JPH08210398A - ディスクブレーキ装置用ブレーキパッド - Google Patents

ディスクブレーキ装置用ブレーキパッド

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JPH08210398A
JPH08210398A JP1827095A JP1827095A JPH08210398A JP H08210398 A JPH08210398 A JP H08210398A JP 1827095 A JP1827095 A JP 1827095A JP 1827095 A JP1827095 A JP 1827095A JP H08210398 A JPH08210398 A JP H08210398A
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JP
Japan
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friction material
brake
rotor
temperature
disc
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JP1827095A
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Kenji Abe
健司 阿部
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 昇温時及び降温時のいずれにおいてもブレー
キ鳴きの発生を防止する。 【構成】 ブレーキパッド32の裏金34は、形状記憶
合金によって形成されている。このため、昇温過程及び
降温過程のいずれにおいても、高温域になると裏金34
がディスクロータに対して凸形状となる。このため、摩
擦材36も凸形状となり、中央部のみがディスクロータ
に圧接される。この結果、ブレーキ鳴きの発生を防止す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車輪と共に回転するデ
ィスクロータに対して接離可能に配置され、摩擦材と裏
金とを含んで構成されるディスクブレーキ装置用ブレー
キパッドに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】車両の
ブレーキ装置として多用されているディスクブレーキ装
置では、車輪と共に回転するディスクロータに一対のブ
レーキパッドを圧接させ、これにより制動トルクを発生
させている。このとき、ブレーキパッドとディスクロー
タとの間で所謂ブレーキ鳴きが発生することがあり、こ
れを如何に防止するかについて種々の構成が案出されて
いる。その一例が実開昭64−41735号公報に開示
されており、以下にこの構成について簡単に説明する。
【0003】図7にはブレーキパッド100の平面図が
示されており、又図8にはブレーキパッド100の正面
図が示されている。これらの図に示されるように、この
ブレーキパッド100では、摩擦材102を図示しない
ディスクロータに押圧させる裏金104が、第1プレー
ト106と第2プレート108とに分割されている。さ
らに、摩擦材102が固着される第1プレート106と
ピストン110によって押圧される第2プレート108
との間には所定の隙間112が設けられており、この隙
間112には第1介装部材114と第2介装部材116
とが介装されている。第1介装部材114はディスクロ
ータの回転方向に対しリーディング側に配置されてお
り、熱膨張係数が小さい材料によって製作されている。
これに対し、第2介装部材116はディスクロータの回
転方向に対してトレーリング側に配置されており、熱膨
張係数が大きい材料によって製作されている。
【0004】上記構成によれば、ブレーキ作動時、ブレ
ーキパッド100の摩擦材102がディスクロータに摺
接することによる摩擦熱によってディスクロータが高温
になると、このときの摩擦熱が第1介装部材114及び
第2介装部材116に伝達される。この場合、両者の熱
膨張係数の相違により、トレーリング側に配置された第
2介装部材116の方がリーディング側に配置された第
1介装部材114よりも大きく膨張する。従って、摩擦
材102のトレーリング側の端部の方がリーディング側
の端部よりもディスクロータに強く押される。
【0005】ところで、上述したブレーキ鳴きは、摩擦
材102の偏摩耗によって生じることが知られている。
すなわち、一般に摩擦材102のリーディング側の端部
の面圧の方がトレーリング側の端部の面圧よりも大きく
なるため、摩擦材102のリーディング側の端部の方が
早期に摩耗して偏摩耗が生じる。このため、所謂スティ
ックスリップ現象等が誘発され、これに起因してブレー
キ鳴きが発生するといわれている。
【0006】従って、上記の如く、面圧が高くなる方の
