JPH0867798A - ポリアセタ−ル樹脂組成物、摺動部材およびテープガイド - Google Patents
ポリアセタ−ル樹脂組成物、摺動部材およびテープガイドInfo
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- JPH0867798A JPH0867798A JP6226069A JP22606994A JPH0867798A JP H0867798 A JPH0867798 A JP H0867798A JP 6226069 A JP6226069 A JP 6226069A JP 22606994 A JP22606994 A JP 22606994A JP H0867798 A JPH0867798 A JP H0867798A
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- polyacetal
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 磁気フィルム、特に磁気テープとの摺動に適
したポリアセタ−ル樹脂組成物および磁気フィルムとの
摺動用部品、特に磁気テープ用テープガイドを提供す
る。 【構成】 ポリアセタールに平均粒子径10μm以上の
グラファイト0.1〜30重量部と25℃での粘度が1
50,000cSt以上のシリコーンオイル0.1〜1
0重量部を配合してなる。 【効果】 磁気フィルム、特に磁気テープとの摺動で、
極めて優れた摩擦摩耗性を示し、テープ面の傷つきや汚
染の無いポリアセタール樹脂組成物及び摺動用部品、特
に磁気テープ用テープガイドを提供することができる。
したポリアセタ−ル樹脂組成物および磁気フィルムとの
摺動用部品、特に磁気テープ用テープガイドを提供す
る。 【構成】 ポリアセタールに平均粒子径10μm以上の
グラファイト0.1〜30重量部と25℃での粘度が1
50,000cSt以上のシリコーンオイル0.1〜1
0重量部を配合してなる。 【効果】 磁気フィルム、特に磁気テープとの摺動で、
極めて優れた摩擦摩耗性を示し、テープ面の傷つきや汚
染の無いポリアセタール樹脂組成物及び摺動用部品、特
に磁気テープ用テープガイドを提供することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気・電子機器や事務
機器、自動車、産業機器等に用いられる摺動性に優れた
ポリアセタール樹脂組成物に関する。更に詳しくは、磁
気フィルムとの摺動、特に磁気テープ用テープガイドに
好適なポリアセタ−ル樹脂組成物、および該樹脂組成物
よりなる磁気フィルム用摺動部材、特に磁気テープ用テ
ープガイドに関するものである。
機器、自動車、産業機器等に用いられる摺動性に優れた
ポリアセタール樹脂組成物に関する。更に詳しくは、磁
気フィルムとの摺動、特に磁気テープ用テープガイドに
好適なポリアセタ−ル樹脂組成物、および該樹脂組成物
よりなる磁気フィルム用摺動部材、特に磁気テープ用テ
ープガイドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】VTR等の磁気テープカセット内の走行
案内手段であるテープガイドは、長期にわたる磁気テー
プの走行接触に耐えて、画質を鮮明に維持する機能が要
求されるため、従来は加工費が高くとも、摩擦性、摩耗
性、非帯電性、伝熱性に優れた金属製テープガイドが用
いられてきた。そこでコストダウンを目的に樹脂化の試
みが行われ、潤滑剤を配合した摺動性に優れるポリアセ
タール樹脂を主に、摩擦摩耗性を改良した樹脂組成物で
試されてきたが、金属製のものと比較すると摩擦摩耗性
に劣り、磁気フィルム、特に磁気テープのベースフィル
ムであるポリエステルとの走行で摩耗粉が発生しテープ
への付着があったり、テープの傷つきにより画質が劣化
するという欠点を有していた。また、潤滑剤がシミだ
し、テープを汚染するという欠点を有していた。
案内手段であるテープガイドは、長期にわたる磁気テー
プの走行接触に耐えて、画質を鮮明に維持する機能が要
求されるため、従来は加工費が高くとも、摩擦性、摩耗
性、非帯電性、伝熱性に優れた金属製テープガイドが用
いられてきた。そこでコストダウンを目的に樹脂化の試
みが行われ、潤滑剤を配合した摺動性に優れるポリアセ
タール樹脂を主に、摩擦摩耗性を改良した樹脂組成物で
試されてきたが、金属製のものと比較すると摩擦摩耗性
に劣り、磁気フィルム、特に磁気テープのベースフィル
ムであるポリエステルとの走行で摩耗粉が発生しテープ
への付着があったり、テープの傷つきにより画質が劣化
するという欠点を有していた。また、潤滑剤がシミだ
し、テープを汚染するという欠点を有していた。
【0003】ポリアセタール樹脂は、機械的特性、耐熱
性、摩擦摩耗性に優れているので、自動車、電気、電子
製品において、軸受、歯車、ローラー、カム、ガイドロ
ーラー等の摺動部品に、単独あるいはグリース・油を塗
って使用されるが、用途の拡大にともない、摺動特性の
要求も高度化し、種々の潤滑剤が添加されたポリアセタ
ール樹脂組成物が提案されている。ポリアセタール樹脂
に添加する潤滑剤としては、ヤシ油等の動植物油、スピ
ンドル油等の鉱油、パラフィン系オイル、シリコーンオ
イル等の合成油、脂肪酸エステル類や多価アルコールの
部分エステル等のエステル類、グラファイト・二硫化モ
リブデン・フッ素樹脂等の固体潤滑剤等が知られてい
る。
性、摩擦摩耗性に優れているので、自動車、電気、電子
製品において、軸受、歯車、ローラー、カム、ガイドロ
ーラー等の摺動部品に、単独あるいはグリース・油を塗
って使用されるが、用途の拡大にともない、摺動特性の
要求も高度化し、種々の潤滑剤が添加されたポリアセタ
ール樹脂組成物が提案されている。ポリアセタール樹脂
に添加する潤滑剤としては、ヤシ油等の動植物油、スピ
ンドル油等の鉱油、パラフィン系オイル、シリコーンオ
イル等の合成油、脂肪酸エステル類や多価アルコールの
部分エステル等のエステル類、グラファイト・二硫化モ
リブデン・フッ素樹脂等の固体潤滑剤等が知られてい
る。
【0004】例えば、特公昭45−25181号公報に
