JPH10151326A - 濾過装置 - Google Patents

濾過装置

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JPH10151326A
JPH10151326A JP33039696A JP33039696A JPH10151326A JP H10151326 A JPH10151326 A JP H10151326A JP 33039696 A JP33039696 A JP 33039696A JP 33039696 A JP33039696 A JP 33039696A JP H10151326 A JPH10151326 A JP H10151326A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 「フラッシング」により中空糸膜モジュール
の洗浄を行う際に、フラッシングによる洗浄作用を中空
糸膜の全領域にわたり効果的に行うことを可能とする。 【解決手段】 中空糸膜モジュール5によりクロスフロ
ー濾過を行う循環経路7に、流体L1(濾過対象流体)
を蓄積・放流するアキュムレータ11を備え、中空糸膜
モジュール5から膜透過流体L2を排出する排出経路8
の遮断弁9(第1のバルブ手段)及び循環経路7の遮断
弁10を閉弁した状態で、アキュムレータ11から中空
糸膜モジュール5に流体L1を流入させ、逆方向のフラ
ッシングを行うことを可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中空糸膜モジュー
ルを利用した濾過装置に関し、詳しくは中空糸膜モジュ
ールに対するフラッシングを両方向から可能とすること
で、中空糸膜に堆積した汚れを効果的に除去する技術に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、洗浄液の再利用や排水処理を
行うために用いられる濾過装置においては、中空糸膜モ
ジュールを利用して濾過対象となる流体を中空糸膜の膜
表面を透過させ、精密濾過や限外濾過を行うものがあ
る。
【0003】図6はクロスフロー濾過方式を採用した濾
過装置101の基本的は構成を示す図である。
【0004】濾過対象となる流体L101は、滞留槽1
02に蓄積されており、供給経路103から循環ポンプ
104及び中空糸膜モジュール105を備えた循環経路
106内に供給される。循環経路106では、流体L1
01は循環ポンプ104により加圧されて矢印A101
に示される方向に循環する。
【0005】そして、流体L101が中空糸膜モジュー
ル105の導入部105aからその内部に導入すると、
中空糸膜105cの内管部を一方向に流れ、膜の内側と
外側の膜間差圧により、流れている流体L101の一部
が中空糸膜105cの膜表面を内側から外側に透過して
濾過が行われる。膜表面を透過しなかった流体L101
は導出部105bより循環経路106に戻される。
【0006】中空糸膜105cの膜表面を透過して濾過
された流体としての処理液L102は中空糸膜105c
の外側の中空糸膜モジュール105のハウジング内部か
ら処理液戻し経路107により滞留槽102へと戻さ
れ、滞留槽102内に蓄積されている濾過対象となる流
体L101が順次濾過されて浄化される。
【0007】一方、膜表面を透過しなかった流体L10
1は循環経路106を再度循環するが、この循環経路1
06内では、時間と共に濾過対象となる流体L101に
含まれる汚れ成分濃度が高まる。
【0008】そして通常は、これを防止するために、循
環経路106に汚れ成分を取り除く回収手段(不図示)
を接続する等の対策を行い、循環経路106内の汚れ成
分濃度を一定の範囲に保ちながら濾過処理が行われてい
る。
【0009】尚、中空糸膜モジュールを利用する濾過方
式としては、クロスフロー濾過方式の他に全量濾過方式
がある。この全量濾過方式とは、中空糸膜の一方の端部
を閉じた状態とし、他方の端部から濾過対象流体を導入
させ、中空糸膜の内管部に導入した流体を全量濾過する
方式である。但しこの全量濾過方式では流体に含まれる
汚れ等が中空糸膜に堆積しやすく、通常の濾過時の流体
の膜透過方向とは逆方向に流体を透過させ、中空糸膜の
膜表面に付着した汚れ等を除去する「逆洗」と呼ばれる
機能回復処理を頻繁に行う必要がある(「逆洗」は、全
