JP2009027096A - 太陽電池用はんだめっき線及びその製造方法 - Google Patents

太陽電池用はんだめっき線及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】Siセルとはんだ接続後の熱収縮においてもセルの反りが少なく、かつ高導電率を有する太陽電池用はんだめっき線を提供する。
【解決手段】太陽電池セルに接合すべく、平角状に加工された導体10の表面にはんだめっきを被覆した太陽電池用はんだめっき線において、導体10は、その体積抵抗率が30μΩ・mm以下で、かつ表層11と内層12とからなる2層構造を有し、表層11の結晶粒径が内層12の結晶粒径よりも大きくした。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池のSiセルを接続する太陽電池用はんだめっき線とその製造方法に関するものである。
太陽電池には、多結晶或いは単結晶のSi結晶ウェハが用いられている。
図2に示すように、太陽電池は、Si結晶ウェハ(Siセル)1の裏面の所定の領域に接続用リード線2をはんだで接合し、接続用リード線2を通じて発電された電力を伝送する構成となっている。
図3に示すように、接続用リード線2は、導体3とその導体3を被覆するはんだめっき4とからなるはんだめっき線であり、導体3にタフピッチCuや無酸素Cuなどの純Cuで構成された平角状の導体を用い、はんだめっき4としてSn−Pb共晶はんだを用いている(例えば、特許文献1参照)。
また、はんだめっき線は、環境への配慮からPbを含まないはんだを使用したものへの切り換えが検討されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−21660号公報 特開2002−263880号公報
ところで、太陽電池を構成する部材のうち、Siセルが材料コストの大半を占めている。そのため、Siセルの薄板化が検討されている。
しかしながら、薄板化したSiセルは、はんだめっき線の接合時の加熱プロセスや使用時の温度変化により、Si結晶ウェハの反りや、その反りによる破損等の不具合が生じることがある。例えば、図4(a)に示すように、はんだ接続前は平板状であったSiセル1とはんだめっき線2とをはんだ接合することにより、図4(b)に示すように、はんだ接合時或いは接合後の熱収縮によりSiセル1に応力が発生し、反りが生じてしまう。
このような熱収縮によるセルの反りを防止するため、はんだめっき線に用いる材料として、熱膨張係数が小さいもののニーズが高まっている。例えば、熱膨張係数が小さいはんだめっき線の一例として、図5に示すように、Cu5−インバー6−Cu5(以下、インバー:登録商標)をクラッドした平角導体7をはんだ膜8で被覆したはんだめっき線9がある。
しかしながら、図4のはんだめっき線9は、インバー6が低熱膨張であるため、Siセルとの熱膨張整合が可能になるものの、導電率も低下してしまい太陽電池としての発電効率が下落してしまう。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、Siセルとはんだ接続後の熱収縮においてもセルの反りが少なく、かつ高導電率を有する太陽電池用はんだめっき線とその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、太陽電池セルに接合すべく、断面形状が平角状に加工された導体の表面にはんだめっきを被覆した太陽電池用はんだめっき線において、上記導体は、その体積抵抗率が30μΩ・mm以下で、かつ表層と内層とからなる2層構造を有し、上記表層の結晶粒径が上記内層の結晶粒径よりも大きい太陽電池用はんだめっき線である。
請求項2の発明は、太陽電池セルに接合すべく、断面形状が平角状に加工された導体の表面にはんだめっきを被覆した太陽電池用はんだめっき線において、
