JPH08214478A - 永久磁石界磁方式回転電機 - Google Patents

永久磁石界磁方式回転電機

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JPH08214478A
JPH08214478A JP7014372A JP1437295A JPH08214478A JP H08214478 A JPH08214478 A JP H08214478A JP 7014372 A JP7014372 A JP 7014372A JP 1437295 A JP1437295 A JP 1437295A JP H08214478 A JPH08214478 A JP H08214478A
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Kazuto Sakai
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低速領域から高速領域まで広く利用できる永
久磁石界磁方式回転電機を提供する。 【構成】 磁性材のステータ鉄心12にコイル15を巻
き付けることによって電機子としてのステータ1を形成
し、磁性材のロータ鉄心17の円周表面に主界磁の永久
磁石18を配置すると共に、それらの永久磁石18の極
間にアルニコ永久磁石又はFeCrCo材の永久磁石1
9を配置することによってロータ16を形成し、さらに
ロータ16の空隙に面する側面に磁性リング20を配置
する。これによって、高速領域で回転電機の誘起電圧の
上昇を効果的に抑制して高速領域を拡大することがで
き、同時に低中速領域では大きなトルクを発生させるこ
とができ、低速領域から高速領域までの広い速度範囲で
高力率、高効率の運転ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、永久磁石界磁方式回転
電機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来広く知られている永久磁石界磁方式
回転電機は、図12に示すような構成である。すなわ
ち、ステータ1がステータ鉄心2の内周部に形成された
多数のスロット3にコイル4を配置した構成であり、ロ
ータ5が界磁となる永久磁石6をロータ鉄心7の外周表
面に配置、固定した構成である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の永久磁石界磁方式回転電機では、次のような問題
点があった。永久磁石界磁方式回転電機では、界磁に永
久磁石を用いているために界磁磁束が一定である。した
がって電機子コイルと鎖交する磁束量は一定であり、ロ
ータの回転数に比例して誘起電圧は大きくなり、回転電
機の端子電圧も大となる。
【0004】一方、電気自動車などの電気推進システム
やコンプレッサなどに使用される電動機は低速領域は定
トルク運転であるが、高速領域は定出力運転を行なう。
したがって、定トルク領域では端子電圧は回転数にほぼ
比例して大きくなるが、定出力領域ではトルクが小とな
るために、電流も少なくてよいことから端子電圧は一定
値になることが望ましい。
【0005】しかしながら、このようなシステムに永久
磁石界磁方式回転電機を適用するならば、高速回転領域
では誘起電圧は回転数に比例して高くなり、ついには誘
起電圧がインバータの電圧に一致して回転が不可能にな
ってしまう。
【0006】そこで高速回転を可能とするためには単純
にインバータの電圧を大きくすればよいが、それによっ
てインバータの皮相電力が大きくなり、インバータが大
型化し、効率も悪くなる問題点が生じる。
【0007】このような問題点を回避するために、従来
から、界磁磁束と逆方向に作用する電機子反作用のd軸
成分の電機子電流を流すことによって電機子コイルと鎖
交する界磁磁束を低下させる技術、つまり弱め界磁が適
用されている。
【0008】しかしながら、この弱め界磁の技術でも、
永久磁石の比透磁率が真空の比透磁率(1.0)と近い
値(約1.1)であり、ステータ側からロータの界磁を
見ると磁気的空隙長は永久磁石厚みと機械的空隙長との
和となり、非常に大きな値となってしまう。したがっ
て、弱め界磁の効果を得るためにはd軸の電機子電流を
かなり大きくしなければならず、効率的、温度的に問題
となり、実用上問題があった。
【0009】これに加えて、弱め界磁を適用すると、永
久磁石自身にも電機子反作用によって反磁界が直接加わ
り、減磁するという特性劣化の問題点もあった。
【0010】また高速回転に対する耐性を向上させるた
め、ロータの表面に固定された永久磁石が高速回転で離
散するのを防止するために非磁性材のリングで永久磁石
を覆う技術もあるが、この非磁性材のリングを永久磁石
側から見ると、その厚みと機械的空隙長との和が磁気的
空隙長となるために一般の回転電機よりも磁気的空隙長
が大となり、空隙磁束密度が低下して回転電機が大型化
し、効率が悪化する問題点があった。
【0011】さらに従来のシステムでは、高速領域で弱
め界磁制御が故障した場合、インバータのパワー素子に
回転電機の高い誘起電圧がかかり、パワー素子を電気的
