JPH05171387A - 溶融めっき装置用スナウト - Google Patents

溶融めっき装置用スナウト

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JPH05171387A
JPH05171387A JP35644191A JP35644191A JPH05171387A JP H05171387 A JPH05171387 A JP H05171387A JP 35644191 A JP35644191 A JP 35644191A JP 35644191 A JP35644191 A JP 35644191A JP H05171387 A JPH05171387 A JP H05171387A
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淳 黒部
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茂雄 松原
Kazunari Nakamoto
一成 中本
Nobuo Hatanaka
信夫 畠中
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 スナウト内のドロスを金属帯材の走行によっ
て生じるめっき金属の随伴流に載せてスナウト外に流出
させ、スナウト噛込みに起因した欠陥のないめっき材料
を製造する。 【構成】 還元性雰囲気下で還元炉20からめっき槽4
0までめっき金属10を導くスナウト31は、前壁31
a及び後壁31bで構成され、還元炉20の出側22に
支持されている。前壁31aと後壁31bとを互いに接
近させることにより、金属帯材10の表面から前壁31
a,後壁31bの内面までの距離を、スナウト31内部
のドロスが金属帯材10の走行によって生じるめっき金
属の流れに載ってスナウト31の外部に流出するような
値に設定する。また、めっき作業中段時には、前壁31
aと後壁31bとを相互に開き、金属帯材10の表面と
前壁31a,後壁31bの内面との間のめっき金属,ド
ロス等の半凝固を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ドロス噛込みに起因し
た欠陥がない溶融めっき層を形成するため、内部のドロ
スを効率よく除去することができる溶融めっき装置用ス
ナウトに関する。
【0002】
【従来の技術】鋼帯等の金属帯材の耐食性を改善するた
め、溶融めっき,電気めっき,蒸着めっき等によって帯
材表面にZn,Al又はこれらの合金をめっきする方法
が採用されている。このうち、溶融めっきは、連続搬送
されている金属帯材に対し、比較的厚目付けのめっき層
を短時間で形成することができる長所を持っている。
【0003】溶融めっき法には、たとえば図1に概略を
示す設備が使用される。めっきされる金属帯材10は、
還元炉20で表面の酸化皮膜等が除去された後、スナウ
ト30を経てめっき槽40に収容されているめっき浴5
0に導入される。金属帯材10は、めっき浴50に浸漬
されているシンクロール60を周回したあと、めっき浴
50から引き上げられる。
【0004】スナウト30は、還元炉20から送り出さ
れる金属帯材10と大気との接触を防止する作用を呈
し、金属帯材10を取り囲む筒状で還元炉20とめっき
浴50との間に設けられている。そして、スナウト30
の下端は、めっき浴50中に若干浸漬されている。スナ
ウト30内には、還元性ガスが充満されている。
【0005】金属帯材10がめっき浴50を通過する間
に、めっき浴のZn,Al等のめっき金属が金属帯材1
0の表面と反応し、所定のめっき金属が付着しためっき
帯材11としてめっき浴50から引き上げられる。めっ
き帯材11の表面に付着している溶融状態のめっき金属
は、一部が自重によって落下し、めっき浴50に返送さ
れる。めっき帯材11は、ワイピングによって表面に付
着しているめっき金属の付着量を調整した後、必要に応
じて合金化炉に送り込まれる。
【0006】めっき金属は、金属帯材10と反応してめ
っき層となるものの他に、金属帯材10からめっき浴5
0に析出するFeと反応して金属間化合物となり、めっ
き浴50に懸濁するものもある。また、めっき浴50の
液面が雰囲気に露出していることから、酸化反応が生じ
