JPH08206404A - 油水分離装置 - Google Patents

油水分離装置

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JPH08206404A
JPH08206404A JP7041263A JP4126395A JPH08206404A JP H08206404 A JPH08206404 A JP H08206404A JP 7041263 A JP7041263 A JP 7041263A JP 4126395 A JP4126395 A JP 4126395A JP H08206404 A JPH08206404 A JP H08206404A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 油水分離の効率の向上、人手・手間の省力
化、ろ過膜の長寿命化を図る。 【構成】 前段に浮上油回収手段5と、後段に膜利用型
油水分離手段2とを組み合わせた油水分離装置であっ
て、前記膜利用型油水分離手段2と循環ポンプ6とを有
する循環経路7と、該循環経路7中の膜利用型油水分離
手段2からの濃縮液を前記浮上油回収手段5の上流側に
戻す濃縮液戻し経路8と、前記浮上油回収手段5の下流
側に前記浮上油回収手段5からの処理液を前記循環経路
7に供給するための加圧ポンプ19とを備えたことを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油水分離装置に関す
る。特に、膜利用型油水分離手段と浮上油回収手段とを
組み合わせたものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、油水分離装置が使用される場
合として次のような場合がある。
【0003】金属機械部品の洗浄(部品に付着した切削
油、プレス油、研削油等を除去すること)や、電子部品
の洗浄(基板等に付着している異物・微粒子等を除去す
ること)においては、一番多く用いられてきた洗浄方法
がフロン、トリクロルエタンを用いる洗浄であった。
【0004】しかし、フロン等の使用について法的規制
を受けてからは、代替の洗浄方法の1つとして水系洗浄
が採用される傾向にある。これには、水あるいは洗浄剤
を含んだ水溶液をコンプレッサを用いてウォータージェ
ットとして部品にぶっつけて油分を除去する方法、液中
に部品を浸漬した状態で超音波を発振させる方法等があ
る。
【0005】いずれの方法にしても、常に新しい洗浄液
を用いるということは、その分だけ廃液が発生すること
になるため、同じ洗浄液でより多くの部品を洗浄するこ
とが要求されており、洗浄液の再生が必要となってく
る。
【0006】そこで、油水分離装置を用いて、使用済み
の洗浄液において、液中から油分のみを除去すること及
び洗浄剤を補給することで洗浄液の再生がなされる。
【0007】そして、油水分離装置としては、加圧浮上
式油水分離、コアレッサーフィルタータイプ(極細繊維
構造体に液を透過させることによって油滴径を大きくし
比重差分離を促進させる。)、種々の粗粒化エレメント
を使用したタイプ(コアレッサーフィルタータイプと同
原理)、電位差分離・荷電凝集分離方式(液中に分散し
ている微粒子,液滴に電荷を与え凝集させた上で、ろ過
あるいは比重差分離を行う。)等があり、いずれも、水
中に分散している油分が不安定な存在であり、油分が凝
集し比重の小さい油分が浮上しやすいという特性を利用
したもので、この浮上した油を回収する浮上油回収手段
がある。
【0008】ところが、超音波洗浄(超音波分散)等に
より、水の中に油分が高度に分散された油水混合液で
は、その油滴径が非常に小さく、安定な油エマルジョン
を形成しており、静置しておいた場合には、数週間〜数
カ月経たないと油分が浮上してこないような液が形成さ
れる。このようなエマルジョン液に関しては、上記浮上
油回収手段による油水分離は不可となり、エマルジョン
液が形成されるような微細な油滴径より小さな孔径を有
するろ過膜(限外ろ過膜)を利用した膜利用型油水分離
手段にて油水分離する油水分離装置が必要となる。
