JPH1043553A - 濾過装置及び濾過方法 - Google Patents

濾過装置及び濾過方法

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JPH1043553A
JPH1043553A JP22047496A JP22047496A JPH1043553A JP H1043553 A JPH1043553 A JP H1043553A JP 22047496 A JP22047496 A JP 22047496A JP 22047496 A JP22047496 A JP 22047496A JP H1043553 A JPH1043553 A JP H1043553A
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JP
Japan
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hollow fiber
fiber membrane
filtration
fluid
filtered
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JP22047496A
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Kensuke Watanabe
健祐 渡辺
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Nok Corp
Original Assignee
Nok Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中空糸膜モジュールを利用する濾過装置にお
ける新しい濾過方式を提案し、単位時間あたりの濾過処
理量を増加させる。 【解決手段】 濾過対象流体を循環させて中空糸膜モジ
ュールに供給可能とする循環経路に配置される中空糸膜
モジュールの導出部に制御弁を備え、前記導出部から導
出する濾過対象流体の流量を制御することで、クロスフ
ロー濾過と全量濾過とを交互に行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中空糸膜モジュー
ルを利用した濾過装置と濾過方法に関し、詳しくは濾過
方式をクロスフロー濾過と全量濾過とに交互に変更する
ことで濾過流量を増大させることの可能な技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、洗浄液の再利用や排水処理を
行うために用いられる濾過装置においては、中空糸膜モ
ジュールを利用して濾過対象となる流体を中空糸膜の膜
表面を透過させ、精密濾過や限外濾過を行うものがあ
る。
【0003】そして、この中空糸膜モジュールを利用し
た濾過方式には、クロスフロー濾過方式と全量濾過方式
があり、それぞれ次のような特徴を備えている。
【0004】図5はクロスフロー濾過方式を採用した濾
過装置101の基本的は構成を示す図である。
【0005】濾過対象となる流体L101は、滞留槽1
02に蓄積されており、供給経路103から循環ポンプ
104及び中空糸膜モジュール105を備えた循環経路
106内に供給される。循環経路106では、流体L1
01は循環ポンプ104により矢印A101に示される
方向に循環する。
【0006】そして、流体L101が中空糸膜モジュー
ル105の導入部105aからその内部に流入すると、
中空糸膜105cの内管部を一方向に流れ、膜の内側と
外側の膜間差圧により、流れている流体L101の一部
が中空糸膜105cの膜表面を透過して濾過が行われ
る。膜表面を透過しなかった流体L101は導出部10
5bより循環経路106に戻される。
【0007】中空糸膜105cの膜表面を透過して濾過
された流体としての処理液L102は中空糸膜105c
の外管部側に接続する処理液戻し経路107により滞留
槽102へと戻され、滞留槽102内に蓄積されている
濾過対象となる流体L101が順次濾過されて浄化され
る。
【0008】一方、膜表面を透過しなかった流体L10
1は循環経路106を再度循環するが、この循環経路1
06内では、時間と共に濾過対象となる流体L101に
含まれる汚れ成分濃度が高まる。
【0009】そして通常は、これを防止するために、循
環経路106に汚れ成分を取り除く回収手段(不図示)
を接続する等の対策を行い、循環経路106内の汚れ成
分濃度を一定の範囲に保ちながら濾過処理が行われてい
る。
【0010】図6は、全量濾過方式を採用した濾過装置
