JPH08206876A - ろう付方法およびそのろう材 - Google Patents

ろう付方法およびそのろう材

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JPH08206876A
JPH08206876A JP7039314A JP3931495A JPH08206876A JP H08206876 A JPH08206876 A JP H08206876A JP 7039314 A JP7039314 A JP 7039314A JP 3931495 A JP3931495 A JP 3931495A JP H08206876 A JPH08206876 A JP H08206876A
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JP
Japan
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brazing
brazing material
alloy
helical gear
alloy containing
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JP7039314A
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Akira Hashimoto
晃 橋本
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Original Assignee
Mazda Motor Corp
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K35/00Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K35/00Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting
    • B23K35/22Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting characterised by the composition or nature of the material
    • B23K35/24Selection of soldering or welding materials proper
    • B23K35/30Selection of soldering or welding materials proper with the principal constituent melting at less than 1550 degrees C
    • B23K35/302Cu as the principal constituent
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C26/00Coating not provided for in groups C23C2/00 - C23C24/00
    • C23C26/02Coating not provided for in groups C23C2/00 - C23C24/00 applying molten material to the substrate
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C8/00Solid state diffusion of only non-metal elements into metallic material surfaces; Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive gas, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals
    • C23C8/02Pretreatment of the material to be coated

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数の鋼部材を浸炭処理と並行的にろう付け
し、その後焼入れするろう付方法、複数の金属部材や鋼
部材をろう付けする為のろう材を提供する。 【構成】 複数の鋼部材を浸炭処理するのと並行してろ
う付けし、その後焼入れする為には、浸炭処理温度93
0℃で液相状態で、焼入れ直前温度850℃で固相状態
であるろう材が必要である。80〜55重量%のCuと