に破壊する恐れがある問題点もあった。
【0012】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたもので、永久磁石による電機子コイルの鎖交磁
束量を効果的に調整し、低速回転から高速回転までの広
範囲の運転を可能とし、かつ高力率、高効率を実現し、
さらに高速領域で弱め界磁制御が動作しない故障が発生
しても回転電機に過大な誘起電圧を発生させることがな
い永久磁石界磁方式回転電機を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の永久磁
石界磁方式回転電機は、磁性材のステータ鉄心にコイル
を巻付けて成る円筒状のステータと、磁性材のロータ鉄
心の円周表面に配置された主界磁の永久磁石と、この永
久磁石の極間に配置されたアルニコ永久磁石と、ステー
タの内側に挿入されたロータとを備えたものである。
【0014】請求項2の発明は、請求項1の永久磁石界
磁方式回転電機において、ステータとロータとを共に円
盤状とし、これらのステータとロータとを軸方向に空隙
を明けて対面させてアキシャルギャップ形にしたもので
ある。
【0015】請求項3の発明は、請求項1又は2の永久
磁石界磁方式回転電機において、ロータの極間のアルニ
コ永久磁石に代えて、FeCrCo材の永久磁石を用い
たものである。
【0016】請求項4の発明は、請求項1〜3いずれか
の永久磁石界磁方式回転電機において、ロータの空隙に
面する側面に磁性材のリングを取り付けたものである。
【0017】請求項5の発明は、請求項4の永久磁石界
磁方式回転電機において、磁性材のリングをケイ素鋼板
で形成したものである。
【0018】請求項6の発明は、請求項4の永久磁石界
磁方式回転電機において、磁性材のリングをFeCoV
合金で形成したものである。
【0019】請求項7の発明は、請求項4の永久磁石界
磁方式回転電機において、磁性材のリングを磁性ステン
レス鋼材で形成したものである。
【0020】請求項8の発明は、請求項4の永久磁石界
磁方式回転電機において、磁性材のリングを磁性アモル
ファスで形成したものである。
【0021】請求項9の発明は、請求項4〜8いずれか
の永久磁石界磁方式回転電機において、磁性材のリング
を薄板の積層構造としたものである。
【0022】請求項10の発明は、請求項4の永久磁石
界磁方式回転電機において、磁性材のリングを金属磁性
粉末とその絶縁及び結合を兼ねる樹脂コンパウンドとを
成形して得られた圧粉磁心で形成したものである。
【0023】請求項11の発明は、請求項4の永久磁石
界磁方式回転電機において、磁性材のリングをフェライ
ト材で形成したものである。
【0024】
【作用】永久磁石界磁方式回転電機は電機子(ステー
タ)からロータを見たとき、主界磁の永久磁石の比透磁
率は約1であって真空の比透磁率とほぼ同等であるた
め、磁気的空隙長は機械的空隙長と主界磁の永久磁石の
厚みとの和となり、一般の回転電機と比較して磁気的空
隙長が非常に大きく、5〜10倍となる。
【0025】これにより、電機子反作用によってロータ
の界磁を弱めるためにはかなりの電機子電流を必要とす
る。このため、少ない電流を流すのでは電機子反作用に
よる弱め界磁の効果が小さく、あまり高速回転領域を拡
大することができない。反面、大電流を流せばコイルの
損失(銅損)が増加し、力率も悪化し、この回転電機に
電力を供給するためのインバータに必要とされる容量が
大となる。加えて、主界磁の永久磁石に電機子反作用に
より反磁界が直接加わり、減磁する恐れもある。
【0026】そこで、ロータの主界磁の永久磁石の極間
にアルニコ永久磁石又はそれと同等の磁気特性を有する
永久磁石を配置すると、これらの永久磁石はその保磁力
が46〜175[kA/m]と小さくて希土類磁石の保
磁力の1/10〜1/20程度であり、また残留磁束密
度は1.4[T]程度と非常に大きいので、電機子反作
用磁界を受けると簡単にその磁界方向に磁化され、大き
な磁束を発生することになる。このことは、永久磁石界
磁方式回転電機にとって、その高速回転領域、低中速回
転領域いずれにとっても、次の理由で有効なものとな
る。
【0027】さらに、次に述べるようにロータの空隙に
面する側面に磁性材のリングを設けることによって、高
速回転領域、低中速回転領域いずれの特性もいっそう向
上させることができる。
【0028】<<高速回転領域>>高速回転領域で定出
力運転を行う場合には回転電機の誘起電圧が高くなるた
め、電機子コイルに負のd軸電流を流すことにより界磁
磁束を減少させる弱め界磁制御を行うことによって端子
電圧の上昇を抑制して高速回転を可能とし、かつ、力
率、効率の良い運転を可能とする。同時に、電機子反作
用による主界磁の永久磁石の減磁を効果的に防ぐことも
できる。
【0029】つまり、弱め界磁制御のために電機子コイ
ルに負のd軸電流を流すと、d軸電流による電機子反作
用の磁界が主界磁の永久磁石間の極間に配置されたアル
ニコ永久磁石又はそれと同等の磁気特性を有する永久磁
石に大きく作用する。ところが、極間に配置された永久
磁石は上記のように保磁力が46〜175[kA/m]
