JPH08207462A - 熱転写記録方法及び熱転写記録媒体 - Google Patents

熱転写記録方法及び熱転写記録媒体

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JPH08207462A
JPH08207462A JP7239238A JP23923895A JPH08207462A JP H08207462 A JPH08207462 A JP H08207462A JP 7239238 A JP7239238 A JP 7239238A JP 23923895 A JP23923895 A JP 23923895A JP H08207462 A JPH08207462 A JP H08207462A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ライン型端面サーマルヘッドを用いて良質の
記録が行なえ、また長時間の放置(非印字下)でも熱転
写層が被記録体に圧接転写されることのない、熱転写記
録方法及び熱転写記録媒体を提供する。 【解決手段】 (1)熱転写記録媒体の巻き取り力を熱
転写層の剥離時における剪断強度と剥離強度の双方より
大きくして熱転写記録を行う。 (2)支持体に熱転写層を設けた熱転写記録媒体におい
て、熱転写層の剪断強度、剥離強度、被記録体との密着
力などを特定の値以上又は以下にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱転写記録方法及び
熱転写記録媒体(特に熱時剥離タイプの熱転写記録媒
体)に関する。
【0002】
【従来の技術】熱を記録エネルギーとし、普通紙とイン
クリボン(熱転写記録媒体)とを用いる熱転写記録方法
は、コントラストのすぐれた記録が得られることから広
く採用されている。この熱転写記録における記録部は、
サーマルヘッド、プラテン、インクリボン(熱転写記録
媒体)および被転写体(普通紙)より成り立っている。
サーマルヘッド(TPH)とプラテンとの間には適当な
静圧力が加えられている。最終出力となる普通紙はイン
クリボンと重ねた状態で、サーマルヘッドとプラテンと
の間に挟持されている。サーマルヘッドは記録信号を熱
に変換する発熱抵抗体と信号ライン用ラッチ及びドライ
バを集積化したLSIとをセラミック板上にハイブリッ
ド集積したものからなっている。
【0003】一般に、熱転写記録方法の実施には、シリ
アル型プリンタ、ライン型プリンタのいずれかが利用さ
れている。シリアル型プリンタは図1に示したように、
サーマルヘッドを被記録体の搬送方向と直角になるよう
に走査しながら少なくとも一行の印字を行なった後、印
字した行数分だけ被記録体を送り、また次行を印字する
方式が採用され、このタイプのプリンタの場合、印字し
ないで待機している間は常にインクリボンとサーマルヘ
ッドは被記録体から離れている。ただし、このシリアル
型プリンタでは紙送り精度が高くないと良好な印刷が行
なわれない欠点がある。
【0004】これに対して、ライン型プリンタは、図2
に示したように、印字する幅と同じかまたは印字幅より
も幅が広いサーマルヘッドとプラテンローラとの間に、
印字幅と同じかまたは印字幅よりも幅広い熱転写記録媒
体と被記録体を挟み、サーマルヘッドで印字幅分を1ド
ット長さだけ印字した後、1ドットだけ熱転写記録媒体
と被記録体を送り、また次の印字を行うタイプのプリン
タである。このタイプのプリンタの場合、印字しないで
待機している間も、常に熱転写記録媒体及び被記録体は
サーマルヘッドとプラテンロールとの間に圧接されてい
る。従って、紙送り精度は高く良質の印刷物が得られる
ため、最近ではライン型プリンタの使用が高まってきて
いる。
【0005】ところで、現在使用されているサーマルヘ
ッドの一つに、図3(a)に示したような、ヘッドの基
板の端面から約3〜10mm内側の平面部分に発熱体が
形成されたものがある。このものは、図3(b)に示し
たように、熱転写記録媒体30及び被記録体8を、サー
マルヘッド40とプラテンローラ50との間の面接触で
圧接させているが、この方法によったのでは熱転写記録
媒体30と被記録体8が接し記録後それらが離れるまで
の距離(より正確にいえば、熱転写記録媒体30と被記
録体8が接した状態で送られ、サーマルヘッド40の発
熱エレメント部401で記録が行なわれた後、熱転写記
録媒体30と被記録体8とは分離されるが、その際の発
熱エレメント部401から前記分離されるまでの距離)
Aは、一般にA=3〜15mmと長いので、サーマルヘ
ッドにより一旦溶融した熱転写層中のインクが被記録体
に転写する前に冷えて、インクの溶融状態が変化し、そ
の結果、鮮明な記録画像が得られにくい傾向がある。即
ち、一旦溶融したインクの内部温度は、距離Aを移動す
る間に降温し、インクが転写される時点では、その雰囲
気温度近傍になることさえある。そうなると、インクは
内部凝集力の高いものが多いので、転写が難しくなり、
いわゆる画像の虫喰いとか欠け(ボイド)が発生する
等、画像品質が低く、解像性も満足できるものではなか
った。
【0006】こうした不都合を解消するものとして、近
時は、図4(a)及び(b)に示したように、ライン型
端面サーマルヘッド20を用いたプリンタによる熱転写
記録が行われるようになってきている。ライン型端面サ
ーマルヘッドは、図4(a)に示すように、距離Aが約
80〜300μm、好ましくは約150〜250μmと
平面型に比べてはるかに短いため、一旦溶融したインク
は高温状態を維持したまま転写するので虫喰いとか欠け
