JPH07228883A - 滑り軸受、滑り軸受装置および小型モータ - Google Patents

滑り軸受、滑り軸受装置および小型モータ

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JPH07228883A
JPH07228883A JP6322995A JP32299594A JPH07228883A JP H07228883 A JPH07228883 A JP H07228883A JP 6322995 A JP6322995 A JP 6322995A JP 32299594 A JP32299594 A JP 32299594A JP H07228883 A JPH07228883 A JP H07228883A
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JP
Japan
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oil
weight
bearing device
slide bearing
housing
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JP6322995A
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English (en)
Inventor
Kazuo Hirose
和夫 廣瀬
Takashi Minami
隆 南
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 滑り軸受、滑り軸受装置または小型モータ
を、機械的強度、摩擦係数の安定性、耐摩耗性を従来の
焼結含油軸受と同程度以上に向上させると共に小型軽量
化を図り得るように部品点数の少ないものとする。 【構成】 回転軸3を支持する円孔6aと貫通孔8を有
するハウジング7を、ポリフェニレンサルファイド樹脂
などの合成樹脂20〜40重量%、マイカなどの無機充
填材20〜60重量%、炭素繊維などの繊維補強材10
〜30重量%、脂肪酸エステル油などの潤滑油3〜7重
量%、タルクなどの油保持材1〜5重量%からなる樹脂
組成物で一体に成形した軸受装置とする。または前記樹
脂組成物からなる滑り軸受とする。または、ステータ2
を保持するハウジング7に上記滑り軸受を取り付け、ロ
ータ1の回転軸3を滑り軸受でもって支持した小型モー
タとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、たとえばビデオテー
プ・レコーダー(VTR)や録音・再生機などの磁気記
録テープを走行させる回転軸を支持する軸受に適した滑
り軸受、滑り軸受装置またはこれらを装備した小型モー
タに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、録音・録画用磁気テープの回転
駆動軸、その他の精密な回転運動が要求される回転軸を
支持する滑り軸受装置には、焼結含油軸受や摺動性に優
れた樹脂製の滑り軸受が採用されている。
【0003】図4に示す従来のVTR用キャプスタンモ
ータの滑り軸受装置は、ロータ1およびステータ2から
なる電動機におけるロータ1の回転軸3を、上下一組の
焼結金属に潤滑油を含浸した焼結含油軸受12で保持す
ると共に、回転軸3の先端は樹脂製のピボット軸受13
で支持して振れ止めし、軸受12、13は、機械的強度
に優れたアルミダイカスト製のハウジング14に嵌め合
わされている。
【0004】そして、回転軸3の上下の所定位置には、
一対のシールリング15を取付け、適宜に供給された潤
滑油が、焼結含油軸受12から回転軸3のなかほどに滲
出せず、すなわち潤滑油をゴムローラ9および磁気テー
プ10に触れさせないようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の滑り軸受装置は、回転動作を安定させるために、ハウ
ジングとは別に要所に滑り軸受を組み付けたものである
から、装置全体の部品点数が多くなり、このため軸受の
組み付け作業が複雑になると共に製品の小型化、低価格
化に充分に対応できないという問題点がある。
【0006】また、従来の含油焼結軸受の潤滑油の保持
力は、充分でなく、軸受の近傍にオイルシールを別途設
けなければ、回転軸の表面に潤滑油が付着して、磁気テ
ープを汚損する。このため、オイルシールを設ける長さ
