JP2008098315A - 太陽電池用はんだめっき線およびその製造方法 - Google Patents

太陽電池用はんだめっき線およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 太陽電池との接合信頼性が十分得られ、かつ太陽電池との接合時に太陽電池の反りを少なくするために要求されるはんだめっき被覆による0.2%耐力の増大を抑制することを可能とする。
【解決手段】 平角状に形成された導体の表面の一部又は全部にはんだめっきが被覆された太陽電池用はんだめっき線であって、前記太陽電池用はんだめっき線の引張り試験における0.2%耐力値が90MPa以下であり、かつ前記被覆されたはんだめっきの厚さが5〜120μmである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、太陽電池用はんだめっき線およびその製造方法に係り、特に、太陽電池のシリコンセルとはんだ接続するのに好適な太陽電池用はんだめっき線およびその製造方法に関するものである。
基板上にシリコン結晶を成長させた太陽電池においては、図5に示すように、通常、シリコン結晶ウェハ(シリコンセル)51の所定の領域に接続用リード線53を接合し、これを通じて電力を伝送する構成としている。
上記接続用リード線53は、平角導体の表面に、シリコンセルとの接続のためのはんだめっき膜が形成される。例えば、図6に示すように、平角導体61としてタフピッチ銅や無酸素銅などの純銅を用い、その外側に形成されたはんだめっき膜63として、Sn−Pb共晶はんだを用いたものがある(例えば、特許文献1参照)。また、近年、環境への配慮から、はんだめっき膜の構成材として、Pbを含まないはんだ(Pbフリーはんだ)への切り替えが検討されている(例えば、特許文献2参照)。
ところで、太陽電池を構成する部材のうち、シリコン結晶ウェハが材料コストの大半を占めていることから、製造コストの低減を図るべくシリコン結晶ウェハの薄板化が検討されている。しかし、シリコン結晶ウェハを薄板化すると、接続用リード線のはんだ接合時における加熱プロセスや、太陽電池使用時における温度変化により、図7に示すように、はんだ接続前(a)はフラットであったシリコンセル51及び接続用リード線53が、はんだ接続後(b)にはんだめっき55を介して接続したシリコンセル51と接続用リード線53が反ったり、破損したりするおそれがあった。このため、これに対処すべく、接続用リード線53として、熱膨張の小さい線材のニーズが高まっている。
熱膨張の小さい接続用リード線の従来例として、図8に示すように、インバー(Fe−36mass%Ni)73をCu材71でクラッドし、表面にはんだめっき膜75を形成したクラッド材が採用される場合もある。
図4に、このような銅−インバー−銅(Cu/Fe−36mass%Ni/Cu)のクラッド材特性を、Cu単独、インバー単独(Fe−36mass%Ni)、シリコン単独の材料特性と比較して示す。インバー単独ではなくクラッド材を採用するのは、同図からわかるように、インバーの体積抵抗率がCuに比べて50倍近く大きいため、接続用リード線全体の体積抵抗率をCu材で下げるためである。Cuよりも熱膨張係数の小さいクラッド材を用いると、Cuを用いた場合と比べて、シリコンとの熱膨張整合が可能になるので、シリコンセルと接続用リード線が反ったり、破損したりするおそれが低減する。
しかしながら、銅−インバー−銅の3層構造による接続用リード線では、インバーの両面に配置されている銅材料の結晶の配向、または結晶粒の不均一によって、なお太陽電池に反りなどの変形が生ずることがあった。これらは、太陽電池モジュールの生産性低下や、長期間使用した際の発電効率低下など信頼性を低下させる原因となっていた。加えて、側面の銅−インバー−銅接合部が水分にさらされることにより、局部電池化し腐食するおそれもあった。
