JP5073386B2 - 太陽電池用電極線材、その基材および基材の製造方法 - Google Patents

太陽電池用電極線材、その基材および基材の製造方法 Download PDF

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本発明は、太陽電池の接続用リード線として用いられる電極線材およびその基材に関する。
太陽電池は、PN接合を有するシリコン半導体で形成された半導体基板と、前記半導体基板の表面に線状に設けられた複数の表面電極に交叉するように設けられたはんだ帯にはんだ付けされた接続用リード線を備えている。通常、所望の起電力を得るために複数の太陽電池を直列に接続して使用される。直列接続は一つの太陽電池の表面電極に接続用リード線の一方の表面(下面)をはんだ付けし、他方の表面(上面)を隣接する太陽電池の、比較的大きな領域の裏面電極にはんだ付けすることによってなされる。
従来、前記接続用リード線の素材となる電極線材は、タフピッチ銅で形成された丸形断面の銅線が圧延されて平坦状に潰された潰し銅線を基材とし、その表面に溶融はんだめっき層が積層形成されたものが用いられていた。しかし、近年、基板の薄肉化に伴って、前記電極線材を基板にろう付けする際、基板にクラックが入るという問題があった。これは電極線材の基材を形成する銅の熱膨張率が半導体基板に比して大きく、ろう付け後の冷却収縮の際に電極線材の収縮が基板によって拘束され、その反作用として基板に応力を生じさせるからである。
このような問題を解消するため、国際公開WO 2005/114751号公報(特許文献1)に記載されているように、本発明者らは、耐力を19.6〜85MPaに低下させた純銅などで形成した基材に溶融はんだめっきを施した太陽電池用電極線材を提案した。かかる電極線材によれば、ろう付け後の冷却収縮時に電極線材の基材が自ら塑性変形し、基板による拘束が軽減されるので、基板に生じる応力も軽減され、基板の割損を防止することができる。
国際公開WO 2005/114751号公報
従来、板厚の薄い半導体基板としては、板厚が200〜250μm 程度のものが用いられてきた。しかし、近年、コスト低減のため、基板の厚さがますます薄肉化する傾向にあり、特に、最近では原材料の高騰に伴い、この傾向が一層顕著になっている。
このため、上記特許文献1において提案した電極線材でも半導体基板に対する十分な耐割損性を有しているとはいえず、より一層の塑性変形能が求められている。本発明はかかる問題に鑑みなされたもので、従来の電極線材よりも優れた塑性変形能を備えた太陽電池用電極線材、その基材、基材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、純銅板を種々の圧下率で圧延し、圧延方向に沿って線状に切断した後、軟化焼鈍して基材を製造したところ、圧延条件によっては基材の耐力が著しく低下することを知見した。そして、基材の圧延方向に対する結晶方位をX線回折法により調べたところ、<100>、<114>、<112>が支配的であり、さらに低耐力の基材では<114>、<112>がより支配的であることを見出した。本発明はかかる知見に基づいてなされたものである。
本発明の第1形態に係る基材は、基材の表面に溶融はんだめっきが施された太陽電池用電極線材のめっき前の基材であって、前記基材は、Cuを99.90mass%以上含む純銅の圧延材で形成され、圧延方向の結晶方位<100>、<114>、<112>のX線回折によるピーク強度をそれぞれP<100>、P<114>、P<112>と表すとき、下記式に示す<114>および<112>の結晶方位のピーク強度比PR(%)が50〜90%とされたものである。
PR(%)=(P<114>+P<112>)・100/(P<100>+P<114>+P<112>)
本発明の基材によれば、圧延方向に対する<114>および<112>の結晶方位のピーク強度比PR(%)が50〜90%であるので、圧延方向の耐力が15MPa程度以下に低下させることができる。このため、圧延方向に塑性変形し易くなり、この基材に溶融はんだめっきを施した電極線材を用いることにより、はんだ付け後の冷却収縮の際に半導体基板に収縮が拘束されても、基材が容易に塑性変形するため半導体基板に対する耐割損性に優れる。
