JPH08207055A - プラスチック製品の成形方法と成形装置およびプラスチック製遠心羽根車の成形方法と成形装置 - Google Patents

プラスチック製品の成形方法と成形装置およびプラスチック製遠心羽根車の成形方法と成形装置

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JPH08207055A
JPH08207055A JP7017146A JP1714695A JPH08207055A JP H08207055 A JPH08207055 A JP H08207055A JP 7017146 A JP7017146 A JP 7017146A JP 1714695 A JP1714695 A JP 1714695A JP H08207055 A JPH08207055 A JP H08207055A
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JP
Japan
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molding
core
cores
plastic
centrifugal impeller
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Application number
JP7017146A
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English (en)
Inventor
Shigeru Suganuma
茂 菅沼
Yoshihisa Shimada
義久 島田
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Kawamoto Pump Mfg Co Ltd
Original Assignee
Kawamoto Pump Mfg Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】薄肉で溶出除去可能な中子の変形を防止し、高
精度な形状の製品を安価に成形できるプラスチック製品
の成形方法と成形装置およびプラスチック製遠心羽根車
の成形方法と成形装置を提供する。 【構成】遠心羽根車10の形状に対応した成形面21、
31を有する成形型1内に、所定の溶媒により溶解する
材料からなる中子5…を設置し、成形空間6に注入した
プラスチック材料により遠心羽根車を成形し、この成形
後に上記中子を溶媒に接触させてこの中子を溶解して除
去するようにした遠心羽根車の成形方法であり、成形型
1に上記成形空間に出入り可能な中子支持ピンを設け、
中子の回りの圧力バランスが不均衡なときにこの中子支
持ピンを中子に当接させて中子の変形を防止し、中子の
回りの圧力バランスが均衡したときに上記中子支持ピン
を成形空間から引っ込めるようにしたことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形型および中子を用
いて中空構造のプラスチック製品を射出成形する方法お
よびプラスチック製遠心羽根車を射出成形する方法、な
らびにこれらの成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】中空構造のプラスチック製品を射出成形
する場合、形状が3次元である場合はこれを一体成形す
ることが困難なことが多い。このため、製品全体を複数
の部品に分割し、これら部品をそれぞれ部分的に成形し
た後、これらを組み合わせて1つの製品を作る方法が採
用されている。例えば、遠心ポンプに用いられるPP
E、PPS、PA等のような汎用エンジニアプラスチッ
クからなる遠心羽根車を射出成形する場合、多数の渦巻
き状の羽根が3次元形状をなしているため、多数の渦巻
き状の羽根を有する背面板と、前面側の構成部分となる
前面板とを別々に成形した後、これら背面板と前面板を
上記羽根の前面で接着、もしくは溶着により結合し、全
体として単一構造の遠心羽根車を形成していた。
【0003】しかしながら、製品を複数の部品に分割し
てこれらを組み合わせて1つの製品を得る方法は、個々
の部品を作るためのそれぞれの型を必要とし、型費用が
高くなるとともに、それぞれの部品を個々に作るので工
数が増し、かつこれら部品を組み合わせる作業が必要で
あるから、手間数も増してコスト高になる。さらに、各
部品毎に成形寸法のばらつきを生じることがあり、これ
らを組み合わせた場合には必ずしも互いの結合部が一致
しないなど、種々の不具合がある。
【0004】そこで、こうした複雑な形状のプラスチッ
ク製品を射出成形する場合、低融点の金属、例えばビス