上記導体は、その体積抵抗率が30μΩ・mm以下で、かつ表層と内層とからなる2層構造を有し、上記表層の結晶粒径が上記内層の結晶粒径よりも大きく、上記内層の厚さの半分r1と上記表層の厚さr2の合計に対する表層の厚さの比r2/(r1+r2)が0.1〜0.3である太陽電池用はんだめっき線である。
請求項3の発明は、引張試験における上記導体の0.2%耐力が16〜70MPaである請求項1または2記載の太陽電池用はんだめっき線である。
請求項4の発明は、引張試験における0.2%耐力が37〜100MPaである請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池用はんだめっき線である。
請求項5の発明は、太陽電池セルに接合すべく、断面形状が平角状に加工された導体の表面にはんだめっきを被覆した太陽電池用はんだめっき線の製造方法において、体積抵抗率が30μΩ・mm以下の金属材料を鋳造した後、圧延加工あるいはスリット加工を施して導体を形成し、その導体に熱処理を施し、上記導体の表面付近のみをスキンパス加工し、再度熱処理を施すことにより、上記導体を表層の結晶粒径が内層の結晶粒径よりも大きい2層構造に形成する太陽電池用はんだめっき線の製造方法である。
請求項6の発明は、上記スキンパス加工による導体の加工率を0.5〜5%とする請求項5記載の太陽電池用はんだめっき線の製造方法である。
請求項7の発明は、上記熱処理を650〜750℃で40〜60分行い、再熱処理を850〜900℃で40〜60分行う請求項5または6記載の太陽電池用はんだめっき線の製造方法である。
本発明によれば、Siセルとはんだ接続後の熱収縮においてもセルの反りが少なく、かつ高導電率を有するという優れた効果を発揮する。
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1は本発明に係る太陽電池セル用はんだめっき線の好適な実施の形態を示した横断面図である。
図1に示すように、本実施形態の太陽電池セル用はんだめっき線(以下、はんだめっき線)は、Siウェハから作製される太陽電池セル(Siセル)と接合するはんだめっき線であり、導体10とその導体10を被覆するはんだめっき(図示せず)とからなる。
導体10は、Siセルへのはんだ接続が容易となるよう断面形状が平角状に形成され、体積抵抗率が30μΩ・mm以下の導体材料で構成される。体積抵抗率30μΩ・mm以下の導体材料としてはCuが用いられる。
さらに、導体10は、表層11と、結晶粒径が表層(外層部)11の結晶粒径よりも大きい内層(内層部)12とからなる2層構造に形成されている。導体10の2層構造は、後述する熱処理とスキンパス加工を導体に施すことにより形成されるものであり、スキンパス加工の及ぶ導体表面付近を表層11とし、スキンパス加工の影響の及ばない導体内部を内層12とする。本実施形態では、平角状の導体10の両面に表層11を形成した表層−内層−表層の3層となっている。
本実施形態のはんだめっき線は、表層11の厚さの半分r1と内層12の厚さr2の合計に対する内層12の厚さr2の比(厚さ比という)r2/(r1+r2)を0.1〜0.3とした。
厚さ比は、導体10の断面を観察することにより、結晶粒径が小さい領域と結晶粒径が大きい領域とを見極めて両層の境界13を決定し、粒径が小さい領域(内層12)の厚さと粒径の大きい領域(表層11)の厚さr2とをそれぞれ計測し、計測したr1、r2から求めたものである。
また、本実施形態のはんだめっき線は、導体10の引張試験における0.2%耐力が16〜70MPaである。また、はんだめっき線の引張試験における0.2%耐力が37〜100MPaである。ここで、引張試験による0.2%耐力を求める際に、導体の0.2%耐力については、導体10の断面積を用いて求めており、はんだめっき線の0.2%耐力については、導体10のみの断面積を用い、引張試験における荷重を除算して求めている。
本実施形態のはんだめっき線の製造方法について説明する。
まず、導体10を構成する体積抵抗率30μΩ・mm以下の導体材料(本実施形態ではCu)を長尺に鋳造した後、鋳造した導体材料に圧延加工或いはスリット加工を施して平角状の導体10を形成する。