上記基材を形成する純銅は、不純物であるO、PをO:0〜500ppm、P:0〜150ppmに規制することが好ましい。純銅に含まれる不純物としては、O、Pのほか、As、Sb、Bi、Pb、S、Feなどが含まれるが、O、Pは微量で塑性変形能が低下するため、これらを上記範囲に規制することにより、前記結晶方位の制御と相まって容易に基材の低耐力化を図ることができる。
前記基材は、長さ方向に沿って溶融はんだ収容用凹部を形成することが好ましい。前記溶融はんだ収容用凹部を設けることで、前記凹部に供給された溶融はんだが凝固する際、溶融はんだの中央部は膨らみ難く、平坦状になりやすい。このため、この基材に溶融はんだめっきを施した電極線材は、平坦化した溶融はんだ層を半導体基板にはんだ付けすることにより、はんだ付け性が向上する。
また、本発明の太陽電池用電極線材は、上記基材と、この基材の表面に積層形成された溶融はんだめっき層を備えたものである。上記基材の耐力が非常に低下したものであり、このため溶融はんだめっき後の電極線材も耐力が低下するため、本発明に係る太陽電池用電極線材によれば半導体基板に対する耐割損性を向上させることができる。
また、本発明の太陽電池用電極線材の基材の製造方法は、Cuを99.90mass%以上含む純銅板に対して中間圧延および中間焼鈍を行い、その後、圧下率が55〜90%の最終圧延を行って板状中間材を得て、前記板状中間材を圧延方向に沿って線状に切断加工して線状中間材を得て、前記線状中間材に最終焼鈍を施す。前記純銅板は不純物であるO、PをO:0〜500ppm、P:0〜150ppmとすることが好ましい。なお、従来、銅の圧延材を焼鈍して軟化させるには、最終圧延の圧下率を95%程度と高くして圧延し、焼鈍することが有効と考えられていた。
最終圧延の圧下率を55〜90%と低く設定することにより、焼鈍後の線状基材の圧延方向に対する<114>および<112>の結晶方位のピーク強度比PR(%)を50〜90%にすることができる。また、切断加工後の線状中間材に対して最終焼鈍を施すので、短時間の加熱で再結晶させることができ、上記特定結晶方位を有する基材を容易かつ効率的に製造することができる。
本発明の基材によれば、Cuを99.90mass%以上含む純銅の圧延材で形成され、圧延方向に対する<114>および<112>の結晶方位のピーク強度比PR(%)を50〜90%とするので、導電性に優れ、しかも圧延方向の耐力を15MPa程度以下に低下させることができ、優れた塑性変形能を備える。このため、この基材に溶融はんだめっきを施した電極線材は、半導体基板に対する耐割損性が優れたものとなり、従来より薄肉化した半導体基板の太陽電池に対する配線材として好適である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る電極線材およびその基材について説明する。図1は、第1実施形態に係る電極線材1の横断面を示しており、Cuを99.90mass%以上含む純銅で形成された方形断面を有する線状の基材2と、この基材2の外周面に積層形成された溶融はんだめっき層3A,3Bを有している。なお、溶融はんだめっき層は図例では基材2の表面、裏面のみに積層されているが、実際には基材2の側面にも不可避的に形成される。図1および後述の図2において、基材側面の溶融はんだめっき層は記載省略されている。
前記純銅は、Cu含有量が99.90mass%以上のものを用いる。好ましくは99.95mass%以上、より好ましくは99.99mass%以上のものがよい。また、不純物としては、As、Sb、Bi、Pb、S、Fe、O、Pなどが含まれるが、特にO、Pは微量で塑性変形能が低下するため、O量は0〜500ppm、好ましくは0〜300ppm、より好ましくは0〜100ppmとし、P量は0〜150ppm、好ましくは0〜50ppmに規制することが望ましい。タプピッッチ銅、無酸素銅(OFHC)、りん脱酸銅は上記成分を満足するため好適な素材である。