【0009】ここで、膜利用型油水分離手段を用いた従
来の油水分離装置を図2を用いて説明する。
【0010】この油水分離装置100は、洗浄液や油水
混合液の原液が貯蔵される原液タンク101と、原液タ
ンク101から排出された原液中のゴミを取るためのス
トレーナ102と、ストレーナ102の下流側に設けら
れるポンプ103と、膜利用型油水分離手段としての中
空糸膜モジュール104と、絞り弁105と、これら構
成部品を接続する配管106とを備えている。
【0011】中空糸膜モジュール104は、多数本の中
空糸膜104Aを束ねたものを限外ろ過膜として用い、
中空糸膜104Aの内部に液を通過させる際に、液の一
部が中空糸膜104Aの内側から膜壁を通ってろ過する
という、いわゆるクロスフローろ過タイプである。この
ろ過された透過液は、中空糸膜モジュール104の透過
液出口104Bより流出される。
【0012】絞り弁105は、中空糸膜モジュール10
4を通過する液の圧力を所定のろ過圧力になるように調
整するためのろ過圧力調整用である。
【0013】そして、原液は次のように油水分離(ろ
過)される。
【0014】原液タンク101に蓄えられた原液は、ス
トレーナ102でごみ取りされ、ポンプ103と絞り弁
105によってろ過圧力が設定され、このろ過圧力によ
って原液が中空糸膜モジュール104の中空糸膜104
Aの内部を通過した際、中空糸膜104Aの内側から膜
壁を通ってろ過され、油分濃度数ppm の透過液を得、こ
のろ過された透過液が洗浄液として再生される。一方、
ろ過されなかった濃縮液は配管106を通り、絞り弁1
05を介して原液タンク101に戻され、戻された濃縮
液は原液とともに繰り返し上記したようにろ過されるの
である。
【0015】すなわち、液が配管106を通って原液タ
ンク101→ストレーナ102→ポンプ103→中空糸
膜モジュール104→絞り弁105→原液タンク101
と循環する際に、この循環経路107中の中空糸膜モジ
ュール104にてろ過を行なっている。
【0016】ところが、中空糸膜モジュール104の中
空糸膜104Aの内側の膜面に異物等が堆積し目詰まり
を起こすと透過流束が低下する。そこで、油水分離装置
100に、中空糸膜モジュール104の透過流束の低下
をきたさないように、中空糸膜104Aを洗浄する手段
が取り入れられている。
【0017】この洗浄手段は、中空糸膜モジュール10
4から流出された透過液に圧縮空気により圧力をかけて
中空糸膜104Aの外側から内側へ逆流させて、内側の
膜面の堆積物を剥がし目詰まりを解消するという、いわ
ゆる逆洗である。
【0018】この逆洗のための機構として、中空糸膜モ
ジュール104からの透過液を一旦透過液タンク等の逆
洗用ハウジング108に貯蔵して流出するようにして、
その下流側に透過液を外部に送液するか透過液を逆洗と
して用いるかの送液・逆洗切替弁109を設けている。
【0019】この洗浄手段により、中空糸膜モジュール
104の中空糸膜104Aが目詰まりを起こし、透過流
束が低下した時、送液・逆洗切替弁109を逆洗側に切
り替えて逆洗用ハウジング108に貯めていた透過液を
圧縮空気により加圧し、透過液出口104Bを介して2
次側(透過側:中空糸膜104A外側)から1次側(循
環側:中空糸膜104A内側)にきれいな透過液を戻
し、逆洗を行なうことで透過流束の回復を図っている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来技術の場合には、経時的に循環経路107内の油
分濃度が上昇し、ついには中空糸膜モジュール104の
中空糸膜104Aの濃縮限界に達する。このように濃縮
限界に達すると、急激に中空糸膜モジュール104の透
過流速が低下し、十分にろ過ができなくなる。そのた
め、油水分離装置100の運転を一度停止し、循環経路
107内の濃縮液を、循環経路107中に設けた配管1
06のドレイン部106Aから完全に抜き取る必要があ
る。つまり、各サイクル、濃縮限界までのバッチ運転に
なり、油水分離の効率が悪く、人手・手間がかかってし
まう。
【0021】また、初期段階から濃縮限界に至るまでの
過程で、経時的に循環経路107内の油分濃度が上昇し
