JP3401062B2 - 光学薄膜およびその製造方法 - Google Patents

光学薄膜およびその製造方法

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一成 徳田
文二 秋元
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浩 池田
佳樹 新田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学部品に用いられる反
射防止膜あるいはハーフミラー等を構成する光学薄膜
と、この光学薄膜を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、基板を加熱することなく優れた膜
密着性を得られると共に、自動化の容易さといった利点
から、スパッタリング法による光学薄膜形成技術が検討
されている。しかし、真空蒸着法において低屈折率材料
として最も一般的に用いられているMgF2 は、上述し
たスパッタリングを行うことによりフッ素が解離し吸収
が生じるため、使用することができない。このためスパ
ッタリングではSiO2あるいはSiO2 と他の物質と
の混合物を使用することが検討されている。例えば、特
開平2−96701号公報では、低屈折率材料としてS
iO2 ,SiO2とアルミナ(Al2 3 )の混合物、
またはSiO2 を主成分とする物質を用い、高屈折率材
料としてTiO2 ,Ta2 5 ,ZrO2 ,In
2 3 ,SnO2,Nb2 5 もしくはYb2 3 また
はこれらの混合物を用いている。そして、透明基板上に
高屈折率材料と低屈折率材料をスパッタリングにより交
互に積層することにより反射防止膜を形成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、SiO2 の屈
折率は1.46程度でありMgF2 と比較して高いた
め、反射防止膜に用いる場合、単層のみでは充分な反射
防止効果を得られない。このため、2層以上の膜構成と
しなければ実用的な反射防止効果をえられないと共に、
得られた反射防止効果も充分なものではなかった。ま
た、偏光ビームスプリッターやエッジフィルター等を構
成する場合には高屈折率物質と低屈折率物質との屈折率
差が大きいほうが望ましいが、低屈折率物質としてSi
2 を用いる場合には充分な特性を得られなかったり、
層数が増えてコストアップとなる問題があった。
【0004】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
であり、スパッタリング法であっても充分な光学特性を
有することができる光学薄膜を提供することを目的とす
る。また、本発明はこの光学薄膜を形成するのに適した
製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段および作用】上記目的を達
成するため本発明では、アルミニウム、硼素、リチウム
から選択された少なくとも1つの元素と、フッ素と、マ
グネシウムと、酸素とからなるスパッタリングによって
形成された層を備えることにより光学薄膜を構成した。
また、本発明の製造方法は、アルミニウム、硼素、リチ
ウムから選択された少なくとも1つの元素と、フッ素
と、マグネシウムとを含むターゲットをスパッタリング
することにより光学薄膜を形成するものである。
【0006】既述のようにMgF2 はスパッタリング法
によりFが解離して吸収が生じやすい。これに対し、本
発明者は数多くの実験によりMgF2 にAl,B,Li
またはこれらの酸化物のいずれかを混合したターゲット
を用いることにより吸収を大幅に減少させることができ
ることを見いだした。この理由はAl,B,Liには解
離しようとするFをトラップする効果があるためではな
いかと考えられる。
【0007】Al,B,Liの酸化物を混合したターゲ
ットの場合にはAr等の不活性ガスを用いてそのままス
パッタリングをおこなってもあまり吸収は生じないが、
Al,B,Liを金属の状態で混合したターゲットを用
いた場合には吸収が発生する。これは、Al,B,L
i,Mgのいずれかがフッ化も酸化もしない金属の状態
のままで膜中に含まれるためであり、この場合は、スパ
ッタリングガスに酸素を添加して膜中で酸化させること
により、吸収をなくすことができる。
【0008】以上のような方法により形成した膜の屈折
率はAl,B,Liの添加量や成膜条件にもよるが、お
およそ1.38から1.43程度と比較的低い。従っ
て、単層のみでも充分な反射防止効果を得ることが
、また、偏光ビームスプリッターやエッジフィルター
等を構成する場合にも少ない層数で充分な特性を得るこ
とができる。
【0009】なお、スパッタリングターゲット中の混合
物の割合は、1重量%以上あれば著しい効果が認められ
るが、特に制限するものではない。一方、混合物を加え
ることにより一般的に屈折率が上昇してしまうため、必
要量以上に混合するのは光学特性の点からあまり望まし
いことではない。なお、本発明においてはターゲット中
の混合物がMgやFと化学結合した状態となっても良
い。
【0010】
【実施例1】屈折率1.75のLaSK01からなるガ
ラス基板を真空槽にセットし、真空度1.3×10-4
aまで排気した後、分圧が1.3×10-2PaのO2
スを真空槽に導入した。基板は加熱しなかった。ターゲ
ットとしてMgF2 を主成分としAl2 3 を1重量%
添加したものを使用した。Arイオンを用いたイオンビ
ームスパッタリング法により、加速電圧1kVで表1の
膜厚となるように成膜を行い、反射防止膜を得た。
【0011】
【表1】
【0012】本実施例による反射防止膜の分光特性を図
1に、吸収特性を図2に示す。単層で充分な反射防止効
