JP3505056B2 - 膜濾過装置 - Google Patents

膜濾過装置

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JP3505056B2
JP3505056B2 JP03991097A JP3991097A JP3505056B2 JP 3505056 B2 JP3505056 B2 JP 3505056B2 JP 03991097 A JP03991097 A JP 03991097A JP 3991097 A JP3991097 A JP 3991097A JP 3505056 B2 JP3505056 B2 JP 3505056B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多孔質分離膜を用いる
膜濾過装置に関する。より詳しくは、原液を濾過した濾
液を再び原液に戻して原液を連続的に清澄にする濾過シ
ステムにおいて、膜の逆洗時に生ずる逆洗液を廃液とし
て系外に排出する量を少なくできる膜濾過装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図7に示すように、多孔質膜(111)
を備えた濾過容器(103)を用いてクロスフロー式の
濾過方式により1つの槽(101)内原液、例えば油水
混合液体あるいは果物ジュース類のような固形物混合液
体等の異種混合液体を、油ー水分離あるいは固形物ー液
体分離等の分離を行い、得られる濾液を元の槽に戻して
槽内原液を連続的に清澄にする装置は、濾液を他所に誘
導するものではない密閉型なので原液槽内の水位制御が
不要であり濾過容器やポンプ(102)に一度呼び水を
すると原液が連続的に供給できまた濾液タンクがないの
で設備が小さくできる、などの利点がある。
【0003】濾過運転時間とともに濾過されない油分ま
たは固形分が多孔質膜面上に徐々に堆積しその結果濾過
速度が低下する。図7に示すように、膜表面の損傷をで
きるだけ少なくして堆積物を除去し膜性能の回復を図る
手段として、清澄な流体を膜の裏面側から圧入し、付着
した堆積物を膜表面から剥がして、低下した膜の濾過速
度を回復する手段(逆洗)が取られる。
【0004】剥がした堆積物を含む液(逆洗液)は10
5の通路で系外に排出され、系外に排出される逆洗液は
廃液となるため逆洗を行う度に廃液量が多くなるという
欠点がある。
【0005】また、図7の装置のものでは原液タンク
(101)内の原液の入れ替え時などでタンク内原液レ
ベルが低下した場合には濾過容器(103)に接続する
原液送液パイプやポンプ(102)あるいは濾過容器に
エアーの混入がおこりやすく、ポンプと濾過容器に再度
呼び水を施す必要が生じやすい。
【0006】この欠点を改良するために、図8に示すよ
うに、原液タンクと濾過容器を連結する配管特に原液タ
ンクとポンプ(102)間を連結する配管に滞留槽(1
07)を設けることが提案されている。
【0007】滞留槽(107)を設けることにより、逆
洗時の逆洗液を配管(105)から系外に排出せずに一
時的に配管(121)を逆流させて滞留槽(107)に
戻し、逆洗終了後の通常の濾過運転に戻る際には滞留槽
にある逆洗液を優先的に使用できる。
【0008】複数回このような逆洗を繰り返した後の逆
洗液中の非膜濾過成分濃度が高くなった時には逆洗液は
滞留槽には収めず105の廃液取り出し通路で系外に排
出されるため廃液量を少なくできる。また滞留槽には常
に濾過される液体が存在するため、たとえ原液槽中の原
液レベルが低下してもポンプ(102)と濾過容器(1
03)を含む原液送液パイプに直ちにエアーが入ること
が防止できる。
【0009】しかしながら、上記先行技術では滞留槽に
収納する逆洗液は、滞留槽中にある原液と混合撹拌され
るとともに配管(110)を通して原液槽に流入しやす
