JP4855534B1 - メッキ線材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】線材に、フラックスを塗布することなく、表面にメッキ層を形成する。
【解決手段】メッキ線材10の製造方法は、線材11を、焼鈍炉23に通して軟化させるのに続いて、溶融金属M中に浸漬して表面を被覆するようにメッキ層を形成する。焼鈍炉23内に還元ガスを導入することにより線材11の表面を還元して酸化被膜を除去する。
【選択図】図2
【解決手段】メッキ線材10の製造方法は、線材11を、焼鈍炉23に通して軟化させるのに続いて、溶融金属M中に浸漬して表面を被覆するようにメッキ層を形成する。焼鈍炉23内に還元ガスを導入することにより線材11の表面を還元して酸化被膜を除去する。
【選択図】図2
Description
本発明はメッキ線材の製造方法に関する。
電気・電子機器等の配線で用いられるリード配線として、電気的な接続を容易にするため、線材を被覆するようにハンダメッキ層を設けたメッキ線材が用いられる。
かかるメッキ線材の製造方法として、特許文献1には、線材に電解脱脂を行ってから酸化被膜除去のため有機酸系のフラックスを塗布し、それを溶融金属に浸漬する方法が開示されている。
特許文献2には、線材をフラックス槽内を通してその表面にフラックスを付着させて酸化被膜を除去した後、その線材を前処理装置に通して表面に付着した過剰なフラックスを除去し、さらにその線材を溶融金属に浸漬する方法が開示されている。
また、フラックスフリーのメッキ方法として、特許文献3には、予め溶融メッキを施した線材を、フラックスの塗布なしに、融点よりも100℃以上高い温度にした溶融金属に浸漬し、その出口側で溶融金属を絞る治具を用いずに線材を垂直に立ち上げて非酸化性雰囲気を通過させる方法が開示されている。
ところで、焼鈍して極軟化した線材にメッキ処理を施す場合、極軟化した線材に酸化被膜除去のためのフラックスを付着させる際、線材は、フラックスに導入された後、液中に設けられたターンロールに巻き掛けられて引き上げられ、そのため曲げ変形を受けることとなる。ところが、極軟化した線材は、曲げ変形を受けると硬化することから、製造過程におけるかかる曲げ履歴は少ないことが好ましい。特に、平角の線材の場合にはその要求が強い。
本発明の課題は、線材に、フラックスを塗布することなく、表面にメッキ層を形成することである。
本発明のメッキ線材の製造方法は、銅製の線材を、焼鈍炉に通して軟化させるのに続いて、溶融金属中に浸漬して表面を被覆するようにメッキ層を形成する太陽電池のインターコネクタに用いられるメッキ線材の製造方法であって、
上記焼鈍炉内に水素ガスを20〜80体積%含む混合ガスを、混合ガスが下流側から上流側に流れるように導入することにより線材の表面を還元して酸化被膜を除去し、また、上記焼鈍炉の線材出口を溶融金属中に位置付け、
上記焼鈍炉は、
内部にヒータが設けられて炉内温度を600℃以上に設定した炉本体と、
上記炉本体内に設けられると共にその下流側に突出した線材挿通管と、
上記線材挿通管の下流端に接続されると共に内径が該線材挿通管よりも大きく形成され、且つ上記溶融金属中に位置付けられる線材出口を構成する出口部材と、
を有する0.2%耐力が50MPa以下であるメッキ線材の製造方法である。
上記焼鈍炉内に水素ガスを20〜80体積%含む混合ガスを、混合ガスが下流側から上流側に流れるように導入することにより線材の表面を還元して酸化被膜を除去し、また、上記焼鈍炉の線材出口を溶融金属中に位置付け、
上記焼鈍炉は、
内部にヒータが設けられて炉内温度を600℃以上に設定した炉本体と、
上記炉本体内に設けられると共にその下流側に突出した線材挿通管と、
