JP2018158297A - 膜濾過装置の運転方法及び膜濾過装置 - Google Patents
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Abstract
Description
図12はこれら従来の膜濾過装置の運転方法における逆洗工程の一例を説明する図である。従来の膜濾過装置は、膜モジュール10A,10B,10Cを逆洗するための機構として、濾過水を貯蔵する濾過水タンク70、濾過水タンク70と接続した逆洗管71からなる逆洗機構を備えている。逆洗管71には吸引ポンプ72および逆洗水開閉弁73が設けられ、集水管32と逆洗管71の接続位置より下流側の集水管32に、濾過水開閉弁74が設けられている。
このような逆洗機構を備えた従来の膜濾過装置の膜モジュールを逆洗する際には、逆洗水開閉弁73を開き、濾過水開閉弁74を閉じて、洗浄ライン上に設けられた吸引ポンプ72によって濾過水タンクに貯蔵された濾過水を洗浄ライン71から集水管32を経由して膜モジュールに逆流させて逆洗を行う。また図示はしないが、洗浄ライン71上にはさらに薬品タンクが設けられることもあり、逆流させた濾過水に薬品を混ぜることによって化学洗浄を行う方法も開示されている(特許文献1)。
また夾雑物、浮遊菌および析出した金属酸化物等の不純物を含む濾過水を膜モジュールの逆洗に用いると、膜モジュールの膜の二次側にこれらの不純物が付着する。このように付着した不純物は逆洗工程の後に通常行われる濾過工程で、濾過水とともに膜濾過装置から出水されるため、得られる濾過水の水質が低下する。
また従来の膜濾過装置は、上記の逆洗機構として少なくとも濾過水タンクおよび洗浄水ラインを備えていなければならないため、膜濾過装置が大型化し、構造が複雑であった。そのうえ、かかる逆洗機構を具備する分、製造コストも増大し、装置も高価であった。さらに薬品による化学洗浄を行う場合は、薬品タンクをも備えていなければならないため、装置が大型化・複雑化し、膜濾過装置の維持費も増大していた。
すなわち、本発明は以下に関する。
[1] 原水を濾過する複数の膜モジュールと、各膜モジュールから濾過水を取水する導出管と、各導出管と接続した集水管とを備えた膜濾過装置の運転方法であって、
いずれかの膜モジュールで濾過した濾過水を、外気にさらすことなく、他のいずれかの膜モジュールと接続した導出管に、その集水管との接続位置から逆流させて前記他のいずれかの膜モジュールを逆洗する工程を有する膜濾過装置の運転方法。
[2] 濾過に際しては原水を加圧して膜モジュールに供給する[1]に記載の膜濾過装置の運転方法。
[3] 濾過水の一部を膜濾過装置から出水しつつ、濾過水の残部を逆洗する膜モジュールに向けて逆流させる[1]または[2]に記載の膜濾過装置の運転方法。
[4] 原水が井戸水である[1]〜[3]のいずれか1項に記載の膜濾過装置の運転方法。
[5] 原水を濾過する複数の膜モジュールと、各膜モジュールに原水を供給する原水供給機構と、各膜モジュールから濾過水を集水して出水する濾過水流通機構と、各膜モジュールを逆洗した洗浄水を排水する逆洗水排水機構とを備え、前記原水供給機構は各膜モジュールへの供給を制御し、前記濾過水流通機構は、各膜モジュールから濾過水を取水する導出管と、各導出管と接続した集水管とを備え、前記濾過水流通機構は、いずれかの膜モジュールからの濾過水を、外気にさらすことなく、他のいずれかの膜モジュールと接続した導出管に、その集水管との接続位置から逆流させて前記他のいずれかの膜モジュールに逆洗用として送給し得るようにされている膜濾過装置。
[6] 前記原水供給機構は膜モジュールに原水を加圧して供給する加圧手段を有する[5]に記載の膜濾過装置。
[7] 前記濾過水流通機構は、濾過水を膜濾過装置からの出水用と膜モジュールの逆洗用とに振分ける流量調節装置を有する[5]または[6]に記載の膜濾過装置。
さらに大気中の浮遊菌が濾過水に混入するおそれが小さいため、従来よりも薬品を用いた化学洗浄を行う頻度が低減され、薬品の使用量を削減することができ、膜濾過装置の濾過性能を適正に保つための維持費も削減できる。
以下、図面を用いて本発明の膜濾過装置を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。
本発明の第1実施形態について説明する。第1実施形態に係る膜濾過装置は、原水を濾過する複数の膜モジュールと、各膜モジュールに原水を供給する原水供給機構と、各膜モジュールから濾過水を集水して出水する濾過水流通機構と、各膜モジュールを逆洗した洗浄水を排水する逆洗水排水機構とを備え、前記原水供給機構は各膜モジュールへの供給を制御し、前記濾過水流通機構は、各膜モジュールから濾過水を取水する導出管と、各導出管と接続した集水管とを備え、前記濾過水流通機構は、いずれかの膜モジュールからの濾過水を、外気にさらすことなく、他のいずれかの膜モジュールと接続した導出管に、その集水管との接続位置から逆流させて前記他のいずれかの膜モジュールに逆洗用として送給し得るようにされている。
濾過膜11A,11B,11Cとしては、精密濾過膜、限外濾過膜、ナノ濾過膜、逆浸透膜等膜濾過装置で使用される公知の濾過膜を使用できる。これらのなかでも精密濾過膜、限外濾過膜が逆洗における洗浄性が良好である点で好ましい。
図1に示すように、原水供給機構20は原水供給管21と、原水導入管22A,22B,22Cと、原水開閉弁23A,23B,23Cを備えている。原水供給管21は分岐点24A,24B,24Cで、原水導入管22A,22B,22Cに分岐する。各原水導入管は、各膜モジュールの原水導入口12A,12B,12Cに接続され、原水開閉弁23A,23B,23Cを備えている。
かかる原水供給機構20は、各膜モジュールに原水を原水供給管21から原水導入管22A,22B,22Cを経由して供給し、各原水開閉弁の開閉を切り替えることによって、各膜モジュールへの原水の供給の開始および停止を制御する。
また、第二の原水導入管22Bが接続する膜モジュールとその原水導入口をそれぞれ第二の膜モジュール10Bとその原水導入口12Bとする。さらに原水供給管21が第二の原水導入管22Bに分岐する分岐点を第二の分岐点24Bとし、第二の原水導入管22Bが備える原水開閉弁を第二の原水開閉弁23Bとする。
さらに、第三の原水導入管22Cが接続する膜モジュールとその原水導入口をそれぞれ第三の膜モジュール10Cとその原水導入口12Cとする。さらに原水供給管21が第三の原水導入管22Cに分岐する分岐点を第三の分岐点24Cとし、第三の原水導入管22Cが備える原水開閉弁を第三の原水開閉弁23Cとする。