が発生しにくい利点がある。さらに、インクの高温溶融
状態の画像部と非溶融状態の非画像部とでは、その境界
で温度差がはっきりわかれているので、境界において溶
融インクの剪断が容易でいわゆるエッジの切れの良い、
解像性の高い画像が得られやすいと考えられている。
【0007】しかしながら、ライン型端面ヘッドを用い
た場合、溶融インクの転写不良が発生するという新たな
問題が出てきた。本発明者等の解析によると、次のよう
なことが原因と考えられる。サーマルヘッドによりイン
クが溶融した後すぐ、熱転写記録媒体は巻き取り方向に
引っぱられる。ライン型プリンタに用いるサーマルヘッ
ドの長さは、現時点で約5〜26cmであり(今後はよ
り長いものが出てくると思われる)、用いられる記録媒
体の幅もそれに相応したものである。このような幅があ
るため、端面サーマルヘッドの場合、インクリボンはサ
ーマルヘッドと線接触しているので、引っぱられるとそ
の時点で記録媒体の幅方向のテンションにバラツキが発
生する。このテンションのバラツキはサーマルヘッドの
長さが長いほど起きやすい。また、このテンションのバ
ラツキは、インクが転写される時の溶融インクの温度に
バラツキを生じ、それが画像の転写不良になって表われ
てくるものと考えられる。即ち、インクが全く転写しな
かったり、転写ムラが発生したり、さらに低速から高速
の広範囲の速さで印字しようとすると、印字のスタート
部分で転写不良を生じてしまう。さらに、ライン型端面
サーマルヘッドを用いる場合の他の問題を説明する。
【0008】ライン型端面サーマルヘッド20による熱
転写記録では、熱転写記録媒体30及び被記録体8が発
熱エレメント部201の線接触で圧接されることにな
り、勢い、熱転写記録媒体30を圧接する力が強くな
る。従って、ライン型サーマルヘッド20を用い、これ
をプラテンローラ50との間に熱転写記録媒体30及び
被記録体8を挾持させた状態で長時間放置すると、熱転
写記録媒体の熱転写層が被転写体に圧接転写されるとい
う新たな不都合が生じる。ライン型端面サーマルヘッド
搭載のプリンタ自体はつい最近になって提案されたもの
であるため、これらの問題が認識され、かつ、その解決
手段が提案された事実はいまだ知られていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような問題を解決することであり、即ち、本発明の第
一の目的は、ライン型端面サーマルヘッド搭載のプリン
タを用いた場合に発生するインクの転写不良を解決する
ための、熱転写記録方法及び熱転写記録媒体を提供する
ものである。本発明の第二の目的は、ライン型端面サー
マルヘッド搭載のプリンタを用いた場合に発生するイン
クの圧接転写を解決するための、熱転写記録方法及び熱
転写記録媒体を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、プリンタ
が駆動される際に記録媒体にかかる力と記録媒体自体が
持つ種々の強度との関係を解析し、解決手段をさぐり検
討を重ねた結果、解決手段として次のような方法が最適
であるとの認識にたち、本発明に至った。即ち、本発明
は、支持体上に熱転写層を設けた熱転写記録媒体と被記
録体とを、ライン型端面サーマルヘッド−プラテンロー
ラ間に挾持し、該サーマルヘッドによる熱印加により該
熱転写層を該被記録体に画像状に転写し、その転写後の
該熱転写記録媒体を巻き取るようにした熱転写記録方法
において、該熱転写記録媒体の巻き取り力を該熱転写層
の70℃での剪断強度と剥離強度のいずれより大きくし
て記録を行なうことを特徴とするものである。このよう
な方法でプリンタを駆動すると、記録される画像の転写
不良が防止できる上に、圧接転写の防止にも効果的であ
る。70℃とは、熱転写層の剥離時における通常の温度
である。図4(b)は、巻き取り張力f1が転写層の剥
離強度f2と剪断強度f3の双方より大きいと、転写層が
サーマルヘッドを通過した時点で溶融インキが転写不良
もなく、転写することを示している。
【0011】また本発明は、支持体上に熱転写層を設け
た熱転写記録媒体において、記録転写層の25℃の剪断
強度が200g/cm以上であることを特徴とするもの
である。
【0012】
【発明の実施の態様】本発明の方法では、前記のとお
り、熱転写記録媒体における熱転写層の剥離時の剪断強
度と剥離強度のいずれよりも熱転写記録媒体の巻き取り
力を大きくすることによって、熱転写層が被記録体へ転
写されるタイミングが常時一定にでき熱転写のバラツキ
が極力押さえられえるようになる。また、熱転写層とし
て高凝集力インクが用いられた場合、記録時の熱転写層
の剥離のタイミングが熱ヘッドの方向にずれてしまって
転写不良の生じることがあるが、これに対しても、熱転
写層の剥離時の剪断強度と剥離強度のいずれよりも熱転
写記録媒体の巻き取り力を大きくすることで、前記タイ
ミングがずれたり、ばらついたりすることなく、安定し
た鮮明な画像を被記録体上に形成することができるよう
になる。
【0013】この場合、次の条件を加えれば、これらの
課題解決はより好ましいものになる。なお、条件4は圧
接転写の防止に特に有効である。 (1)プラテンローラ駆動前から、熱転写記録媒体の巻
き取り張力を熱転写層の剥離時における剪断強度と剥離
強度の双方より大きくすること、(2)剪断強度と剥離
強度の和が、サーマルヘッドとプラテンローラ間に挟持
した時の熱転写層と被記録体との密着力よりも大きいこ
と、(3)熱転写記録媒体の巻き取り張力が40g/c
m以上であこと、(4)サーマルヘッドとプラテンロー
ラ間の圧接力が50〜250g/cm2であること。