量濾過方式に限られず、クロスフロー濾過方式でも一般
的に行われている。)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このク
ロスフロー濾過方式では、濾過対象となる流体L101
が中空糸膜105cの内管部を一方向に流れるので、汚
れ成分の膜表面に対する付着が少なく、連続的な処理を
可能とするものであるので、上記のように一般的に行わ
れている「逆洗」処理の他に、「フラッシング」と呼ば
れる機能回復処理を併用または単独的に行うことも行わ
れている。
【0011】図7は「フラッシング」の原理を模式的に
説明する図である。図7(a)は、図6の中空糸膜モジ
ュール105近傍を拡大した図であり、処理液戻し経路
107にバルブ110を備えている点が構成上の違いで
あり、フラッシングをおこなっている状態の図である。
【0012】図7(b)は、図の左側に図7(a)のD
101部を拡大した中空糸膜105の状態を説明する図
と、図の右側に中空糸膜モジュール105のハウジング
内圧力P101と中空糸膜105の管内圧力P102を
模式的に表わした図が示されている。ハウジング内圧力
P101はほぼ一定であるが、管内を流れる流体L10
1の圧力勾配により管内圧力P102は上流側が高く、
下流側に向かうにつれて低下している。
【0013】図7(a)においてフラッシングを行うに
は、まずバルブ110を閉弁して処理液戻し経路107
からの処理液L102の排出を停止させる。そしてこの
状態で循環ポンプ104を運転して中空糸膜モジュール
105に濾過対象となる流体L101を供給する。
【0014】すると、図7(b)の右側に示されるよう
に、中空糸膜105cに導入した流体L101は、中空
糸膜105cの管内圧力P102が中空糸膜モジュール
105のハウジング内圧力P101よりも圧力の高い領
域R101(中空糸膜105cの下半分の領域)では、
中空糸膜105cの膜表面を内側から外側に透過して濾
過が行われる。
【0015】また、中空糸膜105cの管内圧力P10
2が中空糸膜モジュール105のハウジング内圧力P1
01よりも圧力の低い領域R102(中空糸膜105c
の上半分の領域)では、中空糸膜105cの膜表面を外
側から内側に処理液L102が透過し、その時に中空糸
膜105cの管内の膜表面に付着した異物115を剥離
する。
【0016】剥離した異物105は、流体L101中に
混在する浮遊異物105aとなり、このような原理で中
空糸膜105cの管内の膜表面が洗浄され、機能回復が
行われる。
【0017】しかしながら、図6の濾過装置101の処
理液戻し経路107にバルブ110を備えた構成では、
図7(b)に説明したように中空糸膜105cの領域R
102側では、効果的にフラッシングによる洗浄が行わ
れるが、領域R101側(すなわち中空糸膜105cの
下半分の領域)では、フラッシングによる洗浄効率が低
いという問題があった。
【0018】本発明は上記従来技術の問題を解決するた
めになされたもので、その目的とするところは、「フラ
ッシング」により中空糸膜モジュールの洗浄を行う際
に、フラッシングによる洗浄作用を中空糸膜の全領域に
わたり効果的に行うことを可能とすることにあり、中空
糸膜モジュールの濾過流量の増大や寿命を延ばすことを
可能とする濾過装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明にあっては、ハウジング内に装填された中空
糸膜と、この中空糸膜の内管部に濾過対象流体を導入す
る導入部と、前記中空糸膜の内管部を通過した濾過対象
流体を導出する導出部と、中空糸膜の膜表面を透過する
ことで濾過された膜透過流体を排出する排出部と、を備
えた中空糸膜モジュールと、この中空糸膜モジュールの
導入部及び導出部とを接続し、該中空糸膜モジュールに
濾過対象流体を循環させて供給可能とする循環経路と、
前記中空糸膜モジュールの排出部から膜透過流体を排出
する排出経路と、を備えた濾過装置であって、前記排出
経路に第1のバルブ手段を備え、この第1のバルブ手段
を閉弁した状態で、前記中空糸膜モジュールに、その導
入部から導出部への方向及び導出部から導入部への方向
の両方向に濾過対象流体を流すことを可能とする洗浄手
段を備えたことを特徴とする。
【0020】これによると、第1のバルブ手段を閉弁し
