JPH08212633A - 磁気記録再生装置用シリンダ - Google Patents

磁気記録再生装置用シリンダ

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JPH08212633A
JPH08212633A JP7015112A JP1511295A JPH08212633A JP H08212633 A JPH08212633 A JP H08212633A JP 7015112 A JP7015112 A JP 7015112A JP 1511295 A JP1511295 A JP 1511295A JP H08212633 A JPH08212633 A JP H08212633A
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cylinder
weight
amount
carbon fiber
magnetic recording
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Application number
JP7015112A
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English (en)
Inventor
Shigeaki Yamamoto
重朗 山本
Tatsuo Tanaka
達雄 田中
Hiroshi Horiuchi
浩 堀内
Hiroshi Kitamura
洋 北村
Seiji Yoshida
清次 吉田
Masao Miura
昌郎 三浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
FUJI KAGAKU KOGYOSHO KK
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
FUJI KAGAKU KOGYOSHO KK
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Sanyo Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来のアルミニウム合金製のシリンダに代え
て用いることができる、熱可塑性樹脂製の磁気記録再生
装置用シリンダを得る。 【構成】 10重量%以上、好ましくは15〜25重量
%以上のカーボンファイバーと、15重量%以上、好ま
しくは25重量%以上のガラスフレークを含有する熱可
塑性樹脂から磁気記録再生装置用シリンダを成形するこ
とを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、VTR、DATなどの
磁気記録再生装置において用いられるシリンダに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】VTRやDATなどに用いられているシ
リンダは、磁気ヘッドを取り付けて回転する回転シリン
ダ(上シリンダ)と、磁気ヘッドに対して常に所定の位
置に磁気テープを走行させるためのガイド面を有した固
定シリンダ(下シリンダ)により構成されている。図1
は、このようなシリンダを示す斜視図であり、図2は断
面図である。図1及び図2を参照して、磁気ヘッド2
は、上シリンダ1の下方外周部に取り付けられている。
上シリンダ1の中心部にはモーター回転軸5が取り付け
られており、モーター回転軸5の回転により上シリンダ
1が回転するように設けられている。上シリンダ1の下
方には、固定シリンダとなる下シリンダ3が設けられて
いる。下シリンダ3とモーター回転軸5の間にはベアリ
ング6,7が設けられている。また上シリンダ1と下シ
リンダ3の間には、ロータリートランス4が設けられて
いる。
【0003】これらの上シリンダ及び下シリンダには、
摩擦特性などの摺動特性、導電性及び熱膨張性などの材
料特性、真円度などの寸法精度等の広範囲な特性を同時
に満足することが要求される。そのため、その材質とし
ては、従来、アルミニウム合金の鋳造材及び鍛造材が用
いられており、これを切削加工及び鏡面仕上げ加工して
製作するのが一般的であった。
【0004】ところで、磁気記録再生装置においては、
機構部品の低コスト化の要求から各部品の樹脂化が進め
られている。例えば、磁気テープを所定の走行経路へ案
内するガイドポストや機構部品全体を保持するメカシャ
ーシ、シリンダを保持するシリンダベースなどを樹脂か
ら形成したものが実用化されている。
【0005】上記シリンダにおいても、アルミニウム合
金のような金属材料を加工してシリンダを作製する場
合、樹脂を用いて作製する場合に比べコスト的に不利な
ものとなる。
【0006】特開昭60−40550号公報では、カー
ボン粉体を添加した樹脂材料から射出成形でシリンダを
