JPH0820169A - 熱転写記録用画像受容シート - Google Patents
熱転写記録用画像受容シートInfo
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- JPH0820169A JPH0820169A JP6176192A JP17619294A JPH0820169A JP H0820169 A JPH0820169 A JP H0820169A JP 6176192 A JP6176192 A JP 6176192A JP 17619294 A JP17619294 A JP 17619294A JP H0820169 A JPH0820169 A JP H0820169A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 白色無機微細粉末を含有する融点が145〜
180℃のプロピレン系樹脂フィルムの延伸物よりなる
肉厚が30〜250μmの微多孔性合成紙を基層(A)
とし、この表面に、融点が95〜130℃、融解エネル
ギーが50〜170ジュール/g、肉厚が3〜20μm
のエチレン系樹脂フィルムよりなる中間層(B)を設
け、更にこの中間層(B)の表面に画像受容層(C)が
設けられた熱転写記録用画像受容シート。 【効果】 本発明の熱転写記録用画像受容シートは、印
字後のカール防止性に優れ、高い光沢の画像が得られ
る。
180℃のプロピレン系樹脂フィルムの延伸物よりなる
肉厚が30〜250μmの微多孔性合成紙を基層(A)
とし、この表面に、融点が95〜130℃、融解エネル
ギーが50〜170ジュール/g、肉厚が3〜20μm
のエチレン系樹脂フィルムよりなる中間層(B)を設
け、更にこの中間層(B)の表面に画像受容層(C)が
設けられた熱転写記録用画像受容シート。 【効果】 本発明の熱転写記録用画像受容シートは、印
字後のカール防止性に優れ、高い光沢の画像が得られ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、熱転写記録用
画像受容シート、特にサーマルヘッド等の電機信号によ
り文字や画像を受容体上に形成するビデオプリンター等
に用い、カラーコピーに用いられる熱転写画像受容シー
トに関するものである。本発明の熱転写記録用画像受容
シートを用いて感熱転写された複写物は、高光沢で、色
調の優れた鮮やかな画像を有し、かつ、カールが小さい
ものである。
画像受容シート、特にサーマルヘッド等の電機信号によ
り文字や画像を受容体上に形成するビデオプリンター等
に用い、カラーコピーに用いられる熱転写画像受容シー
トに関するものである。本発明の熱転写記録用画像受容
シートを用いて感熱転写された複写物は、高光沢で、色
調の優れた鮮やかな画像を有し、かつ、カールが小さい
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、昇華性又は気化性染料を含有する
転写層を有する転写シートと、画像受容シートとを重ね
合わせ、転写シートを加熱して、転写層に含まれる染料
を昇華又は気化させて画像受容シートに染着させ、画像
受容シート上に染料画像を形成させる熱転写方法は知ら
れている。
転写層を有する転写シートと、画像受容シートとを重ね
合わせ、転写シートを加熱して、転写層に含まれる染料
を昇華又は気化させて画像受容シートに染着させ、画像
受容シート上に染料画像を形成させる熱転写方法は知ら
れている。
【0003】具体的には、サーマルヘッド等の電機信号
により制御される熱源を用いた転写型感熱記録方式で
は、図1のように色材層11と基体12を有する転写体
1(インキリボン)と、画像受容層22と支持体21を
有する画像受容シート2をドラム3と熱源(ヘッド)4
の間に狭着させて、電機信号に応じて層11の色材を画
像受容層22上に転写することによりカラーコピーを得
ている。
により制御される熱源を用いた転写型感熱記録方式で
は、図1のように色材層11と基体12を有する転写体
1(インキリボン)と、画像受容層22と支持体21を
有する画像受容シート2をドラム3と熱源(ヘッド)4
の間に狭着させて、電機信号に応じて層11の色材を画
像受容層22上に転写することによりカラーコピーを得
ている。
【0004】画像受容層22は、用いる色材の内容によ
り異なり、顔料を含む熱溶融型色材の場合には、支持体
21そのものを用いてよく、昇華性塩基性染料型色材の
場合には活性白土(活性クレー)層を、昇華性分散染料
型色材の場合にはポリエステル等の高分子材料コート層
等からなっている。従来の画像受容体シートでは支持体
の厚みむら、又は表面凹凸のため画像受容層22の表面
は、5〜15μmの凹凸があり、又、1mm当り10〜
20μmのうねりがあった。この凹凸又はうねりは、ス
ーパーカレンダーによる表面処理においても多少の改善
がなされるだけで限界があった。このため、色材層11
から転写される色材は、画像受容層22の表面凹凸が3
〜5μm以上又はうねりが1mm当り10μm以上では
熱溶融色材は勿論、昇華性色材でも画像信号に応じて正
確に転写されず、画像のドット抜け、ドット欠け等の画
像品質の乱れを生じ、中間調にザラツキ感を与えていた
(特開昭59−214696号公報)。
り異なり、顔料を含む熱溶融型色材の場合には、支持体
21そのものを用いてよく、昇華性塩基性染料型色材の
場合には活性白土(活性クレー)層を、昇華性分散染料
型色材の場合にはポリエステル等の高分子材料コート層
等からなっている。従来の画像受容体シートでは支持体
の厚みむら、又は表面凹凸のため画像受容層22の表面
は、5〜15μmの凹凸があり、又、1mm当り10〜
20μmのうねりがあった。この凹凸又はうねりは、ス
ーパーカレンダーによる表面処理においても多少の改善
がなされるだけで限界があった。このため、色材層11
から転写される色材は、画像受容層22の表面凹凸が3
〜5μm以上又はうねりが1mm当り10μm以上では
熱溶融色材は勿論、昇華性色材でも画像信号に応じて正
確に転写されず、画像のドット抜け、ドット欠け等の画
像品質の乱れを生じ、中間調にザラツキ感を与えていた
(特開昭59−214696号公報)。
【0005】かかる欠点を改良したものとして、支持体
として、表面平滑性の優れる無機微細粉末を40〜50
重量%含有する微多孔性のプロピレン系樹脂の延伸フィ
ルムよりなる合成紙、またはこの合成紙の表面に白色度
及び染着性を高めるため、シリカや炭酸カルシウム等の
無機化合物をバインダーと共に表面に塗布した塗工合成
紙を用い、この表面に画像受容層を設けた熱転写記録用
画像受容シートが用いられている(特開昭60−245
593号、同61−112693号各公報)。この画像