上記線材挿通管の下流端に接続されると共に内径が該線材挿通管よりも大きく形成され、且つ上記溶融金属中に位置付けられる線材出口を構成する出口部材と、
を有する0.2%耐力が50MPa以下であるメッキ線材の製造方法である。
本発明によれば、焼鈍炉に線材を通して軟化させる際、焼鈍炉内に導入した還元ガスにより線材の表面を還元して酸化被膜を除去するので、フラックスを塗布することなく、焼鈍炉に続いて溶融金属中を通過させて線材の表面にメッキすることができる。
以下、実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1(a)〜(c)は本実施形態1に係るメッキ線材10を示す。実施形態1に係るメッキ線材10は、例えば、細分化して太陽電池におけるセル間を接続するインターコネクタとして用いられるものである。
図1(a)〜(c)は本実施形態1に係るメッキ線材10を示す。実施形態1に係るメッキ線材10は、例えば、細分化して太陽電池におけるセル間を接続するインターコネクタとして用いられるものである。
実施形態1に係るメッキ線材10は、平角の金属製の線材11とその表面を被覆するように設けられたハンダメッキ層12とを備えた平角線で構成されている。そして、実施形態1に係るメッキ線材10はフラックス成分を含有しない。ここで、メッキ線材10を構成する平角線には、図1(a)に示すような角部を有する断面矩形のものの他、丸線を四方から圧縮して形成した図1(b)に示すような角部が丸くなった断面略矩形のもの、及び丸線を上下から圧縮して形成した図1(c)に示すような断面において上下の辺が直線で且つ両側の辺が円弧状である陸上競技用トラック形状の偏平な断面略矩形のものも含まれる。平角線のメッキ線材10は、例えば、幅が1〜2mm、及び厚さが0.1〜0.2mmである。なお、メッキ線材10は、平角線の他、丸線であってもよく、また、角線であってもよい。
線材11を構成する金属としては、例えば、無酸素銅、タフピッチ銅が挙げられる。線材11は、伸線加工や伸線加工と圧延加工との組合せた公知の加工方法により得ることができる。
ハンダメッキ層12を形成するハンダ組成としては、融点が130〜300℃程度のSn−Pb合金、Sn−(0.5〜5質量%)Ag合金、Sn−(0.5〜5質量%)Ag−(0.3〜1.0質量%)Cu合金、Sn−(0.3〜1.0質量%)Cu合金、Sn−(1.0〜5.0質量%)Ag−(5〜8質量%)In合金、Sn−(1.0〜5.0質量%)Ag−(40〜50質量%)Bi合金、Sn−(40〜50質量%)Bi合金、Sn−(1.0〜5.0質量%)Ag−(40〜50質量%)Bi−(5〜8質量%)In合金等が挙げられる。Pbは人体に有害であり、自然環境を汚染するおそれがあるので、汚染防止の観点からはPbフリーのSn−Ag合金、Sn−Ag−Cu合金、Sn−Cu合金、Sn−Ag−In合金、Sn−Ag−Bi合金などのはんだ材が好ましく、具体的には、Sn−3.0質量%Ag−0.5質量%Cu合金が好ましい。ハンダメッキ層12の厚さは5〜80μmであることが好ましく、10〜50μmであることがより好ましい。
実施形態1に係るメッキ線材10は、極軟化処理(焼鈍処理)が施されることにより、0.2%耐力が60MPa以下であることが好ましく、50MPa以下であることがより好ましい。
メッキ線材10に含有されていないフラックス成分としては、例えば、アビエチン酸などのロジン成分材料、アミン及びその塩、セバシン酸、アゼライン酸、コルク酸などの脂肪族骨格に両末端カルボン酸を有する有機酸等が挙げられる。
次に、実施形態1に係るメッキ線材10の製造方法について説明する。