形成する技術が提案されている。該公報には、カーボン
粉体の添加により摩擦係数が低下する旨記載されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】シリンダのうち、下シ
リンダ、すなわち固定シリンダを樹脂化することがまず
課題となるが、固定シリンダを樹脂で形成する場合、第
1に磁気テープとの摩擦を極力小さくする必要がある。
例えば充填剤を添加せずに樹脂のみでシリンダを形成す
る場合、シリンダ表面が平滑になり過ぎて、テープとの
摩擦係数が0.6以上となってしまい、テープを走行さ
せることができない。このため、上記公報のように、カ
ーボン粉体などの添加剤を添加することが種々試みられ
ている。
【0008】しかしながら、現在のところ、従来のアル
ミニウム合金製のシリンダと同等の摺動特性を示すもの
は得られていない。さらに、固定シリンダにおいては、
テープとの摺動特性以外にも、上述のように導電性及び
熱膨張性などの材料特性、真円度などの寸法精度などが
要求され、これらの各種特性を同時に満足する樹脂化シ
リンダは得られていない。
【0009】本発明の目的は、このような従来の問題点
を解消し、従来のアルミニウム合金製のシリンダに代え
て用いることができる、上記各特性を同時に満足し得る
熱可塑性樹脂製の磁気記録再生装置用シリンダを提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の局面に従
う磁気記録再生装置用シリンダは、10重量%以上、好
ましくは15〜30重量%、さらに好ましくは15〜2
5重量%のカーボンファイバーと、15重量%以上、好
ましくは20重量%以上、さらに好ましくは25重量%
以上のガラスフレークを含有する熱可塑性樹脂から形成
されていることを特徴としている。
【0011】本発明において用いられる熱可塑性樹脂と
しては、いわゆるエンジニアリングプラスチック樹脂な
どと呼ばれている樹脂を用いることが好ましく、例え
ば、ポリカーボネート樹脂、変性ポリフェニレンエーテ
ル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリ
エーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂等の非
晶性樹脂、ナイロン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリブ
チレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、液晶ポリマ
ー、ポリエーテルエーテルケトン樹脂等の結晶性樹脂等
が挙げられる。本発明の対象である磁気記録再生装置用
シリンダのような高レベルの寸法精度の要求される分野
には、射出成形時の成形収縮率が大きい結晶性樹脂より
非晶性樹脂の方が望ましい。非晶性樹脂の中では、高フ
ィラー濃度領域での流動性と剛性、寸法精度との兼ね合
いからポリカーボネート樹脂が好ましい。
【0012】本発明において使用されるポリカーボネー
ト樹脂は、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホス
ゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジ
アリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エ
ステルとを反応させるエステル交換法によって得られる
重合体または共重合体であり、代表的なものとしては、
2,2−ビス(4−ビトロキシフェニル)プロパン(ビ
スフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂
が挙げられる。
【0013】上記ジヒドロキシジアリール化合物として
は、ビスフェノールAの他、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オク
タン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニ
ル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第
3ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロ
フェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリー
ル)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリ
ール)シクロアルカン類、4,4´−ジヒドロキシジフ
ェニルエーテルのような4,4´−ジヒドロキシジアリ
ールエーテル類、4,4´−ジヒドロキシジフェニルス
ルフィド、4,4´−ジヒドロキシ−3,3´−ジメチ
ルジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリー
ルスルフィド類、4,4´−ジヒドロキシジフェニルス
ルホキシド、4,4´−ジヒドロキシ−3,3´−ジメ
チルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジア
リールスルホキシド類、4,4´−ジヒドロキシジフェ
ニルスルホン、4,4´−ジヒドロキシ−3,3´−ジ
メチルジフェニルスルホンようなジヒドロキシジアリー
ルスルホン類等が挙げられる。
【0014】これらは単独でまたは2種以上混合して使
用されるが、これらの他のピペラジン、ジピペリジル、
ハイドロキノン、レゾルシン、4,4´−ジヒドロキシ
ジフェニル等を混合して使用してもよい。
【0015】これらのポリカーボネート樹脂は、分子量
を制御するため通常フェノール、パラ−t−ブチルフェ
ノール、パラ−t−オクチルフェノール、p−クミルフ
ェノールなどのフェノール化合物を反応させて重合を停
止させる。
【0016】これらのポリカーボネート樹脂のうち、最
も好適なものはビスフェノールAから製造される、式
(1)
【0017】
【化1】
【0018】で表されるものであり、重合停止剤とし
て、フェノールまたはパラ−t−ブチルフェノールなど
の炭素数5以下のアルキル基で置換されたフェノール類
を用いたポリカーボネート樹脂である。
【0019】本発明に使用するポリカーボネート樹脂の
粘度平均分子量は、本用途で要求される強度の点から1
5000〜35000、さらに好ましくは20000〜
30000の範囲内にあることが望ましい。分子量が1
5000未満では強度が不足し、35000を越えると
溶融粘度が高すぎるため射出成形には適さない。
【0020】本発明において用いられるカーボンファイ
バーは、一般に合成樹脂などの強化材として用いられて
いるカーボンファイバーである。ポリアクリロニトリ
ル、レーヨン等の有機繊維や、石油ピッチ、タールピッ
チ等のピッチを原料として繊維化したピッチ系繊維を炭
化して得られるものであり、また、さらに加熱して黒鉛
化した黒鉛繊維も含まれる。この繊維の直径は3〜20
μm、好ましくは3〜10μmである。通常、混練の容
易さから、これらのモノフィラメント数千本を収束剤で
収束したものを0.03〜15mm、好ましくは0.0
3〜10mmに切断したチョップドストランドが用いら
れる。
【0021】後述するように、繊維の長さは摩擦係数や
真円度において、それほど大きな影響を与えるものでは
ないが、この範囲外のものでは、混練の操作性、樹脂組
成物の機械的強度、寸法精度が低下し、好ましくない。
【0022】本発明において用いるガラスフレークは、
通常の射出成形によって成形される構造材料に充填され
るものであれば、いずれも使用できるが、無アルカリガ
ラスフレーク(Eガラスフレーク)が最も好ましい。形
状は鱗片状であり、厚みが1〜10μm、平均粒径(鱗
片の平均直径)が10〜800μmのものが好ましい。
【0023】なお、ガラスフレークは飛散し易く、その
取扱いが困難であるという欠点があるため、ガラスフレ
ークを互いに結合させ、層状に重なり合った顆粒状物に
して取り扱われることもある。ただし、この場合でも、
溶融混練等により樹脂中に配合された後は、層状構造は
崩れて通常のガラスフレークとなる。
【0024】本発明者らは、カーボンファイバーとガラ
スフレークとを充填剤として併用することにより、従来
のアルミニウム合金製のシリンダに代えて用いることが
できる樹脂化シリンダが得られることを見出した。この
ようなカーボンファイバーとガラスフレークを含有した
熱可塑性樹脂を用いることにより、表面電気抵抗(端子
を20mmの距離離して測定したときの抵抗値)が10
4 Ω以下、摩擦係数が0.3以下、真円度が5μm以
下、熱膨張量が10μm以下であるシリンダとすること
ができ、実用化し得る熱可塑性樹脂製シリンダとするこ
とができる。
【0025】従って、本発明の第2の局面に従う磁気記
録再生装置用シリンダは、カーボンファイバーとガラス
フレークを含有する熱可塑性樹脂から形成されており、
表面電気抵抗が104 Ω以下、摩擦係数が0.3以下、
真円度が5μm以下、熱膨張量が10μm以下であるこ
とを特徴としている。
【0026】
【作用】本発明の第1の局面に従う磁気記録再生装置用
シリンダでは、所定量のカーボンファイバーとガラスフ
レークを含有する熱可塑性樹脂から形成されることを特
徴としている。カーボンファイバーの含有量が少なすぎ
ると、導電性、摩擦係数、真円度、及び熱膨張量が高く
なり、所望の摺動特性、材料特性、及び寸法精度などが
得られなくなる傾向にある。またカーボンファイバー量
が多すぎると、成形加工性が悪くなり、特に真円度が悪
くなる傾向にある。ガラスフレークの含有量が少なすぎ
ると、導電性、摩擦係数、真円度及び熱膨張量が高くな