る。その結果、めっき浴50にドロスが発生・堆積す
る。
【0007】入側金属帯材10と出側金属帯材10で囲
まれた鋼帯間領域51にあるドロスは、スナウト30の
内部や金属帯材10とシンクロール60との間に入り込
み易い。スナウト30の内部でも、雰囲気に含まれてい
る酸素,水分等及び金属帯材10から析出したFe等と
めっき金属が反応して、ドロス52を発生させる。ま
た、還元性ガス自体がめっき金属と反応して、ドロスの
一成分となることもある。スナウト30の内部に発生或
いは流入したドロス52は、スナウト30で仕切られ外
部に流出し難いため、スナウト30内部のドロス濃度が
めっき作業の継続に伴って上昇する。
【0008】めっき浴50に懸濁しているドロス52
は、めっき帯材11の表面性状に悪影響を与える。たと
えば、めっき反応初期の段階でドロス52が金属帯材1
0の表面に付着すると、その上に形成されるめっき層の
密着性を低下させる。また、形成されためっき層の上に
ドロス52が付着すると、表面品質が著しく損なわれ
る。しかも、めっき層にドロス52が噛み込まれること
により、所与の耐食性をめっき帯材11に与えることが
できなくなる。なかでも、金属帯材10がめっき浴50
に進入する箇所であるスナウト30内部にあるドロス5
2は、製品の表面性状に大きな影響を与える。
【0009】ドロス噛込みに起因した欠陥発生は、スナ
ウト30の内部にあるドロス52を掻き出すことによっ
て大幅に低減される。ドロス52の掻出しは、生産性を
低下させるめっき作業を中断することなく行うことが必
要である。
【0010】スナウト内のドロスを除去する手段として
は、スナウト内のめっき浴表面に接するように、螺旋状
の回転溝を設けた円筒状部材をスナウトの内部に配置す
ることが特開昭62−188766号公報で紹介されて
いる。また、スナウト内のドロスをめっき金属と共に汲
み上げ(特開平3−150338号公報),スナウト内
にドロス捕集トラフを移動可能に設け(特開平2−30
5948号公報),スナウトと連動するドロス回収箱を
設け(特開平3−140448号公報),二重構造にし
たスナウトの外側壁を上昇させ(特開平2−12935
3号公報)等によって、スナウト内部のドロスを除去し
ている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】スナウトにドロス汲上
げポンプ,ドロス捕集トラフ,ドロス回収箱を配置する
とき、スナウト内部から分離されたドロスは、めっき浴
に浸漬されているドロス排出管を経由して外部に取り出
される。このドロス排出管は、溶融状態のめっき金属と
接触しているので溶損が激しく、頻繁に交換することが
要求される。スナウト自体も複雑な構造となり、保守・
点検が面倒なものとなる。他方、二重スナウトの外側壁
を上昇させてドロス除去を行う方法では、スナウトの内
外側壁の間を還元性雰囲気から大気雰囲気に置換させる
のに手数がかかる。
【0012】そこで、特開平3−111544号公報で
は、めっき浴に対するスナウトの接触角度,浸漬深さ,
スナウトの内幅寸法等を規定することによって、スナウ
ト内部のドロスを鋼板に随伴されるめっき金属の流れに
載せて外部に流出させることが紹介されている。このと
き使用するスナウトは、ポンプ,ドロス捕集トラフ,ド
ロス回収箱等の付帯設備を必要とせず、基本的には従来
のスナウトと同様な簡略構造という利点を持っている。
【0013】しかし、鋼板の走行に伴っためっき金属の
随伴流は、通板速度,鋼板の表面状態,めっき浴の流動
性等の種々の条件に応じて変わる。そのため、操業条件
に対応した複数のスナウトを用意し、操業条件が変わる
ごとにスナウトを取り替えることが必要になる。その結
果、操業条件の変更に、長時間のスナウト交換作業が要
求される。
【0014】また、スナウトの内面と鋼板表面との間隔
が比較的短く設定されるため、めっき作業を長時間にわ
たり中断したとき、スナウトの内面と鋼板表面との間に
ブリッジが発生し易い。そのため、めっき作業の再開に
際し、安定した定常状態に到達するまでに時間がかか
り、その間に送り出された金属帯材に不良,不均一なめ
っき層が形成される。その結果、製品となるめっき材料
の歩留りが低下する。
【0015】本発明は、このような問題を解消すべく案
出されたものであり、被めっき材料である金属帯材とス
