JP3359485B2 - 濾過装置 - Google Patents

濾過装置

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JP3359485B2 JP03539996A JP3539996A JP3359485B2 JP 3359485 B2 JP3359485 B2 JP 3359485B2 JP 03539996 A JP03539996 A JP 03539996A JP 3539996 A JP3539996 A JP 3539996A JP 3359485 B2 JP3359485 B2 JP 3359485B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油水混合した濾過
対象流体の濾過を行う濾過装置に関するもので、特にク
ロスフロータイプの膜利用型濾過手段により循環経路に
て濃縮された濾過対象流体の油成分を除去する浮上油回
収手段の効率を改善する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、水あるいは洗浄剤を含んだ洗
浄液の再利用や排水処理を行うために用いられる濾過装
置に、精密濾過膜や限外濾過膜を利用した膜利用型濾過
手段を採用しているものがある。
【0003】これは、油滴の大きさよりもはるかに小さ
な微細孔を有する膜を透過させて濾過対象となる油分を
含んだ洗浄液の濾過を行い、油と水を分離して油分の含
まない洗浄液を得るものである。
【0004】即ち、例えば図10に示す濾過装置に設け
られる膜利用型濾過手段として、多数本の中空糸膜12
4を束ねたものを限外濾過膜として用いた中空糸膜モジ
ュール123を使用し、循環経路120中に設けられた
ポンプ121にて供給された原液(例えば50〜200
ppm )を中空糸膜124の膜壁の内側表面に対して平行
に流し、そのときの原液の一部が膜壁を透過して濾過さ
れ透過液(0〜1ppm)を得る。
【0005】一方、濾過されなかった液は循環経路12
0を再循環して濃縮され、その濃縮された液は濃縮液
(100〜300ppm )として排出する。
【0006】このようにして油と水を分離して油分の含
まない洗浄液を得る。
【0007】しかしながら、上記した濃縮液の油分濃度
は低く、油水分離効率が良くない。逆に高濃度である
と、油分が中空糸膜124の膜面に付着して離れずに油
膜を形成し、膜の孔を閉塞してしまい、濾過能力が低下
する。
【0008】これらから、濃度を管理することになり、
流量を細くコントロールする必要がある(流量の設定値
は濃度に依存する。)。そこで、高濃度の油分を含んだ
油水を分離するものとして、図11に示す浮上油回収手
段がある。
【0009】即ち、この浮上油回収手段112は、滞留
槽112aを備えたもので、この滞留槽112a内に原
液を供給して滞留させ、比重差によって油は浮上して分
離され、その浮上油を排出する。図11に示す滞留槽1
12aはコアレッサーフィルター等の充填剤112eを
備えているもので、比重差による分離を促進させてい
る。つまり、充填剤112eを通過する時、油滴が凝集
して浮上しやすくしている。
【0010】そして、充填剤112eによって透過され
た液は透過液(100〜20ppm )として排出される。
【0011】このようにして油と水を分離する。
【0012】しかしながら、浮上油回収手段112で
は、原液が油滴径の非常に小さい油が乳化分散された油
エマルジョン液の場合、油分が浮上しにくく、また充填
剤112eを通過してしまうため、透過液側に油分が残
ってしまう。
【0013】そこで、前段に高濃度の油水を分離する浮
上油回収手段を設け、後段に油エマルジョン液等の低濃
度の油水の分離が可能な膜利用型濾過手段を設けて、上
記したそれぞれの欠点を補う濾過装置が提案されてい
る。
【0014】(従来例1)図12はその従来の濾過装置
の従来例1である。この濾過装置100は、洗浄対象と
なるワークW101に付着した汚れや油分を除去するも
ので、洗浄槽101の内部に水と洗浄剤を主成分とする
洗浄液L101を入れ、その中にワークW101を浸漬
して、超音波や攪拌、揺動といった物理的作用により、
汚れや油分を除去するものである。ここでは102を超
音波発振器として例示した。
【0015】この洗浄槽101の中に次々と連続的にワ
ークW101を投入すると、洗浄槽101内の洗浄液L
101の油分濃度が上昇して、ワークW101に対する
洗浄能力が低下するので、濾過装置100には以下に説
明する濾過手段を備えている。
【0016】これは濾過対象流体を洗浄槽101から供
給する供給経路103の下流に設けられた2段の循環経
路によるものである。
【0017】1段目(前段)は濃縮経路110によるも
のであり、ポンプ111と浮上油回収手段112を備え
ている。
【0018】また、2段目(後段)は循環経路120に
よるものであり、ポンプ111と比べて大流量のポンプ
121と膜利用型濾過手段122を備え、循環経路12
0を濾過対象となる洗浄液L101を循環しながら膜利
用型濾過手段122により油分を分離して濾過された洗
浄液(膜透過液)を戻し経路131により洗浄槽101
の中に戻すものである。
【0019】浮上油回収手段112の原理は、上記した
が詳述すると図13に示すように、滞留槽112a内に
油滴L111a同士が接触しやすいように洗浄液L11
0を溜めて、水成分L112と油滴L111aの比重差
によって微小な油滴(例えば数〜数十μm)を集合させ
て大きな油滴(例えば数百μm)として上方に浮上させ
て洗浄液L101中の水成分L112と油成分L111
を分離するものである。
【0020】滞留槽112aの中では、図13(a)、
図13(b)、図13(c)の順に油成分L111が分
離され、油成分L111のみを排出する。
【0021】さらに、図12には示さなかったが、滞留
槽112a内に極細繊維構造体のコアレッサーフィルタ
