JPH11227348A - 熱転写記録方法及び熱転写記録媒体 - Google Patents

熱転写記録方法及び熱転写記録媒体

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JPH11227348A
JPH11227348A JP10054418A JP5441898A JPH11227348A JP H11227348 A JPH11227348 A JP H11227348A JP 10054418 A JP10054418 A JP 10054418A JP 5441898 A JP5441898 A JP 5441898A JP H11227348 A JPH11227348 A JP H11227348A
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JP10054418A
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English (en)
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Keiichi Shiokawa
恵一 塩川
Hiroshi Higashimatsu
宏 東松
Katsusato Shishido
克吏 宍戸
Yoshihiko Hiyoshi
好彦 日吉
Kazuyoshi Inamura
和良 稲村
Masahiro Sato
昌弘 佐藤
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ライン型端面サーマルヘッド搭載のプリンタ
を用いた場合に、インクの転写不良を起さず、良質の画
像の得られる熱転写記録方法を提供する。 【解決手段】 ライン型端面サーマルヘッドで印字する
際、熱転写記録媒体と被記録媒体との間の60〜80℃
における初期粘着力が50gf/cm2以上となるように
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱転写記録方法及び
熱転写記録媒体(特に熱時剥離タイプの熱転写記録媒
体)に関する。
【0002】
【従来の技術】熱を記録エネルギーとし、普通紙とイン
クリボン(熱転写記録媒体)とを用いる熱転写記録方法
は、コントラストのすぐれた記録が得られることから広
く採用されている。この熱転写記録における記録部は、
サーマルヘッド、プラテン、インクリボン(熱転写記録
媒体)および被転写体(普通紙)より成り立っている。
サーマルヘッド(THP)とプラテンとの間には適当な
静圧力が加えられている。最終出力となる普通紙はイン
クリボンと重ねられた状態で、サーマルヘッドとプラテ
ンとの間に挟持されている。サーマルヘッドは記録信号
を熱に変換する発熱抵抗体と信号ライン用ラッチ及びド
ライバを集積化したLSIとをセラミック板上にハイブ
リッド集積したものからなっている。
【0003】一般に、熱転写記録方法の実施には、シリ
アル型プリンタ、ライン型プリンタのいずれかが利用さ
れている。シリアル型プリンダは図1に示したように、
サーマルヘッドを被記録体の搬送方向と直角になるよう
に走査しながら少なくとも一行の印字を行なった後、印
字した行数分だけ被記録体を送り、また次行を印字する
方式が採用され、このタイプのプリンダの場合、印字し
ないで待機している間に常にインクリボンとサーマルヘ
ッドは被記録媒体から離れている。ただし、このシリア
ル型プリンタでは紙送り精度が高くないと良好な印刷が
行なわれない欠点がある。
【0004】これに対して、ライン型プリンタは、図2
に示したように、印字する幅と同じかまたは印字幅より
も幅が広いサーマルヘッドとプラテンローラとの間に、
印字幅と同じかまたは印字幅よりも幅広い熱転写記録媒
体と被記録媒体を挟み、サーマルヘッドで印字幅分を1
ドット長さだけ印字した後、1ドットだけ熱転写記録媒
体と被記録体を送り、また、次の印字を行うタイプのプ
リンタである。このタイプのプリンダの場合、印字しな
いで待機している間も、常に熱転写記録媒体及び被記録
体はサーマルヘッドとプラテンローラとの間に圧接され
ている。従って、紙送り精度は高く良質の印刷物が得ら
れるため、最近ではライン型プリンタの使用が高まって
きている。
【0005】ところで、現在使用されているサーマルヘ
ッドの一つに、図3(a)に示したような、ヘッドの基
板の端面から約3〜10mm内側の平面部分に発熱体が
形成されたものがある。このものは、図3(b)に示し