ナウト内面との間の距離を可変にすることにより、スナ
ウト内部のドロスを効率よく外部に流出させると共に、
操業条件の変更に対する柔軟性が高く、めっき作業の再
開に当っても迅速に定常状態に迅速に復するスナウトを
提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の溶融めっき装置
用スナウトは、その目的を達成するため、還元雰囲気下
で還元炉からめっき槽まで金属帯材を導くスナウトであ
って、前記金属帯材の表面と直交する方向に分割された
前壁部及び後壁部をもち、前記前壁部及び前記後壁部の
嵌合度が調整可能なように、前記前壁部及び前記後壁部
を前記還元炉の出側に支持していることを特徴とする。
【0017】前壁部及び後壁部は、たとえばコの字側に
形成され、相互に両端が嵌め合わされる。また、前壁部
及び後壁部は、相互に金属帯材の幅方向にスライドする
分割壁で構成することも可能である。
【0018】
【作 用】本発明者等は、スナウト内部におけるめっき
金属の流れ挙動を把握するため、水モデル装置を使用し
たシュミレーション試験を行った。図2に示すように、
着色したアクリルビーズ54を懸濁させた試験水55を
満たした容器に透明なスナウト35を浸漬し、帯材15
を連続走行させた。これにより、試験水55の流れは、
アクリルビーズ54の流動状態によって可視化された。
【0019】スナウト35の内部にあるアクリルビーズ
54は、帯材15の走行によって生じる試験水55の随
伴流に乗って、大半がスナウト35の外に送り出された
(54a)。しかし、スナウト35から排出されないア
クリルビーズ54は、スナウト35の前壁35a,後壁
35bの内面近傍に滞留していた(54b)。また、前
壁35a,後壁35bの内面近傍から側壁35cの内面
近傍に回り込んで滞留するものもあった(54c)。
【0020】そこで、帯材15の走行で生じる試験水5
5の随伴流が及ぼすドロス排出作用範囲がスナウト35
の内部空間に占める割合を大きくすることが、ドロスの
除去に有効であると推察した。この推察を基にして、ス
ナウト35の幅及び奥行寸法等を調整し、スナウト35
の内部空間に占めるドロス排出作用範囲の割合を変更し
たシュミレーションテストを行った。
【0021】スナウト35の幅及び奥行寸法を小さく
し、前壁35a,後壁35b及び側壁35cから帯材1
5までの距離を短くするほど、スナウト35内にあるア
クリルビーズ54のほとんどがスナウト35の外部に送
り出されることが観察された。そして、スナウト35の
内部にごく僅かのアクリルビーズ54が滞留しているに
過ぎなかった。これは、スナウト35の幅及び奥行寸法
を小さくすることによって、スナウト35の内部空間に
占めるドロス排出作用範囲の割合が大きくなったことを
示すものである。
【0022】しかし、前壁35a,後壁35b及び側壁
35cを帯材15に接近させすぎると、スナウト35内
を走行して試験水55に侵入する帯材15にバタツキが
あることから、スナウト35の内面に帯材15が接触す
ることが観察された。
【0023】このような水モデルを使用したシュミレー
ションテストから、スナウトの内面と金属帯材との間を
一定の距離範囲に保っておくとき、ドロスの噛込みがな
い溶融めっき層が形成されることが判る。すなわち、ス
ナウト内部にあるドロスは、金属帯材の走行で生じるめ
っき金属の随伴流に乗って、効率よくスナウトの外部に
排出される。また、金属帯材がスナウトの内面に接触す
ることは、スナウトの内面と金属帯材との間を所定値以
上の距離に保つことによって防止される。
【0024】スナウトの内面と金属帯材との間の距離
は、被めっき材料である金属帯材のサイズや表面状態,
金属帯材の通板速度,めっき金属の流動性等に応じて変
わるものである。すなわち、めっき条件の変更に伴って
変わるものであるから、この距離を変更することができ
るように、前壁及び後壁を相対移動可能にする。また、
異なる幅の金属帯材のめっきにも対応できるように、側
壁をも必要に応じて相対移動可能にする。これにより、
種々のめっき条件に適合したドロス排出作用範囲が占め
る割合が高いスナウト内部空間とすることができる。
【0025】
【実施例】以上のシュミレーションテストの結果を踏ま
え、図3に示すように距離可変のスナウト31を備えた