ていくと、中空糸膜104Aの目詰まりに関係なく、濃
縮液の粘度が上昇していくことになる。これにより、中
空糸膜モジュール104の透過流束が低下していくとと
もに、ポンプ103の負荷が上昇していくことなり、油
水分離の効率が悪い。
【0022】また、循環経路107内に浮上油が混在し
た場合、油分が中空糸膜モジュール104の中空糸膜1
04Aの内側の膜面にくっつき、瞬時に目詰まりを起こ
してしまう。
【0023】ポンプ103は、原液タンク101からの
液を循環させるための大きな循環流量(中空糸膜104
Aにおける膜面線速)と中程度(2〜3kgf/cm2)のろ過
圧力の両方が望まれるので、大吐出量,中揚程を兼ね備
えたものでなければならず、比較的大型となり、高価と
なる。
【0024】また、界面活性剤の入っていない水と油で
構成される油水混合液をろ過する場合、中空糸膜モジュ
ール104の中空糸膜104Aの内側膜面に油,油の酸
化物及びゴミ等が付着してケーク層を形成し、中空糸膜
モジュール104の透過流束低下に大きな影響を及ぼ
す。そのため、逆洗により中空糸膜104Aの内側膜面
より剥がし取るが、それだけでは不十分で循環経路10
6内から取り除かないと、すぐに再付着し、中空糸膜1
04Aの膜面を閉塞してしまう。このようなことから、
油水分離の効率が悪くなってしまう。
【0025】本発明は上記した従来技術の課題を解決す
るためになされたもので、その目的とするところは、油
水分離の効率の向上、人手・手間の省力化、ろ過膜の長
寿命化を図り得る油水分離装置を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明にあっては、前段に浮上油回収手段と、後段
に膜利用型油水分離手段とを組み合わせた油水分離装置
であって、前記膜利用型油水分離手段と循環ポンプとを
有する循環経路と、該循環経路中の膜利用型油水分離手
段からの濃縮液を前記浮上油回収手段の上流側に戻す濃
縮液戻し経路と、前記浮上油回収手段の下流側に前記浮
上油回収手段からの処理液を前記循環経路に供給するた
めの加圧ポンプとを備えたことを特徴とする。
【0027】そして、循環経路中の膜利用型油水分離手
段の下流側と循環ポンプの間にフィルタを設けることが
好適である。
【0028】また、膜利用型油水分離手段の透過液を流
出する透過液配管に定流量弁を設けても良い。
【0029】
【作用】上記構成の油水分離装置にあっては、膜利用型
油水分離手段の前段に、浮上油回収手段で浮上油や不安
定な油エマルジョンは除去されるので、膜利用型油水分
離手段の膜にかかる負荷が軽減され、浮上油等が中空糸
膜の内側表面に付着する心配がなくなる。これにより、
油水分離の効率が向上するとともに、膜の長寿命化が図
れる。
【0030】そして、循環経路中の膜利用型油水分離手
段で濃縮された濃縮液は、循環経路内において油粒子の
接近により不安定な油エマルジョンになり、これを濃縮
液戻し経路を介して浮上油回収手段の上流側に戻すこと
で、不安定なエマルジョン液が浮上油として回収される
ことになる。その後、回収された液が循環経路に供給さ
れるため、循環経路の油分濃度をあまり上げることなく
連続的に油水分離を行うことができる。つまり、経時的
な油分濃度の上昇による膜利用型油水分離手段の透過流
束の低下を伴わずに完全に自動な連続運転を行うことが
でき、バッチ処理する必要がなくなる。これにより、油
水分離の効率が向上するとともに、人手・手間の省力化
が図れる。
【0031】また、油水分離装置内の経路中には、循環
ポンプと加圧ポンプとを備えていることから、循環ポン
プにて大きな循環流量を循環経路に与えることができ、
また加圧ポンプとによってろ過圧力を決めることができ
る。このように、ろ過圧力を循環ポンプと加圧ポンプと
で決めているため、循環ポンプは大型にならず、安価に
できる。
【0032】循環経路中にフィルタを設けているため、
循環経路内の濃縮液がろ過されることになり、そのろ過
される過程で油が粗粒化し捕捉されるので、循環経路内
の油分を低下させることができ、膜利用型油水分離手段
への負荷を小さくできる。これにより、ろ過膜の長寿命
