JPH0558676B2 - - Google Patents

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JPH0558676B2
JPH0558676B2 JP62011703A JP1170387A JPH0558676B2 JP H0558676 B2 JPH0558676 B2 JP H0558676B2 JP 62011703 A JP62011703 A JP 62011703A JP 1170387 A JP1170387 A JP 1170387A JP H0558676 B2 JPH0558676 B2 JP H0558676B2
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film
back electrode
electrode film
thickness
laser beam
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Seiichi Kyama
Yutaka Hirono
Hideki Imai
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Sanyo Electric Co Ltd
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Publication of JPH0558676B2 publication Critical patent/JPH0558676B2/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

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  • Photovoltaic Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はレーザービームの如きエネルギビーム
を利用した光起電力装置の製造方法に関する。
〔従来技術〕
第1図は、米国特許第4281208号に開示され、
既に実用化されている光起電力装置の基本構造を
示す模式図である。ガラス、耐熱プラスチツク等
の如く絶縁性及び透光性挙を有する基板1上に、
一定間隔にて透明電極膜2a,2b,2c……が
被着され、また、各透明電極膜2a,2b,2c
……上には、非晶質シリコン等の非晶質半導体膜
3a,3b,3c……が重畳被着されている。更
に、各非晶質半導体膜3a,3b,3c……上に
は、各右隣の透明電極膜2a,2b,2c……に
部分的に接続した裏面電極膜4a,4b,4c…
…が重畳被着されている。そして、このような透
明電極膜2a,2b,2c……、非晶質半導体膜
3a,3b,3c……及び裏面電極膜4a,4
b,4c……の各積層体により、光電変換素子5
a,5b,5c……が構成されている。
各非晶質半導体膜3a,3b,3c……は、そ
の内部に例えば膜面に平行なPIN接合を含み、従
つて透光性基板1及び透明電極膜2a,2b,2
c……を順次介して光入射があると、光起電力を
発生する。各非晶質半導体膜3a,3b,3c…
…内で発生した光起電力は、裏面電極膜4a,4
b,4c……と右隣りの透明電極2b,2c……
との接続により、直列的に加算されて外部に取出
される。
そして、かかる構成の光起電力装置を製造する
に際しては、細密加工性に優れている写真蝕刻技
術が用いられている。この技術による場合、基板
1上全面への透明電極膜の被着工程と、フオトレ
ジスト及びエツチングによる各個別の透明電極膜
2a,2b,2c……の分離、即ち、各透明電極
膜2a,2b,2c……の隣接間隔部の除去工程
と、これら各透明電極膜上を含む基板1上全面へ
の非晶質半導体膜の被着工程と、フオトレジスト
及びエツチングによる各個別の非晶質半導体膜3
a,3b,3c……の分離、即ち、各非晶質半導
体膜3a,3b,3c……の隣接間隔部の除去工
程とを順次経ることになる。
然しながら、写真蝕刻技術は細密加工の点では
優れているが、蝕刻パターンを規定するフオトレ
