JPH08208844A - ポリシランの製造方法 - Google Patents

ポリシランの製造方法

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JPH08208844A
JPH08208844A JP27838395A JP27838395A JPH08208844A JP H08208844 A JPH08208844 A JP H08208844A JP 27838395 A JP27838395 A JP 27838395A JP 27838395 A JP27838395 A JP 27838395A JP H08208844 A JPH08208844 A JP H08208844A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 ジオルガノジハロシランとアルカリ金属
とからポリシランを製造する方法において、このポリシ
ランの製造段階で副生した低分子量ポリシランをアルカ
リ金属と反応させて高分子量ポリシランに変換すること
を特徴とするポリシランの製造方法。 【効果】 本発明によれば、ポリシラン製造時に副生さ
れる環状あるいは鎖状のオリゴシランを含む低分子量ポ
リシランをアルコ−ルや水などと接触させることなく、
再度ジオルガノジハロシランと共にアルカリ金属と反応
せしめて、高分子量ポリシランに変換したことにより、
高分子量体を経済的に、かつ高収率で取得することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、従来のウルツ型縮
合法によるポリシランの製造方法を改良し、高分子量体
のポリシランを高収率で得ることができるポリシランの
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリシ
ランは、炭化ケイ素セラミックスの前駆体、フォトレジ
スト材料、光重合開始剤、光導電性材料、非線形光学材
料などに有用な化合物として注目され、特に可溶性のポ
リシランが発見(West,R.et al,J.A
m.Chem.Soc.1981,103,7352)
されて以後、ポリシランについてはその製造方法あるい
はその応用にと極めて多岐に亘って検討がなされてき
た。
【0003】従来、このポリシランの製造方法として
は、一般にジオルガノジハロシランとアルカリ金属との
脱塩縮合による方法が採用され、いわゆるウルツ型縮合
法として古くから知られている(Kipping,F
S.J.Chem.Soc.1921,119,83
0.,Burkhard,C.J.Am.Chem.S
oc.1949,71,963.)。
【0004】しかしながら、ウルツ型縮合法で製造され
るポリシランは一般的に収率が低く、特に成膜あるいは
紡糸などの成型過程での取り扱いや成型性の点から重要
視されている高分子量体については収率が極めて低い。
トルエンのような芳香族系溶媒あるいはエーテル系溶媒
中で反応を行った場合には、ポリシランの収率は向上す
るものの、分子量が低下して高分子量体の生成割合は芳
香族系溶媒中では20%、エーテル系溶媒中では殆んど
生成しない。一方、アルカン中で反応を行うことは、分
子量の増大をもたらし、かつその反応温度の上昇によっ
て収率も増大することが知られており、高分子量体を目
的とする場合に有効である。
【0005】例えばポリメチルフェニルシランの場合、
Trujillo(J.Organomet.Che
m.1980,198,C27)、あるいはTaylo
r(特開昭63−286433号公報、GB87−10
531)らはそれぞれ65%、57%の収率で得たと報
告されているが、再沈精製によって分散度の低いポリシ
ランとして取得すると、43%、35%程度しか得られ
ない。また、Zeigler(特表平1−503237
号公報、WO87−06234)らは溶媒との相対的溶
解度パラメータを調整することによって、高収率でポリ
シランを得る方法を開示しているが、これも高々45%
である。
【0006】このように、高分子量体の収率が低い理由
として、オルガノジハロシランとアルカリ金属とから製
造されるポリシランは高分子量体の他に環状あるいは鎖
状のオリゴシランや低分子量ポリシランの副生が避けら
れず、収率を低下させているためである。
【0007】このため、ポリシランの高分子量体を高収
率で得る方法が望まれる。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、高分子量ポリシランを高収率で取得できる実用的な
製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を行った
結果、ジオルガノジハロシランとアルカリ金属との反応