化を図ることができる。
【0033】また、カートリッジにより、逆洗によるろ
過膜表面から剥ぎ取られたケーク層等の堆積物を捕捉す
ることができるため、ろ過膜に再付着するようなことが
なくなり、油水分離の効率を低下させることがない。
【0034】さらに、膜利用型油水分離手段の透過液を
流出する透過側に定流量弁を設けることで、膜利用型油
水分離手段のろ過流量をコントロールするだけでなく、
設定値以上にろ過される過剰分を透過側の圧力上昇とし
て吸収することができるので、ろ過圧力を減少させるこ
とができる。従って、必要以上にろ過圧力をろ過膜にか
けないため、ろ過膜の目詰まりを遅らすことができ、ろ
過膜の長寿命化を図ることができる。
【0035】
【実施例】以下に本発明を図示の実施例に基づいて説明
する。本発明の一実施例に係る油水分離装置を示す図1
において、1は油水分離装置の全体を示しており、この
実施例では膜利用型油水分離手段としての中空糸膜モジ
ュール2のろ過膜である中空糸膜3が目詰まりしたとき
の逆洗を行なうための逆洗機構4を設けている。
【0036】油水分離装置1は、概略、前段に浮上油回
収手段5と、後段に中空糸膜モジュール2とを組み合わ
せたものであって、中空糸膜モジュール2は、循環ポン
プ6を備えた循環経路7に設けられ、循環経路7中の中
空糸膜モジュール2からの濃縮液を浮上油回収手段5の
上流側に戻す濃縮液戻し経路8を設けた構成となってい
る。
【0037】浮上油回収手段5は、水と油の比重差によ
って水と油を分離するものであり、加圧浮上式油水分
離、コアレッサーフィルタータイプ(極細繊維構造体に
液を透過させることによって油滴径を大きくし比重差分
離を促進させる。)、種々の粗粒化エレメントを使用し
たタイプ(コアレッサーフィルタータイプと同原理)、
電位差分離・荷電凝集分離方式(液中に分散している微
粒子,液滴に電荷を与え凝集させた上で、ろ過あるいは
比重差分離を行う。)等があり、いずれも、水中に分散
している油分を粗粒化させ、比重差によって油水を分離
するもので、浮上した油を回収(廃油)するものであ
る。
【0038】図1において、9は原液として油で汚れた
洗浄液,油水混合液が貯蔵されている原液タンクであ
る。この原液タンク9と浮上油回収手段5が配管10に
て連結されており、原液が浮上油回収手段5に供給され
るようになっている。また、配管10には液が原液タン
ク9に流れるのを防止する逆止弁11が設けられてい
る。
【0039】さらに、配管10には濃縮液戻し経路8を
構成する配管12が接続されている。つまり、浮上油回
収手段5の上流側に濃縮液戻し経路8が接続されている
ので、浮上油回収手段5には、原液及び濃縮液が供給さ
れることになり、これらの液が油水分離される。
【0040】一方、循環経路7中に設けられる中空糸膜
モジュール2は、多数本の中空糸膜3を束ねたものを限
外ろ過膜として用い、中空糸膜3の内部に液を通過させ
る際に、液の一部が中空糸膜3の内側から膜壁を通って
ろ過するという、いわゆるクロスフローろ過タイプであ
る。このろ過された透過液は、中空糸膜モジュール2の
透過液配管13より流出される。また、透過液配管13
には定流量弁14が設けられている。
【0041】循環経路7中の中空糸膜モジュール2の上
流側には循環ポンプ6が設けられており、また中空糸膜
モジュール2の下流側にはろ過圧力調整弁15が設けら
れている。そして、循環経路7中のろ過圧力調整弁15
を介して中空糸膜モジュール2の下流側と循環ポンプ6
の間にフィルタとしてカートリッジフィルタ16を設け
ている。これら構成部品を接続する配管17を介して液
が循環されるようになっている。
【0042】ろ過圧力調整弁15は、中空糸膜モジュー
ル2を通過する液の圧力を、所定のろ過圧力(中空糸膜
3内側と外側の膜間差圧)になるように調整するための
ものである。
【0043】そして、循環経路7のカートリッジフィル
タ16と循環ポンプ6の間に、浮上油回収手段5の下流
側と接続する配管18が設けられており、その配管18
に浮上油回収手段5からの処理液を供給するための加圧
ポンプ19が設けられている。その加圧ポンプ19の上
