JPH0821539B2 - 堆積膜形成法 - Google Patents

堆積膜形成法

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JPH0821539B2
JPH0821539B2 JP60087637A JP8763785A JPH0821539B2 JP H0821539 B2 JPH0821539 B2 JP H0821539B2 JP 60087637 A JP60087637 A JP 60087637A JP 8763785 A JP8763785 A JP 8763785A JP H0821539 B2 JPH0821539 B2 JP H0821539B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の属する技術分野〕 本発明はゲルマニウムを含有する堆積膜、とりわけ機
能性膜、殊に半導体デバイス、電子写真用の感光デバイ
ス、画像入力用のラインセンサー、撮像デバイス、光起
電力素子などに用いる非晶質乃至は結晶質のゲルマニウ
ムを含有する堆積膜を形成する方法に関する。
〔従来技術の説明〕 従来、半導体デイバイス、電子写真用感光デイバイ
ス、画像入力用ラインセンサー、撮像デバイス、光起電
力素子等に使用する素子部材として、幾種類かのアモル
フアスゲルマニウム(以後単に「a−Ge」と表記す
る。)膜が提案され、その中のいくつかは実用に付され
ている。そして、そうしたa−Ge膜とともにそれ等a−
Ge膜の形成法についてもいくつか提案されていて、真空
蒸着法、イオンプレーテイング法、いわゆるCVD法、プ
ラズマCVD法、光CVD法等があり、中でもプラズマCVD法
は至適なものとして実用に付され、一般に広く用いられ
ている。
ところで従来のa−Ge膜は、例えばプラズマCVD法に
より得られるものは特性発現性に富み一応満足のゆくも
のとされてはいるものの、それであつても、確固たる当
該製品の成立に要求される、電気的、光学的、光導電的
特性、繰返し使用についての耐疲労特性、使用環境特性
の点、経時的安定性および耐久性の点、そして更に均質
性の点の全ての点を総じて満足せしめる、という課題を
解決するには未だ間のある状態のものである。
その原因は、目的とするa−Ge膜が、使用する材料も
さることながら、単純な層堆積操作で得られるという類
のものでなく、就中の工程操作に熟練的工夫が必要とさ
れるところが大きい。
因みに、例えば、いわゆるCVD法の場合、Si系およびG
e系気体材料を希釈した後いわゆる不純物を混入し、つ
いで500〜650℃といつた高温で熱分解することから、所
望のa−Ge膜を形成するについては緻密な工程操作と制
御が要求され、ために装置も複雑となつて可成りコスト
高のものとなるが、そうしたところで均質にして前述し
たような所望の特性を具有するa−Ge膜製品を定常的に
得ることは極めてむずかしく、したがつて工業的規模に
は採用し難いものである。
また、前述したところの至適な方法として一般に広く
用いられているプラズマCVD法であつても、工程操作上
のいくつかの問題、そしてまた設備投資上の問題が存在
する。工程操作については、その条件は前述のCVD法よ
りも更に複雑であり、一般化するには至難のものであ
る。即ち、例えば、基体温度、導入ガスの流量並びに流
量比、層形成時の圧力、高周波電力、電極構造、反応容
器の構造、排気速度、プラズマ発生方式の相互関係のパ
ラメーターをとつてみても既に多くのパラメーターが存
在し、この他にもパラメーターが存在するわけであつ
て、所望の製品を得るについては厳密なパラメーターの
選択が必要とされ、そして厳密に選択されたパラメータ
ーであるが故に、その中の1つの構成因子、とりわけそ
れがプラズマであつて、不安定な状態になりでもすると
形成される膜は著しい悪影響を受けて製品として成立し
得ないものとなる。そして装置については、上述したよ
うに厳密なパラメーターの選択が必要とされることか
ら、構造はおのずと複雑なものとなり、装置規模、種類
が変れば個々に厳選されたパラメーターに対応し得るよ
うに設計しなければならない。こうしたことから、プラ
ズマCVD法については、それが今のところ至適な方法と
されてはいるものの、上述したことから、所望のa−Ge
膜を量産するとなれば装置に多大の設備投資が必要とな
り、そうしたところで尚量産のための工程管理項目は多
く且つ複雑であり、工程管理許容幅は狭く、そしてまた
装置調整が微妙であることから、結局は製品をかなりコ
スト高のものにしてしまう等の問題がある。
また一方には、前述の各種デイバイスが多様化して来
ており、そのための素子部材即ち、前述した各種特性等
の要件を総じて満足すると共に適用対象、用途に相応
し、そして場合によつてはそれが大面積化されたもので
ある。安定なa−Ge膜製品を低コストで定常的に供給さ
れることが社会的要求としてあり、この要求を満たす方
法、装置の開発が切望されている状況がある。
これらのことは、他の例えば窒化ゲルマニウム膜、炭