と小であるために、電機子反作用によって容易に磁化さ
れる。そこで、主界磁の永久磁石から発生する磁束の一
部が極間の永久磁石とロータ鉄心を通る磁路を形成し、
その磁束の一部が電機子コイルと鎖交し、回転電機の誘
起電圧の上昇を抑制する。
【0030】これと共に、弱め界磁制御のために電機子
コイルに負のd軸電流を流すと、d軸電流による電機子
反作用が生じるが、ロータの主界磁の永久磁石がこの電
機子反作用を受けると、永久磁石の一部の磁束の磁路が
ステータ鉄心から極間永久磁石へ移り、主界磁の永久磁
石の動作特性を決めるパーミアンス係数の大きな低下が
抑制され、主界磁の永久磁石が磁気的に安定し、電機子
反作用による減磁の影響を避けることができる。
【0031】加えて、弱め界磁を行う高速領域で弱め界
磁制御が動作不能の状態になった場合でも、極間の永久
磁石が依然として磁化された状態におかれるため、制御
が不能となったために急激に磁束が大きくなって過大な
回転電機の誘起電圧によりそれを駆動するインバータの
パワー素子を破壊するということを避けることができ
る。
【0032】以上の高速領域の特性は、ロータの空隙に
面する側面に磁性材のリングを設けることによってさら
に改善される。すなわち、弱め界磁がわずかに必要な場
合には、d軸電流を小にするが、このとき、d軸電流に
よる電機子反作用によって主界磁の永久磁石による界磁
磁束の一部が磁性リング内を通って隣極磁石に戻る閉磁
気回路を形成する。この磁束はロータ内で閉回路を形成
するために、その分、主界磁の永久磁石の磁束のうちス
テータの電機子コイルと鎖交する磁束が減少し、結果と
して、高速回転時の回転電機の誘起電圧の上昇を抑制す
ることができることになる。
【0033】また弱め界磁量が大である場合には、負の
d軸電流を増加させる。このときは主界磁の永久磁石の
極間に配置したアルニコ永久磁石又はそれと同等の磁気
特性を有する永久磁石によって、上述したように主界磁
の永久磁石から出る磁束で電機子コイルと鎖交する磁束
量を減少させることができ、これと同時に、磁性リング
が上記のようにさらに鎖交磁束量を減少させる働きをす
るので、高速回転時の回転電機の誘起電圧の上昇をいっ
そう効果的に抑制することができ、高速領域を拡大する
ことができる。
【0034】<<低速・中速回転領域>>低中速回転領
域で大きなトルクを必要とする場合、界磁磁束を増加さ
せると効率が良い運転が可能となる。そこで、正のd軸
電流を電機子コイルに流すと、電機子反作用によって極
間に配置された永久磁石に主界磁の永久磁石の磁束方向
と同じ向きに磁化され、主界磁の永久磁石の磁束がステ
ータ側に流れ込むのを助長し、主磁束の漏れを減少さ
せ、加えて極間の永久磁石の磁化による磁束が主磁束に
加わってステータ側に流れ込み、電機子コイルと鎖交す
る磁束を増加させる。したがって、少ないd軸の電機子
電流によって大きなトルクを発生することができ、力
率、効率を向上させることができる。
【0035】そこで、請求項1〜3いずれかに記載の永
久磁石界磁方式回転電機では、磁性材のステータ鉄心に
コイルを巻き付けることによって電機子としてのステー
タを形成し、磁性材のロータ鉄心の円周表面に主界磁の
永久磁石を配置すると共に、それらの永久磁石の極間に
アルニコ永久磁石又はFeCrCo材の永久磁石を配置
することによってロータを形成しているので、高速領域
で回転電機の誘起電圧の上昇を効果的に抑制して高速領
域を拡大することができ、同時に低中速領域では大きな
トルクを発生させることができ、低速領域から高速領域
までの広い速度範囲で高力率、高効率の運転ができる。
【0036】また請求項4又は5の発明の永久磁石界磁
方式回転電機では、磁性材のステータ鉄心にコイルを巻
き付けることによって電機子としてのステータを形成
し、磁性材のロータ鉄心の円周表面に主界磁の永久磁石
を配置すると共に、それらの永久磁石の極間にアルニコ
永久磁石又はFeCrCo材の永久磁石を配置すること
によってロータを形成し、さらにロータの空隙に面する
側面に磁性リングを配置しているので、高速領域で回転
電機の誘起電圧の上昇をいっそう効果的に抑制して高速
領域を拡大することができ、同時に低中速領域では大き
なトルクを発生させることができ、低速領域から高速領
域までの広い速度範囲で高力率、高効率の運転ができ
る。
【0037】請求項6の発明の永久磁石界磁方式回転電
機では、ロータの空隙面に設ける磁性リングにFeCo
V合金のものを用いているが、FeCoV合金は2.3
[T]の高飽和磁束密度の磁気特性を有するため電機子
に比較的大きなd軸電流を流すことができ、弱め界磁の
大きい回転電機、あるいは磁性リングの厚みの小さい回
転電機を製作する場合に有効に利用できる。
【0038】請求項7又は8の発明の永久磁石界磁方式
回転電機では、ロータの空隙面に設ける磁性リングに磁
性ステンレス鋼材又は磁性アモルファスで形成したもの
を用いているが、これらの磁性材は低飽和磁束密度の磁
気特性であり、磁束密度が1.5[T]において比透磁
率が10〜300程度と小であるので、そのリング内を
周方向に漏れる磁束が少なく、それだけリングの径を十
分厚くして機械的な強度を大きくすることが可能とな