た状態で中空糸膜モジュールに濾過対象流体を順方向に
流すと、一旦中空糸膜モジュールのハウジング内へと透
過した膜透過流体が中空糸膜の外側から内側へと通常の
透過方向とは逆方向に透過することで中空糸膜の内管部
に堆積した汚れや異物が除去されるフラッシングが行わ
れ、中空糸膜の機能回復がなされる。
【0021】このフラッシングは、中空糸膜モジュール
に対して中空糸膜の内部の圧力勾配の関係から、濾過対
象流体の流れ方向の下流側でより効果的に行われるが、
両方向から濾過対象流体が中空糸膜モジュールに流入す
るので、フラッシングの効果的に行われる領域を拡大す
ることができる。
【0022】また、前記洗浄手段は、前記中空糸膜モジ
ュールよりも下流側の循環経路に備えられ濾過対象流体
を蓄積・放流するアキュムレータと、該アキュムレータ
よりも下流側の循環経路に第2のバルブ手段と、を備え
ることも好ましい。
【0023】これによると、通常の濾過時や順方向のフ
ラッシング時にアキュムレータに濾過対象流体を蓄積
し、第2のバルブ手段を閉弁した後にアキュムレータに
蓄積された濾過対象流体を放流することで中空糸膜モジ
ュールに逆方向から濾過対象流体を流入させ、逆方向の
フラッシングを行うことができる。
【0024】また、前記循環経路は、濾過対象流体を循
環させるポンプ手段を備え、前記洗浄手段は、該ポンプ
手段と中空糸膜モジュールの間の循環経路から分岐して
中空糸膜モジュールの下流側の循環経路に接続して中空
糸膜モジュールに逆方向から濾過対象流体を流入可能と
するバイパス経路と、前記ポンプ手段からの濾過対象流
体の流れる経路をバイパス経路または循環経路のいずれ
かに変更する切換手段と、前記バイパス経路の接続部よ
りも下流側の循環経路に第2のバルブ手段と、前記中空
糸膜モジュールの導入部から循環経路に逆方向に導出す
る流体を流出する流出経路と、を備えることも好まし
い。
【0025】これによると、排出経路の第1のバルブ手
段を閉弁し、切換手段により濾過対象流体を循環経路を
流れるようにすると、順方向のフラッシングを行うこと
ができる。また、逆方向のフラッシングは、切換手段に
よりバイパス経路に濾過対象流体を導くと共に循環経路
の第2のバルブ手段を閉弁することで中空糸膜モジュー
ルに逆方向から濾過対象流体を流入させることにより行
われる。この場合に、中空糸膜モジュールの導入部から
逆方向に導出した濾過対象流体は流出経路から循環経路
の外部へ流出される。
【0026】また、前記循環経路は、循環経路の循環方
向を切り換えることの可能なポンプ手段を備え、このポ
ンプ手段を逆転させて循環方向を切り換えた時に、前記
供給経路への逆流を防止する第2のバルブ手段を備える
ことも好ましい。
【0027】これによると、排出経路の第1のバルブ手
段及び供給経路への逆流を防止する第2のバルブ手段を
閉弁し、かつポンプ手段の運転方向を切り換えること
で、順方向のフラッシング時には循環経路を通常の濾過
時と同じ方向に濾過対象流体を流し、逆方向のフラッシ
ング時には循環経路を通常の濾過時と反対方向に濾過対
象流体を流してフラッシングを行うことが可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に本発明を図示の実施の形態
に基づいて説明する。
【0029】(実施の形態1)図1は本発明を適用した
濾過装置の第1の実施の形態である。この濾過装置1
は、濾過対象流体として例えば水(水道水や貯水槽に蓄
えられた水)の中に含まれる汚れ成分としての微細な異
物等を除去する浄水装置や、濾過対象流体としての水を
主成分とする洗浄液中に懸濁した油成分を分離する油水
分離装置等に利用することが可能である。
【0030】ここでは、実施の形態として本発明を上記
のような油水分離装置に適用する上での基本的な構成の
みを備えた濾過装置1を説明する。
【0031】図1(a)において、濾過対象となる流体
L1は、滞留槽2に蓄積されており、供給経路3から循
環ポンプ4及び中空糸膜モジュール5を備えた循環経路
7内に供給される。循環経路7内においては、流体L1
は循環ポンプ4により矢印A1に示される方向に循環す
る。
【0032】この循環経路7は、中空糸膜モジュール5
をクロスフロー濾過方式により利用することを可能とす
るもので、クロスフロー濾過を行っている時には流体L