111の基本的は構成を示す図であり、図5と同様の構
成には同一の符号が付されている。この濾過装置111
では、供給経路103から供給される流体L101は、
循環ポンプ104により中空糸膜モジュール115へと
流入する。
【0011】中空糸膜モジュール115は、導入部11
5a側の内部に装填されている中空糸膜115cの導入
部115a側の端部のみが開口端部となり、内管部に流
体L101が導入され、導出部115b側では中空糸膜
115cの端部は塞がれており、内管部に導入された流
体L101が流出しないように構成されている。
【0012】この濾過装置111では、中空糸膜モジュ
ール115に導入された流体L101は中空糸膜105
cの膜表面を全量が透過して処理液L102となり、中
空糸膜115cの外管部側に接続する処理液戻し経路1
07により滞留槽102へと戻される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図5の
クロスフロー濾過方式では、濾過対象となる流体L10
1が中空糸膜105cの内管部を一方向に流れるので、
汚れ成分の膜表面に対する付着が少なく、連続的な処理
を可能とするものであるが、内径の小さい中空糸膜10
5cの内管部を流れるに従って流体L101の圧力が低
下するので中空糸膜105cの軸方向に圧力分布が発生
する。
【0014】この圧力分布は、導入部105a近傍の圧
力は高く導出部105b近傍では低くなっている。この
ため、中空糸膜105cの膜表面を透過する濾過は中空
糸膜105cの導入部105a近傍で主に行われ、導出
部105b近傍での濾過はほとんど行われなず、濾過に
対して中空糸膜105cが有効に使用されずに、濾過処
理量が少なく濾過効率が低いという問題があった。
【0015】また、図6の全量濾過方式ではクロスフロ
ー濾過方式に比べて中空糸膜の内管部に導入された流体
L101の圧力分布の差が小さく濾過処理に当たり中空
糸膜の軸方向のほぼ全領域を使用することができるが、
この方式においては濾過の進行に伴い、経時変化的に流
体L101に存在する汚れ成分が中空糸膜の内側の表面
に堆積されることになり、濾過処理量(処理液の生成
量)が大きく変化してしまう。
【0016】つまり、濾過開始時点では濾過処理量が多
いが、汚れ成分が堆積するにつれて濾過処理量が低下し
ていき、最終的には流体L101が膜をほとんど透過せ
ずに濾過が停止してしまうという問題があった。
【0017】本発明は上記従来技術の問題を解決するた
めになされたもので、その目的とするところは、中空糸
膜モジュールを利用する濾過装置における新しい濾過方
式を提案し、単位時間あたりの濾過処理量を増加させる
ことにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明にあっては、ハウジング内に装填された中空
糸膜と、この中空糸膜の内管部に濾過対象流体を導入す
る導入部と、前記中空糸膜の内管部を通過した濾過対象
流体を導出する導出部と、中空糸膜の膜表面を透過する
ことで濾過された膜透過流体を排出する排出部と、を備
えた中空糸膜モジュールと、この中空糸膜モジュールの
導入部及び導出部とを接続し、該中空糸膜モジュールに
濾過対象流体を循環させて供給可能とする循環経路と、
この循環経路に濾過対象流体を供給する供給経路と、前
記中空糸膜モジュールの排出部に接続し膜透過流体を排
出する排出経路と、を備えた濾過装置であって、前記中
空糸膜モジュールの導出部近傍に配置され、前記導出部
から導出する濾過対象流体の流量を制御することで、ク
ロスフロー濾過と全量濾過とを交互に行う流量制御手段
を備えたことを特徴とする。
【0019】これによると、中空糸膜モジュールを使用
するうえでの濾過方式を、クロスフロー濾過と全量濾過
とに交互に行うことが可能となり、全量濾過時には濾過
処理流量が増加する。クロスフロー濾過時には全量濾過
時に比べて濾過処理流量は少ないが、全量濾過時に中空
糸膜の内管部に堆積した汚れや異物を濾過対象流体の流
れにより除去することが可能となる。従って、濾過対象
流体の濃度や性質・物性等により濾過方式の変更タイミ
ングを調整することで、それぞれの濾過方式の特徴が効
果的に生かされ、濾過装置の単位時間あたりの濾過処理
量を増加することが可能となる。
【0020】また、前記中空糸膜モジュールは並列に複
数本備えられ、前記流量制御手段は、それぞれの中空糸
膜モジュールの導出部近傍に配置される制御弁と、該制
御弁の開閉を独立的に行うことを可能とする制御部とを
備え、この制御部は、開弁している制御弁と閉弁してい