受容シートは、熱転写された受容シートのアフターユー
ス(複写、鉛筆筆記性、保存性等)、耐水性の面で優れ
ている。
として、表面平滑性の優れる無機微細粉末を40〜50
重量%含有する微多孔性のプロピレン系樹脂の延伸フィ
ルムよりなる合成紙、またはこの合成紙の表面に白色度
及び染着性を高めるため、シリカや炭酸カルシウム等の
無機化合物をバインダーと共に表面に塗布した塗工合成
紙を用い、この表面に画像受容層を設けた熱転写記録用
画像受容シートが用いられている(特開昭60−245
593号、同61−112693号各公報)。この画像
受容シートは、熱転写された受容シートのアフターユー
ス(複写、鉛筆筆記性、保存性等)、耐水性の面で優れ
ている。
【0006】このプロピレン系樹脂合成紙は、ソフト感
を出し、印字ヘッドとの密着性を良好とするため、素材
のポリプロピレンの融点よりも低い温度でフィルムを延
伸して内部にマイクロボイド(微細な孔)を多数形成さ
せている。これら合成紙を支持体とした熱転写記録用画
像受容シートは鮮明な画像を与えるので好評である。し
かし、印字ヘッドの熱(200〜230℃)が支持体の
合成紙に伝わるため印字された画像受容シートにカール
が生じる欠点がある。
を出し、印字ヘッドとの密着性を良好とするため、素材
のポリプロピレンの融点よりも低い温度でフィルムを延
伸して内部にマイクロボイド(微細な孔)を多数形成さ
せている。これら合成紙を支持体とした熱転写記録用画
像受容シートは鮮明な画像を与えるので好評である。し
かし、印字ヘッドの熱(200〜230℃)が支持体の
合成紙に伝わるため印字された画像受容シートにカール
が生じる欠点がある。
【0007】かかるカール防止技術として、米国特許第
4778782号明細書には、合成紙のバッキング材と
して耐熱性の高いパルプ紙を用い、パルプ紙/合成紙/
画像受容層の構造を有する熱転写記録用画像受容シート
が提案されている。しかしながら、この構造のものはカ
ール防止効果が十分でない。特開昭63−290790
号公報には、支持体として合成紙/剛性の高いパルプ紙
または二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム/
合成紙の対称構造のものを用いた熱転写記録用画像受容
シートが提案され、実用化されている。このものは相当
なカール防止の改良があるが、ビデオプリンターの用途
において、更なるカール防止の向上が要望されている。
4778782号明細書には、合成紙のバッキング材と
して耐熱性の高いパルプ紙を用い、パルプ紙/合成紙/
画像受容層の構造を有する熱転写記録用画像受容シート
が提案されている。しかしながら、この構造のものはカ
ール防止効果が十分でない。特開昭63−290790
号公報には、支持体として合成紙/剛性の高いパルプ紙
または二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム/
合成紙の対称構造のものを用いた熱転写記録用画像受容
シートが提案され、実用化されている。このものは相当
なカール防止の改良があるが、ビデオプリンターの用途
において、更なるカール防止の向上が要望されている。
【0008】更に、特開昭63−315293号公報に
は、支持体の表面に画像受容層が設けられた熱転写記録
用画像受容シートにおいて、前記支持体として、JIS
P−8132で測定したヤング率が1〜2,000k
g/cm2 である弾性樹脂層(b)の表裏面に、無機微
細粉末を含有するポリオレフィン樹脂フィルムの延伸物
よりなる内部に微細なボイドを多数有する合成紙(a、
c)が一体に貼合された積層体を用いる熱転写記録用画
像受容シートが提案されている。このものは、カール防
止効果の改良程度は前記のものと同程度であるが、給排
紙性の面が若干劣る。
は、支持体の表面に画像受容層が設けられた熱転写記録
用画像受容シートにおいて、前記支持体として、JIS
P−8132で測定したヤング率が1〜2,000k
g/cm2 である弾性樹脂層(b)の表裏面に、無機微
細粉末を含有するポリオレフィン樹脂フィルムの延伸物
よりなる内部に微細なボイドを多数有する合成紙(a、
c)が一体に貼合された積層体を用いる熱転写記録用画
像受容シートが提案されている。このものは、カール防
止効果の改良程度は前記のものと同程度であるが、給排
紙性の面が若干劣る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、印字後のカ
ールが小さく、高光沢で鮮明な画像が得られる熱転写記
録用画像受容シートの提供を目的とする。
ールが小さく、高光沢で鮮明な画像が得られる熱転写記
録用画像受容シートの提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決する手段】本発明は、白色無機微細粉末を
含有する融点が145〜180℃のプロピレン系樹脂フ
ィルムの延伸物よりなる肉厚が30〜250μmの微多
孔性合成紙を基層(A)とし、この表面に、融点が95
〜130℃、融解エネルギーが50〜170ジュール/
g、肉厚が3〜20μmのエチレン系樹脂フィルムより
なる中間層(B)を設け、更にこの中間層(B)の表面
に画像受容層(C)が設けられた構造の熱転写記録用画
像受容シートを提供するものである。以下に、本発明を
さらに詳細に説明する。
含有する融点が145〜180℃のプロピレン系樹脂フ
ィルムの延伸物よりなる肉厚が30〜250μmの微多
孔性合成紙を基層(A)とし、この表面に、融点が95
〜130℃、融解エネルギーが50〜170ジュール/
g、肉厚が3〜20μmのエチレン系樹脂フィルムより
なる中間層(B)を設け、更にこの中間層(B)の表面
に画像受容層(C)が設けられた構造の熱転写記録用画
像受容シートを提供するものである。以下に、本発明を
さらに詳細に説明する。
【0011】(発明の概要)基層の微多孔延伸フィルム(A) 支持体の基層(A)は、白色無機微細粉末を含有するプ
ロピレン系樹脂フィルムの延伸物よりなる白色度が90
%以上の微多孔延伸フィルムである。かかる微多孔延伸
フィルムは、フィルム内部に微細なボイドを有する延伸
プロピレン系樹脂フィルムよりなる合成紙であって、そ
の不透明度(JIS P−8138)が85%以上、好
ましくは90%以上で、次式(1)で示される空孔率が
10〜60%、好ましくは15〜45%、肉厚が30〜
250μm、好ましくは50〜200μmのものであ
り、かかる微多孔性の合成紙としては、例えば次の〜
のものが挙げられる。
ロピレン系樹脂フィルムの延伸物よりなる白色度が90
%以上の微多孔延伸フィルムである。かかる微多孔延伸
フィルムは、フィルム内部に微細なボイドを有する延伸
プロピレン系樹脂フィルムよりなる合成紙であって、そ
