JPH08199325A - 錫覆平角銅線の製造方法 - Google Patents

錫覆平角銅線の製造方法

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JPH08199325A
JPH08199325A JP3171595A JP3171595A JPH08199325A JP H08199325 A JPH08199325 A JP H08199325A JP 3171595 A JP3171595 A JP 3171595A JP 3171595 A JP3171595 A JP 3171595A JP H08199325 A JPH08199325 A JP H08199325A
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節 久保田
Hidenori Harada
秀則 原田
Kanae Suzuki
鼎 鈴木
Minoru Kagayama
實 加賀山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧延加工によって得られる錫覆平角銅線の幅
方向の寸法のバラツキが従来品と比べて小さく、伸び特
性に優れ、製品価値を損なう酸化変色がなく、圧延加工
後の錫覆平角銅線の両耳部にヒゲ状のバリの発生がな
く、また圧延加工による離脱錫粉カスの発生が少ない錫
覆平角銅線の製造方法を提供する。 【構成】 硬銅線母材を焼鈍加工し軟銅線母材にする焼
鈍加工工程と、軟銅線母材に溶融錫めっきを施し、溶融
錫めっき軟銅線材とする溶融錫めっき工程とからなる工
程I;と、前記溶融錫めっき軟銅線材を減面率35%以
上で伸線加工し、錫覆硬銅線材とする工程II(伸線加工
工程);と、前記錫覆硬銅線材を圧延率60%以上で圧
延加工し、錫覆平角硬銅線材とする圧延加工工程と、こ
の工程により得られた錫覆平角硬銅線材を銅材が十分に
再結晶するまで焼鈍加工し、錫覆平角銅線とする焼鈍加
工工程とからなる工程III ;とからなる錫覆平角銅線の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は錫覆平角銅線の製造方法
に関し、更に詳しくは、電子機器の機内配線材のフレキ
シブルフラット配線材等の導体として用いられる、厚さ
が0.1mm以下、幅が3mm以下の錫覆平角銅線の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より錫覆平角銅線はフレキシブルフ
ラット配線材やカード電線等の導体として用いられてい
るが、特にその厚さが0.1mm以下、幅が3mm以下
のものが好ましく用いられている。この錫覆平角銅線の
製造にあたっては、まず硬銅線母材を焼鈍加工して軟銅
線母材とし、続いてこの軟銅線母材を伸線加工すること
により所定の径の硬銅線材とする。次にこの硬銅線材を
焼鈍加工してから電気錫めっきを行い、被圧延線材とし
ての電気錫めっき軟銅線材とする。この際、前記電気錫
めっき軟銅線材は最終の製品である錫覆平角銅線の「幅
および厚さ」並びに「めっき厚さ」の各寸法を正しく得
るために、所定の径とされる。次に前記被圧延線材を圧
延加工し、更に焼鈍加工して錫覆平角銅線としていた。
【0003】従来の錫覆平角銅線の製造方法について図
3の製造工程図を用いて詳しく説明する。まず、焼鈍加
工工程及び伸線加工工程からなる工程I’として、例え
ば0.8mmφ近辺の硬銅線を硬銅線母材1aとして用
意し、該硬銅線母材1aを非酸化性ガス雰囲気の焼鈍炉
2-1 中に導き、該炉2-1 中を走行させて十分に焼鈍軟化
して軟銅線母材(図示せず)とした後、引き続いて伸線
装置6により伸線加工して所定の径(例えば0.32
φ)の硬銅線材1hとして巻き枠に貯留する。
【0004】次に、焼鈍加工工程及び電気錫めっき工程
からなる工程II’として前記巻き枠に貯留されていた硬
