JP2009241040A - バラスト水製造用の膜の再生方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】過酸化水素水の使用量を削減して膜の洗浄効果を向上させるバラスト水製造用の膜の再生方法及び装置を提供すること、また、本発明の他の課題は、過酸化水素水の使用量を削減するのみならず上水等の使用量の削減可能なバラスト水製造用の膜の再生方法及び装置を提供すること。
【解決手段】海水を濾過膜により膜濾過して船舶バラスト水を分離生成する船舶バラスト水の製造方法において、過酸化水素水を含む膜再生液により前記濾過膜を洗浄して膜再生する際に、該膜再生液が海水以外の上水、淡水又は蒸留水を含むことを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、バラスト水製造用の膜の再生方法及び装置に関し、詳しくは、上水等や過酸化水素水の使用量を削減できるバラスト水製造用の膜の再生方法及び装置に関する。
原油等を輸送する貨物用船舶には、航行時の船体の安定性を保つためにバラストタンクが設けられている。通常、原油等が積載されていないときには、バラストタンク内をバラスト水で満たし、原油等を積み込む際にバラスト水を排出することにより、船体の浮力を調整し、船体を安定化させている。このようにバラスト水は、船舶の安全な航行のために必要な水であり、通常、荷役を行う港湾の海水が利用される。その量は、世界的にみると年間100億トンを超えるといわれている。
ところで、バラスト水中には、それを取水した港湾に生息する微生物や小型・大型生物の卵が混入しており、船舶の移動に伴い、これら微生物や小型・大型生物の卵が同時に異国に運ばれることになる。従って、もともとその海域には生息していなかった生物種が、既存生物種に取って代わるといった生態系の破壊が深刻化している。
このような背景の中、国際海事機関(IMO)の外交会議において、バラスト水処理装置等に係る定期的検査の受検義務が採択され、2009年以降の建造船から適用される。
また、船舶のバラスト水及び沈殿物の規制及び管理のための条約(以下、条約という)のD−2規則に規定する排出基準(G8)は、大きさ10〜50μmのプランクトンは10個/ml;大きさ50μm以上のプランクトンは10個/m;大きさ0.5〜3μmの大腸菌は250cfu/100ml;大きさ0.5〜3μmのコレラ菌は1cfu/100ml;大きさ0.5〜3μmの腸球菌は100cfu/100mlとなる。
更に、2005年7月22日に採択された活性物質を利用するバラスト水管理システム承認手順(G9)では、その目的について、船舶の安全、人の健康及び水環境に関して、活性物質及び一つ以上の活性物質を含む製剤の承認可能性及びバラスト水管理システムでの適用を決定するものとしている。そして、このG9では、活性物質とは有害水生生物及び病原体に対し、一般的又は特定の作用をもつウイルス又は菌類を含む物質又は生物をいう、と定義し、検証として毒性試験を義務付けようとしている。
以上のような背景から、G8やG9の要請を満足するには、非常に厳しい殺菌あるいは除菌が必要となっている。
従来、バラスト水の殺菌・除菌技術としては、オゾンを用いた化学的手法として、特許文献1に記載の技術が知られている。
特許文献1は、バラスト水に蒸気の注入と併用してオゾンを注入し、しかもオゾンを微細気泡化しヒドロキシラジカルの生成を促進してオゾンの使用量を削減しつつ殺菌する技術を提案している。
しかし、オゾンの使用量の削減にも限界があり、このため膜処理を採用する研究が急速に進んでいる(特許文献2)。
海水には、生物に由来するゲル状物質が多く存在し、また膜を目詰まりさせやすい物質が存在しているので、膜モジュールを用いてバラスト水を膜処理する場合、長期運転を実現するために膜洗浄が重要となる。