次に、その導体10を熱処理する。この熱処理は、圧延加工或いはスリット加工した導体のひずみの回復(補正)と結晶粒径の成長を図るために行われる。熱処理の方法は、導体10に直接電流を流して加熱する通電加熱方式の方法、或いは、高温炉内で導体10を加熱するバッチ加熱式の方法でもよい。熱処理条件は、650〜750℃で40〜60分とするのがよい。
次に、熱処理した導体10をスキンパス加工する。ここでいうスキンパス加工は、導体10の表層11のみを軽度に圧延加工する工程である。導体10のスキンパス加工法としては、圧延加工或いはプレス加工のいずれでもよい。スキンパス加工の加工率は、0.5〜5%とするのがよい。
スキンパス加工した後、導体10を再び熱処理する(再熱処理)。この再加熱処理は、スキンパス加工後に導体10に再結晶を発生させるために行われる。再熱処理の方法は、スキンパス加工前に施した熱処理と同様に通電加熱方式或いはバッチ加熱式のいずれの方法を用いてもよい。再熱処理条件は、850〜900℃で40〜60分とするのがよい。
圧延加工或いはスリット加工したした導体10に熱処理、スキンパス加工及び再熱処理を行うことにより、表層11の結晶粒径が内層12の結晶粒径よりも大きい2層構造の導体を形成することができる。
再加熱処理後、導体にはんだめっき被覆を施し、はんだめっき線が得られる。
次に、本実施の形態の作用について説明する。
はんだめっき線はSiセルと高温下ではんだ接続(接合)される。一般に、Siセルとはんだめっき線のように、熱膨張係数の異なる異種金属を高温で接続した場合には、温度変化分と熱膨張率とヤング率とを積算した値が、図4(b)に示したような反りを発生させる力となる。互いに接続される部材(Siセルとはんだめっき線)の剛性が著しく異なり、はんだ接続温度が200℃以上と高温の場合、Siセルに比べて断面積が小さい導体の方が降伏してしまう。
導体は、降伏応力が小さいと、少ない力(上記の反りを発生させる力)で塑性変形してしまい、それ以上力を加えても変形抵抗の増加は少ない。この塑性変形を生じさせる応力を示す指標に0.2%耐力があり、導体の0.2%耐力が小さい程、Siセルへはんだ接続した後の反り量を低減させることができる。
そして、0.2%耐力は、導体の結晶粒径との相関が大きいことが知られており、粒界が小さい程、つまり結晶粒径が大きい程、導体の変形抵抗が小さい。すなわち、導体の結晶粒径が大きくなると導体の耐力は低減し、はんだめっき線をSiセルに接続した後、Siセルに発生する熱応力(セルを反らせる力)を低減することができる。
一方、導体の結晶粒径が大きくなりすぎると導体の伸びは低下すると共に、クラックが発生しやすくなり、導体が脆化する。
従って、結晶粒径は、一定条件範囲内に入っている必要がある。この結晶粒径を上記の一定条件範囲内にする要因としては、導体の圧延加工或いはスリット加工条件、熱処理条件(温度、時間など)、スキンパス加工条件(加工率)、再熱処理条件(温度、時間など)があり、それらの組み合わせで結晶粒径が決定される。
本実施形態のはんだめっき線は、銅等の30μΩ・mm以下の導体材料を用いることで高導電率を実現すると共に、導体10を結晶粒径の大きい表層11と表層11より結晶粒径の小さい内層12とからなる2層構造に形成することにより、結晶粒径の大きい表層11において、導体の耐力を低減してセルの反りを防止し、かつ内層12を従来と同程度の結晶粒径とすることで、導体10の脆化を防止することができる。
また、選択された(上記の一定条件範囲内)結晶粒径を有する導体10は、その伸び量が十分に得られるため、導体10の成型加工性及び長期にわたる信頼性に優れたものとなる。
本実施形態のはんだめっき線では、内層12の厚さの半分r1と表層11の厚さr2との合計に対する表層11の厚さの比(厚さ比)r2/(r1+r2)が0.1〜0.3としている。