果が得られ、また、可視域(400〜700nm)での
吸収もほとんどなかった。
【0013】
【実施例2】屈折率1.75のLaSK01からなるガ
ラス基板を真空槽にセットし、真空度が4×10-4Pa
になるまで排気した後、分圧が0.6PaのArガス
と、分圧が0.5PaのO2 ガスを真空槽に導入した。
基板は加熱しなかった。ターゲットとしてMgF2 を主
成分としてAlを5重量%添加したものを使用した。D
Cスパッタリング法を用い、投入電力100Wで表1の
膜厚となるように成膜を行い、反射防止膜を得た。
【0014】本実施例による反射防止膜の分光特性は実
施例1と略同様であった。本実施例では、MgF2 にA
lを添加して導電性を備えることにより、高速成膜が可
能なDCスパッタリング法を用いることができた。その
結果、反射防止膜を成膜する時間は実施例1の約1/5
と短く、極めて効率よく生産することができた。
【0015】
【実施例3】アモルファスポリオレフィン樹脂製の三角
形プリズムを真空槽にセットし、真空度が1.3×10
-4Paになるまで排気した後、分圧が0.8PaのAr
ガスを真空槽に導入した。低屈折率層は、MgF2 を主
成分としB2 3 を2重量%添加したものをターゲット
として高周波マグネシウムスパッタリング法により形成
した。また、高屈折率層は、Ta2 5 をターゲットと
して同じく高周波マグネトロンスパッタリング法により
形成した。これをもう1つのアモルファスポリオレフィ
ン樹脂製の三角形プリズムとUV硬化型接着剤による接
合し、キューブ型のビームスプリッターを作製した。本
実施例による反射率と透過率が4:6のビームスプリッ
ターの膜構成を表2に、分光特性を図3に示す。
【0016】
【表2】
【0017】本実施例では、わずか10層で図3に示す
ように充分な分光特性を有するビームスプリッターを得
ることができた。
【0018】
【実施例4】BK系のガラス基板を真空槽にセットし、
真空度が1.1×10-4Paになるまで排気した後、分
圧が0.3PaのKrガスと、分圧が0.1PaのO2
ガスを真空槽に導入した。低屈折率層は、MgF2 を主
成分としLi2 Oを6重量%、Alを0.5重量%添加
したものをターゲットとしてDCスパッタリング法によ
り形成した。また、高屈折率層としては、Tiをターゲ
ットとして同じくDCスパッタリング法によりTiO2
を形成した。本実施例によるエッジフィルターの膜構成
を表3に示す。
【0019】
【表3】
【0020】本実施例の分光特性は図4に示すように充
分なものであった。また、実施例1と同様に吸収はみら
れなかった。
【0021】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、フッ素の
解離が抑制されて吸収の少ない低屈折率の光学薄膜を容
易に得ることが可能である。したがって、基板を加熱せ
ずに充分な密着性が得られ、自動化が容易であるなどの
数々の利点を有したスパッタリング法を用い、少ない層
数で充分な光学特性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の分光特性図。
【図2】本発明の実施例1の吸収特性図。
【図3】本発明の実施例3の分光特性図。
【図4】本発明の実施例4の分光特性図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋元 文二 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オ リンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 三田村 宣明 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オ リンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 池田 浩 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オ リンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 新田 佳樹 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オ リンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 生水 利明 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オ リンパス光学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−167501(JP,A) 特開 平4−223401(JP,A) 特開 平3−87354(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 5/08 G02B 1/10 - 1/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム、硼素、リチウムから選択
    された少なくとも1つの元素と、フッ素と、マグネシウ
    ムと、酸素とからなるスパッタリングによって形成され
    層を有することを特徴とする光学薄膜。
  2. 【請求項2】 アルミニウム、硼素、リチウムから選択
    された少なくとも1つの元素と、フッ素と、マグネシウ
    ムとを含むターゲットをスパッタリングすることにより
    形成することを特徴とする光学薄膜の製造方法。
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