リーディング側の端部を第1介装部材114で弱く押圧
し、逆に面圧が低くなる方のトレーリング側の端部を第
2介装部材116で強く押圧することにより、面圧のア
ンバランスが相殺されて均一な面圧が得られる。
【0007】しかしながら、上記構成による場合、昇温
時にしかブレーキ鳴きの発生を防止することができず、
降温時にはブレーキ鳴きが発生するという不具合が生じ
る。
【0008】一般に、ディスクロータに摺接される摩擦
材102は裏金である第1プレート106よりも熱膨張
係数が大きく、しかも、摩擦材102の温度が上昇する
昇温時になると、摩擦材102の温度が第1プレート1
06の温度よりも大きくなるため、摩擦材102の熱膨
張量の方が第1プレート106の熱膨張量よりも大きく
なる。さらに、第1プレート106と摩擦材102とは
摩擦材102の全面に亘って固着されているので、前述
した熱膨張量の差は摩擦材102のディスクロータ側へ
突出した凸形状となって表れ、よって摩擦材102の中
央部がディスクロータに強く押圧される。このため、摩
擦材102の中央部が特に摩耗することになる。
【0009】その後、ブレーキ力が弱まり、ディスクロ
ータの温度が下降する降温時になると、摩擦材102の
温度も下がっていく。このため、摩擦材102と第1プ
レート106との温度差が小さくなってくると、双方の
熱膨張量がほぼ等しくなり、摩擦材102は平らな元の
形状に復帰する。ところが、摩擦材102が平らな元の
形状に復帰するといっても、昇温時に既に中央部が摩耗
していることから、結果的には摩擦材102はディスク
ロータに対して凹形状となる。このことと、摩擦材10
2の温度が下がり始めた領域では摩擦材102は依然と
して高温状態(250°C程度から100°C程度)に
あり摩擦係数が高いことから、当該領域では凹形状の摩
擦材102の両端部の面圧が中間部の面圧よりもかなり
高くなる。この結果、当該領域においてスティックスリ
ップ現象が生じ、ブレーキ鳴きが発生し易くなる。
【0010】本発明は上記事実を考慮し、昇温時及び降
温時のいずれにおいてもブレーキ鳴きの発生を防止する
ことができるディスクブレーキ装置用ブレーキパッドを
得ることが目的である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、車輪と共に回
転するディスクロータに対して接離可能に配置され、デ
ィスクロータに対向状態で配置される摩擦材と、この摩
擦材が固着され当該摩擦材をディスクロータに圧接させ
る裏金と、を含んで構成されるディスクブレーキ装置用
ブレーキパッドであって、降温過程における所定の高温
域で、摩擦材及び裏金の少なくとも一方の熱変形によ
り、摩擦材のロータ回転方向側の両端部をディスクロー
タから離間する方向へ変形させる、ことを特徴としてい
る。
【0012】
【作用】以下に、本発明の作用を説明する。
【0013】通常であれば、昇温過程で摩擦材が凸形状
となるため、中央部がディスクロータに圧接され中央部
が摩耗する。このため、降温過程になって摩擦材の表面
温度が下がることにより摩擦材が元の平坦な形状に復元
したとしても、先の中央部の摩耗により摩擦材は凹形状
となっている。従って、この凹形状の摩擦材のロータ回
転方向側の両端部がディスクロータに圧接されることに
なる。この場合、降温過程における高温域では摩擦材の
摩擦係数が大きいことから、この高温域でスティックス
リップ現象が起こりブレーキ鳴きが発生する。
【0014】ところが、本発明によれば、降温過程の高
温域では、摩擦材及び裏金の少なくとも一方の熱変形に
より、摩擦材のロータ回転方向側の両端部がディスクロ
ータから離間する方向へ強制的に変形されている状態と
なる。すなわち、摩擦材は本来的には前述した如く凹形
状に近づいていこうとするが、これを摩擦材及び裏金の
少なくとも一方を熱変形させることで、摩擦材のロータ
回転方向側の両端部はディスクロータから離間する方向
へ強制的に変形される。このため、摩擦材の中央部がデ
ィスクロータに圧接されることになり、両端部がディス
クロータに圧接されることによるスティックスリップ現
象は起こらない。従って、ブレーキ鳴きも発生しない。
【0015】
【実施例】以下、図1〜図4を用いて、本発明の一実施
例について説明する。
【0016】図2には本実施例に係るディスクブレーキ
装置10が斜視図にて示されており、又図3にはディス
クキャリパ12が正面図にて示されている。これらの図
に示されるように、車輪と共に回転する円板状のディス
クロータ14の外周部には、浮動型のディスクキャリパ
12が配設されている。ディスクキャリパ12は図示し
ないボルトによって車体側に固定される略コ字形のトル
クメンバ16を備えており、このトルクメンバ16の中
央部にシリンダボディー18が配置されている。
【0017】シリンダボディー18の内部には、ブレー
キ作動時に油入口20に接続された図示しないブレーキ