だけ回転軸が長く設定されており、この点でも製品の小
型化に対応することが難しかった。
【0007】そこで、この発明は上記した問題点を解決
し、滑り軸受装置を、機械的強度、摩擦係数の安定性、
耐摩耗性を従来の焼結含油軸受と同程度、またはそれ以
上に向上させると共に、高精度の作業を要する組み付け
箇所と製造工程数の低減化および小型・軽量化を図り、
可及的に部品点数の少ないものとすることを課題として
いる。
【0008】または滑り軸受装置を装備した小型モータ
において、上記同様の問題点を解決して、可及的に部品
点数の少ない小型モータを提供することを課題としてい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、合成樹脂20〜40重量%、
無機充填材20〜60重量%、繊維状補強材10〜30
重量%、潤滑油1〜7重量%および油保持材1〜5重量
%の樹脂組成物から滑り軸受を構成したのである。
【0010】または、滑り軸受と、この滑り軸受を保持
するハウジングとからなる軸受装置において、前記滑り
軸受およびハウジングを、合成樹脂20〜40重量%、
無機充填材20〜60重量%、繊維状補強材10〜30
重量%、潤滑油3〜7重量%、油保持材1〜5重量%か
らなる樹脂組成物で一体に成形したのである。
【0011】また、ステータを保持するハウジングに滑
り軸受を取り付け、ロータの回転軸を前記滑り軸受でも
って支持した小型モータの前記滑り軸受とこれを保持す
るハウジングからなる軸受装置を、前記した所定の樹脂
組成物で形成したのである。
【0012】以下に、その詳細を述べる。この発明に用
いる合成樹脂は、特にその種類を限定するものでなく、
たとえばポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポ
リアミドイミド(PAI)、ポリフェニレンサルファイ
ド(PPS)、ポリアセタール(POM)、ポリエーテ
ルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(P
EEK)、芳香族ポリエステル(LCP)、ポリオレフ
ィン系樹脂などであってもよいが、製造工程を簡素化す
るために、射出成形が容易な結晶性の熱可塑性樹脂を採
用することが好ましい。また、耐久性、耐熱性を備えた
樹脂を採用することは、製品の安全性を確保することか
らも望ましく、PPSやPOMは、比較的、摺動性と価
格の点で平均して優れており、これらの条件を満足する
極めて適当な樹脂であるといえる。また、このような合
成樹脂のうち、熱可塑性のものは射出成形による製造工
程の簡素化が図れて好ましい。
【0013】上記した合成樹脂の配合量は、全樹脂組成
物量の20〜40重量%であることが好ましい。合成樹
脂が20重量%に満たない少量では造粒(ペレット化)
することができないので、成形材料として取扱いの容易
性に欠ける。また、40重量%を越える多量では、成形
品の寸法精度と形状の精度が所要の程度に得られないか
らである。
【0014】この発明に用いる無機充填材は、樹脂組成
物の成形収縮率および成形時の異方性を低減させるため
に添加されるものであって、後述する油保持材とは吸油
性の点で異なるものである。このような無機充填材とし
ては、ガラスフレーク、マイカ、グラファイト、ウォラ
ストナイト、カーボンなどが例示できる。配合に際して
は、これらをそれぞれ単独で用いる他、二種以上を混合
して用いてもよい。なかでもマイカ、グラファイトをそ
れぞれ単独または二種以上を混合して用いて好ましい結
果を得ている。
【0015】このような無機充填材の配合量は、全樹脂
組成物量の20〜60重量%であることが好ましい。無
機充填材が20重量%未満では、樹脂組成物の成形収縮
率および成形時の異方性を所期した程度に低減させるこ
とができないからであり、また、無機充填材の配合割合
が60重量%を越えると、曲げ弾性率が低下したり、成
形品の寸法精度、形状精度が所要の程度に得られないか
らである。このような傾向からみて、無機充填材の配合
量は、全樹脂組成物量の40〜60重量%であることが
より好ましい。
【0016】この発明で用いる繊維補強材は、前記した
熱可塑性樹脂を補強可能なものであれば、特にその種類
を限定するものではなく、たとえば炭素繊維(CF)、
ガラス繊維(GF)、芳香族ポリアミド繊維、アルミナ
繊維、ウォラストナイト、チタン酸カリウムウィスカな
どを例示できる。そして、より機械的強度の優れた成形
品を得るためには、引張り弾性率が200GPa以上の