によってポリシランが生成される際に副生物として環状
あるいは鎖状のオリゴシランを含む低分子量ポリシラン
(以下、これらの副生物を低分子量体という)が生じる
が、これらの副生低分子量体が再度アルカリ金属と反応
してポリシランを得ることができることを知見した。
【0010】即ち、一般にアルカリ金属を用いるウルツ
型縮合法では、反応終了後の後処理過程におけるアルカ
リ金属に対する安全性を確保する目的、あるいはアルカ
リ金属イオンやハロゲンイオンの除去のためにアルコ−
ルや水などと接触させる操作が行われる。この操作によ
ってアルカリ金属は安全な状態となるが、同時に副生す
る低分子量体の末端に結合する塩素原子は加アルコ−ル
分解あるいは加水分解を受けてシラノ−ルやシロキサン
を生成し、もはやアルカリ金属との反応には関与しな
い。これらのシラノ−ルやシロキサンに変換された化合
物は副生物として新たな用途に利用されない限り、廃棄
されて製造コストの上昇をもたらすこととなる。
【0011】ところが、この低分子量体をアルコ−ルや
水との接触なしに再度ジオルガノジハロシランとアルカ
リ金属との反応に供した時、分子量が増大して最終的に
ジオルガノジハロシランのみから製造される高分子量ポ
リシランと同等のポリシランが取得できること、更にモ
ノマ−であるジオルガノジハロシランとともに反応に供
した時、ジオルガノジハロシランのみを用いた場合に製
造、取得される高分子量ポリシランの量よりも大幅に増
大した量の高分子量ポリシランが取得できることを知見
した。
【0012】またこの場合、上述したように、ジオルガ
ノジハロシランとアルカリ金属との反応によってポリシ
ランが生成され、併せて低分子量体が副生するが、生成
されたポリシランの高分子量体は一般に脂肪族炭化水素
系溶剤に溶解しにくく、反応後においては副生ハロゲン
化アルカリ金属と共に溶剤に不溶な形態で存在し、副生
低分子量体は溶剤可溶となっている。従ってジオルガノ
ジハロシランとアルカリ金属との反応混合物を濾過し、
得られた濾液にジオルガノジハロシランとアルカリ金属
とを加え、再度反応を行うことにより、高分子量ポリシ
ランを収率よく得ることができることを知見し、本発明
をなすに至った。
【0013】従って、本発明は、(1)ジオルガノジハ
ロシランとアルカリ金属とからポリシランを製造する方
法において、このポリシランの製造段階で副生した低分
子量ポリシランをアルカリ金属と反応させて高分子量ポ
リシランに変換することを特徴とするポリシランの製造
方法、(2)上記低分子量ポリシランをジオルガノジハ
ロシランと共にアルカリ金属と反応させる上記(1)の
製造方法、(3)ジオルガノジハロシランとアルカリ金
属とを脂肪族系炭化水素溶媒中で反応させ、得られた反
応混合物を濾過し、次いでその濾液にジオルガノジハロ
シランとアルカリ金属とを加えて反応させ、上記濾液中
の低分子量ポリシランを高分子量ポリシランに転換させ
ることを特徴とするポリシランの製造方法を提供する。
【0014】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明の製造方法に用いるジオルガノジハロシラン
としては、下記一般式(1)で示されるケイ素化合物又
は下記一般式(1)で示されるケイ素化合物と下記一般
式(2)で示されるケイ素化合物との混合物が好適に用
いられる。
【0015】
【化1】
【0016】但し、R1〜R4は水素原子又は炭素数1〜
18、好ましくは1〜12の非置換又は置換一価炭化水
素基を示し、互に同一でも異なっていてもよい。
【0017】ここで、一価炭化水素基としては、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル基、ビニ
ル、アリル等のアルケニル基、フェニル等のアリール
基、ベンジル等のアラルキル基などが挙げられる。
【0018】アルカリ金属としては、リチウム、ナトリ
ウム及びカリウムが用いられ、特にナトリウムが好まし
い。アルカリ金属の使用量はジオルガノジハロシランの
1〜1.5当量、より好ましくは1.05〜1.3当量
である。1当量より少ないと縮合剤としてのアルカリ金
属が不足して収率の低下を招くと同時に、低分子量体を
何回も循環再利用する過程で徐々に低分子量体が増加し
てアンバランスを生じるので好ましくない場合が生じ
る。また、1.5当量を越える使用は、収率向上や高分
子量化に有効に働かなくなるおそれがある。
【0019】溶媒としては、ジオルガノジハロシラン及
びアルカリ金属に対して安定であるヘキサン、オクタン
及びドデカン等の脂肪族系の炭化水素が好適である。ポ
リシランの高分子量体を溶解し易い芳香族系炭化水素や
エ−テル系の化合物は反応溶剤として有効であっても、
反応後の高分子量体と低分子量体の濾過による分離が困
