JP2002252939A - 永久磁石式リラクタンス型回転電機 - Google Patents

永久磁石式リラクタンス型回転電機

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JP2002252939A JP2002008911A JP2002008911A JP2002252939A JP 2002252939 A JP2002252939 A JP 2002252939A JP 2002008911 A JP2002008911 A JP 2002008911A JP 2002008911 A JP2002008911 A JP 2002008911A JP 2002252939 A JP2002252939 A JP 2002252939A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小形、高出力にして広範囲の可変速運転が可
能な永久磁石式リラクタンス型回転電機を実現する。 【解決手段】 この発明の永久磁石式リラクタンス型回
転電機は、磁極軸に沿って形成された空洞部5に配置さ
れている永久磁石6が磁極軸とほぼ直交する方向に磁化
されているので磁極間から侵入する磁束を反発させ、さ
らに永久磁石の比透磁率がほぼ1であるので永久磁石方
向の磁気抵抗を高くする働きをする。したがって電機子
コイル2の磁束は磁極間をほとんど通らずに磁極部の鉄
心を通るように分布し、この結果、空隙磁束分布に凹凸
ができ、磁気エネルギ変化により大きなリラクタンスト
ルクを発生する。また磁極間の外周に沿って形成された
第2の空洞部に配置された永久磁石の磁束が電機子コイ
ルと鎖交することによってトルクを発生する。このた
め、これらのトルクの合計により高トルクを発生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、永久磁石式リラク
タンス型回転電機に関する。
【0002】
【従来の技術】リラクタンス型回転電機は一般に図13
に示すように、電機子コイル2を有する固定子1と、突
極回転子3とで構成されるもので、回転子3に界磁を形
成するコイルが不要であり、凹凸のある鉄心4のみで構
成できる点に特徴があり、それゆえに、リラクタンス型
回転電機は簡素な構造にして安価に製造できる利点があ
る。
【0003】このリラクタンス型回転電機の出力の発生
原理について説明する。回転子3に凹凸があることによ
り、凸部で磁気抵抗が小となり、凹部で磁気抵抗が大と
なる。すなわち、凸部と凹部上の空隙部分で電機子コイ
ル2に電流を流すことにより蓄えられる磁気エネルギが
異なる。この磁気エネルギの変化によって出力が発生す
る。また凸部と凹部は物理幾何学的だけでなく、磁気的
にも凹凸を形成できる(磁気抵抗、磁束密度分布が回転
子3の位置により異なる)形状であればよい。
【0004】他の高性能な回転電機として、永久磁石回
転電機がある。この場合、電機子はリラクタンス型回転
電機と同様であるが、回転子は鉄心と回転子のほぼ全周
にわたり永久磁石が配置されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の回転
電機では、次のような問題点があった。図13に示した
ようなリラクタンス型回転電機は、回転子鉄心4の表面
の凹凸により回転位置に依存して磁気抵抗が異なる。こ
の変化により磁気エネルギが変化して出力が得られる。
しかしながら、電流が増加するのに伴って鉄心の凸部分
において局部的な磁気飽和が拡大する。これにより、磁
極間となる歯の凹の部分に漏れる磁束が増加して有効な
磁束は減少し、出力は低下してしまい、高出力が得られ
なかった。
【0006】一方、他の方式の高出力の回転電機として
高磁気エネルギ積の希土類永久磁石を適用した永久磁石
回転電機では、回転子鉄心の表面に永久磁石を配置して
いるので界磁に高磁気エネルギ積の永久磁石を適用する
ことにより、高磁界を電動機のエアギャップに形成でき
て小形、高出力が可能となる。しかしながら、永久磁石
の磁束は一定であるので、高速回転時に電機子コイルに
誘導される電圧は回転速度に比例して大きくなる。この
ため、高速回転までの広範囲の可変速運転を行おうとし
ても、界磁磁束を減らすことができないため、電源電圧
を一定とする基底速度の2倍以上の定出力運転は困難で
あった。
【0007】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたもので、小形、高出力にして広範囲の可変速運
転が可能な永久磁石式リラクタンス型回転電機を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、電機
子コイルを有する固定子と、円筒形の回転子鉄心の内部
の所定箇所に永久磁石を挿入した回転子とから成る永久
磁石式リラクタンス型回転電機であって、前記回転子
は、電機子磁束を容易に通過させ、磁気的に凸となる偶
数の磁極部と電機子磁束を容易に通過させない磁気的に
凹となる偶数の磁極間とを回転子回転方向に交互にかつ
等幅に備え、前記磁極部それぞれは、それぞれの位置に
存在する前記回転子鉄心のみによって形成し、前記磁極
間それぞれは、その両側に位置し、隣接する磁極部それ