る傾向にあり、特に熱膨張量において所望の特性を得る
ことが難しくなる。
【0027】カーボンファイバーとガラスフレークの合
計の含有量としては、40〜60重量%が好ましい。合
計の含有量が40重量%未満であると、特に熱膨張量が
大きくなる。また合計の含有量が60重量%を超える
と、成形加工性が悪くなる傾向にある。
【0028】本発明の第2の局面においては、上記本発
明の第1の局面のカーボンファイバー含有量及びガラス
フレーク含有量に限定されることなく、カーボンファイ
バーとガラスフレークを併用することにより、表面電気
抵抗104 Ω以下、摩擦係数0.3以下、真円度5μm
以下、熱膨張量10μm以下としている。これらの特性
をカーボンファイバー及びガラスフレークの併用により
実現することにより、アルミニウム合金製のシリンダと
代替可能な熱可塑性樹脂製シリンダとすることができ
る。
【0029】本発明に従うシリンダの表面を、統計処理
が可能な走査型電子顕微鏡(ERA−8000FE、エ
リオニクス社製)を用いて解析したところ、シリンダ表
面に突出する充填剤による微小突起は、突起高さ5〜1
0μm、突起ピッチ300μm以下、シリンダ最表面か
らの突起高さの1/2の時点における突起の断面積50
〜200μm2 であった。
【0030】本発明のシリンダにおいては、成形後にシ
リンダ表面をラッピングテープなどで研摩することが好
ましい。このような表面研摩により、シリンダ表面に突
出した微小突起を覆う樹脂部分を除去し、磁気テープを
走行させた際のテープダメージを少なくすることがで
き、またシリンダ表面の樹脂部分の磨耗による磨耗粉の
発生を防止することができる。
【0031】図3は、このようなシリンダ表面の表面研
摩を説明するための断面図である。図3(a)は、表面
研摩する前の状態を示しており、図3(b)は、表面研
摩した後の状態を示している。図3に示すように、樹脂
部10中にカーボンファイバー11、ガラスフレーク1
2が存在している。図3に示すように、シリンダ表面3
aに突出した微小突起は、カーボンファイバー11、ガ
ラスフレーク12の突出により形成されている。図3
(a)に示すように、シリンダ表面3aに突出したカー
ボンファイバー11の表面及びガラスフレーク12の表
面は、樹脂部10aにより被覆されているものもある。
このような突出部が存在すると、テープにダメージが発
生し、またテープ走行によりカーボンファイバー11、
ガラスフレーク12及び樹脂部10aが摩耗し、摩耗粉
を発生する。そこで、ラッピング処理によりこのような
突出部を除去し、図3(b)に示すような、シリンダ表
面3aにカーボンファイバー11、ガラスフレーク12
が露出して、丸みを持たせて突き出た状態にする。この
ような状態にすることによりテープダメージを少なく
し、磨耗粉の発生を少なくすることができる。
【0032】
【実施例】熱可塑性樹脂としてポリカーボネート樹脂
(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、ノバレッ
クス 7022PJ、分子量21000)を用い、カー
ボンファイバー(東邦レーヨン社製、ベスファイトHT
A−C3−S、繊維直径7μm、繊維長3mm)とガラ
スフレーク(日本板硝子社製、マイクロガラスフレカR
EFG−101、平均粒径約600μm)とシリコーン
オイル(東芝シリコーン社製、TSF437)を添加し
た成形材料を作製し、これを用いて図1及び図2に示す
ような下シリンダ3を射出成形した。得られた成形シリ
ンダについて、導電性、摩擦係数、真円度及び熱膨張量
を測定した。各特性の評価は以下のようにして行った。
【0033】・導電性(表面電気抵抗):テスターの端
子を20mmの距離離してシリンダーのテープ走向面上
に接触させて測定した。テスターが示す電気抵抗値をそ
のまま表面電気抵抗値とした。
【0034】・摩擦係数:図13に示す摩擦試験機を用
いて測定した。図13に示すように、ロードセル20に
磁気テープ23の一端を固定し、磁気テープ23の他端
に荷重22を取り付ける。ここでは、荷重22として2
0gのものを用いた。測定対象となるシリンダ21を図
13に示すように設置し、その表面に磁気テープ23を
掛ける。そして、シリンダ21を、図面の右側に100
mm移動させた際の磁気テープ23に対する動摩擦係数
を測定した。テープスピードが14.2mm/秒となる
ように移動させた。温度24℃、相対湿度60%の雰囲
気で測定した。シリンダ21の表面の4箇所の測定点で
測定した。4箇所は、それぞれシリンダの四方に位置す
る箇所とした。各測定点において5回連続測定を行っ
た。テープは5回測定毎に交換した。このような測定
を、2種類の磁気テープ(8mmVTR用塗布型磁気テ
ープ(MPテープ)及び8mmVTR用蒸着テープ(M
Eテープ))に対して行い、合計40回の測定値の平均
値で評価した。
【0035】・真円度:真円度測定器(ロンコム、東京