難となるので好ましくない。
【0020】反応温度については、少なくともアルカリ
金属の融点の温度以上が好ましい。融点以下の温度でも
反応は進行するが、反応速度が小さく、反応完結に長時
間を要するので経済的に好ましくない。また、反応温度
は生成したポリシラン高分子量体の溶解度にも関係し、
生成するポリシラン高分子量体の分子量に影響を与え
る。即ち、温度が高い程溶解し得るポリシランの分子量
範囲が増大し、溶液状態としてアルカリ金属との反応に
関与して更に大きな分子量のポリシランへと変換され、
最早溶解し得ない高分子量範囲のポリシランが溶剤に不
溶な形態として反応系から排除される。このように、反
応終了後には溶剤に不溶となるポリシランの分子量は反
応温度の上昇に伴って増大する。このことから反応温度
の制御により取得されるポリシランの分子量を調整する
ことが可能となる。
【0021】反応時間については、少なくとも反応によ
る発熱が終了するまでの時間が必要である。反応は大き
な発熱を伴うので、発熱の終了を検知する方法として
は、溶剤の還流下に反応を行う場合には還流量の変化
を、また、溶剤の沸点以下の一定の温度に制御して行う
場合には、温度制御のヒ−タ−出力などによって可能で
ある。なお、反応時間の上限は2時間以内、特に1時間
以内が好ましい。2時間を超える反応時間はポリシラン
の収率、分子量共に殆ど増大せず、経済的でない。
【0022】反応雰囲気としては、水、空気等の接触を
避け、窒素雰囲気等の不活性雰囲気で行う。
【0023】以上のような条件で反応させることにより
得られた反応混合液は、次いで必要により冷却後、不活
性雰囲気中で適宜濾過層を通過せしめて、濾滓と濾液と
に分離する。この場合、反応混合液の冷却過程では所定
の反応温度において不溶となった高分子量体の他に、冷
却過程においてより低い分子量のポリシランが析出す
る。所定の反応温度で不溶となるような高分子量体のみ
を希望する場合は、この後の精製過程において、このよ
り低い分子量のポリシランは不要となって分離、廃棄さ
れることになるので好ましくない。従って、反応混合液
の濾過を反応温度と同等か、もしくはこれに近い温度で
行うとより低い分子量のポリシランは濾液側に溶液とし
て排除されるため、再度反応に供することができるので
より好ましい。また、精製過程における負荷も小さくな
るので、狭い分子量範囲の高分子量ポリシランを効率良
く製造する方法として有効である。なお、濾過は不活性
雰囲気中で行い、また濾液はアルコールや水は勿論、空
気との接触を避け、上記のように不活性雰囲気下で反応
を行うものである。
【0024】本発明は、このように分離された副生低分
子量ポリシラン、特に上記濾液にアルカリ金属とより好
ましくはジオルガノジハロシランとを加え、再度反応を
行う。この場合、反応混合液の濾過によって取得された
濾液は、そのまま反応に供することができる。その際の
反応方法として、(1)該濾液にアルカリ金属を所定量
投入後、所定温度まで昇温してからジオルガノジハロシ
ランを滴下する方法、(2)逆に、該濾液に所定量のジ
オルガノジハロシランを添加、昇温してから、アルカリ
金属を固体状または加熱、溶融した液体状で徐々に添加
していく方法などが採用される。さらに、(3)該濾液
とジオルガノジハロシランの混合物とアルカリ金属とを
当量ずつ連続的に反応層に供給し、逐次生成した反応液
を排出していく、いわゆる連続反応方法を採用すること
もできる。
【0025】ここで、加えられるジオルガノジハロシラ
ンは最初に用いたものと同じジオルガノジハロシランを
同量使用することができる。この際、最初の反応に使用
したジオルガノジハロシランの量に、濾液中に含まれる
低分子量物が加わるために反応液中に占めるケイ素化合
物の濃度は高くなるので、適宜希釈することは可能であ
る。しかしながら、反応生成物の混合液のうち、撹拌に
障害をもたらす成分は主として副生した食塩であるた
め、既に相当程度の脱塩縮合を終えている低分子量物が
系内に増加しても、撹拌及び反応に影響することはない
ので、通常希釈する必要はない。従って、濾液中に含有
する溶媒をそのまま用いることができる。即ち濾液にジ
オルガノジハロシランとアルカリ金属を加えて反応せし
めるだけで良く、新たに溶媒を追加する必要はない。通
常、用いる溶媒の量はジオルガノジハロシランの1モル
に対して300ml以上、好ましくは500ml以上使
用することが望ましい。更に、アルカリ金属の添加量
は、濾液中の低分子量体と加えたジオルガノジハロシラ
ンとの総量に対し1〜1.5当量であることが好まし
い。また、この場合の反応条件は上述した反応条件と同
じでよい。なお、本発明においては、以上のような操作
を繰り返し行うことができる。
【0026】ここで、本発明においては、重量平均分子
量が100,000より小さい低分子量体を、この使用
