JP2650524B2 - ポリシラン類及びその製造方法 - Google Patents

ポリシラン類及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐光分解性に優れ、有
機光導電性材料等として好適な新規なポリシラン類及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
ポリシラン類としては下記一般式(4)で示される鎖状
のホモポリーや、下記一般式(5)で示されるコポリマ
−が下記の文献等に報告されている。
【0003】
【化4】 (但し、式中R5,R6はそれぞれアルキル基、アリ−ル
基又はアラルキル基であり、また、式中R7,R8の少な
くとも一つはR5,R6と異なるアルキル基、アリール基
又はアラルキル基である。)
【0004】報告文献: (1)ジャーナル・オブ・オルガノメタリック・ケミス
トリー(J.Organomet.Chem.),30
(1986)327,R.West; (2)ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・ポリ
マー・ケミストリー・エディション(J.Polym.
Sci.,Polym.Chem.Ed.),17(1
979)2833,J.P.Wesson; (3)アメリカン・セラミック・ソサエティー・オブ・
ブリテン(Am.Ceram.Soc.Bull.),
62(1983)825,R.West; (4)ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・ポリ
マー・ケミストリー・エディション(J.Polym,
Sci.,Polym.Chem.Ed).,21(1
983)819,P.Trefonas III; (5)ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・ポリ
マ・ケミストリー・エディション(J.Polym,S
ci.,Polym.Chem.Ed.),22(19
84)159; (6)ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・ポリ
マー・ケミストリー・エディション(J.Polym,
Sci.,Polym.Chem.Ed.),22(1
984)225; しかしながら、上記ポリシラン類はいずれもその耐光分
解性が十分満足できるものとは言い難かった。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、上
記事情に鑑み、ポリシラン類の耐光分解性の向上を目的
として鋭意検討を重ねた結果、下記一般式(2)及び
(3)で示される2種類のジハロゲノシラン類(ジオル
ガノジハロゲノシラン及びカルバゾイル基含有ジハロゲ
ノシラン)を不活性溶媒中、アルカリ金属と反応させる
ことにより、置換基として紫外線吸収効果を有するカル
バゾイル基を含有する下記一般式(1)で示される新規
なポリシラン類が得られ、このポリシラン類は耐光分解
性に優れ、有機光導電性材料等として好適であることを
知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0006】
【化5】 (但し、式中R,R,R,Rはそれぞれ水素原
子又は一価の炭化水素基であるが、R,Rの少なく
とも1つは下記式で示されるカルバゾイル基を含有する
一価炭化水素基である。また、k,m,nは0≦k≦
1,0<m≦1,k+m=1,n≧6である。Xはハロ
ゲン原子である。以下同様。)
【0007】
【化6】 以下、本発明につき更に詳細に説明すると、本発明の新
規なポリシラン類は下記一般式(1)で示されるもので
ある。
【0008】
【化7】 ここで、(1)式中R1,R2はそれぞれ水素原子又は一
価炭化水素基であり、一価炭化水素基としては炭素数1
〜12のものが好適に使用され、例えばアルキル基、ア
リール基、アラルキル基等が挙げられる。また、R3
4もアルキル基、アリール基、アラルキル基が挙げら
