JPH08211233A - 大口径プラスチック光ファイバ及びその製造方法 - Google Patents

大口径プラスチック光ファイバ及びその製造方法

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JPH08211233A
JPH08211233A JP7019536A JP1953695A JPH08211233A JP H08211233 A JPH08211233 A JP H08211233A JP 7019536 A JP7019536 A JP 7019536A JP 1953695 A JP1953695 A JP 1953695A JP H08211233 A JPH08211233 A JP H08211233A
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JP
Japan
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optical fiber
core
weight
meth
acrylate
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JP7019536A
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Hiroshi Fukushima
洋 福島
Katsumi Yonekura
克美 米倉
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 透明性、耐候性、及び曲げ加工性が良好な大
口径プラスチック製光ファイバを提供する。 【構成】 脂環族系アルコ−ルから誘導されるモノ(メ
タ)アクリレ−ト100〜70重量%と、これと共重合
可能な化合物0〜30重量%と、これらの両重合性成分
の合計100重量部に対して活性エネルギ−線感応性ラ
ジカル重合開始剤0.005〜5重量部を含む芯材用原
料組成物を、芯材の重合体よりも低屈折率の有機重合体
からなる熱収縮性チュ−ブに注入した後、このチュ−ブ
の外側から活性エネルギ−線を照射して重合性成分を重
合させ、芯材成分の重合収縮と共にチュ−ブを収縮させ
る。また、シクロヘキシルアクリレ−ト100〜70重
量%とこれと共重合可能な化合物0〜30重量%とから
得られる重合体を芯材とし、この重合体より低屈折率の
有機重合体を鞘材とする芯鞘構造の光ファイバ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、照明用等に適した透明
性、耐候性、及び曲げ加工性が良好な大口径プラスチッ
ク製光ファイバに関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバとしては無機ガラス製または
プラスチック製のものが知られているが、プラスチック
製のものは曲げ加工性が良好で低価格で製造できる等の
利点を有することから情報伝達用や照明用として広く使
用されている。情報伝達用としては比較的細い径の光フ
ァイバが使用されるが、照明用の分野では太い径の光フ
ァイバに対する需要がある。
【0003】芯鞘構造のプラスチック製光ファイバの製
造方法としては、通常、有機ポリマ−を溶融紡糸して芯
鞘構造体を形成する方法が採用されている。その際に
は、芯成分の材料としてポリメチルメタクリレ−ト、ポ
リスチレン、ポリカ−ボネ−ト等が使用され、また鞘成
分の材料として低屈折率のフッ素系重合体が使用されて
いる。しかしながら、溶融紡糸法では生産性の点から外
径が数mm以上のプラスチック製光ファイバを製造する
ことが難しい。
【0004】また最近では、チュ−ブ内で重合性化合物
を重合させることによって芯鞘構造のプラスチック製光
ファイバを製造する方法(以下「チュ−ブ法」という)
が提案されている(特開昭63−256902号公報、
特開平1−133006号公報、特開平4−86605
号公報、特開平4−270709号公報等)。このチュ
−ブ法では重合性化合物が重合後に収縮するので、最終
的に製造される光ファイバの芯材と鞘材との界面を剥離
させないために、チュ−ブ内に重合性化合物を圧入する
方法が採用されている。また、チュ−ブ法で使用される
重合性化合物として種々の(メタ)アクリレ−ト化合物
が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このチュ−ブ法によれ
ば外径が数mm以上のプラスチック製光ファイバを製造
可能である。しかし、このような手法では製造時にチュ
−ブ内に重合性化合物を圧入する操作が必要であり煩雑
である。また、芯鞘界面の密着性が良好な大口径プラス
