JPH08199352A - 光学薄膜の製造方法 - Google Patents
光学薄膜の製造方法Info
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Abstract
有効に防止し、有害なフッ素系ガスを使用することな
く、可視光吸収のない良好な金属フッ化物薄膜を形成す
ることができる光学薄膜の製造方法を提供することを目
的とする。 【構成】 金属フッ化物を含有する顆粒状材料をターゲ
ットとし、このターゲットに高周波電力を投入してター
ゲット上にプラズマを発生させ、温度上昇により発生し
たターゲットからの蒸気をスパッタリングすることによ
り成膜を行う。
Description
れる反射防止膜やハーフミラー、干渉フィルタなどの光
学薄膜の製造方法に関し、より詳しくはスパッタリング
により金属フッ化物の薄膜を形成する方法に関する。
薄膜を組合わせて構成されるが、低屈折薄膜の材料とし
ては化学的に安定で屈折率が低い金属フッ化物が好まし
い。
スパッタリングをおこなおうとすると、イオンがターゲ
ットに衝突した際、金属フッ化物が金属とフッ素に解離
してしまうため、形成された薄膜はフッ素が不足したも
のとなる。この結果、得られた薄膜は可視光の吸収を生
じるという問題点があった。
5号公報では、スパッタガスとしてフッ素ガス(または
フッ素含有化合物ガス)を用いる技術が提案されてい
る。フッ素系ガスを含む雰囲気下でスパッタリングを行
えば、解離したフッ素を補充できるため、可視光の吸収
のない良好な光学薄膜を形成することができる。
来技術で使用するようなフッ素系のガスは一般に極めて
腐食性が高い特性を有しており、これがため真空チャン
バや真空ポンプなど設備を急速に劣化させコスト高の原
因となっていた。またフッ素系ガスは人体に有害なた
め、特殊な排ガス処理設備が必要である問題点もあっ
た。
を採用すれば、フッ素の解離が生じないため比較的容易
に良質な薄膜が得られるが、大面積基板への適用、自動
化省力化の観点からは不利になる。
で、スパッタリングによる金属フッ化物の解離を有効に
防止し、有害なフッ素系ガスを使用することなく、可視
光吸収のない良好な金属フッ化物薄膜を形成することが
できる光学薄膜の製造方法を提供することを目的とす
る。
に本発明の光学薄膜の製造方法は、金属フッ化物を含有
する顆粒状材料をターゲットとし、このターゲットに高
周波電力を投入してターゲット上にプラズマを発生せし
め、前記プラズマにより前記ターゲット表面の温度を上
昇させ、前記ターゲットからの蒸気をスパッタリングす
ることにより成膜を行うことを特徴としている。
ッ化物としてはLiF,NaF,CaF2 ,SrF2 ,
BaF2 ,AlF3 ,GaF3 ,InF3 ,LaF3 ,
CeF3 ,NdF3 ,SmF3 ,Na3 AlF6 ,Na
5 AL3 F14のいずれかを用いるとよい。
状材料としては粒径0.1〜10mmの顆粒を用いるのが
好ましい。
周波電力として2W/cm2以上の電力を投入するのが望ま
しい。
では、ターゲットに高周波電力を投入すると、ターゲッ
ト上にプラズマが発生し、ターゲットの表面温度が上昇
する。そしてターゲットの表面が蒸発して発生した蒸気
にイオンを衝突させてスパッタリングする。つまりター
ゲットに直接イオンを衝突させるのではなく、ターゲッ
トから発生した蒸気にイオンを衝突させてスパッタリン
グする。
で存在しており、その分子に加速イオンが衝突するの
で、分子の大部分は解離せず分子のまま基板上にスパッ
タされる。
まスパッタリングするのではなく、膜原料を加熱し原料
の上部に存在する蒸気にイオンを衝突させるので、加速
されたイオンのエネルギーは全てスパッタリングに使わ
れるためにスパッタ収率が高くなる。その結果、従来法
と比較して成膜速度を著しく速くすることができ、生産
性も非常に高くなる。
は、材料に多量のエッジが存在するため、この部分に電
場・磁場が集中するので加熱されやすく、さらに熱伝導
が悪いために温度が上昇しやすいからである。
も特に光吸収が生じにくい、LiF,NaF,Ca
F2 ,SrF2 ,BaF2 ,AlF3 ,GaF3 ,In