の不透明度(JIS P−8138)が85%以上、好
ましくは90%以上で、次式(1)で示される空孔率が
10〜60%、好ましくは15〜45%、肉厚が30〜
250μm、好ましくは50〜200μmのものであ
り、かかる微多孔性の合成紙としては、例えば次の〜
のものが挙げられる。
【0012】
【数1】 空孔率(%)=[(ρ0 −ρ)/ρ0 ]×100 ……(1) ρ0 :延伸前のフィルムの密度 ρ :延伸後のフィルムの密度
【0013】 無機微細粉末又は有機充填剤を8〜6
5重量%の割合で含有する微多孔を有するプロピレン系
樹脂の二軸延伸フィルム(特公昭54−31032号公
報、米国特許第3775521号明細書、米国特許第4
191719号明細書、米国特許第4377616号明
細書、米国特許第4560614号明細書等)。 無機微細粉末を5〜40重量%含有する二軸延伸プ
ロピレン系樹脂フィルムを基材層(1a)とし、無機微
細粉末を8〜65重量%含有するプロピレン系樹脂の一
軸延伸フィルムを紙状層(1b)とする合成紙(特公昭
46−40794号、特開昭57−149363号、同
57−181829号各公報)。
5重量%の割合で含有する微多孔を有するプロピレン系
樹脂の二軸延伸フィルム(特公昭54−31032号公
報、米国特許第3775521号明細書、米国特許第4
191719号明細書、米国特許第4377616号明
細書、米国特許第4560614号明細書等)。 無機微細粉末を5〜40重量%含有する二軸延伸プ
ロピレン系樹脂フィルムを基材層(1a)とし、無機微
細粉末を8〜65重量%含有するプロピレン系樹脂の一
軸延伸フィルムを紙状層(1b)とする合成紙(特公昭
46−40794号、特開昭57−149363号、同
57−181829号各公報)。
【0014】この合成紙は、二層構造であっても、基材
層の表裏面に一軸延伸フィルムの紙状層が存在する三層
構造(特公昭46−40794号公報)であっても、紙
状層と基材層間に他の樹脂フィルム層が存在する三層〜
七層の合成紙(特公昭50−29738号公報、特開昭
57−149363号公報、同56−126155号公
報、同57−181829号公報)であっても、裏面が
プロピレン・エチレン共重合体、エチエン・(メタ)ア
クリル酸共重合体の金属塩(Na、Li、Zn、K)、
塩素化ポリエチレン等の基材層のプロピレン系樹脂より
も低融点の樹脂よりなるヒートシール層を有する三層以
上の合成紙であってもよく(特公平3−13973号公
報)、三層構造の合成紙の例としては、無機微細粉末を
5〜40重量%含有するプロピレン系樹脂フィルムを、
該樹脂の融点より低い温度で一方向に延伸して得られる
一軸方向に配向したフィルムの両面に、無機微細粉末を
8〜65重量%含有するプロピレン系樹脂の溶融フィル
ムを積層し、次いで前記方向と直角の方向にこの積層フ
ィルムを延伸することにより得られる、紙状層が一軸方
向に配向し、微細な空隙を多数有するフィルムであり、
基材層は二軸方向に配向した積層構造物がある。
層の表裏面に一軸延伸フィルムの紙状層が存在する三層
構造(特公昭46−40794号公報)であっても、紙
状層と基材層間に他の樹脂フィルム層が存在する三層〜
七層の合成紙(特公昭50−29738号公報、特開昭
57−149363号公報、同56−126155号公
報、同57−181829号公報)であっても、裏面が
プロピレン・エチレン共重合体、エチエン・(メタ)ア
クリル酸共重合体の金属塩(Na、Li、Zn、K)、
塩素化ポリエチレン等の基材層のプロピレン系樹脂より
も低融点の樹脂よりなるヒートシール層を有する三層以
上の合成紙であってもよく(特公平3−13973号公
報)、三層構造の合成紙の例としては、無機微細粉末を
5〜40重量%含有するプロピレン系樹脂フィルムを、
該樹脂の融点より低い温度で一方向に延伸して得られる
一軸方向に配向したフィルムの両面に、無機微細粉末を
8〜65重量%含有するプロピレン系樹脂の溶融フィル
ムを積層し、次いで前記方向と直角の方向にこの積層フ
ィルムを延伸することにより得られる、紙状層が一軸方
向に配向し、微細な空隙を多数有するフィルムであり、
基材層は二軸方向に配向した積層構造物がある。
【0015】 上記の合成紙の紙状層側に、更に、
無機微細粉末を含有しない肉厚0.1〜20μmの透明
なプロピレン系樹脂ラミネート層が設けられた構造の高
い光沢を有する合成紙(特公平4−60437号公報、
同1−60411号公報、特開昭61−3748号公
報)。
無機微細粉末を含有しない肉厚0.1〜20μmの透明
なプロピレン系樹脂ラミネート層が設けられた構造の高
い光沢を有する合成紙(特公平4−60437号公報、
同1−60411号公報、特開昭61−3748号公
報)。
【0016】例えば、熱可塑性樹脂の二軸延伸フィルム
を基材層(1a)とし、無機微細粉末を8〜65重量%
含有するプロピレン系樹脂の一軸延伸フィルムよりなる
表面層(1b)と裏面層(1c)を有する複層フィルム
(1’)を支持体とし、この支持体の表面層(1b)側
に無機微細粉末を含有しないプロピレン系樹脂の透明フ
ィルム層を設け、更に帯電防止機能を有するプライマー
塗布層(1d)が設けられた合成紙(特開昭61−37
48号公報)、あるいは、熱可塑性樹脂フィルムの二軸
延伸フィルムを基材層(1a)とし、この基材層の少な
くとも片面に、無機微細粉末を8〜65重量%の割合で
含有するプロピレン系樹脂の一軸延伸フィルムよりなる
紙状層(1b)と、プロピレン系樹脂フィルムの一軸延
伸フィルムよりなる表面層(1d)とのラミネート物が
備えられている合成紙であって、前記表面層(1d)の
肉厚(t)は、紙状層に存在する無機微細粉末の平均粒
径を(R)としたとき、次式(2)を満足することを特
徴とする複層樹脂フィルムよりなる合成紙(特公平1−
60411号公報)がある。
を基材層(1a)とし、無機微細粉末を8〜65重量%
含有するプロピレン系樹脂の一軸延伸フィルムよりなる
表面層(1b)と裏面層(1c)を有する複層フィルム
(1’)を支持体とし、この支持体の表面層(1b)側
に無機微細粉末を含有しないプロピレン系樹脂の透明フ
ィルム層を設け、更に帯電防止機能を有するプライマー
塗布層(1d)が設けられた合成紙(特開昭61−37
48号公報)、あるいは、熱可塑性樹脂フィルムの二軸
延伸フィルムを基材層(1a)とし、この基材層の少な
くとも片面に、無機微細粉末を8〜65重量%の割合で
含有するプロピレン系樹脂の一軸延伸フィルムよりなる
紙状層(1b)と、プロピレン系樹脂フィルムの一軸延
伸フィルムよりなる表面層(1d)とのラミネート物が
備えられている合成紙であって、前記表面層(1d)の
肉厚(t)は、紙状層に存在する無機微細粉末の平均粒