前記基材2は、圧延方向に対して<100>、<114>、<112>の結晶方位のX線回折によるピーク強度をそれぞれP<100>、P<114>、P<112>と表すとき、下記式に示す<114>および<112>の結晶方位のピーク強度比PR(%)が50〜90%とされる。
PR(%)=(P<114>+P<112>)・100/(P<100>+P<114>+P<112>)
従来、最終圧延を強圧下し、焼鈍した後の圧延材は圧延方向の結晶方位が<100>に揃い易いが、本発明者の調査により、<100>の結晶方位よりも<114>および<112>の結晶方位を主体とすることが塑性変形能の向上には有効であることが見出された。後述の実施例から明らかなように、前記PRが50%未満、90%超では一旦低下した耐力が上昇するようになる。このため、本発明ではPRを50〜90%、好ましくは65〜85%とする。
前記溶融はんだめっき層3A,3Bを形成するはんだ材としては、融点が130〜300℃程度のSn−Pb合金、Sn−(0.5〜5mass%)Ag合金、Sn−(0.5〜5mass%)Ag−(0.3〜1.0mass%)Cu合金、Sn−(0.3〜1.0mass%)Cu合金、Sn−(1.0〜5.0mass%)Ag−(5〜8mass%)In合金、Sn−(1.0〜5.0mass%)Ag−(40〜50mass%)Bi合金、Sn−(40〜50mass%)Bi合金、Sn−(1.0〜5.0mass%)Ag−(40〜50mass%)Bi−(5〜8mass%)In合金などが使用される。Pbは人体に有害であり、自然環境を汚染するおそれがあるので、汚染防止の観点からはPbフリーのSn−Ag合金、Sn−Ag−Cu合金、Sn−Cu合金、Sn−Ag−In合金、Sn−Ag−Bi合金などのはんだ材が好ましい。また、前記各はんだ材において、溶融はんだの酸化防止のため、50〜200ppm程度のP、数〜数十ppmのGa、数〜数十ppmのGd、数〜数十ppmのGeの内から1種または2種以上を添加することができる。
図2は第2実施形態にかかる電極線材1Aを示しており、第1実施形態とはその横断面形状が異なるので、これを中心に説明し、同部材は同符号を付してその説明を省略する。電極線材1Aの基材2Aの横断面形状は、第1実施形態の基材が方形状であるのに対して、長さ方向に沿って一方の表面(図例では下面)の中央部が平坦状に凹んだ皿状断面をなしており、その凹み側が溶融はんだ収容用凹部6とされている。前記基材2Aの材質、圧延方向の結晶方位については第1実施形態と同様である。
前記溶融はんだ収容用凹部6の深さは、最も深い部分で20〜40μm 程度とすればよく、またその開口幅は基材2Aの横幅の90%程度以上とすることが好ましい。開口幅の上限は特に制限はなく、下面全幅に渡って開口していてもよい。なお、溶融はんだ収容用凹部の断面形状は、上記皿形に限らず、全体が弧状に凹んだ弧状断面としてもよい。
かかる溶融はんだ収容用凹部6を有する基材2Aでは、基材2Aに溶融はんだめっきを施すと、表面張力の作用により表面がほぼ平坦状となった溶融はんだめっき層3Bが前記凹部6に形成される。この溶融はんだめっき層3Bは表面がほぼ平坦状であるため、良好なはんだ付け性が得られる。
次に、上記第1、第2実施形態にかかる基材、電極線材の製造方法について説明する。まず、所定純度の純銅で形成された、板厚数ミリ程度の板材(圧延板あるいは圧延焼鈍板)を準備し、これを中間圧延および中間焼鈍(軟化焼鈍)を所要回数繰り返し、その後、最終圧延を行って目標板厚の板状中間材を得る。前記目標板厚は基材の板厚となり、通常、80〜300μm 程度とされる。
前記板状中間材は、通常、0.8〜15mm程度の幅になるように、圧延方向に沿ってスリットされ、長尺の線状中間材とされる。この線状中間材に最終焼鈍(軟化焼鈍)が施されて線状基材とされる。スリットの際にスリッターの回転刃の間隔や回転速度を調整することによって、線状中間材に前記皿状の溶融はんだ収容用凹部を容易に形成することができる。