また、熱膨張の小さいインバーを用いて、銅−インバー−銅をクラッドした平角導体を製造すると、シリコンとの熱膨張整合が可能になるものの、Cuに比べて体積抵抗率が増大するため、導電率が低下して太陽電池としての発電効率が下落する。しかも、インバーにはニッケル(Ni)が36%程度も含まれているため、高価になってしまうという欠点があった。
更に、インバーを用いたリードフレームでは、回路形成時に打抜き加工を行うため、無駄になる材料が大量に発生してしまい、製造コストの上昇を招くという問題もあった。
そこで、上述したクラッド材を使用して反りや破損を低減する代わりに、導電率の高い導体の0.2%耐力値を低減することにより、はんだ接続後の導体熱収縮によって発生する、シリコンセルを反らせる力を低減させる技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平11−21660号公報 特開2002−263880号公報 特開2006−54355号公報
しかしながら、特許文献3に記載の技術では、導体の0.2%耐力値の上限を規定することにより、太陽電池との熱膨張整合が可能になるものの、導体にはんだめっきを被覆することで、0.2%耐力値がはんだ被覆前よりも増大してしまうため、なお改善の余地がある。
太陽電池を反らせる力を低減するためには、はんだめっきが被覆された太陽電池用はんだめっき線の0.2%耐力値が、ある基準以下である必要があるが、これまでは、はんだめっきが被覆された太陽電池用はんだめっき線の0.2%耐力値に関する規定は示されていなかった。そのため、導体の0.2%耐力を低減することにより、導体がある基準以下の0.2%耐力値を有していても、はんだめっき工程を経て太陽電池用はんだめっき線とした場合にも、太陽電池用はんだめっき線が0.2%耐力値に関して有効なレベルを維持していることの保証が得られなかった。
かといって、太陽電池用はんだめっき線が0.2%耐力値に関して有効なレベルを維持していることの保証を得るために、はんだめっき被覆前の導体の0.2%耐力値から、はんだめっき被覆後の太陽電池用はんだめっき線の0.2%耐力値を予測することは困難であった。その理由は、導体にはんだめっきを被覆する工程を経る際に、導体に対し引張等の変形が加わり、0.2%耐力値も増加してしまうためである。
本発明の目的は、太陽電池との接合信頼性が十分得られ、かつ太陽電池との接合時に、太陽電池の反りを少なくするために要求されるはんだめっき被覆による0.2%耐力の増大を抑制することが可能な太陽電池用はんだめっき線およびその製造方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、太陽電池の反りを少なくするために要求される0.2%耐力値を容易に測定することが可能な太陽電池用はんだめっき線およびその製造方法を提供することができる。
また、本発明の目的は、コストがかからず簡易な方法で製造することが可能な太陽電池用はんだめっき線およびその製造方法を提供することができる。
本発明の一態様によれば、平角状に形成された導体の表面の一部又は全部にはんだめっきが被覆された太陽電池用はんだめっき線であって、前記太陽電池用はんだめっき線の引張り試験における0.2%耐力値が90MPa以下であり、かつ前記被覆されたはんだめっきの厚さが5〜120μmである太陽電池用はんだめっき線が提供される。
好ましくは前記導体の体積抵抗率を50μΩ・mm以下とする。また、好ましくは前記はんだめっきが、Sn系はんだ、または第2成分としてPb、In、Bi、Sb、Ag、Zn、Ni、Cuから選択される少なくとも1種の元素を0.1wt%以上含むSn系合金はんだとする。また、好ましくは前記導体がCu、Al、Ag、およびAuからなる群から選ばれた1種とする。また、好ましくは前記導体がタフピッチCu、低酸素Cu、無酸素Cu、リン脱酸Cu、および高純度Cu(99.9999%以上)からなる群から選ばれた1種とする。