たように、熱転写記録媒体30及び被記録体8を、サー
マルヘッド40とプラテンローラ50との間の面接触で
圧接させているが、この方法によったのでは熱転写記録
媒体30と被記録体8が接し記録後それらが離れるまで
の距離(より正確にいえば、熱転写記録媒体30と被記
録体8が接した状態で送られ、サーマルヘッド40の発
熱エレメント部401で記録が行なわれた後、熱転写記
録媒体30と被記録体8とは分離されるが、その際の発
熱エレメント部401から前記分離されるまでの距離)
Aは、一般にA=3〜15mmと長いので、サーマルヘ
ッドにより一旦溶融した熱転写層中のインクが被記録体
に転写する前に冷えて、インクの溶融状態が変化し、そ
の結果、鮮明な記録画像が得られにくい傾向がある。即
ち、一旦溶融したインクの内部温度は、距離Aを移動す
る間に降温し、インクが転写される時点では、その雰囲
気温度近傍になることさえある。そうなると、インクは
内部凝集力の高いものが多いので、転写が難しくなり、
いわゆる画像の虫喰いとか欠け(ボイド)が発生する
等、画像品質が低く、解像性も満足できるものではなか
った。また、この場合、転写に寄与する力としては初期
粘着力より接着力の方が重要である。
【0006】こうした不都合を解消するものとして、近
時は、図4(a)及び(b)に示したように、ライン型
端面サーマルヘッド20を用いたプリンタによる熱転写
記録が行われるようになってきている。ライン型端面サ
ーマルヘッドは、図4(a)に示すように、距離Aが約
80〜300μm、好ましくは約150〜250μmと
平面型に比べてはるかに短いため、一旦溶融したインク
は高温状態を維持したまま転写するので虫喰いとか欠け
が発生しにくい利点がある。さらに、インクの高温溶融
状態の画像部と非溶融状態の非画像部とでは、その境界
で温度差がはっきりわかれているので、境界において溶
融インクの剪断が容易でいわゆるエッジの切れの良い、
解像性の高い画像が得られやすいと考えられている。
【0007】しかしながら、ライン型端面ヘッドを用い
た場合、溶融インクの転写不良が発生するという新たな
問題が出てきた。本発明者等の解析によると、次のよう
なことが原因と考えられる。サーマルヘッドによりイン
クが溶融した後すぐ、熱転写記録媒体は巻き取り方向に
引っぱられる。ライン型プリンタに用いるサーマルヘッ
ドの長さは、現時点で約5〜26cmであり(今後はよ
り長いものが出てくると思われる)、用いられる熱転写
記録媒体の幅もそれに相応したものである。このような
幅があるため、端面サーマルヘッドの場合、インクリボ
ン(熱転写記録媒体)はサーマルヘッドと線接触してい
るので、引っぱられるとその時点で熱転写記録媒体の幅
方向のテンションにバラツキが発生する。このテンショ
ンのバラツキはサーマルヘッドの長さが長いほど起きや
すい。また、このテンションのバラツキは、インクが転
写される時の溶融インクの温度にバラツキを生じ、それ
が画像の転写不良になって表われてくるものと考えられ
る。更に、溶融時のインクと受容紙と間の初期粘着力が
低いとその傾向は更に増加される。即ち、インクが全く
転写しなかったり、転写ムラが発生したり、さらに低速
から高速の広範囲の速さで印字しようとすると、印字の
スタート部分で転写不良が生じてしまう。ライン型端面
サーマルヘッド搭載のプリンタ自体はつい最近になって
提案されたものであるため、これらの問題が認識され、
かつ、その解決手段が提案された事実はいまだ知られて
いない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような問題を解決することであり、即ち、本発明の目
的は、ライン型端面サーマルヘッド搭載のプリンタを用
いた場合に発生するインクの転写不良を解決するため
の、熱転写記録方法及び熱転写記録媒体を提供するもの
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、プリンタ
が駆動される際に記録媒体にかかる力と記録媒体自体が
持つ種々の強度との関係を解析し、解決手段をさぐり検
討を重ねた結果、解決手段として次のような方法が最適
であるとの認識にたち、本発明に至った。
【0010】即ち、本発明によれば、第一に、支持体上
に熱転写層を設けた熱転写記録媒体と、被記録体とを、
ライン型端面サーマルヘッドとプラテンローラとの間に
挟持し、該ライン型サーマルヘッドでの熱印加により該
熱転写層を該被記録体に画像状に転写し、その転写後の
該熱転写記録媒体を巻き取るようにした熱転写記録方法