20〜45重量%のMnとからなるCu−Mn合金ろう
材、20〜45重量%のMnと0〜15重量%のNiと
を含むCu−Mn−Ni合金ろう材等が適用可能であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ろう付方法およびその
ろう材に関し、特に鋼部材を浸炭処理と並行してろう付
けし、その後焼入れするろう付方法及びそのろう材に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車のマニュアル変速機のヘリ
カルギヤとクラッチコーンとは分割ギヤとして構成した
部品を電子ビーム溶接することでギヤ部材に一体化され
て来たが、電子ビーム溶接では、部分的な溶融と凝固と
が起こるため、クラッチコーンの熱変形が問題となるう
え、特殊な真空チャンバーも必要で、消耗品も多く、メ
ンテナンス費用も高額になる等の問題がある。そこで、
特開平1−237096号公報には、ヘリカルギヤとク
ラッチコーンとを浸炭処理と並行的にろう付けしてギヤ
部材とする為のろう材として、CuとAgとを主成分と
する合金であって、5〜10重量%のSnと20〜50
重量%のAgとを含む合金からなるろう材が提案されて
いる。
【0003】前記公報に記載の技術のように、鋼部材を
浸炭処理と並行してろう付けし、その後焼入れ処理する
為にろう材に要求される条件としては、(1) 浸炭処理温
度が930℃で焼入れ直前温度が850℃であるため、
固相線が850℃以上であり且つ液相線が930℃以下
であること、(2) 量産時の作業性の観点から線材化が可
能であること、(3) ろう付けの目標剪断強度が約17Kg
f/mm2 以上であること、が必要である。一方、従来の鋼
部材をろう付けするろう材としては、Ag,Au,N
i,Cu,CuP合金,CuZn合金等のろう材が主と
して適用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記公報に記
載のろう材では、約17Kgf/mm2 以上の目標剪断強度を
確保することは困難であるため、ろう付けの接合面を大
きく設定する必要があり、ギヤ部材が大型化する。ま
た、ろう材の組成を余程適切に設定しないと、固相線が
850℃以下になる可能性が高く、ギヤ部材の焼入れ開
始後も完全に凝固せず、焼入れの進行と並行して凝固す
るため、ろう付けの接合強度が低下する可能性がある。
【0005】従来周知の前記列挙したろう材は、前記諸
条件(1) 〜(3) を満足するものではないため、ヘリカル
ギヤとクラッチコーンとを浸炭処理と並行的にろう付け
してギヤ部材とする為のろう材として適用することはで
きない。本発明の目的は、複数の鋼部材を浸炭処理と並
行的にろう付けし、その後焼入れできるろう付方法、複
数の金属部材をろう付けする為のろう材、複数の鋼部材
をろう付けする為のろう材を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1のろう付方法
は、複数の鋼部材同士をろう付けする方法において、C
uとMnとを主成分とする合金のろう材を鋼部材間のろ
う付け対象部位又はその近傍部位にセットする第1の工
程と、前記ろう材をセットした複数の鋼部材を、浸炭炉
内に収容して浸炭処理するとともに前記ろう材によりろ
う付け対象部位をろう付けする第2の工程と、前記浸炭
処理された複数の鋼部材を焼入れ処理する第3の工程と
を備えたことを特徴とするものである。
【0007】請求項2のろう付方法は、請求項1の発明
において、前記ろう材が、20〜45重量%のMnを含
むCuとMnの合金であることを特徴とするものであ
る。請求項3のろう付方法は、請求項1の発明におい
て、前記ろう材が、20〜45重量%のMnと、0〜1
5重量%のNiとを含むCuとMnとNiの合金である
ことを特徴とするものである。
【0008】請求項4のろう付方法は、請求項2又は請
求項3の発明において、前記第1の工程において鋼部材
間にセットされるろう材は、線材をリング状又は開リン
グ状に構成したろう材であることを特徴とするものであ
る。請求項5のろう付方法は、請求項1の発明におい
て、前記複数の鋼部材が、自動車用変速機におけるヘリ
カルギヤとクラッチコーンであることを特徴とするもの
である。
【0009】請求項6のろう材は、複数の金属部材同士
をろう付けする為のろう材において、CuとMnとを主
成分とする合金であって、20〜45重量%のMnを含
む合金からなるものである。請求項7のろう材は、複数
の金属部材同士をろう付けする為のろう材において、C
uとMnとを主成分とする合金であって、20〜45重
量%のMnと0〜15重量%のNiとを含む合金からな
るものである。