は、ポリアセタールコポリマーにグラファイトを配合し
た樹脂組成物が提案されている。しかし、ポリアセター
ルにグラファイトを添加しただけの樹脂組成物では、磁
気テープ用テープガイドとして使用するには、磁気テー
プとの動摩擦係数が大きく適さない。
は、ポリアセタールコポリマーにグラファイトを配合し
た樹脂組成物が提案されている。しかし、ポリアセター
ルにグラファイトを添加しただけの樹脂組成物では、磁
気テープ用テープガイドとして使用するには、磁気テー
プとの動摩擦係数が大きく適さない。
【0005】また、特開昭50−15863号公報に
は、ポリアセタール等の結晶性樹脂とグラファイト、更
に高密度ポリエチレンからなる樹脂組成物が提案されて
いるが、同様に、磁気テープ用テープガイドとして使用
するには、磁気テープとの動摩擦係数が大きく適さな
い。
は、ポリアセタール等の結晶性樹脂とグラファイト、更
に高密度ポリエチレンからなる樹脂組成物が提案されて
いるが、同様に、磁気テープ用テープガイドとして使用
するには、磁気テープとの動摩擦係数が大きく適さな
い。
【0006】また、グラファイトに潤滑油を組み合わせ
た樹脂組成物で潤滑剤の保持性を改良した樹脂組成物と
して、例えば、特開昭49−104941号公報、特開
昭50−159539号公報には、グラファイト等の固
体潤滑剤と潤滑油に、更に特定分子量のポリエチレンや
高密度ポリエチレンからなる潤滑油のシミ出しを改良し
た樹脂組成物が提案されているが、なお、潤滑油の保持
が充分ではなく、潤滑油がシミだし、特に磁気テープ用
テープガイドとして使用するには、磁気テープを汚染し
適さない。
た樹脂組成物で潤滑剤の保持性を改良した樹脂組成物と
して、例えば、特開昭49−104941号公報、特開
昭50−159539号公報には、グラファイト等の固
体潤滑剤と潤滑油に、更に特定分子量のポリエチレンや
高密度ポリエチレンからなる潤滑油のシミ出しを改良し
た樹脂組成物が提案されているが、なお、潤滑油の保持
が充分ではなく、潤滑油がシミだし、特に磁気テープ用
テープガイドとして使用するには、磁気テープを汚染し
適さない。
【0007】また、固体潤滑剤同士の組み合わせとし
て、特開昭62−54753号公報及び特開平3−21
7448号公報にはポリアセタールにグラファイトとフ
ッ素樹脂からなる樹脂組成物が提案されているが、この
樹脂組成物は摩耗粉が多く、特に磁気テープ用テープガ
イドとして使用するには、適さない。
て、特開昭62−54753号公報及び特開平3−21
7448号公報にはポリアセタールにグラファイトとフ
ッ素樹脂からなる樹脂組成物が提案されているが、この
樹脂組成物は摩耗粉が多く、特に磁気テープ用テープガ
イドとして使用するには、適さない。
【0008】また、ポリアセタールの摺動性改良のため
の種々の潤滑油の中でも、シリコーンオイルは耐熱性、
化学的安定性で優れており、広く用いられる。例えば、
特開昭61−12743号公報には、粘度が5〜106
cStのシリコーンオイル、また特開昭63−2772
63号公報及び特開昭63−297453号公報には、
粘度が15万cSt以上のシリコーンオイルを配合した
樹脂組成物が提案されているが、シリコーンオイルを単
独添加した樹脂組成物では、シリコーンオイルがポリア
セタールとの相溶性に乏しいため、成形時に食い込みが
不良であったり、成形品に剥離が起こり、好ましくな
い。
の種々の潤滑油の中でも、シリコーンオイルは耐熱性、
化学的安定性で優れており、広く用いられる。例えば、
特開昭61−12743号公報には、粘度が5〜106
cStのシリコーンオイル、また特開昭63−2772
63号公報及び特開昭63−297453号公報には、
粘度が15万cSt以上のシリコーンオイルを配合した
樹脂組成物が提案されているが、シリコーンオイルを単
独添加した樹脂組成物では、シリコーンオイルがポリア
セタールとの相溶性に乏しいため、成形時に食い込みが
不良であったり、成形品に剥離が起こり、好ましくな
い。
【0009】更に、特開昭61−200153号公報に
は、シリコーンオイルとエステル系潤滑剤を配合した樹
脂組成物、また、特開平4−224856号公報には、
シリコーンオイルとポリエチレンワックスを、特開平4
−234450号公報には、粘度100万cSt以上の
シリコーンガムとポリテトラフルオロエチレン樹脂を組
み合わせたものが提案されている。しかし、これらの樹
脂組成物も、磁気テープ用テープガイドとして使用する
場合、動摩擦係数は低いが、いずれも摩耗が多く、特に
磁気テープ用テープガイド等に用いる場合、磁気テープ
に摩耗粉が付着し、適さない。
は、シリコーンオイルとエステル系潤滑剤を配合した樹
脂組成物、また、特開平4−224856号公報には、
シリコーンオイルとポリエチレンワックスを、特開平4
−234450号公報には、粘度100万cSt以上の
シリコーンガムとポリテトラフルオロエチレン樹脂を組
み合わせたものが提案されている。しかし、これらの樹
脂組成物も、磁気テープ用テープガイドとして使用する
場合、動摩擦係数は低いが、いずれも摩耗が多く、特に
磁気テープ用テープガイド等に用いる場合、磁気テープ
に摩耗粉が付着し、適さない。
【0010】特公平2−60694号公報には、熱可塑
性樹脂にカーボンブラックと繊維状分散フッ素樹脂とグ
ラファイト、更に潤滑油を配合した導電性摺動樹脂材料
が提案されている。しかし、ここで提案されている樹脂
組成物も、摩耗粉が発生し、特に磁気テープ用テープガ
イド等に用いる場合、磁気テープに摩耗粉が付着し、適
さない。
性樹脂にカーボンブラックと繊維状分散フッ素樹脂とグ
ラファイト、更に潤滑油を配合した導電性摺動樹脂材料
が提案されている。しかし、ここで提案されている樹脂
組成物も、摩耗粉が発生し、特に磁気テープ用テープガ
イド等に用いる場合、磁気テープに摩耗粉が付着し、適
さない。
【0011】特公昭48−37571号公報には、グラ
ファイトに、鉱物性潤滑油やシリコーンオイル等の合成
潤滑油、動植物油等の潤滑油を含浸させた混合物をポリ
アセタール、ポリアミド等の熱可塑性プラスチックに配
合して成る摩擦係数が小さく、pV値の大きい成形品用
