JP5437278B2 - 浄水装置及びその運転方法 - Google Patents
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Description
本願は、2009年11月20日に、日本に出願された特願2009−265363号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
濾過性能の回復には濾過膜を使い捨てとし、必要に応じて交換すれば解決できるが、交換に手間がかかるという問題があった。また、環境問題や省資源の面で使い捨ては必ずしも好ましいものではない。
ついで、濾過ユニットAにて濾過を行い、得られた透過水の大部分を被給水建築物に供給すると共に、透過水の一部を濾過ユニットBに送り濾過フィルタBを逆洗する。
このように、特許文献1に記載の濾過装置によれば、目詰まりした濾過フィルタを再使用でき、長期間に亘ってフィルタを交換することなく使用を継続できる。
また、逆洗の進み具合によって逆洗に用いられる透過水の量が変わるため、濾過と逆洗を同時に行うと供給できる透過水の量も変わりやすく、一定量の透過水を安定して供給することは必ずしも容易ではなかった。
[浄水装置]
図1は、本発明に用いる浄水装置の一例を示す概略構成図である。この浄水装置1は、水道などから供給される原水を濾過する、並列に設けられた2つの膜モジュール10、10と、前記膜モジュール10、10に原水を供給する原水供給ライン20と、膜モジュール10、10を透過した透過水を移送する透過水移送ライン30と、原水供給ライン20の途中に設けられた、膜モジュール10、10への原水の供給および停止を切り替える開閉弁40、40と、膜モジュール10、10の逆洗に用いた逆洗水を排出する逆洗水排出ライン50と、膜モジュール10、10に空気を給排気する空気給排気ライン60と、膜モジュール10、10を経由せずに原水を透過水移送ライン30へ移送できるバイパスライン70とを具備して概略構成されている。
濾過膜11としては、精密濾過膜、限外濾過膜、ナノ濾過膜など、浄水装置で通常使用される濾過膜を使用できる。中でも精密濾過膜が好ましい。
濾過膜11の形状としては、中空糸膜、平膜、チューブラー膜、スパイラル膜などが挙げられる。これらは0.1μm以上の固形物および菌類の通過を容易に阻止できるので濾過膜として好適であるが、中でも中空糸膜が好ましく、例えばセルロース系、ポリオレフィン系、ポリビニルアルコール系、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)系、ポリスルフォン系など、各種材科からなる中空糸膜を使用するのが好ましい。特に、ポリエチレン等の強伸度の高い材質からなる中空糸膜を使用することが好ましい。
また、濾過膜11として中空糸膜を用いる場合、その孔径(濾過精度)、濾過面積、膜厚、外径等は特に限定されるものではないが、例えばその孔径は0.01〜2μm、濾過面積は0.2〜10m2、膜厚は5〜300μm、外径は20〜2000μm、空孔率は20〜90%とされる。
一方、第二の供給流路21Bが接続する開閉弁、および膜モジュールとその原水入口をそれぞれ第二の開閉弁40B、および第二の膜モジュール10Bとその原水入口12Bとする。
また、第一の供給流路21Aのうち、分岐点21から第一の開閉弁40Aまでを上流流路211Aとし、第一の開閉弁40Aから原水入口12Aまでを下流流路212Aとする。
一方、第二の供給流路21Bのうち、分岐点21から第二の開閉弁40Bまでを上流流路211Bとし、第二の開閉弁40Bから原水入口12Bまでを下流流路212Bとする。
開閉弁40としては、2方弁2個でもよいが、三方弁が好ましい。開閉弁40は制御部(図示略)からの制御指令に基づいて開閉が制御され、膜モジュール10への原水の供給および停止を切り替える。なお、開閉弁40は手動で開閉して、原水の供給および停止を切り替えることもできる。