ーを備え、このコアレッサーフィルターに洗浄液L10
1を透過させることによって油滴L111aをさらに大
きくして比重差分離を促進させているものもある。
【0022】次に、膜利用型濾過手段122としては、
上記したように多数本の中空糸膜124を束ねたものを
限外濾過膜として用いた中空糸膜モジュール123を使
用しており、循環経路120中に設けられたポンプ12
1にて供給された洗浄液が中空糸膜124の膜壁の内側
表面に対して平行に流れ、そのときの洗浄液の一部が膜
壁を透過して濾過するクロスフロータイプとなってい
る。
【0023】このクロスフロータイプとは、膜利用型濾
過手段122を長期間運転するために、中空糸膜モジュ
ール123を濾過対象となる洗浄液の循環経路120に
設け、常に膜に対して平行の流れをつくって膜表面の汚
染やつまりを最小限に予防する方法である。
【0024】また、中空糸膜モジュール123内の中空
糸膜124を透過しなかった洗浄液は循環経路120を
再循環する。この循環により洗浄液中の油成分濃度が次
第に上昇するので、その一部の洗浄液が濃縮経路流量調
整弁113を通り、濃縮経路110に流入して油成分が
浮上油回収手段112により分離される。
【0025】濾過装置100は、従って、洗浄液中に乳
化分散されている油成分(油エマルジョン液)も、上記
の濃縮及び循環経路110,120を循環するに従い排
出されるので、最終的にはワークの持ち込んだ油持ち込
み量と、浮上油回収手段112からの油成分排出量が等
しくなるように設計されているものであり、同時に洗浄
槽101、濃縮及び循環経路110,120内の油成分
濃度もそれぞれの所定値の範囲内で安定するものであ
る。
【0026】尚、図12に含まれている構成要素で、説
明が不要なものはその説明を省略したが、125は膜利
用型濾過手段122の流量調整弁、126,127はそ
れぞれ、中空糸膜モジュール123の一次,二次側圧力
計である。
【0027】また、この濾過装置100は、クロスフロ
ータイプの膜利用型濾過手段122を採用しているとは
いえ、長時間の濾過を続けると、油成分や浮遊汚染物質
等により中空糸膜モジュール123の多数本の中空糸膜
124の膜が目詰まりを起こしてしまう。
【0028】従って、所定の間隔(例えば10〜60
分)に一回、逆洗弁132を切り換えて高圧エアや膜透
過液を中空糸膜モジュール123の方向に給送すること
(逆洗という)が行われている。
【0029】(従来例2)図14には、上記従来例1と
等価回路の従来例2に係る濾過装置を示しており、この
濾過装置について以下に説明する。尚、上記従来例1と
同一の構成部分については同一符号を付して説明する。
【0030】100は油水分離装置とした濾過装置を示
しており、前段に浮上油除去装置とした浮上油回収手段
112と、後段に膜利用型油水分離手段とした膜利用型
濾過手段としての中空糸膜モジュール123とを組み合
わせたものであって、中空糸膜モジュール123は、循
環ポンプとしたポンプ121を備えた循環経路120に
設けられ、循環経路120中の中空糸膜モジュール12
3からの濃縮液を浮上油回収手段112の上流側に戻
し、浮上油回収手段112の下流側をポンプ121の上
流側につなぐ濃縮経路110を設けた構成となってい
る。
【0031】浮上油回収手段112は、上記したように
滞留槽112a内に油滴同士が接触しやすくなった高濃
度の油水を溜めて、水と油滴の比重差によって微小な油
滴がくっつき大きな油滴となって上方に浮上させて水と
油を分離除去するものである。
【0032】中空糸膜モジュール123は、上記したよ
うに多数本の中空糸膜124を束ねたものを精密ろ過も
しくは限外ろ過膜として用い、循環経路120中に設け
られたポンプ121にて供給された油水を中空糸膜12
4の膜壁の表面に対して平行に流し、そのときの油水の
一部が膜壁を通ることでろ過するクロスフロータイプと
なっている。
【0033】このろ過された透過液は透過液配管にて形
成される戻し経路131を介して後述する洗浄槽101
に供給されて再利用される。
【0034】図14において、101は、上記したよう
に洗浄液が貯蔵され、被洗浄物である油等が付着したワ
ークW101が侵される洗浄手段としての洗浄槽であ
る。この洗浄槽101と浮上油回収手段112が供給経
路103にて連結されており、その途中に加圧ポンプと
したポンプ111が設けられている。このポンプ111
にて洗浄槽101からオーバーフローした油で汚れた洗
浄液が浮上油回収手段112に供給される。
【0035】そして、浮上油回収手段112にてある程
度油水分離され低濃度となった油水は、配管141を介
して後段の循環経路120にポンプ121にて供給さ
れ、中空糸膜モジュール123にてクロスフローろ過さ
れ、水と洗浄剤のみが透過し、戻し経路131を介して
洗浄槽101に戻る。
【0036】また、浮上油回収手段112の上流側に
は、中空糸膜モジュール123からの高濃度の油水が流
れる配管142がポンプ111の上流側の濃縮経路11
0を構成する配管143を介して連結されている。この
配管143には、浮上油回収手段112に濃縮液を戻す
量を調整する濃縮経路流量調整弁113を設けている。
【0037】これにより、循環経路120で濃縮された
油は、濃縮経路流量調整弁113を経て再び浮上油回収
手段112で処理され、浮上油として排出配管112b
を介して分離除去される。
【0038】図14に示す濾過装置100の例では、浮
上油回収手段112の滞留槽112a内にフロートスイ
ッチ112cを設け、浮上した油と水の界面を感知し
て、排出配管112bに設けられているバルブ112d
を開閉して油の排出を行う。
【0039】このとき、循環経路120の中空糸膜モジ
ュール123の下流側の配管142と供給経路103の
間に連結されるポンプ111の上流側の配管143に設
けられている濃縮経路流量調整弁113を完全に閉じて