り、高速回転時のロータの主界磁の永久磁石及び極間の
永久磁石の飛散防止用の保持リングとしても利用でき、
高速回転機を製作する場合に有効に利用できる。
【0039】請求項9の発明の永久磁石界磁方式回転電
機では、ロータの空隙面に設ける磁性リングを積層構造
にしているので、渦電流の発生を抑制することができ、
特に電機子スロットが開口スロットの場合に有効に利用
することができる。
【0040】請求項10又は11の発明の永久磁石界磁
方式回転電機では、ロータの空隙面に設ける磁性リング
に圧粉磁心又はフェライト材で構成したものを用いてい
るが、これらの磁性材は高周波においても磁束密度の低
下(つまり、透磁率の低下)がわずかである磁気特性を
有しているので、渦電流の発生の恐れがなく、そのため
に積層構造とする必要性がなくて構造の簡素化が図れ
る。
【0041】
【実施例】以下、本発明の実施例を図に基づいて詳説す
る。図1は請求項1の発明の一実施例の永久磁石界磁方
式回転電機の断面図であり、ステータ11はドーナツ盤
状のケイ素鋼板を積層してステータ鉄心12を形成し、
このステータ鉄心12の内周部に交互に形成されている
多数のスロット13と歯14との部分において、歯14
にコイル15を巻き、そのコイル15をスロット13に
収容した形の構造となっている。
【0042】ロータ16は、S45Cの磁性材で形成さ
れた円筒状のロータ鉄心17の外周部に、隣り同士で互
いに逆相となるように4個のNdFeBの希土類永久磁
石18を配置し、さらにこれらの永久磁石18の各極間
にアルニコ永久磁石19を配置した形の構造となってい
る。希土類永久磁石18は回転電機の主界磁となる。
【0043】次に、以上の構成の請求項1の永久磁石界
磁方式回転電機の特性について説明する。
【0044】<<高速回転領域>>高速回転領域では、
電機子コイル15にd軸電流を流すことよって弱め界磁
制御を行う。弱め界磁制御のために電機子コイル15に
負のd軸電流を流すと、d軸電流による電機子反作用の
磁界が主界磁の永久磁石18の極間に配置されたアルニ
コ永久磁石19に大きく作用する。ところが、極間に配
置されたアルニコ永久磁石19は保磁力が46〜175
[kA/m]と小であるために、図2に示すように、d
軸電流によって作られる磁界B1によって容易に矢印A
1の方向に磁化される。そこで界磁の磁気回路として、
ロータ鉄心17−主界磁の永久磁石18−ステータ鉄心
12から成る通常の磁気回路B2の他に、ロータ鉄心1
7−主界磁の永久磁石18−極間のアルニコ永久磁石1
9から成る新しい磁気回路B3が形成される。
【0045】つまり、主界磁の永久磁石18の磁束B2
の一部が新しい磁気回路B3を通ることになり、これに
よって電機子コイル15と鎖交する主磁束が減少して弱
め界磁が効果的に作用することになる。
【0046】したがって、少ない負のd軸電流で鎖交磁
束を大幅に減少させ、高速回転時の回転電機の端子電圧
の上昇を効果的に抑制し、この結果としてさらに高速回
転領域を広げることができるようになり、また力率、効
率も向上させることができる。
【0047】これと共に、弱め界磁制御のために電機子
コイル15に負のd軸電流を流すと、d軸電流による電
機子反作用が生じるが、ロータ16の主界磁の永久磁石
18がこの電機子反作用を受けると、永久磁石の一部の
磁束の磁路がステータ鉄心12から極間永久磁石19へ
移り、主界磁の永久磁石18の動作特性を決めるパーミ
アンス係数の大きな低下が抑制され、過大な電機子反作
用下でも主界磁の永久磁石18が磁気的に安定し、電機
子反作用による減磁の影響を避けることができる。
【0048】加えて、弱め界磁を行う高速領域で弱め界
磁制御が動作不能の状態になった場合でも、極間の永久
磁石19が依然として磁化された状態におかれるため、
制御が不能となったために急激に磁束が大きくなって過
大な回転電機の誘起電圧によりそれを駆動するインバー
タのパワー素子を破壊することを避けることができるこ
とになる。
【0049】<<低速・中速回転領域>>低中速領域で
大きなトルクを必要とする場合、界磁磁束を増加させる
と効率が良い運転が可能となる。そこで、正のd軸電流
を電機子コイル15に流すと、図3に示すように電機子
反作用B1によって極間に配置された永久磁石19が主
界磁の永久磁石18の磁束方向と同じく矢印A2の向き
に磁化され、主界磁の永久磁石18の磁束B2がステー
タ11側に流れ込むのを助長し、主磁束の漏れを減少さ
せる。
【0050】これに加えて、極間のアルニコ永久磁石1
9は図4に示したように、保磁力が58[kA/m]と
小さく、主界磁のNdFeBの希土類永久磁石18の保
磁力の1/10〜1/20程度であるが、その残留磁束
密がNdFeBの希土類永久磁石18と同等の1.35
[T]という値を示すので、その磁化による磁束B4が
主磁束B2に加わってステータ11側に流れ込み、電機
子コイル15と鎖交する磁束を増加させる。したがっ
て、少ないd軸の電機子電流によって大きなトルクを発
生することができ、力率、効率を向上させることができ
る。
【0051】こうして、上記実施例の永久磁石界磁方式