図2は実施形態1に係るメッキ線材10の製造方法で用いるメッキ線材製造装置20を示す。
実施形態1に係るメッキ線材製造装置20は、線材供給部21、洗浄槽22、焼鈍炉23、メッキ槽24、及び線材回収部25を備えている。
線材供給部21は、丸線の線材11が巻かれたボビンBが取り付けられるように構成されており、図示しない圧延機を備えている。この線材供給部21において、ボビンBから丸線の線材11が引き出されて圧延機によって上下方向から冷間圧延加工され、平角の線材11となって洗浄槽22に送り出される。
洗浄槽22は、長尺に形成されており、槽内に洗浄液が貯留されている。この洗浄槽22において、線材供給部21からの線材11が洗浄液に浸漬され、その中を通過して表面の油分等が洗浄除去され、そして、引き上げられて焼鈍炉23に送り出される。線材11の洗浄液への浸漬長さは例えば0.5〜5mである。
焼鈍炉23は、長尺箱形の炉本体23aに線材挿通管23bが長さ方向に挿通されて貫通状態に設けられた構成を有する。ヒータは炉本体23a内部に設けられている。焼鈍炉23は、待機時の水平位置と加工時の傾斜位置との間で傾動可能に構成されており、傾斜位置に位置付けられると、炉本体23aの下流側に突出した線材挿通管23bの先端部分が後述のメッキ槽24内の溶融したハンダM(溶融金属)に浸かり、従って、焼鈍炉23の下流端の線材出口がメッキ槽24内の溶融したハンダM(溶融金属)中に位置付けられるように構成されている。また、炉本体23aの下流側に突出した線材挿通管23bには還元ガス供給管26が接続されており、焼鈍路23内を還元ガスが下流側から上流側に流れるように構成されている。この焼鈍炉23において、洗浄槽22からの線材11が高温の還元ガス雰囲気に導入され、その中を通過して焼き鈍されると共に表面が還元ガスによって還元されて酸化被膜が除去され、そして、線材出口からメッキ槽24内の溶融したハンダM中に送り出される。なお、還元ガス供給管26は炉本体23aの下流側に突出した線材挿通管23b以外の部分に接続されていてもよいが、還元ガスによる酸化被膜の除去を効率よく行う観点からは、上記のように還元ガス供給管26が炉本体23aの下流側に突出した線材挿通管23に接続され、還元ガスが下流側から上流側に流れる構成が好ましい。線材11の焼鈍炉23での加熱長さは例えば0.5〜5mである。線材挿通管23bの内径は例えば5〜30mmである。
メッキ槽24は、槽内に溶融したハンダMが貯留されている。このメッキ槽24において、焼鈍炉23からの線材11が溶融したハンダMに浸漬され、ハンダ中に設けられたターンロール27に巻き掛けられた後、溶融したハンダMの外部に出てメッキ槽24の上方に設けられた引き上げロール28に巻き掛けられるまでの間で空冷され、そして、それによって表面を被覆するようにハンダメッキ層12が形成されたメッキ線材10に製造される。メッキ槽24の上方には、メッキ槽24から引き上げられた線材11を冷却する冷却器が設けられていてもよい。また、メッキ槽24から引き上げられた線材11に形成するハンダメッキ層12の厚さを調整するダイスが設けられていてもよい。但し、ダイスによる20〜40μmといった薄いハンダメッキ層12の厚さの調整は困難であることから、線材11に付着したハンダが自重で下方に落ちてハンダメッキ層12の厚さの調整が図られるように、メッキ槽24から引き上げられた線材11が垂直に上方に延びるように引き上げロール28が設けられた構成であってもよい。
線材回収部25は、ボビンBが取り付けられ、その取り付けられたボビンBを回転させるように構成されている。この線材回収部25において、メッキ槽24から引き上げロール28を経由して延びるメッキ線材10がボビンBに巻き取られて回収される。