1が中空糸膜モジュール5のハウジングの一方の端部の
導入部5aからその内部に導入し、中空糸膜5cの内管
部を一方向(図において上向き)に流れ、膜の内側と外
側の膜間差圧により、流れている流体L1の一部がハウ
ジング内部に装填された中空糸膜5cの膜表面を透過し
て濾過が行われる。
【0033】中空糸膜5cの膜表面を透過しなかった流
体L1はハウジングの他方の端部の導出部5bより導出
して循環経路7に戻される。また、中空糸膜5cの膜表
面を透過して濾過された膜透過流体L2は中空糸膜モジ
ュール5のハウジングの側面に接続する排出部5dから
排出経路8により滞留槽2へと戻され、滞留槽2内に蓄
積され濾過対象となる流体L1が順次濾過されることに
なる。
【0034】尚、膜表面を透過しなかった流体L1は開
弁した遮断弁10を経て循環経路7を再度循環するが、
この循環経路7内では、時間と共に濾過対象となる流体
L1に含まれる汚れ成分濃度が高まる。これを防止する
ために、循環経路7に汚れ成分を取り除く回収手段(こ
の第1の実施の形態では不図示であるが、第2の実施の
形態に例示される浮上油回収手段等の構成が適用可能で
ある。)を接続する等の対策を行い、循環経路7内の汚
れ成分濃度を一定の範囲に保ちながら濾過処理を行うこ
とも好適である。
【0035】膜透過流体L2を得るための通常の濾過時
には、排出経路8に備えられた第1のバルブ手段として
の遮断弁9と、循環経路7の中空糸膜モジュール5の下
流側に備えられた第2のバルブ手段としての遮断弁10
は開弁している。
【0036】そして、この濾過装置1では、後述する逆
方向のフラッシングを行うために、循環経路7の中空糸
膜モジュール5と遮断弁10の間に循環経路7を流れる
流体L1を蓄積・放流可能とするアキュムレータ11を
備えている。
【0037】図1(b)は、この濾過装置1の稼働によ
り中空糸膜モジュール5の中空糸膜5cの内管部に汚れ
や異物が付着・堆積した場合に、汚れ等を除去する目的
で、順方向(循環経路7の通常の濾過時の流体L1の流
れと同じA1方向)のフラッシングを行っている状態の
図である(フラッシングに関しては、図7により詳細に
説明したので、ここでの再度の説明は省略する。)。
【0038】遮断弁9を閉弁状態として循環ポンプ4を
運転し、循環経路7を流体L1を矢印A1の順方向に循
環させる。この時、従来技術の項で図7を用いて詳細に
説明された原理により「フラッシング」が行われる。
尚、フラッシングの特性から、流体L1の中空糸膜5c
の下側R2での洗浄効率が低く、上側R1での洗浄効率
は高くなっている。
【0039】また、アキュムレータ11には、通常濾過
時または順方向のフラッシング時において、内部に流体
L1を蓄積しておく。アキュムレータ11の流体蓄積量
は、中空糸膜モジュール5の膜面積1m2 当たり0.5
l程度、また蓄積圧力は0.3MPa程度が望ましい。
【0040】次に図1(c)により、逆方向のフラッシ
ングを行っている状態を説明する。図1(b)で順方向
のフラッシングが終了した後、循環ポンプ4を停止する
と共に、遮断弁10を閉弁する。
【0041】そしてアキュムレータ11内に蓄積されて
いた流体L1は、循環経路7に矢印A2方向に放流さ
れ、中空糸膜モジュール5の導出部5bから逆方向に導
入されて逆方向のフラッシングが行われる。この場合に
は、流体L1の中空糸膜5cの上側R1での洗浄効率が
低く、下側R2での洗浄効率は高くなっている。
【0042】逆方向のフラッシングに利用された流体L
1は、循環ポンプ4が例えば容積式のものであり、アキ
ュムレータ11から放流された流体L1のバッファとす
ることが出来ない場合等には、必要に応じ中空糸膜モジ
ュール5の導入部5aから点線で示された流出経路12
及び開弁状態の遮断弁13により循環経路7の外部(矢
印A3)へと流出される。
【0043】尚、遮断弁13を通過する流量を調整する
ことで、効率の良いフラッシングを行うことも可能であ
る。
【0044】このように、順方向及び逆方向のフラッシ
ングを行うことで、中空糸膜5cの全領域にわたり十分
にフラッシングが行われることになり、中空糸膜モジュ
ールの機能回復が行われて濾過装置1の濾過流量の増大
や、中空糸膜モジュールの寿命の延命化等が得られる。
【0045】(実施の形態2)図2は本発明を適用した
濾過装置の第2の実施の形態である。この濾過装置21