回転電機では、高速領域で回転電機の誘起電圧の上昇を
効果的に抑制して高速領域を拡大することができ、同時
に低中速領域では大きなトルクを発生させることがで
き、低速領域から高速領域までの広い速度範囲で高力
率、高効率の運転ができることになる。
【0052】加えて、弱め界磁を行う高速領域で弱め界
磁制御が動作不能の状態になった場合でも、極間の永久
磁石19が依然として磁化された状態におかれるため、
制御が不能となったために急激に磁束が大きくなって過
大な回転電機の誘起電圧によりそれを駆動するインバー
タのパワー素子を破壊するということを避けることがで
きる。
【0053】次に、請求項3の発明の一実施例について
図4に基づいて説明する。請求項1の発明ではNdFe
Bの希土類永久磁石18の極間に配置する永久磁石19
としてアルニコ永久磁石を用いたが、図4に示すよう
に、アルニコ永久磁石とほぼ同等の磁気特性を有するF
eCrCo材の永久磁石をアルニコ永久磁石に代えて使
用することができる。
【0054】このFeCrCo材の永久磁石も、保磁力
は46[kA/m]と小さく、希土類永久磁石18の保
磁力の1/10〜1/20程度であるが、残留磁束密度
が1.40[T]と非常に大きい。したがって、アルニ
コ永久磁石に代えて、このFeCrCo材の永久磁石を
極間の永久磁石19として使用することによっても請求
項1の発明と同じ効果を得ることができる。
【0055】次に、請求項4、請求項5及び請求項9の
発明の共通する実施例について、図5に基づいて説明す
る。この実施例の永久磁石界磁方式回転電機は、図1に
示したものにおいて、さらにロータ16の外周面にケイ
素鋼板の積層構造の磁性リング20を取り付けたことを
特徴としている。なお、その他の構成は、図1に示した
請求項1の発明の実施例と共通するので、同一の符号を
付すことによって詳しい説明は省略する。
【0056】高速回転領域で定速運転を行うときには、
弱め界磁制御のために負のd軸電流を電機子コイル15
に流すが、弱め界磁がわずかに必要な場合には、d軸電
流を小にする。このとき、図6に示すように、d軸電流
による電機子反作用によって主界磁の永久磁石18によ
る界磁磁束B2の一部B5が磁性リング20内を通って
隣極磁石18に戻る閉磁気回路を形成する。この磁束B
5はロータ16内で閉回路を形成するために、その分、
主界磁の永久磁石の磁束B2のうちステータ11の電機
子コイル15と鎖交する磁束が減少し、結果として、高
速回転時の回転電機の誘起電圧の上昇を抑制することが
できる。
【0057】また弱め界磁量を大とする場合には、負の
d軸電流を増加させる。このときには主界磁の永久磁石
18の極間に配置したアルニコ永久磁石またはそれと同
等の磁気特性を有する永久磁石19によって、上述した
ように主界磁の永久磁石18から出る磁束B2を弱め、
電機子コイル15を鎖交する磁束量を減少させることが
でき、これと同時に、磁性リング20が上記のようにさ
らに鎖交磁束量を減少させる働きをするので、高速回転
時の回転電機の誘起電圧の上昇をいっそう効果的に抑制
することができ、高速領域を拡大することができる。
【0058】加えて、磁性リング20を薄い磁性材の積
層構造とすることによって、図示実施例のように電機子
スロット13が開口スロットになっている場合、渦電流
の発生による悪影響を抑制することができ、磁性リング
本来の働きを活かすことができる。
【0059】したがって、この図5に示した実施例の永
久磁石界磁方式回転電機の場合、図1に示した実施例の
永久磁石界磁方式回転電機に対して、高速領域の一層の
拡大を図ることができる。
【0060】次に、請求項6及び請求項9の発明の永久
磁石界磁方式回転電機の共通の実施例として、図5に示
した実施例の回転電機において、ケイ素鋼板に代えてF
eCoV合金の積層構造体を用いて磁性リング20を構
成する。
【0061】この実施例の場合には、FeCoV合金が
2.3[T]の高飽和磁束密度の磁気特性を有するため
に、ケイ素鋼板の磁性リングを用いた回転電機よりも大
きなd軸電流を電機子コイル15に流すことができる。
【0062】この結果、磁性リング20を薄い磁性材の
積層構造とすることによって、図5に示した実施例のよ
うに電機子スロット13が開口スロットになっている場
合、渦電流の発生による悪影響を抑制することができ、
磁性リング本来の働きを活かすことができて、図1に示
した実施例の永久磁石界磁方式回転電機に対して、高速
領域の一層の拡大を図ることができ、加えて、弱め界磁
の大きい回転電機、あるいは磁性リングの厚みの小さい
回転電機を製作する場合に有効に利用できることにな
る。
【0063】次に、請求項7及び請求項9の発明の共通
する実施例について、図7に基づいて説明する。この実
施例の特徴は、図5に示した構造の永久磁石界磁方式回
転電機において、磁性リング20をSUS630の磁性
ステンレス鋼の積層構造体を用いたことを特徴とする。
したがって、その他の構成は図5に示した実施例と共通
である。
【0064】磁性リング20としてSUS630の磁性
ステンレス鋼の積層構造体を用いた場合、図7に示すよ
うに低飽和磁束密度の磁気特性であり、磁束密度が1.