前記中間圧延における圧下率は20〜80%程度でよく、特に限定されないが、最終圧延における圧下率は55〜90%、好ましくは65〜85%とされる。55%未満、90%超となると、圧延方向に対して<114>、<112>の結晶方位が優位な結晶構造を得ることが困難になり、塑性変形能が低下する。また、前記中間焼鈍、最終焼鈍における軟化焼鈍温度は850〜1000℃程度とされ、保持時間は850〜950℃では30〜60sec 程度、950〜1000℃では10〜60sec 程度とされる。
次に、最終焼鈍された線状基材は、溶融はんだめっきが施される。溶融はんだめっきは、溶融はんだめっき浴の下流側に大径の巻き取りドラムを設けておき、線状基材をめっき浴に通し、10MPa程度の張力を掛けて引っ張りながら巻き取り、これによって線状基材を溶融はんだめっき浴に連続的に浸漬し、引き上げることによって行われる。めっき温度は、はんだ合金の融点より50〜100℃程度高い温度に調整される。溶融はんだめっきによって、線状基材の表面に溶融はんだめっき層が形成され、線状の電極線材とされる。溶融はんだ収容用凹部が形成された線状基材の場合、溶融はんだめっき浴に通すだけで、前記凹部側に平坦状の溶融はんだめっき層が形成される。
溶融はんだめっきの際、線状基材は引っ張られた状態となり、線状基材には歪みが導入される。このため、基材の耐力はめっき前に比して2倍程度上昇する。もっとも、めっき前の基材の耐力は15MPa程度以下と非常に低いので、めっき後においても従来に比して十分低い値に収まる。なお、線状基材を所定長さに切断した後、この短尺基材に溶融はんだめっきを施して電極線材としてもよい。この場合、めっきの際に基材に張力が掛からないので、電極線材の耐力はより低下する。
以上のようにして、溶融はんだめっき層が積層された基材すなわち電極線材が製造され、所要の長さに切断したものが太陽電池の接続用リード線として用いられる。
上記実施形態に係る電極線材を接続用リード線として用いた太陽電池を図を参照して説明する。図3は、実施形態に係る電極線材1または1Aを所定長さに切断した接続用リード線13を備えた太陽電池を示している。この太陽電池は、PN接合を有するシリコン半導体で形成された半導体基板11と、前記半導体基板11の表面に線状に設けられた複数の表面電極12にはんだ付けされた前記接続用リード線13を備えている。前記半導体基板11の裏面には、40〜80mm2 程度の大形表面の裏面電極が複数個設けられている。
前記接続用リード線13がはんだ付けされる前の半導体基板11には、複数の線状表面電極12に導通するように、これらの表面電極12に直交して配置されたはんだ帯が形成されている。電極線材1の溶融はんだめっき層3Aまたは3B、あるいは電極線材1Aの溶融はんだ収容用凹部側の溶融はんだめっき層3Bを前記はんだ帯に当接するように接続用リード線13を半導体基板11に載置し、半導体基板11のはんだ帯および接続用リード線13の溶融はんだめっき層を共に溶融することによって前記接続用リード線13は半導体基板11の表面にはんだ付けされる。なお、裏面電極は比較的大きい露出領域(40〜80mm2 程度)を有するため、表面電極へのはんだ付けに比べて、隣接する太陽電池の裏面電極へのはんだ付けは容易である。
この太陽電池によれば、前記電極線材からなる接続用リード線を半導体基板にはんだ付けする際、加熱後の冷却収縮により電極線材が半導体基板に拘束されても容易に塑性変形するため、半導体基板に生じる応力を緩和、軽減させることができる。このため、半導体基板にクラックが入り難く、しかも電極線材の基材は高純度の純銅であるため、導電性に優れ、良好な発電効率が得られる。
以下、本発明の電極線材およびその基材について実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はかかる実施例によって限定的に解釈されるものではない。