る制御弁とを同時に存在させると共に、所定時間後にそ
れぞれの制御弁の開閉状態を逆転させることを繰り返す
ように制御することも好ましい。
【0021】これによると、それぞれの中空糸膜モジュ
ールの濾過方式を切り換えた時の濾過処理量の変化が相
殺され、濾過処理流量が安定する。
【0022】また、並列に複数本備えられた中空糸膜モ
ジュールのうち、少なくとも1本の中空糸膜モジュール
の代わりにバイパス経路を備えたことも好ましい。
【0023】この構成により、制御弁の開閉状態を中空
糸膜モジュールとバイパス経路とで異なるように設定す
ると、循環経路を循環する濾過対象流体の流れが停止し
て全量濾過を行っている中空糸膜モジュールに過大な圧
力として賦課されることがなく、中空糸膜の破損が防止
される。
【0024】また、濾過方法においては、ハウジング内
に装填された中空糸膜と、この中空糸膜の内管部に濾過
対象流体を導入する導入部と、前記中空糸膜の内管部を
通過した濾過対象流体を導出する導出部と、中空糸膜の
膜表面を透過することで濾過された膜透過流体を排出す
る排出部と、を備えた中空糸膜モジュールと、この中空
糸膜モジュールの導入部及び導出部とを接続し、該中空
糸膜モジュールに濾過対象流体を循環させて供給可能と
する循環経路と、この循環経路に濾過対象流体を供給す
る供給経路と、前記中空糸膜モジュールの排出部に接続
し膜透過流体を排出する排出経路と、を備えた濾過装置
による濾過方法において、前記中空糸膜モジュールの導
出部から導出する濾過対象流体の流量を制御すること
で、該中空糸膜モジュールの濾過方式を、クロスフロー
濾過と全量濾過とに交互に変更する。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に本発明を図示の実施の形態
に基づいて説明する。
【0026】(実施の形態1)図1は本発明を適用した
濾過装置の第1の実施の形態である。この濾過装置1
は、濾過対象流体として例えば水(水道水や貯水槽に蓄
えられた水)の中に含まれる汚れ成分としての微細な異
物等を除去する浄水装置や、濾過対象流体としての水を
主成分とする洗浄液中に懸濁した油成分を分離する油水
分離装置等に利用することが可能である。
【0027】ここでは、実施の形態として本発明を上記
のような浄水装置や油水分離装置に利用する上での基本
的な構成のみを備えた濾過装置1を説明する。
【0028】濾過対象となる流体L1は、滞留槽2に蓄
積されており、供給経路3から循環ポンプ4及び中空糸
膜モジュール5,6を並列に備えた循環経路7内に供給
される。循環経路7では、流体L1は循環ポンプ4によ
り矢印A1に示される方向に循環する。
【0029】この循環経路7は、中空糸膜モジュール
5,6をクロスフロー濾過方式により利用することを可
能とするもので、クロスフロー濾過を行っている時には
流体L1が中空糸膜モジュール5,6の導入部5a,6
aからその内部に流入し、中空糸膜5c,6cの内管部
を一方向(図において上向き)に流れ、膜の内側と外側
の膜間差圧により、流れている流体L1の一部が中空糸
膜5c,6cの膜表面を透過して濾過が行われる。膜表
面を透過しなかった流体L1は導出部5b,6bより流
出して循環経路7に戻される。
【0030】ここで、導出部5b,6bより導出する流
体L1の流量は、流量制御手段となる導出部5b,6b
の近傍に配置された制御弁8,9、及び制御弁8,9の
開閉制御を独立的に行うことを可能とする制御部10に
より制御されている。尚、クロスフロー濾過を行う場合
には、制御部10によりそれぞれの制御弁8,9を開弁
させれば良い。
【0031】中空糸膜の膜表面を透過して濾過された膜
透過流体としての処理液L2はそれぞれの中空糸膜モジ
ュール5,6の筒状のハウジングの内側であって、中空
糸膜5c,6cの外管部側に接続する処理液戻し経路1
1,12により滞留槽2へと戻され、滞留槽2内に蓄積
されている濾過対象となる流体L1が順次濾過されて浄
化される。
【0032】一方、膜表面を透過しなかった流体L1は
開弁した制御弁8,9を経て循環経路7を再度循環する
が、この循環経路7内では、時間と共に濾過対象となる
流体L1に含まれる汚れ成分濃度が高まる。これを防止
するために、循環経路7に汚れ成分を取り除く回収手段
(不図示)を接続する等の対策を行い、循環経路7内の
汚れ成分濃度を一定の範囲に保ちながら濾過処理を行う
ことも良い。
【0033】次に、制御部10によりそれぞれの制御弁
8,9を閉弁状態とすると、流体L1は循環ポンプ4に
より中空糸膜モジュール5,6へと流入する。制御弁
