半導体層およ
び透明導電層がこの順で形成され、透明導電層が隣接セ
ルの導電層に接続されている、光起電力装置の製造方法
において、少なくとも導電層,半導体層,および透明導
電層を分離する際に、所定値以下のパルス半値幅を有す
る所定値以下の短波長のパルスレーザを照射することに
よって各層の不要部分を除去するようにしたことを特徴
とする、光起電力装置の製造方法である。
【0008】
【作用】波長がたとえば0.36μm以下で、かつパル
ス半値幅がたとえば40nsec以下の短波長高出力レーザ
光を用いて、照射されるレーザビームのエネルギの量を
低減するとともに、光子によって生じる分子結合の切断
により各層の不要部分を除去する溶発現象を利用し、熱
的影響を抑えることで導電層を各セル毎に分離する際に
生じる溶融物をなくし、また半導体層や透明導電層の不
要部分の除去時に生じる下層の温度上昇を抑制すること
で下層の損傷等を防止する。
ス半値幅がたとえば40nsec以下の短波長高出力レーザ
光を用いて、照射されるレーザビームのエネルギの量を
低減するとともに、光子によって生じる分子結合の切断
により各層の不要部分を除去する溶発現象を利用し、熱
的影響を抑えることで導電層を各セル毎に分離する際に
生じる溶融物をなくし、また半導体層や透明導電層の不
要部分の除去時に生じる下層の温度上昇を抑制すること
で下層の損傷等を防止する。
【0009】
【発明の効果】この発明によれば、短波長短パルスレー
ザを照射して各層の不要部分を除去するようにしたた
め、導電層の凸部に起因する短絡事故や、下層の導電層
あるいは半導体層の熱的損傷を防止でき、いわゆる逆タ
イプ構造においてもレーザパターニングにより効率よく
光起電力装置を製造することができる。
ザを照射して各層の不要部分を除去するようにしたた
め、導電層の凸部に起因する短絡事故や、下層の導電層
あるいは半導体層の熱的損傷を防止でき、いわゆる逆タ
イプ構造においてもレーザパターニングにより効率よく
光起電力装置を製造することができる。
【0010】この発明の上述の目的,その他の目的,特
徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳
細な説明から一層明らかとなろう。
徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳
細な説明から一層明らかとなろう。
【0011】
【実施例】図1はこの発明の一実施例に従って光起電力
装置10を製造する方法をステップ順次に示す図解図で
ある。第1のステップとして、図1(A)に示すよう
に、たとえば1×1cm〜30×30cm程度のたとえばセ
ラミックからなる絶縁基板12(これはたとえばステン
レスのような導電基板上に形成された絶縁層であっても
よい)上に、各セル毎に、導電層14を形成する。具体
的には、絶縁基板12上に、全面に、たとえばAgのよ
うな導電膜をたとえば1000〜4000Å程度の膜厚
で形成した後、分離部14aにレーザビームLBを照射
して、不要部分を除去する。
装置10を製造する方法をステップ順次に示す図解図で
ある。第1のステップとして、図1(A)に示すよう
に、たとえば1×1cm〜30×30cm程度のたとえばセ
ラミックからなる絶縁基板12(これはたとえばステン
レスのような導電基板上に形成された絶縁層であっても
よい)上に、各セル毎に、導電層14を形成する。具体
的には、絶縁基板12上に、全面に、たとえばAgのよ
うな導電膜をたとえば1000〜4000Å程度の膜厚
で形成した後、分離部14aにレーザビームLBを照射
して、不要部分を除去する。
【0012】このとき使用するレーザは、パルス発振型
のものがよく、好適な実験例では、波長308nm、パル
ス半値幅40nsec以下、エネルギ密度0.3J/cm2 の
XeClエキシマレーザを用いた。ただし、分離部14aの
幅は、たとえば20〜200μm程度に設定した。な
お、レーザはXeClエキシマレーザに限定されるものでは
なく、たとえば、波長0.248μmのKrF エキシマレ
ーザや波長0.193μmのKrF エキシマレーザが用い
られてもよく、また他のエキシマレーザやYAG レーザの
3倍波あるいは4倍波が用いられてもよい。さらに、エ
ネルギ密度も上記数値に限定されるものではなく、0.