径を(R)としたとき、次式(2)を満足することを特
徴とする複層樹脂フィルムよりなる合成紙(特公平1−
60411号公報)がある。
【0017】
【数2】R≧t≧(1/10)×R ……(2) これら〜の合成紙の表裏面は、帯電防止性、接着性
を良好とするために、ポリエチレンイミン、ポリ(エチ
レンイミン−尿素)、ポリアミンポリアミドのエチレン
イミン付加物、ポリアミンポリアミドのエピクロルヒド
リン付加物、三級乃至四級窒素含有アクリル系樹脂から
なる群より選ばれた水溶性のプライマーを塗布したもの
であってもよい。
を良好とするために、ポリエチレンイミン、ポリ(エチ
レンイミン−尿素)、ポリアミンポリアミドのエチレン
イミン付加物、ポリアミンポリアミドのエピクロルヒド
リン付加物、三級乃至四級窒素含有アクリル系樹脂から
なる群より選ばれた水溶性のプライマーを塗布したもの
であってもよい。
【0018】合成紙の素材のプロピレン系樹脂として
は、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレン共重
合体、プロピレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・
エチレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・4−メチ
ルペンテン−1共重合体、プロピレン・3−メチルペン
テン−1共重合体等融点が145〜180℃のものが挙
げられる。共重合体はランダム共重合体であっても、ブ
ロック共重合体であってもよく、これらプロピレン系樹
脂に延伸性を良好とするためポリエチレン、ポリスチレ
ン、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のプロピレン系樹
脂よりも融点が低い樹脂を3〜25重量%配合してもよ
い。
は、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレン共重
合体、プロピレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・
エチレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・4−メチ
ルペンテン−1共重合体、プロピレン・3−メチルペン
テン−1共重合体等融点が145〜180℃のものが挙
げられる。共重合体はランダム共重合体であっても、ブ
ロック共重合体であってもよく、これらプロピレン系樹
脂に延伸性を良好とするためポリエチレン、ポリスチレ
ン、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のプロピレン系樹
脂よりも融点が低い樹脂を3〜25重量%配合してもよ
い。
【0019】また、白色無機微細粉末としては炭酸カル
シウム、焼成クレイ、シリカ、けいそう土、タルク、酸
化チタン、硫酸バリウム等、粒径が0.03〜16μm
のものが使用される。延伸倍率は縦、横方向とも4〜1
0倍が好ましく、延伸温度はプロピレン系樹脂の融点よ
りも3〜30℃低い温度である。基層(A)のプロピレ
ン系合成紙は、パルプ抄造紙と貼合して合成紙/パルプ
抄造紙/合成紙の積層構造としてもよい。基層(A)の
肉厚は30〜250μm、好ましくは50〜200μm
である。
シウム、焼成クレイ、シリカ、けいそう土、タルク、酸
化チタン、硫酸バリウム等、粒径が0.03〜16μm
のものが使用される。延伸倍率は縦、横方向とも4〜1
0倍が好ましく、延伸温度はプロピレン系樹脂の融点よ
りも3〜30℃低い温度である。基層(A)のプロピレ
ン系合成紙は、パルプ抄造紙と貼合して合成紙/パルプ
抄造紙/合成紙の積層構造としてもよい。基層(A)の
肉厚は30〜250μm、好ましくは50〜200μm
である。
【0020】エチレン系樹脂中間層(B) 中間層のエチレン系樹脂フィルムは、融点が95〜13
0℃、融解エネルギーが50〜170ジュール/g、肉
厚が3〜20μmのものであり、カール防止の向上と高
光沢の印字を与えるのに寄与する。ここで融点とは、示
差熱走査計を用い、試料のエチレン系樹脂粉末1〜3m
gを10℃/分の速度で150℃まで上昇させたときに
記録される示差熱走査曲線(DSC曲線)のピーク温度
(Mp)をいう。ピークがDSC曲線に複数現れるとき
は、高い方のピークの温度を言う。融解エネルギーは、
このピークに囲まれる面積の積分値である(図2参
照)。
0℃、融解エネルギーが50〜170ジュール/g、肉
厚が3〜20μmのものであり、カール防止の向上と高
光沢の印字を与えるのに寄与する。ここで融点とは、示
差熱走査計を用い、試料のエチレン系樹脂粉末1〜3m
gを10℃/分の速度で150℃まで上昇させたときに
記録される示差熱走査曲線(DSC曲線)のピーク温度
(Mp)をいう。ピークがDSC曲線に複数現れるとき
は、高い方のピークの温度を言う。融解エネルギーは、
このピークに囲まれる面積の積分値である(図2参
照)。
【0021】エチレン系樹脂の融点が95℃未満では、
印字光沢が低い。逆に130℃を越えてはカール防止の
改良効果が不十分である。又、エチレン系樹脂の融解エ
ネルギーが170ジュール/gを越えるとカール防止の
向上効果が不十分で、かつ、印字濃度が低い。好ましい
エチレン系樹脂としては、融点が102〜128℃、メ
ルトインデックス(JIS K−7210;190℃、
2.16kg荷重)が0.5〜150g/10分、密度
が0.890〜0.938g/cm3 の、高圧法低密度
ポリエチレン、エチレン・ブテン−1共重合体、エチレ
ン・ヘキセン−1共重合体、エチレン・オクテン−1共
重合体、エチレン・ブテン−1・ヘキセン−1共重合体
等の直鎖状低密度ポリエチレンが挙げられる。
印字光沢が低い。逆に130℃を越えてはカール防止の
改良効果が不十分である。又、エチレン系樹脂の融解エ
ネルギーが170ジュール/gを越えるとカール防止の
向上効果が不十分で、かつ、印字濃度が低い。好ましい
エチレン系樹脂としては、融点が102〜128℃、メ
ルトインデックス(JIS K−7210;190℃、
2.16kg荷重)が0.5〜150g/10分、密度
が0.890〜0.938g/cm3 の、高圧法低密度
ポリエチレン、エチレン・ブテン−1共重合体、エチレ
ン・ヘキセン−1共重合体、エチレン・オクテン−1共
重合体、エチレン・ブテン−1・ヘキセン−1共重合体
等の直鎖状低密度ポリエチレンが挙げられる。
【0022】この中間層のエチレン系樹脂フィルムの肉
厚は3〜20μm、好ましくは5〜15μmであり、3
μm未満ではカール防止が十分でなく、又、高い光沢の
印字が得られず、20μmを越えては印字濃度が低く、
また、階調性が悪くなる。この中間層の表面平滑度(J