において、該熱転写記録媒体と被記録体間の60〜80
℃における初期粘着力が50gf/cm2以上であること
を特徴とする熱転写記録方法が提供される。第二に、上
記第一の熱転写記録方法において、該被記録体と当接せ
しめられる該熱転写記録媒体の熱転写層が常温で非粘着
性であることを特徴とする熱転写記録方法が提供され
る。
【0011】第三に、上記第一または第二の熱転写記録
方法に用いる熱転写記録媒体であって、該熱転写層は熱
可塑性樹脂を含有し、該熱可塑性樹脂がエチレン−酢酸
ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレ
ート共重合体(EEA)および未加硫ゴムから選ばれる
少なくとも1種を主成分としたことを特徴とする熱転写
記録媒体が提供される。第四に、上記第三の熱転写記録
媒体において、該熱可塑性樹脂に加えてロジン、および
/またはロジン誘導体を含有することを特徴とする熱転
写記録媒体が提供される。第五に、上記第四の熱転写記
録媒体において、該ロジンまたはロジン誘導体の酸価が
5mgKOH/g以上であることを特徴とする熱転写記
録媒体が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明の方法では、前記のとおり、熱転写記録媒
体における熱転写層の60〜80℃における被転写紙と
の初期粘着力を50gf/cm2以上にしてプリンタを駆
動することにより、熱転写層が被記録体へ転写されるタ
イミングが常時一定にでき、熱転写のバラツキが極力押
さえられるようになり、画像の耐こすれ性向上も図られ
る。また、熱転写層として高凝集力である熱可塑性樹脂
を主体とするインクが用いられた場合、記録時の熱転写
層の剥離のタイミングが熱ヘッドの方向にずれてしまっ
て転写不良の生じたり、定着不足により耐こすれ、耐熱
性の悪い画像が形成されることがあるが、これに対して
も、熱転写層の初期粘着力を大きくすることで前記タイ
ミングがずれたり、ばらついたりすることなく、安定し
た鮮明な画像を被記録体上に形成することができるよう
になる。なお、60〜80℃は熱転写層の剥離時におけ
る通常の温度である。
【0013】また、本発明でいう「初期粘着力」は、プ
ローブタック方式で測定することがえできる。図7に示
すように、5mmφプローブ面に被記録紙を貼り合わ
せ、上方の熱転写記録媒体に一定荷重fのもとで一定時
間接触させ、しかるのちに垂直方向に剥離させ、そのと
きの粘着力を測定するものである。通常の粘着力は十分
時間をかけ接着させてから引き剥す。これに対して、本
発明では瞬間的に接触させて剥がす、いわば瞬間接着力
で、これを初期粘着力と称している。本発明での測定条
件は、下記に示す通りである。 荷重f :1000gf/cm2 接触時間:1sec 剥離速度:1cm/sec 測定機 :プローブタック測定機(テスター産業社製) 温度 :60℃、70℃、80℃
【0014】この初期粘着力を画像形成の上で好適な5
0gf/cm2以上とするためには、下記の条件がより好
ましい。 (1)サーマルヘッド−プラテンローラ間の圧接力を5
0gf/cm2以上とする。 (2)熱転写層を常温で非粘着性とする。これは圧接転
写防止の上で有効である。 (3)熱転写記録媒体の熱転写層材料として、EVA、
EEA、未加硫ゴムから選ばれる1種以上とし、更にロ
ジン及び/又はロジン誘導体を添加する。
【0015】本発明の熱転写記録媒体は特にライン型端
面サーマルヘッドを用いた熱時剥離タイプの熱転写記録
方法への適用に効果的であるが、他のプロセスにも用い
ることができる。なお「熱時剥離タイプ」とは、転写時
に熱転写層が溶融あるいは軟化した状態を維持しながら
被記録体に転写する方式をいう。そして、本発明の熱転
写記録媒体は、同じく、特に端面サーマルヘッドを用い
た熱時剥離タイプのライン型熱転写記録方法に好適に使
用し得るものである。従って、本発明の熱転写記録媒体
は、従来より知られている支持体上に熱時容易に剥離で
きる剥離層、及び熱時完全には溶融しないで軟化状態と
なる高凝集力インク層(熱転写層)を積層した構成を有
するものが望ましい。このような熱転写層を有する熱転
写記録媒体を用いれば、その巻き取り力を、熱時剥離時
に熱転写層の剪断強度と剥離強度のいずれよりも大きく
設定しやすい。
【0016】そうした要請からも、本発明の熱転写記録
媒体においては、圧接によって生じる熱転写層表面と被
記録体との間の密着力と、印字駆動スタート時の熱転写
層へ作用する剪断力との和が、熱転写層の剪断強度と剥