運転すると、循環経路120内で油水が濃縮され濃度が
経時的に上昇し、高濃度の油水となる。このようにする
のは、エマルジョンは濃縮することによって浮上分離し
やすくなるからである。
【0040】そこで、濃縮経路110中の配管143に
設けられている濃縮経路流量調整弁113の開閉量を調
整し、ポンプ111にて高濃度の油水を浮上油回収手段
112に供給し、上記したようにある程度油水分離して
低濃度となった油水を再びポンプ121にて中空糸膜モ
ジュール123に供給して再度油水分離する。
【0041】このようにして、濃縮経路110にて油水
分離処理を繰り返す。
【0042】(従来例3)そして、上記したような前段
に浮上油回収手段を設け、後段に膜利用型濾過手段を設
けた濾過装置を既に出願人は出願している(実願平5−
63678号参照)。その濾過装置を図15に基づいて
説明する。尚、上記各従来例と同一の構成部分について
は同一の符号を付して以下に説明する。
【0043】即ち、循環経路120には、ポンプ121
の保護用として荒いごみ取りのためのストレーナー14
4と、流量及び圧力を調整する絞り弁145とを備えて
いる。図中146は、中空糸膜モジュール123を透過
した透過液をサンプリングするための弁である。
【0044】また、濃縮経路110には、濃縮経路流量
調整弁113の下流側に設けられた濃縮液流量調整器1
47と、その濃縮液流量調整器147の下流側に設けら
れた逆止弁148と、浮上油回収手段112と循環経路
120との間に設けられた逆止弁149とを備えてい
る。
【0045】さらに、戻し経路131には、洗浄槽10
1に戻す透過液の流量を調整する透過液流量調整弁15
0と、その透過液流量調整弁150の下流側に設けられ
た逆止弁151とを備えている。
【0046】そして、浮上油回収手段112と洗浄槽1
01との間には、浮上油回収手段112にてある程度油
水分離された低濃度の油水を戻す低濃度戻し経路152
を有している。また低濃度戻し経路152には、その流
量を調整する流量調整弁153を備えている。
【0047】尚、その他の構成及び作用については上記
各従来例と同一なので、同一の構成部分については図中
同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0048】(従来例4)そして、図16には従来例4
を示しており、上記従来例3に係る濾過装置において、
循環経路120に膜利用型濾過手段としての中空糸膜モ
ジュール124を並列に2つ設けたものである。その他
の構成及び作用については上記従来例3と同一なので、
同一の構成部分については図中同一の符号を付して、そ
の説明は省略する。
【0049】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記に説明
したように各従来例に係る濾過装置100の各経路や構
成に流入する洗浄液の油成分濃度は、所定値の範囲内で
安定するものであるが、以下従来例1の濾過装置を代表
して説明すると安定時に循環経路120では50%程度
の油成分濃度、また洗浄槽101では1%程度の油成分
濃度となるように濾過装置100を設計している場合が
一般的である。
【0050】そして、仮に循環経路120の洗浄液の循
環流量が70(l/min)これはポンプ121の能力
であり、この循環流量における膜利用型濾過手段122
からの膜透過液の流量が2(l/min)とすると、洗
浄槽101からは供給経路103を通過して分離された
膜透過液の流量と同じ2(l/min)の洗浄液が濃縮
経路110へと供給されることになる。
【0051】また、濃縮経路110の流量は主として浮
上油回収手段112の処理能力に合わせた流量とするも
ので、ここでは、5(l/min)とし、ポンプ111
の能力もこれに合わせて調整し、5(l/min)とす
る。
【0052】ここで、濃縮経路110中に配設された浮
上油回収手段112に注目して、この浮上油回収手段1
12へと流入する油成分濃度Bを計算すると、次の数式
1のように求められる。
【0053】
【数1】(A−a)/A・CJ +a/A・CT =B ここで、Aはポンプ111の流量(l/min)、aは
洗浄槽101からの供給流量(l/min)、CJ は濃
縮経路110の油成分濃度(%)、CT は洗浄槽101
の油成分濃度(%)、Bは浮上油回収手段112へと流
入する洗浄液の油成分濃度(%)である。
【0054】そして、上記の数式1にA=5、a=2、
J =50、CT =1を代入してBを求めると、浮上油
回収手段112へと流入する洗浄液の油成分濃度Bは約
30(%)となる。
【0055】従って、せっかく循環経路120で50
(%)の油成分濃度まで濃縮されている洗浄液が、洗浄
槽101から供給される油成分濃度の低い洗浄液により
油成分濃度が低下されて浮上油回収手段112へと流入
することになり、浮上油回収手段112による油成分の
回収効率を低下させることになる。
【0056】つまり、従来技術の場合にあっては、浮上
油回収手段が膜利用型濾過手段の前段に設置してあり、
循環経路で濃縮された油エマルジョン液は浮上油回収手
段の上流側に戻され、油エマルジョン液となっている濃
度の薄い洗浄液と混合された後、浮上油回収手段に供給
されるため、循環経路で濃縮された液を洗浄液で希釈す
ることになり、油エマルジョン液のみの濾過(油水分
離)には不向きである。
【0057】また、洗浄槽101から供給される油成分
濃度の低い洗浄液により油成分濃度を低下されることを
防止するためにポンプ111の流量を増大させると、浮
上油回収手段112内での油水分離速度が追いつかずに
効果的な油回収機能を発揮し得ない状態となってしま
う。
【0058】またポンプ111は、濃縮経路流量調整弁
113により流量が規制されると共に減圧された洗浄液
と、洗浄槽101から供給される油成分濃度の低い洗浄
液とを混合した状態で浮上油回収手段112へと加圧供