【0010】請求項8のろう材は、複数の鋼部材同士を
ろう付けする為のろう材において、CuとMnとを主成
分とする合金であって、20〜45重量%のMnを含む
合金からなるものである。請求項9のろう材は、複数の
鋼部材同士をろう付けする為のろう材において、Cuと
Mnとを主成分とする合金であって、20〜45重量%
のMnと0〜15重量%のNiとを含む合金からなるも
のである。
【0011】
【発明の作用及び効果】請求項1のろう付方法において
は、複数の鋼部材同士をろう付けする際に、第1の工程
において、CuとMnとを主成分とする合金のろう材を
鋼部材間のろう付け対象部位又はその近傍部位にセット
し、第2の工程において、前記ろう材をセットした複数
の鋼部材を、浸炭炉内に収容して浸炭処理するとともに
前記ろう材によりろう付け対象部位をろう付けし、第3
の工程において、前記浸炭処理された複数の鋼部材を焼
入れ処理する。
【0012】CuとMnとを主成分とする合金のろう材
は、Mnの重量%を適切に設定すれば、鋼部材の浸炭処
理温度(約930℃)において液相状態で、鋼部材の焼
入れ処理直前の温度(約850℃)において十分に固相
状態となるので、複数の鋼部材を浸炭処理するのと並行
してろう付けすることができ、また、焼入れ処理開始前
にろう材を凝固させることができるためろう付けの接合
強度を確保することができる。しかも、ろう材にMnが
含まれるため硬度が幾分増すけれども、ろう材を線材化
することができるから、ろう材を所定形状に成形して量
産に対応できるようになるため、ろう付けのコストを低
減できる。
【0013】請求項2のろう付方法においては、請求項
1と同様の作用・効果を奏するが、前記ろう材が、20
〜45重量%のMnを含むCuとMnの合金であるた
め、図4の状態図からも判るように、鋼部材の浸炭処理
(約930℃)において液相状態を保持し、鋼部材の焼
入れ処理直前の温度(約850℃)よりも高い約870
℃以上の固相線を確保(約870℃以下で液相状態とな
らない)することができる。
【0014】請求項3のろう付方法においては、請求項
1と同様の作用・効果を奏するが、前記ろう材が、20
〜45重量%のMnと、0〜15重量%のNiとを含む
CuトMnとNiの合金である。ろう材が20〜45重
量%のMnを含む合金であり、Niの重量%は比較的少
量であるため、基本的に請求項2と同様の作用・効果が
得られるうえ、ろう材が0〜15重量%のNiを含む合
金であるため、ろう付けの接合強度を高めることがで
き、また、ろう材の液相状態における鋼部材に対する濡
れ性を高め、接合部の隅々までろう材を充填できるから
ろう付けの信頼性を高めることができる。
【0015】請求項4のろう付方法においては、請求項
2又は請求項3と同様の作用・効果を奏するが、前記第
1の工程において鋼部材間にセットされるろう材は、線
材をリング状又は開リング状に構成したろう材であるた
め、ろう材のセットが簡単になり、量産的にろう付けす
る際のコスト低減を図ることができる。
【0016】請求項5のろう付方法においては、請求項
1と同様の作用・効果を奏するが、前記複数の鋼部材
が、自動車用変速機におけるヘリカルギヤとクラッチコ
ーンである。このヘリカルギヤとクラッチコーンをろう
付けにて一体的に接合するため、熱歪みを最小限に抑制
して高品質のギヤ部材とすることができる。
【0017】請求項6のろう材においては、複数の金属
部材同士をろう付けする為のろう材において、ろう材
が、CuとMnとを主成分とする合金であって、20〜
45重量%のMnを含む合金からなるので、20〜45
重量%のMnの作用により、ろう材の液相線お固相線を
低くすることができるとともに、ろう材の線材化が可能
であるため、量産的なろう付けに適する。そして、図4
の状態図から判るように、請求項1で説明したように、
このろう材は、鋼部材の浸炭処理温度(約930℃)に
おいて液相状態で、鋼部材の焼入れ処理直前の温度(約
850℃)において十分に固相状態となるので、複数の
鋼部材を浸炭処理するのと並行してろう付けすることの
できるものとなる。
【0018】請求項7のろう材においては、複数の金属
部材同士をろう付けする為のろう材において、ろう材
が、CuとMnとを主成分とする合金であって、20〜
45重量%のMnと0〜15重量%のNiとを含む合金
からなるので、基本的に請求項6と同様の作用・効果が
得られるうえ、0〜15重量%のNiを含む合金である
ため、請求項3で説明したように、ろう付けの接合強度
を高めることができ、また、ろう材の液相状態における
金属部材(特に、鋼部材)に対する濡れ性を高め、接合
部の隅々までろう材を充填できるからろう付けの信頼性
を高めることができる。
【0019】請求項8のろう材においては、複数の鋼部