本発明の他の態様によれば、導体を圧延またはスリット加工によって平角状断面に成形し、前記平角状断面に形成された導体の表面の一部又は全部に厚さ5〜120μmのはんだめっきを被覆し、前記はんだめっきを被覆した太陽電池用はんだめっき線の引張り試験における0.2%耐力値を90MPa以下とする太陽電池用はんだめっき線の製造方法が提供される。
好ましくは、前記導体を、その体積抵抗率が50μΩ・mm以下とする。また好ましくは、前記はんだめっきが、Sn系はんだ、または第2成分としてPb、In、Bi、Sb、Ag、Zn、Ni、Cuから選択される少なくとも1種の元素を0.1wt%以上含むSn系合金はんだとする。また好ましくは、前記導体がCu、Al、Ag、およびAuからなる群から選ばれた1種とする。また好ましくは、前記導体がタフピッチCu、低酸素Cu、無酸素Cu、リン脱酸Cu、および高純度Cu(99.9999%以上)からなる群から選ばれた1種とする。
本発明によれば、太陽電池との接合信頼性が十分得られ、かつ太陽電池との接合時に、太陽電池の反りを少なくするために要求されるはんだめっき被覆による0.2%耐力の増大を抑制することができる。
また、本発明によれば、太陽電池の反りを少なくするために要求される0.2%耐力値を容易に測定することができる。
また本発明によれば、コストがかからず簡易な方法で製造することができる。
以下、本発明の一実施の形態について説明する。ここでは、太陽電池用はんだめっき線は、太陽電池用導体の表面の一部又は全部にはんだめっきが被覆されたものをいう。
(太陽電池用導体)
一実施の形態の太陽電池用導体(以下、導体という)は、太陽電池モジュール(シリコン結晶ウェハ)のシリコンセル面ヘのはんだ接続が容易となるように、軟質材の導体の外形形状が断面平角状とされている。
(導体の体積抵抗率)
上記導体は、太陽電池の発電ロスを軽減する観点から、体積抵抗率が比較的小さい導体材料、例えば、体積抵抗率が50μΩ・mm以下の材料を用いることが好ましい。
体積抵抗率が比較的小さい導体材料としては、図3に示すように、Cuの他にAu,Ag,Alなどがある。この中で体積抵抗率が最も低いのはAgであり、発電効率を最大限にすることが可能である。一方、低コスト化を優先するときにはCuが良く、軽量化を図りたいときにはAlを選択するのが望ましい。
特にCuの種類としてはタフピッチCu、低酸素Cu、無酸素Cu、リン脱酸Cu、高純度Cu(純度99.9999%以上)のいずれを用いることも可能である。導体の引張り試験における0.2%耐力を最も小さくするためには純度が高いCuが有利であり、すなわち高純度Cu(純度99.9999%以上)を選択する。一方、不純物が入り0.2%耐力は大きくなるが低コスト化を図りたい時には、タフピッチCuもしくはリン脱酸Cuを選択する。
(導体の0.2%耐力値)
一般に熱膨張率の異なる異種金属を高温で接続した場合には、温度変化に熱膨張率、ヤング率を積算した値が反りを発生させる力となる。しかし、太陽電池のように接続する両部材の剛性が著しく異なり、また、はんだ接続温度も200℃以上と高温のものでは、断面積が小さい導体の方が降伏してしまい、上記熱膨張率、ヤング率による力がそのまま反り発生力とはならない。
導体の場合、降伏応力が小さいと少ない力で塑性変形してしまい、それ以上の変形抵抗とならない。即ち、低強度および低耐力であるほど、接合時のシリコン結晶ウェハへの負荷が軽減する。このため、塑性変形の指標として導体の引張り試験における0.2%耐力値を用いる。導体には、はんだめっき被覆が施されて太陽電池用はんだめっき線となるので、はんだめっき被覆前の導体の0.2%耐力値は、太陽電池用はんだめっき線の有効な水準を維持していることの保証にはならない。仮にはんだめっき被覆前の導体がそのまま太陽電池用リード線として用いられるとした場合、前述した導体の0.2%耐力の基準以下とは、90MPa以下となる。