流側には処理液中のゴミを取るためのストレーナ20が
設けられている。
【0044】また、循環経路7中の中空糸膜モジュール
2の下流側とろ過圧力調整弁15の間に中空糸膜モジュ
ール2からのろ過されなかった濃縮液を浮上油回収手段
5の上流側に戻す濃縮液戻し経路8を構成する配管12
が接続されている。この濃縮液戻し経路8には浮上油回
収手段5の上流側に濃縮液を戻す量を調整する濃縮液戻
り量調整弁22が設けられている。
【0045】図中23は油水分離装置1内の各経路中の
エアーを抜くためのエアー抜き弁である。
【0046】そして、定流量弁14の下流側には、逆洗
機構4が設けられている。この逆洗機構4は、中空糸膜
モジュール2からの透過液を一旦透過液タンク等の逆洗
用ハウジング24に貯蔵して流出するようにして、その
下流側に透過液を外部に送液するか、透過液を逆洗とし
て用いるべく逆洗用ハウジング24へ圧縮空気を送るか
の送液・逆洗切替弁25を設けている。本実施例では電
磁弁で、自動的に切り替え可能としているが、手動でも
良い。
【0047】ここで、上記構成の油水分離装置1の作用
について説明する。
【0048】原液タンク9に貯蔵された油水混合液であ
る原液は、浮上油回収手段5で処理される。つまり、浮
上油回収手段5にて、水と油の比重差によって油水分離
され、また微細な分散油は、上記したような電位差分離
・荷電凝集,加圧浮上,粗粒化フィルター等により粗大
化され、浮上油として排出される。
【0049】浮上油回収手段5で処理された処理液は、
ストレーナ20でゴミ取りされ、加圧ポンプ19により
循環経路7に送り込まれる。そして、さらに循環ポンプ
6によって大きな循環流量が与えられ、加圧ポンプ1
9,循環ポンプ6及びろ過圧力調整弁15によりろ過圧
力が決まり、中空糸膜モジュール2により上記したよう
にクロスフローでろ過され、ろ過されたきれいな透過液
(油分濃度数ppm )は定流量弁14,逆洗用ハウジング
24を通って送り出される。このとき、送液・逆洗切替
弁25は送液側となっている。
【0050】このとき、濃縮液戻し経路8に設けられて
いる濃縮液戻り量調整弁22を完全に閉じて運転する
と、循環経路7内で油水混合液が濃縮され濃縮濃度が経
時的に上昇していく。しかし、濃縮液戻り量調整弁22
の開閉量を調整し、循環経路7内の濃縮液を濃縮液戻し
経路8に通して、浮上油回収手段5の上流側に戻すこと
で、加圧ポンプ19によって循環経路7内に送り込まれ
る流量と濃縮液の戻し量がバランスし、循環経路7の濃
縮倍率が決まる。これにより、循環経路7内の油分濃度
が上昇するのを防止できる。
【0051】濃縮して戻された油水混合液中の油エマル
ジョンや分散油は、より粗粒化しやすくなっているた
め、浮上油回収手段5で粗粒化し、浮上油になって排出
される。
【0052】また、中空糸膜モジュール2の中空糸膜3
が目詰まりを起こし、透過流束が低下した時は、送液・
逆洗切替弁25を逆洗側に切り替えて、逆洗用ハウジン
グ24に貯めていたきれいな透過液を圧縮空気により加
圧し、透過液配管13を介して2次側(透過側:中空糸
膜3外側)から1次側(循環側:中空糸膜3A内側)に
戻し、逆洗を行なうことで透過流束の回復を図ることが
できる。
【0053】その際、逆洗によって剥されたケーク層な
ど堆積物は、循環経路7中のカートリッジフィルタ16
によって捕捉されるので、中空糸膜3に再付着するのを
防止できる。
【0054】また、循環経路7内で粗粒化した油の内で
浮上油回収手段5に戻されない油はそのままにしておく
と中空糸膜モジュール2の中空糸膜3の内側膜面に付着
し、ケーク層を形成するが、カートリッジフィルタ16
で何度もろ過されるので、そのカートリッジフィルタ1
6で捕捉される。
【0055】さらに、中空糸膜モジュール2で得られた
透過液は、定流量弁14で流量をコントロールされるの
で、単位時間あたり決まった処理能力が得られる。
【0056】上記構成の油水分離装置にあっては、中空
糸膜モジュール2の中空糸膜3でろ過する前に、比重差
分離による浮上油回収手段5で浮上油や不安定な油エマ
ルジョンが除去されるので、中空糸膜3にかかる負荷が