く、清澄にされつつある原液が逆洗液で汚染されるとい
う欠点を有する。
【0010】また滞留槽内の液も含めて、原液中の非膜
濾過成分が多くなると膜の目詰まりが発生しやすく、膜
濾過運転時間に伴う膜透過速度の減少速度が大きくな
る。そのため膜性能回復のための逆洗回数が増え、結果
として廃液につながる逆洗液量が増加するという欠点を
有する。
【0011】そしてまた、原液中の浮遊固形物が微細で
ある場合には、膜濾過時に、その微細固形物が膜中に侵
入しやすいため逆洗に際しては膜中に入り込んだ微細固
形物を洗い出すのに多量の逆洗量と逆洗時間とを要す
る、という欠点をも有する。
【0012】特に膜材料が疎水性材料で構成される場合
には原液中に油等の非膜濾過成分を濃縮する際に、油分
等が膜面上に付着しやすくそのため膜の濾過速度が大き
く減じてしまうためやはり逆洗回数と逆洗量が多くなり
結果として廃液量が多くなるという欠点を有する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、原液槽と濾過容器とを連結する配管に滞留
槽を設けて逆洗液をいったん収納できるようになして廃
液として排出する逆洗液を少なくすることを特徴とする
多孔質膜を用いてのクロスフロー濾過方式により1つの
槽内原液を濾過して得られる濾液を元の槽に戻して槽内
原液を清澄にする装置において、滞留槽に収納した逆洗
液が、原液槽に流入することにより清澄にされつつある
原液が逆洗液で汚染される、という欠点をなくすること
にある。
【0014】そしてまた、原液中あるいは濾過対象液中
の非膜濾過成分が多い場合や非膜濾過成分が微細な固形
物を含む場合においても、膜性能回復のための逆洗回数
や逆洗時間を少なくでき、ひいては処分を必要とするい
わゆる廃液量を少なくすることを目的とする。
【0015】特に膜材料が疎水性材料で構成される場合
において原液中の油等の非膜濾過成分を濃縮する場合に
おいても、逆洗回数と逆洗量が多くなり結果として廃液
量が多くなるという欠点を少なくすることを目的とす
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係る膜濾過装置
は、前記の課題を解決したものである。すなわち、多孔
質分離膜によって2つの空間に分けられた濾過容器と、
前記容器の一方の空間に原液タンクから原液をポンプが
存在する第1の管路を通して供給すると共に前記一方の
空間内にある非濾過液を循環するための前記ポンプより
も前記原液タンク側において前記第1の管路と連結する
と共に他端が前記一方の空間に連結している第2の管路
と、前記容器の他方の空間に濾出された濾液を前記原液
タンクへ戻す第3の管路と、前記第1の管路または前記
第2の管路に設けられた前記多孔質分離膜の逆洗時に生
ずる逆洗液を収納できる滞留空間を備えた膜濾過装置に
おいて、前記滞留空間に液面センサおよび該液面センサ
により検知された液面レベルに応じて開閉される通気孔
を設け、通常の運転状態では前記滞留空間内に一定量の
空気層を存在せしめて前記通気孔が閉じられた状態が維
持され、逆洗時には前記通気孔が開いて逆洗液が前記空
気層を置換して収納されることにより達成される。
【0017】特に前記原液タンクと前記多孔質分離膜と
の間の任意の位置にフィルタ等の非膜濾過成分を分離し
うる手段を設置することにより濾過対象液あるいは逆洗
液中の固形分あるいは油分等を補足し系外に排出できる
ので逆洗回数を減ずることができる。
【0018】また、非膜濾過成分として油滴や油分等を
含む水を主体とするエマルションである場合には水と油
分等を分離し得る分離装置としてコアレッサフィルタ−
装置を設置することにより達成できる。
【0019】さらに、コアレッサフィルタ−あるいはコ
アレッサフィルタ−装置のハウジング内のコアレッサフ