離強度との和よりも小さいという関係になるように、熱
転写層が形成されるのが望ましい。加えて、ライン型端
面サーマルヘッド20は、図4(b)に示したように、
エッヂに位置する発熱エレメント部201の線圧によっ
て熱転写記録媒体を押さえつけることになるが、この圧
接によって圧力転写が生じることは極力避けねばならな
い。そのために下記、の条件が加わることが好まし
い。 プラテンローラ駆動前から、熱転写記録媒体の巻き取
り張力を熱転写層の剥離時における剪断強度と剥離強度
の双方より大きくすること、 剪断強度と剥離強度の和が、サーマルヘッドとプラテ
ンローラ間に挟持した時の熱転写層と被記録体との密着
力よりも大きいこと。
【0017】なお、本発明における熱転写記録媒体は、
熱転写層が被記録体と接する表面の密着力が小さいこと
が理想状態であることから、その密着力を下げる方法と
して、熱転写層の表面を粗面化して被記録体との接触面
積を小さくしたり、硬体化したり、離型性を示す物質を
存在させたりする、公知の手段が採用される。
【0018】また、熱転写層の「剪断強度」とは層の縦
方向へ破断される時の力を意味し、また、熱転写層の
「剥離強度」とは層が縦方向へ剪断された後、その部位
から層の横方向へ破断される時の力を意味している。こ
れらを図5に示し、そこでのαは剪断強度、βは剥離強
度を表わす。
【0019】本発明において規定した前記剪断強度、剥
離強度は図6に示す方法により測定されたものである。
図6に、転写層の剪断強度、剥離強度の測定方法の概略
図を示す。図中、1は支持体、2は熱転写層を表し、熱
転写記録媒体3は、これら支持体及び熱転写層から構成
されている。該記録媒体の転写層の剪断強度は、該記録
媒体の熱転写層2側を粘着テープ4により恒温プレート
5に固着させ、該恒温プレートの温度を測定条件の温度
(本発明においては25℃、又は70℃)に設定し、熱
転写層2から支持体1を引張り方向6の方向へ測定条件
の引張り速度(本発明において約30cm/sec)で
引き剥がし、熱転写層2を剪断又は剥離するに要する力
をテンションゲージで測定する。
【0020】本発明の熱転写記録媒体の各部について更
に詳細に説明する。支持体は、公知のフィルムや紙をそ
のまま使用すれば良く、例えばポリエチレンテレフタレ
ート等のポリエステル、ポリカーボネート、トリアセチ
ルセルロース、ナイロン、ポリイミド等のように比較的
耐熱性の良いプラスチックフィルム;セロハン;硫酸紙
等が好ましく使用される。
【0021】また、本発明の熱転写記録媒体は必要に応
じて支持体の裏面に保護層を設けても良い。保護層は、
サーマルヘッドによる熱印加時に支持体を高温から保護
するための層であり、耐熱性の高い熱可塑性樹脂や熱硬
化性樹脂のほか、紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂
も使用可能である。なお、保護層形成に好適な樹脂はフ
ッ素樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等であり、これらの
樹脂を薄膜状で使用すれば良い。また、保護層の設置で
支持体の耐熱性を著しく向上させることができるため、
該層の設置によって従来は不適とされていた材料を支持
体にすることも可能になる。
【0022】熱転写層は、着色剤、熱可塑性樹脂、熱溶
融性物質を主成分として含有するインク層からなり、2
層以上積層して用いてもよい。着色剤としては、要求さ
れる色調などに応じ、カーボンブラック、有機顔料、無
機顔料、または各種染料から適当なものを選択して用い
ることができる。着色剤の添加量は策に限定されない
が、こすれに対し良好にするためには、インク層重量の
10〜50重量%が好ましい。
【0023】熱可塑性樹脂は初期粘着力をあげるため、
及び画像のこすれに対する強さを付与するために添加さ
れるものであり、被記録体への接着力を発現するものが
良好に使用できる。このような熱可塑性樹脂としては、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアク
リレート共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリウ
レタン、ポリ塩化ビニル、各種セルロース誘導体、ポリ
スチレン、ポリビニルブチラール、フェノール樹脂、エ
ポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂及びこ
れらの変性体等が好ましく使用される。特にエチレン−