IS P−8119;ベック指数)は高光沢の印刷が得
られるという面から1,000秒以上、好ましくは2,
000〜40,000秒であるのが好ましい。
厚は3〜20μm、好ましくは5〜15μmであり、3
μm未満ではカール防止が十分でなく、又、高い光沢の
印字が得られず、20μmを越えては印字濃度が低く、
また、階調性が悪くなる。この中間層の表面平滑度(J
IS P−8119;ベック指数)は高光沢の印刷が得
られるという面から1,000秒以上、好ましくは2,
000〜40,000秒であるのが好ましい。
【0023】中間層(B)は、合成紙(A)を製造する
際に、一緒に共押出し、またはラミネートし、延伸して
中間層(B)/基層の合成紙(A)の積層構造の支持体
とすることができる。この際の延伸温度は、基層の基材
樹脂のプロピレン系樹脂の融点よりは低い温度であっ
て、中間層のエチレン系樹脂の融点よりは高い温度であ
る。
際に、一緒に共押出し、またはラミネートし、延伸して
中間層(B)/基層の合成紙(A)の積層構造の支持体
とすることができる。この際の延伸温度は、基層の基材
樹脂のプロピレン系樹脂の融点よりは低い温度であっ
て、中間層のエチレン系樹脂の融点よりは高い温度であ
る。
【0024】画像受容層(C) 画像受容層(C)を形成する樹脂としては、オリゴエル
テルアクリレート樹脂、飽和ポリエステル樹脂、塩化ビ
ニル・酢酸ビニル共重合体、アクリルアルキルエステル
・スチレン共重合体、エポキシアクリレート樹脂等が利
用され、これらはトルエン、キシレン、メチルエチルケ
トン、シクロヘキサノン等の溶媒に溶解し、塗工液とし
て用いられる。
テルアクリレート樹脂、飽和ポリエステル樹脂、塩化ビ
ニル・酢酸ビニル共重合体、アクリルアルキルエステル
・スチレン共重合体、エポキシアクリレート樹脂等が利
用され、これらはトルエン、キシレン、メチルエチルケ
トン、シクロヘキサノン等の溶媒に溶解し、塗工液とし
て用いられる。
【0025】この塗工液は、耐光性を高めるために紫外
線吸収剤および/または光安定化剤を含有することがで
きる。紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2’−ヒ
ドロキシ−3,3’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−
クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−
3,5−ジ−t−アミルフェニル)−2H−ベンゾトリ
アゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル
−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ
ール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−t−ブチ
ルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒド
ロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾ
トリアゾール等が挙げられる。光安定化剤としては、例
えば、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイ
ト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエ
リスリトールジホスファイト、ジノニルフェニルペンタ
エリスリトールジホスファイト、サイクリックネオペン
タンテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、ト
リス(ノニルフェニル)ホスファイト、1−〔2−〔3
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニルオキシ〕エチル〕−4−〔3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピベリ
ジン等が挙げられる。これら紫外線吸収剤、光安定化剤
の添加量は受像層を構成する樹脂100重量部に対しそ
れぞれ0.05〜10重量部、0.5〜3重量部が好ま
しい。
線吸収剤および/または光安定化剤を含有することがで
きる。紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2’−ヒ
ドロキシ−3,3’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−
クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−
3,5−ジ−t−アミルフェニル)−2H−ベンゾトリ
アゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル
−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ
ール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−t−ブチ
ルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒド
ロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾ
トリアゾール等が挙げられる。光安定化剤としては、例
えば、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイ
ト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエ
リスリトールジホスファイト、ジノニルフェニルペンタ
エリスリトールジホスファイト、サイクリックネオペン
タンテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、ト
リス(ノニルフェニル)ホスファイト、1−〔2−〔3
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニルオキシ〕エチル〕−4−〔3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピベリ
ジン等が挙げられる。これら紫外線吸収剤、光安定化剤
の添加量は受像層を構成する樹脂100重量部に対しそ
れぞれ0.05〜10重量部、0.5〜3重量部が好ま
しい。
【0026】又、熱転写シートとの離型性を向上せしめ
るために、画像受容層中に離型剤を含有せしめることが
できる。離型剤としてはポリエチレンワックス、アミド