ィルタ−への液導入管端部等に孔等のバイパス手段を設
けることにより、コアレッサフィルタ−が油等で詰まっ
て流れが悪くなった場合にも、前記孔を通して液の流れ
が確保できるため、例えば運転開始時の系が冷えている
状態においてさえも暖気運転等の予備操作がなくとも運
転が可能であり油水分離が行えるので、膜への油分の付
着が抑えられるため膜透過性能の減少を少なくできひい
ては逆洗回数と逆洗液量を少なくできる。
【0020】また、逆洗後の膜濾過開始時または新しい
膜を用いての膜濾過開始時に濾過対象液に濾過助剤(プ
リコート剤)を添加することにより微細固形分を含む濾
過対象液であっても逆洗がスムースにおこなわれので逆
洗時間すなわち逆洗液量を少なくすることができるた
め、前記滞留空間の容量をも少なくできる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1にもとづいて発明の実施の形
態を説明する。原液タンク(1)中には混合液体たとえ
ば果実をすりつぶした固形分を含む液体、あるいは、油
を含む水溶液、あるいは、エマルションを含む乳化液体
等の液体が入れられる。
【0022】原液タンクには原液を濾過器(3)に送る
パイプと、濾過器によって濾過された濾液が送り返され
るパイプとが装備される。原液タンクには原液の液面レ
ベルを感知するレベル計が設置されてもよい。また必要
に応じ撹拌機構や温度制御機構が備えられてもよい。ま
た外部からの異物や細菌の侵入を防ぐように異物遮断装
備が備えられてもよい。
【0023】滞留槽(7)には上記原液槽と接続され原
液が送入される孔と、空気の出入り口である通気孔と入
った原液あるいは濾過されるべき液体の出口とを有す
る。滞留空間の内容量は濾過容器内にある膜を逆洗する
時に生ずる逆洗液を収納できる以上の容量であることが
望ましく滞留空間の形は特に限定はない。滞留槽下部に
液体抜きの孔を設けてもよい。
【0024】原液の入り口および通気孔は滞留空間の上
部付近に設置されることが望ましい。また濾過されるべ
き液体の出口は空間の下部付近が望ましい。また。原液
が滞留空間に入る際に原液に空気が巻き込まれない装置
を付加してもよい。
【0025】滞留槽にはさらに、液面レベルを検知でき
るセンサを有し、センサと連動する開閉弁が通気孔に付
される。滞留空間内の液面レベルが一定レベル以上にな
ると通気孔が開き、一定レベル以下では通気孔が閉じら
れる機構となっている。原液槽と滞留空間とを結ぶ管路
には開閉バルブが付されてもよくこの開閉バルブはセン
サと連動させてもよい。通気孔が開いた時に原液と滞留
槽とが液体的に連絡のない機構であればよい。
【0026】通常の運転時には、上記センサを作動させ
た状態でもよくまた作動させないで通気孔を閉じた状態
にしておいてもよい。通気孔が閉じられているので原液
槽内原液のみが滞留空間に送られる状態となっている。
滞留空間の液体はポンプ(2)を含む管路により濾過容
器へと接続している。開閉バルブを閉じることで循環路
を密閉系とすることができるので濾過運転時には原液タ
ンクより原液を負圧で滞留空間に引き込むことも可能で
ある。
【0027】センサを逆洗時のみならず通常の運転時に
も作動させる場合には、上部に空気層が下部には原液が
存在し、下部の原液のみが濾過容器へと送られる。この
上部空気層の容量は膜の逆洗時に生ずる逆洗液が収納で
きる以上の容量であることが望ましい。
【0028】センサを逆洗時のみに作動させる場合に
は、逆洗操作前にセンサを作動させることにより滞留空
間に一定レベルの空気槽を確保し、ついで逆洗操作に移
る。逆洗操作終了後に再びセンサを不作動とし通気孔を
閉じる。この場合には通常運転時において滞留空間に存
在する空気層は逆洗液の容量以下であってもよい。
【0029】次に濾過容器について説明する。濾過容器
は選択分離膜によって2つの空間に仕切られており、一