酢酸ビニル共重合体、EEAは初期粘着力を向上せしめ
る上で有効である。これら熱可塑性樹脂は熱転写インク
の主体をなすものであり、その含有量はインク重量の4
0〜90%、好ましくは60〜90%である。この熱転
写インクへは粘弾性特性を改善する目的で熱溶融性物質
が添加されても良い。融点としては50〜120℃、含
有量としては0〜30%が好ましい。
【0024】さらに、熱転写層の表面を粗面化する目的
で、ポリエチレン、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム
などをフィラーとして添加しても良い。ただしフィラー
を用いる場合、密着力は下がるが、併わせて剪断力も下
がってしまう場合があるため、添加量を調整する必要が
ある。フィラーを用いる場合、インク層重量の10重量
%以下が望ましい。
【0025】剥離層は、熱印字の際に支持体とインク層
とに剥離性を向上させるために設ける層であり、サーマ
ルヘッドによる熱印加で溶融して低粘度液体となり、加
熱部分と非加熱部分の界面近くで層が切れ易いように構
成されていればよい。従って、剥離層の主成分として
は、常温では硬く加熱時には溶融するワックス様物質と
の混合物が好ましく用いられる。このようなワックス様
物質としては、蜜ロウ、カルナウバワックス、鯨ロウ、
木ロウ、キャンデリラワックス、ライスワックス、モン
タンワックス等の天然ワックス;パラフィンワックス、
マイクロクリスタリンワックス、酸化ワックス、オゾケ
ライト、セレシン、エステルワックス、ポリエチレンワ
ックス等の合成ワックス;マルガリン酸、ラウリン酸、
ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、フロイン
酸、ベヘニン酸等の高級飽和脂肪酸;ステアリルアルコ
ール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール;ソルビ
タンの脂肪酸エステル等の高級飽和エステル類;ステア
リン酸アミド、オレイン酸アミド等の高級脂肪酸アミド
類等が挙げられる。また、ワックス様物質の他、層の柔
軟性や支持体への接着性を付与し、さらに60〜80℃
での初期粘着力を向上させるために、イソプレンゴム、
ブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴ
ム、ニトリルゴム等の未加硫ゴム類を添加しても良い。
また、これらのものを、適宜組合わせて使用しても良
い。
【0026】本発明の熱転写記録媒体において、前記諸
特性のものを得るには、剥離層はワックス様物質が50
〜100重量%、より好ましくは80〜100重量%と
すればよい。また、インク層、剥離層の乾燥条件によっ
ても、剪断強度、密着力、剥離強度が変化する場合があ
るので、所望となるように調整を要する。
【0027】本発明では初期粘着力向上のために、前記
熱可塑性樹脂に加えて、ロジン又はロジン誘導体を添加
するのがより好ましい。ロジン又はロジン誘導体として
は、ガムロジン、ウッドロジン、シール油ロジン、重合
ロジン、部分水添ロジン、ロジンエステル、部分水添ロ
ジンエステル、重合ロジンエステル等である。これらは
酸価は5mgKOH/mg以上とすることで密着力が増
し、初期粘着力向上に有利である。
【0028】以上に詳記した熱転写層は、ホットメルト
塗工法、水性塗工法、有機溶媒を用いた塗工法等で支持
体上に積層して設けることができる。このような塗工法
で設けられる熱転写層は、全体の厚さを0.1〜10μ
m、好ましくは0.5〜6.0μmにすればよい。ま
た、各層の層厚としてインク層は0.5〜6.0μm、
好ましくは0.8〜3μm、剥離層は0.2〜3.0μ
m、好ましくは1.0〜2.0μm、接着層は0.05
〜2μm、好ましくは0.1〜0.5μmにすればよ
い。
【0029】
【実施例】次に、実施例をあげで本発明を更に詳細に説
明する。
【0030】以下に示すような支持体:剥離層及び粘着
層/剥離層積層材料を準備した。 支持体:4.5μm厚のポリエステルフィルムの片面
に、 シリコーンゴム(東レ、ダウコーニング社製 SD7226) 3重量部 硬化剤(東レ、ダウコーニング社製 SRX−212) 0.05重量部 トルエン 97重量部 からなる塗工液を乾燥後膜厚0.1μmとなるように塗
設し、耐熱滑性層塗工済支持体を得た。
【0031】試料A:上記支持体のもう一方の面に下記
組成の剥離層を1.0μm厚となるように塗設した。 カルナウバワックス 90重量部 ポリエステル樹脂(Tg36℃、分子量25,000) 5重量部