チック光ファイバを生産することが困難である。更に、
大口径プラスチック光ファイバは良好な透明性及び曲げ
加工性を有することが要求されるが、従来提案されてい
る重合性化合物は必ずしもこの要求を満足していない。
【0006】即ち、従来は外径が5mm以上であって芯
鞘界面の密着性が良好な大口径プラスチック光ファイバ
の製法は知られておらず、また、外径が5mm以上であ
って透明性、耐候性、及び曲げ加工性が良好な大口径プ
ラスチック製光ファイバは知られていない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等はチュ−ブ法
における光ファイバ製造プロセスを詳細に検討した。そ
の結果、チュ−ブ法においては重合性化合物の重合発熱
と放熱冷却によって芯材(前駆体)が一旦膨張し次いで
収縮することから、この収縮に追随して収縮可能なチュ
−ブを使用することが芯鞘界面の剥離の防止に最適な手
法であることを見いだし本発明の製法を完成した。ま
た、重合性化合物として数多くの化合物の中からシクロ
ヘキシルアクリレ−トが最適であることを見いだし本発
明の光ファイバを完成した。
【0008】本発明の目的は、脂環族系アルコ−ルから
誘導されるモノ(メタ)アクリレ−ト100〜70重量
%と、これと共重合可能な化合物0〜30重量%と、こ
れらの両重合性成分の合計100重量部に対して活性エ
ネルギ−線感応性ラジカル重合開始剤0.005〜5重
量部を含む芯材用原料組成物を、芯材の重合体よりも低
屈折率の有機重合体からなる熱収縮性チュ−ブに注入し
た後、このチュ−ブの外側から活性エネルギ−線を照射
して重合性成分を重合させ、芯材成分の重合収縮と共に
チュ−ブを収縮させる芯鞘構造の大口径プラスチック光
ファイバの製造方法(以下「熱収縮性チュ−ブ法」とい
う)を提供することにある。
【0009】また本発明の目的は、シクロヘキシルアク
リレ−ト100〜70重量%とこれと共重合可能な化合
物0〜30重量%とから得られる重合体を芯材とし、こ
の重合体より低屈折率の有機重合体を鞘材とする芯鞘構
造の大口径プラスチック光ファイバを提供することにあ
る。
【0010】本発明において大口径プラスチック光ファ
イバとは外径が5mm以上の光ファイバをいう。外径の
上限値は特に限定されないが通常は50mm程度であ
る。
【0011】本発明で用いられる脂環族系アルコ−ルか
ら誘導されるモノ(メタ)アクリレ−ト(以下「(A)
成分」という)としては、シクロヘキシル(メタ)アク
リレ−ト、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレ−
ト、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレ−ト、ジシク
ロペンタニル(メタ)アクリレ−ト、ボルニル(メタ)
アクリレ−ト、イソボルニル(メタ)アクリレ−ト、ア
ダマンチル(メタ)アクリレ−ト等が挙げられる。これ
らの中ではシクロヘキシルアクリレ−トが特に好まし
い。尚、本明細書において(メタ)アクリレ−トとはア
クリレ−ト及びメタクリレ−トを意味する。
【0012】(A)成分と共重合可能な化合物(以下
「(B)成分」という)としては、アクリル基、メタク
リル基、ビニル基、アリル基、エポキシ基等のラジカル
重合性官能基を有する化合物が挙げられる。例えば、
(メタ)アクリレ−ト化合物、ポリ(メタ)アクリレ−
ト化合物、ビニルエ−テル化合物、アリルエ−テル化合
物、ウレタンポリ(メタ)アクリレ−ト、エポキシポリ
(メタ)アクリレ−ト、ポリエステルポリ(メタ)アク
リレ−ト等が挙げられる。
【0013】これらの具体例としては、ベンジル(メ
タ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フ
ェノキシエチル(メタ)アクリレート、3−フェニル−
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の芳香
族アルコールから誘導されるモノ(メタ)アクリレー
ト;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ
エチレングリコール(n=2〜15)ジ(メタ)アクリ
レート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ポリプロピレングリコール(n=2〜15)ジ(メ
タ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)
アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アク
リレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリ
レート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、ポリブチレングリコール(n=2〜15)ジ(メ
タ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリ
ロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4
−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン
等のジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート等の多官能性(メタ)アクリレー
ト;ビスフェノールA型ジグリシジルエーテルと(メ
タ)アクリル酸とを反応させたエポキシジ(メタ)アク
リレート;イソホロンジイソシアネートと2−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレートとを反応させたウレタ
ンジ(メタ)アクリレート、キシリレンジイソシアネー
トと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを反
応させたウレタンジ(メタ)アクリレート;ジエチレン
グリコールビスアリルカーボネート等のアリル化合物;
酢酸ビニル、スチレン、ジビニルベンゼン等のビニル化
合物;ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル等のエ
ポキシ化合物等が挙げられる。これらは単独でまたは2
種以上を混合して用いられる。
【0014】これらの中では、光ファイバに柔軟性、強
靱性及び耐候性等を付与するために脂肪族ポリアルコ−
ルのポリ(メタ)アクリレ−トを用いることが好まし
い。即ちエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオール
ジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)ア
クリレートが特に好ましい。
【0015】(A)成分/(B)成分の使用重量%比は
100/0〜70/30であり、99/1〜85/15
程度であることがより好ましい。
【0016】活性エネルギ−線感応性ラジカル重合開始
剤(以下「(C)成分」という)としては紫外線や可視
光線等の活性エネルギ−線に感応してラジカルを発生す
る公知の重合開始剤が使用できる。光ファイバの透明性
と光伝送損失を低下させないためには、(C)成分はラ
ジカル発生後に発色しないものまたはフォトブリ−チン
グ効果を有するものであることが好ましい。
【0017】(C)成分の具体例としては、ベンゾイ
ン、ベンゾインモノメチルエーテル、ベンゾインイソプ
ロピルエーテル、アセトイン、ベンジル、ベンゾフェノ
ン、p−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジエトキシ
アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェ
ニルエタン−1−オン、2,2−ジエトキシアセトフェ
ノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、
メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリ
オキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェ
ニルプロパン−1−オン等のカルボニル化合物、テトラ
メチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラム
ジスルフィド等の硫黄化合物、2,4,6−トリメチル
ベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス
(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリ
メチルペンチルフォスフィンオキサイド等のアシルフォ
スフィンオキサイド化合物、カンファーキノン、ビス
(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ
−3−(ピル−1−イル)チタニウム等の可視光線感応
性のラジカル重合開始剤を挙げることができる。これら
(C)成分は単独でまたは2種以上を混合して用いられ
る。
【0018】これらの中では、ベンゾフェノン、2−ヒ
ドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オ
ン、メチルフェニルグリオキシレート、1−ヒドロキシ
シクロヘキシルフェニルケトン、2,4,6−トリメチ
ルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス
(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリ
メチルペンチルフォスフィンオキサイドが特に好まし
い。
【0019】(C)成分の使用割合は、(A)成分と
(B)成分の合計量100重量部に対して0.005〜
5重量部であり、より好ましくは0.02〜2重量部で
ある。(C)成分の量が0.005重量部未満では芯材
の硬化が不十分となり、5重量部を超えると芯材の硬化
状態が悪くなるとともに芯材に色がついて光ファイバの
光伝送損失が低下するので好ましくない。
【0020】また、本発明の大口径プラスチック光ファ
イバーの芯材用原料組成物には、(D)成分として、炭
素数2〜12のチオール化合物を添加することができ
る。(D)成分をラジカル重合連鎖移動剤として添加す
ることにより、芯材の重合度を向上することができ、光
ファイバの芯材中に残存する未反応二重結合量を少なく
することができる。その結果芯材の熱劣化または紫外線
劣化による光ファイバの経時的な黄変を防ぐことができ
る。
【0021】(D)成分の具体例としては、n−ブチル
メルカプタン、n−ペンチルメルカプタン、n−ヘキシ
ルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、ter
t.−オクチルメルカプタン、n−デシルメルカプタ
ン、n−ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸、チ
オプロピオン酸等が挙げられ、これらは1種を単独で用
いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0022】(D)成分の使用割合は、(A)及び
(B)成分の合計量100重量部に対して0.01〜3
重量部、より好ましくは、0.05〜2重量部である。
(D)成分の量が0.01重量部未満では、連鎖移動剤
としての効果が不十分であり、3重量部を越えると、フ
ァイバーの強靭性、及び耐熱性が低下する。
【0023】これらの芯材用原料組成物には、必要に応
じて、有機過酸化物、酸化防止剤、黄変防止剤、紫外線
吸収剤、ブルーイング剤、顔料、沈降防止剤、消泡剤等
の添加剤を含有させることができる。
【0024】本発明の光ファイバの鞘材の原料素材とし
ては、透光性が良好で屈折率が低い含フッ素有機ポリマ
−またはシリコ−ンポリマ−等から製造された熱収縮性
チューブを用いることが好ましい。この含フッ素有機ポ
リマ−としては、テトラフルオロエチレン/フッ化プロ
ピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/パーフルオ
ロアルコキシビニルエーテル共重合体、パーフルオロア
ルキル(メタ)アクリレート重合体、パーフルオロアル
キル/アルキル(メタ)アクリレート共重合体等が挙げ
られる。これらの鞘チューブは光線透過性が優れ、その
屈折率はおよそ1.34〜1.45程度の範囲であり、本発明の
芯ポリマの屈折率1.49〜1.54程度より十分に低い。
【0025】尚、開口数の大きな芯鞘型光ファイバを得
るためには、芯材と鞘材は両者の屈折率の差が0.01
以上となるように選定することが好ましい。また、熱収
縮性チューブとしてはテトラフルオロエチレン/フッ化
プロピレン共重合体及びテトラフルオロエチレン/パー
フルオロアルコキシビニルエーテル共重合体が特に好ま
しい。
【0026】熱収縮性チューブ法では、重合性化合物の
重合発熱と放熱冷却によって芯材が一旦膨張し次いで収
縮する。従ってチュ−ブの最大収縮可能量よりも芯材の
重合収縮量の方が少なくなるように熱収縮性チュ−ブと
芯材用原料組成物の組み合わせが適宜選定される。両者
をこのように選定すると芯材の収縮に鞘材の収縮が追随
し芯鞘が強固に密着して界面剥離しないので、重合に伴
う芯材の収縮は光ファイバの光伝送損失の原因とならな
い。また、後述の屈曲性試験によっても芯鞘界面は剥離
しない。
【0027】本発明の熱収縮性チュ−ブ法において、特
に(A)成分として重合時の発熱量が多いシクロヘキシ
ルアクリレ−トを用いると芯鞘界面の密着状態が良好な
光ファイバを製造することができる。そしてシクロヘキ
シルアクリレ−トを主成分とする重合体を芯材とする大
口径プラスチック光ファイバは透明性、耐候性、及び曲
げ加工性が良好である。