ジストのピンホールまたは周縁における剥離に伴
う欠陥が非晶質半導体膜に生じやすい。
また、特開昭57−12568号公報に開示された先
行技術は、レーザビームの照射による膜の焼き切
りにて前記隣接間隔を設定するものであり、写真
蝕刻技術では必要なフオトレジスト、即ちウエツ
トプロセスを一切使わず細密加工性に優れたその
技法は前述の課題を解決するために極めて有効で
ある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上述のごとくウエツトプロセスを一切使わない
レーザ加工は細密加工性の点において極めて有効
である反面、第16図〜第19図に夫々要部を拡
大して示す如き問題点を含んでいる。即ち、既に
各光電変換素子5a,5b……毎に分割配置され
た透明電極膜2a,2b……及び非晶質半導体膜
3a,3b……上に、裏面電極膜を連続的に跨つ
て形成し、その裏面電極膜を各光電変換素子5
a,5b……毎に分割して、それら光電変換素子
5a,5b……を電気的に直列接続すべくレーザ
ビームの照射により隣接間隔部に位置する裏面電
極膜或いは裏面電極膜及び半導体膜を除去する
と、第16図及び第17図の如くレーザビーム
LBの周縁部が照射された半導体膜部分は、該レ
ーザビームの周縁部が除去するに足りる十分なエ
ネルギを持たないために、アニーリングされ微結
晶化、或いは結晶化されてその結果、低抵抗層1
6,16a,16bを形成したり、第18図及び
第19図の如く裏面電極膜4a,4b……が半導
体膜3a,3b……とオーミツク接触すべくAl、
Ti、Ag或いはそれらを含む合金等のオーミツク
金属からなる単層或いは多層構造をとる場合、そ
れらオーミツク金属は照射されるレーザビームに
対して反射率が高く、熱伝導性が良いために、除
去部分に裏面電極膜の溶融物が流出する溶融垂れ
17,17a,17bが発生する。
また、レーザビームを用いて金属薄膜を切断加
工した場合切断溝のエツジ部は通常鮮明ではな
く、除去されなかつた金属薄膜が付着して残留す
ることが多い。これらの残留裏面電極膜はしばし
ば、溶融垂れ17,17a,17bと同様の形状
を呈することがある。
かかる半導体膜の低抵抗層16,16a,16
bが形成される場合は、レーザビームの照射によ
り裏面電極膜4a,4b……を物理的に分離でき
たとしても、電気的に分離したことにならず、ま
た裏面電極膜4bの溶融垂れ17,17b及び残
留裏面電極膜により、同一光電変換素子5b……
の透明電極膜2b……と裏面電極膜4b……とが
結合して短絡回路となる。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであ
り、多層膜構造をなす裏面電極膜を用いることに
より、裏面電極膜の下層に位置する半導体膜部分
に対する低抵抗層形成、裏面電極膜の溶融垂れ及
び残留膜片の発生を防止できる光起電力装置及び
その製造方法を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明に係る光起電力装置の製造方法の特徴と
するところは、夫々に分割された透明電極、半導
体膜及び裏面電極膜をこの順に積層して構成され
る複数の光電変換素子を電気的に直列接続せしめ
た光起電力装置の製造方法において、上記透明電
極上に被着された半導体膜に、該半導体膜側から
順に、Al−Ti合金とTiとの積層体、または1500
Å〜4000Åの膜厚のAlと2500Å〜5000Åの膜厚
のTiとの2層の積層体、或いは1000Å〜2000Å
の膜厚のAlと1000Å〜2000Åの膜厚のTiと1000
〜2000Åの膜厚のAlと1000Å〜2000Åの膜厚の
Tiとの4層の積層体、から成る多層膜構造の上
記裏面電極膜を被着し、該裏面電極膜にエネルギ
分布が照射領域に対して略均一なエネルギビーム
を照射し、該照射領域の裏面電極膜を除去して該
裏面電極膜を複数の光電変換素子毎に分割するこ
とにあり、 また、前記合金のTiに替えてV又はCrの添加
金属を含有せしめたこと、更には前記半導体膜と
前記裏面電極膜との間に、SnO2またはITOを介
挿せしめたことにある。
〔作用〕