は、第1の濾過装置1の循環経路7に流体L1中の油成
分を除去する浮上油回収手段22を接続している。尚、
第1の実施の形態と同じ構成については、以降の図及び
説明において同一の符号が付されている。
【0046】図2(a)において、循環ポンプ4で加圧
された流体L1は、分岐部7aで中空糸膜モジュール5
と浮上油除去手段22側へと分岐される。中空糸膜モジ
ュール5側へ流れた流体L1は、通常の濾過が行われ
る。
【0047】分岐部7aから経路23により浮上油回収
手段22の内部に流入した流体L1は、コアレッサフィ
ルタ(22a)と呼ばれる繊維状のフィルタを通過する
ことで含有される油成分が浮上し易い大きな粒子とな
り、浮上油回収手段22の本体タンク内の上側に浮上す
る(油成分L1a)。そして、油成分L1aを外部に排
出させ、油成分の濃度が低下した流体L1を経路24に
より循環経路7に再流入させている。25は、経路23
に備えられた遮断弁であり、濾過時には閉弁状態として
いる。
【0048】図2(b)は、順方向のフラッシングを行
っている状態の図であり、分岐部7aから一部分の流体
L1が浮上油回収手段22へと流入することを除けば、
図1(b)におけるものと同様のフラッシングが行われ
る。
【0049】そして、図2(c)に示されるように、循
環ポンプ4を停止すると共に、遮断弁10を閉弁する
と、アキュムレータ11内に蓄積されていた流体L1が
矢印A4,A5に分流して中空糸膜モジュール5及び浮
上油回収手段22へと逆流する。このうち、中空糸膜モ
ジュール5を逆流する場合のフラッシング作用に関して
は第1の実施の形態と同じであり、矢印A6に従って開
弁状態の遮断弁25より外部へと排出される。
【0050】浮上油回収手段22へと逆流した流体L1
は、コアレッサフィルタ22aを逆方向に流れ、繊維状
のフィルタに捕捉されている汚れや異物等を経路23か
ら矢印A7に従い、遮断弁25より外部へと排出され
る。
【0051】従って、浮上油回収手段22を備えた濾過
装置21において、中空糸膜モジュール5のフラッシン
グと共に、浮上油回収手段22の逆洗を行うことが可能
となる。
【0052】(実施の形態3)図3は本発明を適用した
濾過装置の第3の実施の形態である。この濾過装置31
は、第1の濾過装置1の循環経路7の循環ポンプ4と中
空糸膜モジュール5の間から分岐し、中空糸膜モジュー
ル5の下流側の循環経路7に接続することで(接続部7
b)中空糸膜モジュール5に逆方向から流体L1を流入
可能とするバイパス経路32を備えている。
【0053】33は、循環ポンプ4からの流体L1の流
れる経路をバイパス経路32または循環経路7のいずれ
かに変更する切換手段としての切換弁である。
【0054】第2のバルブ手段としての遮断弁10の位
置は、接続部7bよりも下流側の循環経路7に備えられ
ている。
【0055】34は逆方向のフラッシング時の中空糸膜
モジュール5の導入部5aから循環経路7に逆方向に導
出する流体L1を流出する流出経路であり、35は流出
経路34を開閉する遮断弁である。
【0056】図3(a)は、通常の濾過時の状態であ
り、矢印A8方向に流体L1が流れるように切換弁33
を操作し、遮断弁9,10は開弁、遮断弁35を閉弁状
態として濾過装置31を運転する。
【0057】図3(b)は、順方向のフラッシングを行
っている状態であり、図3(a)の状態から遮断弁9の
みを閉弁状態として、循環経路7を順方向に流体L1を
循環させている。
【0058】図3(c)は、逆方向のフラッシングを行
っている状態であり、図3(b)の状態から遮断弁10
を閉弁し、バイパス経路32に流体L1が流れる方向
(矢印A9方向)に切換弁33を切換え、遮断弁35を
開弁する。
【0059】このような状態で、循環ポンプ4を運転す
ると、中空糸膜モジュール5に逆方向から流体L1が導
入されることにより、逆方向のフラッシングが行われ
る。この場合に、中空糸膜モジュール5の導入部5aか
ら逆方向に導出した流体L1は循環経路7から流出経路
34及び開弁状態の遮断弁35を通って排出される。
【0060】(実施の形態4)図4は本発明を適用した
濾過装置の第4の実施の形態である。この濾過装置41
は、循環経路7の循環方向を切り換えることの可能な循
環ポンプ4Aと、供給経路3に第2のバルブ手段として