特許文献3には、膜洗浄において酵素を用いる技術が開示され、特許文献4には酵素と酸化剤の併用技術が開示されている。特許文献5には、膜洗浄においてエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム四水和物を用いる技術が開示されている。
特開2004−160437号公報 特開2003−154360号公報 特開2007−160242号公報 特開平3−133947号公報 特開平11−319518号公報
上記G9の要請は非情に厳しく、膜の逆洗を行ってもその排水を海に投棄する場合に、一定の基準を満たさなければならず、そのために殺菌処理が必要になる。
本発明者らは、逆洗することなく、膜処理水により過酸化水素水を希釈して再生液を作成して使用し、膜洗浄することを試みた。
しかし、過酸化水素水を膜処理水である海水で希釈すると、過酸化水素水の濃度が時間と共に減少し、再生液を使用した後、再生液で膜洗浄するまで2日空いた場合には、過酸化水素水の濃度が5070ppmから3390ppmに低下し、4日程度空いた場合には、2560ppmまで低下することがわかった。
このため過酸化水素水による殺菌効果を得るためには、その低下分を補給する必要性から大量に過酸化水素水を供給しなければならなかった。
一方、船舶が航行中は、海水以外の上水、淡水又は蒸留水を取得することは困難である。逆浸透膜設備によって海水を淡水化して利用することも考えられるが設備コストが高い欠点がある。また上水等は船舶の乗組員の飲料や生活水に使用されるので、膜洗浄に使用できる量は極めて制限される。
そこで、本発明は、過酸化水素水の使用量を削減して膜の洗浄効果を向上させるバラスト水製造用の膜の再生方法及び装置を提供することにある。
また、本発明の他の課題は、過酸化水素水の使用量を削減するのみならず上水等の使用量の削減可能なバラスト水製造用の膜の再生方法及び装置を提供することにある。
更に、本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
(請求項1)
海水を濾過膜により膜濾過して船舶バラスト水を分離生成する船舶バラスト水の製造方法において、
過酸化水素水を含む膜再生液により前記濾過膜を洗浄して膜再生する際に、該膜再生液が海水以外の上水、淡水又は蒸留水を含むことを特徴とするバラスト水製造用の膜の再生方法。
(請求項2)
海水を導入する原水室と、膜濾過する濾過膜と、該濾過膜で濾過・分離された船舶バラスト処理水を貯留する処理室とを有する船舶バラスト水の濾過膜装置と;濾過膜再生液製造装置とからなり、
前記濾過膜再生液製造装置は、再生液タンクと、再生液ポンプを備え、再生液タンクには過酸化水素水タンクから過酸化水素水を供給可能であり、且つ海水以外の上水、淡水又は蒸留水を供給可能であり、
前記再生液タンク内の再生液中の過酸化水素水濃度を測定する過酸化水素濃度測定装置の計測値から消費された過酸化水素水の量を求め、
その消費分に相当する過酸化水素水を該再生液タンクに補給することを特徴とするバラスト水製造用の膜の再生装置。
(請求項3)
前記濾過膜装置は、槽内を仕切板により原水室と処理水室とに区画し、該原水室内に、処理室側に開口を有する多孔製の筒状支持体と該支持体の外周を被覆する袋状の膜とからなる多数の濾過筒を設置し、前記原水室に入った海水が該原水室内を上向流しながら、前記膜により濾過され処理水として濾過筒内を上昇して処理水室内に集水される構造を有することを特徴とする請求項2記載のバラスト水製造用の膜の再生装置。
請求項1記載の発明によると、過酸化水素水の使用量を削減して膜の洗浄効果を向上させるバラスト水製造用の膜の再生方法を提供することができる。
また、請求項2記載の発明によると、過酸化水素水の使用量を削減するのみならず上水等の使用量の削減可能なバラスト水製造用の膜の再生装置を提供することができる。
本発明のバラスト水製造用の膜の再生方法は、海水を膜濾過して船舶バラスト水を分離生成する船舶バラスト水の製造方法に適用される。