前記水圧調節手段25として加圧ポンプ等の加圧手段、圧力調節弁、圧力調節タンク等が挙げられるがこれらに限定されない。
図1に示すように濾過水流通機構30は、各膜モジュールから濾過水を取水する導出管31A,31B,31Cと、各導出管と接続した集水管32と、濾過水開閉弁33とを備えている。導出管31A,31B,31Cは、各膜モジュールと、その導出口13A,13B,13Cでそれぞれ接続される。集水管32は、各導出管と接続位置34A,34B,34Cでそれぞれ接続される。かかる濾過水流通機構30は、各膜モジュールで濾過された濾過水を取水し、各膜モジュールから各導出管を経由して集水管32に、濾過水を集水して膜濾過装置1から出水する。
また、第二の膜モジュール10Bの導出口に接続される導出管と、その導出口を、それぞれ第二の導出管31Bと、導出口13Bとする。さらに集水管32と第二の導出管31Bとが接続する接続位置を第二の接続位置34Bとする。
さらに第三の膜モジュール10Cの導出口に接続される導出管と、その導出口を、それぞれ第三の導出管31Cと、導出口13Cとする。さらに集水管32と第三の導出管31Cとが接続する接続位置を第三の接続位置34Cとする。
図1に示すように、逆洗水排水機構40は、逆洗水排水管41と逆洗水導出管42A,42B,42C、開閉弁43A,43B,43Cを備えている。逆洗水排水管41は、第一の逆洗水導出管42Aと第二の逆洗水導出管42Bと第三の逆洗水導出管42Cとに、それぞれ接続位置44A,44B,44Cで接続している。そして、第一の逆洗水導出管42Aと第二の逆洗水導出管42Bと第三の逆洗水導出管42Cは、第一の膜モジュール10Aと第二の膜モジュール10Bと第三の膜モジュール10Cの逆洗水導出口14A,14B,14Cにそれぞれ接続し、開閉弁43A,43B,43Cをそれぞれ備えている。前記逆洗水導出口14A,14B,14Cは、原水導入口12A,12B,12Cの近傍に設けられている。
しかし、第1実施形態に係る膜濾過装置1では、各逆洗水導出管が、各原水導入管と共有する部分を有していない。そのため、逆洗水導出管に不純物等が残留したとしても、逆洗後の膜モジュールに原水を供給しても、当該原水とともに不純物等が膜モジュールに再度供給されることがなく、逆洗水中の不純物等が、膜モジュールの濾過膜の表面に再度付着することが防止される。
図1に示すように、原水排水機構50は、原水排水管51と原水導出管52A,52B,52C、開閉弁53A,53B,53Cを備えている。原水排水管51は、第一の原水導出管52Aと第二の原水導出管52Bと第三の原水導出管52Cとに、それぞれ分岐点54A,54B,54Cで接続している。そして、第一の原水導出管52Aと第二の原水導出管52Bと第三の原水導出管52Cは、第一の膜モジュール10Aと第二の膜モジュール10Bと第三の膜モジュール10Cの原水排出口15A,15B,15Cにそれぞれ接続され、開閉弁53A,53B,53Cをそれぞれ備えている。
なお、図1に図示はしないが、原水排水機構50は、減圧ポンプ等の減圧手段を備えてもよい。この場合、減圧ポンプ等の減圧手段は図1中、原水排水管51と第一の原水導出管52Aの接続位置54Aより下流側の原水排水管51に設けることが好ましい。
また図1に図示はしないが、原水排水管51は、原水を貯蔵するタンクに接続されてもよい。さらにこの場合、原水を貯蔵するタンクは、排水された原水を原水供給管21に送給し得るように、原水供給管21に接続されてもよい。
第1実施形態に係る膜濾過装置1の濾過水流通機構30には、濾過水開閉弁33が、集水管32と導出管31A,31B,31Cの各接続位置34A,34B,34Cのうち、もっとも下流側にある接続位置34Cより下流側の集水管32に設けられている。かかる位置に設けられた濾過水開閉弁33の開閉を切り替えることによって、いずれかの膜モジュールからの濾過水を、外気にさらすことなく、他のいずれかの膜モジュールと接続した導出管に、その集水管との接続位置から逆流させて前記他のいずれかの膜モジュールに逆洗用として送給することを制御できる。
濾過水開閉弁33としては、濾過水の流通および停止を制御できるものであれば特に限定されず、膜濾過装置で使用される公知の開閉弁を使用できる。
このようにして濾過水流通機構30は、膜濾過装置が備える複数の膜モジュール10A,10B,10Cのうち、いずれかの膜モジュールからの濾過水を、外気にさらすことなく、他のいずれかの膜モジュールと接続した導出管に、その集水管との接続位置から逆流させて前記他のいずれかの膜モジュールに逆洗用として送給し得るようにされている。
なお、図1に図示はしないが、導出管31A,31B,31Cの少なくとも1つに吸引ポンプ等の減圧手段が設けられていてもよい。
第1実施形態に係る膜濾過装置1の使用方法は、クロスフロー方式による運転方法に限定されず、各膜モジュールに供給された原水の全量を濾過水流通機構30により濾過する、いわゆるデッドエンド濾過方式による運転方法であっても適用可能である。デッドエンド方式によって、第一の膜モジュール10Aおよび第二の膜モジュール10Bからの濾過水を、外気にさらすことなく第三の膜モジュール10Cに逆洗用として送給するには、第一の原水開閉弁23A、第二の原水開閉弁23B、および開閉弁43Cを開いた状態とし、第三の原水開閉弁23C、濾過水開閉弁33、開閉弁43A,43Bおよび開閉弁53A,53B,53Cを閉じた状態とすればよい。このとき、第一の膜モジュール10Aおよび第二の膜モジュール10Bに供給された原水は、その全量が濾過水流通機構30によって濾過され、外気にさらすことなく第三の膜モジュール10Cに逆洗用として送給される。
以上説明したように、第1実施形態に係る膜濾過装置によれば、膜濾過装置が備える複数の膜モジュールのうち、いずれかの膜モジュールからの濾過水を、外気にさらすことなく、他のいずれかの膜モジュールと接続した導出管に、その集水管との接続位置から逆流させて前記他のいずれかの膜モジュールに逆洗用として送給し得るようにされているので、大気中の夾雑物、浮遊菌が濾過水に混入することや金属酸化物が濾過水に析出することがなく、濾過水を用いた逆洗を行っても膜モジュールの膜の二次側に上記の不純物が付着することがない。また、第1実施形態に係る膜濾過装置によれば、膜モジュールの逆洗用のための濾過水タンクや洗浄水ラインを設ける必要がないので、装置の構造が単純であり、装置が小型化され、装置の製造コストが削減される。さらに大気中の浮遊菌が濾過水に混入するおそれがないため、従来よりも薬品を用いた化学洗浄を行う頻度が低減され、薬品の使用量を削減することができ、膜濾過装置の濾過性能を適正に保つための維持費も削減できる。