ぞれの磁極軸に沿った方向に細長く形成された長方形状
の第1の空洞部と、回転子の外周近くに位置し、回転子
回転方向に細長く形成された長方形状の第2の空洞部と
を有し、前記第1の空洞部それぞれに、隣接する磁極部
の磁極軸に直交する方向に磁化され、当該磁極間から隣
接する磁極部に侵入する電機子磁束を反発する第1の永
久磁石を挿入し、前記第2の空洞部に回転子の径方向に
磁化され、電機子磁束を反発する第2の永久磁石を挿入
し、回転子回転方向の1つおきの磁極間それぞれにおい
て、前記第1の永久磁石それぞれはN極同士を向かい合
わせ、かつ前記第2の永久磁石はS極を回転子中心側に
向かせ、前記回転子回転方向の残りの1つおきの磁極間
それぞれにおいて、前記第1の永久磁石それぞれはS極
同士を向かい合わせ、かつ前記第2の永久磁石はN極を
回転子中心側に向かせることによって磁極間それぞれに
配置された各永久磁石の磁束が互いに加え合せとなる方
向にしたものである。
【0009】請求項1の発明の永久磁石式リラクタンス
型回転電機では、その両側にそれら各々と隣接する磁極
部の磁極軸に沿って長方形状の第1の空洞部を形成し、
またその外周部近くに回転方向に沿って長方形状の第2
の空洞部を形成し、第1の空洞部、第2の空洞部それぞ
れに永久磁石を配置し、磁極軸に沿って形成された第1
の空洞部内の第1の永久磁石を磁極軸とほぼ直交する方
向に磁化されたものとしているので、磁極間から磁極部
に侵入する磁束を第1の永久磁石によって反発させ、さ
らに永久磁石の比透磁率がほぼ1であるので永久磁石方
向の磁気抵抗を高くする働きをして、電機子コイルの磁
束を磁極間はほとんど通らずに磁極部の回転子鉄心を通
るように分布させる。また磁極間の外周に沿って形成さ
れた第2の空洞部内の第2の永久磁石も電機子コイルの
磁束の侵入に反発し、磁極間への電機子コイルの磁束の
侵入を阻止し、その大部分が回転子鉄心のみで構成され
る磁極部を主に通過するようにいっそう助長し、この結
果、空隙磁束分布に磁気的に大きな凹凸を生じさせ、磁
気エネルギ変化により大きなリラクタンストルクを発生
する。また、磁極間の外周近くに位置する第2の永久磁
石の磁束が電機子コイルと鎖交することによってトルク
を発生することができ、これらのトルクの合計により高
トルクを発生することができる。
【0010】他方、磁極軸に沿って形成された第1の空
洞部に配置された永久磁石の磁束は回転子鉄心内で主に
分布するため、電機子コイルと鎖交する磁束は回転子外
周の第2の空洞部に配置された永久磁石による磁束がほ
とんど支配的である。したがって、本発明の永久磁石式
リラクタンス型回転電機では、磁極間の外周のみに永久
磁石があることから従来の永久磁石回転電機よりも永久
磁石の表面積が狭くなり、永久磁石による鎖交磁束量も
少なくなっている。そして外周部の永久磁石による鎖交
磁束に、電機子電流(リラクタンスモータの励磁電流成
分とトルク電流成分)による鎖交磁束が加わって端子電
圧を誘導する。そこで、この励磁電流成分を調整するこ
とによって端子電圧を幅広く調整することができ、定電
圧電源で広範囲の可変速運転が可能となる。
【0011】請求項2の発明は、請求項1の永久磁石式
リラクタンス型回転電機において、前記第2の空洞部が
前記磁極間それぞれに複数個形成されたものであり、第
2の空洞部に配置される永久磁石も複数個に分割された
ものとなるので、磁極軸に沿った第1の空洞部に配置さ
れた永久磁石とほぼ同寸法の永久磁石を第2の空洞部に
配置することができ、製造性が向上する。また、磁極外
周辺部の鉄心を漏れる磁束量を複数個の外周部の永久磁
石の配置によって調整することができる。
【0012】請求項3の発明は、請求項1又は2の永久
磁石式リラクタンス型回転電機において、前記磁極間そ
れぞれにおける前記第1の空洞部それぞれの回転子中心
側の端部同士を結ぶ線上の位置に、回転子回転方向に細
長い長方形状の第3の空洞部が形成されていることを特
徴とするものである。
【0013】請求項4の発明は、請求項1又は2の永久
磁石式リラクタンス型回転電機において、前記磁極間そ
れぞれにおける前記第1の空洞部それぞれの回転子中心
側の端部同士を結ぶ線上の位置に、円形状の第3の空洞
部が形成されていることを特徴とするものである。
【0014】請求項3及び4の発明の永久磁石式リラク
タンス型回転電機では、磁極軸に沿った第1の空洞部に
配置されている永久磁石はほぼ磁極軸と直交する方向に
磁化されているので磁極間から侵入する磁束を反発さ
せ、さらに永久磁石の比透磁率がほぼ1であるので永久
磁石方向の磁気抵抗を高くする作用をする。さらに、回
転子鉄心の内周側にも第3の空洞部が形成されることに
よって、磁極間を中心軸とした磁束分布の磁路の磁気抵
抗がさらに高くなる。したがって、電機子コイルの磁束
は磁極間をほとんど通らずに磁極部の鉄心を通る分布と
なる。この結果、空隙磁束分布に凹凸ができるので、磁
気エネルギ変化により大きなリラクタンストルクを発生
する。また磁極間の周方向の第2の空洞部の永久磁石の
磁束は電機子コイルと鎖交することによりトルクを生じ
る。したがって、これらのトルクの合計により高トルク
を発生することができる。
【0015】請求項5の発明は、請求項3又は4の永久
磁石式リラクタンス型回転電機において、前記第3の空