多層膜構造をなす裏面電極膜にエネルギ分布が
均一なビームを照射する。そうすると、低抵抗層
が形成されず、また裏面電極膜の溶融垂れ及び残
留膜片が発生しない。
〔実施例〕
以下、本発明をその実施例を示す図面に基づい
て説明する。第2図〜第7図は本発明装置の製造
例を工程順に示した模式図である。
第2図の工程では、厚さ1mm〜3mm、面積10cm
×10cm〜1m×1m程度の透明なガラス等の基板
1上全面に、厚さ2000Å〜5000ÅのSnO2からな
る透明電極膜2が被着される。
第3図の工程では、隣接間隔部23がレーザビ
ームの照射により除去されて、個別の各透明電極
膜2a,2b,2c……が分離形成される。使用
されるレーザは基板1にほとんど吸収されない波
長を有するものが適当であり、ガラスからなる基
板1に対しては、0.35μm〜2.5μmの波長を有す
るパルス発振型が好ましい。かかる好適な実施例
は、波長約1.06μm、エネルギ密度13J/cm2、パル
ス周波数3KHzのNd:YAGレーザであり、隣接
間隔部23の寸法L1は約50〜100μmに設定され
る。
第4図の工程では、各透明電極膜2a,2b,
2c……の表面を含んで基板1上全面に光電変換
素子に有効に寄与する厚さ3000Å〜7000Åの非晶
質シリコン等の非晶質半導体膜3が被着される。
かかる非晶質半導体膜3はその内部に膜面に平行
なPIN接合を含み、まずP型の非晶質シリコンカ
ーバイドが被着され、次いで型及びN型の非晶
質シリコンが順次積層被着されている。
第5図の工程では、隣接間隔部24がレーザビ
ームの照射により除去されて、個別の各非晶質半
導体膜3a,3b,3c……が分離形成される。
この工程での特徴点は使用されるレーザビームの
エネルギ分布が照射領域に対して略均一な分布を
持つていることである。第8図は前記照射領域に
対して略均一なエネルギ分布を持ち照射領域の形
状が半径40μmの円形のレーザビームを照射した
場合の照射表面における温度分布を、前記円形状
レーザビームの中心部を起点としその半径方向に
ついて描いたものである。この第8図から明らか
な如く、略均一なエネルギ分布を持つレーザビー
ムの温度分布、照射領域に対してはエネルギ分布
に応じた略一定の等温分布となり、照射領域の界
面にあつては僅かな被照射媒体の熱伝導による温
度勾配は見られるものの非照射領域の室温にまで
急峻に立下がる。
一方、第9図は従来のガウス分布を持つ半径
50μmのレーザビームを使用した場合の照射表面
における温度分布を、第8図と同じく中心部を起
点としてその半径方向について描いたものであ
る。そして、中心部における到達温度は第8図及
び第9図共に等しく、例えばかかるレーザビーム
の照射により被加工物である膜厚5000Åの非晶質
半導体膜を除去することができると共に、下層の
透明電極膜2a,2b,2c……に対する熱的ダ
メージを回避し得る絶対温度約1400〓に設定され
ている。
第10図は、エネルギ分布が略均一分布を持ち
照射表面、即ち、非晶質半導体膜3の表面におけ
る温度分布が第8図の如き分布を呈する場合の深
さ(厚み)方向の温度分布を100〓毎の等温線を
用いてシユミレーシヨンしたものである。シユミ
レーシヨンの対象となつた試料はガラス基板1上
に膜厚2000ÅのSnO2からなる透明電極膜2と、
膜厚5000Åの非晶質シリコンの半導体膜3とを積
層したものである。このような試料の半導体膜3
の表面に約1400〓の温度を与えた場合、半導体膜
3の厚み方向の等温分布幅は広く、半導体膜3を
除去し得る約1200°K以上の温度状態にある。一
方、半径方向、即ち表面方向の等温分布幅は、照
射表面における界面温度勾配が急峻に立下つてい
るために極めて狭い。
ところで、非晶質シリコンの半導体膜3を除去
し得る温度は該半導体膜3の形成方法、形成条件
等より多少変動するものの、概して上述の如く約
1200〓以上であり、一方、アニーリングされ低抵
抗層に変換される温度は約1000〓から除去温度の
約1200〓Kまでの間である。従つて、前記第10
図のシユミレーシヨンにおいて1200〓以上の温度
領域の半導体膜3が除去され、1000〓〜1200〓の