マスBi・スズSnを鋳造して中子を成形し、製品全体
をプラスチックで射出成形し、その後、不要となる上記
金属製の中子をこの金属の融点まで熱して溶出させる方
法が用いられていた。しかし、この方法では、高価な中
子が必要であり、しかもプラスチック製品を成形するた
めの射出成形の設備のほかに、中子を鋳造するための設
備や成形物の内部から低融点金属の中子を溶出させる設
備が必要であり、中子に費やす設備が必要で、多種少量
生産には不適である。
【0005】このようなことから、最近、中子として、
溶媒により溶出除去可能なプラスチック部材、例えば、
水または温水もしくはアルカリ性水溶液で溶融する水溶
性樹脂部材、例えばPVA等の高分子材料によって中子
を形成する研究が進められている。このような水溶性樹
脂により形成された中子を用いれば、製品が成形された
後、中子部分に水または温水もしくはアルカリ性の水溶
液からなる溶媒を接触させると、中子が溶解するので中
子の除去が容易になり、中子の取り出し作業が簡単にな
る。また、このような中子の成形は射出成形で行えるか
ら、中子を低融点金属によって形成する場合に比べて、
中子の製造が容易であり、中子を作る設備が省略される
とともに簡単になり、したがってコストダウンが可能に
なる。よって、低融点金属からなる中子を使用する場合
に比べると、プラスチック製品の多種少量生産に有利で
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、溶媒に
より溶出除去が可能なプラスチック材料、例えばPVA
等の高分子材料は、金属製中子に比べて剛性が低く、射
出成形時にプラスチック材料の圧力を受けると撓んでし
まうことがある。すなわち、図9に示すように、射出成
形時には成形型100の射出ゲート22から高温、高圧
の成形材料が成形空間6に射出されるが、中子5の回り
に材料が回り込むまでのごくわずかな時間は圧力バラン
スが未だ均衡しない段階であり、よって中子5に対し射
出ゲート22側から高い射出圧力が加わり、中子5の薄
肉箇所は剛性が低いので撓み変形する。
【0007】このような変形は、中子の回りに材料が回
り込んで圧力バランスが均衡しても変形したままとな
り、よって成形品が所定の製品形状に成形できないとい
う不具合が生じる。
【0008】本発明はこのような事情に着目してなされ
たもので、その目的とするところは、薄肉で溶出除去可
能な中子を用いてもこの中子の変形を防止し、高精度な
形状の製品を安価に一体成形できるプラスチック製品の
成形方法と成形装置およびプラスチック製遠心羽根車の
成形方法と成形装置を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1の発明は、プラスチック製品の外郭形状に対応
した成形面を有する成形型内に1または複数の中子を設
置し、この中子は少なくとも一部を所定の溶媒により溶
解する材料で形成し、上記成形面と上記中子との間の成
形空間に上記製品となるプラスチック材料を注入し、こ
のプラスチック材料により上記製品を成形し、この成形
後に上記中子に上記溶媒を接触させて上記中子の溶解性
部分を溶解して除去するようにしたプラスチック製品の
成形方法において、上記成形型に、上記成形空間に出し
入れ可能であり、挿入された場合に先端が上記中子に当
接して中子の変形を防止する中子支持ピンを設け、上記
成形空間にプラスチック材料を注入して中子の回りの圧
力バランスが均衡したとき上記中子支持ピンを成形空間
から引っ込めるようにしたことを特徴とするプラスチッ
ク製品の成形方法である。
【0010】請求項2の発明は、プラスチック製品の外
郭形状に対応した成形面を有する成形型と、この成形型
内に設置され、上記成形面との間で製品形状に対応する
成形空間を形成し、少なくとも一部が所定の溶媒により
溶解する材料によって形成された1または複数の中子
と、この成形型に上記成形空間に出し入れ可能に設けら
れ、挿入された場合に先端が上記中子に当接して中子の
変形を防止する中子支持ピンと、を具備したことを特徴
とするプラスチック製品の成形装置である。
【0011】請求項3の発明は、遠心羽根車の外郭形状
に対応した成形面を有する成形型内に1または複数の中
子を配置し、この中子は少なくとも一部を所定の溶媒に
より溶解する材料で形成し、上記成形面と上記中子との
間に形成された成形空間に上記羽根車となるプラスチッ
ク材料を注入し、このプラスチック材料により上記遠心
羽根車を成形し、この成形後に上記中子に上記溶媒を接
触させて上記中子の溶解性部分を溶解して除去するよう
にしたプラスチック製遠心羽根車の成形方法において、
上記成形型に、上記成形空間に出し入れ可能で挿入され
た場合に先端が上記中子に当接して中子の変形を防止す
