JPH0820563A - 1−アミノアントラキノン類の製造方法 - Google Patents
1−アミノアントラキノン類の製造方法Info
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- JPH0820563A JPH0820563A JP15605394A JP15605394A JPH0820563A JP H0820563 A JPH0820563 A JP H0820563A JP 15605394 A JP15605394 A JP 15605394A JP 15605394 A JP15605394 A JP 15605394A JP H0820563 A JPH0820563 A JP H0820563A
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Abstract
する。 【構成】 N−フェニルフタルイミド系化合物を、超強
酸の存在下で加熱して転位させることにより、式(I)
の1−アミノアントラキノン類を得る。 式中、X1 、X2 、X3 はそれぞれ、水素、ハロゲン、
C1-4 のアルキルまたはC1-4 のアルコキシを表し、n
は0〜4の整数で、Yの個数を表し、nが1〜4のと
き、Yはハロゲン、C1-4 のアルキル、C1-4 のアルコ
キシ、水酸基、カルボキシル、スルホまたはニトロを表
し、nが2〜4のとき、複数個のYは互いに異なっても
よい。 【効果】 無水フタル酸またはその核置換体とアニリン
またはその核置換体とから得られるN−フェニルフタル
イミド系化合物を原料として、1工程で1−アミノアン
トラキノン類を得ることができる。
Description
中間体として有用である1−アミノアントラキノン類の
製造方法に関するものである。さらに詳しくは、一般式
(I)
立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4個の低級
アルキル基または炭素数1〜4個の低級アルコキシ基を
表し、nは0〜4の整数であって、Yの個数を表し、n
が1〜4のとき、Yはハロゲン原子、炭素数1〜4個の
低級アルキル基、炭素数1〜4個の低級アルコキシ基、
水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基またはニトロ基
を表し、nが2〜4のとき、複数個のYは互いに同一で
あっても異なっていてもよい)で示される1−アミノア
ントラキノン類を効率的に製造する方法に向けられてい
る。
として、従来から次のものが知られている。 (1) アントラキノンをスルホン化して得られるアントラ
キノンスルホン酸をアミノ化する方法。 (2) アントラキノンをニトロ化して得られるニトロアン
トラキノンを還元する方法。 (3) 2−(2′−アミノベンゾイル)安息香酸またはそ
の核置換体を、硫酸のような鉱酸の存在下で閉環する方
法(特開昭 49-45050 号公報)。
知の方法は、以下に述べるように、必ずしも満足のいく
ものではなかった。すなわち、 (1)の方法はスルホン化
に水銀化合物を使用する必要があるので、環境保全上問
題がある。また (1)および(2) の方法とも数段階の工程
を経る必要があり、さらに (3)の方法に至っては、原料
となる2−(2′−アミノベンゾイル)安息香酸または
その核置換体を合成するために多段階の工程が必要であ
ることから、いずれも工業的に実施するにあたって、有
利な方法とはいえない。
ノアントラキノン類をより効率的に製造すべく鋭意研究
した結果、無水フタル酸またはその核置換体とアニリン
またはその核置換体とから容易に得られるN−フェニル
フタルイミド系化合物を、特定の酸の存在下で処理する
ことにより、転位反応が進行し、1工程で1−アミノア
ントラキノン類が得られることを見出し、本発明を完成
した。
式(II)
前記の意味を表す)で示されるN−フェニルフタルイミ
ド系化合物を、超強酸の存在下で転位させることによ
り、前記一般式(I)で示される1−アミノアントラキ
ノン類を製造する方法を提供するものである。
N−フェニルフタルイミド系化合物として、具体的には
例えば次のようなものが挙げられる。
−、3′−または4′−クロロフェニル)フタルイミ
ド、N−(2′,3′−、2′,4′−または3′,
4′−ジクロロフェニル)フタルイミド、N−(2′
−、3′−または4′−ブロモフェニル)フタルイミ