F3 ,LaF3 ,CeF3 ,NdF3 ,SmF3 ,Na
3 AlF6 ,Na5 AL3 F14を用いる。この場合、こ
れらの金属フッ化物材料が主成分であれば、これらを互
いに混合させてもよいし、また他の金属フッ化物や金属
酸化物などが少量混ざっていてもよい。
顆粒を規定している。顆粒の大きさは、あまり小さすぎ
るとチャンバ内で舞い上がりパーティクルとなるため、
粒径0.1mm以上の方がよく、望ましくは0.5mm以上
が良い。また、顆粒が大きすぎるとエッジ部が少なくな
り電場・磁場の集中による効果が小さくなるため、粒径
10mm以下、望ましくは5mm以下が良い。顆粒の大き
さ、形状は均一である必要はない。
を規定している。投入電力とターゲットの温度とは相関
があり、2W/cm2 以上の高周波電力を投入したとき、
金属フッ化物からなる多孔質ターゲットの温度は700
℃以上に達し、蒸気圧が十分に高まる。
て発生した金属フッ化物の蒸気以外に固体のターゲット
からもスパッタリングが起こるが、本発明においてはス
パッタリング収率が蒸気に比べて十分に小さいので、吸
収の原因とはならない。
薄膜の製造方法の実施例を説明する。
1に示す。真空槽1内の上方には屈折率1.65のガラ
スからなる基板2が設置されている。膜原料である粒径
0.1〜10mmのAlF3 顆粒3は、直径4インチ(約
100mm)の石英製の皿4に入れてマグネトロンカソー
ド5上に載置されている。カソード5はスパッタリング
用RF電源6と接続されている。真空槽1の側面にはガ
ス導入口7がある。
た後、ガス導入口7からArガスを4×10-1Paまで導
入する。RF電源6から400W(約5W/cm2 )の電
力をマグネトロンカソード5に供給し、プラズマを発生
させる。このプラズマにより、AlF3 顆粒3は約80
0℃に加熱され、顆粒3の上方近傍にAlF3 蒸気が発
生する。このAlF3 の蒸気がプラズマ中の加速された
Arイオンによって叩かれ、分子の状態のまま上方に飛
び出す。この状態で、シャッタ8を開閉して、基板2上
に光学的膜厚130nmのAlF3 膜を形成する。
視域(400〜700nm)で吸収が0.3%以下であ
り、屈折率も約1.38と低く、反射防止膜として良好
な特性を有していた。なお、成膜速度は70nm/分と速
く、膜の密着性や硬度も実用上十分なものであった。
同様の成膜装置を使用し、顆粒3として表1のような金
属フッ化物をそれぞれ用いて実施した。成膜条件、得ら
れた膜の特性、成膜速度を表1に示す。表1から明らか
なように、全ての変形例で光吸収の少ない、良好な光学
薄膜が生産性良く得られた。
の成膜装置を使用し、顆粒3としてSrF2 を用いた。
また本実施例では、金属フッ化物(SrF2 )と金属酸
化物(TiO2 )との多層膜(偏光フィルタ)を作製す
るため、もう一方のカソード10上に、板状のターゲッ
ト9として金属Tiを取付けてある。なお、カソード1
0はスパッタリング用DC電源11と接続されており、
基板近傍の側面にガス導入口12、ターゲット9近傍に
ガス導入口13がある。
5のガラスからなる基板2を真空槽1内に設置した後、
真空槽1内を1×10-4Paまで排気する。その後、ガス
導入口13からArガスを3.6Paの圧力で導入すると
同時にガス導入口12からO 2 ガスを0.4Paの圧力で
導入する。次にDC電源11から750Wの電力をマグ
ネトロンカソード10に供給し、Tiをスパッタリング
する。Tiは上方に向かう途中、Oイオンと結びつき、
酸化されて、TiO2 となる。ここでシャッタ14を開
閉して、基板2上に光学的膜厚165nmのTiO2 膜か
らなる第1層を形成する。
口7からArガスを4×10-1Paまで導入する。RF電
源6から350Wの電力をマグネトロンカソード5に供
給し、プラズマを発生させる。このプラズマにより、S
rF2 顆粒3は加熱され、顆粒3の上方近傍にSrF2
蒸気が発生する。このSrF2 の蒸気がプラズマ中の加
速されたArイオンによって叩かれ、分子の状態のまま
上方に飛び出す。シャッタ8を開閉して、基板2上に光
学的膜厚248nmのSrF2 膜からなる第2層を形成す
る。
5,7,9層に光学的膜厚165nmのTiO2 膜を、ま