また、第1実施形態に係る膜濾過装置によれば、原水開閉弁23A,23B,23Cと、濾過水開閉弁33と、開閉弁43A,43B,43Cと、開閉弁53A,53B,53Cの4種類の弁の開閉によって濾過から逆洗への切り替えが可能であり、操作が簡便である。
本発明の第2実施形態について説明する。図4に第2実施形態に係る膜濾過装置の概略を示す。第2実施形態に係る膜濾過装置1は3つの膜モジュール10A,10B,10Cと、原水供給機構20と、濾過水流通機構30と、逆洗水排水機構40と、原水排水機構50とを備えている。ここで3つの膜モジュール10A,10B,10C、原水供給機構20、逆洗水排水機構40および原水排水機構50の構成および機能の詳細ならびに好ましい態様は、第1実施形態と同様である。
第2実施形態に係る膜濾過装置の濾過水流通機構30は接続位置34Cの位置に、流量調節装置35を有している。流量調節装置35は、濾過水を膜濾過装置からの出水用と膜モジュールの逆洗用とに振分ける。流量調節装置35としては、三方弁等が挙げられるが、濾過水を膜濾過装置1からの出水用と膜モジュールの逆洗用とに振分けることができればよく、特に限定されない。
具体的にはたとえば、第2実施形態に係る膜濾過装置1にて、第一の原水開閉弁23A、第二の原水開閉弁23B、開閉弁43Cおよび開閉弁53A,53Bを開いた状態とし、第三の原水開閉弁23C、開閉弁43A,43Bおよび開閉弁53Cを閉じた状態とする。さらに流量調節装置35が、第一の膜モジュール10Aおよび第二の膜モジュール10Bからの濾過水を、膜濾過装置1からの出水用と、第三の膜モジュール10Cの逆洗用とに、振分けるようにしておく。このとき、原水は原水供給管21から第一の膜モジュール10Aおよび第二の膜モジュール10Bに供給されて各膜モジュールによって濾過され、濾過水として導出口13Aおよび導出口13Bから取水される。第一の膜モジュール10Aおよび第二の膜モジュール10Bからの濾過水は、各導出管を経由して集水管32に集水される。ここで、接続位置34Cに到達した第一の膜モジュール10Aおよび第二の膜モジュール10Bからの濾過水は、流量調節装置35によって、膜濾過装置1からの出水用と、第三の膜モジュール10Cの逆洗用とに、任意の配分で振分けられる。
流量調節装置35によって、膜濾過装置からの出水用に振分けられた濾過水は集水管32によって膜濾過装置1から出水される。一方、流量調節装置35によって、第三の膜モジュール10Cの逆洗用に振分けられた濾過水は、外気にさらされることなく、第三の導出管31Cに接続位置34Cから逆流させられて、第三の膜モジュール10Cを逆洗する洗浄水(逆洗水)として第三の膜モジュール10Cに送給される。
このようにして濾過水流通機構30は、膜濾過装置1が備える複数の膜モジュールのうち、いずれかの膜モジュールからの濾過水の一部を膜濾過装置から出水しつつ、濾過水の残部を外気にさらすことなく他のいずれかの膜モジュールに逆洗用として送給し得るようにされている。
なお、図4に図示はしないが、第三の導出管31Cに吸引ポンプ等の減圧手段が設けられていてもよい。
以上説明したように、第2実施形態に係る膜濾過装置によれば、膜濾過装置が備える複数の膜モジュールのうち、いずれかの膜モジュールからの濾過水の一部を膜濾過装置から出水しつつ、濾過水の残部を外気にさらすことなく他のいずれかの膜モジュールに逆洗用として送給し得るようにされている。よって、前記他のいずれかの膜モジュールを逆洗している最中であっても、前記いずれかの膜モジュールから濾過水を得ることができる。
本発明の第3実施形態について説明する。図7に第3実施形態に係る膜濾過装置の概略を示す。第3実施形態に係る膜濾過装置1は3つの膜モジュール10A,10B,10Cと、原水供給機構20と、濾過水流通機構30と、逆洗水排水機構40と、原水排水機構50とを備えている。ここで3つの膜モジュール10A,10B,10C、原水供給機構20、逆洗水排水機構40および原水排水機構50の構成および機能の詳細ならびに好ましい態様は、第1実施形態および第2実施形態と同様である。
第3実施形態に係る膜濾過装置の濾過水流通機構30は接続位置34Bの位置に、流量調節装置35を有している。流量調節装置35は、濾過水を膜濾過装置からの出水用と膜モジュールの逆洗用とに振分ける。流量調節装置35としては、三方弁等が挙げられるが、濾過水を膜濾過装置1からの出水用と膜モジュールの逆洗用とに振分けることができればよく、特に限定されない。
第3実施形態に係る膜濾過装置の濾過水流通機構30は接続位置34Cより下流側の集水管32に、ニードル弁36を有している。ニードル弁36は膜濾過装置1から出水される濾過水の流量を調節する。ニードル弁36としては、公知のものを用いることができ、特に限定されない。
具体的にはたとえば、図7に示す膜濾過装置1にて、第一の原水開閉弁23A、第三の原水開閉弁23C、開閉弁43Bおよび開閉弁53A,53Cを開いた状態とし、第二の原水開閉弁23B、開閉弁43A,43Cおよび開閉弁53Bを閉じた状態とする。また流量調節装置35について、第一の膜モジュール10Aおよび第三の膜モジュール10Cからの濾過水を、膜濾過装置1からの出水用と、第二の膜モジュール10Bの逆洗用に、振分けるようにしておく。このとき、原水は原水供給管21から第一の膜モジュール10Aおよび第三の膜モジュール10Cに供給されて各膜モジュールによって濾過され、濾過水として導出口13Aおよび導出口13Cから出水される。
第一の膜モジュール10Aからの濾過水は第一の導出管31Aを通り、接続位置34Aで集水管32に集水され、接続位置34Aから接続位置34Bに向かう方向に集水管32内を流れる。接続位置34Bに到達した第一の膜モジュール10Aからの濾過水は、流量調節装置35によって、第二の膜モジュール10Bの逆洗用に、振分けられる。一方、第三の膜モジュール10Cからの濾過水は第三の導出管31Cを通り、接続位置34Cに向かう。接続位置34Cに到達した第三の膜モジュール10Cからの濾過水は、接続位置34Cで、膜濾過装置1からの出水用と、第二の膜モジュール10Bの逆洗用とに分岐する。ここでニードル弁36によって膜濾過装置1からの出水用の濾過水の流量は調節されているので、第三の膜モジュール10Cからの濾過水の一部が膜濾過装置1から出水され、その残部が接続位置34Cから接続位置34Bに向かう方向に集水管32内を流れる。残部の濾過水は、第二の膜モジュール10Bと接続した第二の導出管31Bに、接続位置34Bから逆流させられて、第二の膜モジュール10Bに逆洗用として送給される。
このようにして濾過水流通機構30は、膜濾過装置1が備える複数の膜モジュールのうち、いずれかの膜モジュールからの濾過水の一部を膜濾過装置から出水しつつ、濾過水の残部を外気にさらすことなく他のいずれかの膜モジュールに逆洗用として送給し得るようにされている。