給するためのものであり、このポンプがないと浮上油回
収手段112を介して循環経路120へと洗浄液を戻す
(及び供給する)ことが不可能となっている。
【0059】従って、従来技術にあっては、水と比較的
分離しやすい高濃度の油水の分離に適するものであった
ため、低濃度である水と分離しにくい油エマルジョン液
のみの場合にも適する濾過装置が要求されている。
【0060】本発明は上記従来技術の問題を解決するた
めになされたもので、その目的とするところは、水と分
離しにくい油エマルジョン液のみの場合にも用いられる
ものとし、浮上油回収手段に高い油成分濃度を含有する
洗浄液を流入させ、油成分の回収効率を向上させること
と、浮上油回収手段へ洗浄液を搬送するポンプを不要と
した簡易な構成の濾過装置を提供することにある。
【0061】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明にあっては、クロスフロータイプの膜利用型
濾過手段と、この膜利用型濾過手段に油水混合した濾過
対象流体を一方向に循環させる循環経路と、この循環経
路に接続され、濾過対象流体を供給する供給経路と、前
記循環経路内で濃縮された濾過対象流体の油成分を分離
して回収する浮上油回収手段と、この浮上油回収手段に
前記循環経路から濃縮された濾過対象流体を流入し、浮
上油回収手段からの低濃度の分離液を循環経路,前記供
給経路のうちどちらか一方に流出するように接続するバ
イパス経路と、を備えたことを特徴とする。
【0062】また、前記バイパス経路は高圧側から低圧
側に接続されていることも好適である。
【0063】さらに、前記バイパス経路に浮上油回収手
段へと流入する濾過対象流体の流量を制御する流量制御
弁を備えたことも好適である。
【0064】さらにまた、前記各経路のうち少なくとも
一つの経路にごみ取り手段を設けることも好適である。
【0065】上記構成の濾過装置にあっては、循環経路
内の高い油成分濃度の濾過対象流体がバイパス経路によ
り直接浮上油回収手段へと流入され油成分の除去効率が
向上する。即ち、浮上油回収手段へ供給経路から濾過対
象流体として水と分離しにくい油エマルジョン液が供給
されないと共に、油エマルジョン液は循環経路で濃縮さ
れて高濃度となり、この水と分離しやすい高濃度の油水
が浮上油回収手段へと流入されて分離されるため、油エ
マルジョン液のみの場合にも適する濾過装置となる。
【0066】また、例えばバイパス経路を循環経路にお
いて膜利用型濾過手段の入口側から膜利用型濾過手段の
出口側または供給経路へと接続することで、バイパス経
路は高圧側から低圧側に接続することになり、これによ
り油水分離のために高濃度の濾過対象流体を浮上油回収
手段に流入するためのポンプを必要としないことから、
装置構成の簡略化を図ることができる。
【0067】さらに、バイパス経路中の濾過対象流体の
流量を制御する流量制御弁を設け、その弁の開閉量を制
御することで浮上油回収手段の油水分離効率がさらに向
上し、最適の条件で油水分離を行う。
【0068】そのため、浮上油回収手段を透過すること
で、濃縮液の油分濃度が低下していく。そして、装置の
持ち込み速度と浮上油回収手段の油分排出速度が一致し
たところで循環経路内の濃縮液の油分濃度が定常化す
る。
【0069】これにより、循環経路中のクロスフロータ
イプの膜利用型濾過手段を一定の負荷で運転することが
でき、装置の安定化を図ることができる。このため、膜
利用型濾過手段の透過流束の低下を防止することができ
る。
【0070】さらにまた、前記各経路のうち少なくとも
一つの経路にごみ取り手段を設けることで、経路内に侵
入してきたごみを取ることになり、膜利用型濾過手段及
び浮上油回収手段にフィルターを有するものの目詰まり
を防止できる。これにより、より装置の安定化を図るこ
とができる。
【0071】
【発明の実施の形態】以下に本発明を図示の実施の形態
に基づいて説明する。
【0072】(実施の形態1)図1は本発明を適用した
濾過装置を模式的に表わした実施の形態1である。この
濾過装置S1において、従来技術で説明した濾過装置1
00と同じ構成部分には同一の符号を付して従来技術と
同様なものとして扱い、その詳細な説明を省略する。
【0073】濾過装置S1はクロスフロータイプの膜利
用型濾過手段122を備えている。この膜利用型濾過手
段122は、中空糸膜モジュール123であり、多数本
の中空糸膜124を束ねたものである。
【0074】この中空糸膜124の材質としては、PS
F(ポリスルホン)、PVA(ポリビニルアルコー
ル)、PVB(ポリビニルブチラール)、PVF(ポリ
ビニルホルマール)、EVA(エバール)、PEI(ポ
リエーテルイミド)、PAI(ポリアミドイミド)、P
I(ポリイミド)、PPS(ポリフェニルスルホン)、
PES(ポリエーテルスルホン)、PVDF(ポリフッ
化ビニリデン)、PAN(ポリアクリロニトリル)、P
MMA(ポリメチルメタアクリレート)、PA(ポリア
ミド)等がある。
【0075】K1は油水混合した濾過対象流体をクロス
フローさせるための循環経路であり、膜利用型濾過手段
122の膜を透過しないで出口側122aから循環経路
K1に戻った濾過対象流体を矢印A1,A2,A3,A
4,A5に示される一方向の経路に従って循環させるも
のである。
【0076】この循環経路K1において、113は流量
制御弁、121はポンプであり、125は膜利用型濾過
手段122へと流入する濾過対象流体の流量を制御する
流量調整弁である。
【0077】また103は濾過対象流体を洗浄槽101
から循環経路K1へと供給する供給経路であり、循環経
路K1から膜を透過して減少した濾過対象流体と同じ量
だけ供給する。
【0078】1a,1bは循環経路K1の膜利用型濾過
手段122の出口側122aから供給経路103の接続
部103aよりも下流側へと接続するバイパス経路であ
り、このバイパス経路1a,1b内に浮上油回収手段2