【0032】試料B:上記支持体のもう一方の面に下記
組成の接着層を0.2μm厚となるように塗設した。 エチレン−酢酸ビニル共重合体(メルトフローレート 2.5dg/cm2、JIS K6730、 酢酸ビニル含有率46%) 100重量部 この上に、 カルナウバワックス 50重量部 キャンデリラワックス 50重量部 からなる組成の剥離層を1.0μm厚となるように塗設
した。
【0033】試料C:試料Bの接着層のエチレン−酢酸
ビニル共重合体を、エチレン−エチルアクリレート共重
合体(メルトフローレート5dg/cm2、エチルアク
リレート含有率12%)とした以外は試料Bと同様にし
て試料Cを得た。
【0034】試料D:試料Bの接着層のエチレン−酢酸
ビニル共重合体を、アクリロニトリル−ブタジエン共重
合体(分子量280,000)とした以外は試料Bと同
様にして試料Dを得た。
【0035】次いで、以下に示す熱転写インク層組成物
をボールミルで10時間分散することにより得た。 インク液1: カーボンブラック 3重量部 エチレン−酢酸ビニル共重合体(メルトフローレート 15dg/cm2、Tg5℃) 16重量部 水添テルペン樹脂(軟化点 90℃) 1重量部 トルエン 80重量部
【0036】 インク液2: カーボンブラック 3重量部 ポリエステル樹脂(Tg40℃ 分子量15,000) 17重量部 メチルエチルケトン 40重量部 トルエン 40重量部
【0037】 インク液3: カーボンブラック 3重量部 ポリエステル樹脂(Tg36℃、分子量5,500) 17重量部 メチルエチルケトン 40重量部 トルエン 40重量部
【0038】 インク液4: カーボンブラック 3重量部 アクリロニトリル−メチルメタクリレート− ブチルメタクリレート共重合体(Tg70℃ 分子量6,000) 17重量部 メチルエチルケトン 80重量部
【0039】 インク液5: カーボンブラック 3重量部 スチレン−アクリロニトリル共重合体(Tg90℃ 分子量20,000) 17重量部 メチルエチルケトン 80重量部
【0040】 インク液6: カーボンブラック 6重量部 エチレン−酢酸ビニル共重合体(メルトフレーレート 150dg/cm2) 8重量部 パラフィンワックス(融点61℃) 6重量部 トルエン 80重量部
【0041】以上の6種のインク液を下記の組合せで、
試料A〜Dの上に乾燥後厚み1.5μmとなるように塗
工し、50℃で乾燥して、熱転写記録媒体を得た(表
1)。表1にこのときの70℃における動的弾性率(G
*)も示した。
【0042】
【表1】
【0043】以上の9種類の熱転写記録媒体について、
以下の諸特性を評価した。ローム社製の長さ13cmの
端面サーマルヘッド(距離A=210μm)を搭載した
印字試験機を用意した(巻き取りコア半径は1.4c
m)。この試験機にサンプル1〜8を装着し、被記録紙
(受容紙)として白色PETラベル(リンテック社
製)、市販コート紙(OSP製TPKB、平滑度600
sec)を用い、圧接圧力200g/cm2、印字速度
152mm/secの条件で駆動し、印字を行なった。
なお、巻き取り張力としては、43g/cm(軸トル
ク:602g・cm)、32g/cm(軸トルク:4
48g・cm)、及び78g/cm(軸トルク:10
92g・cm)を設定し、実験を行なった。なお、熱転
写記録媒体と被記録体の引きはがし時間を制御するため
に、サーマルヘッド端部から3mmの位置に剥離エッジ
を取り付けられるようにした。剥離エッジ取り付け時の
引きはがし時間は熱印加後19.7msec、取りはず
し時は1.4msecとなった。下記の評価結果を表2
及び表3に示す。
【0044】(評価) 1.転写の良否:コード39パラレルバーコード(キャ
ラクター数10、ナロー幅2dot、ワイド幅5do
t)の読みとり性をペンスキャナー(オプトエレクトロ
ニクスSD−3000)で評価した。なお、転写しない
ものについては×とした。 2.耐こすれ性:上記バーコードをペンスキャナーで2
000往復させ画像の乱れ、欠けの有無を判定した
(○:乱れなし、△:一部汚れが読み取り可、×:欠け
により不可)。 3.耐熱性:上記バーコード部を80℃雰囲気下で段ボ
ール片を当接し、20g/cm2の荷重で50往復させ画
像の乱れ、汚れを評価した(○:乱れなし、△:一部汚
れが読み取り可能、×:欠けにより読み取り不可)。
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【発明の効果】請求項1,2の発明によれば、ライン型