ワックス、テフロンパウダー等の固型ワックス類;フッ
素系、燐酸エステル系の界面活性剤;シリコーンオイル
等が挙げられるが、シリコーンオイルが好ましい。上記
シリコーンオイルとしては油状のものも用いることがで
きるが、硬化型のもの、例えば、アミノ変性シリコーン
オイル、エポキシ変性シリコーンオイルが好ましい。
るために、画像受容層中に離型剤を含有せしめることが
できる。離型剤としてはポリエチレンワックス、アミド
ワックス、テフロンパウダー等の固型ワックス類;フッ
素系、燐酸エステル系の界面活性剤;シリコーンオイル
等が挙げられるが、シリコーンオイルが好ましい。上記
シリコーンオイルとしては油状のものも用いることがで
きるが、硬化型のもの、例えば、アミノ変性シリコーン
オイル、エポキシ変性シリコーンオイルが好ましい。
【0027】更に、画像受容層の白色度を向上し、転写
画像の鮮明度を更に高めるとともに被熱転写シート表面
に筆記性を付与し、かつ転写された画像の再転写を防止
する目的で、画像受容層中に白色顔料を添加することが
できる。白色顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、カ
オリンクレー等が用いられ、これらは2種以上混合して
用いることができる。酸化チタンとしてはアナターゼ形
酸化チタン、ルチル形酸化チタンを用いることができ、
アナターゼ形酸化チタンとしては例えばKA−10、K
A−20、KA−15、KA−30、KA−35、KA
−60、KA−80、KA−90〔いずれもチタン工業
(株)製〕等が挙げられ、ルチル形酸化チタンとしては
KR−310、KR−380、KR−460、KR−4
80〔いずれもチタン工業(株)製〕等が挙げられる。
白色顔料の添加量は画像受容層を構成する樹脂100重
量部に対し5〜50重量部が好ましい。
画像の鮮明度を更に高めるとともに被熱転写シート表面
に筆記性を付与し、かつ転写された画像の再転写を防止
する目的で、画像受容層中に白色顔料を添加することが
できる。白色顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、カ
オリンクレー等が用いられ、これらは2種以上混合して
用いることができる。酸化チタンとしてはアナターゼ形
酸化チタン、ルチル形酸化チタンを用いることができ、
アナターゼ形酸化チタンとしては例えばKA−10、K
A−20、KA−15、KA−30、KA−35、KA
−60、KA−80、KA−90〔いずれもチタン工業
(株)製〕等が挙げられ、ルチル形酸化チタンとしては
KR−310、KR−380、KR−460、KR−4
80〔いずれもチタン工業(株)製〕等が挙げられる。
白色顔料の添加量は画像受容層を構成する樹脂100重
量部に対し5〜50重量部が好ましい。
【0028】更に、必要により蛍光増白剤、青色染料、
赤色染料等を樹脂100重量部に対し、0.01〜0.
05重量%の割合で配合してもよい(特開平1−206
095号公報)。画像受容層11の肉厚は、0.2〜2
0μm、好ましくは2〜12μmが一般である。
赤色染料等を樹脂100重量部に対し、0.01〜0.
05重量%の割合で配合してもよい(特開平1−206
095号公報)。画像受容層11の肉厚は、0.2〜2
0μm、好ましくは2〜12μmが一般である。
【0029】熱転写記録用画像受容シート 支持体(中間層/基層の積層体)の中間層(B)の表面
に、画像受容層形成用塗工液を塗布し、乾燥して溶媒を
飛散させることにより、本発明の熱転写記録用画像受容
シートが得られる。この画像受容シートの肉厚は60〜
280μmである。
に、画像受容層形成用塗工液を塗布し、乾燥して溶媒を
飛散させることにより、本発明の熱転写記録用画像受容
シートが得られる。この画像受容シートの肉厚は60〜
280μmである。
【0030】
【作用】本発明の熱転写記録用画像受容シートのカール
防止効果が優れる理由は、剛性、断熱性に優れるプロピ
レン系合成紙よりなる基層(A)の表面に設けられた低
融点、低結晶性のエチレン系樹脂が印字ヘッドから伝熱
される熱を吸収し、印字後、シートが室温まで冷却され
る過程での体積収縮が少なく、かつ、結晶配向している
プロピレン系合成紙(A)への伝熱が抑えられることに
よるものと推測される。
防止効果が優れる理由は、剛性、断熱性に優れるプロピ
レン系合成紙よりなる基層(A)の表面に設けられた低
融点、低結晶性のエチレン系樹脂が印字ヘッドから伝熱
される熱を吸収し、印字後、シートが室温まで冷却され
る過程での体積収縮が少なく、かつ、結晶配向している
プロピレン系合成紙(A)への伝熱が抑えられることに
よるものと推測される。
【0031】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。 (実施例1)支持体の製造 (1)メルトインデックス(MI)0.8、融点167
℃のポリプロピレン80重量%に、比表面積が10,0
00cm2 /gの炭酸カルシウム20重量%を配合した
樹脂組成物(A1 )を270℃に設定した押出機にて混
練後、シート状に押し出し、冷却装置により冷却して、
無延伸シートを得た。このシートを、140℃に加熱
後、縦方向に5倍延伸した。
明する。 (実施例1)支持体の製造 (1)メルトインデックス(MI)0.8、融点167
℃のポリプロピレン80重量%に、比表面積が10,0
00cm2 /gの炭酸カルシウム20重量%を配合した
樹脂組成物(A1 )を270℃に設定した押出機にて混
練後、シート状に押し出し、冷却装置により冷却して、
無延伸シートを得た。このシートを、140℃に加熱
後、縦方向に5倍延伸した。
【0032】(2)MI4.0、融点164℃のポリプ
ロピレン45重量%に、比表面積が15,000cm2
/gで、325メッシュ篩残渣が8ppmであって、白
色度が92%,明度(L値)が92.2、色相(a値)
が+0.8、黄度(b値)が+1.5の炭酸カルシウム
55重量%を混合した合成紙表面層用の組成物(A2)
と、密度が0.920g/cm3 、MIが8、融点が1
08℃、融点エネルギーが120ジュール/gの低密度
ポリエチレン(B)をそれぞれ別の押出機で260℃で
溶融混練し、これを一台の共押出ダイに供給してダイ内
で積層し、押し出した積層シートを(1)の5倍延伸シ
ートの片面に積層し、(1)の5倍延伸シートの反対面
にMIが4.0のポリプロピレン60重量%に比表面積
10,000cm2 /gの炭酸カルシウム40重量%を
混合した合成紙裏面層用の組成物(A3 )を別の押出機
で溶融混練し、押出積層し、ついで60℃まで冷却後、
160℃まで加熱し、テンターで横方向に7.5倍延伸
し、165℃でアニーリング処理し、60℃まで冷却