化ゲルマニウム膜、酸化ゲルマニウム膜等の素子部材に
ついてもまた然りである。
〔発明の目的〕
本発明は、半導体デイバイス、電子写真用感光デイバ
イス、画像入力用ラインセンサー、撮像デイバイス、光
起電力素子等に使用する従来の素子部材及びその製法に
ついて、上述の諸問題を解決し、上述の要求を満たすよ
うにすることを目的とするものである。
すなわち、本発明の主たる目的は、電気的、光学的、
光導電的特性が殆んどの使用環境に依存することなく実
質的に常時安定しており、優れた耐光疲労性を有し、繰
返し使用にあつても劣化現像を起さず、優れた耐久性、
耐湿性を有し、残留電位の問題を生じない均一にして均
質な改善されたa−Ge膜素子部材を提供することにあ
る。
本発明の他の目的は、形成される膜の諸特性、成膜速
度、再現性の向上及び膜品質の均一化、均質化を図りな
がら、膜の大面積化に適し、膜の生産性を向上及び量産
化を容易に達成することのできる前述の改善されたa−
Ge膜素子部材の新規な製造法を提供することにある。
〔発明の構成〕
本発明は上記目的を達成するものであって、本発明の
骨子は、成膜室内に、Ge4H10または、H6Ge6F6お前記成
膜室とは別の分解空間に通過させることによって活用化
した活性種と、SiF4とを、夫々別々に導入し、これらに
放電エネルギーを作用させることによって、前記成膜室
内に配された基体上に堆積膜を形成することを特徴とす
る堆積膜形成法にある。
本発明の方法は、ケイ素とハロゲンを含む化合物と成
膜用のゲルマニウム含有化合物より生成される活性種と
の共存下に於いて、これ等に放電エネルギーを作用させ
ることにより、これ等による化学的相互作用を生起さ
せ、或いは更に促進、増幅させることにより、所望の堆
積膜を形成せしめるというものであつて、本発明の方法
にあつては従来と比べて低い放電エネルギーによつて成
膜が可能となり、形成される堆積膜、エツチング作用、
或いはその他の例えば異常放電作用などによる悪影響を
受けることは極めて少ない。
又、本発明の方法は、成膜空間の雰囲気温度、基体温
度を所望に従つて任意に制御することにより、より安定
したCVD法たり得るものである。
更に、本発明の方法は、所望により、放電エネルギー
に加えて、光エネルギー及び/又は熱エネルギーを併用
することができる。光エネルギーは、適宜の光学系を用
いて基体の全体に照射することができるし、あるいは所
望部分のみに選択的制御的に照射することもできるた
め、基体上における堆積膜の形成位置及び膜厚等を制御
し易くすることができる。また、熱エネルギーとして
は、光エネルギーから転換された熱エネルギーを使用す
ることもできる。
本発明の方法が従来のCVD法と区別される点の1つ
は、あらかじめ成膜空間とは異なる空間(以下、活性化
空間という)に於いて活性化された活性種を使うところ
にあり、このことにより、従来のCVD法より成膜速度を
飛躍的に伸ばすことができ、加えて堆積膜形成の際の基
体温度も一層の低温化を図ることが可能になり、膜品質
の安定した堆積膜を工業的に大量に、しかも低コストで
提供できる。
本発明の方法においては、堆積膜形成原料となるゲル
マニウム、含有化合物を活性化空間において活性化し、
活性種を生成せしめる。そして、生成した活性種を活性
化空間から成膜空間へ導入し、成膜空間において堆積膜
を形成するものである。従つて、該活性種の構成要素
が、成膜空間で形成される堆積膜を構成する部分を構成
するものとなる。本発明の方法においては、所望に従つ
て活性種を適宜選択して使用するものであり、生産性及
び取扱い易さなどの点から、通常はその寿命が0.1秒以
上のものを用いるが、より好ましくは1秒以上、最適に
は10秒以上のものを用いるのが望ましい。
又、本発明の方法において用いるケイ素とハロゲンを
含む化合物は、成膜空間に導入され、放電エネルギーの
作用により励起されて、活性化空間から成膜空間へ同時
に導入される前述の活性種と化学的相互作用を起して、
例えばエネルギーを付与したり、化学反応を起こしたり
して、堆積膜の形成を促す作用を系中で呈する。従つ
て、ケイ素とハロゲンを含む化合物の構成要素は形成さ
れる堆積膜の構成要素と同一であつてもよく、また異な
つていてもよい。
本発明の方法において使用する活性化空間に導入され
るゲルマニウム含有化合物は、活性化空間に導入する以
前に既に気体状態となつているか、あるいは気体状態と
されていることが好ましい。例えば液状の化合物を用い
る場合、化合物供給系に適宜の気化装置を持続して化合
物を気化してから活性化空間に導入することができる。
ゲルマニウム含有化合物としては、ゲルマニウムに水
素、ハロゲンあるいは炭化水素基などが結合した無機乃
至は有機のゲルマニウム化合物を用いることができ、例
えばGeaHb(aは1以上の整数、b=2a+2又は2aであ
る。)で示される鎖状乃至は環状水素化ゲルマニウム、
この水素化ゲルマニウムの重合体、前記水素化ゲルマニ
ウムの水素原子の一部乃至全部をハロゲン原子で置換し
た化合物、前記水素化ゲルマニウムの水素原子の一部乃
至は全部を例えばアルキル基、アリール基の等の有機基