【0028】熱収縮性チューブの外径は、5〜50mm
程度であることが好ましく、5〜30mm程度であるこ
とがより好ましい。また、チューブの厚みは、0.1〜
1.0mm程度であることが好ましい。含フッ素有機ポ
リマ−は一般に高価であるので光ファイバの原料コスト
を低く抑えるためにチュ−ブの厚み薄い方が好ましい。
また製造された光ファイバの可撓性を良好に保つために
もその厚みは薄いほど好ましい。しかし、0.1mmよ
り薄い場合はチュ−ブの収縮力が少なくなるので好まし
くない。チュ−ブの厚みは0.2〜0.5mm程度であ
ることが好ましい。
【0029】本発明の光ファイバを製造する際には、十
分に混合した芯材用原料組成物を、熱収縮性チューブ内
に注入した後、熱収縮性チューブの外側から紫外線等の
活性エネルギー線を照射して芯材用組成物を重合させ硬
化させる。光源として太陽光、化学反応用ケミカルラン
プ、ハロゲンランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライド
ランプ等を用いて、熱収縮性チューブの外側表面の350n
mにおける紫外線照度が、0.1〜10mW/cm2 程度となるよ
うに紫外線を1〜60分間程度照射する。光照射の雰囲
気は、空気でもよく、窒素、アルゴン等の不活性ガスで
もよい。また、光照射と加熱を組合せることもできる。
【0030】
【実施例】以下に実施例及び比較例により本発明を説明
する。尚、実施例または比較例における光ファイバの性
能評価の条件は以下の通りである。「光伝送損失」は、
He−Neレーザー光(波長 633nm)を用いたカットバック
法により測定した。「屈曲性試験」は、光ファイバを室
温において直径80mmの金属棒に10回巻きつけた状
態で1時間保持する試験である。「耐熱性試験」は、光
ファイバを110℃の熱風乾燥機内に500時間放置す
る試験である。「耐候性試験」は、光ファイバを1ケ月
間屋外に暴露する試験である。
【0031】実施例1 シクロヘキシルアクリレート(CHA)95g、1,6
−ヘキサンジオールジメタクリレート(HDDM)5
g、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパ
ン−1−オン(HMPO)0.05g、及びn−オクチ
ルメルカプタン(n−OM)0.05gを混合し、この
混合物を外径13.4mm、厚み0.3mm、長さ3m
のテトラフルオロエチレン/フッ化プロピレン共重合体
からなる熱収縮性チューブ(S−FEP)中に注入し
た。混合物の鞘材チューブ内への注入時の作業性は良好
であった。
【0032】次いで、波長350nmの紫外線照度が2
mW/cm2である化学反応用ケミカルランプを用いて
このチュ−ブの外周部部から30分間照射し、外径1
2.0mmの光ファイバを得た。
【0033】この光ファイバの成形状態を肉眼で観察し
たところ、光ファイバは無色透明であり、芯鞘の界面に
は剥離は観察されなかった。
【0034】この光ファイバは表1の光伝送損失を示し
た。屈曲性試験後において光ファイバの芯鞘界面での剥
離は観察されなかった。耐熱性試験後においてもまた耐
候性試験後においても、光ファイバの芯鞘界面での剥離
は観察されず、光ファイバの透明性は変化しなかった。
【0035】実施例2〜5 表1に示した芯材料用原料組成物および鞘形成用チュー
ブを用い、それ以外は実施例1と同様にして光ファイバ
を製造して評価した。これらの光ファイバは表1の光伝
送損失を示した。
【0036】尚、いずれの実施例の場合も実施例1の場
合と同様に、各種試験後において、光ファイバの芯鞘界
面での剥離は観察されず、光ファイバの透明性は変化し
なかった。
【0037】実施例6及び7 表1に示した芯材料用原料組成物および鞘形成用チュー
ブを用い、それ以外は実施例1と同様にして光ファイバ
を製造して評価した。これらの光ファイバは表1の光伝
送損失を示した。
【0038】いずれの実施例の場合も実施例1の場合と
同様に、各種試験後において、光ファイバの芯鞘界面で
の剥離は観察されなかったが、光ファイバは僅かに黄変
した。
【0039】比較例1〜3 鞘形成用チューブとして熱収縮性のないチュ−ブを用
い、それ以外は実施例2と同様にして光ファイバを製造
して評価した。得られたいずれの光ファイバも芯中に気
泡が存在し芯鞘界面の一部に剥離が観察された。これら
の光ファイバは表1の光伝送損失を示した。
【0040】いずれの実施例の場合も、各種試験後にお
いて、光ファイバの芯鞘界面での剥離の程度が著しく増
加した。
【0041】比較例4 表1に示した芯材料用原料組成物および鞘形成用チュー
ブを用い、それ以外は実施例1と同様にして光ファイバ
を製造して評価した。これらの光ファイバは表1の光伝