ド、N−(2′,4′−ジブロモフェニル)フタルイミ
ド、N−(o−、m−またはp−トリル)フタルイミ
ド、N−(2′,3′−、2′,4′−または3′,
4′−キシリル)フタルイミド、N−(2′−、3′−
または4′−メトキシフェニル)フタルイミド、N−
(2′,4′−または3′,4′−ジメトキシフェニ
ル)フタルイミド、4−クロロ−N−フェニルフタルイ
ミド、4,5−ジクロロ−N−フェニルフタルイミド、
3−または4−メチル−N−フェニルフタルイミド、3
−ヒドロキシ−N−フェニルフタルイミド、3−または
4−ニトロ−N−フェニルフタルイミドなど。
タルイミド系化合物は、入手が容易で安価な無水フタル
酸またはその核置換体とアニリンまたはその核置換体と
を、脱水縮合させるなどの公知の方法によって容易に合
成することができる。
物を用いた場合は、一般式(I)の1−アミノアントラ
キノン類として異なる2種の化合物のいずれか、または
両者の混合物が生成する可能性がある。すなわち、原料
のN−フェニルフタルイミド系化合物として、次の一般
式(IIa)
味を表し、Y1、Y2、Y3 およびY4は互いに独立に、
水素原子または、先にYとして定義した原子もしくは基
を表すが、Y1 、Y2 、Y3 およびY4 の少なくとも一
つは水素以外である)で示される化合物を用いた場合、
次の一般式(Ia)もしくは(Ib)
Y3 およびY4 は前記の意味を表す)で示される1−ア
ミノアントラキノン類のいずれか、または両者の混合物
となる可能性がある。
条件を適宜調節することにより、適切に選択できる。も
ちろん、前記一般式(IIa) において、例えばY1 とY4
が同じで、かつY2 とY3 が同じである化合物を用いれ
ば、目的とする一般式(I)の1−アミノアントラキノ
ン類はただ1種となる。
フタルイミド系化合物を、超強酸の存在下で処理して転
位させる。ここで用いる超強酸とは、100%硫酸より
強い酸強度を有する酸として定義される(田部浩三、野
依良治共著:「超強酸・超強塩基」(1980)、講談社)。
例えば、トリフルオロメタンスルホン酸、五フッ化アン
チモン、五フッ化ヒ素、五フッ化タンタル、五フッ化ニ
オブなど、あるいはそれらのいずれかとフッ化水素やフ
ルオロ硫酸との混合物が挙げられ、さらには、これらの
いずれかの酸または、塩化アルミニウム、臭化アルミニ
ウム、三フッ化ホウ素のようなルイス酸を、シリカ、ア
ルミナ、チタニア、ジルコニア、五酸化ニオブなど、あ
るいはこれら2種以上の混合物に担持させた形態のもの
であってもよい。これらの超強酸は、通常それぞれ単独
で用いることによって十分な効果を発揮するが、もちろ
ん2種以上の混合物の形でも使用できる。これらの超強
酸のなかでも、トリフルオロメタンスルホン酸が好まし
い。
N−フェニルフタルイミド系化合物に対し、通常約1〜
600重量倍の範囲で用いられ、多く用いるほど反応に
は有利であるが、あまり多くても回収の手間が大きくな
るので、好ましくは約10〜150重量倍、さらに好ま
しくは約20〜100重量倍の範囲で使用される。
下、好ましくは100〜250℃の温度範囲、さらに好
ましくは150〜220℃の温度範囲で行われる。この
反応は通常、大気圧下で進行するが、加圧下で行うこと
もできる。またこの反応は、水分による超強酸の酸強度
の低下を防ぐために、窒素雰囲気など、不活性な雰囲気
下で行うのが望ましい。
−フェニルフタルイミド系化合物を仕込み、そこへ上記
の超強酸を加え、所定温度に加熱して数分ないし数時間
行われる。反応によって得られる混合物は、常法に従い
後処理に付される。通常は、水を加えたあとにアルカリ
で中和し、沈殿生成物を濾過することにより、目的物を
得ることができる。こうして得られる生成物は、必要に
応じて再結晶などの精製を行い、次段階の使用に供され
る。
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。例中の%は、特にことわらないかぎ
り重量基準である。反応率は、原料のN−フェニルフタ
ルイミド系化合物の転化率で表示し、収率は、得られた
1−アミノアントラキノン類の純度換算値で表示した。
また反応生成物の分析は、液体クロマトグラフィーによ
り行った。
ンスルホン酸28.0gを加え、220℃で2時間反応さ
せた。反応終了後、反応溶液に水を加え、アセトニトリ
ルで希釈し、得られた溶液を分析したところ、1−アミ
ノアントラキノンが13.55mg生成していた。 反応率
