JPH08214784A - 板チョコレート様冷菓の製造法 - Google Patents

板チョコレート様冷菓の製造法

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JPH08214784A
JPH08214784A JP7050433A JP5043395A JPH08214784A JP H08214784 A JPH08214784 A JP H08214784A JP 7050433 A JP7050433 A JP 7050433A JP 5043395 A JP5043395 A JP 5043395A JP H08214784 A JPH08214784 A JP H08214784A
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JP
Japan
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chocolate
frozen dessert
dough
plate
frozen
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JP7050433A
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English (en)
Inventor
Shuichi Kuwabara
修一 桑原
Katsusuke Kobayashi
克介 小林
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Morinaga and Co Ltd
Original Assignee
Morinaga and Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 板チョコレートのように表面が四角の凸部が
並列した板状をし、しかも周面がチョコレートからな
り、一見すると板チョコレートのようであるが、食べる
と内部が冷菓で、しかも周囲のチョコレートが冷菓の冷
熱に影響されても好ましい食感をしている、形の意外性
と好ましい風味が楽しめる冷菓を得る。 【構成】 融解しているチョコレート生地を低温の成形
モールドに充填後吸引してチョコレート生地を抜き取る
ことにより成形モールドの内面にチョコレート生地を付
着、固化させてチョコレートシェルを設け、次いで該チ
ョコレートシェル内に冷菓生地を充填し、これを冷却固
化させた後チョコレートシェルの開口部をチョコレート
生地で被覆して板チョコレート様冷菓とする際に、チョ
コレート生地に脂肪酸組成中の不飽和脂肪酸の割合が5
5%以下で、しかもSFI(固体脂係数)が15℃で1
0から75%、10℃で30から90%、5℃で50%
以上である油脂を用いる板チョコレート様冷菓の製造
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【001】
【産業上の利用分野】この発明は、板チョコレートの形
をした冷菓の製造法に関するものであり、板チョコレー
ト様冷菓を製造するとき利用される。
【002】
【従来の技術】周面がチョコレートで被覆されている冷
菓として、例えばアイスクリームの周面をチョコレート
で被覆したチョコレートアイスバーなどが知られてい
る。このものは、成形した冷菓を融解しているチョコレ
ート生地の中に浸漬してから直ちに引き上げ、冷菓の周
面にチョコレート生地を付着させ、それを固化して作ら
れる。また、成形した冷菓を上からカーテン状に流れ落
ちるチョコレート生地の所に通して、その周面にチョコ
レート生地を付着させることも行われている。
【003】一方、センターを有する板チョコレートは、
成形モールドに融解しているチョコレート生地を充填し
た後、成形モールドを逆さにして成形モールドの凹陥部
に入っている余分のチョコレート生地を流出して成形モ
ールドの凹陥部表面にチョコレート生地を付着させ、こ
れを冷却して容器状のチョコレートシェル(殻)とし、
これにクリームなどのセンターを充填した後、センター
の上からチョコレート生地を加え、チョコレートシェル
の開口部であるセンターの表面をチョコレート生地で覆