材同士をろう付けする為のろう材において、CuとMn
とを主成分とする合金であって、20〜45重量%のM
nを含む合金からなるものである。ろう付け対象部材
が、複数の鋼部材という点で請求項6と異なるのみであ
り、基本的に請求項6と同様の作用・効果が得られる。
【0020】請求項9のろう材においては、複数の鋼部
材同士をろう付けする為のろう材において、CuとMn
とを主成分とする合金であって、20〜45重量%のM
nと0〜15重量%のNiとを含む合金からなるもので
ある。ろう付け対象部材が、複数の鋼部材という点で請
求項7と異なるのみであり、基本的に請求項7と同様の
作用・効果が得られる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しつつ説明する。本実施例は、自動車のマニュアル変速
機用に組み込まれるギヤ部材を製作する際に、鋼製のヘ
リカルギヤと鋼製のクラッチコーンとを浸炭処理と並行
してろう付けしてギヤ部材を作成する浸炭処理・ろう付
方法、および、そのろう付けの為のろう材に、本発明を
適用した場合の一例である。最初に、浸炭処理・ろう付
方法について説明し、その後、前記浸炭処理・ろう付方
法に適用可能なろう材について説明する。
【0022】前段の工程において、図1(a)に示すよ
うに、予め、クラッチコーン10と、ヘリカルギヤ20
とを製作しておくものとする。これらの構造について説
明すると、クラッチコーン10において、筒部13とギ
ヤ部14とが一体形成され、軸孔11は、筒部13内の
大径孔11aと、ギヤ部14内の小径孔11bとからな
り、小径孔11bの内周面12と、ギヤ部14の下面1
6の内周側部分とがろう付けされる面である。筒部13
の外周面15はテーパー状のコーン面に形成され、ギヤ
部14の外周部にはギヤ歯17が形成されている。
【0023】ヘリカルギヤ20には、軸孔21を形成し
てあり、上端側の嵌合軸部22と、本体部23とが一体
形成され、嵌合軸部22と本体部23とに亙って軸孔2
1が形成され、嵌合軸部22は、クラッチコーン10の
小径孔11bに微小隙間を以て嵌合可能に形成されてい
る。嵌合軸部22の外周基部には、開リング状のろう材
30(図2参照)を装着する為の環状溝25が形成さ
れ、本体部23の上面の内周側部分には、クラッチコー
ン10の下面16に当接可能な環状面26が形成され、
嵌合軸部22の外周面24と、環状面26とがろう付け
される面である。また、本体部23の外周部にはギヤ歯
27が形成されている。
【0024】更に、別の前段の工程において、図2に示
すように、予め、環状溝25に装着する為の開リング状
のろう材30を製作しておく。この開リング状のろう材
30は、所定の太さの線材を開リング状に成形し且つ切
断して作成する。但し、この開リング状のろう材30の
合金の材質については後述する。
【0025】次に、浸炭処理・ろう付方法の第1工程に
おいて、図1(b)に示すように、ヘリカルギヤ20の
環状溝25に、開リング状のろう材30をセットする。
次に、第2工程において、図1(c)に示すように、所
定の圧入プレスにヘリカルギヤ20とクラッチコーン1
0とをセットし、クラッチコーン10をヘリカルギヤ2
0に圧入する。この圧入後の状態において、ろう材30
は環状溝25内に位置し、内周面12が外周面24に2
0〜30μmの微小隙間を以て外嵌し、クラッチコーン
10の下面16の内周側部分は、環状面26に40〜8
0μmの微小隙間を以て当接した状態となる。
【0026】次に、第3工程において、クラッチコーン
10とヘリカルギヤ20とを浸炭炉内に収容して浸炭処
理するとともに、その浸炭処理と並行してろう材30に
よるろう付けを行ない、クラッチコーン10とヘリカル
ギヤ20とをろう付けして一体化したギヤ部材40にす
る。次に、第4工程において、ギヤ部材40を浸炭炉か
ら取り出し、ソルトバスの溶融ソルト内に収容して、焼
入れ処理する。
【0027】ここで、前記第3及び第4工程における浸
炭処理・ろう付け処理及び焼入れ処理の温度特性(ヒー
トパターン)について説明する。図3に示すように、3
50℃まで昇温して20分間保持し、その後930℃ま
で加熱し、930℃の加熱状態において86分間浸炭処
理するのと並行してろう材30を融解させてろう付けす
る。その後、焼入れ時の熱変形を抑制する為に、フェラ
イト析出が生じない850℃の温度まで降温させて84
分間保持し、次に、ソルトバスにより850℃から23
0℃の温度に焼入れ処理し、その後230℃から大気中
にて徐冷する。
【0028】後述するろう材30の特性から判るよう
に、前記浸炭処理・ろう付けの際、ろう材30が融解し
て、内周面12と外周面24間の20〜30μmの微小