した低分子量体より大きい重量平均分子量の高分子量ポ
リシラン、特には、重量平均分子量が100,000以
上の高分子量ポリシランに変換することができる。好ま
しくは、重量平均分子量が50,000より小さい低分
子量体を、この使用した低分子量体より大きい重量平均
分子量の高分子量ポリシラン、特には重量平均分子量が
50,000以上、特に100,000以上の高分子量
ポリシランに変換することができる。更に好ましくは、
重量平均分子量が30,000以下、特に20,000
以下、とりわけ10,000以下の低分子量体を重量平
均分子量50,000以上、特には、100,000以
上の高分子量ポリシランに変換できる。
【0027】上記反応混合物を濾過することにより得ら
れた濾滓はアルコ−ルあるいは水との接触によって残存
アルカリ金属の処理とハロゲン化アルカリ金属の溶解除
去を行ってポリシラン高分子量体の粗製物を取得し、更
に精製する。精製方法は既に種々の文献や特許等で公知
となっており、例えば代表的な方法としては、ポリシラ
ンをその親溶媒に溶解させ、次いでポリシランの貧溶媒
を加えてポリシランを固化する、いわゆる再結晶あるい
は再沈殿と呼ばれる方法が好適である。
【0028】本発明により取得されるポリシランは、上
記式(1)、(2)のジオルガノジハロシランを用いた
場合、下記一般式(3)で示されるものとなる。
【0029】
【化2】 (但し、R1〜R4は前記と同様である。また、nは1以
上の整数、mは0以上の整数で、n+m≧10であ
る。)
【0030】ここで、従来から知られているポリシラン
の製造方法による収率は種々記載されているが、これら
の収率の数値は非常に広い分子量範囲のポリシランを対
象としており、実際に重量平均分子量が約100,00
0、あるいはそれ以上の分子量範囲の高分子量体を得よ
うとすると、精製することによって、結果的に大幅な収
率低下をもたらす。これに対して、本発明により取得さ
れるポリシラン高分子量体は分子量分布が狭く、かつ平
均分子量約100,000、あるいはそれ以上の高分子
量のポリシランが容易に高収率で取得できるという特徴
を有する。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、ポリシラン製造時に副
生される環状あるいは鎖状のオリゴシランを含む低分子
量ポリシランをアルコ−ルや水などと接触させることな
く、再度ジオルガノジハロシランと共にアルカリ金属と
反応せしめて、高分子量ポリシランに変換したことによ
り、高分子量体を経済的に、かつ高収率で取得すること
ができる。
【0032】
【実施例】以下、参考例及び実施例、比較例を示し本発
明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定
されるものではない。
【0033】[参考例1]300mlの四つ口丸底セパ
ラブルフラスコに撹拌器、ジムロ−ト冷却管、温度計、
50mlの滴下ロ−トを備え、器内に乾燥窒素を通気さ
せて一晩放置した。器内に金属ナトリウム5.06g
(0.22mol)と乾燥したドデカン140mlを仕
込み、油浴上にて190℃に加熱した。一方滴下ロ−ト
にはフェニルメチルジクロロシラン19.1g(0.1
mol)を入れ、フラスコ内を190℃に保ちながら1
5分かけて徐々に滴下した。滴下終了後、更に45分
間、190℃の温度を維持し、冷却後、反応を終了し
た。次いで窒素気流下、ガラスフィルターで濾過を行
い、10mlのドデカンで洗浄して濾滓並びに濾液を得
た。濾滓はn−オクタンで更に充分に洗浄を行い、更に
メタノ−ル、次いで水で洗浄して乾燥後、8.6gの粗
製物を得た(収率71%)。このポリシラン粗製物のG
PC測定を行った結果、重量平均分子量は138,00
0であった。この粗製物を260mlのトルエンに溶解
し、分液ロ−トにて3回水洗し、硫酸マグネシウムで乾
燥後、濾過を行った。次いで、マグネティックスタ−ラ
−で撹拌下にアセトン500mlを徐々に添加して再沈
殿を行い、濾取、乾燥により5.2gの精製ポリシラン
を得た(収率43%、重量平均分子量198,00
0)。
【0034】[比較例1]参考例1で得られた濾液は二
分割し、一方を分液ロ−トで水洗を3回繰り返し行い、
無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。この溶液中には
低分子量のオリゴシランが含有されていることがGPC
測定の結果、判明した(図1の反応前のクロマトグラム
参照)。
【0035】この低分子量物を含有するドデカン溶液に
金属ナトリウム0.5gを添加し、190℃に昇温して
4.5時間維持した。前記と同様に処理し、GPCを測
定した結果、反応前のクロマトグラムと全く同等で分子