このような0.2%耐力値の低い軟質の導体を選択することにより、シリコン結晶ウェハヘ導体接合の際の熱応力(シリコンセルを反らせる力)を低減することができる。
(太陽電池用平角導体の製造方法)
導体の加工法としては圧延加工、スリット加工のいずれも適用可能である。丸線から圧延して平角化する方式は長尺で均一なものが製造できる。スリット方式では種々の幅の材料に対応できるメリットがある。
例えば、好適な太陽電池用平角導体は、導体をダイス伸線もしくはロール圧延、あるいはそれらの複合工程により平角状に成形した後、通電方式もしくはバッチ式の設備で熱処理して0.2%耐力を低減することで得られる。ここで、0.2%耐力を低減するための熱処理方式としては、通電加熱方式よりも熱エネルギーを十分に与えられるヒータによるバッチ式加熱方式が望ましい。あるいは酸化を防止する観点から水素還元雰囲気の炉を用いることもできる。
熱処理する場合、高温では比較的短時間で熱処理が完了する。低温では長時間を必要とするが、設備的には安価なものを用いることができる。
(太陽電池用はんだ被覆導体平角線)
本発明の一実施形態における太陽電池用はんだめっき線は、上述した製造方法によって得られた平角導体の表面に、はんだめっき膜を施したはんだ被覆導体平角線である。はんだめっきは、環境面から、好ましくは鉛フリー品とし、平角導体の表面の外周の一部又は全部について実施する。平角導体に被覆するはんだめっきの厚さは5〜120μmの範囲に入るように厚さを制御する。
既述したように、平角導体にはんだめっきを被覆することで、0.2%耐力値がはんだめっき被覆前よりも増大してしまう。そのために、シリコンセルを反らせる力を低減させるためには、はんだめっきを被覆する前の平角導体の0.2%耐力値が90MPa以下ではなく、はんだを被覆した後のはんだ被覆導体平角線の0.2%耐力値が90MPa以下である必要がある。これにより、はんだめっき工程を経てはんだ被覆導体平角線とした場合の0.2%耐力値に関する規定が示されることになる。
また、はんだ被覆導体平角線に被覆されたはんだめっき厚が、5μmよりも薄いと温度サイクル特性が不十分であり、めっき厚が120μmよりも厚すぎるとはんだ被覆導体平角線の0.2%耐力が大きくなり、シリコンセルの反りに影響する。従って、めっきの厚さとしては5〜120μmの範囲が好ましい。この範囲ではシリコンセルとの接合信頼性が十分に得られ、かつ0.2%耐力が低いのでシリコンセルの反りの抑制効果も得られる。
また、はんだ組成については、これまで導体にCuを用いたものではシリコンセルとの熱膨張整合を考慮して低温接続が可能なものが求められていたが、本実施形態の0.2%耐力値の小さい導体を用いることで、シリコンセルの反りが小さいことから、接続温度が高いSn−Ag−Cu系の組成のはんだを用いることが可能となる。
平角導体の被覆に用いるはんだは、Sn系はんだ、あるいは第2成分としてPb、In、Bi、Sb、Ag、Zn、Ni、Cuから選択される少なくとも1種の元素を0.1wt%以上含むSn系合金はんだであるが、第3成分として1000ppm以下の微量元素を含んでいるものを用いてもよい。
なお、平角導体に用いる材料として、Cu以外のAg、Au、Alについても、Cuの場合と同様に平角導体に被覆するはんだめっきの厚さを制御することで、はんだめっき被覆により耐力増大を抑制できる。
上述したはんだ被覆導体平角線を、シリコン結晶ウェハ(太陽電池モジュール)におけるシリコンセル面の所定の接点領域(例えば、Agメッキ領域)に接続することで、太陽電池アセンブリが得られる。