なお、実施形態1に係るメッキ線材製造装置20には、各部間にガイドロールRが設けられており、それによって線材11或いはメッキ線材10を案内するように構成されている。また、実施形態1に係るメッキ線材製造装置20は、一時に単一のメッキ線材10のみを製造するように構成されていてもよいが、高い生産性を得る観点から同時に複数のメッキ線材10を製造するように構成されていることが好ましい。
実施形態1に係るメッキ線材10の製造方法では、以上に説明した実施形態1に係るメッキ線材製造装置20を用い、線材供給部21において、圧延機で丸線の線材11を上下方向から冷間圧延加工して平角の線材11として送り出すと共に、線材回収部25において製品のメッキ線材10として回収する。この線材11の送り速度は例えば2〜50m/minである。
そして、洗浄槽22では、線材11の表面の油分等を洗浄液で洗浄除去する。洗浄液としては、例えば、水(温水)、有機溶剤等が挙げられる。洗浄液を水とする場合、水温は例えば10〜60℃である。洗浄液には洗剤を含めてもよい。
焼鈍炉23では、線材11を高温の還元ガス雰囲気下で焼き鈍すと共に表面を還元ガスにより還元して酸化被膜を除去する。このとき、還元ガスが焼鈍炉23内を下流側から上流側に流れることにより、線材11の表面の酸化被膜を効果的に除去することができる。炉内温度は、有効に線材11を極軟化させる観点から300〜900℃であることが好ましく、500〜800℃であることがより好ましい。還元ガスとしては、例えば、水素ガス、一酸化炭素ガス等が挙げられるが、これらのうち作業環境性の観点から水素ガスが好ましい。また、焼鈍炉23には、還元ガスを不活性ガスで希釈して導入することが好ましい。かかる不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス、アルゴンガス等が挙げられるが、これらのうち汎用性の観点から窒素ガスが好ましい。焼鈍炉23に導入するガスに含まれる還元ガスの濃度は10〜80体積%であることが好ましく、経済的観点からは20〜50体積%であることがより好ましい。焼鈍炉23内に供給するガスの流量は例えば2〜3L/minである。
メッキ槽24では、線材11の表面に溶融したハンダMを付着させ、それを引き上げて空冷し、線材11の表面を被覆するようにハンダメッキ層12を形成する。溶融したハンダMの温度は例えば230〜300℃である。メッキ槽24内のハンダMに進入するときの線材11の温度は100〜500℃であることが好ましく、ハンダメッキ層12の厚さを抑制する観点からは150〜450℃であることが好ましい。
線材回収部25では、メッキ線材10をボビンBに巻き取って回収する。
以上の通り、実施形態1に係るメッキ線材10の製造方法によれば、焼鈍炉23に平角の線材11を通して軟化させる際、焼鈍炉23内に導入した還元ガスにより線材11の表面を還元して酸化被膜を除去するので、フラックスを塗布することなく、また、酸化被膜を除去した線材11を大気に接触させることなく、焼鈍炉23に続いて溶融したハンダMに浸漬して線材11の表面にハンダメッキ層12を形成することができる。従って、フラックスを使用しないので、メッキ後のメッキ線材10に腐食等による劣化が生じるのを抑制することができる。また、フラックスによる設備の汚染が無く、設備コストを低く抑えることができる。
(実施形態2)
図3は実施形態2に係るメッキ線材製造装置20における焼鈍炉23及びメッキ槽24を示す。なお、実施形態1と同一名称の部分は同一符号で示す。
図3は実施形態2に係るメッキ線材製造装置20における焼鈍炉23及びメッキ槽24を示す。なお、実施形態1と同一名称の部分は同一符号で示す。