5[T]において比透磁率が10程度と小である。した
がって、磁性リング20を径方向に厚くしても磁性リン
グ20内をリング周方向に漏れる磁束が少なくなり、磁
性リング本来の働きを阻害せず、しかも機械的な強度を
増強することができ、高速回転時の永久磁石18,19
の飛散防止用の保持リングとしても利用することがで
き、高速回転機に有効に利用することができる。
【0065】次に、請求項8及び請求項9の発明の共通
する実施例について、図8に基づいて説明する。この実
施例の特徴は、図5に示した構造の永久磁石界磁方式回
転電機において、磁性リング20を磁性アモルファスの
積層構造体を用いたことを特徴とする。したがって、そ
の他の構成は図5に示した実施例と共通である。
【0066】磁性リング20として磁性アモルファスの
積層構造体を用いた場合、磁性アモルファスが、図8に
示すように低飽和磁束密度の磁気特性であり、磁束密度
が1.5[T]において比透磁率が300程度と小であ
る。したがって、磁性リング20を径方向に厚くしても
磁性リング20内をリング周方向に漏れる磁束が少なく
なり、磁性リング本来の働きを阻害せず、しかも機械的
な強度を増強することができ、高速回転時の永久磁石1
8,19の飛散防止用の保持リングとしても利用するこ
とができ、高速回転機に有効に利用することができる。
【0067】次に、請求項10の発明の一実施例を図9
及び図10に基づいて説明する。この実施例の特徴は、
図5に示した永久磁石界磁方式回転電機において、磁性
リング20として金属磁性粉末とその絶縁及び結合を兼
ねる樹脂コンパウンドとを成形して得られた圧粉磁心を
素材とするところにある。したがって、その他の構成は
図5に示した実施例と共通である。
【0068】圧粉磁心は図9に示すように低飽和磁束密
度の磁気特性を有し、さらに図10に示すように高周波
においても磁束密度の低下がわずかである磁気特性を有
している。
【0069】したがって、この圧粉磁心を成形して磁性
リング20に用いた場合、積層構造とせず一体成形もの
であっても渦電流の発生を抑制することができ、磁性リ
ング本来の働きを活かすことができて、図5に示した請
求項4及び請求項5の実施例の効果と共に、構成を簡素
化できる利点がある。
【0070】次に、請求項11の発明の一実施例を図1
0に基づいて説明する。この実施例の永久磁石界磁方式
回転電機は、図5に示した回転電機における磁性リング
20として、フェライト材の成形物を用いたことを特徴
とする。したがって、その他の構成は図5に示した実施
例と共通である。
【0071】フェライト材は図10に示すように、圧粉
磁心と同じように、高周波においても磁束密度の低下が
わずかである磁気特性を有している。したがって、この
フェライト材を成形して磁性リング20に用いた場合、
積層構造とせず一体成形ものであっても渦電流の発生を
抑制することができ、磁性リング本来の働きを活かすこ
とができて、図5に示した請求項4及び請求項5の実施
例の効果と共に、構成を簡素化できる利点がある。
【0072】次に、請求項2の発明の一実施例を図11
に基づいて説明する。この実施例の永久磁石界磁方式回
転電機は、アキシャルギャップ形の回転電機であること
を特徴としている。すなわち、ステータ11は輪状のス
テータ鉄心(図示せず)のスロットそれぞれにステータ
コイル15を配置した構造とし、ロータ16はドーナツ
状のロータ鉄心17内に4個の主界磁の永久磁石18を
極性が交互になるように配置すると共に、隣接する主界
磁の永久磁石18間にアルニコ永久磁石あるいはFeC
rCo材の永久磁石19を配置した構造とし、これらス
テータ11とロータ16とを軸方向に空隙を明けて対設
して組み上げることによってアキシャルギャップ形の回
転電機に構成されている。
【0073】そしてロータ16側の空隙側の側面にはケ
イ素鋼板のような磁性材の積層構造体の磁性リング20
が取り付けられている。
【0074】このアキシャルギャップ形の永久磁石界磁
方式回転電機にあっても、上記の各実施例と同じよう
に、高速領域で回転電機の誘起電圧の上昇を効果的に抑
制して高速領域を拡大することができ、同時に低中速領
域では大きなトルクを発生させることができ、低速領域
から高速領域までの広い速度範囲で高力率、高効率の運
転ができる。
【0075】加えて、弱め界磁を行う高速領域で弱め界
磁制御が動作不能の状態になった場合でも、極間の永久
磁石19が依然として磁化された状態におかれるため、
制御が不能となったために急激に磁束が大きくなって過
大な回転電機の誘起電圧によりそれを駆動するインバー
タのパワー素子を破壊するということを避けることがで
きる。
【0076】また、磁性リング20が鎖交磁束量を減少
させる働きをするので、高速回転時の回転電機の誘起電
圧の上昇をいっそう効果的に抑制することができ、高速
領域を拡大することができる。その上、磁性リングを薄
い磁性材の積層構造とすることによって、渦電流の発生