銅線材1hを窒素ガス等の非酸化性ガス雰囲気の焼鈍炉
2-2中に導き、該炉2-2 中を走行させて十分に焼鈍軟化
して、被錫めっき線材となる軟銅線材(図示せず)とし
た後、湿式の電気錫めっき装置20中を走行させ、軟銅
線材の表面に連続して、所定の厚さの錫めっきを施して
電気錫めっき軟銅線材1iとなし、これを被圧延線材と
して巻き枠に貯留する。
【0005】圧延加工工程及び焼鈍加工工程からなる工
程III ’として、巻き枠に貯留されていた電気錫めっき
軟銅線材1iを平角圧延装置8に導き、連続して圧延加
工し、所定の「幅および厚さ」並びにめっき厚さの錫覆
平角硬銅線材1jとした後、引き続いて非酸化性ガス雰
囲気の焼鈍炉2-3 中を走行させて十分に焼鈍軟化して錫
覆平角銅線1’として巻き枠に巻き取り、フレキシブル
フラットケーブルの導体として供してきた。なお、前記
の各巻き枠は図示していない(以後の比較例に於いても
同様)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の電気錫めっ
き装置を用いた錫覆平角銅線の製造方法に於いては、工
程I’の伸線加工工程で所定の線径迄加工された硬銅線
材(被電気錫めっき硬銅線材)を電気錫めっき装置に供
給するに際しては、硬銅線材と電気めっき装置の電極と
の接触状態を長時間にわたって安定した状態で保ち、全
長にわたって均一で偏りがなく、圧延加工に耐える緻密
で柔軟な錫めっき層を得るために、また、後工程での取
り扱いやすさのために、該硬銅線材を焼鈍炉中を走行さ
せて十分に焼鈍軟質化している。
【0007】しかしながら、前記焼鈍炉を用いた熱処理
について本発明者等が鋭意研究した結果、この熱処理は
最終製品のフレキシブルフラット配線材等の導体特性の
向上に有効な効果を及ぼさないという欠点があるのを見
いだしたものである。
【0008】また、圧延加工工程に供する被圧延線材は
その表面に電解析出のままの電気錫めっき層を有する電
気錫めっき軟銅線材であることから、圧延加工後に得ら
れる錫覆平角銅線の幅方向のサイズ変動が大きくなると
いう欠点があり、このため最近のフラット配線材等に要
求される品質特性の値を十分に満足することが出来ない
という問題があった。また耐折り曲げ特性の向上のため
の柔軟性、特にその代表となる伸び特性の向上がなされ
ないという問題があった。
【0009】また、圧延加工後の錫覆平角銅線は、電解
析出により形成された電気錫めっき層からヒゲ状のバリ
が該平角銅線の両耳部に発生しやすいという問題があ
り、その改善が必要とされていた。更に電解析出の電気
錫めっき層の表面は酸化変色を起こしやすいため、圧延
加工後の焼鈍炉中の雰囲気を非酸化性に保つ必要がある
とともにその雰囲気中の酸素濃度の管理も厳密に行う必
要があった。また得られた錫覆平角銅線は保管条件によ
っては酸化変色が進みやすく、製品としての価値を失っ
てしまうという問題があった。また圧延加工により被圧
延線材から離脱する錫粉カスの発生が多く、圧延装置を
汚染してしまうという問題があった。
【0010】本発明は上記従来技術が有する各種問題点
を解決するためになされたものであり、圧延加工によっ
て得られる錫覆平角銅線の幅方向の寸法のバラツキが従
来品と比べて小さく、また伸び特性に優れ、また製品価
値を損なう酸化変色がなく、また圧延加工後の錫覆平角
銅線の両耳部にヒゲ状のバリの発生がなく、更に圧延加
工による離脱錫粉カスの発生が少ない錫覆平角銅線の製
造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、硬銅線母材を非酸化性ガス雰囲気の焼鈍炉
中を走行させ、該硬銅線母材を軟銅線母材にする焼鈍加
工工程と、前記焼鈍炉と直結し,溶融錫めっき浴表面が
非酸化性ガス雰囲気中にある溶融錫めっき装置に前記軟
銅線母材を導き、溶融錫めっき浴から垂直上方向に走行