及び所望によりハロゲン原子で置換した化合物等の有機
ゲルマニウム化合物等、及びその他のゲルマニウム化合
物を挙げることができる。
具体的には、例えばGeH4,Ge2H6,Ge3H8n−Ge4H10,tert
−Ge4H10,Ge3H6,Ge5H10,GeH3F,GeH3C1,GeH2F2,H6Ge6F6,
Ge(CH34Ge(C2H54,Ge(C6H54,Ge(CH32F2,CH3
GeH3,(CH32GeH2,(CH33GeH(C2H52GeH2,GeF2,Ge
F4,GeS,等が挙げられる。これらのゲルマニウム化合物
は1種を使用してもあるいは2種以上を併用してもよ
い。
本発明の方法において、成膜空間に導入するケイ素と
ハロゲンを含む化合物としては、例えば鎖状又は環シラ
ン化合物の水素原子の一部乃至全部をハロゲン原子で置
換した化合物を用いることができ、具体的には、例えば
SiuY2u+2(uは1以上の整数、YはF,Cl,Br及びIよ
り選択される少なくとも一種の元素である。)で示され
る鎖状ハロゲン化ケイ素、SiVY2V(Vは3以上の整数、
Yは前述の意味を有する。)で示される環状ハロゲン化
ケイ素、SiuHxYy(u及びYは前述の意味を有する。x
+y=2u又は2u+2である。)で示される鎖状又は環状
化合物などが挙げられる。
具体的には例えばSiF4,(SiF25,(FiF26,(Si
F24,Si2F6,Si3F8,SiHF3,SiH2F2,SiCl4,(SiCl25,Si
Br4,(SiBr25,Si2Cl6,Si2Br6,SiHCl3,SiHBr3,Si2Cl3F
3などのガス状態の又は容易にガス化し得るものが挙げ
られる。
又、本発明の方法においては、前記ケイ素とハロゲン
を含む化合物に加えて、必要に応じてケイ素単体等他の
ケイ素含有化合物、水素、ハロゲン含有化合物(例えば
F2ガス、Cl2ガス、ガス化したBr2,I2等)などを併用す
ることができる。
本発明の方法において、活性化空間で活性種を生成せ
しめるについては、各々の条件、装置を考慮してマイク
ロ波、RF、低周波、DC等の電気エネルギー、ヒータ加
熱、赤外線加熱等熱エネルギー、レーザー光等の、光エ
ネルギーなどの活性化エネルギーが使用できる。即ち、
活性化空間で、前述のゲルマニウム含有化合物に熱、
光、電気などの励起エネルギーを加えることにより、活
性種を生成せしめる。
本発明の方法に於いて、成膜空間に導入される前記活
性種と前記ケイ素とハロゲンを含む化合物との量の割合
は、成膜条件、活性種の種類などで適宜所望に従つて決
めるが、好ましくは10:1〜1:10(導入流量比)とするの
が適当であり、より好ましくは8:2〜4:6とするのが望ま
しい。
本発明の方法においては、活性化空間で活性種を生成
する成膜用化学物質として前述のゲルマニウム含有化合
物の他に、ケイ素含有化合物、炭素含有化合物、水素ガ
ス、ハロゲン化合物(例えばF2ガス、Cl2ガス、ガス化
したBr2,I2等)を用いることもでき、更に、アルゴン、
ネオン等の不活性ガスなどを活性化空間に導入して用い
ることもできる。これら複数の成膜用化学物質を用いる
場合には、予め混合して活性化空間内にガス状態で導入
することもできるし、あるいはこれらの成膜用化学物質
をガス状態で夫々独立した供給源から各個別に供給し、
活性化空間に導入することもできる。
活性化空間に導入する堆積膜形成用の前述のケイ素含
有化合物としては、光、熱、電気等の活性化エネルギー
の作用により活性化されて効率良く、活性種を生成する
ものであれば大概のものを採用することができ、その中
でも所謂、ケイ素化合物、例えば、ケイ素を陽性成分と
して含む化合物を、有効なものとして挙げることができ
る。その様なケイ素含有化合物としては、ケイ素に水
素、ハロゲン、あるいは炭化水素基などが結合したシラ
ン類及びシロキサン類等を用いることができる。とりわ
け鎖状及び環状のシラン化合物、この鎖状及び環状のシ
ラン化合物の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子で
置換した化合物などが好適である。
具体的には、例えば、SiH4,Si2H6,Si3H8,Si4H10,Si5H
12,Si6H14等のSipHp2+2(pは1以上好ましくは1〜1
5、より好ましくは1〜10の整数である。)で示される
直鎖状シラン化合物、SiH3SiH(SiH3)SiH3,SiH3SiH(S
iH3)Si3H7,Si2H5SiH(SiH3)Si2H5等のSipH2p+2(p
は前述の意味を有する。)で示される分岐を有する鎖状
のシラン化合物、これらの直鎖状又は分岐を有する鎖状
シラン化合物の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子
で置換した化合物、Si3H6,Si4H8,Si5H10,Si6H12等のSiq
H2q(qは3以上、好ましくは3〜6の整数である。)
で示される環状シラン化合物、該環状シラン化合物の水
素原子の一部又は全部を他の環状シラニル基及び/又は