洞部に永久磁石が配置され、当該永久磁石が前記磁極間
にある永久磁石と磁束が加え合せになる方向に磁化され
たものであるので、内周側の第3の空洞部の永久磁石に
よる磁束が加わるために永久磁石によって生じる磁束が
大きくなり、コイルと鎖交する磁束が増加するのでフレ
ミングの左手の法則によるトルクが増加し、高トルクを
発生することができる。
【0016】請求項6の発明は、請求項3又は4の永久
磁石式リラクタンス型回転電機において、前記第3の空
洞部に導電性材が配置されたことを特徴とするものであ
り、導電性材により生じる渦電流によって回転電機の自
己起動が可能となり、また高調波磁界による影響を導電
性材に生じる渦電流によって抑制できる。請求項7の発
明は、請求項1〜6の永久磁石式リラクタンス型回転電
機において、前記回転子鉄心は、電磁鋼板を積層したも
のを用いたことを特徴とするものであり、第1と第2の
空洞部、そして第3の空洞部がある場合には第3の空洞
部を形成する穴を型抜きで加工した電磁鋼板を積層する
という製造方法を採用することができて製造性が向上
し、また高調波磁界で鉄心表面に生じる渦電流をを減少
させることができる。
【0017】請求項8の発明は、請求項1〜7の永久磁
石式リラクタンス型回転電機において、前記回転子鉄心
の軸方向端部に磁性エンドリングが配置されたことを特
徴とするものである。
【0018】請求項9の発明は、請求項8の永久磁石式
リラクタンス型回転電機において、前記回転子鉄心の軸
方向端面と前記磁性エンドリングとの間に空隙が形成さ
れていることを特徴とするものである。
【0019】請求項8及び9の発明の永久磁石式リラク
タンス型回転電機では、電機子電流により、回転子外周
部の第2の空洞部に配置された永久磁石の磁化方向と逆
方向の電機子反作用磁界を与えたとき、この永久磁石の
磁束の一部は軸方向を通り、磁性エンドリングを通って
回転子で閉じた磁路を形成する。すなわち、効果的に漏
れ磁束を生じさせることができ、電機子コイルとの鎖交
磁束量を調整できるので端子電圧を電機子電流により容
易に調整できる。そしてこの場合に、回転子鉄心の端面
と磁性エンドリングとの空隙長の調整によって漏れ磁束
と有効磁束との割合を調整することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて詳説する。図1は本発明の第1の実施の形態の
永久磁石式リラクタンス型回転電機の回転子の径方向断
面を示している。この第1の実施の形態の永久磁石式リ
ラクタンス型回転電機は、4極の電機子コイル2を備え
た固定子1と、円筒形の回転子鉄心4で成る回転子3と
から構成される。
【0021】本発明の特徴部分となる回転子3の構造は
次の通りである。回転子鉄心4は、円筒形状の軟鋼S4
5C、または積層した円形状の珪素鋼板などの磁性材で
構成されている。回転子鉄心4の各磁極軸に沿った方向
には、磁極幅の間隔をあけて長方形状の空洞部5が形成
されている。この実施の形態で4極電機子コイル2は4
つの磁極が十字状に配置されているので、空洞部5は各
磁極を両側から挟み込む位置に形成されることになる。
さらに各磁極間の回転子鉄心4の外周に沿って長方形状
の空洞部7が形成されている。これらの空洞部5,7に
はNdFeB系の永久磁石6,8が挿入され、接着剤で
固定されている。
【0022】これらの永久磁石6,8のうち、磁極軸に
沿って配置される永久磁石6は磁極軸と直交する方向に
磁化されており、磁極間外周に配置される永久磁石8は
径方向に磁化されている。これらの磁化方向は、磁極間
において、磁極軸に永久磁石6と回転子外周部の永久磁
石8が発生する磁束が互いに加え合せとなる方向であ
る。
【0023】この第1の実施の形態の永久磁石式リラク
タンス型回転電機は、次のように動作する。
【0024】<高トルク発生のメカニズム>図2は磁極
軸に沿った方向の電機子の磁束を示している。磁極部の
回転子鉄心4を磁路とするために、この方向の磁路では
磁気抵抗がきわめて小であり、磁束が流れやすい磁気的
構成となっている。図3は磁極間の軸に沿った方向の電
機子の磁束を示している。磁極軸に沿って形成された空
洞部5に配置されている永久磁石6は、ほぼ磁極軸と直
交する方向に磁化されているので、磁極間から侵入する
磁束を反発する。磁極軸に沿った空洞部5にある永久磁
石6は鉄心内周側で磁気的に短絡されているので、電機
子磁束を反発する効果は大である。さらに、永久磁石の
比透磁率がほぼ1であるので、このような永久磁石6を
通過する磁路では磁気抵抗を高くする作用がある。した
がって、電機子コイル2の磁束は磁極間をほとんど通ら
ずに磁極部の鉄心を通るような分布となる。また磁極間
の外周に配置された永久磁石8にも同様に電機子磁束の
反発と高磁気抵抗にする作用がある。
【0025】この結果、空隙磁束分布に凹凸ができるの
で磁気エネルギ変化により大きなリラクタンストルクを
発生する。これに加えて、磁極間の外周に配置された永
久磁石8においては、永久磁石の磁束が電機子コイル2
と鎖交することによりトルクを生じ、これらのトルクの
合計により高トルクを発生することができるようにな
る。
【0026】<広範囲の可変速運転が得られる端子電圧
の調整幅>磁極軸に沿った永久磁石6の磁束は回転子鉄