の遮断弁42を備えている。
【0061】図4(a)の濾過時には、遮断弁9と遮断
弁42を開弁し、循環ポンプ4Aにより矢印A1方向に
流体L1を循環させ、中空糸膜5cを透過した膜透過流
体L2が開弁状態の遮断弁9を介し排出経路8から排出
される。
【0062】図4(b)は順方向のフラッシングを行っ
ている状態であり、遮断弁9のみを閉弁している。ここ
で、供給経路3に中空糸膜モジュール5を通過した流体
L1が流入する場合には、供給経路3での逆流を防止す
る為に遮断弁42を閉弁状態とすれば良い。
【0063】図4(c)は逆方向のフラッシングを行っ
ている状態であり、遮断弁9を閉弁した状態で循環ポン
プ4Aにより矢印A11方向に流体L1を循環させてい
る。この時、供給経路3には循環ポンプ4Aによる加圧
された流体L1が直接流入して供給経路3での逆流が発
生するので、遮断弁42は閉弁状態として供給経路3で
の逆流を防止する。
【0064】(実施の形態5)図5は本発明を適用した
濾過装置の第5の実施の形態である。この濾過装置51
では、濃縮槽52に収容される懸濁液L5から水成分を
分離・排出して懸濁成分の濃度を高めることで懸濁液L
5を濃縮するように機能する。
【0065】この濾過装置51には前記各実施の形態の
循環経路に相当する経路53a,53b,53cからな
る濃縮経路53が備えられている。経路53aには濃縮
槽52から懸濁液L5を中空糸膜モジュール5へと加圧
給送するポンプ56が備えられ、ポンプ56の下流側で
ある経路53bには中空糸膜モジュール5が備えられて
いる。そして中空糸膜モジュール5の導出部5bから経
路53cが濃縮槽52まで配置されている。54,55
は遮断弁である。
【0066】そして、経路53cには逆方向のフラッシ
ングを行うために、経路53cを流れる懸濁液L5を一
時的に蓄積し、そして放流可能とするアキュムレータ1
1が備えられている。
【0067】従って、この実施の形態では、換言すると
図1の第1の実施の形態の循環経路の途中に濃縮槽を備
えた構成と解釈することも可能である。
【0068】図5(a)の濃縮時には、遮断弁9と遮断
弁54を開弁し、ポンプ56により矢印方向に懸濁液L
5を給送し、中空糸膜5cを透過した膜透過流体L2が
開弁状態の遮断弁9を介し排出経路57から排出され
る。尚、遮断弁55は閉弁状態としてある。
【0069】図5(b)は順方向のフラッシングを行っ
ている状態であり、図5(a)の状態から遮断弁9のみ
を閉弁している。ポンプ56により給送された懸濁液L
5は中空糸膜モジュール5を通過しつつフラッシングを
行い、経路53cから濃縮槽52へと戻される。
【0070】図5(c)は逆方向のフラッシングを行っ
ている状態であり、ポンプ4を停止させ、遮断弁56を
閉弁し、遮断弁55を開弁した状態でアキュムレータ1
1により逆方向に懸濁液L5を給送させることにより、
中空糸膜モジュール5を通過しつつ逆方向のフラッシン
グを行っている。この時、アキュムレータ11から放流
された余分な懸濁液L5は開弁状態の遮断弁55から濃
縮経路53の外部へと排出される。
【0071】このように、濃縮を目的とする濾過装置5
1に組み込まれた中空糸膜モジュール5に対しても本発
明を適用することは可能であり、両方向に行われるフラ
ッシングにより中空糸膜モジュール5の効果的な機能回
復が行われ、水成分の分離流量の増大による濃縮性能の
向上を図ることができる。尚、当実施の形態では水成分
を分離していたが、これに限定されるものではなく、中
空糸膜モジュールの中空糸膜の膜表面を透過する油や化
学薬品を分離し、その中に含まれる懸濁成分(中空糸膜
の膜表面を透過しない微小な固形物)を濃縮することも
可能である。
【0072】
【発明の効果】上記の構成および作用を有する濾過装置
によると、中空糸膜モジュールの両方向からフラッシン
グを行うことで、フラッシングによる中空糸膜の洗浄作
用を全領域にわたり効果的に行われ、中空糸膜モジュー
ルの濾過流量の増大や寿命を延ばすことを可能とする濾
過装置が得られる。
【0073】アキュムレータを備え、アキュムレータに
蓄積された濾過対象流体を放流することで中空糸膜モジ
ュールに逆方向から濾過対象流体を流入させ、逆方向の
フラッシングを行うことができる。
【0074】バイパス経路によっても、中空糸膜モジュ
ールに逆方向から濾過対象流体を流入させ、逆方向のフ