ってから、冷却、固化し、成形モールドから取り出すこ
とにより得られる。
【004】このようにして得られた板チョコレートは、
通常、食べるとき適当な大きさとなるように割って食べ
るための溝が設けられ、溝と溝の間の突出部は四角形と
なっている。従って、板チョコレートは、四角の突出部
が整然と並んだ、冷菓ではみられない形をしている。こ
のような形の冷菓は、今まで知られていなかった。
【005】
【発明が解決しようとする課題】この発明の発明者ら
は、板チョコレートのように四角の突出部が整然と並
び、その間に溝を有するユニークな形の冷菓、すなわち
一見すると板チョコレートを思わすが、食べると内部が
冷菓である、今までに知られていなかった板チョコレー
ト様の形をした冷菓を得るべく検討し、融解しているチ
ョコレート生地を低温の成形モールドに充填後吸引して
余分のチョコレート生地を抜き取ることにより成形モー
ルド内にチョコレートシェルを設け、次いで該チョコレ
ートシェル内に冷菓生地を充填し、これを冷却固化させ
た後チョコレートシェルの開口部をチョコレート生地で
被覆することにより、板チョコレート様の冷菓が得られ
るたが、従来のチョコレート生地を用いたのでは、食べ
たとき冷菓の冷熱の影響でチョコレートが堅くなり、し
かも口の中でモタモタしていつまでも溶けず、不快な食
感のものとなった。そこで、更に研究し、チョコレート
生地に用いる油脂として不飽和脂肪酸量及びSFIの値
を特定の値とした油脂を用い、冷菓の周囲のチョコレー
トが冷熱に影響されず、しかも冷えたとき冷菓の食感に
近く、よくマッチして好ましい食感となることを見いだ
し、この発明を完成させた。
【006】
【課題を解決するための手段】この発明を実施するに先
立ってチョコレート生地を用意する。ここに用いるチョ
コレート生地とは、油脂とカカオマス又はココア及び所
望により粉砂糖、粉乳、香料、乳化剤、食塩などを加
え、常法に従い調製したものである。しかし、油脂とし
て、脂肪酸組成中の不飽和脂肪酸の量が55%以下で、
しかもSFI(固体脂係数)が15℃で10から75
%、10℃で30から90%、5℃で50%以上である
ものを用いる必要がある。すなわち、不飽和脂肪酸量が
55%より多いと、型抜きするとき成形モールドに付着
して取り出すことが困難となることがある。また、SF
Iが15℃で10%、10℃で30%、5℃で50%よ
り少ない油脂も、最終製品としたときチョコレートの表
面がベタ付いたり、成形モールドから抜き難くなること
がある。また、SFIが15℃で75%、10℃で90
%より大きい油脂を用いると、最終製品を食べたとき、
口の中でチョコレートが溶けずに、モタモタした不快な
食感となるおそれがある。なお、チョコレート生地中の
油脂の量が少ないと、粘度が高くなり、成形処理が困難
となるだけでなく、食べたとき口の中で溶け難いものと
なる。従って、チョコレート生地の油脂含量は、35%
以上、好ましくは40%以上とするのが望ましい。
【007】次に、板チョコレート様冷菓の製造法につ
き、説明する。先ず、20℃以上、好ましくは25℃以
上としてチョコレート生地を融解し、この融解したチョ
コレート生地を成形モールドに充填する。このとき成形
モールドは、冷菓製造設備を循環しており、前の工程で
冷却され、中の冷菓を取り出した後のものを用いるた
め、低い温度となっている。従って、成形モールドに充
填したチョコレート生地は、成形モールドに接している
部分は冷却、固化するが、チョコレート生地全体は固化
するほど冷えていない。このような状態で成形モールド
内の固化していない余分のチョコレート生地を吸引して
抜き取り、成形モールド内面にチョコレート生地が付
着、固化したチョコレートシェルを設ける。
【008】次いで、該チョコレートシェル内に冷菓生地
を充填する。冷菓生地として、アイスクリーム生地、シ
ャーベット生地など任意のものが用いられるが、チョコ
レートと組合せて好ましい風味となるバニラアイスクリ
ーム生地などを用いるのが好ましい。チョコレートシェ
ルに冷菓生地を充填してから例えば、冷却トンネルなど
で冷却し、固化させた後チョコレートシェルの開口部を
チョコレート生地で被覆して板チョコレート様冷菓とす
る。
【009】チョコレートシェルの開口部をチョコレート