の樹脂組成物が提案されている。しかし、これらの一般
的な潤滑油と一般的なグラファイトの組み合わせでは、
潤滑油保持性が悪く、特に磁気テープ用テープガイド等
に用いる場合、磁気テープを汚染し好ましくない。
ファイトに、鉱物性潤滑油やシリコーンオイル等の合成
潤滑油、動植物油等の潤滑油を含浸させた混合物をポリ
アセタール、ポリアミド等の熱可塑性プラスチックに配
合して成る摩擦係数が小さく、pV値の大きい成形品用
の樹脂組成物が提案されている。しかし、これらの一般
的な潤滑油と一般的なグラファイトの組み合わせでは、
潤滑油保持性が悪く、特に磁気テープ用テープガイド等
に用いる場合、磁気テープを汚染し好ましくない。
【0012】磁気テープガイド用樹脂組成物およびテー
プガイド部品として、例えば、特開昭60−28063
号公報には、ポリアセタールにカーボン繊維とグラファ
イト等の潤滑剤とを併用してなる複合材料を射出成形し
てなる磁気テープ用ガイドポストが提案されている。し
かし、ここで提案されている、組成のガイドポストで
は、磁気テープの傷つきが起こり、また、長時間の使用
で摩擦係数が増加する為、実用化には至っていないよう
である。
プガイド部品として、例えば、特開昭60−28063
号公報には、ポリアセタールにカーボン繊維とグラファ
イト等の潤滑剤とを併用してなる複合材料を射出成形し
てなる磁気テープ用ガイドポストが提案されている。し
かし、ここで提案されている、組成のガイドポストで
は、磁気テープの傷つきが起こり、また、長時間の使用
で摩擦係数が増加する為、実用化には至っていないよう
である。
【0013】特開昭61−129783号には、ポリア
セタール等から選ばれた熱可塑性樹脂に導電性付与充填
剤と磁気テープベースフィルムに対する潤滑性を向上さ
せ得る潤滑剤とを複合してなる導電性に優れ、且つ高潤
滑性を有する合成樹脂複合材料を射出成形してなる磁気
テープカセット用テープガイドが提案されている。しか
し、ここで提案されている、組成の成形体も、テープガ
イドとして使用するには、摩耗粉の発生があり、磁気テ
ープ用テープガイドに用いる場合、磁気テープに摩耗粉
が付着し、適さない。
セタール等から選ばれた熱可塑性樹脂に導電性付与充填
剤と磁気テープベースフィルムに対する潤滑性を向上さ
せ得る潤滑剤とを複合してなる導電性に優れ、且つ高潤
滑性を有する合成樹脂複合材料を射出成形してなる磁気
テープカセット用テープガイドが提案されている。しか
し、ここで提案されている、組成の成形体も、テープガ
イドとして使用するには、摩耗粉の発生があり、磁気テ
ープ用テープガイドに用いる場合、磁気テープに摩耗粉
が付着し、適さない。
【0014】特開平3−134050号には、ポリアセ
タールに、微粉末状シリカに予めシリコーンパウダーを
吸収させたシリコーン吸収シリカパウダーを配合した磁
気テープ用テープガイド部材が提案されている。しか
し、ここで提案されている樹脂組成物も、摩耗粉が発生
し、磁気テープ用テープガイドに用いる場合、磁気テー
プに摩耗粉が付着し、適さない。
タールに、微粉末状シリカに予めシリコーンパウダーを
吸収させたシリコーン吸収シリカパウダーを配合した磁
気テープ用テープガイド部材が提案されている。しか
し、ここで提案されている樹脂組成物も、摩耗粉が発生
し、磁気テープ用テープガイドに用いる場合、磁気テー
プに摩耗粉が付着し、適さない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、磁気フィルム用摺動部材、特に磁気テープ用テ
ープガイド用材料としての、従来技術における上記の問
題点を解決し、磁気テープ用テープガイドに好適なポリ
アセタ−ル樹脂組成物および該樹脂組成物よりなる磁気
フィルム用摺動部材、特に磁気テープ用テープガイドを
提供することにある。
目的は、磁気フィルム用摺動部材、特に磁気テープ用テ
ープガイド用材料としての、従来技術における上記の問
題点を解決し、磁気テープ用テープガイドに好適なポリ
アセタ−ル樹脂組成物および該樹脂組成物よりなる磁気
フィルム用摺動部材、特に磁気テープ用テープガイドを
提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリアセ
タール樹脂の優れた性質を損なうこと無く、磁気フィル
ム、特に磁気テープ用テープガイドに好適な樹脂組成物
を検討した結果、ポリアセタールに特定のグラファイト
とシリコーンオイルを配合することによって、上記の問
題点を解決することができるとの知見を得て、更に鋭意
検討を行った結果、本発明を完成させた。
タール樹脂の優れた性質を損なうこと無く、磁気フィル
ム、特に磁気テープ用テープガイドに好適な樹脂組成物
を検討した結果、ポリアセタールに特定のグラファイト
とシリコーンオイルを配合することによって、上記の問
題点を解決することができるとの知見を得て、更に鋭意
検討を行った結果、本発明を完成させた。
【0017】すなわち、本発明は、(A)ポリアセター
ル99.8〜60重量部、(B)平均粒子径10μm以
上のグラファイト0.1〜30重量部および(C)25
℃で150,000cSt以上の粘度を有するシリコー
ンオイル0.1〜10重量部からなるポリアセタール樹
脂組成物、並びに該樹脂組成物よりなる磁気フィルム用
摺動部材、特に磁気テープ用テープガイドにある。
ル99.8〜60重量部、(B)平均粒子径10μm以
上のグラファイト0.1〜30重量部および(C)25
℃で150,000cSt以上の粘度を有するシリコー
ンオイル0.1〜10重量部からなるポリアセタール樹
脂組成物、並びに該樹脂組成物よりなる磁気フィルム用
摺動部材、特に磁気テープ用テープガイドにある。
【0018】以下、本発明を具体的に説明する。本発明
で用いられるポリアセタ−ルとは、ポリアセタ−ル(ポ
リオキシメチレン)ホモポリマーおよびポリアセタール
コポリマーを意味する。ポリアセタールの具体例として
は、ホルムアルデヒド、その3量体(トリオキサン)お
よびその4量体(テトラオキサン)の単独または2種以
上を原料として製造される、実質的にオキシメチレン単