方の空間には濾過される液体が供給され、他方の空間に
は膜を通して濾過された濾液が入る。一方の空間には濾
過される液体が供給される入り口と膜で濾過し切れない
非濾過液の出口とを有し、他方の空間には濾液の出口を
有する。
【0030】膜としては、物質を選択的に透過するもの
であれば任意に使用できる。例えば多孔質の限外濾過
膜、透析膜、逆浸透膜などが挙げられ、公知の材質のも
のが用途により種々使用できる。膜の形態としては平
膜、中空糸膜、管状膜などいずれも使用可能である。
【0031】通常の濾過運転においては、滞留空間から
ポンプを介して送られた原液は濾過容器の一方の空間に
濾過される以上の量で導入され、膜で濾過しきれない非
濾過液は非濾過液の出口より出て、絞り弁を経由し再び
ポンプの原液側の管路に接続される。この濾過方式は通
常クロスフロー方式と呼称され連続的な膜濾過に適する
方式である。絞り弁を調節することにより濾過圧が任意
に設定できる。
【0032】濾過された濾液は、濾液の出口から出て原
液槽へと繋がる管路を経て原液槽へと送られる。原液槽
は徐々に清澄になる。
【0033】次に逆洗について説明する。濾過運転で濾
過されない非濾過物が徐々に膜面に堆積し濾過速度が徐
々に減少する。濾過速度を回復するために膜の濾液側か
ら、濾過とは逆の方向に流体を流し膜面に堆積した非濾
過物を膜面から剥がす。逆洗に使用する流体は清浄なも
のであれば任意に選択できる。原液の液成分組成を大き
く変動させないためには清澄になりつつある原液槽中の
原液を用いることが望ましい。
【0034】逆洗用流体はポンプを介して濾過容器の他
方の空間に導かれる。逆洗用流体は膜を通過して膜面に
堆積した非濾過物を剥がす。剥がされた非濾過物を含む
液体(逆洗液)は濾過容器の一方の空間に備えられた非
濾過液出口を経て滞留空間に送られる。
【0035】滞留空間に逆洗液が流入すると滞留空間内
の液体レベルが押し上げられセンサが液面を検知し通気
孔を開く。空気層の容量は逆洗液の容量以上に設定され
ているので逆洗液の全量はこの空気層を置換して滞留空
間に収納される。このため逆洗液は原液槽と滞留空間と
を繋ぐ管路を経由し原液槽に混入することはない。
【0036】滞留槽にある通気孔の位置は原液槽からの
原液入り口より下方に設置することにより設定された逆
洗液以上の量が使われた場合にも逆洗液は原液入り口に
まで達することは防がれるため望ましい。
【0037】このような逆洗を複数回繰り返した後逆洗
液中の非濾過成分濃度が高くなった場合にはじめて逆洗
液は系外に排出される。
【0038】逆洗液の系外への排出を少なくするために
非濾過成分を補足するフィルタを濾過容器の一方の空間
から非濾過液体を輸送する管路に設けることにより膜の
濾過性能の低下を少なくすることができるため、逆洗回
数が少なくなりしたがって系外への逆洗液の排出量を少
なくできる。同様に原液槽から滞留槽または滞留槽から
濾過体を繋ぐ管路にフィルタを設置することも有効であ
る。
【0039】フィルタは無機質あるいは有機質の繊維か
らなる不織布やフィルタ、あるいは無機質あるいは有機
質の微細粉の焼結体、多孔質濾過膜などが浮遊物を捕捉
する目的で任意に選択できる。
【0040】フィルタの設置場所は特に限定はないが、
なるべく濾過時の濾過容器の一方の空間の濃縮液出口付
近が逆洗時の非濾過物を補足するのに好ましい。フィル
タに補足された浮遊物を取り除くためフィルタ交換を適
時行える構造をつけてもよい。
【0041】また、新しい膜で濾過を開始する初期ある
いは逆洗後に再び濾過を開始する時に、濾過対象液に濾
過助剤(プリコート剤)を添加することができる。
【0042】すなわち、濾過対象液に濾過助剤(プリコ
ート剤)を加えることにより濾過対象液中に存在する、
膜の内部で補足されるような細かい粒子が凝集して大き