た第2層と同様の方法により第4,6,8層に光学的膜
厚248nmのSrF2 膜を形成して9層からなる偏光フ
ィルタを形成する。
に他のプリズムを接着すると偏光プリズムが完成する。
本実施例の偏光フィルタは、可視域のほぼ全域で偏光比
100以上であり、吸収も3%以下と十分に実用的な特
性が得られた。
製造方法によれば、金属フッ化物を含有する顆粒状材料
をターゲットとし、このターゲットに高周波電力を投入
してターゲット上にプラズマを発生せしめ、前記プラズ
マにより前記ターゲット表面の温度を上昇させ、前記タ
ーゲットからの蒸気をスパッタリングすることにより成
膜を行うので、スパッタリングによる金属フッ化物の解
離を有効に防止することが可能となって、従来のような
有害なフッ素系ガスを使用しなくても、可視光吸収のな
い良好な金属フッ化物薄膜を形成することができる。
用される装置を示す模式的断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 金属フッ化物を含有する顆粒状材料をタ
ーゲットとし、このターゲットに高周波電力を投入して
ターゲット上にプラズマを発生せしめ、前記プラズマに
より前記ターゲット表面の温度を上昇させ、前記ターゲ
ットからの蒸気をスパッタリングすることにより成膜を
行うことを特徴とする光学薄膜の製造方法。 - 【請求項2】 前記金属フッ化物が、LiF,NaF,
CaF2 ,SrF2,BaF2 ,AlF3 ,GaF3 ,
InF3 ,LaF3 ,CeF3 ,NdF3 ,SmF3 ,
Na3 AlF6 ,Na5 AL3 F14のいずれかである請
求項1記載の光学薄膜の製造方法。 - 【請求項3】 前記顆粒状材料が粒径0.1〜10mm
であることを特徴とする請求項1又は2いずれか記載の
光学薄膜の製造方法。 - 【請求項4】 前記高周波電力として2W/cm2以上の電
力を投入することを特徴とする請求項1〜3いずれか記
載の光学薄膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00871995A JP3670697B2 (ja) | 1995-01-24 | 1995-01-24 | 光学薄膜の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP00871995A JP3670697B2 (ja) | 1995-01-24 | 1995-01-24 | 光学薄膜の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08199352A true JPH08199352A (ja) | 1996-08-06 |
JP3670697B2 JP3670697B2 (ja) | 2005-07-13 |
Family
ID=11700763
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00871995A Expired - Fee Related JP3670697B2 (ja) | 1995-01-24 | 1995-01-24 | 光学薄膜の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3670697B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10183332A (ja) * | 1996-12-24 | 1998-07-14 | Olympus Optical Co Ltd | 光学薄膜の製造方法及び製造装置 |
-
1995
- 1995-01-24 JP JP00871995A patent/JP3670697B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH10183332A (ja) * | 1996-12-24 | 1998-07-14 | Olympus Optical Co Ltd | 光学薄膜の製造方法及び製造装置 |
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