位構造のみからなるオキシメチレンホモポリマ−、ホル
ムアルデヒド、その3量体またはその4量体とエチレン
オキサイド、エピクロルヒドリン、1,3−ジオキソラ
ン、1,3,5−トリオキセパン、グリコ−ルのホルマ
−ル、ジグリコ−ルのホルマ−ル等の炭素数2〜8の環
状エ−テルとから製造されるオキシアルキレン単位構造
を0.1〜20重量%含有するオキシメチレンコポリマ
−、オキシメチレンホモポリマーまたはオキシメチレン
コポリマ−を主構造として、これに主構造のオキシメチ
レン単位構造以外のブロック構造あるいは末端構造を有
する、オキシメチレンブロックコポリマ−またはオキシ
メチレングラフトポリマ−が挙げられる。また、これら
ポリマーは、必要に応じ架橋構造を有するものであって
もよい。本発明では、上記のポリアセタールホモポリマ
ーおよびポリアセタールコポリマーの単独あるいは2種
以上を組み合わせて用いる。
で用いられるポリアセタ−ルとは、ポリアセタ−ル(ポ
リオキシメチレン)ホモポリマーおよびポリアセタール
コポリマーを意味する。ポリアセタールの具体例として
は、ホルムアルデヒド、その3量体(トリオキサン)お
よびその4量体(テトラオキサン)の単独または2種以
上を原料として製造される、実質的にオキシメチレン単
位構造のみからなるオキシメチレンホモポリマ−、ホル
ムアルデヒド、その3量体またはその4量体とエチレン
オキサイド、エピクロルヒドリン、1,3−ジオキソラ
ン、1,3,5−トリオキセパン、グリコ−ルのホルマ
−ル、ジグリコ−ルのホルマ−ル等の炭素数2〜8の環
状エ−テルとから製造されるオキシアルキレン単位構造
を0.1〜20重量%含有するオキシメチレンコポリマ
−、オキシメチレンホモポリマーまたはオキシメチレン
コポリマ−を主構造として、これに主構造のオキシメチ
レン単位構造以外のブロック構造あるいは末端構造を有
する、オキシメチレンブロックコポリマ−またはオキシ
メチレングラフトポリマ−が挙げられる。また、これら
ポリマーは、必要に応じ架橋構造を有するものであって
もよい。本発明では、上記のポリアセタールホモポリマ
ーおよびポリアセタールコポリマーの単独あるいは2種
以上を組み合わせて用いる。
【0019】本発明を実施するとき、特殊な品質のポリ
アセタ−ルを選ぶ必要はなく、通常一般に、粉末、フレ
−クあるいは、ペレットの形状で市販されているポリア
セタ−ルの中から、その用途を考慮して適宜選択すれ
ば、十分にその目的を達成することができる。現在一般
に市販されているポリアセタ−ルには、酸素、熱、水、
光等の作用による分解を抑制するために、メラミン、シ
アノグアニジン、ポリアミド、ヒンダ−ドフェノ−ル、
ヒンダ−ドアミン等の安定剤や酸化防止剤等の添加剤が
配合されている。本発明を実施するとき、既に、市販の
ポリアセタ−ルに配合されているこれらの添加剤は、本
発明の樹脂組成物の熱安定性の改善に有効に作用し、本
発明の効果に悪影響や支障を与えることはない。したが
って、むしろ、これらの添加剤の配合されているポリア
セタ−ルを選ぶのが好ましい。
アセタ−ルを選ぶ必要はなく、通常一般に、粉末、フレ
−クあるいは、ペレットの形状で市販されているポリア
セタ−ルの中から、その用途を考慮して適宜選択すれ
ば、十分にその目的を達成することができる。現在一般
に市販されているポリアセタ−ルには、酸素、熱、水、
光等の作用による分解を抑制するために、メラミン、シ
アノグアニジン、ポリアミド、ヒンダ−ドフェノ−ル、
ヒンダ−ドアミン等の安定剤や酸化防止剤等の添加剤が
配合されている。本発明を実施するとき、既に、市販の
ポリアセタ−ルに配合されているこれらの添加剤は、本
発明の樹脂組成物の熱安定性の改善に有効に作用し、本
発明の効果に悪影響や支障を与えることはない。したが
って、むしろ、これらの添加剤の配合されているポリア
セタ−ルを選ぶのが好ましい。
【0020】本発明で用いられるグラファイトとして
は、後記の平均粒子径にさえ留意すれば、特に制限はな
い。具体的には、天然に産する土状黒鉛や鱗状黒鉛、鱗
片状黒鉛が使用されるほか、石炭、石油、コークス等か
ら得られる非結晶質炭素を加熱により結晶化した人造黒
鉛も使用される。
は、後記の平均粒子径にさえ留意すれば、特に制限はな
い。具体的には、天然に産する土状黒鉛や鱗状黒鉛、鱗
片状黒鉛が使用されるほか、石炭、石油、コークス等か
ら得られる非結晶質炭素を加熱により結晶化した人造黒
鉛も使用される。
【0021】本発明に用いられるグラファイトは、顕微
鏡法で測定した平均粒子径10μm以上であることが必
要である。平均粒子径が10μm未満のグラファイトで
は、磁気テープとの走行において、摩耗粉が発生し、磁
気テープ用テープガイドとして用いるには不適である。
鏡法で測定した平均粒子径10μm以上であることが必
要である。平均粒子径が10μm未満のグラファイトで
は、磁気テープとの走行において、摩耗粉が発生し、磁
気テープ用テープガイドとして用いるには不適である。
【0022】グラファイトは、単独あるいは2種以上を
組み合わせて用いる。その添加量は、0.1〜30重量
部である。この量が0.1重量部未満では、充分な耐摩
耗性が得られない。また、30重量部を超えると樹脂組
成物の熱安定性が悪化し、外観も悪化する。
組み合わせて用いる。その添加量は、0.1〜30重量
部である。この量が0.1重量部未満では、充分な耐摩
耗性が得られない。また、30重量部を超えると樹脂組
成物の熱安定性が悪化し、外観も悪化する。
【0023】本発明で用いられるシリコーンオイルと
は、ポリシロキサンまたはその変性体を意味する。ま
た、ポリシロキサンは、通常直鎖状構造を持つものが選
ばれる。シリコーンオイルとしては、ポリジメチルシロ
キサンからなるシリコーンオイルが最も典型的である
が、その他にも、例えば、ポリジメチルシロキサンのメ
チル基の一部が水素や炭素数2以上のアルキル基、アリ
ール基、アラルキル基等に置換されたシリコーンオイ
ル、ポリジメチルシロキサンのメチル基の一部がハロゲ
ン化フェニル基に置換されたシリコーンオイル、ポリジ
メチルシロキサンのメチル基の一部がフルオロエステル
基やフルオロアルキル基等で置換されたフッ素変性シリ