させて溶融錫めっきを施し、溶融錫めっき軟銅線材とす
る溶融錫めっき工程とからなる工程I;と、前記溶融錫
めっき軟銅線材を伸線装置を用い減面率35%以上で伸
線加工し、錫覆硬銅線材とする工程II(伸線加工工
程);と、前記工程IIにより得られた錫覆硬銅線材を平
角圧延装置を用い、圧延率60%以上で圧延加工し、錫
覆平角硬銅線材とする圧延加工工程と、前記圧延加工工
程により得られた錫覆平角硬銅線材を錫の溶融温度前後
の焼鈍炉中を走行させ銅材が十分に再結晶するまで焼鈍
加工し、錫覆平角銅線とする焼鈍加工工程とからなる工
程III ;とからなる錫覆平角銅線の製造方法にある。
【0012】また本発明は、前記溶融錫めっき浴に酸化
防止剤が添加されている錫覆平角銅線の製造方法にあ
る。
【0013】
【作用】本発明の錫覆平角銅線の製造方法は、特に次の
〜に示すように、従来方法とは異なるな新規な方法
を用いており、それが、最終製品の特性に大きな作用,
効果をもたらしているものである。まずとして、工程
Iの焼鈍加工工程及び溶融錫めっき工程において、硬銅
線母材1aは非酸化性ガス雰囲気の焼鈍炉2中で焼鈍さ
れてから、直ちに非酸化性ガス雰囲気4中の溶融錫めっ
き装置3で溶融錫めっきが施され、溶融錫めっき軟銅線
材1bとなる。特にこの溶融錫めっき工程においては、
本発明者等の発明である「特公昭63−60825号」
の溶融めっき方法を応用して溶融めっきが施されている
ものである。
【0014】従って、焼鈍軟化された銅線母材の表面に
めっき厚の偏りのない均一な所定厚さの溶融錫めっきが
施されるうえに、従来の湿式電気錫めっき方法では困難
であったSn−P金属間化合物などからなる酸化防止剤
の添加を容易に行うことが出来る。例えばSn−P金属
間化合物の中のリン(P)に代表される微量の変色防止
剤は溶融錫めっき浴中に均一に添加することができ、こ
れが添加された溶融錫が溶融めっきされることにより、
酸化防止剤を含んだ溶融めっき層が形成される。従っ
て、製品としての錫覆平角銅線やフラット配線材等にお
いても錫めっき層の酸化変色が防止でき、この点が従来
の電気めっき法よる錫めっき層との際立った違いであ
る。
【0015】として、工程IIの伸線加工工程に於い
て、前記溶融錫めっき軟銅線材1bは伸線装置6に導か
れて減面率35%以上で伸線加工が施され、所定の線径
を有する錫覆硬銅線材1cとなる。次いで前記錫覆平角
銅線1cは、工程III の圧延加工工程に供する被圧延線
材として、該錫覆平角銅線1cを焼鈍軟化することな
く、平角圧延装置8に導かれて圧延率60%以上で圧延
加工され、所定の「幅および厚さ」並びに所定の「錫覆
厚さ」を有する錫覆平角硬銅線材1dとなる。
【0016】前記丸線の硬銅線母材1aが平角状の錫覆
平角銅線1になる迄に受ける最終的な加工率は「減面率
と圧延率を加えた」ものとなる。従って、本発明の錫覆
平角銅線は最終的な加工率が95%以上となり、強加工
が行われていることになる。そして、この強加工を施す
ことにより、心線の銅材の再結晶が低温側で起こり、更
に錫被覆層の溶融点温度前後の温度でも十分に再結晶化
が進む。従って、従来方法によるものよりも、錫めっき
層の機械的特性,特に伸び特性が極めて優れたものが得
られ、最終製品であるフラット配線材の重要な性能の一
つである耐折り曲げ特性の向上に有効に寄与する。
【0017】また、強加工を施すことにより、工程III
の焼鈍加工工程に於ける焼鈍温度は錫被覆層の溶融点温
度前後の温度でも良くなるので錫被覆層は溶融しなくな
る。従って、錫被覆層は溶融変形がなく、例え変形した
としても実用上問題にならない程度となり、錫被覆層に
要求される寸法精度の変動が小さくなる。また、圧延加
工工程に供する被圧延線材はその表面に溶融錫めっき層
を有する硬銅線材であることから、圧延加工後に得られ
る錫覆平角銅線の幅寸法のサイズ変動が従来方法と比較
して小さくなる。これは被圧延加工線材の硬さが前加工