その再生方法の特徴は、過酸化水素水を含む膜再生液により前記濾過膜を洗浄して膜再生する際に、該膜再生液が海水以外の上水、淡水又は蒸留水を含むことである。
本発明において、バラスト水は、海水を膜処理してバラストタンク内に移送され、船舶の航行上のバランスを確保する役割を果たす。海水を膜濾過すると、海水中の動物性プランクトン、植物性プランクトン、微生物、Si、Al、Feなどの元素又はその酸化物や塩化物などの無機物、その他、懸濁物質(SS)、ゲル状物質などが分離除去される。
本発明において、海水以外の上水、淡水又は蒸留水というのは、海水を含まない上水、淡水又は蒸留水という意味であり、上水は飲料水となり得る清水であり、代表的には水道水や井戸水である。淡水は一般には海水を含まない河川水や湖水であり、凝集処理や殺菌処理によって飲料可能な水が用いられる。蒸留水は、塩類を除去された清水であり、陸上で容易に取得可能な場合に使用できる。中でも入手の容易さから上水が好ましい。これらの上水等は出航時に船舶に積載される。
本発明者らは、過酸化水素水の希釈液として上水等が使用されるが、これの上水等を使用する理由は、希釈水中での過酸化水素水の分解が遅いからである。以下に示す実験例は、過酸化水素水を海水と蒸留水に各々希釈した場合の過酸化水素水の分解を確かめたものである。
〔実験例〕
容器に入れた過酸化水素水を海水、蒸留水、上水(水道水)とで各々希釈し、初期濃度5000ppm(目標)に調整した溶液をそれぞれ500mL用意し、それらの過酸化水素濃度を1日に1回、7日間測定して、過酸化水素濃度の減少を比較した。容器は開放状態とし、常温で室内に放置して実験を行った。蒸発によって液量は減少するが、継ぎ足しは行わなかった。水温(一日の最高水温)は20℃〜21℃の範囲であった。その結果を下記表1及び図1に示す。
Figure 2009241040
上記実験結果より、過酸化水素水の希釈水として海水を使用した場合には、初期濃度5,070mg/Lに対して、7日目には、1,930mg/Lまで低下し、分解が激しいことがわかる。
これに対して、過酸化水素水の希釈水として蒸留水を使用した場合には、初期濃度5,320mg/Lに対して、7日目でも分解していないことがわかる。7日目に、5,830mg/Lという値を示しているのは、水蒸発によって濃度が上昇したものと推定される。
また希釈水として上水を用いた場合にも、蒸留水と同様に過酸化水素が分解していないことがわかった。
従って、過酸化水素水を希釈する場合に、海水では過酸化水素が急激に分解している理由は、定かではないが、以下のように推定できる。
過酸化水素水は、水中では、ヒドロキシラジカル(過酸化水素濃度として測定される成分)を生成し、それが有機物に対して酸化作用を呈する。海水には、塩素イオンや臭素イオンが多く含まれるが、これらの塩素イオンや臭素イオンがヒドロキシラジカルのスカベンジャー(捕捉剤)として機能し、海水中では有機物がなくても過酸化水素が消費されることにより、海水中では過酸化水素が急激に分解するものと推定される。
一方、蒸留水は、ヒドロキシラジカルのスカベンジャーが含まれていないので、分解が進まないものと推定される。
また上水では、水道水の場合残留塩素が1〜2mg/L含まれるが、海水(塩素濃度2%程度)と比べれば1/10000で、微々たるものである。従って、残留塩素の影響はほとんどない。
本発明に使用される過酸化水素水を含む膜再生液中の過酸化水素濃度は、1%以下が好ましく、より好ましくは0.5%以下であり、さらに好ましくは0.3%以下である。下限は洗浄効果を発揮する上で0.2%以上である。
膜再生の際に、過酸化水素水を含む膜再生液により濾過膜を洗浄する手法は特に限定されないが、所定の容器に膜再生液を入れておいて洗浄対象の膜を浸漬させたり、あるいは膜濾過装置に設置されている状態で、再生液を膜濾過装置に供給して洗浄することもできる。その際には、洗浄液は循環使用することが好ましい。洗浄の際に消費された過酸化水素水量分は新たに再生液に添加補充することも好ましい。