コーンオイル、エポキシ基を有するポリジメチルシロキ
サンのようなエポキシ変性シリコーンオイル、アミノ基
を有するポリジメチルシロキサンのようなアミノ変性シ
リコーンオイル、アルコール基を有するポリジメチルシ
ロキサンのようなアルコール変性シリコーンオイル、カ
ルボキシル基を有するポリジメチルシロキサンのような
カルボキシル変性シリコーンオイル、ポリジメチルシロ
キサンのメチル基の一部がポリエーテルに置換されたポ
リエーテル変性シリコーンオイル等が挙げられる。
は、ポリシロキサンまたはその変性体を意味する。ま
た、ポリシロキサンは、通常直鎖状構造を持つものが選
ばれる。シリコーンオイルとしては、ポリジメチルシロ
キサンからなるシリコーンオイルが最も典型的である
が、その他にも、例えば、ポリジメチルシロキサンのメ
チル基の一部が水素や炭素数2以上のアルキル基、アリ
ール基、アラルキル基等に置換されたシリコーンオイ
ル、ポリジメチルシロキサンのメチル基の一部がハロゲ
ン化フェニル基に置換されたシリコーンオイル、ポリジ
メチルシロキサンのメチル基の一部がフルオロエステル
基やフルオロアルキル基等で置換されたフッ素変性シリ
コーンオイル、エポキシ基を有するポリジメチルシロキ
サンのようなエポキシ変性シリコーンオイル、アミノ基
を有するポリジメチルシロキサンのようなアミノ変性シ
リコーンオイル、アルコール基を有するポリジメチルシ
ロキサンのようなアルコール変性シリコーンオイル、カ
ルボキシル基を有するポリジメチルシロキサンのような
カルボキシル変性シリコーンオイル、ポリジメチルシロ
キサンのメチル基の一部がポリエーテルに置換されたポ
リエーテル変性シリコーンオイル等が挙げられる。
【0024】本発明で用いられるシリコーンオイルは2
5℃における粘度が150,000cSt以上であり、
好ましくは500,000cSt以上である。粘度が1
50,000cSt未満のシリコーンオイルでは、成形
品表面で剥離が起こり、好ましくない。
5℃における粘度が150,000cSt以上であり、
好ましくは500,000cSt以上である。粘度が1
50,000cSt未満のシリコーンオイルでは、成形
品表面で剥離が起こり、好ましくない。
【0025】シリコーンオイルは、単独あるいは2種以
上を組み合わせて用いる。その添加量は、0.1〜10
重量部である。この量が0.1重量部未満では、充分な
耐摩擦摩耗性が得られない。また、10重量部を超える
と、樹脂組成物の成形加工性が劣り、外観も悪化する。
上を組み合わせて用いる。その添加量は、0.1〜10
重量部である。この量が0.1重量部未満では、充分な
耐摩擦摩耗性が得られない。また、10重量部を超える
と、樹脂組成物の成形加工性が劣り、外観も悪化する。
【0026】本発明を実施するとき、本発明の目的であ
る樹脂組成物の物性値等を損なわない範囲内で、本発明
の構成成分等の他に、さらに種々の添加剤、例えば安定
剤、紫外線吸収剤、離型剤、潤滑剤、顔料、結晶核剤、
ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維等の補強
材、カ−ボンブラック、炭酸カルシウム、タルク、マイ
カ等の充填材、その他の添加剤等を、適宜配合しても良
いことは言うまでもない。
る樹脂組成物の物性値等を損なわない範囲内で、本発明
の構成成分等の他に、さらに種々の添加剤、例えば安定
剤、紫外線吸収剤、離型剤、潤滑剤、顔料、結晶核剤、
ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維等の補強
材、カ−ボンブラック、炭酸カルシウム、タルク、マイ
カ等の充填材、その他の添加剤等を、適宜配合しても良
いことは言うまでもない。
【0027】本発明のポリアセタール樹脂組成物は、樹
脂組成物の調製方法として一般的に用いられている公知
の方法によって、調製することができる。例えば、ポリ
アセタールの一部とシリコーンオイルとを、予め二軸押
出機で混練してペレットとし、このペレットとグラファ
イトおよびポリアセタールの残部を、本発明所定の配合
組成となるように混合し、二軸押出機を用いて、溶融混
合すれば本発明のポリアセタール樹脂組成物を調製する
ことができる。
脂組成物の調製方法として一般的に用いられている公知
の方法によって、調製することができる。例えば、ポリ
アセタールの一部とシリコーンオイルとを、予め二軸押
出機で混練してペレットとし、このペレットとグラファ
イトおよびポリアセタールの残部を、本発明所定の配合
組成となるように混合し、二軸押出機を用いて、溶融混
合すれば本発明のポリアセタール樹脂組成物を調製する
ことができる。
【0028】また、こうして調製した本発明の樹脂組成
物より、通常の射出成形機、あるいは押出成形機を用い
て用途に応じて所望の形状に成形し、例えば磁気テープ
デッキ用ガイドポストや磁気テープカセット用ガイドロ
ーラーのような磁気テープ用テープガイド、フロッピー
ディスクのケース等の摺動部材を得ることができる。す
なわち、これらの摺動部材と当接する磁気フィルムとし
ては、VTRやオーディオ用の磁気テープのほかにフロ
ッピーディスクのフィルム等がある。
物より、通常の射出成形機、あるいは押出成形機を用い
て用途に応じて所望の形状に成形し、例えば磁気テープ
デッキ用ガイドポストや磁気テープカセット用ガイドロ
ーラーのような磁気テープ用テープガイド、フロッピー
ディスクのケース等の摺動部材を得ることができる。す
なわち、これらの摺動部材と当接する磁気フィルムとし
ては、VTRやオーディオ用の磁気テープのほかにフロ
ッピーディスクのフィルム等がある。
【0029】
【実施例】以下に、実施例および比較例を挙げて、本発
明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。なお、実施例および比較例で得られた樹脂
組成物の評価は、次の両試験に従って行った。 (1) 射出成形試験:射出成形機[日精樹脂工業株式
会社製PS40E2ASE]を用いて、シリンダー温度
200℃、金型温度80℃、成形サイクル30秒の条件
で、外径25.6mm、内径20.0mm、高さ15.