により均一化されるためであると考えられる。その結
果、フラット配線材等に要求される特性を今まで以上に
満足する程に安定させることが出来るようになる。
【0018】として、本発明は、従来方法のような、
電解析出した結晶組織を有する電気錫めっき層を直接圧
延加工するのとは異なり、錫の溶融状態から凝固析出し
た結晶組織を有する溶融錫めっき層を伸線加工し、加工
組織の錫被覆層としてから圧延加工を施しているもので
ある。
【0019】従って、伸線加工によって得られる加工組
織の錫被覆層が圧延加工されるので、圧延後の錫覆平角
硬銅線材の両耳部に錫のヒゲ状バリの発生がなくなり、
また脱落錫粉の発生も大幅に少なくなる。
【0020】なお、「減面率35%以上で伸線加工し」
と限定した理由は、35%未満の減面率では得られる錫
覆平角銅線の伸び特性が従来の方法により得られる錫覆
平角銅線の伸び特性と比較して改善されないからであ
る。また「圧延率60%以上で圧延加工し」と限定した
理由は断面が円形状の心線を圧延してフラット配線材等
に用いる平角線材を得るためには、最低の圧延率が60
%は必要であり、これ以下では望ましい平角線材が得ら
れないためである。
【0021】
【実施例】本発明の錫覆平角銅線の製造方法について図
1,2を用いて説明する。なお本発明は本実施例に限定
されるものではない。図1は本発明の錫覆平角銅線の製
造方法を示す工程図である。また、図2は本発明の錫覆
平角銅線の製造方法の第1実施例を示す略図であり、
(a)は工程Iの焼鈍加工工程及び溶融錫めっき工程を
示す略図、(b)は工程IIの伸線加工工程を示す略図、
また(c)は工程III の圧延加工工程及び焼鈍加工工程
を示す略図である。 実施例1 まず、工程Iの焼鈍加工工程として、0.8mmφまで
伸線加工され巻き枠m1に貯留された硬銅線母材1aを
繰り出し、非酸化性ガスとして10vol %水素を含む窒
素ガス雰囲気からなる550℃の焼鈍炉2に導いて焼鈍
加工を施し、銅材を十分に再結晶化させて軟銅線母材と
する。次に溶融錫めっき工程として、間断無く前記焼鈍
炉2と直結した溶融錫めっき装置3に導き、非酸化性ガ
スとして10vol %水素を含む窒素ガス雰囲気4中にあ
り,リン(P)を0.03%含有する溶融錫浴5中に導
き、20m/分の速度で該浴5から垂直上方向に引き上
げ、大気中を走行させて溶融めっき層を冷却,凝固させ
20μm厚さの微量リンを含む溶融錫めっきを施し、被
伸線加工材である溶融錫めっき軟銅線材1bとして巻き
枠m2に巻き取った。
【0022】次に工程IIの伸線加工工程として、前記巻
き枠m2に貯留されていた溶融錫めっき軟銅線材1bを
伸線装置6に導き、組ダイス7を通過させ、減面率84
%で線径が0.32mmφまで800m/分の速度で伸
線加工を施し、被平角圧延線材である錫覆硬銅線材1c
として巻き枠m3に巻き取った。
【0023】次に工程III の圧延加工工程として、前記
巻き枠m3に貯留されていた錫覆硬銅線材1cを平角圧
延装置8に導き、圧延ロール9の間を通過させ、69%
の圧延率を与えて線速90m/分の速度で圧延加工を施
し、厚さが0.1mm,幅が0.8mmの錫覆平角硬銅
線材1dとする。引き続いて焼鈍工程として、大気雰囲
気からなる300℃の焼鈍炉10を通過させて錫覆平角
硬銅線材1dを焼鈍加工して銅材を再結晶化させ、錫覆
平角銅線1として巻き枠mに巻き取った。なお、前記減
面率及び圧延率は下記数式1及び2で算出した値であ
る。
【0024】
【数1】
【0025】
【数2】
【0026】実施例2 前記実施例1と同様の手段で0.8mmφの硬銅線母材
1aの表面に20μm厚さの微量リンを含む溶融錫めっ
きを施し、被伸線加工線材である溶融錫めっき軟銅線材
1bとして巻き枠m2に巻き取った。
【0027】次に工程IIの伸線加工工程として、前記巻
き枠m2に貯留されていた溶融錫めっき軟銅線材1bを