8,9が閉弁状態であると、中空糸膜モジュール5,6
の導出部5b,6b側の中空糸膜5c,6cの端部が塞
がれることになり、中空糸膜5c,6cの導入部5a,
6a側の端部のみが開口端部となり、内管部に導入され
た流体L1は、中空糸膜の膜表面を全量透過することに
なる。
【0034】従って、制御弁8,9が閉弁状態では、各
中空糸膜モジュール5,6を全量濾過方式により利用す
ることを可能としている。全量濾過時には、循環経路7
には流体L1は流れず、膜表面を透過した処理液L2は
処理液戻し経路11,12により滞留槽2へと戻され
る。
【0035】以上の説明によると、濾過装置1は、制御
部10により制御される制御弁8,9の開閉状態によ
り、各中空糸膜モジュール5,6をクロスフロー濾過方
式または全量濾過方式として選択的に利用することがで
きる。
【0036】そして、全量濾過時には濾過処理流量が増
加する。クロスフロー濾過時には全量濾過時に比べて濾
過処理流量は少ないが、全量濾過時に中空糸膜の内管部
に堆積した汚れや異物を濾過対象流体の流れにより除去
することが可能となる。
【0037】従って、濾過対象流体の濃度や性質・物性
等により濾過方式の変更タイミングを調整することで、
それぞれの濾過方式の特徴が効果的に生かされ、濾過装
置の単位時間あたりの濾過処理量を増加することが可能
となる。
【0038】また、この第1の実施の形態の濾過装置1
では、中空糸膜モジュールは並列に2本備えられている
ので、制御部10により制御される制御弁8,9の開閉
状態を、一方の制御弁を開弁し、他方の制御弁は閉弁し
ている状態を同時に存在させると共に、所定時間後にそ
れぞれの制御弁の開閉状態を逆転させることを繰り返す
ことで、それぞれの中空糸膜モジュール5,6の濾過方
式を切り換えた時の濾過処理量の変化が相殺され、濾過
処理流量を安定することができる。
【0039】尚、濾過装置1は、中空糸膜モジュールを
2本のみならずそれ以上の本数を並列に備え、それぞれ
に制御弁8,9と同様の制御弁を備える構成を採用する
こともできる。そして、この場合において、例えば3本
の中空糸膜モジュールを備えたものでは、1本を全量濾
過とし、他の2本をクロスフロー濾過として利用し、濾
過方式の変更は、それぞれの中空糸膜モジュールが順次
に全量濾過を所定時間行った後、その2倍の時間クロス
フロー濾過を行うように制御するようにすれば良い。
【0040】このように、本発明の適用範囲は極めて広
く、濾過装置に備える中空糸膜モジュールの本数、濾過
方式の比率や変更タイミング等のパラメータの設定は、
濾過対象となる流体の濾過対象流体の濃度や性質・物性
等に従って最適値を求め、適宜に設定することで、連続
的かつ処理流量の大きい濾過装置が得られる。
【0041】図2は、本発明の効果を検証するために行
った比較実験の結果を示す図であり、実施の形態による
濾過装置1と、同容量・同本数の中空糸膜モジュールを
運転した場合の透過量及び透過流束のデータをグラフ化
したものである。
【0042】具体的には、中空糸膜が10000本内蔵
された中空糸膜モジュールを並列に2本配置した図1の
本実施の形態の濾過装置1を、1分間隔で各制御弁の開
閉を行いながら運転した結果と、従来技術による図5の
クロスフロー濾過のみを行う濾過装置101及び図6の
全量濾過のみを行う濾過装置111の運転結果を比較し
ている。但し、図5及び6における濾過装置101及び
濾過装置111には中空糸膜モジュールが1本しか示さ
れていないが、本発明による濾過装置1と比較条件を同
じとするために、中空糸膜は20000本内蔵したもの
を用いており中空糸膜モジュールの性能としては等価と
している。
【0043】尚、濾過対象流体としては、水を主成分と
する洗浄液に2000ppmの汚れ成分(汚れ成分は主
に油分と粒子状の微細な異物)が懸濁している洗浄廃液
を使用した。
【0044】透過量(m3 /m2 )とは中空糸膜モジュ
ールを透過した流体L2の量(m3)を中空糸膜モジュ
ールの濾過面積(m2 )で除した値であり、透過流束
(m3/m2 /hr)とは、単位時間(hr)あたりの
透過量のことである。
【0045】図において、横軸に透過量をとり、縦軸に
は横軸の透過量に対する透過流束を対応させている。D
1は実施の形態による濾過装置1によるデータであり、
D2はクロスフロー濾過を行った従来の濾過装置101
によるデータ、D3は全量濾過を行った従来の濾過装置
111によるデータである。
【0046】D2のクロスフロー濾過では、濾過開始時
の透過流束は0.15であるが運転に伴い透過量が1.