なお、図7に図示はしないが、導出管31A,31B,31Cの少なくとも1つに吸引ポンプ等の減圧手段が設けられていてもよい。
以上説明したように、第3実施形態に係る膜濾過装置によれば、膜濾過装置が備える複数の膜モジュールのうち、いずれかの膜モジュールからの濾過水の一部を膜濾過装置から出水しつつ、濾過水の残部を外気にさらすことなく他のいずれかの膜モジュールに逆洗用として送給し得るようにされている。よって、前記他のいずれかの膜モジュールを逆洗している最中であっても、前記いずれかの膜モジュールから濾過水を得ることができる。
<第4実施形態>
第4実施形態に係る膜濾過装置の濾過水流通機構30は接続位置34Cより下流側の集水管32に、ニードル弁36を有し、導出管31A,31B,31Cにニードル弁37A,37B,37Cを有している。この場合、各導出管内を流通する濾過水の流量がニードル弁37A,37B,37Cによって調節され、膜濾過装置1から出水用の濾過水の流量がニードル弁36によって調節される。
たとえば、第一の原水開閉弁23A、第二の原水開閉弁23B、開閉弁43Cおよび開閉弁53A,53Bを開いた状態とし、第三の原水開閉弁23C、開閉弁43A,43Bおよび開閉弁53Cを閉じた状態とする。このとき、ニードル弁36によって、膜濾過装置1から出水される濾過水の流量が調節されるので、第一の膜モジュール10Aおよび第二の膜モジュール10Bからの濾過水の一部が膜濾過装置から出水し、濾過水の残部は外気にさらされることなく、第三の膜モジュール10Cと接続した第三の導出管31Cに、接続位置34Cから逆流させられて、第三の膜モジュール10Cに逆洗用として送給される。このようにして濾過水は膜濾過装置からの出水用と膜モジュールの逆洗用とに振分けられる。
なお、図10に図示はしないが、導出管31A,31B,31Cの少なくともの1つに吸引ポンプ等の減圧手段が設けられていてもよい。
以上説明したように、第4実施形態に係る膜濾過装置によれば、膜濾過装置が備える複数の膜モジュールのうち、いずれかの膜モジュールからの濾過水の一部を膜濾過装置から出水しつつ、濾過水の残部を外気にさらすことなく他のいずれかの膜モジュールに逆洗用として送給し得るようにされている。よって、前記他のいずれかの膜モジュールを逆洗している最中であっても、前記いずれかの膜モジュールから濾過水を得ることができる。
<第5実施形態>
濾過膜11としては、精密濾過膜、限外濾過膜、ナノ濾過膜、逆浸透膜等膜濾過装置で使用される公知の濾過膜を使用できる。これらのなかでも精密濾過膜、限外濾過膜が逆洗における洗浄性が良好である点で好ましい。
また第5実施形態に係る膜濾過装置1の濾過水流通機構30は、第1実施形態に係る膜濾過装置1の濾過水流通機構30と同様に、膜濾過装置1が備える複数の膜モジュールのうち、いずれかの膜モジュールからの濾過水を、外気にさらすことなく、他のいずれかの膜モジュールと接続した導出管に、その集水管との接続位置から逆流させて前記他のいずれかの膜モジュールに逆洗用として送給し得るようにされている。
たとえば、第一の原水開閉弁23A、第二の原水開閉弁23B、開閉弁43Cおよび開閉弁53A,53Bを開いた状態とし、第三の原水開閉弁23C、濾過水開閉弁33、開閉弁43A,43Bおよび開閉弁53Cを閉じた状態とする。このとき、原水は原水供給管21から第一の膜モジュール10Aおよび第二の膜モジュール10Bに供給されて各膜モジュールによって濾過され、濾過水として導出口13Aおよび導出口13Bから取水される。ここで、濾過水開閉弁33は閉じているので、集水管32に集水された第一の膜モジュール10Aおよび第二の膜モジュール10Bからの濾過水は、外気にさらされることなく、第三の膜モジュール10Cと接続した第三の導出管31Cに、接続位置34Cから逆流させられて、第三の膜モジュール10Cに逆洗用として送給される。
また各ニードル弁によって、各導出管内を流れる濾過水の流量が各々調節されるので、第三の膜モジュール10Cに過剰量の濾過水が逆洗用として送給されて、第三の膜モジュール10Cが破損・破裂することが防止される。
このように濾過水流通機構30は、膜濾過装置が備える複数の膜モジュール10A,10B,10Cのうち、いずれかの膜モジュールからの濾過水を外気にさらすことなく他のいずれかの膜モジュールと接続した導出管に、その集水管との接続位置から逆流させて前記他のいずれかの膜モジュールに逆洗用として送給し得るようにされている。
なお、図11に図示はしないが、導出管31A,31B,31Cの少なくともの1つに吸引ポンプ等の減圧手段が設けられていてもよい。
以上説明したように、第5実施形態に係る膜濾過装置によれば、膜濾過装置が備える複数の膜モジュールのうち、いずれかの膜モジュールからの濾過水を、外気にさらすことなく、他のいずれかの膜モジュールと接続した導出管に、その集水管との接続位置から逆流させて前記他のいずれかの膜モジュールに逆洗用として送給し得るようにされているので、「第1実施形態の作用効果」の項で述べた作用効果と同様の作用効果を有する。さらに、ニードル弁36,36,36によって、各導出管内を流通する濾過水の流量を調節することができるので、逆洗を行う膜モジュールに過剰量の濾過水が逆洗用として送給されて、膜モジュール10Cが破損・破裂することを防止できる。
また本発明の膜濾過装置においては、上述した第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、第4実施形態および第5実施形態のように、膜モジュールの数は3に限定されない。膜モジュールの数は2〜10が好ましく、装置が複雑にならない点で2〜5がより好ましい。
以下、本発明の膜濾過装置の運転方法について説明する。
本発明の第1実施形態に係る膜濾過装置の運転方法について図1を用いて説明する。第1実施形態に係る膜濾過装置の運転方法は、原水を濾過する複数の膜モジュールと、各膜モジュールから濾過水を取水する導出管と、各導出管と接続した集水管とを備えた膜濾過装置の運転方法であって、いずれかの膜モジュールで濾過した濾過水を、外気にさらすことなく、他のいずれかの膜モジュールと接続した導出管に、その集水管との接続位置から逆流させて前記他のいずれかの膜モジュールを逆洗する工程を有する。かかる洗浄工程は、特定の期間の濾過工程を行った後、または特定の量の原水を濾過した後に実施される。
濾過工程は、原水供給管21から第一の原水導入管22A、第二の原水導入管22Bおよび第三の原水導入管22Cをそれぞれ経由して、第一の膜モジュール10A、第二の膜モジュール10B、第三の膜モジュール10Cに原水を供給し、各膜モジュールにて原水を濾過する。