し、耳部をスリットして四層構造(B/A2 /A1 /A
3 :肉厚10/30/90/30μmの多層樹脂延伸フ
ィルムよりなる支持体〔中間層(B)/基層の合成紙〕
を得た。
ロピレン45重量%に、比表面積が15,000cm2
/gで、325メッシュ篩残渣が8ppmであって、白
色度が92%,明度(L値)が92.2、色相(a値)
が+0.8、黄度(b値)が+1.5の炭酸カルシウム
55重量%を混合した合成紙表面層用の組成物(A2)
と、密度が0.920g/cm3 、MIが8、融点が1
08℃、融点エネルギーが120ジュール/gの低密度
ポリエチレン(B)をそれぞれ別の押出機で260℃で
溶融混練し、これを一台の共押出ダイに供給してダイ内
で積層し、押し出した積層シートを(1)の5倍延伸シ
ートの片面に積層し、(1)の5倍延伸シートの反対面
にMIが4.0のポリプロピレン60重量%に比表面積
10,000cm2 /gの炭酸カルシウム40重量%を
混合した合成紙裏面層用の組成物(A3 )を別の押出機
で溶融混練し、押出積層し、ついで60℃まで冷却後、
160℃まで加熱し、テンターで横方向に7.5倍延伸
し、165℃でアニーリング処理し、60℃まで冷却
し、耳部をスリットして四層構造(B/A2 /A1 /A
3 :肉厚10/30/90/30μmの多層樹脂延伸フ
ィルムよりなる支持体〔中間層(B)/基層の合成紙〕
を得た。
【0033】この合成紙の空孔率は32%、中間層の低
密度ポリエチレンフィルム(B)層の表面平滑度は8,
500秒であった。この支持体の両面に三菱油化(株)
の水溶性アクリル系帯電防止剤ST−3000(商品
名)を0.5g/m2 (固型分量)の割合で塗布し、乾
燥させた。
密度ポリエチレンフィルム(B)層の表面平滑度は8,
500秒であった。この支持体の両面に三菱油化(株)
の水溶性アクリル系帯電防止剤ST−3000(商品
名)を0.5g/m2 (固型分量)の割合で塗布し、乾
燥させた。
【0034】熱転写記録用画像受容シートの製造 上記支持体の低密度ポリエチレンフィルム層(B)の表
面に、下記の組成の画像受容層形成組成物(C)をワイ
ヤーバーコーティングにより乾燥時の厚さがあ4μmと
なる様に塗布し、80℃で3秒間乾燥させて肉厚が16
5μmの熱転写記録用画像受容シートを得た。
面に、下記の組成の画像受容層形成組成物(C)をワイ
ヤーバーコーティングにより乾燥時の厚さがあ4μmと
なる様に塗布し、80℃で3秒間乾燥させて肉厚が16
5μmの熱転写記録用画像受容シートを得た。
【0035】 画像受容層形成組成物(C); バイロン200(東洋紡製飽和ポリエステル:Tg=67℃) 5.3重量部 バイロン290(東洋紡製飽和ポリエステル:Tg=77℃) 5.3重量部 ビニライトVYHH(ユニオンカーバイド製塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体) 4.5重量部 酸化チタン(石原産業製タイペークA−100) 1.5重量部 青色染料(日本化薬製Kayaset Blue−N) 0.004部 ベンゾオキサゾール系蛍光増白剤(チバガイギー社のユービテックスOB) 0.004部 赤色染色(バイエル社のMarcolex red Violet R) 0.004部 KF−393(信越シリコーン製アミノ変性シリコーンオイル)1.1重量部 X−22−343(信越シリコーン製エポキシ変性シリコーンオイル) 1.1重量部 トルエン 30重量部 メチルエチルケトン 30重量部 シクロヘキサノン 22重量部
【0036】評価 印字;この熱転写画像受容シートの表面に、(株)大倉
電機社製印字装置(ドット密度=6ドット/mm、印加
電圧=13V)を用い、印字パルス幅を変えて(0〜1
5ミリ秒)印字し、マクベス濃度を調べた。パルス幅8
ミリ秒(中間調領域)の時のマクベス濃度を表1に示
す。また、得られた印字の階調について目視で、次の5
段階で評価した。 5;大変良い 4;良い 3;実用上支障はない 2;実用上問題がある 1;不良
電機社製印字装置(ドット密度=6ドット/mm、印加
電圧=13V)を用い、印字パルス幅を変えて(0〜1
5ミリ秒)印字し、マクベス濃度を調べた。パルス幅8
ミリ秒(中間調領域)の時のマクベス濃度を表1に示
す。また、得られた印字の階調について目視で、次の5
段階で評価した。 5;大変良い 4;良い 3;実用上支障はない 2;実用上問題がある 1;不良
【0037】カールの評価;熱転写用画像受容シートを
ソニー社のカラービデオプリンター(CVP−M3)で
転写し、23℃、50%雰囲気中に24時間放置した時
の受容シートの4端の持ち上がり高さの平均値を求め
た。 印字の光沢;ビデオプリターで印字された青色ベタ印刷
部分の光沢値(75°で測定)を測定した。
ソニー社のカラービデオプリンター(CVP−M3)で
転写し、23℃、50%雰囲気中に24時間放置した時
の受容シートの4端の持ち上がり高さの平均値を求め
た。 印字の光沢;ビデオプリターで印字された青色ベタ印刷
部分の光沢値(75°で測定)を測定した。
【0038】(実施例2)MIが4g/10分のプロピ
レン単独重合体(融点164℃)95重量%と、平均粒
子径0.3μmのルチル型二酸化チタン5重量%からな
る樹脂組成物(A1 )、MIが0.8g/10分のプロ
ピレン単独重合体(融点167℃)65重量%、高密度
ポリエチレン10重量%、および平均粒径1.5μmの
炭酸カルシウム25重量%からなる組成物(A2 )、M
Iが4g/10分のプロピレン単独重合体(A3 )およ
び、密度が0.928g/cm3 、MIが5g/10
分、融点が123℃、融解エネルギーが142ジュール
/gの線状低密度ポリエチレン(B)とを、それぞれ別
々の4台の押出機で、260℃で溶融混練後、1台の共
押しダイに供給し、ダイ内で積層後、シート状に押し出
し、冷却ロールで約60℃まで冷却し、積層物を得た。
レン単独重合体(融点164℃)95重量%と、平均粒
子径0.3μmのルチル型二酸化チタン5重量%からな
る樹脂組成物(A1 )、MIが0.8g/10分のプロ
ピレン単独重合体(融点167℃)65重量%、高密度
ポリエチレン10重量%、および平均粒径1.5μmの
炭酸カルシウム25重量%からなる組成物(A2 )、M
Iが4g/10分のプロピレン単独重合体(A3 )およ
び、密度が0.928g/cm3 、MIが5g/10
分、融点が123℃、融解エネルギーが142ジュール
/gの線状低密度ポリエチレン(B)とを、それぞれ別
々の4台の押出機で、260℃で溶融混練後、1台の共
押しダイに供給し、ダイ内で積層後、シート状に押し出
し、冷却ロールで約60℃まで冷却し、積層物を得た。
【0039】この積層物を約140℃に再加熱後、多数