【0014】本発明者らは、さらに前記の問題の熱転写
記録媒体自体を改良することにより解決することを試
み、その結果、熱転写記録媒体の熱転写層の剪断強度の
値を特定範囲にすることが最良の結果になることを確認
し、本発明をなすに至った。即ち既述のとおり、本発明
の熱転写記録媒体は、支持体上に熱転写層を設けてな
り、その熱転写層の25℃における剪断強度が200g
/cm以上であることを特徴とするものである。この熱
転写記録媒体においては、更に熱転写層の25℃での
剥離強度が250g/cm以上であること、熱転写層
は平滑度2400秒±150秒の被転写体との密着力が
25℃のとき0.5g/cm以下であること、及び/又
は熱転写層の70℃での剥離強度が40g/cm未満
であることが、前述の課題解決のために特に望ましい。
【0015】更に、前記本発明の熱転写記録体は、支持
体上に接着層、熱転写層を順次設けたものからなってい
るのが望ましい。ここで、接着層は(イ)ポリウレタン
樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−エ
チルアクリレート共重合樹脂、未加硫ゴムの少なくとも
1種を主成分としており、更には(ロ)カーボンブラッ
ク、有機フィラー、無機フィラーの少なくとも1種を含
有しておくことが効果的である。
【0016】本発明の熱転写記録媒体は特にライン型端
面サーマルヘッドを用いた熱時剥離タイプの熱転写記録
方法への適用に効果的であるが、他のプロセスにも用い
ることができる。なお「熱時剥離タイプ」とは、転写時
に熱転写層が溶融あるいは軟化した状態を維持しながら
被記録体に転写する方式をいう。そして、本発明の熱転
写記録媒体は、同じく、特に端面サーマルヘッドを用い
た熱時剥離タイプのライン型熱転写記録方法に好適に使
用しうるものである。従って、本発明の熱転写記録媒体
は、従来より知られている支持体上に熱時容易に剥離で
きる剥離層、及び熱時完全には溶融しないで軟化状態と
なる高凝集力インク層(熱転写層)を積層した構成を有
するものが望ましい。このような熱転写層を有する熱転
写記録媒体を用いれば、その巻き取り力を、熱時剥離時
に熱転写層の剪断強度と剥離強度といずれより大きく設
定しやすい。
【0017】そうした要請からも、本発明の熱転写記録
媒体においては、圧接によって生じる熱転写層表面と被
記録体との間の密着力と、印字駆動スタート時の熱転写
層へ作用する剪断力との和が、熱転写層の剪断強度と剥
離強度との和よりも小さいという関係になるように、熱
転写層が形成される。この場合、熱転写層は25℃にお
ける剪断強度が200g/cm以上であることが必要で
ある。加えて、ライン型端面サーマルヘッド20は、図
4(b)に示したように、エッヂに位置する発熱エレメ
ント部201の線圧によって熱転写記録媒体を押さえつ
けることになるが、この圧接によって圧力転写が生じる
ことは極力避けねばならない。そのために前記、及
び/又はの条件が加わることが好ましい。特に、前記
の条件を充されると、圧接汚れの防止に加えて、高速
印字性にすぐれたものとなる。
【0018】なお、本発明における熱転写記録媒体は、
熱転写層が被記録体と接する表面の密着力が小さいこと
が理想状態であることから、その密着力を下げる方法と
して、熱転写層の表面を粗面化して被記録体との接触面
積を小さくしたり、硬体化したり、離型性を示す物質を
存在させたりする、公知の手段が採用される。
【0019】本発明における巻き取り張力は次のように
して測定する。いま、図4(c)において巻き取り軸
に、幅Wのインクリボンが巻き取られる状態を考える
と、 巻き取り力(g/cm)=P(g・cm)/I(cm)
×W(cm) P:軸トルク I:巻き取りコア半径 W:インクリボン幅 の式が成立ち、軸トルク、巻き取りコア外径及びリボン
幅を実測することにより、巻き取り力が求められる。
【0020】また、熱転写層の「剪断強度」とは層の縦
方向へ破断させる時の力を意味し、また、熱転写層の
「剥離強度」とは層が縦方向へ剪断された後、その部位
から層の横方向へ破断される時の力を意味している。こ
れらを図5に示し、そこでのαは剪断強度、βは剥離強
度を表わす。
【0021】本発明において規定した前記剪断強度、密
着力、剥離強度は図6、図7に示す方法により測定され
たものである。図6に、転写層の剪断強度、剥離強度の
測定方法の概略図を示す。図中、1は支持体、2は熱転
写層を表し、熱転写記録媒体3は、これら支持体、及び
熱転写層から構成されている。該記録媒体の転写層の剪
断強度は、該記録媒体の熱転写層2側を粘着テープ4に
より恒温プレート5に固着させ、該恒温プレートの温度
を測定条件の温度(本発明においては25℃、または7
0℃)に設定し、熱転写層2から支持体1を引張り方向
6の方向へ測定条件の引張り速度(本発明において約3
0cm/sec)で引き剥がし、熱転写層2を剪断、ま
たは剥離するに要する力をテンションゲージで測定す
る。
【0022】次に、図7に、該転写層と該受容体との密
着力の測定方法の概略図を示す。支持台7上に、受容紙
8(本発明においては平滑度2400±150秒のミラ
ーコート紙)を載置し、その上に熱転写記録媒体3の熱
転写層2を受容紙8に接触させて載置し、ゴム板9(本
発明においては2cm×0.7cmの大きさのもの)を
介して加圧板10により加圧する(本発明においては2
9kgで5分間)。次いで加圧を解除したのち、該記録
媒体3に重り11を付けて、記録媒体3が受容紙8から
剥がれるのに要する重りの重量を測定することにより行
なう。テンションゲージにより読みとられた最初のピー