純銅A(無酸素銅、Cu:99.96%、O:5ppm、P:0ppm)あるいは純銅B(タフピッチ銅、Cu:99.92%、O:300ppm、P:0ppm)の圧延焼鈍板(板厚3.0mm)を準備し、冷間での中間圧延、中間焼鈍(1000℃×30sec )をそれぞれ1回施して板厚0.2〜2.0mmの中間材を得て、表1に示す圧下率で冷間で最終圧延を行い、板厚0.1mmの板状中間材を製作した。これを幅3mmにスリットし、得られた複数の線状中間材を同表に示す条件でトンネル炉に通して最終焼鈍を施し、複数の線状基材を得た。複数の線状基材の内の一部は、溶融はんだめっき浴の下流側で10MPa程度の張力を掛けて引っ張りながら溶融はんだめっき浴に通して溶融はんだめっきを行った。前記めっき浴は、はんだ組成がSn−3.0mass%Ag−0.5mass%Cu(融点:218℃)であり、浴温を300℃とした。また、複数の線状基材の内の他の一部は、溶融はんだめっきと同様の浴温、通線条件でソルトバスに通して加熱した。
前記最終焼鈍後の線状基材を圧延方向に対して垂直に切断して観察片を採取し、X線回折法(シュルツの反射法)により圧延方向に垂直な面を反射面として、圧延方向の結晶方位<100>、<114>、<112>のピーク強度を測定し、3方位の強度の合計を100としたときの各方位の強度比(%)、並びに<114>および<112>方位のピーク強度比PR(%)を求めた。これらを表1に併せて示す。なお、使用したX線回折装置はRINT−2200(RIGAKU製)であり、測定条件は以下のとおりである。
・測定条件
走査軸2θ/θ、測角範囲10°〜90°、発散スリット0.15mm、散乱スリット4mm、受光スリット5mm
また、前記線状基材から長さ150mmの引張試験片を採取し、JISZ2241に規定の方法により、長さ方向(圧延方向)に引っ張る引張試験を行い、めっき前の耐力を測定した。測定結果を表1に併せて示す。
さらに、ソルトバスに通した線状基材からその表面に付着したソルトを水洗により除去して、上記線状基材と同様に圧延方向の耐力を測定した。この耐力は、溶融はんだめっきした基材の耐力に相当するため、めっき後の基材の耐力とみなした。測定結果を表1に併せて示す。
表1より、発明例にかかる基材は、めっき前の耐力が15MPa以下であるため、めっき後の耐力も30MPa程度以下と低耐力に止まっており、従来の基材である試料No. 12,32に比して、耐力が大幅に軽減されていることが確認された。
Figure 0005073386
本発明の第1実施形態にかかる電極線材の横断面図である。 本発明の第2実施形態にかかる電極線材の横断面図である。 本発明の電極線材を用いた太陽電池の概略斜視図である。
符号の説明
1,1A 電極線材
2,2A 基材
3A,3B 溶融はんだめっき層
6 溶融はんだ収容用凹部

Claims (6)

  1. 基材の表面に溶融はんだめっきが施された太陽電池用電極線材のめっき前の基材であって、
    前記基材はCuを99.90mass%以上含む純銅の圧延材で形成され、圧延方向の結晶方位<100>、<114>、<112>のX線回折によるピーク強度をそれぞれP<100>、P<114>、P<112>と表すとき、下記式に示す<114>および<112>の結晶方位のピーク強度比PR(%)が50〜90%である、太陽電池用電極線材の基材。
    PR(%)=(P<114>+P<112>)・100/(P<100>+P<114>+P<112>)
  2. 前記純銅は、不純物であるO、PがO:0〜500ppm、P:0〜150ppmとされた、請求項1に記載した太陽電池用電極線材の基材。
  3. 前記基材は、長さ方向に沿って溶融はんだ収容用凹部が形成された、請求項1又は2に記載した太陽電池用電極線材の基材。
  4. 基材の表面に溶融はんだめっきが施された太陽電池用電極線材であって、前記基材として請求項1から3のいずれか1項に記載した基材が用いられた、太陽電池用電極線材。
  5. Cuを99.90mass%以上含む純銅板に対して中間圧延および中間焼鈍を行い、その後、圧下率が55〜90%の最終圧延を行って板状中間材を得て、前記板状中間材を圧延方向に沿って線状に切断加工して線状中間材を得て、前記線状中間材に最終焼鈍を施す、太陽電池用電極線材の基材の製造方法。
  6. 前記純銅は、不純物であるO、PがO:0〜500ppm、P:0〜150ppmとされた、請求項5に記載した、太陽電池用電極線材の基材の製造方法。
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