実施形態2に係るメッキ線材製造装置20では、焼鈍炉23は、炉本体23aの下流側に突出した線材挿通管23bの下流端に出口部材23cが接続されている。出口部材23cは、線材挿通管23bよりも内径が大きい管で構成されており、線材挿通管23bに続いて同軸に設けられている。これにより線材11の通過する空間が線材挿通管23bから出口部材23cに不連続で拡大変化した構造に構成されている。そして、この出口部材23cの下流端がハンダM中に位置付けられる線材出口に構成される。出口部材23cの内径は例えば20〜50mmである。
炉本体23a内での加熱効率の観点からは線材挿通管23bの内径は小さいことが好ましい一方、内径の小さい線材挿通管23bの下流端が線材出口に構成されてハンダM中に位置付けられると、線ブレによりハンダMへの導入前後の線材11が線材挿通管23bの内壁に接触し、線材11の表面に傷が入ったり、また、メッキされたメッキ線材10の表面に傷が入ったり、メッキが剥がれたりする虞がある。しかしながら、上記の構成のように線材挿通管23bよりも内径が大きく形成された出口部材23cが線材挿通管23bの下流端に接続されていることにより、ハンダMへの導入前後の線材11が線ブレにより管内壁に接触することが回避され、その結果、線材11或いはメッキ線材10の表面への傷の発生を抑制することができる。
(その他の実施形態)
なお、上記実施形態1及び2では、丸線の線材11を図示しない圧延機により冷間圧延加工により平角状にした線材11を溶融したハンダMに浸漬する構成としたが、特にこれに限定されるものではなく、別工程により予め冷間圧延加工を施して平角状に形成した線材11を巻いたボビンBを本装置に取り付け、そして、その線材11にメッキを施す構成としてもよい。丸線の線材11を平角状に形成する方法は、圧延加工以外に伸線加工など公知の方法を用いることができ、特に限定されるものではない。
なお、上記実施形態1及び2では、丸線の線材11を図示しない圧延機により冷間圧延加工により平角状にした線材11を溶融したハンダMに浸漬する構成としたが、特にこれに限定されるものではなく、別工程により予め冷間圧延加工を施して平角状に形成した線材11を巻いたボビンBを本装置に取り付け、そして、その線材11にメッキを施す構成としてもよい。丸線の線材11を平角状に形成する方法は、圧延加工以外に伸線加工など公知の方法を用いることができ、特に限定されるものではない。
また、上記実施形態1及び2では、焼鈍炉23の下流端の線材出口がメッキ槽24内の溶融したハンダM中に位置付けられ、焼鈍炉23を通過した線材11が大気に触れることなく溶融したハンダMに浸漬される構成としたが、特にこれに限定されるものではない。
また、上記実施形態1及び2では、線材11を溶融したハンダMに浸漬してハンダメッキ層12を形成させたが、特にこれに限定されるものではなく、その他の溶融金属に浸漬してメッキ層を形成してもよい。
また、上記実施形態2では、出口部材23cを線材挿通管23bよりも内径が大きい管で構成したが、特にこれに限定されるものではなく、例えば、図4に示すように、出口部材23cをコーン状部材で構成し、線材11の通過する空間が線材挿通管23bから出口部材23cに連続で拡大変化した構造に構成してもよく、また、図5に示すように、出口部材23cを下向きに開口した箱状のカバー部材で構成してもよい。
上記実施形態1と同様の構成のメッキ線材製造装置を用いてメッキ線材を製造した。
(メッキ線材の製造)
<製造例1>
線材として幅2.0mm及び厚さ0.2mmの無酸素銅のもの、洗浄液として水温40℃の水、及び溶融したハンダとしてSn−3.0%Ag−0.5%Cuの組成のものを290℃としたものをそれぞれ用いた。そして、線材の送り速度を10m/minとし、また、還元ガス供給管から水素ガス100体積%のガスを流量2L/minで供給し、さらに、焼鈍炉の炉内温度を400℃としてメッキ線材を製造した。