膜濾過装置から出水された濾過水は、飲用として利用されたり、トイレの洗浄用水として用いられたり、あるいは工業用水として用いられたり等、種々の用途に用いられる。
また、図1に図示はしないが、原水排水管51に集められた汚濁物質を含む原水をタンクに貯蔵してもよい。さらにこの場合、タンクに貯蔵した原水をふたたび、原水供給管21から膜濾過装置1に供給して、原水の濾過と排水を繰り返してもよい。
ここで、逆洗時の原水および濾過水の流れを矢印で図中に示す。
具体的にはたとえば、第一の膜モジュール10Aおよび第二の膜モジュール10Bで濾過した濾過水を、外気にさらすことなく、第三の膜モジュール10Cと接続した第三の導出管31Cに、その集水管32との接続位置34Cから逆流させて第三の膜モジュール10Cを逆洗する工程がある(図1)。該工程では、第一の原水開閉弁23A、第二の原水開閉弁23B、開閉弁43Cおよび開閉弁53A,53Bを開いた状態とし、第三の原水開閉弁23C、濾過水開閉弁33、開閉弁43A,43Bおよび開閉弁53Cを閉じた状態とすればよい。この状態で原水供給管21から、第一の原水導入管22Aおよび第二の原水導入管22Bをそれぞれ経由して、第一の膜モジュール10Aおよび第二の膜モジュール10Bにそれぞれ原水を供給する。
原水は第一の膜モジュール10Aの原水導入口12Aおよび第二の膜モジュール10Bの原水導入口12Bからそれぞれ流入し、第一の膜モジュール10Aの濾過膜11Aおよび第二の膜モジュール10Bの濾過膜11Bによってそれぞれ濾過され、濾過水となって導出口13Aおよび導出口13Bからそれぞれ取水される。
ここで、濾過水開閉弁33は閉じているので、集水管32に集水された第一の膜モジュール10Aおよび第二の膜モジュール10Bからの濾過水は、集水管32によって膜濾過装置1から出水されない。また第三の原水開閉弁23Cは閉じているので、第三の膜モジュール10Cには原水が供給されておらず、第三の導出管31C内には第三の膜モジュール10Cで濾過した濾過水は流通していない。そのため、該濾過水は、外気にさらされることなく、第三の導出管31Cに、接続位置34Cから逆流させられる。すると、該濾過水は、第三の導出管31C内を逆流し、第三の膜モジュール10Cを逆洗する洗浄水(逆洗水)として第三の膜モジュール10Cに送給される。
このようにして第一の膜モジュール10Aおよび第二の膜モジュール10Bで濾過した濾過水を、外気にさらすことなく、第三の膜モジュール10Cと接続した第三の導出管31Cに、その集水管32との接続位置34Cから逆流させて第三の膜モジュール10Cを逆洗する。
汚れを含んだ濾過水は、逆洗水となって逆洗水導出口14Cから排出される。逆洗水は逆洗水導出管42Cを通り、逆洗水排水管41から系外に排出される。
図1に示すように、原水を加圧して膜モジュールに供給するには、接続位置24Aの上流側の原水供給管21に加圧ポンプ25を設ける等すればよい。加圧ポンプ25の他にも、圧力調節弁、圧力調節タンク等を用いることができるが、特に限定されない。
このとき、原水供給管21内の原水の水圧は0.5〜1.5MPa程度であることが好ましい。
原水は各膜モジュール10B,10Cの各原水導入口12B,12Cからそれぞれ流入し、各膜モジュールの濾過膜11B,11Cによってそれぞれ濾過され、濾過水となって導出口13B,13Cからそれぞれ取水される。第二の膜モジュール10Bで濾過した濾過水は第二の導出管31Bを通り、接続位置34Bで集水管32に集水される。また第三の膜モジュール10Cで濾過した濾過水は第三の導出管31Cを通り、接続位置34Cで集水管32に集水される。
ここで、濾過水開閉弁33は閉じているので、集水管32に集水された各膜モジュール10B、10Cで濾過した濾過水は、膜濾過装置1から出水されない。また第一の原水開閉弁23Aは閉じており、第一の膜モジュール10Aには原水が供給されておらず、第一の導出管31A内には第一の膜モジュール10Aで濾過した濾過水は流通していない。そのため、各膜モジュール10B、10Cで濾過した濾過水は、外気にさらされることなく、第一の導出管31Aに、接続位置34Aから逆流させられる。すると、該濾過水は、第一の導出管31A内を逆流し、第一の膜モジュール10Aを逆洗する洗浄水(逆洗水)として第一の膜モジュール10Aに送給される。
このようにして第二の膜モジュール10Bおよび第三の膜モジュール10Cで濾過した濾過水を、外気にさらすことなく、第一の膜モジュール10Aと接続した第一の導出管31Aに、その集水管32との接続位置34Aから逆流させて第一の膜モジュール10Aを逆洗する。
汚れを含んだ濾過水は、逆洗水となって逆洗水導出口14Aから排出される。逆洗水は逆洗水導出管42Aを通り、逆洗水排水管41から系外に排出される。
原水は各膜モジュール10A,10Cの各原水導入口12A,12Cからそれぞれ流入し、各膜モジュールの濾過膜11A,11Cによってそれぞれ濾過され、濾過水となって導出口13A,13Cからそれぞれ取水される。
よって第一の膜モジュール10Aからの濾過水と第三の膜モジュール10Cからの濾過水は、集水管32の接続位置34Aと接続位置34Cの間で合流する。
このようにして第一の膜モジュール10Aおよび第三の膜モジュール10Cで濾過した濾過水を、外気にさらすことなく、第二の膜モジュール10Bと接続した第二の導出管31Bに、その集水管32との接続位置34Bから逆流させて第二の膜モジュール10Bを逆洗する。
汚れを含んだ濾過水は、逆洗水となって逆洗水導出口14Bから排出される。逆洗水は逆洗水導出管42Bを通り、逆洗水排水管41から系外に排出される。
しかし、第1実施形態に係る膜濾過装置1では、各逆洗水導出管が、各原水導入管と共有する部分を有していない。そのため、逆洗水導出管に不純物等が残留したとしても、逆洗後の膜モジュールに原水を供給しても、当該原水とともに不純物等が膜モジュールに再度供給されることがなく、逆洗水中の不純物等が、膜モジュールの濾過膜の表面に再度付着することが防止される。
以上説明したように、本発明の第1実施形態に係る膜濾過装置の運転方法によれば、いずれかの膜モジュールで濾過した濾過水を、外気にさらすことなく他のいずれかの膜モジュールに逆流させて前記他のいずれかの膜モジュールを逆洗するので、大気中の夾雑物、浮遊菌が濾過水に混入することや金属酸化物が濾過水に析出しにくく、濾過水を用いた逆洗を行っても膜モジュールの膜の二次側に上記の不純物が付着しにくい。また、本発明の第1実施形態に係る膜濾過装置の運転方法によれば大気中の浮遊菌が濾過水に混入するおそれがないため、従来よりも薬品を用いた化学洗浄を行う頻度が低減され、薬品の使用量を削減することができ、膜濾過装置の濾過性能を適正に保つための維持費も削減しやすい。