厚さ比が0.1より小さいと、表層11の結晶粒径が大きい領域が少なすぎて、セルの反りを低減する効果が得られない。一方、厚さ比が0.3より大きいと、表層11の結晶粒径が大きい領域が広すぎるため、クラックが発生してしまう。よって、厚さ比は0.1〜0.3が好ましい。
本実施形態のはんだめっき線は、導体10の0.2%耐力を16〜70MPa、或いははんだめっき線の0.2%耐力を37〜100MPaとすることで、太陽電池に接合後、熱収縮によるSiセルの反りとクラックの発生の両方を確実に抑制することができる。
導体10を被覆するはんだは、Siセルとの熱膨張整合を考慮して低温接続が可能な組成のものが求められていたが、図1に示した2層構造の導体10とすることにより、接続温度が高いSn−Ag−Cu系の組成のものを選択することもできる。
また、本実施形態のはんだめっき線の製造方法において、導体10を熱処理後、導体10に表層11のみを軽度に圧延するスキンパス加工を施すと、内層12はあまり硬化せず表層のみが硬化する。一般に、硬化した導体材料を熱処理すると結晶が成長し結晶粒径が大きくなるが、本実施形態の製造方法のように、表層11のみを硬化させた導体10を再熱処理すると、その表層11のみで結晶成長が促進され、スキンパス加工前に比べて表層11の結晶粒径を大きくすることができる。一方、内層12ではスキンパス加工による硬化がないため、再熱処理による結晶成長が少ない状態となる。したがって、導体10の平均的な0.2%耐力をスキンパス加工前に比べて小さくすることができ、かつ、内層12では結晶粒が極端には成長していないため、クラックの発生を抑制することができる。
すなわち、本実施形態のはんだめっき線の製造方法によれば、Siセルとはんだ接続後の熱収縮においてもセルの反りを防止することができると共に、クラックの発生による導体の脆化を防ぐことができ、かつ高い導電性を有するはんだめっき線を得ることができる。
導体10のスキンパス加工度は、0.5〜5%が適切であり、より好ましくは3〜5%とするのがよい。加工度が0.5%よりも小さいとSiセルの反りを低減する効果が得られず、5%よりも大きいと表層11の加工度の高い領域が大きくなりすぎ、クラックが発生しやすくなる。加工度を0.5〜5%の範囲内にすることにより、従来よりも大幅に耐力を下げながら、導体のクラックを防止でき、長期における信頼性の低下を防止することができる。
また、熱処理条件に関して、本実施形態の製造方法では、圧延加工或いはスリット加工後650〜750℃で40〜60分熱処理し、その後にスキンパス加工し、スキンパス加工後に850〜900℃で40〜60分再熱処理している。圧延加工或いはスリット加工後の熱処理条件の適正範囲を650℃〜750℃としたのは、熱処理温度が650℃より低いと中心(内層12)の結晶粒が200μm以下と小さくなってしまい、750℃を超えるとクラックが発生しやすくなるためである。スキンパス後の熱処理温度の適正範囲を850〜900℃としたのは、850℃よりも低いと表層11の結晶粒が大きくならず、900℃を超えるとクラックが発生しやすくなるためである。
以上、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、他にも種々のものが想定される。
体積抵抗率が30μΩ・mm以下の導体材料としてCuを用いたが、他に、Au、Ag、Al或いはこれらの元素を含む合金が挙げられる。
特に、体積抵抗率が最も低い導体材料はAgであり、太陽電池の発電効率を最大限にすることができる。また、低コスト化を優先する場合には導体材料としてCuを用いるのがよい。軽量化を図る場合には導体材料としてAlを用いるのが望ましい。
Cuの種類としては、タフピッチCu,無酸素Cu,リン脱酸Cu,Cu(純度99.9999%以上)のいずれを用いてもよい。0.2%耐力を最も小さくするためには純度が高いCuを用いるのがよく、純度99.9999%以上のCuを選択する。一方、不純物が入ると0.2%耐力は大きくなるが低コスト化を図る際には、タフピッチCuもしくはリン脱酸Cuを選択する。