伸線装置6に導き、組ダイス7を通過させ、減面率94
%で線径が0.23mmφまで線速800m/分の速度
で伸線加工を施し、被平角圧延線材である錫覆硬銅線材
1cとして巻き枠m3に巻き取った。
【0028】次に工程III の圧延加工工程として、前記
巻き枠m3に貯留されていた0.20mmφの錫覆硬銅
線材1cを平角圧延装置8に導き、圧延ロール9の間を
通過させ、78%の圧延率を与えて90m/分の速度で
圧延加工を施し、厚さが0.05mm,幅が0.8mm
の錫覆平角硬銅線材1dとした後、引き続いて焼鈍加工
工程として、大気雰囲気からなる300℃の焼鈍炉10
を通過させて錫覆平角硬銅線材1dを焼鈍加工して銅材
粒子を再結晶化させ、錫覆平角銅線1として巻き枠mに
巻き取った。
【0029】比較例 比較例について図3を用いて説明する。 比較例1 まず、焼鈍加工工程及び伸線加工工程からなる工程I’
として、0.8mmφまで伸線加工され巻き枠に貯留さ
れた硬銅線母材1aを繰り出し、非酸化性ガスとして1
0vol %水素を含む窒素ガス雰囲気からなる550℃の
焼鈍炉2-1 に導いて焼鈍加工を施し、軟銅線母材(図示
せず)とした後、伸線装置6の組ダイス(図示せず)を
通過させ、線径が0.32mmφまで800m/分の速
度で伸線加工を施し、硬銅線材1hとして巻き枠に巻き
取った。
【0030】次に焼鈍加工工程及び電気錫めっき工程か
らなる工程II’として、前記硬銅線材1hを上記と同様
の非酸化性ガス雰囲気の焼鈍炉2-2 に導き、銅材を十分
に再結晶化させて軟銅線材(図示せず)とした後、引き
続いて該線材の表面を清浄化してから朋弗化錫溶液を電
解液として用いた湿式の電気錫めっき装置20に導いて
50m/分の速度で電気錫めっきを施し、6μm厚さの
錫めっき層を設けた電気錫めっき軟銅線材1iとして巻
き枠に巻き取った。
【0031】更に、圧延加工工程及び焼鈍加工工程から
なる工程III ’として、前記電気錫めっき軟銅線材1i
を実施例1と同様の平角圧延装置8に導き、圧延ロール
(図示せず)の間を通過させ、69%の圧延率を与えて
90m/分の速度で圧延加工を施し、厚さが0.1m
m,幅が0.8mmの錫覆平角硬銅線材1jとした後、
引き続いて上記と同様の非酸化性ガス雰囲気の300℃
の焼鈍炉jを通過させて錫覆平角硬銅線材1jを焼鈍加
工して銅材を再結晶化させ、錫覆平角銅線1’とし巻き
枠に巻き取った。
【0032】比較例2 まず、焼鈍加工工程及び伸線加工工程からなる工程I’
として、0.8mmφまで伸線加工され巻き枠に貯留さ
れた硬銅線母材1aを繰り出し、比較例1における工程
I’と同様の焼鈍加工工程及び伸線加工工程によって9
4%の減面率を与えて、線径が0.20mmφまで80
0m/分の速度で伸線加工を施し、硬銅線材1hとして
巻き枠に巻き取った。次に前記硬銅線材1hを比較例1
と同様の工程II’によって50m/分の速度で電気錫め
っきを施し、6μm厚さの錫めっき層を設けた電気錫め
っき軟銅線材1iとして巻き枠に巻き取った。更に、比
較例1と同様の工程III ’の圧延加工工程によって、6
9%の圧延率を与えて90m/分の速度で圧延加工を施
し、厚さが0.05mm,幅が0.8mmの錫覆平角硬
銅線材1jとした後、引き続いて比較例1と同様の工程
III ’の焼鈍加工工程によって、非酸化性ガス雰囲気の
300℃の焼鈍炉2-3 を通過させて錫覆平角硬銅線材1
jを焼鈍加工して銅材を再結晶化させ、錫覆平角銅線
1’として巻き枠に巻き取った。
【0033】特性試験 前記実施例1、2および比較例1、2により得られた錫
覆平角銅線の性能、特性について試験した結果を下記表
1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明の錫覆平角銅線の製造方法によれ
ば、従来方法のように平角圧延に供する線径で電気めっ
き処理するのとは異なり、平角圧延の前の伸線加工工程