心4内で主に分布するため、電機子コイル2と鎖交する
磁束は、回転子鉄心4の外周の永久磁石8による磁束が
ほとんど支配的である。したがって、本発明の永久磁石
式リラクタンス型回転電機では、磁極間の外周のみに永
久磁石8があることから、従来の永久磁石回転電機より
も永久磁石の表面積が狭くなり、永久磁石による鎖交磁
束量も少なくなっている。磁極間の外周の永久磁石8に
よる鎖交磁束に、電機子電流(リラクタンスモータの励
磁電流成分とトルク電流成分)による鎖交磁束が加わっ
て端子電圧を誘導する。そこで、この励磁電流成分を調
整することによって端子電圧を幅広く調整することがで
きる。すなわち、定電圧電源で広範囲の可変速運転が可
能となるのである。
【0027】なお、ここで永久磁石の素材として、磁極
軸に沿って磁極間を通る磁束を反発する作用の永久磁石
6には低磁気エネルギ積のフェライト磁石を使用し、電
機子コイル2と鎖交してトルクを発生する作用をする回
転子鉄心4の外周部の永久磁石8には高磁気エネルギ積
の希土類永久磁石、例えば、NdFeB磁石を使用する
ことによって高トルクを効果的に得ることができる。ま
た磁極軸に沿って磁極間を通る磁束を反発する作用をす
る永久磁石6にはフェライト磁石を使用すれば、磁極軸
に沿った永久磁石6は内周側の鉄心部を磁路として磁気
的に短絡になるので、磁気エネルギ積の小さなフェライ
ト磁石でも大きな磁界を形成することができ、十分なリ
ラクタンストルクが得られる。
【0028】またこの磁極軸に沿った永久磁石6にはフ
ェライト磁石に代えて、ボンド磁石を使用することもで
きる。このボンド磁石は低磁気エネルギ積であるが、磁
極間を通る電機子磁束を十分に反発することができ、フ
ェライト磁石の場合と同様の作用効果を得ることができ
る。同時に、ボンド磁石の場合に磁石粉を樹脂で固めて
製作するので、形状の自由度があり、かつ鉄心4に射出
成形等で一体に成形でき、製造が容易となる。
【0029】次に、本発明の第2の実施の形態の永久磁
石式リラクタンス型回転電機を、図4に基づいて説明す
る。第2の実施の形態の永久磁石式リラクタンス型回転
電機は、回転子鉄心4の外周部に形成する空洞部7を複
数の小空洞部7a,7bに分割し、これらの分割された
小空洞部7a,7bそれぞれに永久磁石8a,8bを挿
入して接着固定した構造に特徴がある。永久磁石8a,
8bはいずれも磁極軸に沿った方向に配置された永久磁
石6と同一の寸法である。
【0030】この第2の実施の形態の永久磁石式リラク
タンス型回転電機では、回転子鉄心4の外周部の空洞部
7を小空洞部7a,7bに分割し、それぞれに永久磁石
8a,8bを配置するようにしたので、これらの永久磁
石8a,8bとして小形のものを使用することができ、
これに磁極軸に沿った方向に配置された永久磁石6と同
一のものを使用することにより、部品種を削減すること
ができ、製造性が向上する。また永久磁石8a,8bの
外周から回転子鉄心4の外周までの距離となる鉄心外周
部の厚みは、小空洞部7a,7bのなす角度、そしてそ
こに配置される2個の永久磁石8a,8bのなす角度を
変えることによって調整することができ、これによって
外周鉄心の径方向の厚みを調整することにより、鉄心の
磁極間の外周辺部を漏れる磁束量が調整できる。
【0031】次に、本発明の第3の実施の形態の永久磁
石式リラクタンス型回転電機を、図5に基づいて説明す
る。第3の実施の形態の永久磁石式リラクタンス型回転
電機は、図1に示した第1の実施の形態と同様、4極の
電機子コイル2を備えた固定子1と、回転子3から成
る。そして、本発明の特徴部分となる回転子3の構造
は、図5に示したものである。すなわち、回転子鉄心4
は、円筒形状の軟鋼S45C、または積層した円形状の
珪素鋼板などの磁性材で構成されている。回転子鉄心4
の各磁極軸に沿った方向には、磁極幅の間隔をあけて長
方形状の空洞部5が形成されている。この実施の形態で
4極電機子コイル2は4つの磁極が十字状に配置されて
いるので、空洞部5は各磁極を両側から挟み込む位置に
形成されることになる。また各磁極間の回転子鉄心4の
外周に沿って長方形状の空洞部7が形成されている。さ
らに、磁極軸に沿った方向の2つの空洞部5,5を磁極
間の内周側でつなぐように長方形状の空洞部9が回転子
鉄心4に形成されていて、これらの4つの空洞部5,
7,9が取り囲む領域は近似的に四角形になるような位
置関係になっている。
【0032】そしてこれらの空洞部5,7,9のうち、
内周側の空洞部9を除いた空洞部5,7にはNdFeB
系の永久磁石6,8が挿入され、接着剤で固定されてい
る。これらの永久磁石6,8のうち、磁極軸に沿って配
置される永久磁石6は磁極軸と直交する方向に磁化され
ており、磁極間外周に配置される永久磁石8は径方向に
磁化されている。これらの磁化方向は、磁極間におい
て、磁極軸に永久磁石6と回転子外周部の永久磁石8が
発生する磁束が互いに加え合せとなる方向である。
【0033】この第3の実施の形態の永久磁石式リラク
タンス型回転電機の動作を説明する。図2に示した第1
の実施の形態の場合と同様に、この方向の磁路では、第
3の実施の形態の永久磁石式リラクタンス型回転電機で
も磁極の鉄心が磁路となるので磁気抵抗はきわめて小さ
く、電機子の磁束が流れやすい磁気的構造となってい