隙間31に充填されるとともに、クラッチコーン10の
下面16の内周側部分と環状面26間の40〜80μm
の微小隙間32に充填され、850℃に降温された状態
においてろう材は完全に凝固状態になる。そして、その
凝固しながらではなく、凝固完了状態において焼入れ処
理されるため、焼入れの際の熱歪みによりろう付け接合
部の強度が低下することもない。
【0029】次に、前記クラッチコーン10とヘリカル
ギヤ20とをろう付けするのに適したろう材30の合金
組成と機械的特性について説明する。前記のように、浸
炭処理と並行してろう付けし、その後焼入れ処理する関
係上、ろう材30に必要な特性としては、(1) 浸炭処理
時の温度930℃において液相状態であること、(2) 焼
入れ直前の温度850℃において固相状態であること、
(3) 約17.2 Kgf/mm2以上の目標剪断強度を確保できるこ
と、〔尚、この目標剪断強度は、規格で規定されている
捩じり強度500Kg・m および抜き強度23ton から設
定した〕 (4) 融解状態のろう材30を微小な接合隙間に均一に充
填する為に、クラッチコーン10とヘリカルギヤ20を
構成する鋼部材に対する濡れ性が高いこと、(5) クラッ
チコーン10とヘリカルギヤ20とを量産的にろう付け
する為に、線材化してから所定形状に成形できるろう材
30であること、等の諸必要条件を満足する必要があ
る。
【0030】以上の諸必要条件を充足するろう材30と
して、CuとMnとを主成分とする合金からなるろう材
が有力な候補であるので、それについて検討する。図4
のCu−Mnろう材用合金の2元系状態図に示すよう
に、前記(1) と(2)の条件を満足する為には、Mnの成
分比率を20〜45重量%の範囲に設定する必要があ
り、その場合、Mnの成分比率38.5重量%で最低融
点870℃となる。Mnを含むと、ろう材合金が硬くな
って線材化が難しくなる虞があったが、ろう材メーカー
による検討の結果、α固溶体が多く析出する領域では、
過度に硬くなることはなく、十分に線材化可能であるこ
とが判った。
【0031】次に、液相状態のろう材30の鋼部材に対
する濡れ性を高め、接合強度を高める為に、前記のろう
材に、Niを添加してなる合金も有力な候補である。そ
こで、図5に示す組成の合金からなる7種類のろう材M
1〜M7について、濡れ性確認試験を行った。この濡れ
性確認試験では、ろう材M1〜M7の試料1gを鋼板表
面にてプラズマアークで加熱融解して、鋼板表面におけ
る濡れ半径を計測し、その計測結果を図6に示す。この
図から、概略的に、Niの組成比率が高まる程濡れ性が
向上することが判った。但し、Niを添加しない場合で
あっても、適用するフラックスの種類を調整すること
で、ある程度まで濡れ性を高めることができる。
【0032】ところで、Mnの組成比率が高まる程融点
が高くなり、また、Niの組成比率が高まる程融点が高
くなることから、図7に示すCu−Mn−Niろう材用
合金の3元系状態図により検討した結果、浸炭処理時の
温度930℃において液相状態を確保する為には、Ni
の組成比率は15重量%以下であることが必要であるこ
とが判った。
【0033】一方、前記7種類のろう材M1〜M7につ
いて、接合強度試験を行った結果は、図8に示す通りで
ある。この結果から、ろう材M1は十分な接合強度を発
揮するが、ろう材M2,3は接合強度的に多少劣るもの
の実用に耐えない訳ではない。ろう材M4〜M7は、十
分な接合強度を発揮し、濡れ性と強度の観点から最も望
ましいものであることが判る。
【0034】以上のような検討結果から、前記クラッチ
コーン10とヘリカルギヤ20のような複数の鋼部材を
浸炭処理と並行的にろう付けし、その後焼入れ処理する
のに適したろう材30としては、次の種々のろう材を適
用できる。 (a)CuとMnとを主成分とする合金であって、20
〜45重量%のMnを含む合金からなるろう材。 (b)CuとMnとを主成分とする合金であって、80
〜55重量%のCuと20〜45重量%のMnを含むC
u−Mn合金からなるろう材。 (c)CuとMnとを主成分とする合金であって、20
〜45重量%のMnと、0〜15重量%のNiを含む合
金からなるろう材。 (d)CuとMnとを主成分とする合金であって、20
〜45重量%のMnと、0〜15重量%のNiを含むC
u−Mn−Ni合金からなるろう材。 (e)CuとMnとを主成分とする合金であって、45
重量%以上のCuと、20〜45重量%のMnと、0〜
15重量%のNiを含むCu−Mn−Ni合金からなる
ろう材。
【0035】次に、前記実施例を部分的に変更した変更
態様について説明する。 1〕前記実施例におけるろう付け対象部材はクラッチコ