導体材料は、連続鋳造圧延装置の溶湯貯溜手段(例えば銅溶湯貯留手段)に貯溜され、酸素含有量が5ppm以上の銅溶湯に、Ti,Zr,V,Ta,Fe,Ca,Mg又はNiから選択される少なくとも1種又は2種の金属(硫黄親和性金属)を含有し、銅溶湯中に含まれる金属の割合を0.0007〜0.05重量%に調整し、その銅溶湯を用いて荒引き材を製造し、その荒引き材に減面率30%以上の冷間伸線加工を施し、熱処理を施したものを用いてもよい。
この硫黄親和性金属(例えば、Ti)が酸素含有量5ppm以上の銅溶湯に固溶しているSと反応することで、Sが硫化物(例えば、TiS)として析出し、Sの固溶量が減少する。このため、酸素含有量が比較的多いタフピッチ銅(TPC)などを導体材料にしたとしても、銅のマトリクスからSを析出させることができ、軟化特性の点において、高純度の銅(例えば、OFC)とほぼ同等の特性が得られるようになるためである。これによれば、高価なOFCでなくても廉価なTPCを用いて、0.2%耐力をより低減することができる。
導体材料としてタフピッチ銅に200ppm程度のPを添加し、最終的にPの含有量が100ppm以下となるように銅合金を用いてもよい。この場合、添加したPがOと結びつき、不純物が低下する。そのため、高価なOFCを用いなくても安価に耐力が低い材料を得ることができる。
また、導体10は鋳造して得られた丸線を圧延して平角化する方式でも、スリットする方式のどちらでもよい。圧延方式では長尺で均一なものが製造できる。スリット方式では種々の幅の材料に対応できるメリットがある。
0.2%耐力を低減するための熱処理方式としては、通電加熱方式でもバッチ式加熱方式でも適用可能である。連続で長尺にわたって処理する場合には、通電加熱が向いており、安定した熱処理が必要な場合には、バッチ式加熱方式が望ましい。他に、酸化を防止する観点から水素還元雰囲気の炉を用いてもよい。
熱処理及び再熱処理は、加熱温度と加熱時間の組み合わせで、結晶粒径を制御することができる。熱処理条件及び再熱処理条件は、Cu以外のAu,Ag,Alを用いた導体についても同様である。
導体10の被覆に用いるはんだは、Sn系はんだ(第1成分)、或いは第2成分としてPb,In,Bi,Sb,Ag,Zn,Ni,Cuから選択される少なくとも1種の元素を0.1wt%以上含むSn系合金はんだであるが、さらに第3成分として1000ppm以下の微量元素を含んでいるものを用いてもよい。
また、本発明に係る太陽電池セル接続用配線導体及びはんだめっき線は、セルとの接合がなされた複数箇所に変形し易い加工部を含んでいてもよく、加工法としてはエッチング、プレス、曲げ成形のうちのいずれか、或いは複数を併用してもよい。
次に、本発明の実施形態について、実施例に基づいて説明する。
(実施例)
実施例1−14は、まず幅2.0mm、厚さ0.16mmのCu材料を平角線状に圧延成形し、熱処理によって歪みの回復と結晶粒径の成長を図った(熱処理工程)。次に、導体の表層のみを軽度に圧延加工(スキンパス加工工程)し、更にその後に熱処理を行って再結晶を発生させ(再熱処理工程)、最後にその周囲をSn−3%Ag−0.5%Cu系の鉛フリーはんだで被覆したものを製作した。ただし、各実施例及び比較例の熱処理条件、スキンパス条件及び再熱処理条件はそれぞれ異なるものとした。
(比較例)
比較例は、スキンパス加工及び再熱処理を行なわず、それ以外については実施例と同様にして作製した。
実施例1−14及び比較例1の結果を表1及び表2に示す。表中、結晶粒径は、はんだめっき線の断面において結晶粒の大きいものから10個選び、10個の結晶粒径を平均化したものである。
Figure 2009027096
Figure 2009027096
表1及び表2に示すように、種々の熱処理条件、スキンパス条件及び再熱処理条件で試料を作製したところ、0.2%耐力を低減しながら導体のクラック発生を防止できる条件が存在することが確認できた。実施例1−14は、導体が結晶粒径450μmの表層(外層部)と結晶粒径250μmの内層(内層部)との2層構造に形成されていることにより、高導電性を維持すると共に、従来のはんだめっき線よりもセルの反りを低減でき、太陽電池接続用はんだめっき線に用いる導体として信頼性の高いものとすることが可能であることが確認できた。