を配設している。2aは回収された浮上油を排出する排
出口である。
【0079】3は浮上油回収手段2へと流入する濾過対
象流体の流量を制御することで最大限に浮上油を回収す
ることを可能とする流量制御弁である。
【0080】以上の構成の濾過装置S1を稼動させる
と、油水の混合した濾過対象流体はポンプ121により
主として循環経路K1を循環し始め、膜利用型濾過手段
122によって膜透過液が生成され、この膜透過液は戻
し経路131を経て洗浄槽101へと供給される。
【0081】また、循環経路K1を濾過対象流体が循環
するにつれて油エマルジョン液は油成分濃度が高くなっ
ていき、バイパス経路1aから流量制御弁3により浮上
油回収手段2が最適稼動状態となるように制御された流
量の濾過対象流体が直接流入することで、油成分を除去
し、油成分濃度は一定の範囲に維持される。
【0082】ここで、先の従来例1と同様の稼動条件で
の各構成部分での油成分濃度を求めてみる。すなわち、
循環経路K1は50%程度の油成分濃度で安定したとす
ると、浮上油回収手段2には直接50%程度の油成分濃
度の油エマルジョン液が流入することとなる。
【0083】従って、この浮上油回収手段2には従来の
ように、循環している濾過対象流体の油成分濃度よりも
低い油成分濃度(油分濃度)の濾過対象流体、即ち洗浄
槽101から油エマルジョン液が流入することはなく、
浮上油回収効率が向上する。
【0084】これにより、上記構成の濾過装置にあって
は、水と分離しにくい油エマルジョン液のみの場合に適
するものとなる。
【0085】また、循環経路K1と浮上油回収手段2は
バイパス経路1aにより直接接続されているので濾過対
象流体の圧力損失が少なく、浮上油回収手段2へ濾過対
象流体を搬送させる特別なポンプ等は不要である。
【0086】(実施の形態2)図2には、本発明の実施
の形態2に係る濾過装置を示しており、この濾過装置S
1は、上記実施の形態1に係る濾過装置と等価回路とな
っている。このため、本実施の形態に係る濾過装置S1
において、実施の形態1と同一の構成部分については図
中同一の符号を付して、その構成及び作用についての説
明は省略する。
【0087】但し、流量制御弁3の制御については説明
する。
【0088】即ち、バイパス経路1aに設けられた流量
制御弁3の開度を調整することにより、上記したように
浮上油回収手段2の浮上油回収効率(油水分離効率)が
上がり、その油排出速度と装置への油分持ち込み速度が
一致したところで、循環経路K1内の濃縮液の油分濃度
が定常化する。
【0089】このとき、ポンプ121から送り出された
濾過対象流体の液量に対し、浮上油回収手段2への挿入
量が10:1〜100:1程度の比率になる様に流量制
御弁3を調整する。
【0090】これにより、循環経路K1中の膜利用型濾
過手段122としての中空糸膜モジュール123が一定
の負荷で運転することができ、透過流束の低下を防止す
ることができる。
【0091】このように高濃度の油エマルジョン液を浮
上油回収手段2に送り込むことができるので、効率よく
油が排出でき、結果的に中空糸膜モジュール123への
循環経路K1中の油分濃度を低く抑えられ、透過液流量
を確保できる(逆にいえば、循環経路K1中の油分濃度
を従来例3=本実施の形態とするためには、浮上油回収
手段2からの排出量を多くしてやらなければならない。
→廃液量増)。
【0092】そして、本実施の形態に係る濾過装置S1
にあっては、供給経路103の図中矢印の部分にごみ
取り手段としてのフィルターやストレーナ等を設け、ま
たは図中点線内の循環経路K1にも同様にごみ取り手段
を設けることとしている。尚、バイパス配管を新たに設
け、そこに設置しても良い。
【0093】このように、供給経路103にごみ取り手
段を設けることで、循環経路K1への夾雑物の侵入を防
ぐことができる。
【0094】また、循環経路K1にごみ取り手段を設け
ることで、循環経路K1内に侵入してきた夾雑物を捕捉
し、中空糸膜モジュール123,浮上油回収手段2(こ
の場合はフィルター(不図示)を用いた粗粒化エレメン
ト)の目詰まりを防止できる。
【0095】また、循環経路K1の図中矢印の部分に
浮上油回収手段2に挿入する圧力を確保するため弁を設
けても良い。
【0096】(実施の形態3)図3には、本発明の実施
の形態3に係る濾過装置を示している。上記各実施の形
態ではバイパス経路を膜利用型濾過手段122の出口側
122aから供給経路103の接続部103aよりも下
流側へと接続しているが、本実施の形態では循環経路K
1の膜利用型濾過手段122の入口側122bから膜利
用型濾過手段122の出口側122aへと接続したバイ
パス経路1A,1Bとしたもので、いわゆる浮上油回収
手段2の配置を並列にしたものである。
【0097】このように、本実施の形態に係る濾過装置
S1にあっては、バイパス経路1A,1Bを膜利用型濾
過手段122の入口側122bから出口側122aへと
接続したことから、バイパス経路1A,1Bは膜利用型
濾過手段122の高圧側である入口側122bから低圧
側である出口側122aに接続することになり、これに
より油水分離のために高濃度の濾過対象流体を浮上油回
収手段2に挿入するためのポンプが必要としないので、
装置構成の簡略化を図ることができる。
【0098】そして、流量制御弁3はバイパス経路1A
に設けられている。
【0099】また、上記実施の形態2と同様、供給経路
103の図中矢印の部分にごみ取り手段としてのフィ
ルターやストレーナ等を設け、または図中点線内の循環
経路K1,バイパス経路1にも同様にごみ取り手段を設
けることとしている。尚、バイパス配管を新たに設け、
そこに設置しても良い。
【0100】さらに、循環経路K1の図中矢印の部分
に浮上油回収手段2に挿入する圧力を確保するため弁
(後述する実施例を示した図4の流量調整弁125参
照)を設けても良い。
【0101】ここで、本実施の形態に係る濾過装置S1