温度領域の半導体膜が低低抗層に変換されると仮
定すると、半導体膜3は中心から半径38μmの領
域が除去されると共に、その除去界面にはほとん
ど低抵抗層が形成されない。
一方、従来のガウス分布をもつレーザビームを
使用した場合の照射表面における温度分布は第9
図に示す如くエネルギ分布と等価なガウス分布を
呈しており、このようなビームを用いた場合の
100〓毎の等温線を用いた深さ方向の温度分布を
シユミレーシヨンすると第11図の如くなる。即
ち、照射領域の中心部における深さ方向の温度分
布は第10図に示した均一分布と等しいが、半径
方向の等温分布幅は照射表面における温度勾配が
なだらかなので、1200〓〜1000〓のアニーリング
温度範囲においては表面部分で約8μm、SnO2
明電極との界面部分で約11μmの幅を有する。従
つて、ガウス分布を有するレーザビームを用いた
加工にあつては、1200〓以上の温度領域の半導体
膜が除去されたとしても、半導体膜はその除去界
面から半径方向に約8μm〜11μmの広範囲に亘つ
て低抵抗層に変換される。
更に、ガウス分布を有する従来の加工にあつて
は半導体膜の除去幅は半径にして10μm以下と、
第10図の加工の約38μmに比して狭い。その結
果隣接した光電変換素子同士を、かかる半導体膜
の除去により露出した透明電極膜の露出部分を介
して電気的に直列接続するために、前記半導体膜
の除去幅を広くしようとすれば、レーザビームの
強度を高め中心部を高温状態にして1200〓以上の
等温分布幅を拡幅する方法と、レーザビームの強
度を高める代わりにレーザビームの走査回数を増
加させる方法との2通りの方法がある。
ところが、両方法の何れであつても低抵抗層が
形成され、また前者の方法にあつてはレーザビー
ムの中心部が極めて高エネルギ状態となつて下層
の透明電極膜部分に熱的ダメージを与える、一方
後者の方法にあつては走査回数が増加するために
作業性が低下する。
これに反し、照射領域に対して略均一なエネル
ギ分布のレーザビームを利用する本実施例にあつ
ては実質的に低抵抗層を形成することがなく、下
層の膜に熱的ダメージを与えず、また加工幅を広
げることができる。
上述の如き照射領域に対して略均一なエネルギ
分布を有するレーザビームは、第14図に示す如
く、エネルギ分布がガウス分布する通常のレーザ
ビームLB1の光路中に、レーザビームLB1の中心
部を起点に入射径に対して約25%の開口径を有す
る角穴或いは丸穴20を持つアイリス21を配置
し、そのアイリス21の丸穴20を通過したレー
ザビームLB2を集光レンズ22に導き、該集光レ
ンズ22により集光したレーザビームLB3を下記
の条件に基づき被加工面に照射することにより得
られる。即ち、アイリス21から集光レンズ22
の中心までの距離をa、集光レンズ22の中心か
ら被加工面までの距離をb、集光レンズ22の焦
点距離をfとすると、 1/a+1/b=1/f を満足する場合、前記被加工表面に照射されるレ
ーザビームLB3のエネルギ分布は略均一な分布と
なる。
第6図の工程では、上述の如くエネルギ分布が
照射領域に対して略均一なレーザビームを非晶質
半導体膜3の隣接間隔部に照射して、前記非晶質
半導体膜3を各個別に分離した非晶質半導体膜3
a,3b,3c……及び透明電極膜2a,2b,
2c……の各露出部分を含んで基板1上全面に、
以下に示す3種の内のいずれかの膜構成を有する
裏面電極膜4が披着される。
(A)…Al−Ti合金にTiを積層した2層構造 (B)…Al(1500Å〜4000Å)にTi(2500Å〜5000Å)
を積層した2層構造 (C)…Al(1000Å〜2000Å)にTi(1000Å〜2000
Å)、Al(1000Å〜2000Å)、Ti(1000Å〜2000
Å)を積層した4層構造 なお、上述の(A)は融点を高めるべく、例えば
AlにTiを合金した合金層を複層構造に加えた電
極膜を示し、(B)、(C)は電極膜の最高到達温度が低
くなるように各金属層の膜厚を最適にした電極膜
の例を示している。
第7図の最終工程では、第5図の非晶質半導体
膜3の分離工程と同じくエネルギ分布が照射領域
に対して略均一なレーザビームを基板1側から入