れ、そのうちの少なくとも1つはカルバゾイル基を含有
する一価炭化水素基である。このカルバゾイル基を含有
する炭化水素残基は、特に下記一般式(6)であること
が好ましい。
【0009】
【化8】 (6)式のカルバゾイル基含有炭化水素残基として具体
的には、N−カルバゾイルプロピル基、N−カルバゾイ
ルエチル基等が例示されるまた、k,m,nは0≦k≦
1,0<m≦1,k+m=1,n≧6である。
【0010】本発明の(1)式のポリシラン類は、下記
一般式(2)で示されるジオルガノジハロゲノシラン及
び下記一般式(3)式で示されるカルバゾイル基含有ジ
ハロゲノシランを不活性溶媒中、アルカリ金属と反応さ
せることにより製造することができる。
【0011】
【化9】 ここで、出発原料の(3)式のカルバゾイル基を含有す
るジハロゲノシランは、例えばN−アルケニルカルバゾ
−ルと(オルガノ)ジハロゲノヒドロシランとをモル比
1〜1.5の割合で混合し、付加反応させることにより
合成することができる。この場合、付加反応は塩化白金
酸等の付加反応触媒の存在下で行うことが好ましく、そ
の反応条件は特に制限されないが30〜110℃で1〜
4時間とすることが望ましい。反応終了後は、活性炭処
理して濃縮することにより、目的とするカルバゾイル基
含有ジハロゲノシランを得ることができる。
【0012】上記式(2)、(3)のジハロゲノシラン
類の反応に用いられるアルカリ金属しては、例えばリチ
ウム、カリウム、カリウムナトリウム合金、ナトリウム
等を用いることができるが、中でもナトリウムが好まし
く用いられる。このアルカリ金属の添加量は、(2)及
び(3)式のジハロゲノシラン類の合計使用量1モルに
対して2〜3モル、特に2〜2.1モルとすることが好
ましく、添加量が2モルに満たないと反応が十分に進ま
ない場合がある。
【0013】また、不活性溶媒として具体的には、トル
エン、キシレンなどの芳香族系炭化水素や、デカン、ド
デカン、テトラリンなどの脂肪族系炭化水素が好適に使
用され、その使用量は(2)及び(3)式のジハロゲノ
シラン類の合計使用量に対して1〜10倍量、特に2〜
5倍量とすることが望ましい。
【0014】上記(2)及び(3)式のジハロゲノシラ
ン類とアルカリ金属との反応条件は適宜調整できるが、
100℃以上の温度条件下で1〜6時間行うことが望ま
しい。
【0015】而して、本発明の製造方法では、不活性溶
媒にアルカリ金属を添加し、加熱、攪拌を行った後、
(2)及び(3)式のジハロゲノシラン類の混合物を滴
下すると反応は発熱的に進行し、アルカリ金属が消費さ
れたところで反応が終了するものである。反応終了後
は、過剰のアルカリ金属をアルコ−ルで失活させた後、
加水分解し、有機層を取り出して濃縮後、トルエン/ア
セトン等の混合有機溶媒から再沈澱を行うことにより、
分子量10000〜1000000の(1)式のカルバ
ゾイル基含有ポリシラン類を得ることができる。
【0016】
【発明の効果】本発明の(1)式のポリシラン類は、カ
ルバゾイル基を含有することにより、優れた耐光分解性
を有するもので、有機光導電性材料などとして有用であ
る。また、本発明の製造方法によれば、上記(1)式の
ポリシラン類を工業的に有利に製造することができる。
【0017】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。なお、下記例においてMeはメチル基、P
hはフェニル基、CzはN−カルバゾイル基である。
【0018】〔実施例1〕N−アリルカルバゾ−ル3
1.8gをトルエン150gに溶解し、フラスコに収め
た後、塩化白金酸を触媒量添加し、溶液を70〜80℃
に保った。これにメチルヒドロジクロロシラン20.0
gをゆっくり液中滴下により加えた。更に原料が消失す
るまで4時間攪拌を行い、反応を終了させた。次に、反
応溶液を室温に戻し、活性炭処理を行なって濃縮したと
ころ、90%以上の収率でN−カルバゾイル−3−プロ
ピルメチルジクロロシラン(以下、CzMeDCSと略
す)を淡橙色固体として得た。
【0019】次いで、四つ口フラスコにナトリウム1.
