JP5395194B2 - バラスト水処理用膜カートリッジの洗浄方法およびフィルターの洗浄方法 - Google Patents

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Description

本発明は、全量ろ過による処理水フラックスを長期間維持できるフィルターの洗浄方法およびバラスト水処理用の膜カートリッジの洗浄方法に関する。
原油等を輸送する貨物用船舶には、航行時の船体の安定性を保つためにバラストタンクが設けられている。通常、原油等が積載されていないときには、バラストタンク内をバラスト水で満たし、原油等を積み込む際にバラスト水を排出することにより、船体の浮力を調整し、船体を安定化させている。
このようにバラスト水は、船舶の安全な航行のために必要な水であり、通常、荷役を行う港湾の海水が利用される。その量は、世界的にみると年間100億トンを超えるといわれている。
ところで、バラスト水中には、それを取水した港湾に生息する微生物や小型・大型生物の卵が混入しており、船舶の移動に伴い、これら微生物や小型・大型生物の卵が同時に異国に運ばれることになる。
従って、もともとその海域には生息していなかった生物種が、既存生物種に取って代わるといった生態系の破壊が深刻化している。
このような背景の中、国際海事機関(IMO)の外交会議において、バラスト水処理装置等に係る定期的検査の受検義務が採択され、2009年以降の建造船から適用されている。
また、船舶のバラスト水及び沈殿物の規制及び管理のための条約(以下、条約という)により、バラスト水の排出基準は、バラスト水の排出時に外洋に存在する微生物数の100分の1程度まで殺菌あるいは除菌されていることが要求されている。
バラスト水中の微生物を殺菌する技術としては、オゾン殺菌技術(特許文献1)が知られている。またオゾン使用量を削減する観点から、本出願人は、膜処理技術も提案している(特許文献2)。
膜処理に用いられる膜は、一般に、分離対象となる微生物の大きさを考慮して、精密ろ過膜や限外ろ過膜が用いられている。膜のタイプとしては、たとえばスパイラル膜(特許文献3)などが知られているが、いずれのタイプであっても、膜処理の場合には、膜の目詰まりが発生し、膜面積当たりの処理量(フラックス)が低下する問題を有している。
またバラスト水の場合には、バラストタンクの容量がたとえば2万トンと膨大であるにもかかわらず、そのタンクに大量のバラスト水を充填するのに、約1日で行わなければならないというバラスト特有の課題がある。船舶が積み荷を降ろして再出港するまでの時間が限られているからである。
US2003/0015481 特開2007−268379号公報 特開2000−271454号公報
バラスト水を、船舶に設けられたスパイラル膜を備えた膜カートリッジに供給して、ろ過処理を継続すると、膜の目詰まりにより、フラックス(透過流束)が低下する。
スパイラル膜カートリッジをデッドエンド方式で全量ろ過する方式を採用すると、フラックスは増大するが、早期にフラックスが低下する問題がある。
この場合に、クロスフロー方式により膜表面を洗浄する方法も考えられる。確かに膜処理運転中の洗浄効果は高く、デッドエンド方式で全量ろ過する場合のフラックス低下を回復するが、長期間の運転を継続すると、膜面の付着物質が増大し、回復にも限界がある。
また、バラスト水の性質、特に海洋微生物の種類や濃度は、地域によって様々であり、これによっては、バラストタンクへの漲水の途中でフラックスが低下し、漲水を中断して薬品洗浄を行う必要もある。このような場合には、迅速な薬品洗浄方法が必要とされる。
本発明者の実験では、1本の膜カートリッジの膜を薬液洗浄するのに必要な設計容量は、38リットル(膜面積当たり2リットルの洗浄液が必要であり、本実験では膜面積は19m2を使用した)であるのに対して、膜カートリッジの内容量は10リットルであるから、薬液を4回循環すれば、洗浄可能と考えた。
しかし、実験の結果、上記のように薬液を循環するだけでは、膜表面に付着した微生物を除去できない部分が残ることがわかった。また、薬液洗浄においては、薬品のコスト高の問題も生じる。
上記のような問題は、クロスフロー方式により膜やフィルター表面を洗浄する方法を採用する場合に生じることも分かった。
そこで、本発明の課題は、バラスト水処理用膜カートリッジの膜表面に付着した物質(微生物)を迅速且つ効率的に除去できるバラスト水処理用膜カートリッジの洗浄方法およびフィルターの洗浄方法を提供することにある。