ク値を剪断強度とし、その後引き剥がし時に測定される
値を剥離強度とする。
【0023】前記の剪断強度、剥離強度、密着力を所望
なものにするには、例えば支持体上にワックスを主成分
とする剥離層、高凝集力を示す熱転写層を順次積層させ
るのが効果的である。より好ましくは、支持体と剥離層
との間にこれらを強く継ぎとめる機能を示す接着層を設
けるのがよい。
【0024】本発明の熱転写記録媒体の各部について更
に詳細に説明する。支持体は、公知のフィルムや紙をそ
のまま使用すれば良く、例えばポリエチレンテレフタレ
ート等のポリエステル、ポリカーボネート、トリアセチ
ルセルロース、ナイロン、ポリイミド等のように比較的
耐熱性の良いプラスチックフィルム;セロハン;硫酸紙
等が好ましく使用される。
【0025】また、本発明の熱転写記録媒体は必要に応
じて支持体の裏面に保護層を設けても良い。保護層は、
サーマルヘッドによる熱印加時に支持体を高温から保護
するための層であり、耐熱性の高い熱可塑性樹脂や熱硬
化性樹脂のほか、紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂
も使用可能である。なお、保護層形成に好適な樹脂はフ
ッ素樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等であり、これらの
樹脂を薄膜状で使用すれば良い。また、保護層の設置で
支持体の耐熱性を著しく向上させることができるため、
該層の設置によって従来は不適とされていた材料を支持
体にすることも可能になる。
【0026】熱転写層は、着色剤、熱可塑性樹脂、熱溶
融性物質を主成分として含有するインク層からなり、2
層以上積層して用いてもよい。着色剤としては、要求さ
れる色調などに応じ、カーボンブラック、有機顔料、無
機顔料、または各種染料から適当なものを選択して用い
ることができる。着色剤の添加量は特に限定されない
が、こすれに対し良好にするためには、インク層重量の
10〜50重量%が好ましく、また剪断力を下げ過ぎな
いためには、10〜20重量%にするのが良い。
【0027】熱可塑性樹脂は剪断力を上げるため、およ
び画像のこすれに対する強さを付与するために添加され
るものであり、被記録体への接着力を発現するものが良
好に使用できる。このような熱可塑性樹脂としては、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリ
レート共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレ
タン、ポリ塩化ビニル、各種セルロース誘導体、ポリス
チレン、ポリブチラール、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂等が好ましく使用される。特にエチレン−酢酸ビニル
共重合体やエチレン−エチルアクリレート共重合体を用
いることにより、低平滑性の被記録体への画像形成や高
速印字特性が良好となる。熱可塑性樹脂の添加量は該樹
脂の溶融特性により異なるが、インク層重量の20〜9
0重量%、より好ましくは40〜70重量%である。
【0028】インク層へ添加される熱溶融性物質は、熱
感度向上のため添加されるものであり、熱印加時に溶融
して被記録体へ移行するため、溶け始め温度40℃以
上、好ましくは50〜120℃のワックス等を使用する
のが良い。このような熱溶融性物質としては、具体的に
例示すれば、カルナウバワックス、キャンデリラワック
ス、ライスワックス、蜜ロウ、木ロウ、鯨ロウ、モンタ
ンワックス等の天然ワックス;パラフィンワックス、マ
イクロクリスタリンワックス、酸化ワックス、ポリエチ
レンワックス等の合成ワックス;マルガリン酸、ラウリ
ン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の
高級飽和脂肪酸;ステアリルアルコール、ベヘニルアル
コール等の高級飽和アルコール;ソルビタンの脂肪酸エ
ステル等の高級エステル;ステアリン酸アミド、オレイ
ン酸アミド等の高級脂肪酸アミド;等が挙げられる。こ
の中で、画像のこすれに対する強度を増すためには、針
入度の低いカルナバワックス、キャンデリラワックスを
用いるのが好適である。熱溶融性物質の添加量は、前記
樹脂とのバランスにより任意であるが、インク層重量の
10〜60重量%、より好ましくは20〜50重量%で
ある。
【0029】さらに、熱転写層の表面を粗面化する目的
で、ポリエチレン、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム
などをフィラーとして添加しても良い。ただしフィラー
を用いる場合、密着力は下がるが、併わせて剪断力も下
がってしまう場合があるため、添加量を調整する必要が
ある。フィラーを用いる場合、インク層重量の10重量
%以下が望ましい。
【0030】剥離層は、熱印字の際に支持体とインク層
との剥離性を向上させるために設ける層であり、サーマ
ルヘッドによる熱印加で溶融して低粘度液体となり、加
熱部分と非加熱部分の界面近くで層が切れ易いように構
成されていればよい。従って、剥離層の主成分として
は、常温では硬く加熱時には溶融するワックス様物質と
の混合物が好ましく用いられる。このようなワックス様
物質としては、蜜ロウ、カルナウバワックス、鯨ロウ、
木ロウ、キャンデリラワックス、ライスワックス、モン
タンワックス等の天然ワックス;パラフィンワックス、
マイクロクリスタリンワックス、酸化ワックス、オゾケ
ライト、セレシン、エステルワックス、ポリエチレンワ
ックス等の合成ワックス;マルガリン酸、ラウリン酸、
ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、フロイン
酸、ベヘニン酸等の高級飽和脂肪酸;ステアリルアルコ
ール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール;ソルビ
タンの脂肪酸エステル等の高級飽和エステル類;ステア
リン酸アミド、オレイン酸アミド等の高級脂肪酸アミド
類等が挙げられる。また、ワックス様物質の他、層の柔
軟性や支持体への接着性を付与し、25℃での剥離強度
を改善するために、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、
エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム等
の未加硫ゴム類を添加しても良いし、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体やエチレン−エチルアクリレート共重合体
等のポリオレフィン系樹脂、その他、ポリアミド系樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアク
リル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール
系樹脂、石油系樹脂、フェノール系樹脂、ポリスチレン
系樹脂等の樹脂を加えても良い。また、これらのもの
を、適宜組合せ使用しても良い。
【0031】本発明の熱転写記録媒体において、前記諸
特性のものを得るには、剥離層はワックス様物質が50
〜100重量%、より好ましくは80〜100重量%と
すればよい。またインク層、剥離層の乾燥条件によって
も剪断強度、密着力、剥離強度が変化する場合があるの
で、所望となるように調整を要する。
【0032】以上の構成より、非印字下での熱転写層の
剪断強度をさらにアップさせるには、支持体と剥離層間
に接着層を設けるのが望ましい。この接着層の主成分と
しては、剥離層の主成分であるワックスと支持体とを非
印字下で強固に接着し、かつ、クイックピールオフの転
写時の剥離強度に影響を示さない物質を用いる。例示す
ると、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレンプロ
ピレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム等の未加硫ゴム
類、エチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−エチル
アクリレート共重合体などのポリオレフィン樹脂、その
他、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル樹脂、セルロース
系樹脂、フェノール系樹脂、石油系樹脂等を用いること
ができる。また、これらは適当な架橋剤によって架橋構
造とし、剥離層成分との混合を防止しても良い。さら
に、剥離層との接着界面を増加させる為粗面化させるの
も好ましい。その粗面化の為には、カーボンブラック、
ブラファイト、炭酸カルシウム、酸化チタンなどの無機
フィラーや塩化ビニルパウダーなどの有機フィラーを接
着層中に分散させて塗布することにより容易に得られ
る。
【0033】以上に詳記した熱転写層は、ホットメルト
塗工法、水性塗工法、有機溶媒を用いた塗工法等で支持
体上に積層して設けることができる。このような塗工法
で設けられる熱転写層は、全体の厚さを0.1〜10μ
m、好ましくは0.5〜6.0μmにすればよい。ま
た、各層の層厚としてインク層は0.5〜6.0μm、
好ましくは0.8〜3μm、剥離層は0.2〜3.0μ
m、好ましくは1.0〜2.0μm、接着層は0.05
〜2μm、好ましくは0.1〜0.5μmにすれば良
い。
【0034】
【実施例】次に実施例をあげて本発明を更に具体的に説
明する。まず、次の8種類の熱転写記録媒体を作成し
た。なお、記録媒体試料の幅は、幅10cmとした。
【0035】試料1 支持体として4.5μm厚のポリエステルフィルムを用
いた。この支持体側から順に、剥離層を1.5μm厚と
なるように下記組成物をトルエンを溶剤とし塗布し、4
0℃で乾燥して形成し、その上にインク層を1.5μm
厚となるように下記組成物をトルエンを溶剤として塗布
し、40℃で乾燥して形成し、試料1を作製した。 〈剥離層〉 ワックス;カルナウバワックス 95重量部 熱可塑性樹脂;ポリエステル樹脂 5重量部 (Tg36℃;溶融粘度1500〜2000、 高化式フローテスター190℃、30kg/cm2) 〈インク層〉 着色剤;カーボンブラック 20重量部 熱可塑性樹脂;エチレン−酢酸ビニル(EVA)共重合体 40重量部 (MI;15dg/min) ワックス;カルナウバワックス 35重量部 フィラー;ポリ塩化ビニル粉末 5重量部 得られた試料1について、剪断強度、剥離強度、および
密着力を前記した方法により測定した。 剪断強度(25℃);220g/cm、剥離強度(25
℃);255g/cm、 密着度(25℃);0.37g/cm、 剪断強度(70℃);36g/cm、剥離強度(70
℃);35g/cm、
【0036】試料2 支持体として4.5μm厚のポリエステルフィルムを用
いた。この支持体側から順に、接着層を0.2μm厚と
なるように下記組成をトルエンを溶剤として塗布し、8
0℃で乾燥して形成し、その上に、剥離層を1.5μm
厚となるように下記組成物をトルエンを溶剤とし塗布
し、80℃で乾燥して形成し、その上にインク層を1.