の実施例を図4に示すが、上記各実施の形態と同一の構
成部分については同一の符号を付して、その説明は省略
する。以下に実施例に係る濾過装置S1を説明する。
【0102】(実施例)まず、バイパス経路1A,1B
に設けられている浮上油回収手段2及びバイパス経路1
について説明する。
【0103】この浮上油回収手段2は、油粗粒化手段と
してのコアレッサーフィルター2bを設けたタイプであ
り、このコアレッサーフィルター2bは滞留槽2c内に
設けられている。この極細繊維構造体であるコアレッサ
ーフィルター2bに液を透過させることによって油滴径
を大きくし比重差分離を促進させている。
【0104】この滞留槽2c内の上側の所定位置にはフ
ロートスイッチ2dを設けており、このフロートスイッ
チ2dにて浮上した油と水との界面を感知する。また、
界面検知が困難な条件の場合、タイマーにより一定時間
毎に排出するようにしている。
【0105】さらに、滞留槽2cの上方には濃縮液にお
ける浮上した油を外部に排出するための排出配管2eを
接続しており、その排出配管2eにはバルブ2fを設け
ている。尚、バルブ2fはモーターバルブが好ましい。
これは、スプリングによる開閉バルブであると油がスプ
リング部等につまって開閉が確実に行われない可能性が
あるからである。
【0106】また、排出口2a側には廃油を溜めるタン
ク2gを設けており、そのタンク2g内の上側所定位置
にはフロートスイッチ2hを設けている。
【0107】そして、バイパス経路1のバイパス経路1
Aには、その経路内の流量及び圧力を調整する定流量調
整弁4,絞り弁5と、浮上油回収手段2の一次側圧力計
6をを設けている。図中7は浮上油回収手段2の二次側
圧力計7である。
【0108】また、バイパス経路1Bにも、その経路内
の流量及び圧力を調整する絞り弁8を設けている。
【0109】次に、循環経路K1及び膜利用型濾過手段
122の部分について説明する。
【0110】図において循環経路K1に示す9は伸縮継
手であり、中空糸膜モジュール123の交換等において
取り外す際に要するものである。また、図中10は絞り
弁である。さらに、図中11は圧力スイッチを示してい
る。
【0111】そして、循環経路K1には空気抜き用の空
気抜き経路12を接続している。この空気抜き経路12
には開閉弁13を設けている。
【0112】次に、戻し経路131の部分について説明
する。
【0113】この戻し経路131には逆止弁14を設け
ている。この逆止弁14の上下流側にソレノイドバルブ
15,16を設けており、下流側のソレノイドバルブ1
6にて洗浄槽101に戻す量を制御している。
【0114】ソレノイドバルブ15は、図4中左側に別
枠で詳細を示しているように、3方向バルブで、その3
方向バルブはエアー源、外部(大気)、戻し経路131
に接続されている配管のα部に対してそれぞれ接続され
ている。
【0115】このソレノイドバルブ15によって、膜利
用型濾過手段122としての中空糸膜モジュール123
の逆洗時にはエアー源より戻し経路131を介して中空
糸膜モジュール123内にエアーを流入し、逆洗終了時
にはエアーを外部に流出して逆洗にて使用されたエアー
を抜くようにしている。
【0116】次に、供給経路103の部分について説明
する。
【0117】この供給経路103には荒いごみ等を取り
除くストレーナ36を内部に備えたバッファタンク17
を設けている。このバッファタンク17は、中空糸膜モ
ジュール2の逆洗時に濃縮液を溜めるものであると共
に、洗浄槽101が供給経路103より下側にある場合
の装置立ち上げ時の呼び水入れである。またバッファタ
ンク17には、圧力計18及び弁19を設けている。
【0118】また、バッファタンク17の上流側には絞
り弁20及び配管異常による液漏れ防止のための遮断弁
としてソレノイドバルブ21を設けており、洗浄槽10
1から濾過対象流体である洗浄液L101を循環経路K
1に供給する流量を制御している。
【0119】そして、本実施例では、バイパス経路1に
ごみ取り手段を設けている。
【0120】このごみ取り手段は、バイパス経路1Aか
らバイパス経路1Bに接続するバイパス配管22に設け
られるワインドフィルターユニット23で、筒状のハウ
ジング内にごみ取り手段を成す極細繊維構造体であるワ
インドフィルター23’を設けたものである。またワイ
ンドフィルターユニット23には、一次側圧力計24及
び弁25を有している。尚、ごみ取り手段としては、ス
トレーナー,サイクロンとしても良い。
【0121】さらに、バイパス配管22には、その配管
内の流量及び圧力を調整する絞り弁26を設けており、
その上流側に二次側圧力計27を設けている。
【0122】そして、図中28乃至32は、開閉弁であ
り、その開閉弁28乃至32が設けられている配管内の
液を排出できるようにしている。
【0123】また、図中33は、濾過装置S1が乗せら
れる台の部分で、この台33の所定位置にはフロートス
イッチ34を、下端部には開閉弁35を設けており、台
33上に装置トラブル等で液が漏れて溜った時などに液
を外部に排出できるようにしている。
【0124】(実施の形態4)図5には、本発明の実施
の形態4に係る濾過装置を示しており、この濾過装置S
1は、上記実施の形態3に係る濾過装置と等価回路とな
っている。このため、本実施の形態に係る濾過装置S1
において、実施の形態3と同一の構成部分については図
中同一の符号を付して、その構成及び作用についての説
明は省略する。
【0125】本実施の形態では、供給経路103に逆止
弁35を設けたものである。
【0126】この実施の形態に係る濾過装置S1におい
て、各経路における具体的な流量及び濃度の例を示す。
【0127】まず、ポンプ121を100L/min×
20mとする。これにより、供給経路103の洗浄液L
101である原液の流量を10L/min、濃度を10
0〜200ppmとして循環経路K1に供給する。この
