JP3209815B2 - 磁気テープガイドローラ - Google Patents
磁気テープガイドローラInfo
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Description
される磁気テープガイドローラに関する。
R)、デジタルオーディオテープレコーダ(DAT)な
どの磁気テープを巻き掛けて、その走行をガイドする磁
気テープガイドローラの代表例としては、図1に示すも
のが一般的である。
に円筒状のローラ2を回転自在または一体に装着し、そ
の両端部にフランジ3を付設したものであるが、このロ
ーラ2は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTF
E)などのフッ素樹脂を含むポリアセタール樹脂のよう
な自己潤滑性のある合成樹脂、または含油樹脂で形成さ
れたものである。このようなローラ2は、それが支持ピ
ン1に回転自在に支持されるものでは、磁気テープの走
行に伴って回転し、支持ピン1に一体に固定されたロー
ラ2では、その外周に磁気テープを摺接させてその走行
をガイドするものである。
ル樹脂は、摩擦係数を充分に低減させて用いることが困
難であるうえに、温度変化などの環境の変化に対して摩
擦係数が変動するという欠点を有しており、また含油樹
脂では表層部の潤滑油が不足する。
した磁気テープガイドローラとしては、本願の発明者ら
が、先に特開昭63−146261号公報にて開示した
ものであって、ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂に、官
能基を有するオルガノポリシロキサンを配合した樹脂組
成物でローラ2を形成したものがある。
などの熱可塑性樹脂に、官能基を有するオルガノポリシ
ロキサンを配合すると、熱可塑性樹脂の加熱成形時に、
この樹脂と官能基が反応し、成形されたローラにボイド
やクラックなどが発生し易く、このため磁気テープガイ
ドローラに安定した回転トルクや長時間振れが少ない状
態で回転させるといった特性が得られ難いという問題点
が生じる。
決し、磁気テープガイドローラを、温度変化などの環境
の変化に対して摩擦係数が変動せず、しかもローラにボ
イドやクラックなどを有しないものとして、その回転ト
ルクと振れを長時間可及的に安定して小さくし、もって
磁気テープ走行状態の信頼性を充分に高め得るものとす
ることを課題としている。
め、この発明においては、支持ピンの外周に、磁気テー
プの走行をガイドするローラを取り付けた磁気テープガ
イドローラにおいて、前記ローラを、ポリエチレン樹脂
と、官能基を有しないシリコーンオイル0.5〜20重
量%とからなる樹脂組成物で形成した構成を採用したの
である。以下、その詳細を述べる。
は、低密度、中密度、高密度、超高分子量のものを問わ
ず採用でき、また直鎖状のものであってよい。このよう
なポリエチレン樹脂は、熱可塑性樹脂に適用される溶融
成形、圧縮成形などの成形法を採用できるものである。
は、ジメチルシロキサンの重合体またはジメチルシロキ
サンのメチル基もしくはその一部が水素、フェニル基、
ハロゲン化フェニル基、ハロゲン化アルキル基、フルオ
ロエステル基などの一種以上の脂肪族系または芳香族系
の残基で置換された誘導体であってよい。そして、この
ようなシリコーンオイルは、官能基を有しない化合物で
ある。ここでいう官能基としては、たとえば、エポキシ
基、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト
基、イソシアネート基、シアネート基、ビニル基などで
あって、これらはポリエチレン樹脂の加熱成形時に化学
的に反応し易い原子団である。また、上記シリコーンオ
イルの粘度は5〜500000cstが好ましい。
ーンオイルの配合割合は、0.5〜20重量%である。
なぜなら、0.5重量%未満の少量では摺動特性を充分
に改良することができず、20重量%を越える多量では
基材であるポリエチレン樹脂の機械的特性を損なうから
である。特に好ましい配合割合としては、1〜15重量
%である。
方法は、従来からよく知られた方法を利用すればよく、
たとえば基材であるポリエチレン樹脂とシリコーンオイ
ルとをそれぞれ個別に、または溶剤(たとえばフルオロ
クロロハイドロカーボンなど)に適宜溶解させて、ヘン
シェルミキサー、ボールミル、タンブラーミキサーなど
の混合機によって混合した後、溶媒を除去して溶融混合
性の良い射出成形機もしくは溶融押し出し機に供給する
か、または予め熱ローラ、ニーダ、バンバリーミキサ
ー、溶融押し出し機などを利用して溶融混合してもよ
く、造粒したペレットを成形直前に混合して成形する方
法であってもよい。
レン樹脂、シリコーンオイルの他に、一般合成樹脂に広
く適用しえる添加剤を、この発明の目的を阻害しない程
度に併用してもよい。このような添加剤としては、たと
えば離型剤、難燃剤、耐候性改良剤、その他四フッ化エ
チレン樹脂、グラファイト、フッ化黒鉛、タルク、窒化
ホウ素などの工業用潤滑剤、ガラス繊維、カーボン繊
維、アルミナ繊維、アスベスト、ロックウール、ウオラ
ストナイト、チタン酸カリウムウィスカなどの繊維状物
質からなる強化剤、ガラス粉末、タルク、クレイ、炭酸
カルシウムなどに代表される無機質充填剤などであり、
これらを添加する方法も特に限定されるものではない。
また、この発明の樹脂組成物の潤滑性を損なわない限
り、中間製品または最終製品の形態において、化学的ま
たは物理的な処理によって性質改善のための変性が可能
であることは勿論である。
あるポリエチレンとシリコーンオイルの親和性が非常に
よく、シリコーンオイルが極めて細かい分散単位でポリ
エチレン中に確実に保持されており、しかも前記シリコ
ーンオイルは、官能基を持たないので、成形加工時にボ
イドやクラックなどの発生がない。このため、ガイドロ
ーラの回転時にシリコーンオイルの潤滑性が安定して発
揮されて、回転トルクが安定し、耐摩耗性も向上してロ
ーラ振れが発生しないものとなる。また、ガイドローラ
は比較的柔らかいので、摺動状態においてもテープを損
傷しない。
して示すと以下の通りである。なお、適宜〔 〕内に略
号を示した。