特に、実施例2−4、7、8、10、11、13及び14は、内層部と外層部との厚さ比を0.1−0.3の範囲内とすることにより、耐クラックとセルの反りの両方において、特に高い信頼性を有するものであった。
これに対し、表1に示すように、導体を2層構造に形成していない比較例では、クラックが発生している。
(従来例)
従来例は、幅2.0mm、厚さ0.16mmのCu材料を平角線状に圧延成形して導体を形成し、導体の周囲をSn−3%Ag−0.5%Cuの鉛フリーはんだで被覆したものであって、表3に示す種々の0.2%耐力のものを作製した。作製した各はんだめっき線を、それぞれ縦150mm×横150mm、厚さ200μmのSiセルにはんだ接続したものの反りを調べた。
Figure 2009027096
表3に示すように、0.2%耐力の低下と共に反りも低減し、はんだめっき被覆Cu平角線で70MPaのものは、160MPaのものに対して1/2程度に反りが低減できている。
本発明に係る好適な一実施形態の太陽電池用はんだめっき線の導体を示す横断面図である。 Siセルとはんだめっき線の接合状態を示す斜視図である。 従来のはんだめっき線を示す横断面図である。 図4(a)は、Siセルとはんだめっき線の接合前の状態を示す断面図であり、図4(b)は、Siセルとはんだめっき線の接合後、反りが生じた状態を示す断面図である。 Cu−インバー−Cu構造のはんだめっき線を示す横断面図である。
符号の説明
10 導体
11 表層
12 内層

Claims (7)

  1. 太陽電池セルに接合すべく、断面形状が平角状に加工された導体の表面にはんだめっきを被覆した太陽電池用はんだめっき線において、
    上記導体は、その体積抵抗率が30μΩ・mm以下で、かつ表層と内層とからなる2層構造を有し、上記表層の結晶粒径が上記内層の結晶粒径よりも大きいことを特徴とする太陽電池用はんだめっき線。
  2. 太陽電池セルに接合すべく、断面形状が平角状に加工された導体の表面にはんだめっきを被覆した太陽電池用はんだめっき線において、
    上記導体は、その体積抵抗率が30μΩ・mm以下で、かつ表層と内層とからなる2層構造を有し、上記表層の結晶粒径が上記内層の結晶粒径よりも大きく、上記内層の厚さの半分r1と上記表層の厚さr2の合計に対する表層の厚さの比r2/(r1+r2)が0.1〜0.3であることを特徴とする太陽電池用はんだめっき線。
  3. 引張試験における上記導体の0.2%耐力が16〜70MPaである請求項1または2記載の太陽電池用はんだめっき線。
  4. 引張試験における0.2%耐力が37〜100MPaである請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池用はんだめっき線。
  5. 太陽電池セルに接合すべく、断面形状が平角状に加工された導体の表面にはんだめっきを被覆した太陽電池用はんだめっき線の製造方法において、
    体積抵抗率が30μΩ・mm以下の金属材料を鋳造した後、圧延加工あるいはスリット加工を施して導体を形成し、その導体に熱処理を施し、上記導体の表面付近のみをスキンパス加工し、再度熱処理を施すことにより、上記導体を表層の結晶粒径が内層の結晶粒径よりも大きい2層構造に形成することを特徴とする太陽電池用はんだめっき線の製造方法。
  6. 上記スキンパス加工による導体の加工率を0.5〜5%とする請求項5記載の太陽電池用はんだめっき線の製造方法。
  7. 上記熱処理を、650〜750℃で40〜60分行い、上記再熱処理を、850〜900℃で40〜60分行う請求項5または6記載の太陽電池用はんだめっき線の製造方法。
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