生地で被覆するには、成形モールドの中の冷菓生地の上
を融解しているチョコレート生地で覆うことにより行う
ことができる。また、開口部をチョコレート生地で被覆
していない冷菓生地の入ったチョコレートシェルを成形
モールドから取り出し、逆さにしてその開口部を下にし
てメッシュコンベアに乗せ、融解しているチョコレート
生地の上に通し、下面のみにチョコレート生地を付着さ
せてもよい。このようにして開口部をチョコレート生地
で被覆することにより、周面がチョコレートで覆われ、
一見すると板チョコレートのように見える板チョコレー
ト様冷菓を得ることができる。
【010】
【実施例】次に、本発明を実施例につき、説明する。 実施例1 ヤシ油、ヤシ硬化油及びなたね油を混ぜた油脂であり、
その脂肪酸組成中の不飽和脂肪酸の割合が32%で、し
かもSFIが15℃で55%、10℃で82%、5℃で
92%の油脂50部、カカオマス10部、粉乳15部、
粉砂糖25部からなるチョコレート生地を20℃として
融解した。この融解しているチョコレート生地を冷えた
成形モールドの凹陥部に充填した後直ちに吸引して余分
なチョコレート生地を吸い出して、成形モールド壁面に
固化したチョコレートを付着させ、チョコレートシェル
とした。次いで、該チョコレートシェルにアイスクリー
ム生地からなる冷菓生地を適量充填し、必要ならその表
面を掻き取りヘラで掻き取り、冷却してから、成形モー
ルドから取り出し、次いで取り出したものをチョコレー
トシェルの開口面を下にしてエンロバーにてボトム付け
をして、板チョコレート様冷菓を得た。この板チョコレ
ート様冷菓は、冷菓の周面がチョコレートで覆われ、し
かも板チョコレートの形をしており、食べたとき口の中
でチョコレートがモタモタとすることなく、容易に溶け
る好ましい食感をしていた。
【011】実施例2 ヤシ油、なたね油を混ぜた油脂であり、その脂肪酸組成
中の不飽和脂肪酸の割合が53%で、しかもSFIが1
5℃で12%、10℃で32%、5℃で55%の油脂5
0部、カカオマス10部、粉乳15部、粉砂糖25部か
らなるチョコレート生地を20℃として融解し、実施例
1と同様に処理して板チョコレート様冷菓を得た。この
板チョコレート様冷菓は、見たとこ板チョコレートのよ
うであるが、食べると中に冷菓が入っており、しかもチ
ョコレートの食感と冷菓の食感がマッチし、その上口の
中でいつまでもモタモタして溶けないようなことがな
く、容易に溶ける好ましい食感と風味を有するものであ
った。
【012】実施例3 ヤシ油、ヤシ硬化油、なたね油、カカオバターを混ぜた
油脂であり、その脂肪酸組成中の不飽和脂肪酸の割合が
42%で、しかもSFIが15℃で70%、10℃で8
6%、5℃で98%の油脂50部、カカオマス10部、
粉乳15部、粉砂糖25部からなるチョコレート生地を
25℃で融解し、実施例1と同様に処理して板チョコレ
ート様冷菓を得た。この板チョコレート様冷菓は、見た
とこ板チョコレートのようであるが、食べると中に冷菓
が入っており、しかもチョコレートの食感と冷菓の食感
がマッチし、その上口の中でモタモタして溶けないでい
ることはなかった。この板チョコレート様冷菓は、冷菓
冷却周面がチョコレートで覆われ、しかも板チョコレー
トの形をしており、食べたとき口の中でチョコレートと
冷菓が混ざり、チョコレートが口の中に残りいつまでも
モタモタすることない好ましい食感であった。
【013】比較例1 ヤシ油、なたね油を混ぜ、脂肪酸組成中の不飽和脂肪酸
の割合が62%、SFIが15℃で6%、10℃で26
%、5℃で48%の油脂50部、カカオマス10部、粉
乳15部、粉砂糖25部からなるチョコレート生地を用
い、その他の処理は実施例1と同様に行って、冷却トン
ネルから出てきた成形モールドに入った板チョコレート
様冷菓を得たが、この板チョコレート様冷菓は、成形モ
ールドに付着し、取り出すことが困難であった。
【014】比較例2 カカオバター50部、カカオマス10部、粉乳15部、
粉砂糖25部からなるチョコレート生地を40℃として
融解し、これを常法に従いテンパリング処理をした後、
型抜きした後の成形モールドを赤外線ヒーターで暖め、
表面の温度を20℃としたものに充填し、以下実施例1