による悪影響を抑制することができ、磁性リング本来の
働きを活かすことができる。
【0077】なお、この図11に示したアキシャルギャ
ップ形の永久磁石界磁方式回転電機の実施例において
も、各構成部の素材として上記図1〜図10に基づいて
説明した実施例各々と共通するものを使用することがで
き、それによって同様の効果を奏することができる。
【0078】また、上記の各実施例は永久磁石界磁方式
回転電機について説明したが、同じ思想は直流モータに
代表されるステータ側を永久磁石界磁とし、ロータを回
転電機子とする回転電機にも広く適用することができ
る。加えて、永久磁石式のリニアモータでも同様に可能
となる。さらに、界磁極表面と電機子表面との間の磁束
漏れに起因する出力低下よりも、トルク脈動の低減を優
先させる場合には、一般の巻線形界磁の同期機にも適用
できる。
【0079】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
磁性材のステータ鉄心にコイルを巻き付けることによっ
て電機子としてのステータを形成し、磁性材のロータ鉄
心の円周表面に主界磁の永久磁石を配置すると共に、そ
れらの永久磁石の極間にアルニコ永久磁石を配置するこ
とによってロータを形成しているので、高速領域で回転
電機の誘起電圧の上昇を効果的に抑制して高速領域を拡
大することができ、同時に低中速領域では大きなトルク
を発生させることができ、低速領域から高速領域までの
広い速度範囲で高力率、高効率の運転ができる。
【0080】請求項2の発明によれば、アキシャルギャ
ップ形の永久磁石界磁方式回転電機において、ロータを
磁性材のロータ鉄心内に主界磁の永久磁石を配置すると
共に、永久磁石の極間にアルニコ永久磁石を配置した構
成としているので、高速領域で回転電機の誘起電圧の上
昇を効果的に抑制して高速領域を拡大することができ、
同時に低中速領域では大きなトルクを発生させることが
でき、低速領域から高速領域までの広い速度範囲で高力
率、高効率の運転ができる。
【0081】請求項3の発明によれば、ロータの主界磁
の永久磁石の極間の永久磁石にアルニコ永久磁石に代え
てFeCrCo材の永久磁石を用いており、このFeC
rCo材の永久磁石はアルニコ永久磁石とほぼ同等の磁
気特性を有するので、請求項1及び請求項2の発明と同
様に、高速領域で回転電機の誘起電圧の上昇を効果的に
抑制して高速領域を拡大することができ、同時に低中速
領域では大きなトルクを発生させることができ、低速領
域から高速領域までの広い速度範囲で高力率、高効率の
運転ができる。
【0082】請求項4の発明によれば、磁性材のステー
タ鉄心にコイルを巻き付けることによって電機子として
のステータを形成し、磁性材のロータ鉄心の円周表面に
主界磁の永久磁石を配置すると共に、それらの永久磁石
の極間にアルニコ永久磁石又はFeCrCo材の永久磁
石を配置することによってロータを形成し、さらにロー
タの空隙に面する側面に磁性リングを配置しているの
で、高速領域で回転電機の誘起電圧の上昇をいっそう効
果的に抑制して高速領域を拡大することができ、同時に
低中速領域では大きなトルクを発生させることができ、
低速領域から高速領域までの広い速度範囲で高力率、高
効率の運転ができる。
【0083】請求項5の発明によれば、ケイ素鋼板を素
材とする磁性リングをロータの空隙面に設けているの
で、高速領域で回転電機の誘起電圧の上昇をいっそう効
果的に抑制して高速領域を拡大することができ、同時に
低中速領域では大きなトルクを発生させることができ、
低速領域から高速領域までの広い速度範囲で高力率、高
効率の運転ができる。
【0084】請求項6の発明によれば、ロータの空隙面
に設ける磁性リングにFeCoV合金のものを用いてい
るが、FeCoV合金は2.3[T]の高飽和磁束密度
の磁気特性を有するため電機子に比較的大きなd軸電流
を流すことができるので、弱め界磁の大きい回転電機、
あるいは磁性リングの厚みの小さい回転電機を製作する
場合に有効に利用できる。
【0085】請求項7の発明によれば、ロータの空隙面
に設ける磁性リングに磁性ステンレス鋼材で形成したも
のを用いているが、磁性ステンレス鋼材は低飽和磁束密
度の磁気特性であり、磁束密度が1.5[T]において
比透磁率が10程度と小であるので、そのリング内を周
方向に漏れる磁束が少なく、それだけリングの径を十分
厚くして機械的な強度を大きくすることが可能となり、
高速回転時のロータの主界磁の永久磁石及び極間の永久
磁石の飛散防止用の保持リングとしても利用でき、高速
回転機を製作する場合に有効に利用できる。
【0086】請求項8の発明によれば、ロータの空隙面
に設ける磁性リングに磁性アモルファスで形成したもの
を用いているが、磁性アモルファスは低飽和磁束密度の
磁気特性であり、磁束密度が1.5[T]において比透
磁率が300程度と小であるので、そのリング内を周方