高い繊維補強材を採用することが好ましい。
【0017】このような繊維補強材の配合量は、全樹脂
組成物量の10〜30重量%であることが好ましい。繊
維補強材が10重量%未満では、樹脂組成物の補強効果
がなく、また、その配合割合が30重量%を越えると、
連続成形で製品重量にばらつきが生じるからである。
【0018】この発明で用いる潤滑油は、石油系潤滑
油、合成潤滑油などの液体潤滑剤であれば特に限定して
使用されるものではなく、たとえばシリコーン油、脂肪
酸エステル油などを用いることができる。
【0019】潤滑油は、ポリマー型として、ポリグリコ
ール、オレフィンのオリゴマー、シリコーン、パーフル
オロアルキルエーテル、パーフルオロポリエーテル、ク
ロロフルオロカーボン、ポリフェニルエーテルなどが挙
げられる。これらは、価格は比較的高いが、分子量を変
えることで低粘度のものから高粘度のものまで設定でき
る。
【0020】ポリマー型の潤滑油は、平均分子量が少な
くとも約300以上であるが、1000以上のものであ
れば適度な粘性があって好ましい。このような理由か
ら、2000以上のものは特に好ましいものである。ま
た、このような潤滑油の粘度の下限についてみると、1
00℃での粘度は約2cSt以上のものが好ましく、よ
り好ましくは約10cSt以上のもの、または粘度指数
が約20以上であるものが好ましく、より好ましくは約
100以上のものである。このような特性の種類は、そ
の一種以上を有するものであればよい。
【0021】このように、被加熱時に適当な粘度を有す
る潤滑油であれば、ハウジングの軸受摺動部に回転軸と
の接触によって100℃を越える摩擦熱が発生しても、
潤滑油の粘度が低下して潤滑油がハウジングから急激に
滲み出てくることはなく、潤滑油は適度にハウジング内
に保持されると考えられる。
【0022】潤滑油の粘度の上限については特に限定さ
れるものではないが、成形用ペレットのための造粒時や
射出成形時に油の分散を均一にするために、ポリマー型
の潤滑油は、平均分子量が約10000以下、好ましく
は約5000以下のものが好ましく、40℃粘度では1
000cSt以下、好ましくは600cSt以下、10
0℃粘度では500cSt以下、好ましくは100cS
t以下のものである。粘度指数は、500以下、好まし
くは300以下である。
【0023】このような潤滑油であれば、ペレット造粒
時や射出成形時に高温となった倍でも適当な粘度で混合
され、分散不良となることなく、均一な成形体組成物を
得ることができると考えられる。
【0024】一方、非ポリマー型として、アルキルベン
ゼン、リン酸エステル、ポリオールエステル、ジエステ
ル、ケイ酸エステル、合成ナフテンなどを挙げることが
できる。
【0025】この他に、リン酸エステル系油、脂肪酸エ
ステル系油(ポリオールエステル油)、水グリコール系
油なども挙げられる。リン酸エステル系油は、難燃性と
耐摩耗性に優れ、脂肪酸エステル系油は準難燃性を示
し、価格面で優れ、水グリコール系油は粘度が適度であ
り、粘度指数は170〜210と高く粘性に優れる。
【0026】これらの潤滑油は、潤滑性樹脂の成形温度
(通常、200〜330℃、高成形温度のものでは40
0℃以上)に耐えられるように、耐熱性についても優れ
たものが好ましく、すなわち、射出成形が可能であるよ
うな熱可塑性樹脂の融点よりもさらに高い発熱温度や燃
焼温度などの熱特性を有する潤滑油であることが好まし
い。このような潤滑油の代表的な発熱温度や燃焼温度な
どの熱特性は、粘度特性と共にまとめて下記の表1に示
した。
【0027】
【表1】
【0028】表1中、シリコーン油は、Si−O−Si
を主鎖とするポリマー型の合成潤滑油であり、その分子
量を変えることによって、幅広く粘度を設定でき、また
分子構造上、酸化する部分が少ないので、酸化安定性が
良好で耐熱性に優れたものである。分子中にフェニル基
を導入することによって酸化安定性をさらに向上させる
こともできる。
【0029】なお、表1中に示した以外にも、トリフル
オロプロピルメチルシリコーン(発熱温度233℃、燃
焼温度313℃)、アルキルメチルシリコーン(発熱温
度192℃、燃焼温度249℃)が挙げられる。
【0030】以上のように適当な粘度の潤滑油を選択使
用することで、ハウジング内の潤滑油は、早期に滲み出
すぎることがなく、磁気テープに付着したり、ハウジン
グより外部に流出、蒸発、乾燥して潤滑不良となること
も少なくなり、しかも分散性の良い均一な成形体を得る
ことができる。