軽減され、浮上油等が中空糸膜3の内側膜面に付着する
心配がなくなる。これにより、油水分離の効率が向上す
るとともに、中空糸膜3の長寿命化を図ることができ
る。
【0057】また、循環経路7内で濃縮された油水混合
液は、油粒子の接近により不安定な(粗粒化しやすい)
油エマルジョンになっており、これを浮上油回収手段5
で除去しやすい濃縮倍率を循環経路7で決めれば(上記
したように濃縮液戻し経路8の流量と中空糸膜モジュー
ル2の透過流量で決まる。)クロスフローろ過を行う循
環経路7の油分濃度をあまり上げることなく連続的に油
水分離を行うことができる。つまり、経時的な油分濃度
の上昇による中空糸膜モジュール2の透過流束の低下を
伴わずに完全に自動な連続運転を行うことができ、バッ
チ処理する必要がなくなる。これにより、油水分離の効
率の向上を図ることができるとともに、人手・手間の省
力化を図ることができる。
【0058】循環経路7中に設けたカートリッジフィル
タ16は、本来の特性である微粒子の除却だけでなく、
逆洗により中空糸膜3の内側膜面から剥ぎ取られたケー
ク層を捕捉でき、再付着を防止できるので、中空糸膜3
の長寿命化を図ることができる。
【0059】加えて、カートリッジフィルタ16を、循
環経路7の循環流量と循環経路7への流入量(中空糸膜
モジュール2からの透過流量+濃縮液戻し経路8からの
流入量)の流量比を例えば10:1に設定すると、循環
経路7に流入した油水は透過されるか濃縮して戻される
までに、平均して約10回以上カートリッジフィルタ1
6で何度もろ過される過程で油が粗粒化し捕捉されるこ
とになるので、循環経路7内の油分を低下させることが
できる。これにより、中空糸膜3の長寿命化を図ること
ができる。
【0060】また、カートリッジフィルタ16は、他の
構成部品に比べかなり安価(数百分の一〜数十分の一)
であるため、ろ過による目詰まりにより圧力損失が上昇
し、所定の値を越えた時、その都度交換することによ
り、上述の効果を継続させることができる。
【0061】中空糸膜モジュール2の透過側に設けた定
流量弁14は、中空糸膜3のろ過流量をコントロールす
るだけでなく、設定値以上にろ過される過剰分を透過側
の圧力上昇として吸収するので、ろ過圧力(透過側と循
環側の圧力差)を減少させることができる。従って、循
環側の急な圧力上昇に対する中空糸膜3の保護具の役割
を果たすことになる。
【0062】また、必要以上にろ過圧力を中空糸膜3に
かけないので、中空糸膜3の目詰まりを遅らす延命効果
も発揮する。
【0063】
【発明の効果】以上、説明した通り、本発明にあって
は、膜利用型油水分離手段の前段に、浮上油回収手段で
浮上油や不安定な油エマルジョンは除去されるので、膜
利用型油水分離手段の膜にかかる負荷が軽減され、浮上
油等が中空糸膜の内側表面に付着する心配がなくなり、
油水分離の効率の向上を図ることができるとともに、膜
の長寿命化を図ることができる。
【0064】そして、循環経路中の膜利用型油水分離手
段で濃縮された濃縮液は、循環経路内において油粒子の
接近により不安定な油エマルジョンになり、これを濃縮
液戻し経路を介して浮上油回収手段の上流側に戻すこと
で、不安定なエマルジョン液が浮上油として回収される
ことになる。その後、処理液が循環経路に供給されるの
で、循環経路の油分濃度をあまり上げることなく連続的
に油水分離を行うことができる。つまり、経時的な油分
濃度の上昇による膜利用型油水分離手段の透過流束の低
下を伴わずに完全に自動な連続運転を行うことができ、
バッチ処理する必要がなくなる。これにより、油水分離
の効率の向上を図ることができるとともに、人手・手間
の省力化を図ることができる。
【0065】また、油水分離装置内の経路中には、循環
ポンプと加圧ポンプとを備えていることから、循環ポン
プにて大きな循環流量を循環経路に与えることができ、
また加圧ポンプとによってろ過圧力を決めることができ
る。このように、ろ過圧力を循環ポンプと加圧ポンプと
で決めているため、循環ポンプは大型にならず、安価に
できる。
【0066】循環経路中にフィルタを設けることで、循
環経路内の濃縮液がろ過されることになり、そのろ過さ