向に漏れる磁束が少なく、それだけリングの径を十分厚
くして機械的な強度を大きくすることが可能となり、高
速回転時のロータの主界磁の永久磁石及び極間の永久磁
石の飛散防止用の保持リングとしても利用でき、高速回
転機を製作する場合に有効に利用できる。
【0087】請求項9の発明によれば、ロータの空隙面
に設ける磁性リングを積層構造にしているので、渦電流
の発生を抑制することができ、特に電機子スロットが開
口スロットの場合に有効に利用することができる。
【0088】請求項10の発明によれば、ロータの空隙
面に設ける磁性リングに圧粉磁心で構成したものを用い
ているが、圧粉磁心の磁性材は高周波においても磁束密
度の低下がわずかである磁気特性を有しているので、渦
電流の発生の恐れがなく、そのために積層構造とする必
要性がなくて構造の簡素化が図れる。
【0089】請求項11の発明によれば、ロータの空隙
面に設ける磁性リングにフェライト材で構成したものを
用いているが、フェライト材の磁性材は高周波において
も磁束密度の低下がわずかである磁気特性を有している
ので、渦電流の発生の恐れがなく、そのために積層構造
とする必要性がなくて構造の簡素化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の一実施例の断面図。
【図2】上記実施例の高速領域での動作特性を示す説明
図。
【図3】上記実施例の低速・中速領域での動作特性を示
す説明図。
【図4】請求項1の発明で用いるアルニコ永久磁石と請
求項3の発明で用いるFeCrCo永久磁石の磁気特性
を示すグラフ。
【図5】請求項4及び請求項8の発明の共通する実施例
の断面図。
【図6】上記実施例の高速領域での動作特性を示す説明
図。
【図7】請求項7の発明で用いる磁性ステンレス鋼材の
磁気特性を示すグラフ。
【図8】請求項8の発明で用いる磁性アモルファスの磁
気特性を示すグラフ。
【図9】請求項10の発明で用いる圧粉磁心の磁気特性
を示すグラフ。
【図10】請求項10の発明で用いる圧粉磁心及び請求
項11の発明で用いるフェライト材の高周波磁気特性を
示すグラフ。
【図11】請求項2の発明の一実施例の分解斜視図。
【図12】従来例の断面図。
【符号の説明】
11 ステータ 12 ステータ鉄心 13 スロット 14 歯 15 コイル 16 ロータ 17 ロータ鉄心 18 主界磁の永久磁石 19 極間の永久磁石 20 磁性リング

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性材のステータ鉄心にコイルを巻付け
    て成る円筒状のステータと、 磁性材のロータ鉄心の円周表面に配置された主界磁の永
    久磁石と、 この永久磁石の極間に配置されたアルニコ永久磁石と、 前記ステータの内側に挿入されたロータとを備えて成る
    永久磁石界磁方式回転電機。
  2. 【請求項2】 前記ステータとロータとを共に円盤状と
    し、これらのステータとロータとを軸方向に空隙を明け
    て対面させてアキシャルギャップ形にしたことを特徴と
    する請求項1記載の永久磁石界磁方式回転電機。
  3. 【請求項3】 前記ロータの極間のアルニコ永久磁石に
    代えて、FeCrCo材の永久磁石を用いたことを特徴
    とする請求項1又は2記載の永久磁石界磁方式回転電
    機。
  4. 【請求項4】 前記ロータの空隙に面する側面に磁性材
    のリングを取り付けたことを特徴とする請求項1〜3い
    ずれかに記載の永久磁石界磁方式回転電機。
  5. 【請求項5】 前記磁性材のリングをケイ素鋼板で形成
    したことを特徴とする請求項4記載の永久磁石界磁方式
    回転電機。
  6. 【請求項6】 前記磁性材のリングをFeCoV合金で
    形成したことを特徴とする請求項4記載の永久磁石界磁
    方式回転電機。
  7. 【請求項7】 前記磁性材のリングを磁性ステンレス鋼
    材で形成したことを特徴とする請求項4記載の永久磁石
    界磁方式回転電機。
  8. 【請求項8】 前記磁性材のリングを磁性アモルファス
    で形成したことを特徴とする請求項4記載の永久磁石界
    磁方式回転電機。
  9. 【請求項9】 前記磁性材のリングを薄板の積層構造と
    したことを特徴とする請求項4〜8いずれかに記載の永
    久磁石界磁方式回転電機。
  10. 【請求項10】 前記磁性材のリングを金属磁性粉末と
    その絶縁及び結合を兼ねる樹脂コンパウンドとを成形し
    て得られた圧粉磁心で形成したことを特徴とする請求項
    4記載の永久磁石界磁方式回転電機。
  11. 【請求項11】 前記磁性材のリングをフェライト材で
    形成したことを特徴する請求項4記載の永久磁石界磁方
    式回転電機。
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