【0031】なお、以上述べた潤滑油は、1種類以上を
用いてよく、すなわち必要に応じて諸種の特性をひきだ
すために、2種類以上を1:1から1:10の範囲(重
量比)で混合し使用してもよい。
【0032】このような潤滑油は、粘度、価格等の点で
平均して優れている。そのような潤滑油の配合割合は、
樹脂組成物中に1〜7重量%として好ましく、より好ま
しくは3〜5重量%である。
【0033】なぜなら、1重量%未満の少量では、樹脂
組成物中に適当な潤滑性を発揮させることができず、7
重量%を越えて多量に配合すると、成形時に多量のガス
を発生したり、製品から過剰に滲出して軸受の周囲を汚
染したり、成形品の寸法精度を確保するのが困難になっ
て好ましくないからである。
【0034】このような潤滑油は、前記した熱可塑性合
成樹脂から適当な速度で滲出させるために、油保持材1
〜5重量%で保持する。
【0035】この発明に用いる油保持材は、無機化合物
であって、特に多孔質のものであり、特に大きな比表面
積を有することによる油保持性または吸油性が大きいと
いう物性を有するものである。そして、このような油保
持材は、その気孔部に前述の潤滑油を含浸させて適当な
保油性を維持させるために、気孔率20〜80容量%、
好ましくは40〜60容量%のものを用いる。
【0036】油保持材の具体例としては、タルク、クレ
イ、炭酸カルシウム、カーボン、活性炭などが挙げられ
る。
【0037】このような油保持材の配合量は、1〜5重
量%である。なぜなら、油保持材が1重量%未満では、
潤滑油を保持することができずにペレットの造粒時に潤
滑油が分離して好ましくなく、5重量%を越える多量で
は保持した潤滑油が適当な速度で滲出しないからであ
る。
【0038】また、マイカなどの無機化合物を充填した
成形体は、軸受使用時の振動に対して強く、すなわち耐
振性が比較的良いのでVTRなどの磁気テープに使用す
る軸受装置には、テープの振動や位置ずれを減らすこと
ができ、音揺れや画面の乱れの少ない記録・再生装置を
提供することができると考えられる。
【0039】このような振動に関しては、曲げ弾性率
(kgf/mm2 )との関連性があり、後述する実施例
に記載した範囲程度の曲げ弾性率を有するものであって
よい。すなわち、テープの張力やゴムローラの回転軸へ
の押し付け力などが複雑に軸受装置に加わり、このよう
な力にも充分耐えうるような曲げ弾性率を有し、またそ
のような力によって発生するような振動や他の運動機構
部から発生する振動等も吸収したり、または共振点を変
える等して振動に対処することも重要であると考えられ
る。このように、この発明の軸受または軸受装置は、こ
れらの振動にも対応できると考えられる。
【0040】以上述べたような材料を混合し、滑り軸受
およびハウジングを一体に成形するには従来からよく知
られた方法を採用することができる。すなわち、合成樹
脂と原材料を混合するには、ヘンシェルミキサー、ボー
ルミル、タンブラーミキサーなどの混合機によって混合
し、溶融混合性のよい射出成形機に供給するか、または
予め熱ローラ、ニーダ、バンバリーミキサー、溶融押出
機にて溶融混合する。
【0041】次いで、混合物を成形する場合は、圧縮成
形法、押出成形法、射出成形法など組成物の物性に応じ
た適当な手法を採用すればよい。
【0042】
【作用】この発明に係る滑り軸受装置は、滑り軸受と、
この滑り軸受を保持するハウジングを、所定の材料から
なる樹脂成形体で一体に形成したものであるから、部品
点数が少ない。しかも、所定の材料の選択的採用によっ
てハウジングおよび軸受として所要の機械的強度がある
と共に、軸受部分は潤滑油を安定して滲出する摩擦係数
の安定したものであり、かつ耐摩耗性にも優れたもので
ある。
【0043】このため、滑り軸受から回転軸の表面に潤
滑油が付着せず、磁気テープを汚損しないことによって
オイルシールが不要となり、その分の長さだけ回転軸を
短縮して小型化できる。
【0044】また、このような滑り軸受装置を装備した
小型モータは、回転トルクや摩耗量の安定した軸受によ
って、回転むらが少なくなり、部品点数の少ない小型モ
ータとなる。
【0045】
【実施例】実施例および比較例の滑り軸受装置を成形す
る際に用いた原材料を一括して示すと、以下の通りで
る。なお、原材料の番号は表1または表2に示した番号
に一致し、原材料の配合割合は全て重量%である。