5μm厚となるように下記組成物をトルエンを溶剤とし
て塗布し、35℃で乾燥して形成し、本発明の試料2を
作製した。 〈接着層〉 ポリエステル樹脂 100重量部 (Tg15℃:分子量25000〜30000) 〈剥離層〉 ワックス;カルナウバワックス 95重量部 熱可塑性樹脂;ポリエステル樹脂 5重量部 (Tg36℃;溶融粘度1500〜2000、 高架式フローテスター190℃、30kg/cm2) 〈インク層〉 着色剤;カーボンブラック 20重量部 熱可塑性樹脂;エチレン−酢酸ビニル(EVA)共重合体 50重量部 (MI;15dg/min) ワックス;カルナウバワックス 35重量部 フィラー;ポリ塩化ビニル粉末 5重量部 得られた試料2について、剪断強度、剥離強度、および
密着力を前記した測定方法により測定した。 剪断強度(25℃);220g/cm、剥離強度(25
℃);280g/cm、 密着度(25℃);0.37g/cm、 剪断強度(70℃);37g/cm、剥離強度(70
℃);35g/cm、
【0037】試料3 支持体として4.5μm厚のポリエステルフィルムを用
いた。この支持体側から順に、接着層を0.2μm厚と
なるように下記組成をトルエンを溶剤として塗布し、8
0℃で乾燥して形成し、その上に剥離層を1.5μm厚
となるように下記組成物をトルエンを溶剤として塗布
し、35℃で乾燥して形成し、その上にインク層を1.
5μm厚となるように下記組成物をトルエンを溶剤とし
て塗布し、40℃で乾燥して形成し、試料3を作製し
た。 〈接着層〉 エチレン−酢酸ビニル共重合体 100重量部 (メルトフローレート2.5dg/cm2(JIS K 6730)酢酸ビニ ル含有率46重量%) 〈剥離層〉 ワックス;カルナウバワックス 95重量部 熱可塑性樹脂;ポリエステル樹脂 5重量部 (Tg36℃:溶融粘度1500〜2000、高化式フローテスター190℃ 、30kg/cm2) 〈インク層〉 着色剤;カーボンブラック 20重量部 熱可塑性樹脂;エチレン−酢酸ビニル(EVA)共重合体 50重量部 (MI;15dg/min) ワックス;カルナウバワックス 35重量部 フィラー;ポリ塩化ビニル粉末 5重量部 得られた試料3について、剪断強度、剥離強度、および
密着力を前記した測定方法により測定した。 剪断強度(25℃);220g/cm、剥離強度(25
℃);290g/cm、 密着度(25℃);0.37g/cm、 剪断強度(70℃);40g/cm、剥離強度(70
℃);38g/cm、
【0038】試料4 支持体として4.5μm厚のポリエステルフィルムを用
いた。この支持体側から順に接着層を0.2μm厚とな
るように下記組成をトルエンを溶剤として塗布し、80
℃で乾燥して形成し、その上に剥離層を1.5μm厚と
なるように下記組成をトルエンを溶剤として塗布し、3
5℃で乾燥して形成し、さらにその上に、インク層を
1.5μm厚となるように下記組成をトルエンを溶剤と
して塗布し、40℃で乾燥して形成し、試料4を作製し
た。 〈接着層〉 ニトリルゴム(アクリロニトリル−ブタジエン共重合体) 100重量部 (分子量Mw=280,000) 〈剥離層〉 ワックス;カルナウバワックス 95重量部 熱可塑性樹脂;ポリエステル樹脂 5重量部 (Tg36℃:溶融粘度1500〜2000、高架式フローテスター190℃ 、30kg/cm2) 〈インク層〉 着色剤;カーボンブラック 20重量部 熱可塑性樹脂;エチレン−酢酸ビニル(EVA)共重合体 50重量部 (MI;15dg/min) ワックス;カルナウバワックス 35重量部 フィラー;ポリ塩化ビニル粉末 5重量部 得られた試料4について、剪断強度、剥離強度、および
密着力を前記した測定方法により測定した。 剪断強度(25℃);220g/cm、剥離強度(25
℃);290g/cm、 密着度(25℃);0.37g/cm、 剪断強度(70℃);39g/cm、剥離強度(70
℃);38g/cm、
【0039】試料5 支持体として4.5μm厚のポリエステルフィルムを用
いた。この支持体側から順に接着層を0.2μm厚とな
るように下記組成をトルエンを溶剤として塗布し、80
℃で乾燥して形成し、その上に剥離層を1.5μm厚と
なるよう下記組成をトルエンを溶剤として塗布し、35
℃で乾燥して形成し、さらに、その上にインク層を1.