2J/cm2 以上あればこのような導電膜の不要部分を除
去できることを確認している。
のものがよく、好適な実験例では、波長308nm、パル
ス半値幅40nsec以下、エネルギ密度0.3J/cm2 の
XeClエキシマレーザを用いた。ただし、分離部14aの
幅は、たとえば20〜200μm程度に設定した。な
お、レーザはXeClエキシマレーザに限定されるものでは
なく、たとえば、波長0.248μmのKrF エキシマレ
ーザや波長0.193μmのKrF エキシマレーザが用い
られてもよく、また他のエキシマレーザやYAG レーザの
3倍波あるいは4倍波が用いられてもよい。さらに、エ
ネルギ密度も上記数値に限定されるものではなく、0.
2J/cm2 以上あればこのような導電膜の不要部分を除
去できることを確認している。
【0013】先に挙げた特開昭61−210682号に
よって教示される波長1.06μmのYAG レーザを用い
る従来技術では、導電膜の不要部分を除去するために
は、エネルギ密度が0.8J/cm2 以上必要であった。
これに対して、上述のレーザを用いるこの実施例では、
従来技術に比べて、照射されるエネルギ量が大幅に低減
されている。また、このようなレーザを用いることによ
って、導電膜を、熱加工ではなく、光子によって生じる
分子結合の切断によって加工が進行する溶発現象を利用
して切断ないし分離する。したがって、レーザビームの
熱的作用を低減することができ、導電層14を各セル毎
に分離する際に生じる溶融物による凸部の発生を回避
し、この凸部に起因する短絡事故が防止できる。
よって教示される波長1.06μmのYAG レーザを用い
る従来技術では、導電膜の不要部分を除去するために
は、エネルギ密度が0.8J/cm2 以上必要であった。
これに対して、上述のレーザを用いるこの実施例では、
従来技術に比べて、照射されるエネルギ量が大幅に低減
されている。また、このようなレーザを用いることによ
って、導電膜を、熱加工ではなく、光子によって生じる
分子結合の切断によって加工が進行する溶発現象を利用
して切断ないし分離する。したがって、レーザビームの
熱的作用を低減することができ、導電層14を各セル毎
に分離する際に生じる溶融物による凸部の発生を回避
し、この凸部に起因する短絡事故が防止できる。
【0014】図1(B)に示す第2ステップでは、各セ
ル毎に、たとえばpin接合のような光活性層を含む膜
厚がたとえば3000〜8000Åの半導体層16が導
電層12上に積層的に形成される。具体的には、公知の
プラズマCVD法等によってアモルファスシリコンのよ
うな半導体膜を導電層14上を含む絶縁基板12表面上
に全面に形成し、分離部16aにレーザビームLBを照
射することによって、半導体膜の不要部分を除去する。
ル毎に、たとえばpin接合のような光活性層を含む膜
厚がたとえば3000〜8000Åの半導体層16が導
電層12上に積層的に形成される。具体的には、公知の
プラズマCVD法等によってアモルファスシリコンのよ
うな半導体膜を導電層14上を含む絶縁基板12表面上
に全面に形成し、分離部16aにレーザビームLBを照
射することによって、半導体膜の不要部分を除去する。
【0015】このとき使用するレーザは、パルス発振型
のものがよく、好適な実験例では、波長308nm、エネ
ルギ密度0.1〜1.0J/cm2 のXeClエキシマレーザ
を用いた。そして、1パルスもしくは2〜100パルス
程度の複数個のレーザパルスを照射した。ただし、分離
部16aの幅は、たとえば20〜200μm程度に設定
した。
のものがよく、好適な実験例では、波長308nm、エネ
ルギ密度0.1〜1.0J/cm2 のXeClエキシマレーザ
を用いた。そして、1パルスもしくは2〜100パルス
程度の複数個のレーザパルスを照射した。ただし、分離
部16aの幅は、たとえば20〜200μm程度に設定
した。
【0016】なお、レーザはXeClエキシマレーザに限定
されるものではなく、波長が0.36μm以下でパルス
半値幅が40nsec以下の任意の短波長短パルスレーザで
あればよいのは、前述の導電層14を加工するときと同
様である。上述の導電層14と同様に、半導体層16
も、光化学的な溶発現象を利用して切断ないし分離する
が、このような光化学的な溶発現象を利用する加工にお
いては、レーザ照射による加工深さは照射レーザパルス
数にほぼ比例するため、レーザによる溶発現象を利用し
て加工を行う際には、半導体層16の分離部16aを除
去可能なパルス数のレーザを照射することにより、下層