<製造例1>
線材として幅2.0mm及び厚さ0.2mmの無酸素銅のもの、洗浄液として水温40℃の水、及び溶融したハンダとしてSn−3.0%Ag−0.5%Cuの組成のものを290℃としたものをそれぞれ用いた。そして、線材の送り速度を10m/minとし、また、還元ガス供給管から水素ガス100体積%のガスを流量2L/minで供給し、さらに、焼鈍炉の炉内温度を400℃としてメッキ線材を製造した。
<製造例2>
還元ガス供給管から水素ガス50体積%及び窒素ガス50体積%の混合ガスを供給し、焼鈍炉の炉内温度を400℃としたことを除いて製造例1と同一条件でメッキ線材を製造した。
還元ガス供給管から水素ガス50体積%及び窒素ガス50体積%の混合ガスを供給し、焼鈍炉の炉内温度を400℃としたことを除いて製造例1と同一条件でメッキ線材を製造した。
<製造例3>
還元ガス供給管から水素ガス20体積%及び窒素ガス80体積%の混合ガスを供給し、焼鈍炉の炉内温度を400℃としたことを除いて製造例1と同一条件でメッキ線材を製造した。
還元ガス供給管から水素ガス20体積%及び窒素ガス80体積%の混合ガスを供給し、焼鈍炉の炉内温度を400℃としたことを除いて製造例1と同一条件でメッキ線材を製造した。
<製造例4>
還元ガス供給管から水素ガス5体積%及び窒素ガス95体積%の混合ガスを供給し、焼鈍炉の炉内温度を400℃としたことを除いて製造例1と同一条件でメッキ線材を製造した。
還元ガス供給管から水素ガス5体積%及び窒素ガス95体積%の混合ガスを供給し、焼鈍炉の炉内温度を400℃としたことを除いて製造例1と同一条件でメッキ線材を製造した。
<製造例5>
還元ガス供給管から水素ガス20体積%及び窒素ガス80体積%の混合ガスを供給し、焼鈍炉の炉内温度を200℃としたことを除いて製造例1と同一条件でメッキ線材を製造した。
還元ガス供給管から水素ガス20体積%及び窒素ガス80体積%の混合ガスを供給し、焼鈍炉の炉内温度を200℃としたことを除いて製造例1と同一条件でメッキ線材を製造した。
<製造例6>
還元ガス供給管から水素ガス20体積%及び窒素ガス80体積%の混合ガスを供給し、焼鈍炉の炉内温度を300℃としたことを除いて製造例1と同一条件でメッキ線材を製造した。
還元ガス供給管から水素ガス20体積%及び窒素ガス80体積%の混合ガスを供給し、焼鈍炉の炉内温度を300℃としたことを除いて製造例1と同一条件でメッキ線材を製造した。
<製造例7>
還元ガス供給管から水素ガス20体積%及び窒素ガス80体積%の混合ガスを供給し、焼鈍炉の炉内温度を500℃としたことを除いて製造例1と同一条件でメッキ線材を製造した。
還元ガス供給管から水素ガス20体積%及び窒素ガス80体積%の混合ガスを供給し、焼鈍炉の炉内温度を500℃としたことを除いて製造例1と同一条件でメッキ線材を製造した。
<製造例8>
還元ガス供給管から水素ガス20体積%及び窒素ガス80体積%の混合ガスを供給し、焼鈍炉の炉内温度を600℃としたことを除いて製造例1と同一条件でメッキ線材を製造した。
還元ガス供給管から水素ガス20体積%及び窒素ガス80体積%の混合ガスを供給し、焼鈍炉の炉内温度を600℃としたことを除いて製造例1と同一条件でメッキ線材を製造した。
<製造例9>
還元ガス供給管から水素ガス20体積%及び窒素ガス80体積%の混合ガスを供給し、焼鈍炉の炉内温度を800℃としたことを除いて製造例1と同一条件でメッキ線材を製造した。