サーマルヘッドによる熱転写記録で良質の記録が得られ
る。請求項3,4,5の発明によれば、ライン型サーマ
ルヘッドによる熱転写記録に有用な熱転写記録媒体が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シリアルプリンタの概略を表わした図。
【図2】ラインヘッドプリンタの概略を表わした図。
【図3】(a)は平面型ヘッドの概略図、(b)は平面
型端面サーマルヘッドを用いたプリンタの機構を表わし
た概略図。
【図4】(a)は平面型ヘッドの概略図、(b)は平面
型端面サーマルヘッドを用いたプリンタの機構を表わし
た概略図、(c)は転写層と受容体との密着力の測定方
法の概略図。
【図5】剪断強度と剥離強度の用語を理解するための
図。
【図6】転写層の剪断強度、剥離強度の測定方法を示す
概略図。
【図7】初期粘着力の測定方法を示す概略図。
【符号の説明】
1 支持体 2 熱転写層 3、30 熱転写記録媒体 4 粘着テープ 5 恒温プレート 6 引張り方向 7 支持台 8 被記録体 20、40 サーマルヘッド 50 プラテンローラ 210、401 発熱エレメント部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日吉 好彦 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 稲村 和良 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 佐藤 昌弘 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に熱転写層を設けた熱転写記録
    媒体と、被記録体とを、ライン型端面サーマルヘッドと
    プラテンローラとの間に挟持し、該ライン型サーマルヘ
    ッドでの熱印加により該熱転写層を該被記録体に画像状
    に転写し、その転写後の該熱転写記録媒体を巻き取るよ
    うにした熱転写記録方法において、該熱転写記録媒体と
    被記録体間の60〜80℃における初期粘着力が50g
    f/cm2以上であることを特徴とする熱転写記録方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の熱転写記録方法におい
    て、該被記録体と当接せしめられる該熱転写記録媒体の
    熱転写層が常温で非粘着性であることを特徴とする熱転
    写記録方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の熱転写記録方法
    に用いる熱転写記録媒体であって、該熱転写層は熱可塑
    性樹脂を含有し、該熱可塑性樹脂がエチレン−酢酸ビニ
    ル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体お
    よび未加硫ゴムから選ばれる少なくとも1種を主成分と
    したことを特徴とする熱転写記録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の熱転写記録媒体におい
    て、該熱可塑性樹脂に加えてロジンおよび/またはロジ
    ン誘導体を含有することを特徴とする熱転写記録媒体。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の熱転写記録媒体におい
    て、該ロジンまたはロジン誘導体の酸価が5mgKOH
    /g以上であることを特徴とする熱転写記録媒体。
JP10054418A 1998-02-19 1998-02-19 熱転写記録方法及び熱転写記録媒体 Pending JPH11227348A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2017111097A1 (ja) * 2015-12-25 2018-07-26 大日本印刷株式会社 熱転写シート、及び被転写体と組み合わせて用いられる熱転写シートの評価方法

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JPWO2017111097A1 (ja) * 2015-12-25 2018-07-26 大日本印刷株式会社 熱転写シート、及び被転写体と組み合わせて用いられる熱転写シートの評価方法

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