ラッシングを行うことができる。
【0075】循環経路の循環方向を切り換えることの可
能なポンプ手段を備えることによっても、中空糸膜モジ
ュールに逆方向から濾過対象流体を流入させ、逆方向の
フラッシングを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1の実施の形態に係る濾過装
置の図。
【図2】図2は本発明の第2の実施の形態に係る濾過装
置の図。
【図3】図3は本発明の第3の実施の形態に係る濾過装
置の図。
【図4】図4は本発明の第4の実施の形態に係る濾過装
置の図。
【図5】図5は本発明の第5の実施の形態に係る濾過装
置の図。
【図6】図6は従来のクロスフロー方式の濾過装置の
図。
【図7】図7はフラッシングの原理を説明する図。
【符号の説明】
1 濾過装置 2 滞留槽 3 供給経路 4 循環ポンプ 5 中空糸膜モジュール 5a 導入部 5b 導出部 5c 中空糸膜 7 循環経路 8 排出経路 L1 流体(濾過対象流体) L2 膜透過流体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内に装填された中空糸膜と、
    この中空糸膜の内管部に濾過対象流体を導入する導入部
    と、前記中空糸膜の内管部を通過した濾過対象流体を導
    出する導出部と、中空糸膜の膜表面を透過することで濾
    過された膜透過流体を排出する排出部と、を備えた中空
    糸膜モジュールと、 この中空糸膜モジュールの導入部及び導出部とを接続
    し、該中空糸膜モジュールに濾過対象流体を循環させて
    供給可能とする循環経路と、 前記中空糸膜モジュールの排出部から膜透過流体を排出
    する排出経路と、を備えた濾過装置であって、 前記排出経路に第1のバルブ手段を備え、 この第1のバルブ手段を閉弁した状態で、前記中空糸膜
    モジュールに、その導入部から導出部への方向及び導出
    部から導入部への方向の両方向に濾過対象流体を流すこ
    とを可能とする洗浄手段を備えたことを特徴とする濾過
    装置。
  2. 【請求項2】 前記洗浄手段は、 前記中空糸膜モジュールよりも下流側の循環経路に備え
    られ濾過対象流体を蓄積・放流するアキュムレータと、 該アキュムレータよりも下流側の循環経路に第2のバル
    ブ手段と、 を備えることを特徴とする請求項1に記載の濾過装置。
  3. 【請求項3】 前記循環経路は、濾過対象流体を循環さ
    せるポンプ手段を備え、 前記洗浄手段は、該ポンプ手段と中空糸膜モジュールの
    間の循環経路から分岐して中空糸膜モジュールの下流側
    の循環経路に接続して中空糸膜モジュールに逆方向から
    濾過対象流体を流入可能とするバイパス経路と、 前記ポンプ手段からの濾過対象流体の流れる経路をバイ
    パス経路または循環経路のいずれかに変更する切換手段
    と、 前記バイパス経路の接続部よりも下流側の循環経路に第
    2のバルブ手段と、 前記中空糸膜モジュールの導入部から循環経路に逆方向
    に導出する流体を流出する流出経路と、 を備えることを特徴とする請求項1に記載の濾過装置。
  4. 【請求項4】 前記循環経路は、循環経路の循環方向を
    切り換えることの可能なポンプ手段を備え、 このポンプ手段を逆転させて循環方向を切り換えた時
    に、前記供給経路への逆流を防止する第2のバルブ手段
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の濾過装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006263716A (ja) * 2005-02-24 2006-10-05 Toray Ind Inc 浸漬型膜分離装置、散気装置の洗浄方法および膜分離方法
JP2012176343A (ja) * 2011-02-25 2012-09-13 Sekisui Chem Co Ltd 膜濾過装置
JP2016172238A (ja) * 2015-03-17 2016-09-29 水ing株式会社 脱塩方法、脱塩装置の洗浄方法及び脱塩装置

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