る中子支持ピンを設け、上記成形空間にプラスチック材
料を注入して中子の回りの圧力バランスが均衡したとき
上記中子支持ピンを成形空間から引っ込めるようにした
ことを特徴とするプラスチック製遠心羽根車の成形方法
である。
【0012】請求項4の発明は、遠心羽根車の外郭形状
に対応した成形面を有する成形型と、この成形型内に設
置され、上記成形面との間で遠心羽根車の形状に対応す
る成形空間を形成し、少なくとも一部が所定の溶媒によ
り溶解する材料によって形成された1または複数の中子
と、この成形型に上記成形空間に出し入れ可能に設けら
れ、挿入された場合に先端が上記中子に当接して中子の
変形を防止する中子支持ピンと、を具備したことを特徴
とするプラスチック製遠心羽根車の成形装置である。
【0013】
【作用】請求項1の発明によると、射出ゲートから高
温、高圧のプラスチック材料が成形空間に射出されると
きに、成形型に設けた出し入れ可能な中子支持ピンで中
子を押さえるようにしたから、中子の回りに材料が回り
込むまでのごくわずかな時間に圧力バランスが不均衡で
あっても、中子の変形を防止することができる。そし
て、中子の回りの圧力バランスが均衡して、しかも未だ
プラスチック材料が硬化せずに流動性を有している段階
で上記中子支持ピンを成形空間から引っ込めることによ
り、中子支持ピンの空孔をプラスチック材料が埋めるの
で中子支持ピンの跡を残さずに成形することができる。
よって、高精度な形状の製品を安価に成形できる。
【0014】請求項2の発明によれば、従来の成形装置
に中子支持ピンを加えるだけの簡単な構造で上記請求項
1の方法を実施可能な成形装置を提供することができ
る。請求項3の発明によると、請求項1に記載の発明に
おける有利さを、複雑な形状の中子を使用するのが余儀
無くされるプラスチック製遠心羽根車の成形に活用する
ことができ、プラスチック製遠心羽根車の多種少量生産
に有利になり、安価に作ることができる。請求項4の発
明によると、従来の成形装置に中子支持ピンを加えるだ
けの簡単な構造で上記請求項3の方法を実施可能な成形
装置を提供することができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明について、遠心ポンプに用いる
プラスチック製遠心羽根車を射出成形する場合を実施例
として、図1ないし図8にもとづき説明する。まず、製
品となるプラスチック製遠心羽根車の形状について、図
5および図6により説明する。この遠心羽根車は符号1
0により示されており、この羽根車10はPPE、PP
S、PA等の合成樹脂にて形成されいる。この羽根車1
0は背面側の壁となる背面板11と、この背面板11と
間隔を存して対向する前面側の壁となる前面板12と、
これら背面板11と前面板12との間に形成されて、周
方向に間隔を存して設置された多数の羽根13…とを主
な構成部としている。各羽根13…は遠心羽根車10の
中心部から外径部に向かって、次第に周方向へ湾曲する
ような渦巻き形状をなしており、それぞれの羽根13…
は、内径側に位置して渦巻き状に弯曲しつつ捩じり形状
をなして三次元形状を有するねじり羽根部分13aと、
外径側に位置して渦巻き状に弯曲して延びる二次元的な
弯曲羽根部13bとを連続して形成してある。このよう
な形状の羽根13…は、相互に間隔を存して周方向に配
置されており、これら羽根13…間の間隔は、外径方向
に近づくに従って次第に広がるように形成されている。
【0016】そして、遠心羽根車10の中心部には、背
面板11の軸心に位置して、図示しない駆動軸を取り付
けるための取付孔14が貫通して形成されている。この
遠心羽根車10は、これが図示しないポンプケーシング
内で回転されると、前面板12の中心部に開口した羽根
入口15から流体を吸引し、この流体を各羽根13…間
の間隙を通る過程で加圧し、円周部の羽根出口16…か
ら送り出すようになっている。
【0017】このような構造のプラスチック製遠心羽根
車10は、射出成形法により一体成形される。その射出
成形装置ついて説明する。図1および図2において1
は、射出成形機の成形型を示し、この成形型1は、主型
2と、これに接離可能に組み付けられる副型3、および
中子組体4とで構成されている。
【0018】主型2には、内面に上記製品となった遠心
羽根車10の背面板11を成形するための背面板成形面
21が形成されており、この背面板成形面21は上記背
面板11の外郭形状に一致する成形面を有している。ま
た副型3の内面には、同じく遠心羽根車10の前面板1
2および羽根入口15を成形するための前面板成形面3
1が形成されており、この前面板成形面31は上記前面
板12の外郭形状に一致する成形面を有している。