射させる。すると裏面電極膜4の一部が、非晶質
半導体膜3a,3b,3c……の一部と同時に除
去され、個別の各裏面電極膜4a,4b,4c…
…が分離形成される。
その結果、各個別に分割された透明電極膜2
a,2b,2c……、非晶質半導体膜3a,3
b,3c……及び裏面電極膜4a,4b,4c…
…の積層体からなる光電変換素子5a,5b,5
c……が基板1上において直列接続される。
次に、裏面電極膜を構成する各金属層の膜厚値
と最高到達温度との関係について説明する。例え
ば第12,13図は、第8図に示した如き照射領
域に対して略均一なエネルギ分布を有し、照射領
域の形状が円形状のレーザビームを基板1側から
照射した場合の照射表面における中心部を起点と
し、その半径方向の温度分布が第10図に示すよ
うな分布を呈するレーザビームを用いて裏面電極
膜4を分割する場合の基板1表面から深さ方向に
おける温度分布が時間的に変化する様子をシユミ
レーシヨンしたものであり、第12図は裏面電極
膜構成が前述の(C)の場合、第13図は裏面電極膜
構成をDAl(1000Å程度)の上にTi(2000Å程度)
を積層した2層構造の場合である。Al、Tiの最
適膜厚を考慮しない場合は、第13図に示す如く
裏面電極膜の最高到達温度が2900〓に達するのに
対し、前述の(C)の構成の裏面電極膜を使用する場
合には、2400〓にしか達しない。
なお、前述の(B)の構成の裏面電極膜を使用する
場合においても、最高到達温度は(C)と略同程度に
することができる。
そして、前述の(D)の構成の裏面電極膜を使用し
た場合には、裏面電極膜が高温状態になつて、裏
面電極膜の一部が完全に溶融して溶融垂れが発生
するのに対し、前述の(B)、(C)の膜構成を用いた場
合には、裏面電極膜が高温状態にならないので、
融点に達するまでに裏面電極膜が除去されて溶融
は起こらず、従つて溶融垂れは発生しない。ま
た、この裏面電極膜が溶融されないで除去される
場合には、除去部の辺縁が明瞭となり、残留膜片
の発生を防止することができる。つまり、溶融垂
れ、残留膜片の発生を防ぐためには膜厚を最適な
膜厚に設定すればよい。
次に前述の(A)の膜構成を有する裏面電極膜の効
果、つまり合金層を有する裏面電極膜の効果につ
いて説明する。純Alの融点が約930〓であるのに
対し、例えばAl−10重量%Ti合金では融点が
1590〓にまで上昇する。つまり、Tiを少量添加
することにより裏面電極膜として必要な性質を損
なうことなしに、その融点のみを上昇させること
ができる。そしてこの結果、レーザビームを照射
する際に前述の(B)または(C)の膜構成を用いなくて
も溶融を防止することができる。
なお、レーザビーム照射時には裏面電極膜の一
部が高温状態になつて、裏面電極膜の強度がかな
り低下する可能性がある。従つて除去部において
せん断加工的な鋭利な辺縁を持たせ、残留膜片の
発生を防止するには裏面電極膜がレーザビーム照
射時においても適度な強度を保ち続けることが不
可欠であり、このようにすべく裏面電極膜の膜厚
は設定される。
そして、前述の(A)、(B)、(C)の膜構成は裏面電極
膜に金属薄膜の複合材料としてレーザビーム照射
による裏面電極膜の除去に最適な性質を待たすべ
く考慮されたものである。(C)は複合材料の性質と
して(B)より適しているが、4層構造のためにその
製造工程が複雑であるという難点がある。そこ
で、わずかに性質として劣るが構成を簡略化した
ものが(C)である。勿論、これらの膜構造を用いた
場合には最適なレーザパワーを必要とし、それら
の条件を無視した場合は本発明の目的を達し得な
い。
また前述の(A)、(B)、(C)の膜構成のいずれの場合
でもAl系材料を半導体膜との接続用第1裏面電
極とし、Ti系材料を透明電極との接続用第2裏
面電極として使用することも可能である。
更に、略均一なエネルギ分布のレーザビームの
照射により裏面電極膜が除去されているので、除
去部周縁の非晶質半導体膜には実質的に問題のな
い程度の低抵抗層しか形成されない。
よつて、第7図の最終工程において分割された
裏面電極膜4a,4b,4c……は物理的にも電
気的にも分離され、隣接する光電変換素子5a,