0mmの円筒型スラスト試験片を成形した。その際、得
られた成形品の表面を観察し、剥離の有無を調べた。剥
離がなければ良好と評価した。また、100ショット成
形後の金型を観察し、金型付着物の有無も調べた。 (2) 摩擦摩耗試験:スラスト摩擦摩耗試験機[オリ
エンテック製EFM−III−EN]を用いて、JIS
K 7218のA法に準じて、上記円筒型スラスト試
験片と磁気テープ用ポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルム(重量比で60/40のフェノール/1,
1,2,2−テトラクロロエタン中30℃でASTM
D4603−86に従い測定した極限粘度0.65dl
/gのPETを使用、厚さ0.080mm、縦・横3
0.0mm)とを、面圧2.5kgf/cm2 、線速度
30m/secの条件で15分間摺動させ、動摩擦係数
を測定した。また、試験後のPETフィルムを観察し、
摩耗粉発生、擦傷および汚染の有無を調べた。
明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。なお、実施例および比較例で得られた樹脂
組成物の評価は、次の両試験に従って行った。 (1) 射出成形試験:射出成形機[日精樹脂工業株式
会社製PS40E2ASE]を用いて、シリンダー温度
200℃、金型温度80℃、成形サイクル30秒の条件
で、外径25.6mm、内径20.0mm、高さ15.
0mmの円筒型スラスト試験片を成形した。その際、得
られた成形品の表面を観察し、剥離の有無を調べた。剥
離がなければ良好と評価した。また、100ショット成
形後の金型を観察し、金型付着物の有無も調べた。 (2) 摩擦摩耗試験:スラスト摩擦摩耗試験機[オリ
エンテック製EFM−III−EN]を用いて、JIS
K 7218のA法に準じて、上記円筒型スラスト試
験片と磁気テープ用ポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルム(重量比で60/40のフェノール/1,
1,2,2−テトラクロロエタン中30℃でASTM
D4603−86に従い測定した極限粘度0.65dl
/gのPETを使用、厚さ0.080mm、縦・横3
0.0mm)とを、面圧2.5kgf/cm2 、線速度
30m/secの条件で15分間摺動させ、動摩擦係数
を測定した。また、試験後のPETフィルムを観察し、
摩耗粉発生、擦傷および汚染の有無を調べた。
【0030】参考例1 ポリアセタールコポリマー〔三菱瓦斯化学株式会社製ユ
ピタールF20−01、MI9g/10min。以下の
実施例および比較例においても同じ〕90.0重量部お
よび25℃での粘度100万cStのシリコーンオイル
A〔信越シリコーン株式会社製ポリジメチルシロキサン
KF96ー1000000〕10.0重量部を、スーパ
ーミキサー〔川田製作所製〕にて混合した後、二軸押出
機〔池貝鉄工株式会社製PCM30〕を用いてペレット
を調製した。
ピタールF20−01、MI9g/10min。以下の
実施例および比較例においても同じ〕90.0重量部お
よび25℃での粘度100万cStのシリコーンオイル
A〔信越シリコーン株式会社製ポリジメチルシロキサン
KF96ー1000000〕10.0重量部を、スーパ
ーミキサー〔川田製作所製〕にて混合した後、二軸押出
機〔池貝鉄工株式会社製PCM30〕を用いてペレット
を調製した。
【0031】参考例2 参考例1のシリコーンオイルAに代え、25℃での粘度
50万cStのシリコーンオイルB〔信越シリコーン株
式会社製ポリジメチルシロキサンKF96−50000
0〕を用いた以外、参考例1と同様にしてペレットを調
製した。
50万cStのシリコーンオイルB〔信越シリコーン株
式会社製ポリジメチルシロキサンKF96−50000
0〕を用いた以外、参考例1と同様にしてペレットを調
製した。
【0032】参考例3 参考例1のシリコーンオイルAに代え、25℃での粘度
15万cStのシリコーンオイルC〔信越シリコーン株
式会社製ポリジメチルシロキサンKF96−15000
0〕を用いた以外、参考例1と同様にしてペレットを調
製した。
15万cStのシリコーンオイルC〔信越シリコーン株
式会社製ポリジメチルシロキサンKF96−15000
0〕を用いた以外、参考例1と同様にしてペレットを調
製した。
【0033】参考例4 参考例1のシリコーンオイルAに代え、25℃での粘度
3000cStのシリコーンオイルD〔信越シリコーン
株式会社製ポリジメチルシロキサンKF96−300
0〕を用いた以外、参考例1と同様にしてペレットを調
製した。
3000cStのシリコーンオイルD〔信越シリコーン
株式会社製ポリジメチルシロキサンKF96−300
0〕を用いた以外、参考例1と同様にしてペレットを調
製した。
【0034】実施例1 ポリアセタールコポリマー78.0重量部、平均粒径6
0μmのグラファイトF〔日本黒鉛工業株式会社製鱗状
黒鉛CB−100〕2.0重量部および参考例1で調製
したペレット20.0重量部を混合した後、二軸押出機
〔池貝鉄工株式会社製PCM30〕を用いてペレット化
した。この成形用ペレットの配合組成、射出成形試験お
よび摩擦摩耗試験の結果は、後記実施例2〜9の結果と
共に、表1に示した。動摩擦係数は、0.24と低い値
を示し、摩耗粉やポリエチレンテレフタレートフィルム
面の擦傷や汚染も見られなかった。
0μmのグラファイトF〔日本黒鉛工業株式会社製鱗状
黒鉛CB−100〕2.0重量部および参考例1で調製
したペレット20.0重量部を混合した後、二軸押出機
〔池貝鉄工株式会社製PCM30〕を用いてペレット化
した。この成形用ペレットの配合組成、射出成形試験お
よび摩擦摩耗試験の結果は、後記実施例2〜9の結果と
共に、表1に示した。動摩擦係数は、0.24と低い値
を示し、摩耗粉やポリエチレンテレフタレートフィルム
面の擦傷や汚染も見られなかった。
【0035】実施例2 実施例1において、ポリアセタールコポリマーおよびグ
ラファイトFの混合割合を、それぞれ73.0重量部お
よび7.0重量部とした以外、実施例1と同様にして成
形用ペレットを得た。
ラファイトFの混合割合を、それぞれ73.0重量部お
よび7.0重量部とした以外、実施例1と同様にして成
形用ペレットを得た。
【0036】実施例3 実施例1において、ポリアセタールコポリマーおよびグ