精密社製)を用いて測定した。 ・熱膨張量:相対湿度60%で20℃から40℃に昇温
させ、このときのシリンダ径の変化量を測定した。なお
測定対象となるシリンダのシリンダ径は約40mmのも
のである。
【0036】図4は、ガラスフレーク添加量を30重量
%、シリコーンオイル添加量1重量%とし、カーボンフ
ァイバー添加量を5〜40重量%の間で変化させ、それ
に伴いポリカーボネード樹脂量を64〜29重量%の間
で変化させて得られるシリンダの表面の導電性を示す図
である。図4に示すように、カーボンファイバーの添加
量が10重量%以上になると急激に表面抵抗が低くな
り、導電性が高くなることがわかる。約12重量%以上
のカーボンファイバー添加量とすることにより104 Ω
以下の表面抵抗が得られている。
【0037】図5は、ガラスフレーク添加量を30重量
%、シリコーンオイル添加量を1重量%とし、カーボン
ファイバー添加量を5〜30重量%、ポリカーボネート
樹脂量を64〜39重量%の間で変化させたときの摩擦
係数を示す図である。図5に示すように、カーボンファ
イバー添加量が13重量%以上になると、摩擦係数が
0.3以下になっている。
【0038】図6は、ガラスフレーク添加量を30重量
%、シリコーンオイル添加量を1重量%とし、カーボン
ファイバー添加量を5〜30重量%、ポリカーボネート
樹脂量を64〜39重量%の間で変化させたときの真円
度を示す図である。図6に示すように、カーボンファイ
バー添加量が10重量%以上になると、真円度が5μm
以下となり、さらにカーボンファイバー添加量が27重
量%以上になると再び真円度が5μm以上になることが
わかる。
【0039】図7は、ガラスフレーク添加量を30重量
%、シリコーンオイル添加量を1重量%とし、カーボン
ファイバー添加量を5〜30重量%、ポリカーボネート
樹脂量を64〜39重量%の間で変化させたときの熱膨
張量を示す図である。図7に示すように、カーボンファ
イバー添加量が14重量%以上になると熱膨張量が10
μm以下となることがわかる。
【0040】図8は、カーボンファイバー添加量を15
重量%、シリコーンオイル添加量を1重量%とし、ガラ
スフレーク添加量を0〜40重量%、ポリカーボネート
樹脂量を84〜44重量%の範囲内で変化させたときの
導電性(表面抵抗)を示す図である。図8に示すよう
に、ガラスフレーク添加量が13重量%となると、10
4 Ω以下の表面抵抗となることがわかる。
【0041】図9は、カーボンファイバー添加量を15
重量%、シリコーンオイル添加量を1重量%とし、ガラ
スフレーク添加量を0〜40重量%、ポリカーボネート
樹脂量を84〜44重量%の範囲内で変化させたときの
摩擦係数を示す図である。図9に示すように、ガラスフ
レーク添加量が17重量%以上になると、摩擦係数が
0.3以下になることがわかる。
【0042】図10は、カーボンファイバー添加量を1
5重量%、シリコーンオイル添加量を1重量%とし、ガ
ラスフレーク添加量を0〜40重量%、ポリカーボネー
ト樹脂量を84〜44重量%の範囲内で変化させたとき
の真円度を示す図である。図10に示すように、ガラス
フレーク添加量が20重量%以上になると真円度が5μ
m以下になることがわかる。
【0043】図11は、カーボンファイバー添加量を1
5重量%、シリコーンオイル添加量を1重量%とし、ガ
ラスフレーク添加量を0〜40重量%、ポリカーボネー
ト樹脂量を80〜44重量%の範囲内で変化させたとき
の熱膨張量を示す図である。図11に示すように、ガラ
スフレーク添加量を23重量%とすることにより熱膨張
量が10μm以下になることがわかる。
【0044】図12は、カーボンファイバーのサイズを
変化させたときの摩擦係数及び真円度を示す図である。
繊維径が10μmであり、繊維長さが図12に示すよう
に、0.04mm、0.07mm、3.0mmである各
種カーボンファイバーを用いて、カーボンファイバー添
加量15重量%、ガラスフレーク添加量30重量%、シ
リコーンオイル添加量1重量%、ポリカーボネート樹脂
量54重量%となるように配合し、この配合樹脂を用い
てシリンダを成形し、上述と同様にして摩擦係数及び真
円度を測定した。図12に示すように、カーボンファイ
バーの長さによる影響はほとんどないことがわかる。
【0045】次に、シリコーンオイルの添加量の影響に
ついて検討した。カーボンファイバー添加量20重量%
とし、ガラスフレーク添加量を30重量%とし、シリコ
ーンオイル添加量を0重量%、1重量%、2重量%と変
化させた。その結果、シリコン添加量1重量%及び2重
量%の場合、シリコーンオイルを添加していないものに
比べ摩擦係数が0.05程度低くなることがわかった。
それ以外の特性についてはほとんど影響がないことがわ
かった。
【0046】カーボンファイバー添加量20重量%、ガ
ラスフレーク添加量30重量%、シリコーンオイル添加