また、本発明の更なる課題は、薬液を節約して低コスト化が可能なバラスト水処理用膜カートリッジの洗浄方法およびフィルターの洗浄方法を提供することにある。
また本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
請求項1記載の発明は、バラスト水を、スパイラル膜モジュールを備えてなる膜カートリッジに供給してバラスト水をろ過する方法において、前記ろ過を停止し、該膜カートリッジ内に、過酸化水素を含む洗浄液を充填して、該膜カートリッジ内を閉鎖系にし、該洗浄液に前記膜モジュールを浸漬した状態で、過酸化水素から発生する気体により該膜カートリッジ内の圧力を上昇させて、膜面付着物質と膜面の間に過酸化水素を浸透させて、膜面から付着物質を剥離させることを特徴とするバラスト水処理用膜カートリッジの洗浄方法である。
請求項2記載の発明は、バラスト水を、スパイラル膜モジュールを備えてなる膜カートリッジに供給してデッドエンド方式で全量ろ過し、膜洗浄の際に、クロスフロー方式により膜表面を洗浄し、全量ろ過と膜洗浄を交互に行うバラスト水処理用膜カートリッジを用いたバラスト水の処理方法において、
前記全量ろ過と膜洗浄を停止し、該膜カートリッジ内に、過酸化水素を含む洗浄液を充填して、該膜カートリッジ内を閉鎖系にし、
該洗浄液に前記膜モジュールを浸漬した状態で、過酸化水素から発生する気体により該膜カートリッジ内の圧力を上昇させて、膜面付着物質と膜面の間に過酸化水素を浸透させて、膜面から付着物質を剥離させ、
次いで、前記膜カートリッジ内を開放系とし、クロスフロー方式により膜表面を洗浄する操作を開始して、前記付着物質を除去することを特徴とするバラスト水処理用膜カートリッジの洗浄方法である。
請求項記載の発明は、クロスフロー方式により膜表面を洗浄する操作を開始した後排出される洗浄排水に、残留する過酸化水素を無害化する無害化処理を施すことを特徴とする請求項記載のバラスト水処理用膜カートリッジの洗浄方法である。
請求項記載の発明は、液体をろ過するフィルターの洗浄方法において、前記ろ過を停止し、フィルターを過酸化水素を含む洗浄液に浸漬させ、フィルターが備えられる閉鎖された空間の圧力を、過酸化水素水から発生する気体により上昇させることを特徴とするフィルターの洗浄方法である。
請求項記載の発明は、洗浄排水に残留する過酸化水素を無害化する無害化処理を施すことを特徴とする請求項記載のフィルターの洗浄方法である。
請求項1記載の発明によれば、バラスト水処理用膜カートリッジの膜表面に付着した物質(微生物)を迅速且つ効率的に除去できる。また、発生した気体を膜面付着物質と膜面の間に浸透させて、膜面から付着物質を剥離できる。さらに、薬液を節約して低コスト化が可能なバラスト水処理用膜カートリッジの洗浄方法を提供することができる。更に、過酸化水素が殺菌作用を発現し、さらに効果的に膜から付着物質を剥離することができる。
請求項2記載の発明によれば、デッドエンド方式でろ過し、クロスフロー方式により膜洗浄をしたときに、よりバラスト水処理用膜カートリッジの膜表面に付着した物質(微生物)を迅速且つ効率的に除去できる。
請求項記載の発明によれば、過酸化水素水を外部に放流しなくて済む効果がある。
請求項記載の発明によれば、フィルターと付着物質の間の狭い間隙に洗浄液を浸透させることができるので、付着物質をフィルターから剥離することができる。更に、付着物質と接触して、気体を発生することができ、効果的にフィルターから付着物質を剥離することができる。また更に、過酸化水素が殺菌作用を発現し、さらに効果的にフィルターから付着物質を剥離することができる。
請求項記載の発明によれば、過酸化水素水を外部に放流しなくて済む効果がある。
バラスト水処理用膜カートリッジを用いたバラスト水の処理設備の一例を示す図 膜カートリッジの要部断面図
1:バラスト原水
2:バラストポンプ
3:膜カートリッジ
4:バラストタンク
6:薬剤の原液タンク
7:薬液タンク
703:薬液循環ポンプ
8:過酸化水素除去塔
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明に係るバラスト水処理用膜カートリッジを用いたバラスト水の処理設備の一例を示す図である。