洗浄対象となる濾過膜は、精密濾過膜や限外濾過膜などのいずれでも良いが、バラスト水を製造する上では、0.4〜2.5μmの目開きの精密濾過膜が好ましい。
精密濾過膜の場合に、膜の形態はいずれもでよく、スパイラル、平膜、筒状膜などがあるが、中でも後述する筒状膜が好ましい。
次に、図面に基づいてバラスト水製造用の膜の再生装置の一例を説明する。
図2はバラスト水製造用の膜の再生装置の一例を示す概略図である。
本発明のバラスト水製造用の膜の再生装置は、濾過膜装置と濾過膜再生液製造装置とからなり、図2において、1は濾過膜装置であり、2は濾過膜再生液製造装置である。
濾過膜装置1は、濾過槽100を備えており、該濾過槽100は円筒竪型に形成されることが好ましい。
濾過槽100は仕切板101により、海水が導入される原水室102と濾過された後の処理水が集水される処理水室103とに区画されている。
原水室102の側部には供給口104が設けられ、処理水室103の上部には処理水排出口105が設けられている。
供給口104には海水供給管106が接続されている。106Aは海水供給管106に設けられた開閉弁である。
処理水排出口105には処理水排出管107が接続され、該処理水排出管107には開閉弁107Aが設けられている。
また、処理水排出口105には、濾過膜の過酸化水素水洗浄を行うための過酸化水素水供給管108が接続され、該過酸化水素水供給管108には開閉弁108Aが設けられている。
原水室102の底部には洗浄排水排出口109が設けられている。洗浄排水排出口109には洗浄排水排出管110が接続され、該洗浄排水排出管110には開閉弁110Aが設けられている。
111は仕切板101に例えば吊り下げられた濾過筒であり、該濾過筒111は多孔製の円筒形の支持体112と該支持体112の外周に被覆され袋状に形成された濾過膜113によって構成され、濾過筒111の上部は処理水室103に処理水を送液可能なように、該処理水室103側に向けて開口する上部開口114を有している。
支持体112は上部開口114を有する樹脂製円筒形であり、例えばポリエチレン製のものを用いることができる。
支持体112の表面は網目状に形成されてもよいし、あるいは多孔状に形成されてもよい。支持体112表面の開口率は40%〜70%の範囲が好ましく、45%〜65%の範囲がより好ましく、50%〜65%の範囲が更に好ましい。
濾過膜113は、精密濾過膜や限外濾過膜などを用いることができるが、好ましいのは精密濾過膜である。本発明に好ましく用いることができる精密濾過膜は市販品として入手でき、例えば、株式会社ユアサメンブレンシステム製「MF膜」などを使用できる。
本態様では、原水室102内に、複数本の濾過筒111、111、…が吊り下げ状に配設されているが、その本数は必ずしも限定されない。
かかる膜濾過装置において、海水の処理時、海水は、供給管106から供給口104を経由して原水室102に導入され、原水室102内を上向流して、濾過膜113を通過することによって濾過される。濾過膜113によって濾過された処理水は、濾過筒111内を更に上方に向かって進み、処理水室103に集水され、排出口105から排出管107を経由して排出される。
このようにして濾過膜113による原水の処理を継続すると、次第に濾過膜113の目詰まりが生じるので、濾過膜113の過酸化水素水洗浄が必要になる。
膜洗浄用の過酸化水素水は、濾過膜再生液製造装置2で製造された過酸化水素水が使用される。
濾過膜再生液製造装置2は、再生液タンク200を備えており、濾過膜装置1に供給する量(例えば3m)と、再生液を外部に廃棄するために過酸化水素を還元して過酸化水素濃度をゼロにするための還元剤である亜硫酸ソーダの添加量(例えば0.5m)を考量して、例えば3.5mに設計される。