る。
【0034】また図3に示した第1の実施の形態の場合
と同様に、磁極間の軸に沿った方向の磁路では、磁極軸
に沿った空洞部5にある永久磁石6はほぼ磁極軸と直交
する方向に磁化されているので、磁極間から侵入する磁
束を反発する。さらに永久磁石の比透磁率がほぼ1であ
るので、このような永久磁石6を通過する磁路では磁気
抵抗を高くする作用がある。さらに、磁極間の内周側に
も第3の空洞部9を形成したことによって、磁極間中央
部の磁気抵抗も大となる。すなわち、電機子コイル2の
磁束は磁極間をほとんど通らずに磁極部の鉄心を通るよ
うに分布する。また磁極間の外周に配置された永久磁石
8にも同様に電機子磁束の反発と高磁気抵抗にする作用
がある。
【0035】この結果、空隙磁束分布に凹凸ができるの
で磁気エネルギ変化により大きなリラクタンストルクを
発生する。これに加えて、磁極間の外周に配置された永
久磁石8においては、永久磁石の磁束が電機子コイル2
と鎖交することによりトルクを生じ、これらのトルクの
合計により高トルクを発生することができるようにな
る。
【0036】なお、第3の実施の形態では磁極間の内周
側に第3の空洞部9として長方形状のものを形成し、3
種類の空洞部5,7,9によって近似的に四角形領域を
囲繞する配置にしたが、これに限らず、図6に示すよう
に、磁極軸に沿った方向の2つの空洞部5,5を磁極間
の内周側でつなぐように円形状の空洞部10を回転子鉄
心4に形成し、これらの3種類の空洞部5,7,10に
よって近似的に三角形領域を囲繞する配置とすることも
できる。
【0037】このような構造は、特に、小径の回転子、
また径に対して極数が多い場合、磁極軸に沿った空洞部
5の内周側の距離が狭くなるので、円形の空洞部10を
形成することにより強度的に強くすることができる。そ
して磁気的特性は図5に示した第3の実施の形態と同様
の特性が得られる。
【0038】次に、本発明の第4の実施の形態の永久磁
石式リラクタンス型回転電機を、図7に基づいて説明す
る。第4の実施の形態の永久磁石式リラクタンス型回転
電機は、図5に示した第3の実施の形態において、さら
に第3の空洞部9に対しても永久磁石11を配置したこ
とを特徴としている。
【0039】これらの空洞部5,7,9それぞれに配置
されている永久磁石6,8,11はすべてNdFeB系
の永久磁石であり、空洞部に挿入して接着剤で固定して
いる。そして磁化の方向は、磁極軸に沿った永久磁石6
は磁極軸と直交する方向に磁化されており、磁極間の外
周に配置された永久磁石8と内周側に配置された永久磁
石11とは径方向に磁化されている。これらの永久磁石
の磁化方向は、各永久磁石6,8,11が発生する磁束
が互いに加え合せとなる方向である。
【0040】この第4の実施の形態の永久磁石式リラク
タンス型回転電機では、図5に示した第3の実施の形態
と同様に、空隙磁束分布に凹凸ができて磁気エネルギ変
化により大きなリラクタンストルクを発生し、また磁極
間の外周に配置された永久磁石8においては、永久磁石
の磁束が電機子コイル2と鎖交することによりトルクを
生じ、これらのトルクの合計により高トルクを発生する
ことができる。そしてこの作用効果に加えて、回転子鉄
心4の磁極間内周側の空洞部9に永久磁石を配置した構
造により、内周側の永久磁石11による磁束が加えられ
るために永久磁石による磁束が大きくなり、コイルと鎖
交する磁束が増加するのでフレミングの左手の法則によ
るトルクが増加する。
【0041】なお、図4に示した第2の実施の形態〜図
7に示した第4の実施の形態において、永久磁石の材料
として第1の実施の形態と同様に希土類磁石とフェライ
ト磁石、あるいは希土類磁石とボンド磁石を用いること
ができ、これによって高トルクを効果的に得ることがで
きるようになる。
【0042】次に、本発明の第5の実施の形態の永久磁
石式リラクタンス型回転電機を、図8に基づいて説明す
る。図8に示す第5の実施の形態の永久磁石式リラクタ
ンス型回転電機は、図5に示した第3の実施の形態、図
7に示した第4の実施の形態と同様の空洞部5,7,9
の配置にして、磁極間の外周部の空洞部7のみに永久磁
石8を配置し、他の位置の空洞部7,9には永久磁石を
配置しない構成にしている。
【0043】この第5の実施の形態の場合、磁極軸に沿
った空洞部5には永久磁石を配置していないために永久
磁石の反発作用がなくなり、磁極間を通る電機子コイル
2の磁束の低減は空洞部5の高磁気抵抗による作用のみ
となる。これによってトルクは減少するが、磁極軸に沿
った永久磁石6が不要となるので構造が簡素になり、そ
れだけ製造が容易となる。
【0044】なお、図8では内周側の第3の空洞部9も
形成された回転子鉄心4において、磁極間の外周部の空
洞部7のみに永久磁石8を配置した構造を示したが、こ
れに限定されず、この第3の空洞部9が形成されていな
い図1に示した第1の実施の形態のような構造の回転子
鉄心4に対しても、同様にその磁極間の外周部の空洞部
7のみに永久磁石8を配置する構造とすることができ、
また、図6に示した構造の回転子鉄心4に対しても、同
様の構造とすることができる。
【0045】また空洞部5,7,9(又は10)のう
ち、永久磁石が配置されていないもの、この実施の形態