バラスト原水1は、バラストポンプ2によって汲み上げられ、船舶上又は船舶内に設けられた膜カートリッジ3に供給される。200はバラスト原水吸込み管、201はバラスト原水吸込み管200に設けられる開閉弁である。202はバラスト原水吐出管、203はバラスト原水吐出管202に設けられる開閉弁である。
本発明において、バラスト原水は、船舶バラスト水として従来使用されてきた水であればよく、海水がおもに使用される。
膜カートリッジ3に供給されたバラスト原水は、膜処理され、生じた処理水はバラストタンク4に供給される。400は処理水管、401は処理水管400に設けられる開閉弁である。
また、膜カートリッジ3は、洗浄排液放流管500に接続され、洗浄排液をたとえば海へ放流する。501は、洗浄排液放流管500に設けられる開閉弁である。
図示の態様では、1本の膜カートリッジ3が示されているが、本発明において、膜カートリッジは、バラストタンクへ1日で処理水を満水にするために必要な本数を並列に設置して備えることが好ましい。
処理時間T(Day)の間に、バラストタンクへ処理水を満水にするために必要な膜カートリッジの本数nは、バラストタンク容量をQ(m)、1本の膜カートリッジあたりの膜面積をS(m)、初期フラックス(透過流束)をF(m/Day)、処理時間をT(Day)とした場合、以下の式で表せる。
n=α・Q/(S・F・T)
従って、1日で処理水を満水にする場合は、以下の式で表せる。
n=α・Q/(S・F
αは、全量ろ過時におけるフラックス低下に起因する処理量の低下、及び、膜洗浄時における処理量の低下を補正する係数で、通常1.05〜1.30の範囲である。
例えば、1本の膜カートリッジの膜面積が、38mのものを使用し、初期フラックスが、1.5m/Dのものを使用する。バラストタンクの容量が20000mの場合、1日で処理水を供給する場合には膜カートリッジは約370〜460本必要である。
図2を参照して、膜カートリッジの一例について説明する。
図2は、膜カートリッジの要部断面図である。
膜カートリッジ3は、バラスト処理水集水管300と該集水管300の外周に巻回された複数の封筒状膜(スパイラル膜)301からなるスパイラル膜モジュールを内部に装填している。
該集水管300の外周に巻回された複数の封筒状膜301の各々の封筒体の内部には、膜を封筒状に張設すると共に、処理水(透過水)を該集水管300に移送するための支持体302が設けられている。
隣接する封筒状膜301の間には、封筒状膜同士が密着して膜面積が狭くなることを防止するため、及びバラスト原水流路304を形成するためにスペーサ303が挿設されていてもよい。なお、原水流路304は、スパイラル膜の外部で、該集水管300と膜カートリッジ3の内面に形成される。
また、集水管300は、処理水出口31に連通し、原水流路304は、バラスト原水入口30及び洗浄排液出口32に連通している。
以上の構成を有する設備において、バラストポンプ2を作動させて、バラスト原水を汲み上げ、膜カートリッジ3に供給する。
本発明において、膜カートリッジによる膜処理では、デッドエンド方式による全量ろ過を行うことが好ましい。
この方式は、放流管500に設けられた開閉弁501を閉じ、処理水管400の開閉弁401を開けて、バラストポンプ2を始動して、バラスト原水を膜ユニット集合体が備える膜カートリッジのバラスト原水入口30に供給して、その全量を膜処理することによって行われる。膜処理によって生じた処理水は、処理水出口31から、処理水管400に送られ、バラストタンク4に供給される。
従来の加圧循環方式の膜処理では、バラスト原水は、処理水と濃縮水に分離され、その比率が処理水10:濃縮水90程度の低負荷運転が行われている。これに対して、デッドエンド方式で全量ろ過した場合は、処理水と濃縮水の比率が100:0であり、処理速度が通常運転時の10倍程度にまで向上する。
従って、この方式では、バラスト原水の処理が高速であり、短時間でバラストタンク4に大量のバラスト水を充填することが可能となる。
しかし、デッドエンド方式は、この様にバラスト水処理が高速であるが故に、膜表面の付着物質による目詰まりを起こし易く、フラックス低下が早い。長期の連続運転を行った場合は、目詰まりによって液が滞留し、膜への負荷が大きくなり、膜を損傷する恐れもある。
そこで、本発明では、バラスト水の漲水時において、前述の全量ろ過と交互に、膜面平行流により膜表面の洗浄(この洗浄を本発明では、クロスフロー方式による膜洗浄といい、単に方式を指称する場合は、クロスフロー方式という場合がある)を行うことが好ましい。