溶融めっき装置を組み立てた。スナウト31の前壁31
a及び後壁31bを、それぞれ蛇腹21a,21bを介
して還元炉20の出側22に接続した。前壁31a及び
後壁31bは、共にコ字型に形成されており、図4に示
すように互いに嵌め合わせることによって、金属帯材1
0が通過する筒状の内部空間32を区画する。
【0026】内部空間32は、蛇腹21a,21bを含
めて前壁31a及び後壁31bを相互に近接又は離間す
ることによって、内部断面を替えることができる。図3
(a)は、押圧力Fで前壁31a及び後壁31bを相互
に近接させて、金属帯材10を溶融めっきしている状態
を示す。他方、図3(b)は、前壁31a及び後壁31
bを相互に離間させた状態を示す。
【0027】めっき槽40に170トンのZnを注入
し、温度460℃に保持しためっき浴4を用意した。そ
して、金属帯材10として板厚1mmの普通鋼鋼板を4
85℃で還元炉20で加熱還元処理した後、通板速度9
0m/分でスナウト31を介してめっき槽40に送り込
み、シンクロール60を経てめっき浴50から引き上げ
た。このとき、スナウト31内を走行する金属帯材10
から前壁31a及び後壁31bの内面までの距離を、両
者共に42mmに設定した。
【0028】この条件下で金属帯材10に対する溶融め
っきを6時間継続した。めっき期間中、スナウト31の
内部にプローブを差し込み、めっき浴50の液面を観察
した。その結果、図2(b)で説明した滞留54b,5
4cは、スナウト31の内部で観察されなかった。ま
た、得られためっき帯材11には、ドロス噛込みに起因
した欠陥がない優れた表面性状をもつめっき層が形成さ
れていた。
【0029】次いで、前壁31a及び後壁31bを図3
(b)に示すように相互に離間させて、前壁31a,後
壁31bと金属帯材10との間の距離を、従来技術に相
当する100mmに設定した。そして、同じ条件下で金
属帯材10に溶融めっきを施した。このとき、プローブ
で観察したスナウト31の内部空間32に、図2(b)
で説明した滞留54b,54cがみられた。また、得ら
れためっき帯材11にも、ドロス噛込みに起因した欠陥
が散在するめっき層が形成されていた。
【0030】図5は、前壁31a,後壁31bと金属帯
材10との間の距離を42mmに設定した本発明実施例
と前壁31a,後壁31bと金属帯材10との間の距離
を100mmに設定した比較例について、スナウト31
内にあるドロスをプローブで観察し、その分布状態をス
ナウトの開口面積に対するドロスが存在する面積の比率
の分布率として表したものである。図5から明らかなよ
うに、本発明実施例では、スナウト31内に存在するド
ロスが比較例よりも15%程度少なくなっている。しか
も、スナウト31内のドロスが定常的に外部に排出され
ていることは、プローブによる観察で確認された。この
ドロス分布率の違いが、前述しためっき帯材11に形成
されためっき層の良否に影響を与えているものと推察さ
れる。
【0031】金属帯材10の走行を停止させ、めっき作
業を中断した。このとき、前壁31a,後壁31bと金
属帯材10との間の距離を100mmに広げた。そし
て、3時間の中断後、前壁31a,後壁31bと金属帯
材10との間の距離を42mmに戻し、めっき作業を再
開した。再開後30秒で、めっき条件が定常状態に復し
た。これに対し、前壁31a,後壁31bと金属帯材1
0との間の距離を100mmに保ったまま3時間の中断
後にめっき作業を再開したとき、めっき条件が定常状態
に復するまで60秒が必要であった。
【0032】このことから、本発明のスナウトは、ドロ
ス噛込みに起因した欠陥がない良質のめっき材料を形成
することに適していることは勿論、めっき条件の変更に
応じて前壁31a,後壁31bと金属帯材10との間の
距離を替えることによって良質のめっき材料を製造する
ことができる。しかも、めっき作業の継続,中断,再開
に対しても、定常状態に復するまでの立上げ時間を短縮
し、柔軟性に富んだ溶融めっき装置が得られる。
【0033】めっきされる金属帯材10の幅は、ほぼ一
定である。そのため、図4に示すように、前壁31a,
後壁31bと金属帯材10との間の距離を替えることが
できるスナウト31で、大半の金属帯板を溶融めっきす
ることができる。
【0034】図4に示すように前壁31aと後壁31b