鎖状シラニル基で置換した化合物、上記例示したシラン
化合物の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子で置換
した化合物の例として、SiH3F,SiH3Cl,SiH3Br,SiH3I等
のSirHsXt(Xはハロゲン原子、rは1以上、好ましく
は1〜10、より好ましくは3〜7の整数、s+t=2r+
2又は2rである。)で示されるハロゲン置換鎖状又は環
状シラン化合物などである。これらの化合物は、1種を
使用しても2種以上を併用してもよい。
また、活性化空間に導入する炭素含有化合物として
は、鎖状又は環状の飽和又は不飽和炭化水素化合物、炭
素と水素を主構成原子とし、この他ケイ素、ハロゲン、
イオウ等の1種又は2種以上を構成原子とする有機化合
物、炭化水素基を構成分とする有機ケイ素化合物などの
うち、気体状態のものか、容易に気化し得るものを用い
るのが好ましい。このうち、炭化水素化合物としては、
例えば、炭素数1〜5の飽和炭化水素、炭素数2〜5の
エチレン系炭化水素、炭素数2〜4のアセチレン系炭化
水素等を用いることができ、具体的には、飽和炭化水素
としては、メタン(CH3),エタン(C2H6),プロパン
(C3H8)n−ブタン(n−C4H10),ペンタン(C
5H12),エチレン系炭化水素としてはエチレン(C
2H4),プロピレン(C3H6),ブテン−1(C4H8),ブ
テン−2(C4H8),イソブチレン(C4H8),ペンテン
(C5H10),アセチレン系炭化水素としてはアセチレン
(C2H2),メチルアセチレン(C3H4),ブチン(C4H6
等が挙げられる。
又、有機ケイ素化合物としては(CH34Si,CH3SiCl3,
(CH32SiCl2,(CH33SiCl,C2H5SiCl3等のオルガノク
ロルシラン,CH3SiF2Cl,CH3SiFCl2,(CH32SiFCl,C2H5S
iF2Cl,C2H5SiFCl2,C3H7SiF2Cl,C3H7SiFCl2等のオルガノ
クロルフルオルシラン,〔(CH33Si〕2,〔(C3H73S
i〕等のオルガノジシランなどを用いるのが好まし
い。
これらの炭素含有化合物は、1種を用いてもあるいは
2種以上を併用してもよい。
本発明の方法により形成される堆積膜は、成膜中又
は、成膜後に不純物元素でドーピングすることが可能で
ある。使用する不純物元素としては、p型不純物とし
て、周期律表第III族Aの元素、例えばB,Al,Ga,In,Tl等
が好適なものとして挙げられ、n型不純物としては、周
期律表第V族Aの元素、例ればP,As,Sb,Bi,等が好適な
ものとして挙げられるが、特にB,Ga,P,Sb等が最適であ
る。ドーピングする不純物の量は、所望の電気的・光学
的特性に応じて適宜決定する。
かかる不純物元素を成分として含む物質(不純物導入
用物質)としては、常温常圧でガス状態であるか、ある
いは少なくとも堆積膜形成条件下で気体であり、適宜の
気化装置で容易に気化し得る化合物を選択するのが好ま
しい。この様な化合物としては、PH3,P3H4,PF3,F5,PC
l3,AsH3,AsF3,AsF5,AsCl3,SbH3,SbF5,SiH3,BF3,BCl3,BB
r3,B2H6,B4H10,B5H9,B5H11,B6H10,B6H12,AlCl3等を挙げ
ることができる。不純物元素を含む化合物は、1種用い
ても2種以上併用してもよい。
不純物導入用物質は、ガス状態で直接、または前述の
ケイ素とハロゲンを含む化合物等と混合して成膜空間内
に導入してもよいし、あるいは、活性化空間で活性化し
た後に成膜空間へ導入することもできる。
不純物導入用物質を活性化するには、活性種を生成す
る前述の活性化エネルギーを適宜選択して採用すること
ができる。不純物導入用物質を活性化して生成される活
性種(PN)は前記活性種と予め混合するか又は、単独で
成膜空間に導入する。
次に、本発明の方法の内容を、具体例として電子写真
用像形成部材および半導体デバイスの典型的な場合をも
つて説明する。
第1図は本発明によつて得られる典型的な電子写真用
像形成部材の構成例を説明するための模式図である。
第1図に示す光導電部材10は、電子写真用像形成部材
として適用し得るものであつて、光導電部材用としての
支持体11の上に、必要に応じて設ける中間層12、及び感
光層13で構成される層構成を有している。
光導電部材10の製造に当つては、中間層12又は/及び
感光層13を本発明の方法によつて作成することができ
る。更に、光導電部材10が感光層13の表面を化学的、物
理的に保護する為に設けられる保護層、或いは電気的耐
圧力を向上させる目的で設けられる下部障壁層又は/及
び上部障壁層を有する場合には、これ等の層を本発明の
方法で作成することもできる。
支持体11としては、導電性のものであつても、また、
電気絶縁性のものであつてもよい。導電性支持体として
は、例えばNiCr,ステンレス,Al,Cr,Mo,Au,Ir,Nb,Ta,V,T
i,Pt,Pd等の金属又はこれ等の合金が挙げられる。
電気絶縁性支持体としては、ポリエステル,ポリエチ