量1重量%のポリカーボネート樹脂を用いて、固定シリ
ンダを成形し、この固定シリンダを実際の磁気記録用再
生装置に組み込んで使用したところ、従来のアルミニウ
ム合金製シリンダと同様に何ら問題を生じることなく使
用することができた。
【0047】
【発明の効果】本発明の磁気記録再生装置用シリンダ
は、カーボンファイバーとガラスフレークを配合するこ
とにより所望の摺動特性、材料特性、及び寸法精度など
の各種特性を同時に満足させることができるものであ
り、従来からのアルミニウム合金製のシリンダに代えて
使用することができるものである。従って、本発明の磁
気記録再生装置用シリンダを用いることにより、記録再
生機器の低コスト化及び軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気記録再生装置用シリンダの一例を示す斜視
図。
【図2】磁気記録再生装置用シリンダの一例を示す断面
図。
【図3】本発明の磁気記録再生装置用シリンダにおける
成形後のラッピング処理を説明するための断面図。
【図4】カーボンファイバー添加量を変化させたときの
導電性を示す図。
【図5】カーボンファイバー添加量を変化させたときの
摩擦係数を示す図。
【図6】カーボンファイバー添加量を変化させたときの
真円度を示す図。
【図7】カーボンファイバー添加量を変化させたときの
熱膨張量を示す図。
【図8】ガラスフレーク添加量を変化させたときの導電
性を示す図。
【図9】ガラスフレーク添加量を変化させたときの摩擦
係数を示す図。
【図10】ガラスフレーク添加量を変化させたときの真
円度を示す図。
【図11】ガラスフレーク添加量を変化させたときの熱
膨張量を示す図。
【図12】カーボンファイバーのサイズによる摩擦係数
及び真円度への影響を示す図。
【図13】摩擦試験方法を説明するための図。
【符号の説明】
1…上シリンダ 2…磁気ヘッド 3…下シリンダ 3a…シリンダ表面 4…ロータリートランス 5…モーター回転軸 6,7…ベアリング 10…樹脂部 10a…カーボンファイバー上の樹脂部 11…カーボンファイバー 12…ガラスフレーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 重朗 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 田中 達雄 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 堀内 浩 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 北村 洋 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 吉田 清次 神奈川県小田原市南鴨宮2−20−2 (72)発明者 三浦 昌郎 大阪府東大阪市箕輪591番地 株式会社冨 士化学工業所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 10重量%以上のカーボンファイバー
    と、15重量%以上のガラスフレークを含有する熱可塑
    性樹脂から形成されていることを特徴とする磁気記録再
    生装置用シリンダ。
  2. 【請求項2】 15〜25重量%以上のカーボンファイ
    バーと、25重量%以上のガラスフレークを含有する熱
    可塑性樹脂から形成されていることを特徴とする磁気記
    録再生装置用シリンダ。
  3. 【請求項3】 カーボンファイバーとガラスフレークを
    含有する熱可塑性樹脂から形成されており、表面電気抵
    抗(端子を20mmの距離離して測定したときの抵抗
    値)が104 Ω以下、摩擦係数が0.3以下、真円度が
    5μm以下、熱膨張量が10μm以下であることを特徴
    とする磁気記録再生装置用シリンダ。
  4. 【請求項4】 前記カーボンファイバーと前記ガラスフ
    レークの合計の含有量が40〜60重量%である請求項
    1〜3のいずれか1項に記載の磁気記録再生装置用シリ
    ンダ。
JP7015112A 1995-02-01 1995-02-01 磁気記録再生装置用シリンダ Pending JPH08212633A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6819529B2 (en) * 2000-12-13 2004-11-16 Sony Corporation Head drum device with carbon-containing synthetic resin upper drum and larger diameter intermediate drum

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