【0019】また、上記主型2には軸心部分に位置し
て、成形空間6と外部を連通するプラスチック射出用の
ゲート22が形成されており、さらに、副型3には、前
面板成形面31の軸心部に位置して、遠心羽根車10の
取付孔14を形成するための取付孔成形用突部32が形
成されている。
【0020】このような成形型1には、上記背面板成形
面21と前面板成形面31との間に、中子組体4が組み
込まれている。中子組体4は全体の構成を図8に示して
あり、遠心羽根車10の羽根入口15を成形するための
中央円形部41と、この中央円形部41から放射状に伸
びて隣合う羽根13…の空間部を埋めるように円弧状に
弯曲する弯曲部分42…を有しており、この放射方向に
伸びる弯曲部分42…は例えば6個、周方向に所定の間
隔をおいて並設して形成されている。また、中子組体4
の外径側端部には、図1に示すように主型2と副型3と
の間で挟持される保持部分43が形成されている。
【0021】ここで、中子組体4は、三次元的に形状が
変化する中子組体4を容易に構成するための工夫とし
て、羽根13…毎に分割した構造が用いられている。す
なわち、中子組体4は、複数個、すなわち6個の中子5
…に分割されている。
【0022】各中子5…は、上記中子組体4の中央円形
部分41を中子割面として、半円弧状の弯曲部分42を
備えており、羽根の枚数分にそれぞれ分割されたもので
ある。 つまり、それぞれの中子5は、図7に示す通
り、内径側の一端に上記中央円形部分41を形成するた
めの円形構成部51を有し、この円形構成部51から外
径側の他端に向かって円弧状の部分52を有し、この円
弧状の部分52の内側面および外側面形状は、遠心羽根
車10の羽根13…の内径側に在る三次元的に曲成した
ねじり羽根部13aとおよび同羽根13の外径側にある
二次元的な弯曲羽根部13bの各内外面の形状に倣う形
状にしてある。そして、上記円弧状の部分52の外径側
端部に上記保持部分43が形成されている。
【0023】ここで、各中子5…は、溶出除去可能なプ
ラスチック部材、具体的には水又は温水、アルカリ性水
などの溶媒により溶解する水溶性樹脂部材、例えばPV
A等の高分子樹脂により形成されている。
【0024】このような中子5…を合計6個用いて図8
に示す中子組体4が構成される。この組み立ては、個々
の中子5…を周方向に並べ、隣接する円形構成部51…
が互いに接触するようにし、これら円形構成部51から
伸びる円弧状の部分52…が等間隔を存して配置され
る。これにより図7に示す通り、円弧状の部分52…の
間に、軸心から外周方向に向かって渦巻き状に延びる羽
根成形部58…が構成される。
【0025】このように組み立てられた中子組体4は、
図1に示すように、成形型1の主型2と副型3の間に設
置され、外周部分の保持部分43…が主型2と副型3の
間に挾持される。
【0026】このような中子組体4に対向して副型3に
は、中子支持ピン7…が設けられている。これら中子支
持ピン7…は、中子組体4を構成するそれぞれの中子5
…に対応するように設けられており、これら中子5…の
中心部から周方向に向かうほぼ中間部に対向して設けら
れている、そして、これら中子支持ピン7…は副型3に
対し、成形空間6へ出し入れ可能に取り付けられてお
り、図示しないシリンダ装置などによって進退作動され
るようになっている。この場合、中子支持ピン7…は、
タイマーなどにより進退タイミングが制御されるように
なっている。
【0027】このような構成による成形型1を用いてプ
ラスチック製遠心羽根車10を射出成形する方法を説明
する。図1に示すように、主型2と副型3の間に中子組
体4の組み込み込むと、副型4に取り付けた中子支持ピ
ン7…を成形空間6側に進出させ、これら中子支持ピン
7…の先端を、中子5…の中間部に当接させる。これに
より、中子5…は前面側が押さえられる。この状態で射
出機から射出ゲート22を通じて成形空間6内へ、遠心
羽根車10の成形プラスチック材料、例えばPPE、P
PS、PA等の溶湯を射出する。これにより、プラスチ
ック材は、成形金型1内に形成されている成形空間6に
注入される。
【0028】この射出時には、射出ゲート22に近い背
面板成形面21と中子5…との間に溶融材料が早く回り
込むので、図9に示すように、中子5…は一側面側から
材料の射出圧を受け、撓み変形しようとする。しかし本
発明の場合、反対側に設けた中子支持ピン7…が中子5
…を押さえているから、中子5…の変形が防止される。
上記中子5の一側面が偏って射出圧を受けるのは、材料
が成形空間6の全体に回り込む前のわずかな時間であ
り、この時間が経過して材料が成形空間6の全体に回り
込むと、圧力バランスが均衡する。そして、材料が未だ