5μm厚となるように下記組成をトルエンを溶剤として
塗布し、40℃で乾燥して形成し、試料5を作製した。 〈接着層〉 エチレン−酢酸ビニル共重合体 80重量部 (メルトフローレート2.5dg/cm2(JIS K6730)酢酸ビニル 含有率46%) カーボンブラック 20重量部 〈剥離層〉 ワックス;カルナウバワックス 95重量部 熱可塑性樹脂;ポリエステル樹脂 5重量部 (Tg36℃;溶融粘度1500〜2000、高化式フローテスター190 ℃、30kg/cm2) 〈インク層〉 着色剤;カーボンブラック 20重量部 熱可塑性樹脂;エチレン−酢酸ビニル(EVA)共重合体 50重量部 (MI;15dg/min) ワックス;カルナウバワックス 35重量部 フィラー;ポリ塩化ビニル粉末 5重量部 得られた試料5について、剪断強度、剥離強度、および
密着力を前記した測定方法により測定した。 剪断強度(25℃);220g/cm、剥離強度(25
℃);320g/cm、 密着度(25℃);0.37g/cm、 剪断強度(70℃);39g/cm、剥離強度(70
℃);37g/cm、
【0040】試料6 支持体として4.5μm厚のポリエステルフィルムを用
いた。この支持体側から順に接着層を0.2μm厚とな
るように下記組成をトルエンを溶剤として塗布し、80
℃で乾燥して形成し、その上に剥離層を1.5μm厚と
なるように下記組成をトルエンを溶剤として塗布し、3
5℃で乾燥して形成し、さらに、その上にインク層を
1.5μm厚となるように下記組成をトルエンを溶剤と
して塗布し、40℃で乾燥して形成し、試料6を作製し
た。 〈接着層〉 エチレン−酢酸ビニル共重合体 80重量部 (メルトフローレート2.5dg/cm2(JIS K6730)酢酸ビニル 含有率46重量%) ポリ塩化ビニル粉末 20重量部 〈剥離層〉 ワックス;カルナウバワックス 95重量部 熱可塑性樹脂;ポリエステル樹脂 5重量部 (Tg36℃;溶融粘度1500〜2000、高化式フローテスター190℃ 、30kg/cm2) 〈インク層〉 着色剤;カーボンブラック 20重量部 熱可塑性樹脂;エチレン−酢酸ビニル(EVA)共重合体 50重量部 (MI;15dg/min) ワックス;カルナウバワックス 35重量部 フィラー;ポリ塩化ビニル粉末 5重量部 得られた試料7について、剪断強度、剥離強度、および
密着力を前記した測定方法により測定した。 剪断強度(25℃);220g/cm、剥離強度(25
℃);315g/cm、 密着度(25℃);0.37g/cm、 剪断強度(70℃);40g/cm、剥離強度(70
℃);38g/cm、
【0041】試料7 支持体として4.5μm厚のポリエステルフィルムを用
いた。この支持体側から順に、剥離層を1.5μm厚と
なるように下記組成物をトルエンを溶剤として塗布し、
40℃で乾燥して形成し、その上にインク層を1.5μ
m厚となるよう下記組成物をトルエンを溶剤として塗布
し、40℃で乾燥して形成し、試料7を作製した。 〈剥離層〉 ワックス;カルナウバワックス 70重量部 熱可塑性樹脂;エチレン−酢酸ビニル(EVA)共重合体 30重量部 (MI:15dg/min、酢酸ビニル含有率28重量%) 〈インク層〉 着色剤;カーボンブラック 20重量部 熱可塑性樹脂;エチレン−酢酸ビニル(EVA)共重合体 10重量部 (MI;15dg/min、酢酸ビニル含有率28重量%) ワックス;カルナウバワックス 70重量部 得られた試料7について、実施例1と同様に、剪断強
度、剥離強度、および密着力を前記した測定方法により
測定した。 剪断強度(25℃);120g/cm、剥離強度(25
℃);85g/cm、 密着度(25℃);0.54g/cm 剪断強度(70℃);76g/cm、剥離強度(70
℃);75g/cm、
【0042】試料8(平面型サーマルヘッドシリアルプ
リンタ用従来品) 下記の塗液を用いて剥離層、インキ層を形成した以外は
試料7と同様にして試料8を作製した。 〈剥離層〉 カルナウバワックス 55重量部 キャンデリラワックス 20重量部 ポリブタジエンゴム(日本合成ゴム社製、JSR BR31) 15重量部 スチレンブタジエンゴム 10重量部 (日本合成ゴム社製、JSR 1721) 〈インク層〉 カルナウバワックス 73重量部 カーボンブラック 15重量部 ポリブタジエンゴム(日本合成ゴム社製、JSR BR31) 2重量部 エチレン−酢酸ビニル共重合体 15重量部 得られた試料8について、剪断強度、剥離強度、および
密着力を前記した測定方法により測定した。 剪断強度(25℃);100g/cm、剥離強度(25
℃);50g/cm、 密着度(25℃);0.56g/cm、 剪断強度(70℃);70g/cm、剥離強度(70
℃);20g/cm
【0043】試料1〜8の各熱転写記録媒体について、
以下の諸特性を評価した。ローム社製の長さ13cmの
端面サーマルヘッド(距離A=210μm)を搭載した
印字試験機を用意した(巻き取りコア半径は1.4c
m)。この試験機にサンプル1〜8を装着し、被記録紙
(受容紙)として市販ミラーコート紙(ベック平滑度2
400秒)を用い、圧接圧力200g/cm2、印字速
度254mm/secの条件で駆動し、印字を行なっ
た。なお、巻き取り張力としては、43g/cm(軸
トルク:602g・cm)、32g/cm(軸トル
ク:448g・cm)、及び78g/cm(軸トル
ク:1092g・cm)を設定し、実験を行なった。 (評価) 1.転写の良否(500枚の連続印字の転写不良の発生
率を確認した) 表1中の記号は次の意味をしめす。 ◎ 0% ○ 10%以内 △ 40%以下 × 70%以上 2.圧接汚れ 市販ミラーコート紙(ベック平滑度2400秒)へのス
マッジ汚れを目視にて判定した。表1中の記号は次の意
味をしめす。 ◎ 圧接時間3分後の圧接汚れがない ○ 圧接時間1分後の圧接汚れがないが、圧接時間3分
後の圧接汚れがあるが、目立たない △ 圧接時間1分後圧接汚れがわずかにある × 圧接時間1分後のはっきりと圧接汚れがある
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、熱転写層の7