ホースを介してブレーキ液が供給されることにより、デ
ィスクロータ14側へ移動するピストン22が収容され
ている。また、シリンダボディー18には、ディスクロ
ータ14に対して平行にかつ互いに反対方向へ延出され
た一対の腕部24が形成されている。これらの腕部24
の先端部にはボルト26が螺入されることにより、スラ
イドピン28がそれぞれ固定されている。なお、スライ
ドピン28の軸線方向は、ディスクロータ14の面直交
方向とされている。これらのスライドピン28は、トル
クメンバ16に形成された一対のガイド孔内へ軸方向移
動可能にそれぞれ挿入されている。これにより、シリン
ダボディー18は、スライドピン28の軸線方向に沿っ
て移動可能に支持されている。さらに、シリンダボディ
ー18には略C字状のブリッジ部30が一体に形成され
ており、このブリッジ部30の端部(爪部)はディスク
ロータ14のアウタ側に位置されている。
【0018】上述したディスクキャリパ12内には、デ
ィスクロータ14を挟んで一対のブレーキパッド32が
配設されている。図1(A)〜(C)に示されるよう
に、ブレーキパッド32は、ピストン22によって押圧
される金属製の裏金34と、この裏金34におけるディ
スクロータ14側の面に固着される摩擦材36と、を含
んで構成されている。摩擦材36とディスクロータ14
との間には、所定のクリアランスが設定されている。ま
た、裏金34は摩擦材36よりも長手方向(ロータ回転
方向〔図3の矢印A方向〕)に長く形成されており、そ
の長手方向両端部にはトルクメンバ16のトルク受け部
に対向して配置されるトルク伝達部38が一体形成され
ている。
【0019】ここで、本実施例におけるブレーキパッド
32では、その裏金34が形状記憶合金によって製作さ
れている。従って、図1(C)に示される如く、摩擦材
36の表面温度が所定の高温域(200°C程度)にな
ると、裏金34はディスクロータ14側へ凸形状に変形
する構成である。
【0020】以下に、本実施例の作用を説明する。ブレ
ーキ非作動時においては、ブレーキ液が供給されないの
で、シリンダボディー18内の油室は縮小されている。
このため、インナ側及びアウタ側のブレーキパッド32
の摩擦材36は、共にディスクロータ14から離間して
いる。
【0021】この状態から、図示しないブレーキペダル
が操作されてブレーキ作動時になると、図示しないブレ
ーキホースを介して油入口20から油室内へブレーキ油
が供給される。このため、ピストン22が押圧されてデ
ィスクロータ14側へ移動する。従って、インナ側のブ
レーキパッド32の裏金34がピストン22によって押
圧されて、摩擦材36がディスクロータ14に圧接され
る。これにより、インナ側の摩擦材36とディスクロー
タ14との接触面に摩擦力が発生する。その一方で、ピ
ストン22の移動と同時に、シリンダボディー18自体
がディスクロータ14から離間する方向へ移動される。
このため、ブリッジ部30を介してその爪部がディスク
ロータ14側へ移動する。従って、アウタ側のブレーキ
パッド32の裏金34が押圧されてディスクロータ14
側へ移動し、摩擦材36がディスクロータ14に圧接さ
れる。これにより、アウタ側の摩擦材36とディスクロ
ータ14との接触面に摩擦力が発生する。
【0022】ここで、上記の一連の過程における摩擦材
36の性状について考察すると以下の如くとなる。図4
には横軸に摩擦材36の表面温度Tを取り、縦軸に摩擦
材36の摩擦係数μを取ったグラフが示されている。略
250°Cを境にして及びで示される領域が昇温過
程であり、及びで示される領域が降温過程である。
初期状態では、ブレーキパッド32は、平坦な形状にな
っている(図1(B)参照)。この状態から、摩擦材3
6の表面温度が上昇すると、本実施例のブレーキパッド
32では裏金34が形状記憶合金製とされているため、
略200°Cに達した時点で裏金34は元の凸形状に復
元される(図1(C)参照)。このため、裏金34に固
着されている摩擦材36もディスクロータ14に対して
凸形状となる。なお、の領域(昇温過程の低温域)で
は摩擦材36の摩擦係数μは小さく、の領域(昇温過
程の高温域)では摩擦材36の摩擦係数μは大きい。上
記の場合、摩擦材36のロータ回転方向側の中央部がデ
ィスクロータ14に圧接されるため、別言すれば摩擦材
36のロータ回転方向側の両端部がディスクロータ14
から強制的に離間されるため、スティックスリップ現象
は起こらず、この為ブレーキ鳴きも発生しない。
【0023】その後、降温過程になると、摩擦材36の
表面温度が低下していき裏金34との温度差が小さくな
るため、凸形状であった摩擦材36は徐々に平坦な形状
に復元しようとする。しかし、降温過程における高温域
(の領域)においては、摩擦材36の表面温度が20
0°C程度と高ければ、形状記憶合金製である裏金34
の性質によりブレーキパッド32は依然として凸形状を
保持する。このため、降温過程の高温域では摩擦材36