送損失を示した。得られた光ファイバの芯鞘界面の剥離
は観察されなかったが、屈曲性試験後において光ファイ
バの芯鞘界面での剥離が観察された。光ファイバは耐熱
性試験後において黄色に変化し、また耐候性試験後にお
いても黄色に変化した。
【0042】
【表1】
【0043】尚、表1における芯材用原料成分の略号は
以下の通りである。 CHA :シクロヘキシルアクリレート THFA :テトラヒドロフルフリルアクリレート DCPM :ジシクロペンタニルメタクリレート BZM :ベンジルメタクリレート HDDM :1,6−ヘキサンジオールジメタクリレー
ト 9GDA :ノナエチレングリコール(平均分子量40
0)のジアクリレート 9BGM :ノナブチレングリコール(平均分子量65
0)のジメタクリレート UM1 :イソホロンジイソシアネート(1モル)と
2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(2.1モル)
とを反応させて得られたウレタンジメタクリレート n−OM :n−オクチルメルカプタン HMPO :2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニ
ルプロパン−1−オン TPO :2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェ
ニルフォスフィンオキサイド。
【0044】また、表1におけるチュ−ブの略号は以下
の通りである。 S−FEP:テトラフルオロエチレン/フッ化プロピレ
ン共重合体からなる熱収縮性チューブ S−PFA:テトラフルオロエチレン/パーフルオロア
ルコキシビニルエーテル共重合体からなる熱収縮性チュ
ーブ S−SL :シリコ−ン製熱収縮性チューブ FEP :テトラフルオロエチレン/フッ化プロピレ
ン共重合体からなるチューブ PFA :テトラフルオロエチレン/パーフルオロア
ルコキシビニルエーテル共重合体からなるチューブ SL :シリコ−ン製チューブ
【0045】
【発明の効果】本発明の製法で得られる大口径プラスチ
ック光ファイバは芯鞘界面の密着性が良好であるために
曲げ加工性が良好であり、透明性と耐候性にも優れてい
る。この光ファイバはプ−ルでの照明、道路の照明、自
動車の前照灯等の各種の照明用に使用することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 33/06 LHV LHY

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂環族系アルコ−ルから誘導されるモノ
    (メタ)アクリレ−ト100〜70重量%と、これと共
    重合可能な化合物0〜30重量%と、これらの両重合性
    成分の合計100重量部に対して活性エネルギ−線感応
    性ラジカル重合開始剤0.005〜5重量部を含む芯材
    用原料組成物を、芯材の重合体よりも低屈折率の有機重
    合体からなる熱収縮性チュ−ブに注入した後、このチュ
    −ブの外側から活性エネルギ−線を照射して重合性成分
    を重合させ、芯材成分の重合収縮と共にチュ−ブを収縮
    させる芯鞘構造の大口径プラスチック光ファイバの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 熱収縮性チュ−ブとして含フッ素重合体
    からなる熱収縮性チュ−ブを用いることを特徴とする請
    求項1に記載された光ファイバの製造方法。
  3. 【請求項3】 芯材用原料組成物として、請求項1に記
    載の両重合性成分の合計100重量部に対して更に連鎖
    移動剤として炭素数2〜12のチオ−ル化合物0.01
    〜3重量部を含む芯材用原料組成物を用いることを特徴
    とする請求項1に記載された光ファイバの製造方法。
  4. 【請求項4】 シクロヘキシルアクリレ−ト100〜7
    0重量%とこれと共重合可能な化合物0〜30重量%と
    から得られる重合体を芯材とし、この重合体より低屈折
    率の有機重合体を鞘材とする芯鞘構造の大口径プラスチ
    ック光ファイバ。
  5. 【請求項5】 鞘材の有機重合体が含フッ素重合体であ
    ることを特徴とする請求項4に記載された光ファイバ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005258000A (ja) * 2004-03-11 2005-09-22 Jsr Corp 光導波路形成用感光性組成物および光導波路
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