【0046】[合成樹脂] (1)ポリフェニレンサルファイド(PPS) トープレン社製:PPS−T4、 (2)ポリアセタール(POM) ポリプラスチックス社製:ジュラコンM90−02、 [無機充填材] (3)マイカ、 カナダマイカ社製:フロゴパイトマイ
カ、 (4)グラファイト、ロンザ社製:人造グラファイトK
S10、 [繊維状充填材] (5)炭素繊維(CF) 東邦レーヨン社製:ベスファイトHM、平均繊維径7μ
m、平均繊維長 6mm、 [潤滑油] (6)シリコーン油、 信越化学工業社製:KF96、 (7)脂肪酸エステル油、 日本油脂社製:ニッサンユ
ニスターH、 [油保持材] (8)タルク、 松村産業社製、 (9)クレイ、 白石工業社製:ハードトップクレー、 (10)カーボン、 電気化学工業社製:デンカブラッ
ク、 (11)活性炭、 大阪ガスケミカル社製:リノベス−
ADOL−A10、 (12)炭酸カルシウム、 白石工業社製:カルモス。
【0047】〔実施例1〜5、比較例1〜7〕表2また
は表3に示す割合で原材料を配合し、ヘンシェルミキサ
ーで充分混合した後、二軸溶融押出機に供給し、押出
し、造粒してそのペレットを射出成形機に供給し、所定
の金型内に射出成形して図1に示した滑り軸受装置を一
体成形した。
【0048】図1に示した滑り軸受装置は、ロータ1お
よびステータ2からなる電動小型モータの回転軸3(直
径3mm)を、基台4、この基台から立ち上がる脚5、
キャップ状の脚上部6からなるハウジング7で回転自在
に摺動できるように保持したものであり、回転軸3の下
部は、基台4の貫通孔8に回転自在に挿通させ、回転軸
3の上端部(ピボット)は、脚上部6の内面の円孔6a
内に回転自在に保持させている。なお、図中番号9はゴ
ムローラ、10は磁気テープ、11は取付け孔を示して
いる。この場合、回転軸3の両端を支持する滑り軸受部
は、ハウジングと一体に成形されている。
【0049】なお、ロータ1と回転軸3との係合手段
は、特に限定されないが、これらはいわゆる負の隙間で
圧入混合されている方が、他の係止部材を必要とせず、
例えば軸受装置の軸方向長さをテープの幅の約1/5以
下にでき、装置をコンパクト化、軽量化できるので好ま
しい。
【0050】また、図2に示した滑り軸受は、ハウジン
グと別体に形成し、これに取付可能にしたものであっ
て、すなわち軸受部16には、他の部材に取付けるため
の取付け孔11を形成したブラケット17を一体に形成
したものである。また、図3に示した滑り軸受は、軸受
部16の外周面に取付け溝18を形成したものである。
なお、軸受の形状はこのような実施例に限定されず、そ
の他の周知形状であってもよいのは勿論である。
【0051】次に、図1に示した軸受装置の回転トルク
(gf−mm)を、2000rpm、ラジアル荷重10
0gf、室温の条件で、試験初期および200時間経過
後に測定し、また、2000rpm、ラジアル荷重20
00gf、室温の条件で、200時間経過後の軸受(ハ
ウジング)摩耗量を調べて、これを非常に少ない(◎
印)、少ない(○印)、多い(△印)、非常に多い(×
印)の4段階で評価した。また、前記ハウジング材料と
同じものから試験片を形成して、初期の動摩擦係数、曲
げ弾性率を求め、得られた結果を表1にまとめて示し
た。
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】〔比較例8〕図4に示した前述の滑り軸受
装置を用い、焼結含油軸受12に適宜オイルを滴下しな
がら実施例1と全く同じ条件で回転トルクを測定し、軸
受摩耗量を評価した。また、焼結含油軸受の初期の動摩
擦係数と、ハウジングと同じ材料のアルミニウム合金の
曲げ弾性率を表3に併記した。
【0055】表2および表3の結果からも明らかなよう
に、合成樹脂量が所定範囲未満の比較例1は、成形不能
であり、合成樹脂量が所定範囲を越える比較例2は、初
期の回転トルクが過大でありかつ安定しなかった。ま
た、無機充填材が過剰の比較例3は回転トルクが大きく
軸受としては不適当であった。また、無機充填材が所定
範囲に満たない比較例4は、ハウジングの形状が不安定
で回転トルクを測定できなかった。また、油保持材を配
合しなかった比較例5は、回転トルクおよび初期の動摩
擦係数が共に大きく、軸受摩耗量も多かった。
【0056】これに対して、全ての条件を満足する樹脂
組成物からなる実施例1〜5は、従来の焼結含油軸受を
アルミ製ハウジングに装着した滑り軸受装置とほぼ同等
の特性を維持しており、しかも、滑り軸受とハウジング
を一体に成形し、シールリングも不要とした分だけ部品
点数が少なく組み立て性に優れたものであった。