また本発明の第1実施形態に係る膜濾過装置の運転方法によれば、原水開閉弁23A,23B,23Cと、濾過水開閉弁33と、開閉弁43A,43B,43Cと、開閉弁53A,53B,53Cの4種類の弁の開閉によって濾過から逆洗への切り替えが可能であり、操作が簡便である。
本発明の第2実施形態に係る膜濾過装置1の運転方法について図4を用いて説明する。第2実施形態に係る膜濾過装置1の運転方法は濾過水の一部を膜濾過装置1から出水しつつ、濾過水の残部を外気にさらすことなく、逆洗する膜モジュールに向けて逆流させて膜モジュールを逆洗する工程を有する。
たとえば図4に示す膜濾過装置1から濾過水を出水しつつ、濾過水の残部を外気にさらすことなく第三の膜モジュール10Cに向けて逆流させて第三の膜モジュール10Cを逆洗するには、第一の原水開閉弁23A、第二の原水開閉弁23B、開閉弁43Cおよび開閉弁53A,53Bを開いた状態とし、第三の原水開閉弁23C、開閉弁43A,43Bおよび開閉弁53Cを閉じた状態とすればよい。さらに、流量調節装置35は、第一の膜モジュール10Aおよび第二の膜モジュール10Bからの濾過水を、膜濾過装置1からの出水用と、第三の膜モジュール10Cの逆洗用に、振分けるようにしておく。
この状態で原水を原水供給管21から、第一の膜モジュール10Aおよび第二の膜モジュール10Bにそれぞれ供給する。第一の膜モジュール10Aおよび第二の膜モジュール10Bからの濾過水は、それぞれ集水管32で集水されたのち、接続位置34Bで合流し、接続位置34Cに向かって集水管32内を流れる。
ここで、接続位置34Cに到達した第一の膜モジュール10Aおよび第二の膜モジュール10Bからの濾過水は、流量調節装置35によって、膜濾過装置1からの出水用と、第三の膜モジュール10Cの逆洗用とに、任意の配分で振分けられる。
流量調節装置35によって、膜濾過装置からの出水用に振分けられた濾過水は集水管32によって膜濾過装置1から出水される。一方、流量調節装置35によって、第三の膜モジュール10Cの逆洗用に振分けられた濾過水は、外気にさらされることなく、第三の導出管31Cに、接続位置34Cから逆流させられる。すると、該濾過水は、第三の導出管31C内を逆流し、第三の膜モジュール10Cを逆洗する洗浄水(逆洗水)として第三の膜モジュール10Cに送給される。
第三の膜モジュール10Cに送給された、第一の膜モジュール10Aおよび第二の膜モジュール10Bからの濾過水は、第三の膜モジュール10Cの濾過膜11Cの一次側の表面に蓄積した汚れ等を洗い流し、汚れを含んだ濾過水は、逆洗水となって逆洗水導出口14C、逆洗水導出管42Cの順に経由して、逆洗水排水管41から系外に排出される。
このようにして、第一の膜モジュール10Aおよび第二の膜モジュール10Bからの濾過水の一部を膜濾過装置1から出水しつつ、当該濾過水の残部を外気にさらすことなく第三の膜モジュール10Cに向けて逆流させて第三の膜モジュール10Cを逆洗することができる。
この状態でさらに吸引ポンプなどの減圧手段38Bを稼働させて、原水を供給すれば、第三の膜モジュール10Cからの濾過水の一部は膜濾過装置1から出水され、第三の膜モジュール10Cからの濾過水の残部は、外気にさらされることなく第二の膜モジュール10Bを逆洗する洗浄水(逆洗水)として第二の膜モジュール10Bに送給される。一方、第一の膜モジュール10Aからの濾過水は、第二の導出管31Bに、接続位置34Bから逆流させられる。すると、該濾過水は、第二の導出管31B内を逆流し、第二の膜モジュール10Bを逆洗する洗浄水(逆洗水)として第二の膜モジュール10Bに送給される。
このようにして、第一の膜モジュール10Aおよび第三の膜モジュール10Cからの濾過水の一部を膜濾過装置1から出水しつつ、当該濾過水の残部を外気にさらすことなく第二の膜モジュール10Bに向けて逆流させて第二の膜モジュール10Bを逆洗することができる。
この状態でさらに吸引ポンプ等の減圧手段38Aを稼働させて、原水を供給すれば、第三の膜モジュール10Cからの濾過水の一部は膜濾過装置1から出水される。また、第三の膜モジュール10Cからの濾過水の残部は外気にさらされることなく第一の膜モジュール10Aを逆洗する洗浄水(逆洗水)として第一の膜モジュール10Aに送給される。一方、第二の膜モジュール10Bからの濾過水は、外気にさらされることなく、第一の導出管31Aに接続位置34Aから逆流させられて、第一の膜モジュール10Aを逆洗する洗浄水(逆洗水)として第一の膜モジュール10Aに送給される。
このようにして、第三の膜モジュール10Cからの濾過水の一部を膜濾過装置1から出水しつつ、当該濾過水の残部を外気にさらすことなく第一の膜モジュール10Aに向けて逆流させて第一の膜モジュール10Aを逆洗することができる。
以上説明したように、第2実施形態に係る膜濾過装置の運転方法によれば、膜濾過装置が備える複数の膜モジュールのうち、いずれかの膜モジュールからの濾過水の一部を膜濾過装置から出水しつつ、当該濾過水の残部を外気にさらすことなく逆洗する膜モジュールに向けて逆流させて他のいずれかの膜モジュールを逆洗することができる。よって、前記他のいずれかの膜モジュールを逆洗している最中であっても、前記いずれかの膜モジュールから濾過水を得ることができる。
本発明の第3実施形態に係る膜濾過装置の運転方法について図7を用いて説明する。
たとえば図7に示す膜濾過装置1から濾過水の一部を出水しつつ、濾過水の残部を外気にさらすことなく第二の膜モジュール10Bに向けて逆流させて第二の膜モジュール10Bを逆洗するには、第一の原水開閉弁23A、第三の原水開閉弁23C、開閉弁43Bおよび開閉弁53A,53Cを開いた状態とし、第二の原水開閉弁23B、開閉弁43A,43Cおよび開閉弁53Bを閉じた状態とすればよい。さらに、流量調節装置35は、第一の膜モジュール10Aおよび第三の膜モジュール10Cからの濾過水を、第二の膜モジュール10Bの逆洗用に、振分けるようにし、ニードル弁36は膜濾過装置1から出水される濾過水の流量を減らすように調節しておく。