い粒子となり、膜表面でこの大きい粒子が補足されケ−
ク層を形成する。
【0043】いったん形成されたケーク層は緻密である
ために、その後の濾過助剤を添加しない濾過対象液が膜
に供給された場合に、細かい粒子でもケーク層に補足さ
れ、膜内部に細かい粒子が入り込みにくくなる。
【0044】逆洗時には、ケ−ク層が剥がされ膜の再生
が行われる。膜内部に細かい粒子が入り込むことが少な
いから逆洗が早く済み、結果として発生する逆洗液量は
少なくなる。
【0045】濾過助剤(プリコート剤)としては、けい
そう土、パーライト、セルロースやアスベストの短繊維
等任意の濾過助剤(プリコート剤)が使用しうる。
【0046】特に膜として限外濾過膜のような目の細か
い濾過膜を使用する場合には、濾過助剤は比較的細かい
粒子のものが使用可能であり、比較的細かい粒子のプリ
コート層であれば、密なプリコート層となりプリコート
層が薄くとも高精度の濾過ができるので良い。
【0047】また、非濾過成分を分離し得る分離装置と
して、油水分離用コアレッサフィルタ−装置を用いる場
合には油滴または油滴を含むエマルションはコアレッサ
フィルタ−を通過することにより油滴同志が合一して大
きく成長し、成長した油滴は上部に浮上し油と水の分離
が行える。コアレッサフィルタ−により水中の油分を少
なくできるので膜への油分の付着が少なくなりその結果
膜の水透過性能の低下する早さは遅くなりひいては膜透
過性能回復のための逆洗回数や逆洗量を減少でき廃液量
を少なくできる。
【0048】コアレッサフィルタ−装置としては例えば
旭化成工業株式会社製の油水分離装置の商品名ユ−テッ
クとして市販されているものを使用することができる。
【0049】その構造としては図6に示すようにフィル
タ−(44)をハウジング(45)内に設置した形を基
本としており、油を含んだ水はフィルタ−内に供給され
フィルタ−を通過される際に油滴は合一されて大きくな
り水と共にフィルタ−とハウジング間の空間に押し出さ
れる。空間では上部の油層(48)下部の水層(47)
に分離される。上部の油層は管(51)を通して外部に
排出可能であり下部の水層は水排出口(53)から第2
の管路(21)へと導かれる。
【0050】使用時間とともに水中の油分が少しづつコ
アレッサフィルタ−に付着堆積するので徐々にフィルタ
−の目詰まりが生じそのためフィルタ−を通過する流量
が抑えられるという欠点がある。特に一時運転を中止し
た後での運転再開時のように系が冷えている場合には、
フィルタ−に付着している油の粘度が高くなっているこ
とから液の通過を妨げ場合によっては液の流れが無くな
りコアレッサフィルタ−の役目をなさなくなり、膜面へ
の油分の付着が増加することになる。
【0051】このような不具合を解決するためにあらか
じめコアレッサフィルタ−に孔を設けておきフィルタ−
に目詰まりを生じた場合においても上記孔を通して液の
流れが確保できるようにする。孔の大きさは特に限定す
るものではないがコアレッサフィルタ−の孔径より大き
いものであればよい。通常コアレッサフィルタ−の孔径
は1ミクロンから50ミクロンであることから、孔径は
それ以上好ましくは100ミクロン以上がよい。また孔
を通して流れる液量は孔のないフィルタ−の初期流量の
略10%以内で好ましくは2〜10%となるように設定
するのがよい。
【0052】2%より小さいと孔からの流量が少なすぎ
るためフィルタ−が目詰まりした場合には孔を通しての
実質的に有効な流量が得られない。また10%より大き
い場合にはフィルタ−を透過する流量が少なくなるため
有効に油分の合一が生じないためコアレッサ性能が減じ
ることになる。
【0053】孔の形状は特に限定するものではない。球
状、楕円状、矩形状、等いずれの形状でもよい。また数
についても特に限定されるものではない。
【0054】コアレッサフィルタ−の設置場所として