と同様に処理して、板チョコレート様冷菓を得た。この
板チョコレート様冷菓は、チョコレート層が厚く、チョ
コレート生地と冷菓生地の量のバランスが悪いだけでな
く、チョコレートが堅く、噛み難く、しかも口の中でチ
ョコレートがネチョネチョした不快な食感となった。な
お、カカオバターのSFIは、25℃で97%であっ
た。
【015】比較例3 ヤシ油、ヤシ硬化油、なたね油、カカオバターを混ぜ、
脂肪酸組成中の不飽和脂肪酸の割合が28%、SFIが
15℃で78%、10℃で93%の油脂50部、カカオ
マス10部、粉乳15部、粉砂糖25部からなるチョコ
レート生地を20℃として融解し、実施例1と同様に処
理して板チョコレート様冷菓を得た。この板チョコレー
ト様冷菓は、見たとこ板チョコレートのようであり、中
に冷菓が入っているが、食べるとチョコレートがいつま
でも溶けずにモタモタした食感となった。
【016】次に、官能検査の結果について、記す。 官能検査1 実施例1、実施例2及び比較例2で得た板チョコレート
様冷菓を10名の専門パネラーに試食してもらい、各々
の板チョコレート様冷菓をとてもおいしい、おいしい、
ふつう、まずい、とてもまずいの5段階で評価したもら
った結果、表1のようになった。表の数値は、評価した
人の人数である。
【017】
【表1】
【018】官能検査2 実施例1、実施例2及び比較例2で得た板チョコレート
様冷菓を10名の専門パネラーに食べてもらい、その中
で最もおいしいと感じたものを指摘してもらう官能検査
の結果は、表2のようになった。表の数値は、それぞれ
の試料が最もおいしいとした人の人数である。
【019】
【表2】
【020】
【発明の効果】この発明を実施することにより、板チョ
コレートのように表面が四角の凸部が並列した板状を
し、しかも周面がチョコレートからなるため一見すると
板チョコレートのようであるが、食べると内部が冷菓
で、しかも周囲のチョコレートが冷菓の冷熱に影響され
ても好ましい食感をした今まで知られていなかった板チ
ョコレート様の形をした冷菓が得られた。その結果、形
の意外性と好ましい風味が楽しめる冷菓が得られた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融解しているチョコレート生地を低温の
    成形モールドに充填後吸引してチョコレート生地を抜き
    取ることにより成形モールド内面にチョコレート生地を
    付着、固化させてチョコレートシェルを設け、次いで該
    チョコレートシェル内に冷菓生地を充填し、これを冷却
    固化させた後チョコレートシェルの開口部をチョコレー
    ト生地で被覆して板チョコレート様冷菓とする際に、チ
    ョコレート生地に脂肪酸組成中の不飽和脂肪酸の割合が
    55%以下で、しかもSFI(固体脂係数)が15℃で
    10から75%、10℃で30から90%、5℃で50
    %以上である油脂を用いることを特徴とする板チョコレ
    ート様冷菓の製造法。
  2. 【請求項2】 チョコレート生地中の油脂含量が35%
    以上である請求項1に記載の板チョコレート様冷菓の製
    造法。
  3. 【請求項3】 チョコレート生地中の油脂含量が40%
    以上である請求項2に記載の板チョコレート様冷菓の製
    造法。
JP7050433A 1995-02-15 1995-02-15 板チョコレート様冷菓の製造法 Pending JPH08214784A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114173569A (zh) * 2019-07-24 2022-03-11 株式会社明治 冷冻点心用巧克力和冷冻点心

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114173569A (zh) * 2019-07-24 2022-03-11 株式会社明治 冷冻点心用巧克力和冷冻点心
CN114173569B (zh) * 2019-07-24 2024-01-02 株式会社明治 冷冻点心用巧克力和冷冻点心

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