レンGUR212 (3)シリコーンオイル 信越化学工業社製:KF96H−6000 (4)ポリアセタール ポリプラスチックス社製:ジュラコン M90 (5)粉末状四フッ化エチレン樹脂〔PTFE粉末〕 喜多村社製:KT400M (6)合成油 日本油脂社製:エステル油 ユニスターH (7)ナイロン12 ダイセル・ヒュルス社製:ダイアミド L1640P (8)ポリエチレンテレフタレート〔PETP〕 オランダ国 アクゾプラスチックス社製:アーナイト
A160 〔実施例1および実施例2、比較例1〜7〕表1に示す
配合割合(重量%)で原材料を配合し、同表に示す溶融
混合条件、射出成形条件によって、図1に示した回転体
と同形状で外径4mm、内径2.5mmの回転体2を成
形した。そして、SUS304製支持ピン(表面粗さ
0.2μm)に回転体2を組み付けた。なお、その際の
支持ピン1と回転体2の隙間は約5μmであった。
および振れを下記の試験方法によって測定し、この結果
を表2に示し、さらに図2または図3のグラフに示し
た。
に、静圧空気軸受によって支持された測定板を設け、こ
の測定板上には試料のガイドローラを取付け、測圧20
kgfにて回転ディスクの側面にガイドローラの回転体
を押しつけて回転数を毎分5000回としたときの回転
体と支持ピンとの間に発生する摩擦によって動く測定板
をトルクピックアップで測定する。このようなガイドロ
ーラトルク測定器を用いて、ベルトテンションにて回転
体の回転数を毎分5000回とし、40℃、相対湿度8
0%の下で連続回転したときの経過時間とガイドローラ
のトルク変化を調べた。
にダイヤルゲージ(1/1000)を押し当て、静かに
回転体を回す。このときのダイヤルゲージの値の最大値
と最小値との差を求め、これを振れとした。そしてベル
トテンションにて回転数を毎分5000回とし、40
℃、相対温度80%の条件下で連続回転したときの経過
時間とガイドローラの振れ変化とを調べた。
分子量ポリエチレン粉末とシリコーンオイルをヘンシェ
ルミキサーを用いて混合した後、温度190℃、圧力4
50kgf/cm2 の条件でホットホーミング圧縮成形
し、外径20mm、長さ50mmの成形体を得た。この
成形体を切削加工して実施例1と同形のガイドローラを
作成した。
と同様に試験および試験を行ない、得られた結果を
表2に示し、さらに図2または図3に示した。
フから明らかなように、基材がポリエチレン以外の比較
例4,5,7は、経時的に回転トルクが上昇した。一
方、実施例1〜3は、試験時間の500時間の間に回転
トルクは安定して低く、上昇する傾向は全くみとめられ
なかった。
例1,3,4,6,7では200時間経過までに振れが
5μm以上に大きくなり、特に比較例3および比較例7
は、10μmを越えた。比較例5は、他に比べて振れは
小さいが、前記したように回転トルクが大きい。なお、
比較例5のガイドローラの内部を調べたが、摩耗粉が大
量に発生して内径穴に詰まり、支持ピンにも付着してい
た。したがって、比較例5は、その摩耗が均一に進行し
たか摩耗粉の存在により偶然に振れが小さくなったもの
と推測された。一方、実施例1〜3の振れは、経時的に
殆ど変化せず、内部に摩耗粉の発生もみとめられなかっ
た。
イドローラを装着したVTRやDATは、磁気テープの
振動幅が小さい分だけ、画像振れ、ジッター、ワウが向
上するものとなることが期待できる。
ガイドローラにおけるローラを、ポリエチレン樹脂と、
所定量の官能基を有しないシリコーンオイルとからなる
樹脂組成物で形成したので、シリコーンオイルが極めて
細かい分散単位でポリエチレン中に確実に保持されてお
り、温度変化などの環境の変化に対して摩擦係数が変動
せず、しかも前記シリコーンオイルは、官能基を持たな
いので、成形加工時にボイドやクラックなどの発生がな
いものとなり、このため回転トルクと振れが長時間安定
して小さくなり、磁気テープ走行状態の信頼性を充分に
高め得るものとなる利点がある。
切欠側面図
示すグラフ
ラフ
Claims (1)
- 【請求項1】 支持ピンの外周に、磁気テープの走行を
ガイドするローラを取り付けた磁気テープガイドローラ
において、 前記ローラを、ポリエチレン樹脂と、官能基を有しない
シリコーンオイル0.5〜20重量%とからなる樹脂組
成物で形成したことを特徴とする磁気テープガイドロー
ラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34425992A JP3209815B2 (ja) | 1992-12-24 | 1992-12-24 | 磁気テープガイドローラ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34425992A JP3209815B2 (ja) | 1992-12-24 | 1992-12-24 | 磁気テープガイドローラ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06195821A JPH06195821A (ja) | 1994-07-15 |
JP3209815B2 true JP3209815B2 (ja) | 2001-09-17 |
Family
ID=18367864
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34425992A Expired - Lifetime JP3209815B2 (ja) | 1992-12-24 | 1992-12-24 | 磁気テープガイドローラ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3209815B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0896549A (ja) * | 1994-09-21 | 1996-04-12 | Sony Corp | テープカセット及びカセット機構部品 |
-
1992
- 1992-12-24 JP JP34425992A patent/JP3209815B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06195821A (ja) | 1994-07-15 |
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