【0057】また、図1と図4を比較してもわかるよう
に、実施例の軸受装置はハウジング7に装着される回転
軸3がシールリングを必要とせず、さらにはピボット軸
受を必要としない分だけ短く設定できた。したがって、
このものは、テープの幅が1/2インチ(1.27c
m)以下、8mm以下、6mm、4mm以下などのコン
パクトな磁気テープ用に有用であり、また、小型VTR
カメラなどの携帯用の磁気記録テープ装置用の超小型モ
ータに好適なものであった。
【0058】
【効果】この発明は、以上説明したように、回転軸を支
持する滑り軸受と、この滑り軸受を保持するハウジング
とからなる滑り軸受装置を、所定材料の樹脂成形体から
一体に構成したので、機械的強度、摩擦係数の安定性、
耐摩耗性が従来の焼結含油軸受に比べて同程度以上に向
上し、かつ可及的に部品点数の少なくなる利点がある。
【0059】特に、回転軸にオイルシールを設ける必要
がなくなって、その長さだけ回転軸を短く設定できるよ
うになり、この点でも製品の小型化に対応する。このよ
うに、高性能の潤滑特性を有する軸受装置のハウジング
への組み付け箇所と製造工程数の低減化を図ることがで
き、滑り軸受装置またはこれを取りつける装置の小型・
軽量化を図ることができる。
【0060】また、回転軸を支持する滑り軸受装置を装
備した小型モータにおいて、上記同様の効果があると共
に、部品点数が少なく、コンパクトな小型モータとなる
利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の断面図
【図2】実施例の他の形態を示す斜視図
【図3】実施例の他の形態を示す斜視図
【図4】従来例の断面図
【符号の説明】
1 ロータ 2 ステータ 3 回転軸 4 基台 5 脚 6 脚上部 6a 円孔 7、14 ハウジング 8 貫通孔 9 ゴムローラ 10 磁気テープ 11 取付け孔 12 焼結含油軸受 13 ピボット軸受 15 シールリング 16 軸受部 17 ブラケット 18 取付け溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 107:40 103:06 F 159:08 103:06 E 103:02 Z 155:02) C10N 10:02 10:04 10:06 20:06 B 40:02 50:08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂20〜40重量%、無機充填材
    20〜60重量%、繊維状補強材10〜30重量%、潤
    滑油1〜7重量%および油保持材1〜5重量%の樹脂組
    成物からなる滑り軸受。
  2. 【請求項2】 滑り軸受と、この滑り軸受を保持するハ
    ウジングとからなる軸受装置において、 前記滑り軸受およびハウジングを、合成樹脂20〜40
    重量%、無機充填材20〜60重量%、繊維状補強材1
    0〜30重量%、潤滑油1〜7重量%、油保持材1〜5
    重量%からなる樹脂組成物で一体に成形したことを特徴
    とする滑り軸受装置。
  3. 【請求項3】 前記合成樹脂が、ポリフェニレンサルフ
    ァイドまたはポリアセタールである請求項2記載の滑り
    軸受装置。
  4. 【請求項4】 前記無機充填材がカオリン、マイカ、グ
    ラファイトから選ばれる一種以上の無機充填材である請
    求項2または3に記載の滑り軸受装置。
  5. 【請求項5】 前記繊維状補強材が、引張弾性率200
    GPa以上の繊維状補強材である請求項2〜4のいずれ
    か1項に記載の滑り軸受装置。
  6. 【請求項6】 前記潤滑油が、シリコーン油または脂肪
    酸エステル油である請求項2〜5のいずれか1項に記載
    の滑り軸受装置。
  7. 【請求項7】 前記油保持材が、タルク、クレイ、カー
    ボン、活性炭または炭酸カルシウムから選ばれる一種以
    上の油保持材である請求項2〜6のいずれか1項に記載
    の滑り軸受装置。
  8. 【請求項8】 ステータを保持するハウジングに滑り軸
    受を取り付け、ロータの回転軸を前記滑り軸受でもって
    支持した小型モータにおいて、 前記滑り軸受とこれを保持するハウジングからなる軸受
    装置が、請求項2〜7のいずれか1項に記載の滑り軸受
    装置からなることを特徴とする小型モータ。
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