0℃での剪断温度と剥離強度の双方より熱転写記録媒体
の巻き取り力を強くすることで特に転写不良の防止に効
果的である。請求項2、3の発明によれば、プラテンロ
ーラ駆動前から熱転写記録媒体の巻き取り張力を熱転写
層の剪断強度と剥離強度の双方より大きくしておくこと
で、或いは、前記の剪断強度と剥離強度の和がサーマル
ヘッドとプラテンローラ間に挟持した時の熱転写層と被
記録体との密着力より大きくしておくことで、熱転写層
と被記録体との間に滑りが生じないため、記録当初から
良好な操作が行なえる。請求項4の発明によれば、熱転
写記録媒体の巻き取り力を40g/cm以上とすること
で、印字パターン、印字スピードの変動による転写不良
を防止できる。請求項5の発明によれば、サーマルヘッ
ドとプラテンローラ間の圧接圧力を50〜250g/c
2としたことで、プリンタの駆動が良好に行なわれる
ようになる。請求項6〜8の発明によれば、非転写時の
圧接汚れを防止できる。請求項9の発明によれば、非転
写時の層強度が高まり、熱転写時の圧接汚れが防止さ
れ、及び高速印字性にすぐれたものとなる。請求項10
の発明によれば、接着層を設けることで圧接汚れと高速
印字性の両立性能をさらに向上される。請求項11の発
明によれば、接着層に特定の樹脂を用いることで、より
少量で圧接汚れ防止の効果が発現できる。請求項12の
発明によれば、接着層に粒状成分を含有させることで、
さらに圧接汚れ防止の効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シリアルプリンタの概略を表わした図。
【図2】ラインヘッドプリンタの概略を表わした図。
【図3】(a)は平面型ヘッドの概略図、(b)は平面
型端面サーマルヘッドを用いたプリンタの機構を表わし
た概略図。
【図4】(a)は端面型ヘッドの概略図、(b)はライ
ン型端面サーマルヘッドを用いたプリンタの機構を表わ
した概略図、(c)は転写層と受容体との密着力の測定
方法の概略図。
【図5】剪断強度と剥離強度の用語を理解するための
図。
【図6】転写層の剪断強度、剥離強度の測定方法を示す
概略図。
【図7】転写層を受容体との密着力の測定方法を示す概
略図。
【符号の説明】
1 支持体 2 熱転写層 3、30 熱転写記録媒体 4 粘着テープ 5 恒温プレート 6 引張り方向 7 支持台 8 受容紙(被記録体) 9 ゴム板 10 加圧板 11 重り 20、40 サーマルヘッド 50 プラテンローラ 201、401 発熱エレメント部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 7416−2H B41M 5/26 H 7416−2H F (72)発明者 久我 康通 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に熱転写層を設けた熱転写記録
    媒体と被記録体とを、ライン型端面サーマルヘッドとプ
    ラテンローラとの間に挾持し、該サーマルヘッドによる
    熱印加により該熱転写層を該被記録体に画像状に転写
    し、その転写後の該熱転写記録媒体を巻き取るようにし
    た熱転写記録方法であって、該熱転写記録媒体の巻き取
    り張力を該熱転写層の70℃での剪断強度と剥離強度の
    双方より大きくして記録を行なうことを特徴とする熱転
    写記録方法。
  2. 【請求項2】 前記のプラテンローラの駆動前から、熱
    転写記録媒体の巻き取り張力を熱転写層の70℃での剪
    断強度と剥離強度の双方より大きくすることを特徴とす
    る請求項1記載の熱転写記録方法。
  3. 【請求項3】 前記の剪断強度と剥離強度の和が、サー
    マルヘッドとプラテンローラ間に挟持された熱転写記録
    媒体の熱転写層と被記録体との密着力より大きいことを
    特徴とする請求項1又は2記載の熱転写記録方法。
  4. 【請求項4】 前記熱転写記録媒体の巻き取り張力が4
    0g/cm以上である請求項1、2又は3記載の熱転写
    記録方法。
  5. 【請求項5】 サーマルヘッドとプラテンローラ間の圧
    接圧力が50〜250g/cm2であることを特徴とす
    る請求項1記載の熱転写記録方法。
  6. 【請求項6】 支持体上に熱転写層を設けた熱転写記録
    媒体において、該熱転写層の25℃での剪断強度が20
    0g/cm以上であることを特徴とする熱転写記録媒
    体。
  7. 【請求項7】 前記熱転写層の25℃での剥離強度が2
    50g/cm以上であることを特徴とする請求項6記載
    の熱転写記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記熱転写層は平滑度2400秒±15
    0秒の被転写体との密着力が25℃において0.5g/
    cm以下であることを特徴とする請求項6記載の熱転写
    記録媒体。
  9. 【請求項9】 前記熱転写層の70℃での剥離強度が4
    0g/cm未満であることを特徴とする請求項6記載の
    熱転写記録媒体。
  10. 【請求項10】 前記の支持体と熱転写層との間に接着
    層および剥離層を設けたことを特徴とする請求項6〜9
    のいずれかに記載の熱転写記録媒体。
  11. 【請求項11】 前記接着層がポリウレタン樹脂、エチ
    レン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−エチルアクリ
    レート共重合樹脂及び未加硫ゴムから選ばれる少なくと
    も1種を主成分としたことを特徴とする請求項10記載
    の熱転写記録媒体。
  12. 【請求項12】 前記接着層がカーボンブラック、有機
    フィラー、無機フィラーの少なくとも1種を含有したこ
    とを特徴とする請求項10記載の熱転写記録媒体。
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