5まで達すると透過流束は0.05程度まで低下してそ
れ以降透過量が増加しても透過流束はほぼ一定の値を維
持している。
【0047】D3の全量濾過では、濾過開始時の透過流
束は0.2以上であるが、運転に伴い、急激に透過流束
が低下し、透過量が1.0に満たないうちに透過流束が
ほとんど0となってしまう。全量濾過で、この透過流束
がほとんど0まで達したということは、中空糸膜の膜表
面に汚れ成分が付着・堆積してしまったことになり、こ
れ以上運転を続けても濾過を行うことが出来ない。
【0048】これらD2及びD3の従来技術による濾過
装置の結果に対して、クロスフロー濾過と全量濾過とを
交互に行った本発明の濾過装置1の結果であるD1は、
最初の透過流束は、D3よりも低く、D2とほぼ同じか
少し大きい値であるが、運転に従って低下する透過流束
の割合は小さく、透過量が1.2まで達する間に透過流
束は0.12程度まで低下し、それ以降透過量が増加し
ても透過流束はほぼ一定の値を維持している。
【0049】また、本発明を適用した濾過装置1とクロ
スフロー濾過を行う濾過装置101との比較では、24
時間運転を継続した後の濾過処理量の累積は、濾過装置
1の濾過処理量が濾過装置101のそれよりも約2倍の
値となった。
【0050】(実施の形態2)図3に本発明を適用した
第2の実施の形態を示す。第2の実施の形態の濾過装置
21は上記第1実施の形態で説明した濾過装置1と、基
本構成は同じであるが、中空糸膜モジュールを2本では
なく、1本のみ備えた構成のものである。
【0051】この濾過装置21では、制御弁8を開閉す
ることで、クロスフロー濾過と全量濾過とを交互に切り
換えて行うことができる。しかし、第1の実施の形態の
ように、膜表面を透過した処理液L2の処理量がクロス
フロー濾過時と全量濾過時とでは異なってしまうが、単
位時間あたりの濾過処理量は図2に示された結果と同様
であり、従来の濾過方式よりも濾過処理量が増加した。
【0052】その他の構成については、上記した第1の
実施の形態と同一であるので、同一の構成部分について
は同一の符号を付してその説明を省略する。
【0053】(実施の形態3)図4に本発明を適用した
第3の実施の形態を示す。第3の実施の形態の濾過装置
31は、第1の実施の形態の濾過装置1の中空糸膜モジ
ュール5の代わりにバイパス経路32を備えたものであ
る。
【0054】第2の実施の形態の中空糸膜モジュールを
1本のみ備えた濾過装置21が、制御弁8を閉弁して全
量濾過を行った時に、中空糸膜5cに流入した流体L1
の逃げ道が閉鎖されているために(膜の透過は行われ
る)、中空糸膜5cの内管部の圧力が急激に増加し、膜
の破損等の問題が生じることが考えられるのに対し、こ
の濾過装置31では、制御弁9の閉鎖時に制御弁33を
開弁することで、中空糸膜5cの内管部に賦課される流
体L1の圧力増加を抑えるという対策を施したものであ
る。
【0055】この濾過装置31でクロスフロー濾過を行
う時には、制御弁9を開弁し制御弁33を閉弁すること
で、中空糸膜モジュール6へ導入される流体L1の流量
が多くなり、濾過処理量も増加する。
【0056】
【発明の効果】本発明は以上の構成および作用を有する
濾過装置及びこの濾過装置に適用される濾過方法による
と、流量制御手段により濾過装置に備えられた中空糸膜
モジュールの濾過方式をクロスフロー方式と全量濾過方
式に変更することが可能となり、濾過装置の単位時間あ
たりの濾過処理量を増加することが可能となる。
【0057】また、並列に複数本備えられた中空糸膜モ
ジュールを異なる濾過方式で運転することで、それぞれ
の中空糸膜モジュールの濾過方式を切り換えた時の濾過
処理量の変化が相殺され、濾過処理流量が安定する。
【0058】バイパス経路を備え、制御弁の開閉状態を
中空糸膜モジュールとバイパス経路とで異なるように設
定すると、循環経路を循環する濾過対象流体の流れが停