れる過程で油が粗粒化し捕捉されるので、循環経路内の
油分を低下させることができ、膜利用型油水分離手段へ
の負荷を小さくできる。これにより、ろ過膜の長寿命化
を図ることができる。
【0067】また、カートリッジにより、逆洗によるろ
過膜表面から剥ぎ取られたケーク層等の堆積物を捕捉す
ることができるので、ろ過膜に再付着するようなことが
なくなる。これにより、油水分離の効率を低下させるこ
とがない。
【0068】さらに、膜利用型油水分離手段の透過液を
流出する透過側に定流量弁を設けることで、膜利用型油
水分離手段のろ過流量をコントロールするだけでなく、
設定値以上にろ過される過剰分を透過側の圧力上昇とし
て吸収することができるので、ろ過圧力を減少させるこ
とができる。従って、必要以上にろ過圧力をろ過膜にか
けないので、ろ過膜の目詰まりを遅らすことができ、ろ
過膜の長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例に係る油水分離装置の
概略構成図である。
【図2】図2は従来の油水分離装置の概略構成図であ
る。
【符号の説明】
1 油水分離装置 2 中空糸膜モジュール(膜利用型油水分離手段) 3 中空糸膜 4 逆洗機構 5 浮上油回収手段 6 循環ポンプ 7 循環経路 8 濃縮液戻し経路 9 原液タンク 10、12、17、18、21 配管 11 逆止弁 13 透過液配管 14 定流量弁 15 ろ過圧力調整弁 16 カートリッジフィルタ 19 加圧ポンプ 20 ストレーナ 22 濃縮液戻り量調整弁 23 エアー抜き弁 24 逆洗用ハウジング 25 送液・逆洗切替弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 1/24 CCK D 1/40 A 1/44 K 9/00 502 G Z 503 C

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前段に浮上油回収手段と、後段に膜利用
    型油水分離手段とを組み合わせた油水分離装置であっ
    て、 前記膜利用型油水分離手段と循環ポンプとを有する循環
    経路と、該循環経路中の膜利用型油水分離手段からの濃
    縮液を前記浮上油回収手段の上流側に戻す濃縮液戻し経
    路と、前記浮上油回収手段の下流側に前記浮上油回収手
    段からの処理液を前記循環経路に供給するための加圧ポ
    ンプとを備えたことを特徴とする油水分離装置。
  2. 【請求項2】 循環経路中の膜利用型油水分離手段の下
    流側と循環ポンプの間にフィルタを設けたことを特徴と
    する請求項1に記載の油水分離装置。
  3. 【請求項3】 膜利用型油水分離手段の透過液を流出す
    る透過液配管に定流量弁を設けたことを特徴とする請求
    項1または2記載の油水分離装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004195364A (ja) * 2002-12-18 2004-07-15 Sasakura Engineering Co Ltd エマルジョン化した油を含む被処理水の油水分離方法及びその装置
JP2007160264A (ja) * 2005-12-15 2007-06-28 National Maritime Research Institute 油水分離装置
CN104261516A (zh) * 2014-09-19 2015-01-07 北京工业大学 一种基于活塞式液体切换器的液体压力能回收方法
CN105712438A (zh) * 2016-02-02 2016-06-29 北京工业大学 基于旋转自密封液体切换器的压力能回收方法

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CN105712438B (zh) * 2016-02-02 2018-02-09 北京工业大学 基于旋转自密封液体切换器的压力能回收方法

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