硬化せずに流動性を有している溶融段階で、図2に示す
通り、中子支持ピン7…を成形空間6から後退させる。
中子支持ピン7…が副型3内に没入されると、それまで
中子支持ピン7…が存在していた跡に溶融材料が流れ込
み、この材料で空孔を埋める。したがって、製品に中子
支持ピン7…の跡が残らない。
【0029】このようにして成形空間6に充填されたプ
ラスチック材が固化すると、主型2と副型3を分離し
て、中の成形物を取り出す。この成形物は、図3に示さ
れるように、上記注入されたプラスチック材料により射
出形成された遠心羽根車10、つまり背面板11、前面
板12および多数の羽根13…を備えており、かつ各羽
根13の間に中子5…からなる中子組体4が残ってい
る。
【0030】このような成形物としての遠心羽根車10
は、中子組体4に水又は温水、アルカリ性水などのよう
な溶媒を接触させる工程を用いて、中子5…を取り出
す。この工程は、例えば図4に示されるように、浸漬槽
内(図示しない)に満たされた溶媒、例えば温水70に
射出成形物の全体を浸漬する。これにより、水溶性樹脂
にて形成された中子5…が、その温水70との接触面か
ら溶解していく。
【0031】またこのとき、遠心羽根車10を回転させ
たり、温水70を攪拌するなどの手段を用いれば中子5
…の溶解が促される。このような溶解作業により、水溶
性樹脂によって形成された中子5…が除去されると、図
5および図6に示されるような遠心羽根車10が完成さ
れる。
【0032】上記のような製造方法によれば、中子5…
を水溶性樹脂により形成したから、遠心羽根車10が成
形された後、中子5…を溶媒70に接触させて中子5…
を解かすので、中子5…の除去が容易である。また、こ
のような中子5…の成形は射出成形で行える。よって、
中子5…をビスマスやスズなどの低融点金属により形成
する場合に比べて、中子の製造が容易であり、中子を作
る設備が省略され、コストダウンが可能にある。
【0033】また、中子5…を製作するのに要する設備
の削減化を図りながら、三次元的な形状をもち、しかも
多数の中子5…を用いる必要がある遠心羽根車10を一
体成形でき、多種少量生産性の向上を図ることができ
る。
【0034】そして、このような溶融性の中子5…を用
いた場合、材料の射出圧を受けたときに中子5…が撓み
変形する虞があるが、上記実施例の場合、中子5…を中
子支持ピン7…で押さえるから中子5…の撓み変形が防
止される。しかも、中子支持ピン7…は、材料が硬化す
るまえに成形空間6から後退させて副型3に格納するか
ら、成形品に中子支持ピン7…が存在したことの跡が残
らない。このため、製品形状を高い精度に保つことがで
き、射出成形の品質が向上する。
【0035】なお、中子支持ピン7…の引っ込めるタイ
ミングをタイマーにより制御すると、引っ込めるタイミ
ングの選定が自由にでき、異なる材質のプラスチック材
料で射出成形する場合に材質の成形条件にあわせて自動
化することができる。
【0036】そして、上記成形金型、すなわち成形装置
1によれば、図9に示す従来の成形型100に、中子支
持ピン7…を取り付けるだけの簡単な変更で上記射出成
形が可能になり、装置の構成が簡単である。
【0037】なお、上記実施例では、プラスチック製品
として遠心羽根車10を成形する場合について説明した
が、本発明はこれに限らない。すなわち、中子を用いて
射出成形するプラスチック製品は種々あり、これらの製
造方法において、中子を溶媒に接触させて溶解して除去
するようにした成形方法を採用する場合、本発明の適用
が可能である。また、上記実施例の場合、中子は複数に
分割されたものを組み込んで中子組体4としたが、中子
は一体成形物であってもよい。さらにまた、本発明はそ
れぞれの請求項の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が
可能である。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
ると、射出ゲートから注入される高温、高圧のプラスチ
ック材料が中子の周囲に回り込む前に圧力バランスが不
均衡となって中子に偏荷重が加えられても、中子を中子
支持ピンで押さえるようにしたから、中子の変形を防止
することができる。しかも、中子支持ピンは中子の周囲
の圧力バランスが均衡となったときに引っ込めるから、
製品に中子支持ピンの跡が大きく残らない。よって、高
精度な形状の製品を安価に成形できる。
【0039】請求項2の発明によれば、従来の成形装置
に中子支持ピンを加えるだけの簡単な構造で上記請求項
1の方法を実施可能な成形装置を提供することができ
る。請求項3の発明によると、請求項1に記載の発明に
おける有利さを、複雑な形状の中子を使用するのが余儀