5g、キシレン20gを収め、加熱攪拌し、ナトリウム
ディスパ−ジョンを形成させた。更に、反応温度を13
8℃とし、CzMeDCS1.60g(5.0mmo
l)、フェニルメチルジクロロシラン4.78g(2
5.0mmol)及びキシレン5gの溶液を約5分間で
滴下した。反応は発熱的に進行し、紫色に呈色した。加
熱攪拌6時間後、ナトリウムはほぼ消失し、反応溶液を
室温に戻して反応を終了させた。反応終了後、後処理と
して約5mlのメタノ−ルを添加した後、数回水洗を行
ない、有機層を取り出して濃縮後、トルエン/アセトン
系より分別沈澱を行ったところ、表1に示すポリシラン
を得た。
【0020】また、IR分析を行ったところ、得られた
ポリシランの組成は仕込量にほぼ依存し、下記式で示さ
れるものであった。
【0021】
【化10】
【0022】
【表1】
【0023】〔実施例2〕ナトリウム2.76g、キシ
レン20gをフラスコに収め、実施例1と同様の条件
下、CzMeDCS1.60g、フェニルメチルジクロ
ロシラン9.55g及びキシレン5gの溶液を約5分間
で滴下した。6時間反応させた後、実施例1と同様の後
処理を行ったところ、表2に示すポリシランを得た。
【0024】また、得られたポリシランの組成は仕込量
にほぼ依存し、下記式で示されるものであった。
【0025】
【化11】
【0026】
【表2】
【0027】〔実施例3〕ナトリウム0.94g、キシ
レン20gをフラスコに収め、実施例1と同様の条件
下、CzMeDCS3.2g、フェニルメチルジクロロ
シラン1.91g及びキシレン10gの溶液を約5分間
で滴下した。6時間反応させた後、実施例1と同様の後
処理を行ったところ、表3に示すポリシランを得た。
【0028】また、得られたポリシランの組成は仕込量
にほぼ依存し、下記式で示されるものであった。
【0029】
【化12】
【0030】
【0031】
【表3】
【0032】耐光分解性試験1:石英板上に実施例1〜
3で得られたポリシランを1μmに製膜し、大気中にお
いて紫外線(312nm)を照射し、紫外線吸収スペク
トルを用いて分解の様子を調べた。更に、比較のため
(MePhSi)nについても同様な試験を行った。紫
外線吸収スペクトルのチャ−トを図1に示すと共に、紫
外線照射量と334nmにおけるポリシランの紫外線吸
収度との関係を示すグラフを図3に示す。
【0033】図1及び図3の結果より、カルバゾイル基
含有ポリシランは耐光分解性が良好であることがわかっ
た。
【0034】耐光分解性試験2:ケイ素板上に実施例1
〜3で得られたポリシランを8μmに製膜し、大気中に
おいて紫外線(312nm)を照射し、赤外線吸収スペ
クトルを用いて分解の様子を調べた。更に、比較のため
(MePhSi)nについても同様な試験を行った。赤
外線吸収スペクトルのチャ−トを図2に示すと共に、紫
外線照射量とポリシラン中での増加シロキサン量との関
係を示すグラフを図4に示す。
【0035】図2及び4の結果より、カルバゾイル基含
有ポリシランは耐光分解性が良好であることがわかっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】耐光分解性試験1において紫外線を照射したポ
リシランの紫外線吸収スペクトルを示すチャ−トであ
る。
【図2】耐光分解性試験2において紫外線を照射したポ
リシランの赤外線吸収スペクトルを示すチャ−トであ
る。
【図3】耐光分解性試験1においてポリシランに照射し
た紫外線照射量と334nmにおけるポリシランの紫外
線吸収度との関係を示すグラフである。
【図4】耐光分解性試験2においてポリシランに照射し
た紫外線照射量とポリシラン中での増加シロキサン量と
の関係を示すグラフである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示されるポリシラン
    類。 【化1】 (但し、式中R1,R2,R3,R4はそれぞれ水素原子又
    は一価の炭化水素基であるが、R3,R4の少なくとも1
    つは下記式で示されるカルバゾイル基を含有する一価炭
    化水素基である。また、k,m,nは0≦k≦1,0<
    m≦1,k+m=1,n≧6である。) 【化2】
  2. 【請求項2】下記−般式(2)で示されるジオルガノハ
    ロゲノシランと下記一般式(3)で示されるカルバゾイ
    ル基含有ジハロゲノシランとを不活性溶媒中、アルカリ
    金属と反応させることを特徴とする請求項1記載のポリ
    シラン類の製造方法。 【化3】 RSiX ・・・・(2) RSiX ・・・・(3) (但し、式中R,R,R,Rはそれぞれ水素原
    子又は一価炭化水素基であるが、R,Rの少なくと
    も1つはカルバゾイル基を含有する一価炭化水素基であ
    る。Xはハロゲン原子である。)
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