の摩擦係数は大きいにも拘わらず、摩擦材36の中央部
がディスクロータ14に圧接されることになるため、ス
ティックスリップ現象は起こらず、この為ブレーキ鳴き
も発生しない。なお、の領域(降温過程の低温域)で
は、摩擦材36の摩擦係数が小さいため、ブレーキ鳴き
は生じない。
【0024】このように本実施例では、裏金34を形状
記憶合金製として、所定の高温域(略200°C程度)
になるとディスクロータ14側へ凸形状となるように構
成したので、降温過程における高温域において摩擦材3
6のロータ回転方向側の両端部がディスクロータ14に
強く圧接されることによるスティックスリップ現象の発
生を防止することができ、ひいてはブレーキ鳴きの発生
を防止することができる。
【0025】また、本実施例では、昇温過程及び降温過
程のすべての温度領域でブレーキパッド32がディスク
ロータ14に対して凸接触状態となるので、ブレーキ作
動時にブレーキの効きダレ感やフェード現象が生じるの
を防止することができる。すなわち、高温域でブレーキ
を作動させると、制動後期に温度上昇に伴う摩擦材36
の原材料のガス化による摩擦面の圧力低下をきたし、ブ
レーキの効きダレ感が生じることがある。さらに、温度
上昇が急激な場合にはフェード現象が生じることがあ
る。しかし、本実施例によれば、昇温過程及び降温過程
のすべての温度領域でブレーキパッド32がディスクロ
ータ14に対して凸接触状態となるので、ガスが摩擦面
から抜け易くなり、ブレーキの効きダレ感やフェード現
象が発生するのを防止することができる。
【0026】なお、本実施例では、裏金34を形状記憶
合金製とすることでブレーキパッド32の摩擦材36を
降温過程の高温域で強制的に凸形状に変形させる構成を
採ったが、これに限らず、種々の構成を採ることが可能
であり、以下に説明する。
【0027】図5(A)、(B)に示されるブレーキパ
ッド40では、ロータ回転方向側の中央部に配置されか
つ高熱膨張係数の材料によって形成された第1摩擦部4
2A(実線包囲部)と、第1摩擦部42Aの外側に配置
されかつ低熱膨張係数の材料によって形成された第2摩
擦部42Bと、によって摩擦材42が構成されている。
なお、裏金44自体は、通常の板金が用いられている。
【0028】上記構成によれば、昇温過程の高温域及び
降温過程の高温域のいずれにおいても、第1摩擦部42
Aと第2摩擦部42Bとの熱膨張係数の差によって、第
1摩擦部42Aの方が第2摩擦材42Bよりも大きくデ
ィスクロータ14側へ膨出する。すなわち、ブレーキパ
ッド40は凸形状となる。このため、第1摩擦部42A
がディスクロータ14に圧接され、第2摩擦部42Bは
ディスクロータ14から強制的に離間される。従って、
この例においても、前述した実施例と同様にスティック
スリップ現象は起こらず、ブレーキ鳴きも生じない。ま
た、この例においても、前述した実施例と同様の理由
で、ブレーキの効きダレ感やフェード現象が発生するの
を防止することができる。さらに、この例によれば、摩
擦材42の第2摩擦部42Bが低熱膨張係数化されてお
り、裏金44の熱膨張係数との差が小さいため、超高温
時(400°C以上)における摩擦材42及び裏金44
間の熱応力が小さくなる。このため、摩擦材42の両端
部(第2摩擦部42B)に熱クラックが発生するのを抑
えることができる。
【0029】また、図6(A)、(B)に示されるブレ
ーキパッド46では、裏金48がバイメタル構造によっ
て構成されている。すなわち、摩擦材50が固着される
第1裏金48Aの熱膨張係数の方が、第1裏金48Aが
圧着される第2裏金48Bの熱膨張係数よりも高く設定
されている。さらに、この例では、摩擦材50における
ロータ回転方向側の中央部50Aがその周囲50Bより
も低摩擦係数の材料によって形成されている。このた
め、昇温過程及び降温過程のいずれにおいても、高温域
になると裏金48が凸形状に変形する。このため、摩擦
材50も凸形状に変形し、その中央部50Aがディスク
ロータ14に圧接され、周囲50Bはディスクロータ1
4から離間される。従って、この例においても、前述し
た実施例と同様にスティックスリップ現象は起こらず、
ブレーキ鳴きも生じない。なお、裏金48をバイメタル
構造にするだけでも、ブレーキ鳴きの発生を十分に防止
することが可能であるが、更にこの例では摩擦材50の
中央部50Aが低摩擦係数化されているため、この点に
おいてもより一層ブレーキ鳴きの発生を防止することが
できるというメリットがある。また、この例において
も、前述した実施例と同様の理由で、ブレーキの効きダ
レ感やフェード現象が発生するのを防止することができ
る。
【0030】なお、上述した図1に示される実施例で
は、裏金34を形状記憶合金製にする構成を採ったが、
これに限らず、摩擦材36を形状記憶合金製としてもよ
く、更には双方を形状記憶合金製にしてもよい。
【0031】また、図5に示される例では、摩擦材42