レン,ポリカーボネート,セルローズアセテート,ポリ
プロピレン,ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン,ポ
リスチレン,ポリアミド等の合成樹脂のフイルム又はシ
ート,ガラス,セラミツク,紙等が挙げられる。これら
の電気絶縁性支持体は、好適には少なくともその一方の
表面を導電処理し、該導電処理された表面側に他の層を
設けるのが望ましい。
例えばガラスであれば、その表面にNiCr,Al,Cr,Mo,A
u,Ir,Nb,Ta,V,Ti,Pt,Pd,In2O3,SnO2,ITO(In2O3+Sn
O2)等の導膜を設けることによつて導電処理し,あるい
はポリエステルフイルム等の合成樹脂フイルムであれ
ば、NiCr,Al,Ag,Pb,Zn,Ni,Au,Cr,Mo,Ir,Nb,Ta,V,Ti,Pt
等の金属で真空蒸着、電子ビーム蒸着スパツタリング等
で処理し、又は前記金属でラミネート処理して、その表
面を導電処理する。支持体の形状は、円筒状、ベルト
状、板状等、任意の形状とすることができる。用途、所
望によつて、その形状は適宜に決めることのできるもの
であるが、例えば、第1図の光導電部材10を電子写真用
像形成部材として使用するのであれば、連続高速複写の
場合には、無端ベルト状又は円筒状とするのが望まし
い。
中間層12は、例えば支持体11の側から感光層13中への
キヤリアの流入を効果的に阻止し、且つ電磁波の照射に
よつて感光層13中に生じ支持体11の側に向つて移動する
フオトキヤリアの感光層13の側から支持体11の側への通
過を容易に許す機能を有する。
この中間層12は、例えばゲルマニウム原子を母体と
し、必要に応じてケイ素(Si),水素(H),ハロゲン
(X)等を構成原子とするアモルフアスゲルマニウム
(以下、「a−Ge(Si,H,X)」と記す。)あるいは、ケ
イ素原子とゲルマニウム原子とを母体とし、必要に応じ
て水素又は/及びハロゲン(X)を含む非晶質材料(以
下「a−SiGe(H,X)」と記す。)で構成されると共
に、電気伝導性を支配する物質として、例えばB等のp
型不純物あるいはP等のn型不純物を含有している。
本発明の方法において、中間層12中に含有せしめるB,
P等の伝導性を支配する物質の量は、好適には、1×10
-3〜5×104atomic ppmとするが、より好適には5×10
-1〜1×104atomic ppm、最適には1〜5×103atomic p
pmとするのが望ましい。
中間層12の構成成分と感光層13の構成成分とが類似、
或いは同じである場合には、中間層12の形成に続けて感
光層13の形成まで連続的に行なうことができる。その場
合には、中間層形成用の原料として、ケイ素とハロゲン
を含む化合物と、気体状態のゲルマニウム含有化合物よ
りも生成される活性種と、必要に応じてケイ素含有化合
物,水素,ハロゲン化合物,不活性ガス,及び不純物元
素を成分として含む化合物等のガスを活性化することに
よつて生成される活性種とを、夫々別々に或いは適宜必
要に応じて混合して支持体11の設置してある成膜空間に
導入し、導入されたケイ素とハロゲンを含む化合物及び
活性種の共存雰囲気に放電エネルギーを作用させること
により、前記支持体11上に中間層12を形成せしめる。
中間層12の層厚は、好ましくは、3×10-3〜10μとす
るが、より好適には4×10-3〜8μ、最適には5×10-3
〜5μとするのが望ましい。
感光層13は、例えばシリコン原子を母体とし、必要に
応じて水素,ハロゲン,ゲルマニウム等を構成原子とす
るアモルフアスシリコン(以下、「a−Si(H,X,Ge)」
と記す。又は必要に応じて水素,ハロゲン等を構成原子
とするアモルフアスシリコンゲルマニウム(以下、「a
−SiGe(H,X)」と記す。)で構成され、レーザー光の
照射によつてフオトキヤリアを発生する電荷発生機能
と、該電荷を輸送する電荷輸送機能の両機能を有する。
感光層13の層厚は、好ましくは、1〜100μとする
が、より好適には1〜80μ,最適には2〜50μとするの
が望ましい。
感光層13は例えばノンドープのa−Si(H,X,Ge)又は
a−SiGe(H,X)で構成されるが、所望により中間層12
に含有される伝導特性を支配する物質の極性とは別の極
性(例えばn型)の伝導特性を支配する物質を含有せし
めてもよいし、あるいは中間層12に含有される伝導性を
支配する物質の実際の量が多い場合には、該量よりも一
段と少ない量にして同極性の伝導特性を支配する物質を
含有せしめてもよい。
感光層13を、本発明の方法によつて形成する場合に
は、中間層12の形成の場合と同様に行なわれる。即ち、
ケイ素とハロゲンを含む化合物と、成膜用のゲルマニウ
ム含有化合物より生成される活性種と、必要に応じて不
活性ガス、不純物元素を成分として含む化合物等のガス
を活性化して得られる活性種とを、支持体11の設置して
ある成膜空間に導入し、放電エネルギーを作用させるこ
とにより、前記支持体11上に形成された中間層12上に感
光層13を形成せしめる。