前記膜面平行流とは、膜を透過する液流ではなく、原水流路304中において、封筒状膜301表面に対して略平行な状態で流れる液流である。
このクロスフロー方式は、放流管500に設けられた開閉弁501を開けて、バラスト原水を膜ユニット集合体が備える膜カートリッジのバラスト原水入口30に供給して、洗浄排液出口32から排出させる。膜カートリッジ内に供給されたバラスト原水は、スパイラル膜面と平行な流れによって、膜表面の付着物質を剥離させる。排出された付着物質を含むバラスト原水(洗浄排液)は、洗浄排液出口32から放流管500を介して例えば海へ放流されてもよいし、あるいはその洗浄排液をバラスト原水側(バラスト原水入口30)に戻して洗浄排液を濃縮液として循環させてもよい。
本発明では、全量ろ過により、膜面に付着物質が付着してフラックスが低下するが、膜面平行流による膜洗浄により、付着物質が膜面から剥離・除去されてフラックスが迅速に回復するため、これらの操作を交互に行うことにより、膜処理水を効率的に得ることが可能となる。そのため、バラストタンクへのバラスト水供給時間を大幅に短縮できる効果を発揮する。また、膜洗浄の際、開閉弁401を閉じて、処理水を得ず、バラスト原水の全量を膜面平行流とすることは、上記効果をより顕著とするため、好ましいことである。
しかし、上記の膜面平行流による膜洗浄のみでは、フラックスの回復力が徐々に低下する場合がある。特に、バラスト水が含有する微生物が膜面に捕捉されて集積した場合は、高い粘性を生じるため、上記の膜洗浄のみでは、付着物質の除去が不十分となることが原因である。
この様に膜表面に付着した微生物等の付着物質に対しては、特許文献3に記載の薬剤に浸漬するだけでは、除去し得ないこと、除去するのに相当に長い時間がかかることを本発明者は見出した。
そこで、本発明は、かかる微生物付着物質を迅速に且つ効果的に除去できる手段を提供する。
図1を参照して、バラスト水処理用膜カートリッジの薬洗方法の一例について詳述する。
図1において、6は薬剤の原液タンクであり、原液タンク6から薬剤ポンプ601によって薬剤供給配管602を介して薬液タンク7に供給される。薬剤供給配管602には開閉弁603が設けられる。
薬剤の希釈水は、格別限定されないが、バラスト原水や、膜処理した処理水を使用できる。700aは希釈水供給管であり、701は開閉弁である。
薬液タンク7に薬剤と希釈水が供給されたら、攪拌機702を回転して攪拌して所定濃度の薬液を作成する。
本発明において、薬剤としては、気体を発生する薬品が用いられ、たとえば過酸化水素などが用いられる。過酸化水素は微生物などと接触すると、気泡状の気体を発生する。
薬液タンク7内の薬液は膜カートリッジ3に供給される。この態様では、薬液ポンプ703が設けられ、薬液循環用配管700b及び700cを介して送られるように構成されている。
薬液を膜カートリッジ3内に充填するには、薬液を膜カートリッジ3と薬液タンク7の間で循環することが好ましい。濃度の高い薬液を膜カートリッジ3内に充填するためである。
膜カートリッジ3内に薬液を供給し充填したら、膜カートリッジ3内を閉鎖系にする。その結果、膜モジュールを薬液に浸漬した状態を形成する。閉鎖系の形成は、例えば開閉弁701及び705を閉じることにより行われる。
薬液内の過酸化水素は、膜カートリッジ3内で微生物と接触し、気泡状の気体を発生する。その気体の発生により、膜カートリッジ3内の圧力を上昇させる。
圧力が上昇すると、膜と微生物付着物質の間の狭い間隙に、過酸化水素が浸透していく。圧力が上昇しない場合には、この浸透現象は極めて制限される。
過酸化水素が上記のようにして狭い間隙に浸透すると、微生物沈着物と膜との間で、殺菌作用を発現し、膜面から微生物沈着物(付着物質)を剥離させる。
この圧力上昇は、上記の気体発生薬剤に依拠する以外に、さらに外部に不図示のコンプレッサーを設けて、コンプレッサーから圧力空気を導入すると、さらに過酸化水素の浸透を助長し好ましい。
上記のようにして、微生物沈着物(付着物質)を膜面から剥離させたら、薬液洗浄の役割は完了したので、薬液を排出する必要がある。薬液タンク7内には、上記の循環操作によって有効な薬液は少なくなっているが、残存する過酸化水素の残留がある場合には、過酸化水素除去塔8を介在させて、過酸化水素を分解することが好ましい。このまま洗浄排液として海に放流することは条約上の要請によって困難だからである。過酸化水素除去塔8には、過酸化水素を水と酸素に分解可能な二酸化マンガンを充填しておくことができる。