とき、得られる透過液の流量も10L/minであり、
バイパス経路1a,1bに流れる液の流量も10L/m
inである。
【0128】これにより、浮上油回収手段2に接続して
いるバイパス経路1a内の液の濃度は、150ppmと
なり、この液が浮上油回収手段2にてある程度油水分離
されて、その下流側のバイパス経路1bに流れる液の濃
度は50ppmとなり、低濃度の液は循環経路K1に再
循環される。そして、循環経路K1にて濃縮され、上記
した150ppmの濃度となる。
【0129】一方、浮上油回収手段2の排出口2aから
は油分1〜2g/minを排出する。
【0130】(実施の形態5)図6には、本発明の実施
の形態5に係る濾過装置を示しており、この濾過装置S
1は、上記実施の形態1,2に係る濾過装置と等価回路
となっている。このため、本実施の形態に係る濾過装置
S1において、実施の形態1,2と同一の構成部分につ
いては図中同一の符号を付して、その構成及び作用につ
いての説明は省略する。また、上記実施例と同一の構成
部分についても同一の符号を付して、その構成及び作用
についての説明は省略する。
【0131】そして、本実施の形態では、バイパス経路
1が、循環経路K1中の中空糸膜モジュール123の出
口側122aから供給経路103の接続部103aの下
流側に接続していることから、圧力の低い中空糸膜モジ
ュール123の出口側122aからバイパス経路1中の
浮上油回収手段2に油水を供給するためには、加圧ポン
プ38が必要となる場合がある。
【0132】そこで、上記した実施の形態3に示したよ
うに中空糸膜モジュール123の入口側122bから出
口側122aへと接続するバイパス経路1A,1Bとす
ることで、圧力の高い入口側122bから自動的に循環
経路K1に流出されることになり、加圧ポンプ38が不
要となる。
【0133】この濾過装置S1を実施の形態6として図
7に示す。
【0134】(実施の形態6)つまり、この濾過装置S
1は、上記実施の形態3に係る濾過装置と等価回路とな
っている。このため、本実施の形態に係る濾過装置S1
において、実施の形態3及び実施例と同一の構成部分に
ついては図中同一の符号を付して、その構成及び作用に
ついての説明は省略する。
【0135】即ち、この濾過装置S1におけるバイパス
経路1は、循環経路K1中に相対的に高圧側から低圧側
に接続されている。
【0136】そして、本実施の形態では浮上油回収手段
2の上流側のバイパス経路1Aにコアレッサーフィルタ
ー2bの保護用としてごみ取り手段としてのストレーナ
−39を設けて、大きな異物等を除去し、目詰まりを防
止している。
【0137】また、供給経路103にも同様にストレー
ナー40を設けており、循環経路K1への夾雑物の侵入
を防止している。
【0138】そして、バイパス経路1Aのストレーナー
39の上流側にバイパス経路1中の流量を調整する流量
制御弁3を設けている。
【0139】本実施の形態では、循環経路K1のポンプ
121にて供給される油水は、循環経路K1の相対的に
高圧側のバイパス経路1Aを介して循環経路K1内の油
水が滞留槽2cのコアレッサーフィルター2b内に入
り、滞留槽2cの底部から上記したようにある程度油水
分離されバイパス配管1Bを介して循環経路K1へ自動
的に流出される。
【0140】このとき、バイパス経路1Aに設けられた
流量制御弁3の開度を調整することにより、前記のよう
に浮上油回収手段2の油水回収効率(油水分離効率)が
上がり、その排出速度と装置への油分持ち込み速度が一
致したところで、循環経路K1内の濃縮液の油分濃度が
定常化する。このとき、循環経路K1内とバイパス経路
1に油水を流す比率を10:1〜200:1とする。
【0141】これにより、循環経路K1中の中空糸膜モ
ジュール123が一定の負荷で運転することができ、透
過流束の低下を防止することができる。
【0142】そして、バイパス経路1を循環経路K1中
で高圧側から低圧側に接続しており、また浮上油回収手
段2への流量不足やストレーナー39の目詰りによる圧
損の上昇時には、循環経路K1の流量制御弁125を調
整することにより、バイパス経路1への十分な供給圧力
及び流量を確保できることから、加圧ポンプ38等の油
水分離のための動力が必要でなくなり、装置構成の簡略
化を図ることができる。
【0143】尚、上記実施の形態6まではバイパス経路
1として、浮上油回収手段2からの低濃度の分離液を供
給経路103の接続部103aの下流側である循環経路
K1に流出するように接続するものを例にとって説明し
たが、本発明によれば要は循環経路K1から直接浮上油
回収手段2に濃縮液を流入すれば良いことから、浮上油
回収手段2からの低濃度の分離液を図8に示す実施の形
態7及び図9に示す実施の形態8のように接続部103
aの上流側である供給経路103に流出するようにバイ
パス経路1を接続しても良い。
【0144】(実施の形態7)即ち、図8に示す実施の
形態7は、循環経路K1において膜利用型濾過手段12
2の出口側122aから浮上油回収手段2に流入し、分
離された低濃度の濾過対象流体を供給経路103に流出
するように接続するバイパス経路1a,1bとしたもの
である。その他の構成及び作用については上記各実施の
形態と同一なので、同一の構成部分については図中同一
の符号を付して、その説明は省略する。
【0145】(実施の形態8)また、図9に示す実施の
形態8は、循環経路K1において膜利用型濾過手段12
2の入口側122bから浮上油回収手段2に流入し、分
離された低濃度の濾過対象流体を供給経路103に流出
するように接続するバイパス経路1A,1Bとしたもの
である。その他の構成及び作用については上記各実施の
形態と同一なので、同一の構成部分については図中同一
の符号を付して、その説明は省略する。
【0146】
【発明の効果】本発明は以上の構成および作用を有する
もので、循環経路内の高い油成分濃度の濾過対象流体が
バイパス経路により直接浮上油回収手段へと流入され油