弁62としては、空気の給排気を制御できるものであれば特に限定されるものではなく、電磁弁、エアーベントなど、浄水装置で通常使用される弁を使用できる。
弁71としては、原水の流れ方向を制御できるものであれば特に限定されるものではなく、止水弁など、浄水装置で通常使用される弁を使用できる。
以下、本発明の浄水装置の運転方法を、図1に示す浄水装置1を用いて操作に従って説明する。
本発明の洗浄装置の運転方法では、濾過工程と第一の逆洗工程と第二の逆洗工程とを繰り返し行う。
なお、図1において、原水および透過水の流れを矢印で示す。
ここで、図2、3に逆洗時の原水等の流れを矢印で示す。
透過水の全てを第二の膜モジュール10Bに送るには、例えば透過水移送ライン30に弁(図示略)を設置し、前記弁を閉じることで実施できる。
汚れを含んだ透過水は、逆洗水となって原水入口12Bから排出される。逆洗水は下流流路212Bおよび第二の排出流路51Bを通り、逆洗水排出ライン50から系外に排出される。
逆洗時間はロータリースイッチ(図示略)等により設定できる。
第二の逆洗工程では、弁22を開、弁62を閉とする。また、弁71は原水供給ライン20を選択するように開かれている。そして、第一の開閉弁40Aは下流流路212Aと第一の排出流路51Aを選択するように(すなわち、下流流路212Aと第一の排出流路51Aが連通するように)、第二の開閉弁40Bは第二の供給流路21Bを選択するように(すなわち、上流流路211Bと下流流路212Bが連通するように)、それぞれ切り替える。
透過水の全てを第一の膜モジュール10Aに送るには、第一の逆洗工程と同様にすればよい。
汚れを含んだ透過水は、逆洗水となって原水入口12Aから排出される。逆洗水は、下流流路212Aおよび第一の排出流路51Aを通り、逆洗水排出ライン50から系外に排出される。
逆洗時間はロータリースイッチ(図示略)等により設定できる。
繰り返し回数は、第一の逆洗工程と第二の逆洗工程を1セットとし、2〜10セット繰り返すのが好ましい。
なお、第一の逆洗工程と第二の逆洗工程は、順序を逆にして行ってもよい。
ここで、図4に原水排出工程時の原水等の流れを矢印で示し、図5に原水充填工程時の原水等の流れを矢印で示す。
そして、空気給排気ライン60から空気を取り入れ、第一の給排気流路61Aおよび第二の給排気流路61Bを経て、第一の膜モジュール10Aおよび第二の膜モジュール10Bに空気を取り込む。
各膜モジュール内に空気を取り込むことで、膜モジュール内に滞留している原水が原水入口12から排出される。第一の膜モジュール10Aから排出される原水は下流流路212Aおよび第一の排出流路51Aを通り、一方、第二の膜モジュール10Bから排出される原水は下流流路212Bおよび第二の排出流路51Bを通り、分岐点51にて合流し、逆洗水排出ライン50から系外に排出される。
排水時間はロータリースイッチ(図示略)等により設定できる。
原水充填工程では、弁22、弁62を開とする。また、弁71は原水供給ライン20を選択するように開かれている。そして、第一の開閉弁40Aは第一の供給流路21Aを選択するように(すなわち、上流流路211Aと下流流路212Aが連通するように)、第二の開閉弁40Bは第二の供給流路21Bを選択するように(すなわち、上流流路211Bと下流流路212Bが連通するように)、それぞれ切り替える。
充填時間はロータリースイッチ(図示略)等により設定できる。
なお、上述したように第二の逆洗工程から濾過工程に移行する前に、第一の逆洗工程および第二の逆洗工程を繰り返す場合は、その繰り返し回数に応じて原水排出工程および原水充填工程を各逆洗工程の前に行うのが好ましい。
目詰まり度 : 100−(10分後の濾過流量/初期濾過流量)×100
(濾過条件)
加圧圧力 : 100KPa
膜面積 : 5.0m2
流量 : 5mL/分
本発明は、中空糸膜の表面で濾過された目詰まり物質中の有機成分の含有量が、60%から90%の範囲内にある水道水を処理するときに特に顕著な効果を示す。なお、前記有機成分の含有量は、700℃、2時間の灰化法で分析した値である。