では空洞部5,9(又は10)に対しては非磁性材を充
填しておくことにより、空洞部が中実となって強度補強
ができる。また永久磁石の配置されていない空洞部5,
9(又は10)に導電性の非磁性材を充填しておくこと
により、導電物に生じる渦電流によって回転電機の自己
始動が可能となり、また高調波磁界による影響を導電物
に生じる渦電流によって抑制することもできるようにな
る。
【0046】次に、本発明の第6の実施の形態の永久磁
石式リラクタンス型回転電機を、図9に基づいて説明す
る。第6の実施の形態の特徴の永久磁石式リラクタンス
型回転電機は、図5に示した第3の実施の形態、図7に
示した第4の実施の形態と同様の空洞部5,7,9の配
置にして、磁極軸に沿った空洞部5のみに永久磁石6を
配置し、他の位置の空洞部7,9には永久磁石を配置し
ない構成にしている。
【0047】この第6の実施の形態の場合、永久磁石の
磁束が電機子コイル2と鎖交して生じるトルクがほとん
どなくなるので、リラクタンストルクが主となる。この
結果、トルクは減少するが、回転子鉄心4の外周の永久
磁石8が不要となって構造が簡素になり、それだけ製造
が容易となる。
【0048】なお、図9では内周側の第3の空洞部9も
形成された回転子鉄心4において、磁極軸に沿った空洞
部5のみに永久磁石6を配置した構造を示したが、これ
に限定されず、この第3の空洞部9が形成されていない
図1に示した第1の実施の形態のような構造の回転子鉄
心4に対しても、同様にその磁極軸に沿った空洞部5の
みに永久磁石6を配置する構造とすることができ、ま
た、図6に示した構造の回転子鉄心4に対しても、同様
の構造とすることができる。
【0049】またこの第6の実施の形態にあっても、空
洞部5,7,9(又は10)のうち、永久磁石が配置さ
れていない空洞部7,9(又は10)に対しては非磁性
材を充填しておくことにより、空洞部が中実となって強
度補強ができる。また永久磁石の配置されていない空洞
部7,9(又は10)に導電性の非磁性材を充填してお
くことにより、導電物に生じる渦電流によって回転電機
の自己始動が可能となり、また高調波磁界による影響を
導電物に生じる渦電流によって抑制することもできるよ
うになる。
【0050】次に、本発明の第7の実施の形態を図10
に基づいて説明する。第7の実施の形態の永久磁石式リ
ラクタンス型回転電機は、図1に示した第1の実施の形
態における回転子3の回転子鉄心4を、図10に示すよ
うに珪素鋼板を積層した構造に特徴がある。この実施の
形態の永久磁石式リラクタンス型回転電機の場合、回転
子3の空洞部5,7を形成するために各鋼板の該当個所
に穴を型抜き加工しておき、それを積層する。これによ
って、空洞部5,7をくり抜き加工せずとも容易に形成
することができ、製造性が向上する。また積層構造にす
れば、積層方向の電気抵抗が高くなるので、高調波磁界
で鉄心表面に生じる渦電流を減少させることもできる。
【0051】なお、このような積層構造は、図4〜図9
に示した各実施の形態それぞれの回転子鉄心4に対して
も、空洞部5,7,9(又は10)それぞれに対応する
位置に穴を型抜き加工した鋼板を積層した構造とするこ
とによって、等しく適用することができる。
【0052】次に、本発明の第8の実施の形態の永久磁
石式リラクタンス型回転電機を、図11に基づいて説明
する。第8の実施の形態の永久磁石式リラクタンス型回
転電機は、図1に示した第1の実施の形態の永久磁石式
リラクタンス型回転電機に対して、回転子鉄心4の軸方
向両端部に磁性エンドリング12を配置した構造を特徴
とする。
【0053】この第8の実施の形態の永久磁石式リラク
タンス型回転電機では、電機子コイル2の電流により回
転子鉄心4の外周面の永久磁石8の磁化方向とは逆方向
の電機子反作用磁界を与えたとき、図11に示すよう
に、永久磁石8の磁束の一部は回転軸方向を通り、磁性
エンドリング12を通って再び回転子鉄心4に戻る閉じ
た磁路13を構成する。すなわち、効果的に漏れ磁束を
生じさせることができて、電機子コイル2との鎖交磁束
量を調整することができ、端子電圧を電機子電流によっ
て容易に調整できるようになる。
【0054】なお、磁性エンドリング12は図1に示し
た第1の実施の形態の永久磁石式リラクタンス型回転電
機にしか使用できないというわけではなく、図4の第2
の実施の形態〜図10の第7の実施の形態のいずれの回
転電機に対して同様に適用することができるものであ
る。
【0055】次に、本発明の第9の実施の形態の永久磁
石式リラクタンス型回転電機を、図12に基づいて説明
する。第9の実施の形態の永久磁石式リラクタンス型回
転電機は、図1に示した第1の実施の形態の永久磁石式
リラクタンス型回転電機に対して、回転子鉄心4の軸方
向両端部に磁性エンドリング12を空隙14をあけて配
置した構造を特徴とする。
【0056】この第9の実施の形態の永久磁石式リラク
タンス型回転電機では、図11に示した第8の実施の形
態と同様に、電機子コイル2の電流により回転子鉄心4
の外周面の永久磁石8の磁化方向とは逆方向の電機子反
作用磁界を与えたとき、図12に示すように、永久磁石
8の磁束の一部は回転軸方向を通り、磁性エンドリング
12を通って再び回転子鉄心4に戻る閉じた磁路13を
構成し、効果的に漏れ磁束を生じさせることができて、