(はんだ被覆導体平角線の効果)
以上説明したように、はんだめっきが被覆されたはんだ被覆導体平角線の0.2%耐力値を規定したので、シリコンセルとの接合時に、シリコンセルの反りを少なくするために要求される0.2%耐力値に関して有効なレベルを維持していることの保証が得られる。
また、製品形状であるはんだ被覆導体平角線で特性評価をするので、太陽電池の反りを少なくするために要求される0.2%耐力値を容易に測定することができる。
また、本実施形態のはんだ被覆導体平角線は、その0.2%耐力値として90MPa以下のものを用いているので、シリコンセルとはんだ接続後の導体の熱収縮によって発生する、シリコンセルを反らせる力を低減できる。
特に、はんだ被覆導体平角線の0.2%耐力を80MPa以下にすることにより、はんだ被覆銅−インバー−銅のクラッド材よりもシリコンの反りを低減することが可能となり、実用上大きな効果が得られる。
また、導体の0.2%耐力値を基準以下となるようにし、かつ、平角導体に被覆するはんだめっきの厚さを5〜120μmとなるよう制御するので、太陽電池との接合信頼性が十分得られ、かつ太陽電池との接合時に、太陽電池の反りを少なくするために要求されるはんだめっき被覆による0.2%耐力の増大を抑制することができる。
また、本実施形態のはんだ被覆導体平角線は、体積抵抗率が50μΩ・mm以下の高導電性を有する導体を用いているので、高い導電性が得られ、太陽電池としての発電効率を良好に維持することができる。
また、本実施形態の製造方法によれば、熱処理条件により導体の0.2%耐力値を基準以下となるようにし、かつ、平角導体に被覆するはんだめっきの厚さを5〜120μmとなるよう制御するので、コストがかからず簡易な方法で製造することができる。
Cu材料を、幅2.0mm、厚さ0.16mmの平角線状に圧延成形して導体とし、その周囲をSn−3%Ag−0.5%Cu系の鉛フリーはんだで被覆してはんだめっき膜を設けてはんだ被覆Cu平角線を作製した。鉛フリーはんだで被覆するとき、めっき厚を3〜325μmと変えて種々の0.2%耐力のはんだ被覆Cu平角線を作製した。
はんだ被覆品の0.2%耐力σは、導体に0.2%の歪を与える引張速度20mm/minの引張試験で得られたS−S曲線から、0.2%耐力点荷重(外力)Fを求め、この外力Fをはんだを除く導体の断面積Aで除算して求めている。式で示せば、次の通りである。
σ=F/A
作製したはんだ被覆Cu平角線を、縦150mm×横150mm、厚さ200μmのシリコンセルにはんだ接続したもののシリコンセルの反りを調べた。また、温度サイクル試験(−40〜90℃)を実施し、はんだ接続の信頼性も評価した。その結果を図1に示す。なお、同図において、シリコンセルの反り、温度サイクル特性の欄における評価印の○、△、×はそれぞれ良、やや良、不良を意味する。
図1に示すように、めっきの厚さが5〜120μmの範囲内にあると、0.2%耐力が90MPa以下と小さく、シリコンセルの反りも無く、温度サイクル特性も良好であった。
めっき厚が3μm、4μmと薄いと温度サイクル特性が不十分で不良かやや良であり、160μm、325μmと厚すぎると0.2%耐力が90MPaを超えて大きくなり、シリコンセルの反りに影響して不良となった。
特に、図1の中から0.2%耐力が60、70、100MPaのはんだ被覆Cu平角線についての具体的な反りの量(mm)を調べた結果を図2に示す。
図2の結果より、0.2%耐力の低下とともに反りも低減し、0.2%耐力が70MPaのCu導体のものでは、従来のCu導体(160MPa)を用いたものよりも1/2程度に反りが低減できることが分かった。この範囲であれば太陽電池用はんだめっき線として使用可能である。