に高熱膨張係数部である第1摩擦部42Aと低熱膨張係
数部である第2摩擦部42Bとを設けたが、これに限ら
ず、裏金44に同様の配置区分で高熱膨張係数部と低熱
膨張係数部とを設ける構成にしてもよく、更には双方に
高熱膨張係数部と低熱膨張係数部とを設ける構成にして
もよい。
【0032】さらに、図6に示される例では、裏金48
をバイメタル構造としたが、これに限らず、摩擦材50
をバイメタル的な二層構造としてもよく、更には双方を
バイメタル構造としてもよい。
【0033】また、請求項1記載の本発明の特徴を、
「摩擦材及び裏金の少なくとも一方に熱膨張係数が小さ
い第1変形部(「第2摩擦部42B」、「周囲50B」
がこれに相当)と熱膨張係数が大きい第2変形部(第1
摩擦部42A」、「中央部50A」がこれに相当)とを
設け、第1変形部と第2変形部との熱膨張量の差によっ
て、降温過程における所定の高温域で摩擦材のロータ回
転方向側の両端部をディスクロータから離間させる方向
へ変形させる、」ことを特徴とした場合には、図5及び
図6に示されるブレーキパッド40、46に対応し、上
述したような作用、効果が得られる。
【0034】さらに、請求項1記載の本発明の特徴を、
「摩擦材及び裏金の少なくとも一方を形状記憶合金によ
って形成することで、降温過程における所定の高温域で
摩擦材のロータ回転方向側の両端部をディスクロータか
ら離間する方向へ変形させる、」ことを特徴とした場合
には、図1に示されるブレーキパッド32の構成に対応
し、実施例で説明したような作用、効果が得られる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るディス
クブレーキ装置用ブレーキパッドは、降温過程における
所定の高温域で、摩擦材及び裏金の少なくとも一方の熱
変形により、摩擦材のロータ回転方向側の両端部をディ
スクロータから離間する方向へ変形させる構成としたの
で、昇温時及び降温時のいずれにおいてもブレーキ鳴き
の発生を防止することができるという優れた効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本実施例に係るブレーキパッドをディ
スクロータ側から見た正面図であり、(B)は初期状態
におけるブレーキパッドの状態を示す平面図であり、
(C)は高温域におけるブレーキパッドの状態を示す平
面図である。
【図2】図1に示されるブレーキパッドを備えたディス
クブレーキ装置を示す斜視図である。
【図3】図2に示されるディスクキャリパを示す正面図
である。
【図4】本実施例の作用を説明するためのグラフであ
る。
【図5】変形例に係り、(A)はブレーキパッドのディ
スクロータ側から見た正面図であり、(B)は高温域に
おけるブレーキパッドの状態を示す平面図である。
【図6】別の変形例に係り、(A)はブレーキパッドの
ディスクロータ側から見た正面図であり、(B)は高温
域におけるブレーキパッドの状態を示す平面図である。
【図7】従来例に係るブレーキパッドの平面図である。
【図8】図7に示されるブレーキパッドの正面図であ
る。
【符号の説明】
10 ディスクブレーキ装置 14 ディスクロータ 32 ブレーキパッド 34 裏金 36 摩擦材 40 ブレーキパッド 42 摩擦材 44 裏金 46 ブレーキパッド 48 裏金 50 摩擦材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪と共に回転するディスクロータに対
    して接離可能に配置され、ディスクロータに対向状態で
    配置される摩擦材と、この摩擦材が固着され当該摩擦材
    をディスクロータに圧接させる裏金と、を含んで構成さ
    れるディスクブレーキ装置用ブレーキパッドであって、 降温過程における所定の高温域で、摩擦材及び裏金の少
    なくとも一方の熱変形により、摩擦材のロータ回転方向
    側の両端部をディスクロータから離間する方向へ変形さ
    せる、 ことを特徴とするディスクブレーキ装置用ブレーキパッ
    ド。
JP1827095A 1995-02-06 1995-02-06 ディスクブレーキ装置用ブレーキパッド Pending JPH08210398A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1767804A1 (en) * 2005-09-27 2007-03-28 C.R.F. Societa Consortile per Azioni Disk-brake device with shape memory damping means
WO2009142050A1 (ja) 2008-05-23 2009-11-26 花王株式会社 アルカリ剤含有粒子

Cited By (2)

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