止して全量濾過を行っている中空糸膜モジュールに過大
な圧力として賦課されることがなく、中空糸膜の破損が
防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1の実施の形態に係る濾過装
置の図。
【図2】図2は本発明の第1実施の形態と比較例の濾過
処理量のグラフ。
【図3】図3は本発明の第2の実施の形態に係る濾過装
置の図。
【図4】図4は本発明の第3の実施の形態に係る濾過装
置の図。
【図5】図5は従来のクロスフロー方式の濾過装置の
図。
【図6】図6は従来の全量濾過方式の濾過装置の図。
【符号の説明】
1 濾過装置 2 滞留槽 3 供給経路 4 循環ポンプ 5,6 中空糸膜モジュール 5a,6a 導入部 5b,6b 導出部 5c,6c 中空糸膜 7 循環経路 8,9 制御弁(流量制御手段) 10 制御部(流量制御手段) 11,12 処理液戻し経路 L1 流体(濾過対象流体)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内に装填された中空糸膜と、
    この中空糸膜の内管部に濾過対象流体を導入する導入部
    と、前記中空糸膜の内管部を通過した濾過対象流体を導
    出する導出部と、中空糸膜の膜表面を透過することで濾
    過された膜透過流体を排出する排出部と、を備えた中空
    糸膜モジュールと、 この中空糸膜モジュールの導入部及び導出部とを接続
    し、該中空糸膜モジュールに濾過対象流体を循環させて
    供給可能とする循環経路と、 この循環経路に濾過対象流体を供給する供給経路と、 前記中空糸膜モジュールの排出部に接続し膜透過流体を
    排出する排出経路と、を備えた濾過装置であって、 前記中空糸膜モジュールの導出部近傍に配置され、前記
    導出部から導出する濾過対象流体の流量を制御すること
    で、クロスフロー濾過と全量濾過とを交互に行う流量制
    御手段を備えたことを特徴とする濾過装置。
  2. 【請求項2】 前記中空糸膜モジュールは並列に複数本
    備えられ、 前記流量制御手段は、それぞれの中空糸膜モジュールの
    導出部近傍に配置される制御弁と、該制御弁の開閉を独
    立的に行うことを可能とする制御部とを備え、 この制御部は、開弁している制御弁と閉弁している制御
    弁とを同時に存在させると共に、所定時間後にそれぞれ
    の制御弁の開閉状態を逆転させることを繰り返すように
    制御することを特徴とする請求項1に記載の濾過装置。
  3. 【請求項3】 並列に複数本備えられた中空糸膜モジュ
    ールのうち、少なくとも1本の中空糸膜モジュールの代
    わりにバイパス経路を備えたことを特徴とする請求項2
    に記載の濾過装置。
  4. 【請求項4】 ハウジング内に装填された中空糸膜と、
    この中空糸膜の内管部に濾過対象流体を導入する導入部
    と、前記中空糸膜の内管部を通過した濾過対象流体を導
    出する導出部と、中空糸膜の膜表面を透過することで濾
    過された膜透過流体を排出する排出部と、を備えた中空
    糸膜モジュールと、 この中空糸膜モジュールの導入部及び導出部とを接続
    し、該中空糸膜モジュールに濾過対象流体を循環させて
    供給可能とする循環経路と、 この循環経路に濾過対象流体を供給する供給経路と、 前記中空糸膜モジュールの排出部に接続し膜透過流体を
    排出する排出経路と、を備えた濾過装置による濾過方法
    において、 前記中空糸膜モジュールの導出部から導出する濾過対象
    流体の流量を制御することで、該中空糸膜モジュールの
    濾過方式を、クロスフロー濾過と全量濾過とに交互に変
    更することを特徴とする濾過方法。
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