のロール群の周速差を利用して縦方向に5倍延伸し、再
び約158℃まで再加熱し、テンターで横方向に8.5
倍延伸し、165でアニーリング処理した後、60℃ま
で冷却し、耳部をスリットして肉厚が65μmの4層構
造(B/A1 /A2 /A3 ;肉厚5/3/54/3μ
m)の支持体〔直鎖線状低密度ポリエチレン中間層
(B)/合成紙〕を得た。この合成紙の空孔率は46
%、直鎖線状低密度ポリエチレンフィルム層のベック平
滑度は32,000秒であった。以下、実施例1と同様
にして肉厚が70μmの熱転写記録用画像受容シートを
得た。
のロール群の周速差を利用して縦方向に5倍延伸し、再
び約158℃まで再加熱し、テンターで横方向に8.5
倍延伸し、165でアニーリング処理した後、60℃ま
で冷却し、耳部をスリットして肉厚が65μmの4層構
造(B/A1 /A2 /A3 ;肉厚5/3/54/3μ
m)の支持体〔直鎖線状低密度ポリエチレン中間層
(B)/合成紙〕を得た。この合成紙の空孔率は46
%、直鎖線状低密度ポリエチレンフィルム層のベック平
滑度は32,000秒であった。以下、実施例1と同様
にして肉厚が70μmの熱転写記録用画像受容シートを
得た。
【0040】(比較例1)支持体として、空孔率が33
%、ベック平滑度が640秒である王子油化合成紙
(株)のプロピレン系樹脂合成紙“YUPO FPG
150”(商品名;肉厚150μm)を単独で用いた。
%、ベック平滑度が640秒である王子油化合成紙
(株)のプロピレン系樹脂合成紙“YUPO FPG
150”(商品名;肉厚150μm)を単独で用いた。
【0041】(実施例3)支持体として、実施例2で得
た4層構造の支持体2枚の間に坪量が60g/m2 の上
質紙(パルプ抄造紙)をポリエーテルポリオール・ポリ
イソシアネート接着剤「東洋モートン(株)の BLS
−2080A と BLS−2080Bの混合物(商品
名)」を用いた貼合品(B/A1 /A2 /A3 /上質紙
/B/A1 /A2 /A3 ;肉厚202μm)を用いる他
は実施例1と同様にして熱転写記録用画像受容シート
(肉厚206μm)を得た。これら実施例及び比較例で
得た熱転写記録用画像受容シートの評価結果を表1に示
す。
た4層構造の支持体2枚の間に坪量が60g/m2 の上
質紙(パルプ抄造紙)をポリエーテルポリオール・ポリ
イソシアネート接着剤「東洋モートン(株)の BLS
−2080A と BLS−2080Bの混合物(商品
名)」を用いた貼合品(B/A1 /A2 /A3 /上質紙
/B/A1 /A2 /A3 ;肉厚202μm)を用いる他
は実施例1と同様にして熱転写記録用画像受容シート
(肉厚206μm)を得た。これら実施例及び比較例で
得た熱転写記録用画像受容シートの評価結果を表1に示
す。
【0042】
【表1】
【0043】(実施例4〜8、比較例2〜9)実施例1
において、支持体に用いた中間層(B)のエチレン系樹
脂として表2に示す物性のエチレン系樹脂を用い、か
つ、必要によりその中間層の肉厚を変更する他は同様に
して表2に示す性能の熱転写記録用画像受容シートを得
た。
において、支持体に用いた中間層(B)のエチレン系樹
脂として表2に示す物性のエチレン系樹脂を用い、か
つ、必要によりその中間層の肉厚を変更する他は同様に
して表2に示す性能の熱転写記録用画像受容シートを得
た。
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】本発明の熱転写記録用画像受容シート
は、印字後のカール防止性に優れ、高い光沢の画像が得
られる。
は、印字後のカール防止性に優れ、高い光沢の画像が得
られる。
【図1】熱転写装置およびシートの模式的断面図を示
す。
す。
【図2】中間層のエチレン系樹脂のDSC曲線を示す。
1 熱転写記録用画像受容シート 2 転写体 3 ドラム 4 熱源(ヘッド)
Claims (1)
- 【請求項1】 白色無機微細粉末を含有する融点が14
5〜180℃のプロピレン系樹脂フィルムの延伸物より
なる肉厚が30〜250μmの微多孔性合成紙を基層
(A)とし、この表面に、融点が95〜130℃、融解
エネルギーが50〜170ジュール/g、肉厚が3〜2
0μmのエチレン系樹脂フィルムよりなる中間層(B)
を設け、更にこの中間層(B)の表面に画像受容層
(C)が設けられた構造の熱転写記録用画像受容シー
ト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6176192A JPH0820169A (ja) | 1994-07-06 | 1994-07-06 | 熱転写記録用画像受容シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6176192A JPH0820169A (ja) | 1994-07-06 | 1994-07-06 | 熱転写記録用画像受容シート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0820169A true JPH0820169A (ja) | 1996-01-23 |
Family
ID=16009253
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6176192A Pending JPH0820169A (ja) | 1994-07-06 | 1994-07-06 | 熱転写記録用画像受容シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0820169A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7776413B2 (en) | 2002-09-10 | 2010-08-17 | Yupo Corporation | Melt thermal transfer recording paper |
-
1994
- 1994-07-06 JP JP6176192A patent/JPH0820169A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7776413B2 (en) | 2002-09-10 | 2010-08-17 | Yupo Corporation | Melt thermal transfer recording paper |
US8268415B2 (en) | 2002-09-10 | 2012-09-18 | Yupo Corporation | Melt thermal transfer recording paper |
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