該再生液タンク200の材質は耐食性があれば特に限定されないが、例えばポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹脂及びゴムライニング等が使用される。
該再生液タンク200には攪拌機201が設けられ、また過酸化水素濃度を測定するための過酸化水素濃度測定装置202が設置されている。
過酸化水素濃度測定装置202は、海水中で過酸化水素濃度を測定できる態様が好ましく、例えば北斗電工(株)社製「過酸化水素濃度計」を用いることができる。膜再生液は、過酸化水素水の希釈液として上水等が用いられるが、濾過膜装置1と再生液タンク200の間を循環する間に、濾過膜装置の濾過槽100内の海水がコンタミするので、次第に上水中に海水濃度が上昇してくる。従って、過酸化水素濃度測定装置は海水が存在しても濃度測定できる態様のものが必要になる。
203は上水供給管であり、再生液タンク200に接続されており、過酸化水素水を希釈するために添加され、所定濃度の過酸化水素水を得る構成になっている。
204は過酸化水素水タンク、205は攪拌機であり、206は上水供給管である。過酸化水素水タンク204では上水によって過酸化水素濃度が所定値に調整される。207は過酸化水素水ポンプであり、該ポンプ207により前記再生液タンク200に過酸化水素水が供給される。このときの過酸化水素水の濃度は、0.2〜0.5%の範囲が好ましい。
再生液タンク200において、0.5%の過酸化水素水3mを製造するには、上水2.96mと35%の過酸化水素水0.04mを混合する。
208は亜硫酸ソーダタンク、209は攪拌機、210は亜硫酸ソーダポンプ、211は上水供給管である。この亜硫酸ソーダは再生液を廃棄する際の還元剤である。再生液中に過酸化水素が残留していると、G9の規制に反するので、そのまま廃棄できない。本発明では、亜硫酸ソーダを用いて過酸化水素を還元して過酸化水素濃度がゼロになったことを確認して廃棄するようにしている。還元剤は亜硫酸ソーダに限定されず、触媒分解などでもよい。
上記で製造された0.5%の過酸化水素水は、ポンプ212により圧送され、供給管108を介して濾過槽101の処理水室103に送られる。濾過槽101内に過酸化水素水が満たされ、濾過膜を洗浄する。その洗浄によって濾過膜に付着している有機物は分解除去され、洗浄廃液として配管110を介して再生液タンク200に戻される。配管110にはフィルター213が設置され、洗浄廃液中の夾雑物が取り除かれる。フィルター213は目詰まりした場合には、適宜洗浄あるいは交換される。
本発明では、再生液タンク200内の再生液中の過酸化水素水濃度を測定する過酸化水素濃度測定装置202で計測された値から、消費された過酸化水素水の量を求める。そして、その消費分に相当する過酸化水素水を再生液タンク200に補給するようにし、過酸化水素濃度が所定値を満たすように調整している。
この再生液は、再生液タンク200と濾過槽100との間を循環する過程で、海水がコンタミするが、その量は少ないので、過酸化水素の希釈液への溶解を阻害することは少ない。また上記の循環過程で、消費されるのは過酸化水素であるので、希釈水の補給は極めて少ない。従って、少ない上水等の使用で膜再生液を製造できるし、膜洗浄が可能となる。
次に、濾過膜再生液の製造装置に用いられる過酸化水素濃度測定装置202の好ましい態様を図3に基づいて説明する。
サンプル入口から再生液タンク200内の再生液サンプルがポンプ(P4)により装置202に導入される。通常は、過酸化水素の濃度が所定濃度あることを確認すために、再生液サンプルは高濃度過酸化水素濃度測定槽202Aに送られる。この高濃度過酸化水素濃度測定槽202Aには、ポーラロ式電極が備えられている。高濃度過酸化水素濃度測定槽202Aへの配管の途中には流量計202Bがあり、流量が一定になるようにポンプ(P4)の運転を制御している。測定槽202Aには比較電極と測定電極の二つの電極がセットされている。過酸化水素濃度に比例して二つの電極間に電位差が生じる。