は、特に限定するものではなく前記原液タンクと前記多
孔質膜との間であって、濾過対象液が存在する任意の位
置に設置できる。またコアレッサフィルタ−は油滴の合
一を行う関係上、処理対象液をゆっくりと通過させるの
がよい。逆に多孔質分離膜を用いるクロスフロ−式の膜
分離の場合には膜面への油分の堆積を防ぐには流速を早
めた方がよい。そのためコアレッサフィルタ−と濾過容
器とを直列に配置する場合にはコアレッサフィルタ−装
置にバイパスを付加して処理対象液の一部を通過させな
い配置とすることもできる。図5において第1の管路内
あるいは第2の管路内、あるいは第1の管路と第2の管
路とを連結する管路内に設けることにより、濾過対象液
中の油分の除去には好都合である。
【0055】水中の油分等の例としては例えば研磨油、
プレス油、切削油などの油分や一般の石油系や炭化水素
系物質などがあげられる。
【0056】
【実施例】次に実施例について述べる。
【0057】
【実施例1】図1は実施例1を模式的に示したものであ
る。図3は実施例1の滞留槽の液面レベルを通常濾過運
転時(図3a)、逆洗終了時(図3b)、濾過運転再開
時(図3c)を模式的に示したものである。
【0058】1は原液タンク、3は濾過容器、7は滞留
槽、11は膜、2と15はポンプである。6は空気層、
14は濾過される液体、8は液面レベルセンサ、9は通
気孔、17は絞り弁、16、18、19、24は開閉バ
ルブである。20はポンプ2が存在する第1の管路、2
1は第2の管路、22は第3の管路である。
【0059】原液タンク(1)内の原液はポンプ(2)
を作動させることにより通気孔(9)を閉じた密閉滞留
空間(7)を通じ濾過容器(3)へと導く。バルブ(1
7)を絞ることにより濾過容器の一方の空間(13)に
圧力を発生させることで膜(11)を通して原液の一部
を濾過する。濾過し切れなかった原液は管路(21)を
通り管路(20)へ合流し新たな原液とともにポンプ
(2)により空間(13)に帰還する。
【0060】濾過された濾液は濾過容器の他方の空間
(12)に生じ管路(22)を通じて原液タンク(1)
に戻され原液タンク内の液体は徐々に清澄になる。
【0061】運転時間に伴い原液中に含まれている膜を
通過しない成分は膜面上に徐々に堆積する。
【0062】堆積した非濾過成分はポンプ(15)を介
して膜裏面に送られた原液で剥がされる。バルブ(1
9)を閉じ、弁(17)を開き非濾過成分を含んだ逆洗
液は滞留空間(7)にはいる。この時センサが液面上昇
を検知し通気孔のバルブ(16)を開く。逆洗液は空気
層(6)を置換して全量滞留槽に収納される。
【0063】ついで濾過を再開する。ポンプ(15)を
止め、バルブ(18、19)を開けバルブ(24)を閉
じ、17の弁を絞り、ポンプ(2)を作動させる。滞留
槽内の液面が下がって一定レベルになると通気孔のバル
ブ(16)が閉じる。原液はポンプ(2)によって吸引
され濾過体に送られ通常濾過状態に戻る。
【0064】
【実施例2】実施例2を図2に示す。図2はフィルタ
(25)が循環路(21)に設けられたものの他は、実
施例1に示した装置と略同じである。
【0065】
【実施例3】実施例3を図4に示す。図4は通常フィル
タ(液体サイクロン等)(33)をポンプ(2)の下流
側に設けていることおよび濾過助剤投入装置(36)を
備えていること以外は図1に示す実施例1と基本的に同
様の構成をなすものである。
【0066】33で示す通常フィルタ(液体サイクロン
等)には流量制御弁(30)を通して処理対象液が送り
込まれ、対象液中に存在する比較的大きな非濾過成分等
を分離して外部に取り出すことにより膜の目詰まりを少
なくする機能を有する。フィルタ(液体サイクロン等)
(33)を通過した処理対象液は管路(32)を経て管
路(20)へと送られ、濾過容器(3)からの非濾過成