本発明では、上記の気体の作用によって付着物質が速やかに膜から剥離される。そのため、単に薬液に浸漬して付着物質を剥離する場合や、単に薬液の流れによって付着物質を剥離する場合に比べて、薬液の量が少なくて済む。従って、薬液を生成するために用いられる薬品の使用量を節約できるため低コストである。
本発明では、上記の気体の作用によって付着物質が膜から剥離されると、除去しやすくなっているので、膜カートリッジ3内を開放系とし、クロスフロー方式により膜表面を洗浄する操作を開始する。その膜洗浄によって剥離した付着物質を除去することができる。
以上の実施形態の説明において、例えば、薬液タンクを静的混合器によって代替することが可能である。
以上の説明は、バラスト水処理用膜カートリッジを用いた例であるが、本発明の思想は、フィルター一般において適用が可能である。すなわち、本発明の好ましい態様としては、液体をろ過するフィルターの洗浄方法において、前記ろ過を停止し、フィルターを洗浄液に浸漬させ、フィルターが備えられる空間の圧力を上昇させることである。この態様によれば、フィルターと付着物質の間の狭い間隙に洗浄液を浸透させることができるので、付着物質をフィルターから剥離することができる。
この発明で、フィルターは、前述のバラスト水処理用膜カートリッジを用いた例における膜カートリッジが相当し、上位概念でもある。また液体は前述の態様では、バラスト水が相当し、上位概念でもある。液体は、海水、淡水などいずれでもよい。
上記のフィルターの洗浄方法において、前記空間の圧力を上昇させるために、気体を発生する薬品を用いることが好ましい。付着物質と接触して、気体を発生することができ、効果的にフィルターから付着物質を剥離することができる。
気体を発生する薬品は、過酸化水素水であることが好ましい。過酸化水素が殺菌作用を発現し、さらに効果的にフィルターから付着物質を剥離することができる。
本発明において、過酸化水素を無害化する無害化処理を施すことも好ましい。過酸化水素水を外部に放流しなくて済む効果があるからである。
フィルター一般において適用する発明についての説明は、前述のバラスト水処理用膜カートリッジを用いた例で記載した内容を思想が逸脱しない範囲で援用できる。

Claims (5)

  1. バラスト水を、スパイラル膜モジュールを備えてなる膜カートリッジに供給してバラスト水をろ過する方法において、
    前記ろ過を停止し、該膜カートリッジ内に、過酸化水素を含む洗浄液を充填して、該膜カートリッジ内を閉鎖系にし、
    該洗浄液に前記膜モジュールを浸漬した状態で、過酸化水素から発生する気体により該膜カートリッジ内の圧力を上昇させて、膜面付着物質と膜面の間に過酸化水素を浸透させて、膜面から付着物質を剥離させることを特徴とするバラスト水処理用膜カートリッジの洗浄方法。
  2. バラスト水を、スパイラル膜モジュールを備えてなる膜カートリッジに供給してデッドエンド方式で全量ろ過し、膜洗浄の際に、クロスフロー方式により膜表面を洗浄し、全量ろ過と膜洗浄を交互に行うバラスト水処理用膜カートリッジを用いたバラスト水の処理方法において、
    前記全量ろ過と膜洗浄を停止し、該膜カートリッジ内に、過酸化水素を含む洗浄液を充填して、該膜カートリッジ内を閉鎖系にし、
    該洗浄液に前記膜モジュールを浸漬した状態で、過酸化水素から発生する気体により該膜カートリッジ内の圧力を上昇させて、膜面付着物質と膜面の間に過酸化水素を浸透させて、膜面から付着物質を剥離させ、
    次いで、前記膜カートリッジ内を開放系とし、クロスフロー方式により膜表面を洗浄する操作を開始して、前記付着物質を除去することを特徴とするバラスト水処理用膜カートリッジの洗浄方法。
  3. クロスフロー方式により膜表面を洗浄する操作を開始した後排出される洗浄排水に、残留する過酸化水素を無害化する無害化処理を施すことを特徴とする請求項記載のバラスト水処理用膜カートリッジの洗浄方法。
  4. 液体をろ過するフィルターの洗浄方法において、前記ろ過を停止し、フィルターを過酸化水素を含む洗浄液に浸漬させ、フィルターが備えられる閉鎖された空間の圧力を、過酸化水素水から発生する気体により上昇させることを特徴とするフィルターの洗浄方法。
  5. 洗浄排水に残留する過酸化水素を無害化する無害化処理を施すことを特徴とする請求項記載のフィルターの洗浄方法。
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