に供するよりも太い線径の段階で溶融めっきが施される
ため、めっき処理が容易で単位時間当たりにめっき処理
される線材収量が多くなるので生産性の向上を計ること
が可能となった。また、溶融錫めっき浴に酸化防止剤が
容易に添加出来るので、製品価値を損なう酸化変色がな
くなった。また、丸線の硬銅線母材が平角状の錫覆平角
銅線になる迄に受ける最終的な加工率は「減面率と圧延
率を加えた」ものとなるが、本発明の錫覆平角銅線はこ
の値が95%以上の強加工になるので錫の溶融点前後の
温度で伸線の銅材は十分に再結晶化が完了し、銅材が有
する本来の機械的特性を得ることが出来るようになっ
た。従って、従来方法では得られなかった柔軟で伸び特
性に優れ、フラット配線材等の最終製品に於いて耐屈曲
性に優れたものとなった。また、被圧延加工線材は、錫
覆硬銅線材であることから、圧延加工によって得られる
錫覆平角銅線の幅方向の寸法のバラツキが従来品と比べ
て小さくなった。また、圧延加工後の錫覆平角銅線の両
耳部にヒゲ状のバリの発生がなく、更に圧延加工による
離脱錫粉カスの発生が少なくなった。従って、フラット
配線材等の導体としての錫覆平角銅線の性能,特性が従
来方法によって得られていた品質レベルに比べて非常に
優れたものとなり、強いては、電子機器の信頼性の向上
に大きな貢献をもたらすものであるので産業に寄与する
ところ極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の錫覆平角銅線の製造方法の一実施例を
示す製造工程図である。
【図2】本発明の錫覆平角銅線の製造方法の第1実施例
を示す概略図である。(a)は工程Iの焼鈍加工工程及
び溶融錫めっき工程を示す略図である。(b)は工程II
の伸線加工工程を示す略図である。(c)は工程III の
圧延加工工程及び焼鈍加工工程を示す略図である。
【図3】従来の錫覆平角銅線の製造方法を示す製造工程
図である。
【符号の説明】
1 錫覆平角銅線 1a 硬銅線母材 1b 溶融錫めっき軟銅線材 1c 錫覆硬銅線材 1d 錫覆平角硬銅線材 2 非酸化性ガス雰囲気の焼鈍炉 3 溶融錫めっき装置 4 非酸化性ガス雰囲気 5 溶融錫めっき浴 6 伸線装置 7 ダイス 8 平角圧延装置 9 圧延ロール 10 焼鈍炉 m,m1,m2,m3 巻き枠

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬銅線母材を非酸化性ガス雰囲気の焼鈍
    炉中を走行させ、該硬銅線母材を軟銅線母材にする焼鈍
    加工工程と、前記焼鈍炉と直結し,溶融錫めっき浴表面
    が非酸化性ガス雰囲気中にある溶融錫めっき装置に前記
    軟銅線母材を導き、溶融錫めっき浴から垂直上方向に走
    行させて溶融錫めっきを施し、溶融錫めっき軟銅線材と
    する溶融錫めっき工程とからなる工程I;と、前記溶融
    錫めっき軟銅線材を伸線装置を用い減面率35%以上で
    伸線加工し、錫覆硬銅線材とする工程II(伸線加工工
    程);と、前記工程IIにより得られた錫覆硬銅線材を平
    角圧延装置を用い、圧延率60%以上で圧延加工し、錫
    覆平角硬銅線材とする圧延加工工程と、前記圧延加工工
    程により得られた錫覆平角硬銅線材を錫の溶融温度前後
    の焼鈍炉中を走行させ銅材が十分に再結晶するまで焼鈍
    加工し、錫覆平角銅線とする焼鈍加工工程とからなる工
    程III ;とからなることを特徴とする錫覆平角銅線の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記溶融錫めっき浴に酸化防止剤が添加
    されていることを特徴とする請求項1記載の錫覆平角銅
    線の製造方法。
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