である導電層14に損傷を与えることなく半導体層の除
去が可能となる。
されるものではなく、波長が0.36μm以下でパルス
半値幅が40nsec以下の任意の短波長短パルスレーザで
あればよいのは、前述の導電層14を加工するときと同
様である。上述の導電層14と同様に、半導体層16
も、光化学的な溶発現象を利用して切断ないし分離する
が、このような光化学的な溶発現象を利用する加工にお
いては、レーザ照射による加工深さは照射レーザパルス
数にほぼ比例するため、レーザによる溶発現象を利用し
て加工を行う際には、半導体層16の分離部16aを除
去可能なパルス数のレーザを照射することにより、下層
である導電層14に損傷を与えることなく半導体層の除
去が可能となる。
【0017】図1(C)に示す第3ステップでは、半導
体層16の表面を含んで絶縁基板12の表面全面に、た
とえばITO等からなる透明導電膜18′が厚さたとえ
ば500Å〜2000Åで形成される。図1(D)に示
す第4ステップでは、透明導電膜18′の隣接間隔部す
なわち分離部18aが矢印で示すようにレーザビームL
Bの照射により除去されて、個別の透明導電層18が分
離形成される。この透明導電層18の分離部18aを形
成する際のレーザビーム照射において留意すべきは、使
用するレーザ光が透明導電層を溶発により除去可能な波
長0.36μm以下で、かつパルス半値幅40nsec以下
であることである。
体層16の表面を含んで絶縁基板12の表面全面に、た
とえばITO等からなる透明導電膜18′が厚さたとえ
ば500Å〜2000Åで形成される。図1(D)に示
す第4ステップでは、透明導電膜18′の隣接間隔部す
なわち分離部18aが矢印で示すようにレーザビームL
Bの照射により除去されて、個別の透明導電層18が分
離形成される。この透明導電層18の分離部18aを形
成する際のレーザビーム照射において留意すべきは、使
用するレーザ光が透明導電層を溶発により除去可能な波
長0.36μm以下で、かつパルス半値幅40nsec以下
であることである。
【0018】すなわち、透明導電膜18′は光子エネル
ギの大きい波長0.36μm以下の短波長レーザビーム
LBが照射されると、光化学的に分子の結合が切断され
る加工現象である溶発をおこす。このため、厚さたとえ
ば3500Åの半導体層16上に形成された厚さたとえ
ば700Åの透明導電膜18′にレーザを照射した際、
それが除去されるに必要なエネルギ密度は、波長0.5
3μm、パルス半値幅80nsecのレーザにおいては約
0.3J/cm2 であるが、波長0.308μm、パルス
半値幅30nsecのレーザにおいては約0.17J/cm2
と照射するエネルギ量を大幅に低減することが可能とな
る。
ギの大きい波長0.36μm以下の短波長レーザビーム
LBが照射されると、光化学的に分子の結合が切断され
る加工現象である溶発をおこす。このため、厚さたとえ
ば3500Åの半導体層16上に形成された厚さたとえ
ば700Åの透明導電膜18′にレーザを照射した際、
それが除去されるに必要なエネルギ密度は、波長0.5
3μm、パルス半値幅80nsecのレーザにおいては約
0.3J/cm2 であるが、波長0.308μm、パルス
半値幅30nsecのレーザにおいては約0.17J/cm2
と照射するエネルギ量を大幅に低減することが可能とな
る。
【0019】また、透明導電層18と半導体層16から
なる薄膜の積層構造においては、干渉等の効果により、
波長に応じてレーザ照射部で吸収されるエネルギ量に占
める透明導電層18での吸収量の比率は変化するが、こ
の積層構造において干渉を考慮した光学的解析結果か
ら、波長0.308μmにおける上記比率は、波長0.
53μmのそれと比較して1.5倍以上になり、さらに
短い波長である波長0.248μmにおける比率は波長
0.53μmの場合の2倍以上となっており、波長0.
36μm以下の短波長レーザビームを用いることによ
り、表面層である透明導電層18を透過し、下層である
半導体層16で吸収するレーザのエネルギ量を低減する
ことができる。
なる薄膜の積層構造においては、干渉等の効果により、
波長に応じてレーザ照射部で吸収されるエネルギ量に占
める透明導電層18での吸収量の比率は変化するが、こ
の積層構造において干渉を考慮した光学的解析結果か
ら、波長0.308μmにおける上記比率は、波長0.
53μmのそれと比較して1.5倍以上になり、さらに
短い波長である波長0.248μmにおける比率は波長
0.53μmの場合の2倍以上となっており、波長0.