第2図は、本発明の方法により作製される、不純物元
素でドーピングされたシリコンゲルマニウム、必要に応
じて、水素又は/及びハロゲンを含む非晶質材料(以
後、「a−SiGe(H,X)」と記す。)堆積膜を利用したP
IN型ダイオード・デバイスの典型例を示した模式図であ
る。
図中、21は基体、22及び27は薄膜電極、23は半導体膜
であり、n型の半導体層24、i型の半導体層25、p型の
半導体層26によつて構成される。
これ等の半導体層24,25,26は、a−SiGe(H,X,Ge),a
−Ge(H,X),a−SiGe(H,X)等で構成され、本発明の方
法は、これらの半導体層24,25,26のいずれの層の作成に
於いても、適用することができるが、特に半導体層26を
本発明の方法で作成することにより、変換効率を高める
ことができる。28は外部電気回路装置と結合される導線
である。
基体21としては導電性のもの、半導電性のもの、ある
いは電気絶縁性のものを用いることができる。基体21が
導電性である場合には、薄膜電極22は省略しても差支え
ない。半導電性基体としては、例えば、Si,Ge,GaAs,Zn
O,ZnS等の半導体が挙げられる。薄膜電極22,27は例え
ば、NiCr,Al,Cr,Mo,Au,Ir,Nb,Ta,V,Ti,Pt,Pd,In2O3,SnO
2,ITO(In2O3+SnO2)等の薄膜を、真空蒸着電子ビーム
蒸着,スパツタリング等の処理で基体21上に設けること
によつて得られる。電極22,27の膜厚は、好ましくは30
〜5×104Åとするが、より好ましくは102〜5×103
とするのが望ましい。
a−SiGe(H,X)で構成される半導体層23を構成する
膜体を必要に応じてn型又はp型とするには、層形成の
際に、不純物元素のうちn型不純物又はp型不純物、あ
るいは両不純物を形成される層中にその量を制御し乍ら
ドーピングすることによつて形成する。
n型,i型及びp型のa−SiGe(H,X)層のいずれか1
つの層乃至は全部の層を本発明の方法により形成するこ
とができる。
即ち、成膜空間にケイ素とハロゲンを含む化合物を導
入する。また、これとは別に、活性化空間に導入された
気体状態のゲルマニウム含有化合物、あるいは更にケイ
素含有化合物及び/又は炭素含有化合物、必要に応じて
不活性ガス及び不純物元素を成分として含む化合物等の
ガス等、夫々活性化エネルギーによつて励起し、分解し
て、夫々の活性種を生成し、夫々を別々に又は適宜に混
合して、基体21の設置してある成膜空間に導入する。成
膜空間に導入された前記ケイ素とハロゲンを含む化合物
及び前記活性種に放電エネルギーを用いることにより、
化学的相互作用を生起せしめ、又は更に促進或いは増幅
せしめ、基体21上に堆積膜を形成せしめる。
n型及びp型のa−SiGe(H,X)層の層厚は、好まし
くは102〜104Åとするが、より好ましくは3×102〜2
×103Åの範囲とするのが望ましい。
また、i型のa−SiGe(H,X)層の層厚は、好ましく
は102〜104Åとするが、より好ましくは103〜104Åとす
るのが望ましい。
尚、第2図に示すPIN型ダイオードデバイスは、p,i及
びnの全ての層を本発明の方法で形成することは勿論の
こと、p,i及びnのうちの少なくとも1層を本発明の方
法で形成することによつても、本発明の目的を達成する
ことができる。
〔実施例〕
以下に、本発明を実施例に従つてより詳細に説明する
が、本発明はこれ等によつて限定されるものではない。
実施例1 第3図に示した装置を用い、以下の如き操作によつて
i型、p型およびn型のa−SiGe(H,X)堆積膜を形成
した。
第3図において、101は成膜室であり、内部の基体支
持台102上に所望の基体103を載置する。
104は基体加熱用のヒーターである。該ヒーター104
は、成膜前に基体103と加熱処理したり、成膜後に、形
成された膜の特性を一層向上させる為にアニール処理し
たりする際に使用するものであり、導線105を介して給
電し、発熱せしめる。
基体加熱温度は特に制限されないが、本発明の方法を
実施するにあたつて、基体を加熱する必要がある場合に
は、基体温度は、好ましくは30〜450℃、より好ましく
は50〜300℃であることが望ましい。
106乃至109は、ガス供給源であり、成膜用のゲルマニ
ウム含有化合物、及び必要に応じて用いられるケイ素含
有化合物、炭素含有化合物、水素,ハロゲン化合物,不
活性ガス,不純物元素を成分とする化合物等のガスの種
類に応じて設けられる。これ等のガスが標準状態に於い
て液状のものを使用する場合には、適宜の気化装置を具
備せしめる。
図中ガス供給源106乃至109の符号にaを付したのは分
岐管、bを付したのは流量計、cを付したのは各流量計
の高圧側の圧力を計測する圧力計、d又はeを付したの
は各気体流量を調整するためのバルブである。
123は活性種を生成するための活性化室であり、活性
化室123の周りには、活性種を生成させる為の活性化エ
ネルギーを発生するマイクロ波プラズマ発生装置122を
設ける。ガス導入管110より供給される活性種生成用の