この状態で原水を原水供給管21から、第一の膜モジュール10Aおよび第三の膜モジュール10Cにそれぞれ供給すると、第一の膜モジュール10Aからの濾過水は第一の導出管31Aを通り、接続位置34Aで集水管32に集水され、接続位置34Aから接続位置34Bに向かう方向に集水管32内を流れる。接続位置34Bに到達した第一の膜モジュール10Aからの濾過水は、流量調節装置35によって、第二の膜モジュール10Bの逆洗用に、振分けられる。一方、第三の膜モジュール10Cからの濾過水は第三の導出管31Cを通り、接続位置34Cに向かう。接続位置34Cに到達した第三の膜モジュール10Cからの濾過水は、接続位置34Cで、膜濾過装置1からの出水用と、第二の膜モジュール10Bの逆洗用とに分岐して流れる。ここでニードル弁36によって膜濾過装置1からの出水用の濾過水の流量は調節されているので、第三の膜モジュール10Cからの濾過水の一部が膜濾過装置1から出水されつつ、当該濾過水の残部が接続位置34Cから接続位置34Bに向かう方向に集水管32内を流れ、第二の導出管31Bに、接続位置34Bから逆流させられる。すると、当該濾過水は、第二の導出管31B内を逆流し、第二の膜モジュール10Bを逆洗する洗浄水(逆洗水)として第二の膜モジュール10Bに送給される。
こうして図7に示すように、膜濾過装置1から濾過水の一部を出水しつつ、濾過水の残部を外気にさらすことなく第二の膜モジュール10Bに向けて逆流させて第二の膜モジュール10Bを逆洗することができる。
濾過水の一部を膜濾過装置1から出水しつつ、濾過水の残部を外気にさらすことなく第一の膜モジュール10Aに向けて逆流させて第一の膜モジュール10Aを逆洗するには、第二の原水開閉弁23B、第三の原水開閉弁23C、開閉弁43Aおよび開閉弁53B,53Cを開いた状態とし、第一の原水開閉弁23A、開閉弁43B,43Cおよび開閉弁53Aを閉じた状態とすればよい。さらに、流量調節装置35は、第二の膜モジュール10Bからの濾過水の一部を膜濾過装置1からの出水用に、その残部を第一の膜モジュール10Aの逆洗用に、振分けるようにし、ニードル弁36は膜濾過装置1から出水される濾過水の流量を減らすように調節しておく。この状態で原水を原水供給管21から、第二の膜モジュール10Bおよび第三の膜モジュール10Cにそれぞれ供給する。
第二の膜モジュール10Bからの濾過水は第二の導出管31Bを通り、接続位置34Bで流量調節装置35よって膜濾過装置1からの出水用と、第一の膜モジュール10Aの逆洗用とに振分けられる。第一の膜モジュール10Aの逆洗用に振分けられた第二の膜モジュール10Bからの濾過水は、外気にさらされることなく、第一の膜モジュール10Aを逆洗する洗浄水(逆洗水)として第一の膜モジュール10Aに送給される。
一方、第三の膜モジュール10Cからの濾過水は第三の導出管31Cを通り、接続位置34Cに向かう。接続位置34Cに到達した第三の膜モジュール10Cからの濾過水は、第二の膜モジュール10Bからの濾過水の一部と合流して、集水管32によって膜濾過装置1から出水される。
なお図8に図示はしないが、流量調節装置35によって、第二の膜モジュール10Bからの濾過水の全てを第一の膜モジュール10Aの逆洗用に振分けるようにしてもよい。この場合、第二の膜モジュール10Bからの濾過水が、外気にさらされることなく、第一の膜モジュール10Aを逆洗する洗浄水(逆洗水)として送給され、第三の膜モジュール10Cからの濾過水が膜濾過装置1から出水される。
このとき、第一の膜モジュール10Aおよび第二の膜モジュール10Bからの濾過水は流量調節装置35が設けられた箇所(接続位置34B)で合流し、接続位置34Cに向かう。第一の膜モジュール10Aおよび第二の膜モジュール10Bからの濾過水の一部は膜濾過装置1から出水される。また、当該濾過水の残部は、外気にさらされることなく第三の導出管31Cに接続位置34Cから逆流させられて、第三の膜モジュール10Cを逆洗する逆洗水として第三の膜モジュール10Cに送給される。
以上説明したように、第3実施形態に係る膜濾過装置の運転方法によれば、膜濾過装置が備える複数の膜モジュールのうち、いずれかの膜モジュールからの濾過水の一部を膜濾過装置から出水しつつ、当該濾過水の残部を外気にさらすことなく、逆洗する膜モジュールに向けて逆流させて、他のいずれかの膜モジュールを逆洗することができる。よって、前記他のいずれかの膜モジュールを逆洗している最中であっても、前記いずれかの膜モジュールから濾過水を得ることができる。
本発明の第4実施形態に係る膜濾過装置の運転方法について図10を用いて説明する。
図10に示す膜濾過装置1から濾過水を出水しつつ、濾過水の残部を外気にさらすことなく、第三の膜モジュール10Cに向けて逆流させて第三の膜モジュール10Cを逆洗するには、第一の原水開閉弁23A、第二の原水開閉弁23B、開閉弁43Cおよび開閉弁53A,53Bを開いた状態とし、第三の原水開閉弁23C、開閉弁43A,43Bおよび開閉弁53Cを閉じた状態とすればよい。またニードル弁37A,37B,37Cは、逆洗用として第三の膜モジュール10Cに送給される濾過水の量が過剰量とならないように調節しておく。ニードル弁37A,37B,37Cによって各導出管内を流れる濾過水の流量を調節しておけば、第三の膜モジュール10Cに過剰量の濾過水が逆洗用として送給されて、第三の膜モジュール10Cが破損・破裂することを防止できる。
ここで、第一の膜モジュール10Aおよび第二の膜モジュール10Bからの濾過水のうち、膜濾過装置1からの出水用の濾過水はニードル弁36によって流量が任意に調節されるため、当該濾過水の一部が膜濾過装置1から出水される。また、当該濾過水の残部は第三の導出管31Cに接続位置34Cから逆流させられて第三の膜モジュール10Cを逆洗する洗浄水(逆洗水)として第三の膜モジュール10Cに送給される。
第三の膜モジュール10Cに送給された、第一の膜モジュール10Aおよび第二の膜モジュール10Bからの濾過水は、第三の膜モジュール10Cの濾過膜11Cの一次側の表面に蓄積した汚れ等を洗い流し、汚れを含んだ濾過水は、逆洗水となって逆洗水導出口14C、逆洗水導出管42Cの順に経由して、逆洗水排水管41から系外に排出される。
このようにして、第一の膜モジュール10Aおよび第二の膜モジュール10Bからの濾過水の一部を膜濾過装置から出水しつつ、当該濾過水の残部を、外気にさらすことなく第三の導出管31Cに接続位置34Cから第三の膜モジュール10Cに向けて逆流させて、第三の膜モジュール10Cを逆洗する。
以上説明したように、第4実施形態に係る膜濾過装置の運転方法によれば、膜濾過装置が備える複数の膜モジュールのうち、いずれかの膜モジュールからの濾過水の一部を膜濾過装置から出水しつつ、当該濾過水の残部を外気にさらすことなく、逆洗する膜モジュールに向けて逆流させて、他のいずれかの膜モジュールを逆洗することができる。よって、前記他のいずれかの膜モジュールを逆洗している最中であっても、前記いずれかの膜モジュールから濾過水を得ることができる。
本発明の第5実施形態に係る膜濾過装置の運転方法について図11を用いて説明する。