この電位差をトランスミッタ202Cで増幅して、さらにディストリビュータ202Dで電流値に変換して測定値とする。
高濃度過酸化水素濃度測定槽202Aは、膜洗浄の再生液を製造するに使用する。
一方、再生液を廃棄する場合には、低濃度過酸化水素濃度測定槽202Eを用いる。低濃度過酸化水素濃度測定槽202Eで測定して過酸化水素濃度がゼロになったか否か確認する。
一方の測定槽を使用しているとき、もう一方の測定槽は使用しない。
本態様において、再生液サンプルは連続的に分析計に導入されて、濃度測定値が連続的に得られることが好ましい。
測定値はコントローラ202Fに送られ、各種制御信号として利用される。図示の例では、過酸化水素ポンプの制御、亜硫酸ポンプの制御などが行われる。
なお、標準液は校正に使用される。校正液は校正時のみ測定槽に送られる。
過酸化水素水分解試験結果 バラスト水製造用の膜の再生装置の一例を示す概略図 濾過膜再生液の製造装置に用いられる過酸化水素濃度測定装置の好ましい態様を示す図
符号の説明
1:濾過膜装置
100:濾過槽
101:仕切板
102:原水室
103:処理水室
104:供給口
105:処理水排出口
106:海水供給管
106A:開閉弁
107:処理水排出管
107A:開閉弁
108:過酸化水素水供給管
108A:開閉弁
109:洗浄排水排出口
110:洗浄排水排出管
110A:開閉弁
111:濾過筒
112:支持体
113:濾過膜
114:上部開口
2:濾過膜再生液製造装置
200:再生液タンク
201:攪拌機
202:過酸化水素濃度測定装置
202A:高濃度過酸化水素濃度測定槽
202B:流量計
202C:トランスミッタ
202D:ディストリビュータ
202E:低濃度過酸化水素濃度測定槽
202F:コントローラ
203:上水供給管
204:過酸化水素水タンク
205:攪拌機
206:上水供給管
207:過酸化水素水ポンプ
208:亜硫酸ソーダタンク
209:攪拌機
210:亜硫酸ソーダポンプ
211:上水供給管
212:ポンプ
213:フィルター

Claims (3)

  1. 海水を濾過膜により膜濾過して船舶バラスト水を分離生成する船舶バラスト水の製造方法において、
    過酸化水素水を含む膜再生液により前記濾過膜を洗浄して膜再生する際に、該膜再生液が海水以外の上水、淡水又は蒸留水を含むことを特徴とするバラスト水製造用の膜の再生方法。
  2. 海水を導入する原水室と、膜濾過する濾過膜と、該濾過膜で濾過・分離された船舶バラスト処理水を貯留する処理室とを有する船舶バラスト水の濾過膜装置と;濾過膜再生液製造装置とからなり、
    前記濾過膜再生液製造装置は、再生液タンクと、再生液ポンプを備え、再生液タンクには過酸化水素水タンクから過酸化水素水を供給可能であり、且つ海水以外の上水、淡水又は蒸留水を供給可能であり、
    前記再生液タンク内の再生液中の過酸化水素水濃度を測定する過酸化水素濃度測定装置の計測値から消費された過酸化水素水の量を求め、
    その消費分に相当する過酸化水素水を該再生液タンクに補給することを特徴とするバラスト水製造用の膜の再生装置。
  3. 前記濾過膜装置は、槽内を仕切板により原水室と処理水室とに区画し、該原水室内に、処理室側に開口を有する多孔製の筒状支持体と該支持体の外周を被覆する袋状の膜とからなる多数の濾過筒を設置し、前記原水室に入った海水が該原水室内を上向流しながら、前記膜により濾過され処理水として濾過筒内を上昇して処理水室内に集水される構造を有することを特徴とする請求項2記載のバラスト水製造用の膜の再生装置。
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