ラファイトFの混合割合を、それぞれ60.0重量部お
よび20.0重量部とした以外、実施例1と同様にして
成形用ペレットを得た。
ラファイトFの混合割合を、それぞれ60.0重量部お
よび20.0重量部とした以外、実施例1と同様にして
成形用ペレットを得た。
【0037】実施例4 実施例2において、グラファイトFに代え、平均粒径4
0μmのグラファイトG〔日本黒鉛工業株式会社製鱗状
黒鉛CB−150〕を用いた以外、実施例2と同様にし
て成形用ペレットを得た。
0μmのグラファイトG〔日本黒鉛工業株式会社製鱗状
黒鉛CB−150〕を用いた以外、実施例2と同様にし
て成形用ペレットを得た。
【0038】実施例5 実施例2において、グラファイトFに代え、平均粒径1
0μmのグラファイトH〔日本黒鉛工業株式会社製鱗状
黒鉛CPB〕を用いた以外、実施例2と同様にして成形
用ペレットを得た。
0μmのグラファイトH〔日本黒鉛工業株式会社製鱗状
黒鉛CPB〕を用いた以外、実施例2と同様にして成形
用ペレットを得た。
【0039】実施例6 実施例2において、ポリアセタールコポリマーおよび参
考例1で調製したペレットの混合割合を、それぞれ4
3.0重量部および50.0重量部とした以外、実施例
2と同様にして成形用ペレットを得た。
考例1で調製したペレットの混合割合を、それぞれ4
3.0重量部および50.0重量部とした以外、実施例
2と同様にして成形用ペレットを得た。
【0040】実施例7 実施例2において、参考例1で調製したペレットに代
え、参考例2で調製したペレットを用いた以外、実施例
2と同様にして成形用ペレットを得た。
え、参考例2で調製したペレットを用いた以外、実施例
2と同様にして成形用ペレットを得た。
【0041】実施例8 実施例2において、参考例1で調製したペレットに代
え、参考例3で調製したペレットを用いた以外、実施例
2と同様にして成形用ペレットを得た。
え、参考例3で調製したペレットを用いた以外、実施例
2と同様にして成形用ペレットを得た。
【0042】実施例9 実施例2において、参考例1で調製したペレットに代
え、東レダウコーニングシリコーン株式会社製シリコー
ンコンセントレートBY27ー006(5,000,0
00cStポリジメチルシロキサン(シリコーンオイル
E)50wt%のポリアセタールマスターバッチ)を用
い、これとポリアセタールコポリマーの混合割合を、そ
れぞれ4.0重量部および89.0重量部とした以外、
実施例2と同様にして成形用ペレットを得た。
え、東レダウコーニングシリコーン株式会社製シリコー
ンコンセントレートBY27ー006(5,000,0
00cStポリジメチルシロキサン(シリコーンオイル
E)50wt%のポリアセタールマスターバッチ)を用
い、これとポリアセタールコポリマーの混合割合を、そ
れぞれ4.0重量部および89.0重量部とした以外、
実施例2と同様にして成形用ペレットを得た。
【0043】比較例1 ポリアセタールコポリマー100重量部単独で、実施例
1と同様二軸押出機〔池貝鉄工株式会社製PCM30〕
を用いてペレット化した。この成形用ペレットの配合組
成、射出成形試験および摩擦摩耗試験の結果は、後記比
較例2〜8の結果と共に、表2に示した。
1と同様二軸押出機〔池貝鉄工株式会社製PCM30〕
を用いてペレット化した。この成形用ペレットの配合組
成、射出成形試験および摩擦摩耗試験の結果は、後記比
較例2〜8の結果と共に、表2に示した。
【0044】比較例2 ポリアセタールコポリマー80重量部および参考例2で
調製したペレット20重量部のみの混合物を用いた以
外、実施例1と同様にして成形用ペレットを得た。
調製したペレット20重量部のみの混合物を用いた以
外、実施例1と同様にして成形用ペレットを得た。
【0045】比較例3 ポリアセタールコポリマー78重量部、参考例2で調製
したペレット20重量部および平均粒径6μmのグラフ
ァイトI〔日本黒鉛工業株式会社製鱗状黒鉛特CP〕2
重量部の混合物を用いた以外、実施例1と同様にして成
形用ペレットを得た。
したペレット20重量部および平均粒径6μmのグラフ
ァイトI〔日本黒鉛工業株式会社製鱗状黒鉛特CP〕2
重量部の混合物を用いた以外、実施例1と同様にして成
形用ペレットを得た。
【0046】比較例4 比較例3において、グラファイトIに代えて、ポリテト
ラフルオロエチレン〔ダイキン工業株式会社製ルブロン
L5F〕を用いた以外、実施例1と同様にして成形用ペ
レットを得た。
ラフルオロエチレン〔ダイキン工業株式会社製ルブロン
L5F〕を用いた以外、実施例1と同様にして成形用ペ
レットを得た。
【0047】比較例5 比較例3において、グラファイトIに代えて、二硫化モ
リブデン〔ニチモリ株式会社製Aパウダー〕を用いた以
外、実施例1と同様にして成形用ペレットを得た。
リブデン〔ニチモリ株式会社製Aパウダー〕を用いた以
外、実施例1と同様にして成形用ペレットを得た。
【0048】比較例6 ポリアセタールコポリマー96重量部、グラファイトF
2重量部およびポリエチレンワックス〔ヘキスト社製ヘ
キストワックスPE520〕2重量部の混合物を用いた
以外、実施例1と同様にして成形用ペレットを得た。
2重量部およびポリエチレンワックス〔ヘキスト社製ヘ
キストワックスPE520〕2重量部の混合物を用いた
以外、実施例1と同様にして成形用ペレットを得た。
【0049】比較例7 実施例1において、参考例1で調製したペレットに代
え、参考例4で調製したペレットを用いた以外、実施例
1と同様にして成形用ペレットを得た。
え、参考例4で調製したペレットを用いた以外、実施例
1と同様にして成形用ペレットを得た。
【0050】比較例8 ポリアセタールコポリマー93重量部およびグラファイ
トF7重量部のみの混合物を用いた以外、実施例1と同
様にして成形用ペレットを得た。
トF7重量部のみの混合物を用いた以外、実施例1と同
様にして成形用ペレットを得た。
【0051】
【発明の効果】以上の説明及び実施例で明らかなよう
に、ポリアセタール99.8〜60重量部に平均粒子径
10μm以上のグラファイト0.1〜30重量部と25
℃での粘度が150,000cSt以上のシリコーンオ
イル0.1〜10重量部とを配合してなる本発明の樹脂
組成物は、射出成形したとき、剥離の無い良好な外観の
成形品を提供し、優れた摩擦摩耗性を示し、またその使
用に際し、特に磁気フィルムを傷つけたり、汚染するこ