分とともに再びポンプ(2)で濾過容器やフィルタへと
循環される。
【0067】濾過助剤投入装置(36)は濾過助剤容器
(35)とポンプ(34)と管路(38)とを有する。
管路(38)は管路(20)に接続され濾過助剤を管路
(20)にある濾過対象液に添加できる。
【0068】
【実施例4】実施例4を図5、図6に示す。図5はコア
レッサフィルタ−装置(43)をポンプ(2)の下流側
に設けていること以外は図1に示す実施例1と基本的に
同様の構成を成すものである。図6は図5のコアレッサ
フィルタ−装置を模式的に現した拡大図である。
【0069】コアレッサフィルタ−装置(たとえば旭化
成工業株式会社の商品名ユ−テックなど)には流量制御
弁(30)を通して処理対象液が送り込まれ、対象液中
に存在する油分など水と相溶性の少ない成分はフィルタ
−を通過する際に合一して大きくなりハウジング(4
5)内で浮上し油層(48)を形成する。形成された油
層はバルブ(51)を通して管(52)より系外に排出
される。ハウジング内の水層(47)は管(53)を通
して第3の管路(32)で第2の管路(21)へと導入
される。
【0070】濾過容器(3)に通ずるバルブ(19)と
コアレッサフィルタ−装置(43)に通ずるバルブ(3
0)を調節することにより、濾過容器およびコアレッサ
フィルタ−装置を同時に運転する際のそれぞれ濾過容器
およびコアレッサフィルタ−装置の最適の運転条件とな
るような濾過対象液の流量を設定することができる。
【0071】コアレッサフィルタ−またはコアレッサフ
ィルタ−接続管部には孔(49、50)を設けてもよ
い。孔はフィルタ−または接続端部のどちらか一方だけ
に設けてもよい。処理対象液の一部はこの孔を通過でき
る。このためたとえコアレッサフィルタ−がその運転時
間とともに油で汚染されてもはや液が通過できなくなっ
たとしても、この孔を通して液が通過できるためにフィ
ルタ−がせき止められて液が流れなくなることはない。
なお。孔の液通過量が、孔のないフィルタ−の初期液透
過量の10%以内であれば、コアレッサ機能が大きく損
なわれること無く油分の分離が可能である。
【発明の効果】本発明の膜濾過装置によれば、滞留槽に
液面レベルセンサと液面レベルを検知して開閉できる滞
留槽上部の通気孔を設け、滞留槽内に逆洗液以上の容量
の空気層を設けることにより、膜の洗浄を行う逆洗時に
は滞留空間の下方部に設置されている管路より逆洗液が
滞留空間に入るのに伴い液面レベルが上昇し液面センサ
が作動して通気孔のバルブが開き空気層が通気孔を通し
て外部に通じて逃げるために逆洗液全量が滞留空間に収
納され、膜面の堆積物を含む逆洗液が滞留槽と原液槽を
連結する管路を通して原液タンクにまで逆流して原液槽
内原液を汚染することがなく効率よく廃液の濃縮ができ
る。また、濾過運転開始時の初期に、配管内の濾過対象
液に濾過助剤を添加することにより、濾過対象液中の微
細な固形分は凝集されて大きな固形物となり、膜の表面
に滞積してケーク層を形成し、このケーキ層がさらに濾
過対象液中の細かい粒子を補足するため膜内部に細かい
粒子が入り込みにくくなるので、逆洗がしやすく逆洗液
量が少なくなり、結果として滞流空間の容量が小さくで
きる。また、本装置には濾過対象液中の膜非濾過成分を
濃縮して系外に排出できるフィルタ−、液体サイクロン
あるいはコアレッサフィルタ−等の各装置を設置するこ
とにより、濾過容器内にある膜の汚染すなわち液透過速
度の減少がおさえられる。そのため、膜の透過速度回復
のための逆洗回数や逆洗時間が少なくできることによる
廃液量の減少を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1を示すフロ−図である。
【図2】実施例2を示すフロ−図である。
【図3】実施例2の動作説明図である。(a)は通常の