は99.7%、反応収率は27.1%であった。
スルホン酸14.0gを加え、200℃で2時間反応させ
た。反応終了後、反応溶液に水25gを加え、10%水
酸化ナトリウム水溶液で中和し、沈殿生成物を濾過、洗
浄、乾燥して、1−アミノアントラキノンを得た。 反
応率は100%、収率は19.4%であった。
容易で安価な無水フタル酸またはその核置換体とアニリ
ンまたはその核置換体とから容易に製造されるN−フェ
ニルフタルイミド系化合物を原料として、1−アミノア
ントラキノン類を1工程で製造することができる。ま
た、反応に水銀系の触媒を用いないので、環境へ悪影響
を与える懸念もない。
Claims (5)
- 【請求項1】一般式(II) (式中、X1 、X2 およびX3 は互いに独立に、水素原
子、ハロゲン原子、炭素数1〜4個の低級アルキル基ま
たは炭素数1〜4個の低級アルコキシ基を表し、nは0
〜4の整数であって、Yの個数を表し、nが1〜4のと
き、Yはハロゲン原子、炭素数1〜4個の低級アルキル
基、炭素数1〜4個の低級アルコキシ基、水酸基、カル
ボキシル基、スルホン酸基またはニトロ基を表し、nが
2〜4のとき、複数個のYは互いに同一であっても異な
っていてもよい)で示されるN−フェニルフタルイミド
系化合物を、超強酸の存在下で転位させることを特徴と
する一般式(I) (式中、X1 、X2 、X3 、nおよびYは前記の意味を
表す)で示される1−アミノアントラキノン類の製造方
法。 - 【請求項2】式(II)のN−フェニルフタルイミド系化
合物に対して超強酸を1〜600重量倍存在させる請求
項1記載の方法。 - 【請求項3】超強酸がトリフルオロメタンスルホン酸で
ある請求項1または2記載の方法。 - 【請求項4】N−フェニルフタルイミドを転位させて1
−アミノアントラキノンを製造する請求項1〜3のいず
れかに記載の方法。 - 【請求項5】転位反応を100〜250℃の温度で行う
請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15605394A JP3508214B2 (ja) | 1994-07-07 | 1994-07-07 | 1−アミノアントラキノン類の製造方法 |
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JP15605394A JP3508214B2 (ja) | 1994-07-07 | 1994-07-07 | 1−アミノアントラキノン類の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0820563A true JPH0820563A (ja) | 1996-01-23 |
JP3508214B2 JP3508214B2 (ja) | 2004-03-22 |
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---|---|---|---|
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JP (1) | JP3508214B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103497116A (zh) * | 2013-09-26 | 2014-01-08 | 江苏亚邦染料股份有限公司 | 1-氨基蒽醌的合成方法 |
WO2018003989A1 (ja) | 2016-06-30 | 2018-01-04 | 凸版印刷株式会社 | 表示体、および表示体を備えた物品 |
-
1994
- 1994-07-07 JP JP15605394A patent/JP3508214B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2018003989A1 (ja) | 2016-06-30 | 2018-01-04 | 凸版印刷株式会社 | 表示体、および表示体を備えた物品 |
EP3750716A1 (en) | 2016-06-30 | 2020-12-16 | Toppan Printing Co., Ltd. | Display body and article provided with display body |
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