とがないので、磁気フィルム用摺動部材、特に、磁気テ
ープ用テープガイドとして好適に使用できる。
に、ポリアセタール99.8〜60重量部に平均粒子径
10μm以上のグラファイト0.1〜30重量部と25
℃での粘度が150,000cSt以上のシリコーンオ
イル0.1〜10重量部とを配合してなる本発明の樹脂
組成物は、射出成形したとき、剥離の無い良好な外観の
成形品を提供し、優れた摩擦摩耗性を示し、またその使
用に際し、特に磁気フィルムを傷つけたり、汚染するこ
とがないので、磁気フィルム用摺動部材、特に、磁気テ
ープ用テープガイドとして好適に使用できる。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川田 利勝 神奈川県平塚市東八幡五丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内 (72)発明者 三村 博 神奈川県平塚市東八幡五丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内
Claims (3)
- 【請求項1】ポリアセタール99.8〜60重量部、平
均粒子径10μm以上のグラファイト0.1〜30重量
部、25℃での粘度が150,000cSt以上である
シリコーンオイル0.1〜10重量部とを配合してなる
ポリアセタール樹脂組成物。 - 【請求項2】請求項1記載の樹脂組成物よりなる磁気フ
ィルム用摺動部材。 - 【請求項3】請求項1記載の樹脂組成物よりなる磁気テ
ープ用テープガイド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6226069A JPH0867798A (ja) | 1994-08-29 | 1994-08-29 | ポリアセタ−ル樹脂組成物、摺動部材およびテープガイド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6226069A JPH0867798A (ja) | 1994-08-29 | 1994-08-29 | ポリアセタ−ル樹脂組成物、摺動部材およびテープガイド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0867798A true JPH0867798A (ja) | 1996-03-12 |
Family
ID=16839330
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6226069A Pending JPH0867798A (ja) | 1994-08-29 | 1994-08-29 | ポリアセタ−ル樹脂組成物、摺動部材およびテープガイド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0867798A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102008055840A1 (de) * | 2008-11-04 | 2010-05-12 | Ticona Gmbh | POM mit Silikonpolymeren |
JP2016084388A (ja) * | 2014-10-23 | 2016-05-19 | ポリプラスチックス株式会社 | ポリアセタール樹脂組成物 |
US10030208B2 (en) | 2013-10-21 | 2018-07-24 | Celanese Sales Germany Gmbh | Intrinsic low friction polyoxymethylene |
US10196577B2 (en) | 2015-09-30 | 2019-02-05 | Celanese Sales Germany Gmbh | Low friction squeak free assembly |
US11827760B2 (en) | 2017-03-10 | 2023-11-28 | Celanese Sales Germany Gmbh | Polyester polymer compositions |
-
1994
- 1994-08-29 JP JP6226069A patent/JPH0867798A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102008055840A1 (de) * | 2008-11-04 | 2010-05-12 | Ticona Gmbh | POM mit Silikonpolymeren |
DE102008055840B4 (de) * | 2008-11-04 | 2013-04-18 | Ticona Gmbh | Polyoxymethylen-Zusammensetzung, Verfahren zur Herstellung eines Granulats und Verwendung |
US10030208B2 (en) | 2013-10-21 | 2018-07-24 | Celanese Sales Germany Gmbh | Intrinsic low friction polyoxymethylene |
US10479954B2 (en) | 2013-10-21 | 2019-11-19 | Celanese Sales Germany Gmbh | Intrinsic low friction polyoxymethylene |
JP2016084388A (ja) * | 2014-10-23 | 2016-05-19 | ポリプラスチックス株式会社 | ポリアセタール樹脂組成物 |
US10196577B2 (en) | 2015-09-30 | 2019-02-05 | Celanese Sales Germany Gmbh | Low friction squeak free assembly |
US11827760B2 (en) | 2017-03-10 | 2023-11-28 | Celanese Sales Germany Gmbh | Polyester polymer compositions |
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