原料ガスを、活性化室内に於いて活性化し、生じた活性
種を導入管124を通じて成膜室101内に導入する。111は
ガス圧力計である。
図中112はケイ素とハロゲンを含む化合物の供給源で
あり、112の符号に付されたa乃至eは、前述の106乃至
109の場合と同様のものを示している。
ケイ素とハロゲンを含む化合物は導入管113を介して
成膜室101内に導入する。
117は放電エネルギー発生装置であつて、マツチンン
グボツクス117a、高周波導入用カソード電極117b等を具
備している。
放電エネルギー発生装置117からの放電エネルギー
は、矢印116,119の向きに流れているケイ素とハロゲン
を含む化合物及び活性種に作用し、作用されたケイ素と
ハロゲンを含む化合物及び活性種が相互的に化学反応す
る事によつて基体103上にa−SiGe(H,X)の堆積膜を形
成する。また、図中、120は排気バルブ、121は排気管で
ある。
先ずポリエチレンテレフタレートフイルム製の基体10
3を支持台102上に載置し、排気装置(不図示)を用いて
成膜室101内を排気し、約10-6Torrに減圧した。第1表
に示した基体温度で、ガス供給用ボンベ106よりGeH4
ス150SCCM、或いはこれとPH3ガスまたはB2H6ガス(何れ
も1000ppm水素ガス希釈)40SCCMとを混合したガスをガ
ス導入管110を介して活性化室123に導入した。活性化室
123内に導入したGeH4ガス等はマイクロ波プラズマ発生
装置122により活性化せしめてGeHm(m=1〜3)活性
種,活性水素等とした。導入管124を通じて、該GeHm活
性種活性水素等を成膜室101に導入した。
また他方、供給源112よりSiF4ガスを導入管113を経
て、成膜室101へ導入した。
成膜室101内の圧力を0.4Torrに保ちつつ放電装置117
からプラズマを作用させて、ノンドープのあるいはドー
ピングされたa−SiGe(H,X)膜(膜厚700Å)を夫々形
成した。成膜速度は31Å/secであつた。
次いで、得られたノンドープのあるいはp型のa−Si
Ge(H,X)膜試料を蒸着槽に入れ、真空度10-5Torrでク
シ型のAlギヤツプ電極(ギヤツプ長250μ,巾5mm)を形
成した後、印加電圧10Vで暗電流を測定し、暗導電率σ
dを求めて、各試料の膜特性を評価した。結果を第1表
に示した。
実施例2〜4 GeH4ガスの代りに各々直鎖状Ge4H10ガス,分岐状Ge4H
10ガス,又はH6Ge6F6ガスを用いた以外は、実施例1と
同様の方法と手順に従つてa−SiGe(H,X)膜を形成し
た。各試料に就いて暗導電率を測定し、結果を第1表に
示した。
第1表から、本発明の方法によりa−SiGe(H,X)膜
を形成すると、電気特性に優れたa−SiGe(H,X)膜が
得られ、また、ドーピングが十分に行なわれたa−SiGe
(H,X)膜が得られることがわかる。
実施例5 第4図に示す装置を使い、以下の如き操作によつて第
1図に示した如き槽構成のドラム状電子写真用像形成部
材を作成した 第4図において、201は成膜室、202はケイ素とハロゲ
ンを含む化合物供給源、206は導入管、207はモーター、
208は第3図の104と同様に用いられる加熱ヒーター、20
9,210は吹き出し管、211はAlシリンダー等の円筒状の基
体、212は排気バルブを示している。又、213乃至216は
第3図中106乃至109と同様の原料ガス供給源であり、21
7−1はガス導入管である。
成膜室201にAlシリンダー基体211をつり下げ、その内
側に加熱ヒーター208を備え、モーター207により回転で
きる様にする。218は放電エネルギー発生装置であつ
て、マツチングボツクス218a、高周波導入用カソード電
皮218b等を具備している。
まず、供給源202よりSiF4ガスを導入管206を経て、成
膜室201へ導入した。
一方導入管217−1よりSi2H6ガスとGeH4ガスとH2ガス
の各ガスを活性化室219内に導入した。
導入されたSi2H6ガス,GeH4ガス,H2ガスに活性化室219
において、マイクロ波プラズマ発生装置220によりプラ
ズマ化等の活性化処理を施こし、水素化ケイ素活性種、
水素化ゲルマニウム活性種、活性水素とし、導入管217
−2を通じて成膜室201内に導入した。この際、必要に
応じてPH3,B2H6等の不純物ガスも活性化室219内に導入
して活性化した。次いで成膜室201内の圧力を1.0Torrに
保ちつつ、放電装置218により発生されたプラズマを作
用させた。
Alシリンダー基体211を回転させ、排ガスを排気バル
ブ212の開口を適宜に調整して排気した。
感光層13はこのようにして形成するが、中間層12の形
成の場合は、感光層13の形成に先立つて、導入管217−
1よりSi2H6,GeH4,H2及びB2H6(容量%でB2H6ガスが0.2
%)の混合ガスを導入し、その他は感光層13の形成の場
合と同様にして膜厚2000Åに成膜した。
比較例1 Si2H6ガス,GeH4ガス,H2ガス及びB2H6ガスの各ガスを
使用して成膜室201と同様の構成の成膜室を用意して13.