量の増大の兆候は認められなかった(図1参照)。
【0036】[実施例1]比較例1で得られた濾液の他
方は何の処理も施さず、また窒素雰囲気下に保持して金
属ナトリウム0.5gを添加、190℃で3時間維持
し、GPC測定を行った結果、図2で示すように分子量
の明らかな増大が認められた。
【0037】[実施例2〜6]参考例1と同様にポリシ
ラン合成を行い、濾過により濾滓及び濾液をそれぞれ取
得した。濾滓は参考例1と同様に処理した(参考例
2)。
【0038】次に、得られた濾液を新たにフラスコに仕
込み、金属ナトリウム5.06gを添加して190℃に
昇温した。滴下ロ−トにフェニルメチルジクロロシラン
19.1gを入れ、フラスコ内を190℃に保ちながら
15分かけて徐々に滴下した。滴下終了後、更に45分
間、190℃の温度を維持し、冷却後、反応を終了し
た。濾滓は参考例1と同様に処理した(実施例2)。濾
液は再使用のため、次の反応に供した。以下、同様に4
回の反応を繰り返し行った(実施例3〜6)。
【0039】また、各粗製物はトルエンに10重量%と
なるように溶解後、使用したトルエンの2倍容量のアセ
トンを添加して再沈精製を行った。これらの結果を表1
に示した。
【0040】
【表1】
【0041】合計5回の反応に使用したフェニルメチル
ジクロロシランの量は95.5gであり、これを基準に
5回の粗製物及び精製物の収率の計算を行うと、粗製物
収率は89.5%、精製物収率は51.7%であり、収
率の向上が確認された。実施例2の粗製物並びに精製物
のGPCチャートを図3に示した。
【0042】[実施例7〜9]参考例1と同様にポリシ
ラン合成を行った(参考例3)。得られた濾液並びにフ
ェニルメチルジクロロシラン19.1gをフラスコに仕
込み、190℃に昇温した。金属ナトリウムのディスパ
−ジョン(アルドリッチ社製、40%軽油分散)の1
2.65gを10分かけて徐々に添加し、その後45分
間190℃を維持して反応を終了させた(実施例7)。
以下、得られた濾液を用いて同様に2回の反応を繰り返
した。これらの結果を表2に示した。
【0043】
【表2】
【0044】合計3回の反応に使用したフェニルメチル
ジクロロシランの量は57.3gであり、これを基準に
3回の粗製物及び精製物の収率の計算を行うと、粗製物
収率は89.4%、精製物収率は50.8%であり、収
率の向上が確認された。
【0045】[実施例10〜12]参考例1と同様にポ
リシラン合成を行った。反応終了後、反応液を冷却せず
に密閉系のガラスフィルターで直ちに濾過を行った。濾
滓は参考例1と同様に処理した(参考例4)。
【0046】得られた濾液並びにフェニルメチルジクロ
ロシラン19.1gをフラスコに仕込み、190℃に昇
温した。次いで、実施例7と同様に反応を行った。以
下、同様に2回の反応を繰り返した。これらの結果を表
3に示した。
【0047】
【表3】
【0048】合計3回の反応に使用したフェニルメチル
ジクロロシランの量は57.3gであり、これを基準に
3回の粗製物及び精製物の収率の計算を行うと、粗製物
収率は75.2%、精製物収率は68.6%であった。
熱時の濾過によって低分子量体の再利用の比率が大きく
なったため、ポリシランの収率は大幅に向上したことが
確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】比較例1の後処理済み低分子量物を用いた反応
生成物のGPCチャ−トである。
【図2】実施例1の未処理低分子量物を用いた反応生成
物のGPCチャ−トである。
【図3】実施例2で得られた粗ポリシランのGPCチャ
−トである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジオルガノジハロシランとアルカリ金属
    とからポリシランを製造する方法において、このポリシ
    ランの製造段階で副生した低分子量ポリシランをアルカ
    リ金属と反応させて高分子量ポリシランに変換すること
    を特徴とするポリシランの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記低分子量ポリシランをジオルガノジ
    ハロシランと共にアルカリ金属と反応させる請求項1記
    載の製造方法。
  3. 【請求項3】 ジオルガノジハロシランとアルカリ金属
    とを脂肪族系炭化水素溶媒中で反応させ、得られた反応
    混合物を濾過し、次いでその濾液にジオルガノジハロシ
    ランとアルカリ金属とを加えて反応させ、上記濾液中の
    低分子量ポリシランを高分子量ポリシランに転換させる
    ことを特徴とするポリシランの製造方法。
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