電機子コイル2との鎖交磁束量を調整することができ、
端子電圧を電機子電流によって容易に調整できる。さら
に、漏れ磁束と有効磁束との割合を回転子鉄心4とエン
ドリング12との間の空隙14の長さによって調整する
ことができる。
【0057】なお、この第9の実施の形態でも、磁性エ
ンドリング12は図1に示した第1の実施の形態の永久
磁石式リラクタンス型回転電機にしか使用できないとい
うわけではなく、図4の第2の実施の形態〜図10の第
7の実施の形態のいずれの回転電機に対して同様に適用
することができるものである。
【0058】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
磁極間それぞれにおいて、その両側にそれら各々と隣接
する磁極部の磁極軸に沿って長方形状の第1の空洞部を
形成し、またその外周部近くに回転方向に沿って長方形
状の第2の空洞部を形成し、第1の空洞部、第2の空洞
部それぞれに永久磁石を配置し、磁極軸に沿って形成さ
れた第1の空洞部内の第1の永久磁石を磁極軸とほぼ直
交する方向に磁化されたものとしているので、磁極間か
ら磁極部に侵入する磁束を第1の永久磁石によって反発
させ、さらに永久磁石の比透磁率がほぼ1であるので永
久磁石方向の磁気抵抗を高くする働きをして、電機子コ
イルの磁束を磁極間はほとんど通らずに磁極部の回転子
鉄心を通るように分布させることができ、また磁極間の
外周に沿って形成された第2の空洞部内の第2の永久磁
石も電機子コイルの磁束の侵入に反発し、磁極間への電
機子コイルの磁束の侵入を阻止し、その大部分が回転子
鉄心のみで構成される磁極部を主に通過するようにいっ
そう助長することができ、この結果、空隙磁束分布に磁
気的に大きな凹凸を生じさせることができ、磁気エネル
ギ変化により大きなリラクタンストルクを発生すること
ができる。また、磁極間の外周近くに位置する第2の永
久磁石の磁束が電機子コイルと鎖交することによってト
ルクを発生することができ、これらのトルクの合計によ
り高トルクを発生することができる。
【0059】また、請求項1の発明によれば、磁極軸に
沿って形成された第1の空洞部に配置された永久磁石の
磁束は回転子鉄心内で主に分布するため、電機子コイル
と鎖交する磁束は回転子外周の第2の空洞部に配置され
た永久磁石による磁束がほとんど支配的になり、したが
って、磁極間の外周のみに永久磁石があることから従来
の永久磁石回転電機よりも永久磁石の表面積が狭くな
り、永久磁石による鎖交磁束量も少なくなるが、外周部
の第2の永久磁石による鎖交磁束に、電機子電流(リラ
クタンスモータの励磁電流成分とトルク電流成分)によ
る鎖交磁束が加わって端子電圧を誘導するので、この励
磁電流成分を調整することによって端子電圧を幅広く調
整することができ、定電圧電源で広範囲の可変速運転が
可能である。
【0060】請求項2の発明によれば、磁極軸に沿った
第1の空洞部に配置された永久磁石とほぼ同寸法の永久
磁石を第2の空洞部に配置することができ、製造性が向
上する。また、磁極外周辺部の鉄心を漏れる磁束量を複
数個の外周部の永久磁石の配置によって調整することが
できる。
【0061】請求項3及び請求項4の発明によれば、回
転子鉄心の内周側に第3の空洞部を形成することによっ
て、磁極間を中心軸とした磁束分布の磁路の磁気抵抗を
いっそう高くして、電機子コイルの磁束が磁極間をほと
んど通らずに磁極部の鉄心を通る分布にし、この結果と
して、回転子の空隙磁束分布に大きな凹凸を生じさせて
大きなリラクタンストルクを発生することができ、また
磁極間の周方向の第2の空洞部の永久磁石の磁束は電機
子コイルと鎖交することによりトルクを発生することが
でき、これらのトルクの合計により高トルクを発生する
ことができる。
【0062】請求項5の発明によれば、永久磁石の配置
されていない第3の空洞部に非磁性材を配置することに
より、磁気特性を損なわずに、強度的に強くすることが
できる。
【0063】請求項6の発明によれば、永久磁石の配置
されていない第3の空洞部に導電性材を配置することに
より、導電性材に生じる渦電流によって回転電機の自己
起動が可能となり、また高調波磁界による影響を導電性
材に生じる渦電流によって抑制できる。
【0064】請求項7の発明によれば、回転子鉄心を電
磁鋼板を積層した構造としたので、第1と第2の空洞
部、そして第3の空洞部がある場合には第3の空洞部を
形成する穴を型抜きで加工した電磁鋼板を積層するとい
う製造方法を採用することができて製造性が向上し、ま
た高調波磁界で鉄心表面に生じる渦電流をを減少させる
ことができる。
【0065】請求項8及び9の発明によれば、電機子電
流により、回転子外周部の第2の空洞部に配置された永
久磁石の磁化方向と逆方向の電機子反作用磁界を与えた
とき、この永久磁石の磁束の一部は軸方向を通り、磁性
エンドリングを通って回転子で閉じた磁路を形成するの
で、効果的に漏れ磁束を生じさせることができ、電機子
コイルとの鎖交磁束量を調整できるので端子電圧を電機
子電流により容易に調整できる。また、回転子鉄心の端
面と磁性エンドリングとの空隙長の調整によって漏れ磁
束と有効磁束との割合を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の径方向の断面図。