ーン10とヘリカルギヤ20であったが、ろう付け対象
部材は前記のものに限定されず、その他の種々の鋼部材
であってもよく、2つの鋼部材をろう付けするとは限ら
ず、3つの鋼部材又は3つ以上の鋼部材をろう付けする
ろう付方法にも、同様に本発明を適用可能である。 2〕前記ろう材30は、線材から開リング状に成形した
ものを適用したが、閉リング状のろう材を装着できる場
合には、閉リング状のろう材を適用してもよい。 3〕前記(a)と(c)のろう材は、必要に応じて、C
u,Mn,Ni以外のその他の金属元素を微小量又は少
量添加してなる合金であってもよい。 4〕前記実施例のろう材は、鋼部材をろう材するのに好
適のものであるが、鋼部材以外の複数の金属部材(特
に、ダクタイル鋳鉄部材、鋳鉄部材、銅合金部材、アル
ミ合金部材、その他)のろう付けにも適用し得ることは
勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施例に係るクラッチコーン
とヘリカルギヤの断面図、(b)はろう材をセットして
状態のヘリカルギヤの断面図、(c)はヘリカルギヤに
クラッチコーンを圧入した状態の断面図、(d)はクラ
ッチコーンとヘリカルギヤとをろう付けした状態の断面
図である。
【図2】開リング状のろう付けの平面図である。
【図3】浸炭処理・ろう付けの温度特性図である。
【図4】Cu−Mnろう付け用合金の2元状態図であ
る。
【図5】種々の実験に供した7種類のろう材の組成を示
す図表である。
【図6】前記7種のろう材の濡れ性確認試験の試験結果
を示すグラフである。
【図7】Cu−Mn−Niろう材用合金の3元状態図で
ある。
【図8】前記7種のろう材の接合強度試験結果を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
10 クラッチコーン 20 ヘリカルギヤ 30 開リング状ろう材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 9/05 F16H 57/02 501 Z

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の鋼部材同士をろう付けする方法に
    おいて、 CuとMnとを主成分とする合金のろう材を鋼部材間の
    ろう付け対象部位又はその近傍部位にセットする第1の
    工程と、 前記ろう材をセットした複数の鋼部材を、浸炭炉内に収
    容して浸炭処理するとともに前記ろう材によりろう付け
    対象部位をろう付けする第2の工程と、 前記浸炭処理された複数の鋼部材を焼入れ処理する第3
    の工程と、 を備えたことを特徴とするろう付方法。
  2. 【請求項2】 前記ろう材が、80〜55重量%のCu
    と、20〜45重量%のMnを含むCuとMnの合金で
    あることを特徴とする請求項1に記載のろう付方法。
  3. 【請求項3】 前記ろう材が、20〜45重量%のMn
    と、0〜15重量%のNiとを含むCuとMnとNiの
    合金であることを特徴とする請求項1に記載のろう付方
    法。
  4. 【請求項4】 前記第1の工程において鋼部材間にセッ
    トされるろう材は、線材をリング状又は開リング状に構
    成したろう材であることを特徴とする請求項2又は請求
    項3に記載のろう付方法。
  5. 【請求項5】 前記複数の鋼部材が、自動車用変速機に
    おけるヘリカルギヤとクラッチコーンであることを特徴
    とする請求項1に記載のろう付方法。
  6. 【請求項6】 複数の金属部材同士をろう付けする為の
    ろう材において、 CuとMnとを主成分とする合金であって、20〜45
    重量%のMnを含む合金からなることを特徴とするろう
    材。
  7. 【請求項7】 複数の金属部材同士をろう付けする為の
    ろう材において、 CuとMnとを主成分とする合金であって、20〜45
    重量%のMnと0〜15重量%のNiとを含む合金から
    なることを特徴とするろう材。
  8. 【請求項8】 複数の鋼部材同士をろう付けする為のろ
    う材において、 CuとMnとを主成分とする合金であって、20〜45
    重量%のMnを含む合金からなることを特徴とするろう
    材。
  9. 【請求項9】 複数の鋼部材同士をろう付けする為のろ
    う材において、 CuとMnとを主成分とする合金であって、20〜45
    重量%のMnと0〜15重量%のNiとを含む合金から
    なることを特徴とするろう材。
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