36μm以下の短波長レーザビームを用いることによ
り、表面層である透明導電層18を透過し、下層である
半導体層16で吸収するレーザのエネルギ量を低減する
ことができる。
【0020】図2は、絶縁基板12表面上に形成された
厚さ2000Åの金属導電層14,厚さ3500Åの半
導体層16,および厚さ700Åの透明導電層18の積
層構造に波長0.308μm、パルス半値幅30nsecの
エキシマレーザ光を透明導電層除去可能な強度で照射し
た際の深さ方向温度分布をシミュレーションによって求
めた結果である。図2においてレーザ照射開始からの時
間はパルス半値幅の倍の時間である60nsec後である
が、これはパルス半値幅の倍の時間でレーザ1パルスの
エネルギはほとんど照射されたと考えられるためであ
る。
厚さ2000Åの金属導電層14,厚さ3500Åの半
導体層16,および厚さ700Åの透明導電層18の積
層構造に波長0.308μm、パルス半値幅30nsecの
エキシマレーザ光を透明導電層除去可能な強度で照射し
た際の深さ方向温度分布をシミュレーションによって求
めた結果である。図2においてレーザ照射開始からの時
間はパルス半値幅の倍の時間である60nsec後である
が、これはパルス半値幅の倍の時間でレーザ1パルスの
エネルギはほとんど照射されたと考えられるためであ
る。
【0021】図3に同じ積層構造に対して波長0.53
μm、パルス半値幅80nsecのレーザ光を透明導電層除
去可能な強度で照射した際の深さ方向温度分布をシミュ
レーションによって求めた結果を示す。図3においても
レーザ照射開始からの時間は図2と同様の理由により1
60nsec後とした。図3では半導体層の温度は1400
K程度まで達しており、たとえば半導体層に融点が12
00K程度のアモルファスシリコン等の融点が1400
K程度以下の材料を用いた場合、半導体層は明らかに損
傷を生じるものと考えられる。
μm、パルス半値幅80nsecのレーザ光を透明導電層除
去可能な強度で照射した際の深さ方向温度分布をシミュ
レーションによって求めた結果を示す。図3においても
レーザ照射開始からの時間は図2と同様の理由により1
60nsec後とした。図3では半導体層の温度は1400
K程度まで達しており、たとえば半導体層に融点が12
00K程度のアモルファスシリコン等の融点が1400
K程度以下の材料を用いた場合、半導体層は明らかに損
傷を生じるものと考えられる。
【0022】図2では半導体層の温度は最高で750K
以下である。光子が分子結合を切断するため、750K
程度の温度で透明電極層が加工されるため、半導体層に
アモルファスシリコン等を用いても透明導電層の除去に
おいて半導体層の熱的損傷の発生を回避できる。この解
析結果から、波長0.36μm以下、パルス半値幅40
nsec以下のレーザ光を利用することで、透明導電層除去
時の下層半導体層における温度上昇を抑制し、半導体層
等の損傷および特性劣化を防止できることがわかる。
以下である。光子が分子結合を切断するため、750K
程度の温度で透明電極層が加工されるため、半導体層に
アモルファスシリコン等を用いても透明導電層の除去に
おいて半導体層の熱的損傷の発生を回避できる。この解
析結果から、波長0.36μm以下、パルス半値幅40
nsec以下のレーザ光を利用することで、透明導電層除去
時の下層半導体層における温度上昇を抑制し、半導体層
等の損傷および特性劣化を防止できることがわかる。
【0023】さらに図1(A),図1(B),および図
1(D)におけるレーザ照射について、光起電力装置の
形状が図1に示す断面形状を断面方向に延ばした形状で
あるため、レーザ光の平面形状を図1における断面方向
に断面方向と垂直な方向より大きく伸ばしたライン状の
形状とすることで、レーザ光を断面方向に走査すること
なく、断面方向の領域を大きく加工することが可能とな
り加工に要する時間の低減が可能となる。さらに、少な
くとも図1(A)および図1(D)におけるレーザ照射
については、光起電力装置全体についてライン状にパタ
ーニングする必要があるが、レーザ光をライン状とする
ことで、レーザ光のオーバラップ部を低減もしくはなく
すことが可能となりレーザが必要以上に照射されること
による損傷を回避することができる。
1(D)におけるレーザ照射について、光起電力装置の
形状が図1に示す断面形状を断面方向に延ばした形状で
あるため、レーザ光の平面形状を図1における断面方向
に断面方向と垂直な方向より大きく伸ばしたライン状の
形状とすることで、レーザ光を断面方向に走査すること
なく、断面方向の領域を大きく加工することが可能とな
り加工に要する時間の低減が可能となる。さらに、少な
くとも図1(A)および図1(D)におけるレーザ照射
については、光起電力装置全体についてライン状にパタ
ーニングする必要があるが、レーザ光をライン状とする
ことで、レーザ光のオーバラップ部を低減もしくはなく
すことが可能となりレーザが必要以上に照射されること
による損傷を回避することができる。
【0024】このようにレーザビームの平面形状をライ
ン状にする方法の一例が図4に示される。すなわち、レ
ーザ発振器(図示せず)からのレーザ光がシリンドリカ
ル凹レンズ20を経て断面方向に伸長された後、平面鏡
22によって反射されて、この図4に示すように、一方
に対して他方が非常に長いライン状の平面形状を有する
レーザビームLBが得られる。ただし、この図4の方法