比較例としてCu−インバー−Cu(比率2:1:2)を接続したものと、0.2%耐力が60MPaのはんだ被覆Cu平角線を接続したもののシリコンセルの反りを調べた。前者では3.0mmあったものが、後者では1.5mmと半分となることを確認できた。
本発明の一実施の形態におけるめっき厚、0.2%耐力、シリコンセルの反り、および温度サイクル特性の関係を示す図である。 本発明の一実施の形態における種々の0.2%耐力のはんだ被覆Cu平角線を接続した際のシリコンセルの反り量を示す説明図である。 本発明の一実施の形態における各種導体材料の熱膨張係数、ヤング率、体積抵抗率を示す図である。 本発明の一実施の形態における銅−インバー−銅の材料特性を、Cu単独、インバー単独、シリコン単独の材料特性と比較した図である。 一般的なシリコンセルヘの接続用リード線の接続状態を示す斜視図である。 従来例の太陽電池用はんだめっき線を示す断面図である。 従来例のシリコンセルと接続用リード線とをはんだ接続する際に発生する反りを示す説明図である。 従来例の別な太陽電池用はんだめっき線を示す断面図である。
符号の説明
1 導体
10 太陽電池用平角導体
13 はんだめっき膜
20 太陽電池用はんだめっき線
51 シリコンセル
53 接続用リード線
55 はんだめっき
61 平角導体
63 はんだめっき膜
71 銅材
73 インバー
75 はんだめっき膜

Claims (10)

  1. 平角状に形成された導体の表面の一部又は全部にはんだめっきが被覆された太陽電池用はんだめっき線であって、
    前記太陽電池用はんだめっき線の引張り試験における0.2%耐力値が90MPa以下であり、かつ前記被覆されたはんだめっきの厚さが5〜120μmである太陽電池用はんだめっき線。
  2. 前記導体の体積抵抗率が50μΩ・mm以下である請求項1に記載の太陽電池用はんだめっき線。
  3. 前記はんだめっきが、Sn系はんだ、または第2成分としてPb、In、Bi、Sb、Ag、Zn、Ni、Cuから選択される少なくとも1種の元素を0.1wt%以上含むSn系合金はんだである請求項1または2に記載の太陽電池用はんだめっき線。
  4. 前記導体がCu、Al、Ag、およびAuからなる群から選ばれた1種である請求項1ないし3のいずれかに記載の太陽電池用はんだめっき線。
  5. 前記導体がタフピッチCu、低酸素Cu、無酸素Cu、リン脱酸Cu、および高純度Cu(99.9999%以上)からなる群から選ばれた1種である請求項1ないし3のいずれかに記載の太陽電池用はんだめっき線。
  6. 導体を圧延またはスリット加工によって平角状断面に成形し、
    前記平角状断面に形成された導体の表面の一部又は全部に厚さ5〜120μmのはんだめっきを被覆し、
    前記はんだめっきを被覆した太陽電池用はんだめっき線の引張り試験における0.2%耐力値を90MPa以下とする太陽電池用はんだめっき線の製造方法。
  7. 前記導体が、その体積抵抗率が50μΩ・mm以下である請求項6に記載の太陽電池用はんだめっき線の製造方法。
  8. 前記はんだめっきが、Sn系はんだ、または第2成分としてPb、In、Bi、Sb、Ag、Zn、Ni、Cuから選択される少なくとも1種の元素を0.1wt%以上含むSn系合金はんだである請求項6または7に記載の太陽電池用はんだめっき線の製造方法。
  9. 前記導体がCu、Al、Ag、およびAuからなる群から選ばれた1種である請求項6ないし8のいずれかに記載の太陽電池用はんだめっき線の製造方法。
  10. 前記導体がタフピッチCu、低酸素Cu、無酸素Cu、リン脱酸Cu、および高純度Cu(99.9999%以上)からなる群から選ばれた1種である請求項6ないし8のいずれかに記載の太陽電池用はんだめっき線の製造方法。
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