[実施例1]
図1に示す浄水装置を用い、水道水の濾過を行った。
第一の膜モジュール10Aおよび第二の膜モジュール10Bとしては、濾過膜として精密濾過膜の一種である中空糸膜(三菱レイヨン株式会社製、「MPOE050」、濾過面積:5.0m2、濾過精度:0.1μm、膜厚:55μm、外径:380μm)を備える膜モジュールを用いた。
弁22としては、減圧弁(サイズ:20A)を用い、使用圧力の最大値を0.8MPa、二次圧力を0.15MPaに設定した。
第一の開閉弁40Aおよび第二の開閉弁40Bとしては、電動三方弁(サイズ:20A、作動電圧:DC24V)を用いた。
弁62としては、電磁弁(サイズ:8A、作動電圧:DC24V)を用いた。
弁71としては、止水弁(サイズ:20A)を用いた。
また、透過水移送ライン30およびバイパスライン70には、逆止弁(図示略)およびバイパス弁(図示略)をそれぞれ設置した。
原水(水道水)の供給量を18L/分に設定し、原水供給ライン20内の原水の水圧が0.15MPaになるように、弁22にて調節した。
第一の逆洗工程および第二の逆洗工程の逆洗時間をそれぞれ45秒に、原水排出工程の排出時間を30秒に、原水充填工程の充填時間を10秒に設定した。
その結果、十分かつ一定量の透過水を安定して供給(給水)できた。尚、原水(水道水)の目詰まり度を測定した結果、40から60の範囲内であった。
さらに、前記運転終了後、中空糸膜表面の目詰まり物質を採取し、700℃、2時間の灰化法にて有機成分の分析を実施した結果、目詰まり物質の60%が有機成分であった。
流量保持率 : (終了時流量/初期流量)×100
実施例1と同様の浄水装置を設置し、運転工程中の原水排出工程及び原水充填工程を行わなかったこと以外は、実施例1と同様に運転を実施し、水道水を濾過した。その結果、十分かつ一定量の透過水を安定して供給(給水)できた。尚、運転初期と終了時の流量保持率を測定した結果、33%であった。
Claims (3)
- 原水供給ラインと、
原水を濾過する並列に設けられた複数の膜モジュールと、
原水供給ラインから分岐して各膜モジュールの原水入口に接続される複数本の供給流路と、
前記各供給流路に設けられた開閉弁と、
前記開閉弁に接続される逆洗水排出ラインと、
透過水移送ラインと、
前記透過水移送ラインから分岐して各膜モジュールの透過水出口に接続される複数本の移送流路と、
を有する浄水装置。 - 原水を濾過する並列に設けられた複数の膜モジュールと、前記膜モジュールへの原水の供給および停止を切り替える複数の開閉弁とを備えた浄水装置を運転する方法であって、
前記膜モジュールの全てに原水を供給するように開閉弁を切り替え、原水を濾過する濾過工程と、
前記膜モジュールのうち、一部の膜モジュール(A)へ原水を供給し、残りの膜モジュール(B)への原水の供給を停止するように開閉弁を切り替え、膜モジュール(A)を透過した透過水の全てを膜モジュール(B)に送り、前記膜モジュール(B)の逆洗水を前記開閉弁に接続された逆洗水排出ラインから排出し、前記膜モジュール(B)を逆洗する第一の逆洗工程と、
膜モジュール(A)への原水の供給を停止し、膜モジュール(B)へ原水を供給するように開閉弁を切り替え、膜モジュール(B)を透過した透過水の全てを膜モジュール(A)に送り、前記膜モジュール(A)の逆洗水を前記開閉弁に接続された逆洗水排出ラインから排出し、前記膜モジュール(A)を逆洗する第二の逆洗工程と、
を繰り返す浄水装置の運転方法。 - 前記第一の逆洗工程および第二の逆洗工程の直前に、前記膜モジュールの全てへの原水の供給を停止するように開閉弁を切り替え、膜モジュール内に空気を取り込んで原水を排出する原水排出工程と、膜モジュールの全てに原水を供給するように開閉弁を切り替え、膜モジュールの全てに原水を供給し充填する原水充填工程とを行う請求項2に記載の浄水装置の運転方法。
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