に限られるものではなく、1対のシリンドリカルレンズ
を用いたようなものでもよい。
ン状にする方法の一例が図4に示される。すなわち、レ
ーザ発振器(図示せず)からのレーザ光がシリンドリカ
ル凹レンズ20を経て断面方向に伸長された後、平面鏡
22によって反射されて、この図4に示すように、一方
に対して他方が非常に長いライン状の平面形状を有する
レーザビームLBが得られる。ただし、この図4の方法
に限られるものではなく、1対のシリンドリカルレンズ
を用いたようなものでもよい。
【図1】この発明の一実施例に従って光起電力装置を製
造する方法をステップ順次に示す図解図である。
造する方法をステップ順次に示す図解図である。
【図2】絶縁基板表面上に形成された導電層,半導体
層,および透明導電層の積層構造に波長0.308μ
m、パルス半値幅30nsecのエキシマレーザ光を透明導
電層除去可能な強度で照射した際の深さ方向温度分布を
シミュレーションによって求めた結果を示すグラフであ
る。
層,および透明導電層の積層構造に波長0.308μ
m、パルス半値幅30nsecのエキシマレーザ光を透明導
電層除去可能な強度で照射した際の深さ方向温度分布を
シミュレーションによって求めた結果を示すグラフであ
る。
【図3】図2の場合と同じ積層構造に波長0.53μ
m、パルス半値幅80nsecのレーザ光を透明導電層除去
可能な強度で照射した際の深さ方向温度分布をシミュレ
ーションによって求めた結果を示すグラフである。
m、パルス半値幅80nsecのレーザ光を透明導電層除去
可能な強度で照射した際の深さ方向温度分布をシミュレ
ーションによって求めた結果を示すグラフである。
【図4】ライン状の平面形状を有するレーザビームを形
成する方法の一例を示す図解図である。
成する方法の一例を示す図解図である。
10 …光起電力装置 12 …絶縁基板 14 …導電層 16 …半導体層 18 …透明導電層 LB …レーザビーム
Claims (2)
- 【請求項1】絶縁層上に、各セル毎に、導電層,光活性
層を含む半導体層および透明導電層がこの順で形成さ
れ、前記透明導電層が隣接セルの前記導電層に接続され
ている、光起電力装置の製造方法において、 少なくとも前記導電層,前記半導体層,および前記透明
導電層を分離する際に、所定値以下のパルス半値幅を有
する所定値以下の短波長のパルスレーザを照射すること
によって各層の不要部分を除去するようにしたことを特
徴とする、光起電力装置の製造方法。 - 【請求項2】一方に対して他方が長いライン状の平面形
状を有するビームのパルスレーザを照射するようにし
た、請求項1記載の光起電力装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5103878A JPH06314807A (ja) | 1993-04-30 | 1993-04-30 | 光起電力装置の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5103878A JPH06314807A (ja) | 1993-04-30 | 1993-04-30 | 光起電力装置の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06314807A true JPH06314807A (ja) | 1994-11-08 |
Family
ID=14365698
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5103878A Pending JPH06314807A (ja) | 1993-04-30 | 1993-04-30 | 光起電力装置の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06314807A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000208794A (ja) * | 1999-01-19 | 2000-07-28 | Fuji Electric Co Ltd | 薄膜太陽電池等のパタ―ン状薄膜層のレ―ザパタ―ニング方法および装置 |
JP2001274446A (ja) * | 2000-03-23 | 2001-10-05 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 集積型ハイブリッド薄膜太陽電池の製造方法 |
-
1993
- 1993-04-30 JP JP5103878A patent/JPH06314807A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000208794A (ja) * | 1999-01-19 | 2000-07-28 | Fuji Electric Co Ltd | 薄膜太陽電池等のパタ―ン状薄膜層のレ―ザパタ―ニング方法および装置 |
JP2001274446A (ja) * | 2000-03-23 | 2001-10-05 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 集積型ハイブリッド薄膜太陽電池の製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20020402 |