無くされるプラスチック製遠心羽根車の成形に活用する
ことができ、プラスチック製遠心羽根車の多種少量生産
に有利になり、安価に作ることができる。請求項4の発
明によると、従来の成形装置に中子支持ピンを加えるだ
けの簡単な構造で上記請求項3の方法を実施可能な成形
装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示し、遠心羽根車の成形に
用いる成形型の断面図。
【図2】同成形型の異なる作用状態を示す断面図。
【図3】同成形型を用いて射出成形された成形物を示す
断面図。
【図4】同成形物を溶媒中で溶解する工程を説明するた
めの断面図。
【図5】製造された遠心羽根車を示す断面図。
【図6】図5のVI−VI線の断面図。
【図7】単一の中子を示す平面図。
【図8】中子を組み合わせて中子組体を形成した状態の
平面図。
【図9】従来の成形型により射出成形する場合を説明す
る断面図。
【符号の説明】
1…成形型 2…主型 3…副型 4…中子組体 5…中子 6…成形空間 7…中子支持ピン 10…遠心羽根車 11…背面板 12…前面板 13…羽根 14…取付孔 15…羽根入口 16…羽根出口 21…背面板成形面 31…前面板成形
面 22…射出ゲート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29L 31:08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック製品の外郭形状に対応した
    成形面を有する成形型内に1または複数の中子を設置
    し、この中子は少なくとも一部を所定の溶媒により溶解
    する材料で形成し、上記成形面と上記中子との間の成形
    空間に上記製品となるプラスチック材料を注入し、この
    プラスチック材料により上記製品を成形し、この成形後
    に上記中子に上記溶媒を接触させて上記中子の溶解性部
    分を溶解して除去するようにしたプラスチック製品の成
    形方法において、 上記成形型に、上記成形空間に出し入れ可能であり、挿
    入された場合に先端が上記中子に当接して中子の変形を
    防止する中子支持ピンを設け、上記成形空間にプラスチ
    ック材料を注入して中子の回りの圧力バランスが均衡し
    たとき上記中子支持ピンを成形空間から引っ込めるよう
    にしたことを特徴とするプラスチック製品の成形方法。
  2. 【請求項2】 プラスチック製品の外郭形状に対応した
    成形面を有する成形型と、 この成形型内に設置され、上記成形面との間で製品形状
    に対応する成形空間を形成し、少なくとも一部が所定の
    溶媒により溶解する材料によって形成された1または複
    数の中子と、 この成形型に上記成形空間に出し入れ可能に設けられ、
    挿入された場合に先端が上記中子に当接して中子の変形
    を防止する中子支持ピンと、 を具備したことを特徴とするプラスチック製品の成形装
    置。
  3. 【請求項3】 遠心羽根車の外郭形状に対応した成形面
    を有する成形型内に1または複数の中子を配置し、この
    中子は少なくとも一部を所定の溶媒により溶解する材料
    で形成し、上記成形面と上記中子との間の成形空間に上
    記羽根車となるプラスチック材料を注入し、このプラス
    チック材料により上記遠心羽根車を成形し、この成形後
    に上記中子に上記溶媒を接触させて上記中子の溶解性部
    分を溶解して除去するようにしたプラスチック製遠心羽
    根車の成形方法において、 上記成形型に、上記成形空間に出し入れ可能で挿入され
    た場合に先端が上記中子に当接して中子の変形を防止す
    る中子支持ピンを設け、上記成形空間にプラスチック材
    料を注入して中子の回りの圧力バランスが均衡したとき
    上記中子支持ピンを成形空間から引っ込めるようにした
    ことを特徴とするプラスチック製遠心羽根車の成形方
    法。
  4. 【請求項4】 遠心羽根車の外郭形状に対応した成形面
    を有する成形型と、 この成形型内に設置され、上記成形面との間で遠心羽根
    車の形状に対応する成形空間を形成し、少なくとも一部
    が所定の溶媒により溶解する材料によって形成された1
    または複数の中子と、 この成形型に上記成形空間に出し入れ可能に設けられ、
    挿入された場合に先端が上記中子に当接して中子の変形
    を防止する中子支持ピンと、 を具備したことを特徴とするプラスチック製遠心羽根車
    の成形装置。
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