56MHzの高周波装置を備え、一般的なプラズマCVD法によ
り、第1図に示す層構成のドラム状電子写真用像形成部
材を形成した。
実施例5及び比較例1で得られたドラム状の電子写真
用像形成部材の製造条件と性能を第2表に示した。
実施例6 ゲルマニウム含有化合物としてGeH4を使用し、第3図
の装置を用いて、第2図に示したPIN型ダイオードを作
製した。
まず、1000AのITO膜22を蒸着したポリエチレンナフタ
レートフイルム21を支持台に載置し、10-6Torrに減圧し
た後、実施例1と同様に導入管113からSiF4ガスを成膜
室101内に導入した。又、Si2H6ガス,GeH4ガス,PH3ガス
(1000ppm水素ガス稀釈)の夫々を活性化室123に導入し
て、活性化した。次いでこの活性化されたガスを導入管
124を介して成膜室101内に導入した。成膜室101内の圧
力を0.14Torr、基体温度を200℃に保ち乍ら放電装置117
からプラズマを作用させて、Pでドーピングされたn型
a−SiGe(H,X)膜24(膜厚700Å)を形成した。
次いで、PH3ガスの代りに、B2H6ガス(300ppm水素ガ
ス稀釈)を導入した以外はn型a−SiGe(H,X)膜の場
合と同様の方法でi型の膜のa−Si(GeH,X)膜25(膜
厚5000Å)を形成した。
次いでPH3ガスの代りにB2H6ガス(1000ppm水素ガス稀
釈)を用いた以外はn型と同じ条件でBでドーピングさ
れたp型a−SiGe(H,X)膜26(膜厚700Å)を形成し
た。更に、このp型膜上に真空蒸着により膜厚1000Åの
A1電極27を形成し、PIN型ダイオードを得た。
かくして得られたダイオード素子(面積1cm2)のI−
V特性を測定し、整流特性及び光起電力効果を評価し
た。結果を第3表に示した。
また、光照射特性においても基体側から光を導入し、
光照射強度AMI(約100mW/cm2)で、変換効率7.6%以
上、開放端電圧0.88V、短絡電流9.4mA/cm2が得られた。
実施例7〜9 ゲルマニウム含有化合物としてGeH4ガスの代りに、直
鎖状Ge4H10ガス、分岐状Ge4H10ガス、又はH6Ge6F6ガス
を用いた以外は、実施例6と同様の手法で実施例6で作
成したのと同様のPIN型ダイオードを作製した。この試
料に就いて整流特性及び光起電力効果を評価し、結果は
第3表に示した。
第3表から、本発明の堆積膜形成方法によれば、従来
法による場合に比べて、良好な光学的・電気的特性を有
するゲルマニウム含有a−SiGe(H,X)PIN型ダイオード
が得られることが判かつた。
〔発明の効果の概略〕
本発明の堆積膜形成法によれば、形成される膜に所望
される電気的、光学的、光導電的及び機械的特性が向上
し、しかも高速成膜が可能となる。また、成膜における
再現性が向上し、膜品質の向上と膜質の均一化が可能に
なると共に、膜の大面積化に有利であり、膜の生産性の
向上並びに量産化を容易に達成することができる。更
に、例えば、耐熱性に乏しい基体上にも成膜できる、低
温処理によつて工程の短縮化を図れるといつた効果が発
揮される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法を用いて製造される電子写真用像
形成部材の構成例を説明するための模式図である。 第2図は本発明の方法を用いて製造されるPIN型ダイオ
ードの構成例を説明するための模式図である。 第3図及び第4図はそれぞれ実施例で用いた本発明の方
法を実施するための装置の構成を説明するための模式図
である。 10……電子写真用像形成部材 11……支持体 12……中間層 13……感光層 21……基体 22,27……薄膜電極 24……n型半導体層 25……i型半導体層 26……p型半導体層 28……導線 101,201……成膜室 112,202……ケイ素とハロゲンを含む化合物供給源 123,219……活性化室 106,107,108,109,213,214,215,216……ガス供給源 103,211……基体 117,218……放電エネルギー発生装置 102……基体支持台 104,208……基体加熱用ヒーター 105……導線 110,113,124,206,217−1,217−2……導入管 111……圧力計 120,212……排気バルブ 121……排気管 122,220……活性化エネルギー発生装置 209,210……吹き出し管 207……モーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 勇 神奈川県横浜市緑区藤が丘2−41―21 (56)参考文献 特開 昭58−90923(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】成膜室内に、Ge4H10または、H6Ge6F6を前
    記成膜室とは別の分解空間に通過させることによって活
    用化した活性種と、SiF4とを、夫々別々に導入し、これ
    らに放電エネルギーを作用させることによって、前記成
    膜室内に配された基体上に堆積膜を形成することを特徴
    とする堆積膜形成法。
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