濾過運転時、(b)は逆洗終了時、(c)は逆洗終了か
ら濾過運転に戻る時の、滞留槽内の液体レベルをそれぞ
れ示す。
【図4】実施例3を示すフロ−図である。
【図5】実施例4を示すフロ−図である。
【図6】コアレッサフィルタ−装置を示す拡大図であ
る。
【図7】滞留槽のない従来技術を示すフロ−図である。
【図8】滞留槽のある従来技術を示すフロ−図である。
【符号の説明】
1 原液タンク 43 コアレッサフ
ィルタ−装置 2 ポンプ 44 コアレッサフ
ィルタ− 3 濾過容器 45 ハウジング 5 廃液取出管路 48 油層 6 空気層 49、50 孔 7 滞留槽 8 液面センサ 101 原液タンク 9 通気孔 102 ポンプ 20 第1の管路 103 濾過容器 21 第2の管路 105 廃液取り出
し通路 25 フィルタ 102 ポンプ 33 フィルタ 103 濾過容器 36 濾過助剤投入装置 105 廃液取り出
し通路
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 61/00 - 71/82 C02F 1/44 A47K 3/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質分離膜(11)によって2つの空
    間に分けた濾過容器(3)と、前記容器(3)の一方の
    空間(13)に原液タンク(1)より原液を供給するた
    めのポンプ(2)が存在する第1の管路(20)と、一
    端が一方の空間(13)内に存在する非濾過液を循環す
    るための前記ポンプ(2)よりも原液タンク(1)側で
    前記第1の管路(20)と連結すると共に他端が前記一
    方の空間(13)に連結している第2の管路(21)
    と、前記容器(3)の他方の空間(12)に排出された
    濾液を前記原液タンク(1)へ戻す第3の管路(22)
    と、前記第1の管路(20)または前記第2の管路(2
    1)の少なくともいずれかに設けられた前記多孔質分離
    膜(11)の逆洗時の逆洗液を収納できる滞留槽(7)
    を備えた膜濾過装置において、 前記滞留槽(7)に液面センサ(8)および該液面セン
    サ(8)により開閉される通気孔(9)を設け、通常の
    運転状態では前記滞留槽(7)内に一定量の空気層
    (6)が存在して前記通気孔(9)が閉じられた状態が
    維持され、逆洗時には前記通気孔(9)が開き逆洗液が
    前記空気層(6)と置換される様になしたことを特徴と
    する膜濾過装置。
  2. 【請求項2】 前記容器の前記第1の管路(20)ある
    いは原液タンク(1)に濾過助剤を注入する手段(3
    6)を備えることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の膜濾過装置。
  3. 【請求項3】 多孔質分離膜(11)によって2つの空
    間に分けた濾過容器(3)と、前記容器(3)の一方の
    空間(13)に原液タンク(1)より原液を供給するた
    めのポンプ(2)が存在する第1の管路(20)と、前
    記一方の空間(13)内に存在する非濾過液を循環する
    ための前記ポンプ(2)よりも原液タンク(1)側で前
    記第1の管路(20)と連結する第2の管路(21)
    と、前記容器(3)の他方の空間(12)に排出された
    濾液を前記原液タンク(1)へ戻す第3の管路(22)
    とを備えた膜濾過装置において、 前記原液タンク(1)と前記多孔質分離膜(11)との
    間の任意の位置にコアレッサフィルタ−(43)を設け
    たことを特徴とする膜濾過装置。
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