5b,5c……が確実に直列接続せしめられる。
なお、本実施例では(A)、(B)、(C)の膜構成を主と
して示したが、(A)においてTiの代わりにV、Cr
等の添加金属を用いて裏面電極膜材料の融点を上
昇せしめた場合、(B)、(C)においてAlの代わりに
Ag、Tiの代わりにCr、Niを用いた場合、(A)、
(B)、(C)において非晶質半導体膜と第1層目の金属
膜間にITO、SnO2膜層をはさんだ場合も同様の
効果を得る。
第15図は、本発明装置の直列接続部の平面図
及び断面模式図であり、裏面電極膜の分離ライン
14はその辺縁が鮮明である。なお第15図にお
いて、非晶質半導体膜の除去ライン13及び裏面
電極膜の分離ライン14は連続した正方形により
構成されているが、これはアイリスの形状を正方
形としたためである。
〔効果〕
以上詳述した如く本発明装置の製造方法によれ
ば、これを製造する場合、各層が適正な膜厚値を
有する多層膜構造または合金層を有する多層膜構
造をなす裏面電極膜に、エネルギ分布が照射領域
に対して略均一なエネルギビームを照射するの
で、照射領域の裏面電極膜に溶融垂れ及び残留膜
片が発生することなく、裏面電極膜を除去するこ
とができる。
また、光電変換素子の短絡事故を防止すること
ができ、下層に位置する半導体膜部分の低抵抗層
の形成を低減できる等本発明は優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は光起電力装置の基本構造を示す断面
図、第2図〜第7図は本発明装置の製造方法を工
程別に示す断面図、第8図は本発明装置の製造方
法に用いられるレーザビームのエネルギ分布を説
明する温度分布特性図、第9図は従来の製造方法
のエネルギ分布を説明する温度分布特性図、第1
0図及び第11図は夫々第8図と第9図のエネル
ギ分布を有するレーザビームを非晶質シリコン半
導体膜に照射した場合の等温分布特性図、第12
図及び第13図は第8図のエネルギ分布を有する
レーザビームを夫々本発明方法及び従来技術で用
いられる裏面電極膜に照射した場合の温度変化
図、第14図は本発明方法に用いられるレーザビ
ームの作成方式を原理的に示す模式図、第15図
は本発明装置の直列接続部における平面図及び断
面模式図、第16図〜第19図は従来方法の欠点
を説明するための要部拡大断面図である。 1……基板、2,2a,2b,2c……透明電
極膜、3,3a,3b,3c……非晶質半導体
膜、4,4a,4b,4c……裏面電極膜、5
a,5b,5c……光電変換素子。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 夫々に分割された透明電極、半導体膜及び裏
    面電極膜をこの順に積層して構成される複数の光
    電変換素子を電気的に直列接続せしめた光起電力
    装置の製造方法において、 上記透明電極上に被着された半導体膜に、該半
    導体膜側から順に、Al−Ti合金とTiとの積層体、
    または1500Å〜4000Åの膜厚のAlと2500Å〜
    5000Åの膜厚のTiとの2層の積層体、或いは
    1000Å〜2000Åの膜厚のAlと1000Å〜2000Åの
    膜厚のTiと1000〜2000Åの膜厚のAlと1000Å〜
    2000Åの膜厚のTiとの4層の積層体、から成る
    多層膜構造の上記裏面電極膜を被着し、該裏面電
    極膜にエネルギ分布が照射領域に対して略均一な
    エネルギビームを照射し、該照射領域の裏面電極
    膜を除去して該裏面電極膜を複数の光電変換素子
    毎に分割することを特徴とする光起電力装置の製
    造方法。 2 前記合金のTiに替えてV又はCrの添加金属
    を含有せしめたことを特徴とする特許請求の範囲
    第1項記載の光起電力装置の製造方法。 3 前記半導体膜と前記裏面電極膜との間に、
    SnO2またはITOを介挿することを特徴とする特
    許請求の範囲第1項乃至第2項記載の光起電力装
    置の製造方法。
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