図11に示す膜濾過装置1はイン−アウト方式を採用した3つの膜モジュール10A,10B,10Cを備えている。かかる膜濾過装置1では、原水は濾過膜11A,11B,11Cの内側から外側に濾過される。
図11に示す膜濾過装置1で第一の膜モジュール10Aおよび第二の膜モジュール10Bで濾過した濾過水を、外気にさらすことなく、第三の膜モジュール10Cと接続した第三の導出管31Cに、その集水管32との接続位置34Cから逆流させて第三の膜モジュール10Cを逆洗するには、第一の原水開閉弁23A、第二の原水開閉弁23B、開閉弁43Cおよび開閉弁53A,53Bを開いた状態とし、第三の原水開閉弁23C、濾過水開閉弁33、開閉弁43A,43Bおよび開閉弁53Cを閉じた状態とすればよい。またニードル弁37A,37B,37Cは、逆洗用として第三の膜モジュール10Cに送給される濾過水の量が過剰量とならないように調節しておく。ニードル弁37A,37B,37Cによって各導出管内を流れる濾過水の流量を調節しておけば、第三の膜モジュール10Cに過剰量の濾過水が逆洗用として送給されて、第三の膜モジュール10Cが破損・破裂することを防止できる。
第三の膜モジュール10Cに送給された第一の膜モジュール10Aおよび第二の膜モジュール10Bからの濾過水は、導出口13Cから第三の膜モジュール10Cに流入し、第三の膜モジュール10C内を通過する。この際、第三の膜モジュール10Cの濾過膜11Cの一次側(内側)の表面に蓄積した汚れ等が濾過水によって洗い流され、第三の膜モジュール10Cが逆洗される。
汚れを含んだ濾過水は、逆洗水となって逆洗水導出口14Cから排出される。逆洗水は逆洗水導出管42Cを通り、逆洗水排水管41から系外に排出される。
このようにして第一の膜モジュール10Aおよび第二の膜モジュール10Bで濾過した濾過水を、外気にさらすことなく、第三の膜モジュール10Cと接続した第三の導出管31Cに、その集水管32との接続位置34Cから逆流させて第三の膜モジュール10Cを逆洗する。
以上説明したように、第5実施形態に係る膜濾過装置の運転方法によれば、膜濾過装置が備える複数の膜モジュールのうち、いずれかの膜モジュールからの濾過水を外気にさらすことなく他のいずれかの膜モジュールに逆流させて前記他のいずれかの膜モジュールを逆洗するので、「第1実施形態の作用効果」の項で述べた作用効果と同様の作用効果を有する。さらに、ニードル弁36,36,36によって、各導出管内を流通する濾過水の流量を調節することができるので、逆洗を行う膜モジュールに過剰量の濾過水が逆洗用として送給されて、膜モジュール10Cが破損・破裂することを防止できる。
その他にも原水として、表流水、伏流水、雨水および工業排水等が挙げられるがこれに限定されない。
また原水は、凝集剤や次亜塩素酸等の薬品等により前処理してから膜濾過装置に供給してもよい。
10 膜モジュール
20 原水供給機構
30 濾過水流通機構
40 逆洗水排水機構
Claims (7)
- 原水を濾過する複数の膜モジュールと、各膜モジュールから濾過水を取水する導出管と、各導出管と接続した集水管とを備えた膜濾過装置の運転方法であって、
いずれかの膜モジュールで濾過した濾過水を、外気にさらすことなく、他のいずれかの膜モジュールと接続した導出管に、その集水管との接続位置から逆流させて前記他のいずれかの膜モジュールを逆洗する工程を有する膜濾過装置の運転方法。 - 濾過に際しては原水を加圧して膜モジュールに供給する請求項1に記載の膜濾過装置の運転方法。
- 濾過水の一部を膜濾過装置から出水しつつ、濾過水の残部を逆洗する膜モジュールに向けて逆流させる請求項1または2に記載の膜濾過装置の運転方法。
- 原水が井戸水である請求項1〜3のいずれか一項に記載の膜濾過装置の運転方法。
- 原水を濾過する複数の膜モジュールと、
各膜モジュールに原水を供給する原水供給機構と、
各膜モジュールから濾過水を集水して出水する濾過水流通機構と、
各膜モジュールを逆洗した洗浄水を排水する逆洗水排水機構とを備え、
前記原水供給機構は各膜モジュールへの供給を制御し、
前記濾過水流通機構は、各膜モジュールから濾過水を取水する導出管と、各導出管と接続した集水管とを備え、
前記濾過水流通機構は、いずれかの膜モジュールからの濾過水を、外気にさらすことなく、他のいずれかの膜モジュールと接続した導出管に、その集水管との接続位置から逆流させて前記他のいずれかの膜モジュールに逆洗用として送給し得るようにされている膜濾過装置。 - 前記原水供給機構は膜モジュールに原水を加圧して供給する加圧手段を有する請求項5に記載の膜濾過装置。
- 前記濾過水流通機構は、濾過水を膜濾過装置からの出水用と膜モジュールの逆洗用とに振分ける流量調節装置を有する請求項5または6に記載の膜濾過装置。
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JP2017056931A Pending JP2018158297A (ja) | 2017-03-23 | 2017-03-23 | 膜濾過装置の運転方法及び膜濾過装置 |
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JP (1) | JP2018158297A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020175593A1 (ja) * | 2019-02-26 | 2020-09-03 | 東レ株式会社 | 膜ろ過ユニットの運転方法および膜ろ過ユニット |
KR102227633B1 (ko) * | 2020-06-25 | 2021-03-15 | 황재룡 | 수처리 설비의 균등분배장치 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57130516A (en) * | 1981-02-02 | 1982-08-13 | Nec Corp | Flow line switching means for ultrafiltration device |
JPH06233920A (ja) * | 1993-02-09 | 1994-08-23 | Toray Ind Inc | 濾過装置 |
JP2014057926A (ja) * | 2012-09-19 | 2014-04-03 | Takagi Co Ltd | 浄水装置および浄水の製造方法 |
-
2017
- 2017-03-23 JP JP2017056931A patent/JP2018158297A/ja active Pending
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