還元ガス供給管から水素ガス20体積%及び窒素ガス80体積%の混合ガスを供給し、焼鈍炉の炉内温度を800℃としたことを除いて製造例1と同一条件でメッキ線材を製造した。
(評価方法)
<還元処理>
上記製造例1〜9で得られたメッキ線材のハンダメッキ層の付着具合を目視で確認し、不メッキ部分が全くないものを「◎」、微小な不メッキ部分があるものを「○」、及び全くメッキが載っていないものを「×」と評価した。
<還元処理>
上記製造例1〜9で得られたメッキ線材のハンダメッキ層の付着具合を目視で確認し、不メッキ部分が全くないものを「◎」、微小な不メッキ部分があるものを「○」、及び全くメッキが載っていないものを「×」と評価した。
<極軟化処理>
上記製造例1〜9で得られたメッキ線材の0.2%耐力を測定し、50MPa以下のものを「◎」、50MPaよりも大きく且つ60MPa以下のものを「○」、及び60MPaよりも大きいものを「×」と評価した。
上記製造例1〜9で得られたメッキ線材の0.2%耐力を測定し、50MPa以下のものを「◎」、50MPaよりも大きく且つ60MPa以下のものを「○」、及び60MPaよりも大きいものを「×」と評価した。
(評価結果)
表1は評価結果を示す。
表1は評価結果を示す。
還元処理については、製造例1が◎、製造例2が◎、製造例3が◎、製造例4が×、製造例5が×、製造例6が○、製造例7が◎、製造例8が◎、及び製造例9が◎であった。この結果より、還元処理のためには還元ガスの割合が20体積%以上であることが好ましく、また、焼鈍炉の炉内温度が300℃以上であることが好ましいことが分かる。
極軟化処理については、製造例1が×、製造例2が×、製造例3が×、製造例4が×、製造例5が×、製造例6が×、製造例7が○、製造例8が◎、及び製造例9が◎であった。この結果より、極軟化処理のためには焼鈍炉の炉内温度が500℃以上であることが好ましいことが分かる。
本発明はメッキ線材の製造方法について有用である。
10 メッキ線材
11 線材
12 ハンダメッキ層
20 メッキ線材製造装置
21 線材供給部
22 洗浄槽
23 焼鈍炉
23a 炉本体
23b 線材挿通管
23c 出口部材
24 メッキ槽
25 線材回収部
26 還元ガス供給管
27 ターンロール
28 引き上げロール
B ボビン
R ガイドロール
11 線材
12 ハンダメッキ層
20 メッキ線材製造装置
21 線材供給部
22 洗浄槽
23 焼鈍炉
23a 炉本体
23b 線材挿通管
23c 出口部材
24 メッキ槽
25 線材回収部
26 還元ガス供給管
27 ターンロール
28 引き上げロール
B ボビン
R ガイドロール
Claims (2)
- 銅製の線材を、焼鈍炉に通して軟化させるのに続いて、溶融金属中に浸漬して表面を被覆するようにメッキ層を形成する太陽電池のインターコネクタに用いられるメッキ線材の製造方法であって、
上記焼鈍炉内に水素ガスを20〜80体積%含む混合ガスを、混合ガスが下流側から上流側に流れるように導入することにより線材の表面を還元して酸化被膜を除去し、また、上記焼鈍炉の線材出口を溶融金属中に位置付け、
上記焼鈍炉は、
内部にヒータが設けられて炉内温度を600℃以上に設定した炉本体と、
上記炉本体内に設けられると共にその下流側に突出した線材挿通管と、
上記線材挿通管の下流端に接続されると共に内径が該線材挿通管よりも大きく形成され、且つ上記溶融金属中に位置付けられる線材出口を構成する出口部材と、
を有する0.2%耐力が50MPa以下であるメッキ線材の製造方法。 - 請求項1に記載されたメッキ線材の製造方法において、
上記炉本体の炉内温度を900℃以下に設定するメッキ線材の製造方法。
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