【図2】上記の第1の実施の形態における電機子電流の
磁極軸方向成分の磁束の流れを示した径方向の断面図。
【図3】上記の第1の実施の形態における電機子電流の
磁極間の軸方向成分の磁束の流れを示した径方向の断面
図。
【図4】本発明の第2の実施の形態の回転子の径方向の
断面図。
【図5】本発明の第3の実施の形態の回転子の径方向の
断面図。
【図6】上記の第3の実施の形態の変形例の回転子の径
方向の断面図。
【図7】本発明の第4の実施の形態の回転子の径方向の
断面図。
【図8】本発明の第5の実施の形態の回転子の径方向の
断面図。
【図9】本発明の第6の実施の形態の回転子の径方向の
断面図。
【図10】本発明の第7の実施の形態の回転子の軸方向
の断面図。
【図11】本発明の第8の実施の形態の軸方向の断面
図。
【図12】本発明の第9の実施の形態の軸方向の断面
図。
【図13】従来例の径方向の断面図。
【符号の説明】
1 固定子 2 電機子コイル 3 回転子 4 回転子鉄心 5 空洞部 6 永久磁石 7 空洞部 7a,7b 小空洞部 8 永久磁石 8a,8b 永久磁石 9 空洞部 10 空洞部 11 永久磁石 12 磁性エンドリング 13 磁路 14 空隙

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電機子コイルを有する固定子と、円筒形
    の回転子鉄心の内部の所定箇所に永久磁石を挿入した回
    転子とから成る永久磁石式リラクタンス型回転電機であ
    って、 前記回転子は、電機子磁束を容易に通過させ、磁気的に
    凸となる偶数の磁極部と電機子磁束を容易に通過させな
    い磁気的に凹となる偶数の磁極間とを回転子回転方向に
    交互にかつ等幅に備え、 前記磁極部それぞれは、それぞれの位置に存在する前記
    回転子鉄心のみによって形成し、 前記磁極間それぞれは、その両側に位置し、隣接する磁
    極部それぞれの磁極軸に沿った方向に細長く形成された
    長方形状の第1の空洞部と、回転子の外周近くに位置
    し、回転子回転方向に細長く形成された長方形状の第2
    の空洞部とを有し、 前記第1の空洞部それぞれに、隣接する磁極部の磁極軸
    に直交する方向に磁化され、当該磁極間から隣接する磁
    極部に侵入する電機子磁束を反発する第1の永久磁石を
    挿入し、前記第2の空洞部に回転子の径方向に磁化さ
    れ、電機子磁束を反発する第2の永久磁石を挿入し、 回転子回転方向の1つおきの磁極間それぞれにおいて、
    前記第1の永久磁石それぞれはN極同士を向かい合わ
    せ、かつ前記第2の永久磁石はS極を回転子中心側に向
    かせ、前記回転子回転方向の残りの1つおきの磁極間そ
    れぞれにおいて、前記第1の永久磁石それぞれはS極同
    士を向かい合わせ、かつ前記第2の永久磁石はN極を回
    転子中心側に向かせることによって磁極間それぞれに配
    置された各永久磁石の磁束が互いに加え合せとなる方向
    にしたことを特徴とする永久磁石式リラクタンス型回転
    電機。
  2. 【請求項2】 前記第2の空洞部は、前記磁極間それぞ
    れに回転子回転方向に複数個形成されていることを特徴
    とする請求項1に記載の永久磁石式リラクタンス型回転
    電機。
  3. 【請求項3】 前記磁極間それぞれにおける前記第1の
    空洞部それぞれの回転子中心側の端部同士を結ぶ線上の
    位置に、回転子回転方向に細長い長方形状の第3の空洞
    部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に
    記載の永久磁石式リラクタンス型回転電機。
  4. 【請求項4】 前記磁極間それぞれにおける前記第1の
    空洞部それぞれの回転子中心側の端部同士を結ぶ線上の
    位置に、円形状の第3の空洞部が形成されていることを
    特徴とする請求項1又は2に記載の永久磁石式リラクタ
    ンス型回転電機。
  5. 【請求項5】 前記第3の空洞部に非磁性材が配置され
    たことを特徴とする請求項3又は4に記載の永久磁石式
    リラクタンス型回転電機。
  6. 【請求項6】 前記第3の空洞部に導電性材が配置され
    たことを特徴とする請求項3又は4に記載の永久磁石式
    リラクタンス型回転電機。
  7. 【請求項7】 前記回転子鉄心は、電磁鋼板を積層した
    ものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに
    記載の永久磁石式リラクタンス型回転電機。
  8. 【請求項8】 前記回転子鉄心の軸方向端部に磁性エン
    ドリングが配置されたことを特徴とする請求項1〜7の
    いずれかに記載の永久磁石式リラクタンス型回転電機。
  9. 【請求項9】 前記回転子鉄心の軸方向端面と前記磁性
    エンドリングとの間に空隙が形成されていることを特徴
    とする請求項8に記載の永久磁石式リラクタンス型回転
    電機。
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