成分の除去効率が向上する。即ち、浮上油回収手段へ供
給経路から濾過対象流体として水と分離しにくい低濃度
の油エマルジョン液が供給されないと共に、油エマルジ
ョン液は循環経路で濃縮されて高濃度となり、この高濃
度の油水が浮上油回収手段へと流入されて分離されるの
で、油エマルジョン液のみの場合にも適する濾過装置を
提供することができる。
【0147】また、例えばバイパス経路を膜利用型濾過
手段の入口側から膜利用型濾過手段の出口側または供給
経路へと接続することで、バイパス経路は高圧側から低
圧側に接続することになり、これにより油水分離のため
に高濃度の濾過対象流体を浮上油回収手段に流入するた
めのポンプを必要としないことから、装置構成の簡略化
を図ることができる。
【0148】さらに、バイパス経路中の濾過対象流体の
流量を制御する流量制御弁を設け、その弁の開閉量を制
御することで浮上油回収手段の油水分離効率がさらに向
上し、最適の条件で油水分離を行う。
【0149】そのため、浮上油回収手段を透過すること
で、濃縮液の油分濃度が低下していく。そして、装置の
持ち込み速度と浮上油回収手段の油分排出速度が一致し
たところで循環経路内の濃縮液の油分濃度が定常化す
る。
【0150】これにより、循環経路中のクロスフロータ
イプの膜利用型濾過手段を一定の負荷で運転することが
でき、装置の安定化を図ることができる。このため、膜
利用型濾過手段の透過流束の低下を防止することができ
る。
【0151】さらにまた、前記各経路のうち少なくとも
一つの経路にごみ取り手段を設けることで、経路内に侵
入してきたごみを取ることになり、膜利用型濾過手段及
び浮上油回収手段にフィルターを有するものの目詰まり
を防止できる。これにより、より装置の安定化を図るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態1に係る濾過装置の
図。
【図2】図2は本発明の実施の形態2に係る濾過装置の
図。
【図3】図3は本発明の実施の形態3に係る濾過装置の
図。
【図4】図4は本発明の実施の形態3に係る濾過装置を
実施した例の図。
【図5】図5は本発明の実施の形態4に係る濾過装置の
図。
【図6】図6は本発明の実施の形態5に係る濾過装置の
図。
【図7】図7は本発明の実施の形態6に係る濾過装置の
図。
【図8】図8は本発明の実施の形態7に係る濾過装置の
図。
【図9】図9は本発明の実施の形態8に係る濾過装置の
図。
【図10】図10は従来の膜利用型濾過手段の濾過装置
の図。
【図11】図11は従来の浮上油回収手段の図。
【図12】図12は従来例1の濾過装置の図。
【図13】図13は浮上油回収手段の説明図。
【図14】図14は従来例2の濾過装置の図。
【図15】図15は従来例3の濾過装置の図。
【図16】図16は従来例4の濾過装置の図。
【符号の説明】
1,1a,1b,1A,1B バイパス経路 2 浮上油回収手段 2a 排出口 2b コアレッサーフィルター 2c 滞留槽 2d フロートスイッチ 2e 排出配管 2f バルブ 2g タンク 2h フロートスイッチ 3 流量制御弁 4 定流量調整弁 5,8,10,20,26 絞り弁 6,24,126 一次側圧力計 7,27,127 二次側圧力計 9 伸縮継手 11 圧力スイッチ 12 空気抜き経路 13,28乃至32,35 開閉弁 14,37 逆止弁 15,16,21 ソレノイドバルブ 17 バッファタンク 18 圧力計 19,25 弁 22 バイパス配管 23 ワインドフィルターユニット 23’ ワインドフィルター(ごみ取り手段) 33 台 34 フロートスイッチ 36,39,40 ストレーナー(ごみ取り手段) 38 加圧ポンプ 101 洗浄槽 102 超音波発振器 103 供給経路 103a 接続部 113 流量制御弁 121 ポンプ 122 膜利用型濾過手段 122a 出口側 122b 入口側 123 中空糸膜モジュール(膜利用型濾過手段) 124 中空糸膜 125 流量調整弁 131 戻し経路 132 逆洗弁 A1,A2,A3,A4,A5 矢印 K1 循環経路 S1 濾過装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−304452(JP,A) 特開 平6−182159(JP,A) 特開 平1−143606(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 17/00 - 17/12 C02F 1/40

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロスフロータイプの膜利用型濾過手段
    と、 この膜利用型濾過手段に油水混合した濾過対象流体を一
    方向に循環させる循環経路と、 この循環経路に接続され、濾過対象流体を供給する供給
    経路と、 前記循環経路内で濃縮された濾過対象流体の油成分を分
    離して回収する浮上油回収手段と、 この浮上油回収手段に前記循環経路から濃縮された濾過
    対象流体を流入し、浮上油回収手段からの低濃度の分離
    液を循環経路,前記供給経路のうちどちらか一方に流出
    するように接続するバイパス経路と、 を備えたことを特徴とする濾過装置。
  2. 【請求項2】 前記バイパス経路は高圧側から低圧側に
    接続されていることを特徴とする請求項1に記載の濾過
    装置。
  3. 【請求項3】 前記バイパス経路に浮上油回収手段へと
    流入する濾過対象流体の流量を制御する流量制御弁を備
    えたことを特徴とする請求項1または2に記載の濾過装
    置。
  4. 【請求項4】 前記各経路のうち少なくとも一つの経路
    にごみ取り手段を設けたことを特徴とする請求項1,2
    または3に記載の濾過装置。
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