とを嵌め合わせるとき、前壁31a及び後壁31bの嵌
合部の隙間から、スナウト31の内部空間32に流入す
るめっき金属の流れfもみられる。この流れfによって
も、金属帯材に随伴されてスナウト31の外部に送り出
されるドロスの割合を大きくすることができる。
【0035】或いは、スナウト31内へのめっき金属の
流入を促進させるため、図6に示すようにめっき浴50
の液面50aよりも若干下方の位置で、スナウト31の
側壁に流入孔33を形成することもできる。流入孔33
を介してスナウト31内部に流入しためっき金属は、金
属帯材10に随伴され、スナウト10の下端開口から流
出する。めっき金属の流入及び流出に伴ってスナウト3
1内にあるドロスが常時排出され、スナウト31の内部
は、スナウト31外部にあるめっき浴50とほぼ同じ清
浄度のドロス濃度に維持される。
【0036】需要によっては、異なる幅を持った金属帯
板を被めっき材料として使用することがある。このよう
な場合、金属帯板10とスナウト31の側壁内面との距
離が大きくなり、図2(b)で説明した側壁35cの内
面近傍にめっき金属の滞留54cが生じる場合がある。
【0037】そこで、図7に示すように、分割壁31a
1 ,31a2 で前壁31aを、分割壁31b1 ,31b
2 で後壁31bを作り、分割壁31a1 ,31a2 及び
分割壁31b1 ,31b2 を相互にスライドさせ、前壁
31a及び後壁31bの幅を金属帯材10の幅に対応し
て調整する。これにより、異なる幅の金属帯材10に対
しても同一のスナウト31を使用し、ドロス噛込みがな
い良質のめっき層を形成することが可能となる。
【0038】金属帯板10の表面から前壁31a,後壁
31bの内面までの距離や金属帯材10の端縁からスナ
ウト31の側壁面までの距離は、スナウト31内のドロ
ス52を効率よくめっき金属の随伴流に載せて排出する
上で重要なものである。
【0039】たとえば、本発明を拘束するものではない
が、通常の操業条件下で、30〜100mmの範囲で金
属帯板10の表面から前壁31a,後壁31bの内面ま
での距離を設定する。そして、過去の実績や通板速度等
のめっき条件を考慮して、30〜100mmの範囲の適
当な値に定める。或いは、めっき作業を継続している場
合においても、めっき浴50から引き上げられているめ
っき材料11の表面状態を観察しながら、距離を変更す
ることもできる。
【0040】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明のスナウ
トは、被めっき材料である金属帯材の走行によって生じ
るめっき金属の流れに乗って内部のドロスが効率よく流
出されるように、金属帯材の表面からスナウト内面まで
の距離を変えることができる。そのため、得られためっ
き製品には、ドロス噛込みに起因した欠陥がない良質の
めっき層が形成される。また、通板速度,金属帯材のサ
イズ等のめっき条件に応じて金属帯材の表面からスナウ
ト内面までの距離が変えられるため、極めて柔軟性に富
んだ溶融めっき装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の溶融めっき装置
【図2】 スナウト内部のめっき金属の流れを調べるた
めの水モデル
【図3】 本発明実施例の溶融めっき装置
【図4】 同実施例で使用したスナウトの断面
【図5】 同スナウトによるドロスの排出作用を比較例
と併せ示すグラフ
【図6】 めっき金属の流入孔を穿設したスナウトの例
【図7】 金属帯材の幅方向にも長さ可変としたスナウ
トの例
【符号の説明】
10 金属帯材 20 還元炉 22 出側
31 スナウト 31a 前壁 31a1 ,31a2 分割壁
31b 後壁 31b1 ,31b2 分割壁 40 めっき槽
50 めっき浴 52 ドロス
フロントページの続き (72)発明者 畠中 信夫 千葉県市川市高谷新町7番地の1 日新製 鋼株式会社市川製造所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 還元雰囲気下で還元炉からめっき槽まで
    金属帯材を導くスナウトであって、前記金属帯材の表面
    と直交する方向に分割された前壁部及び後壁部をもち、
    前記前壁部及び前記後壁部の嵌合度が調整可能なよう
    に、前記前壁部及び前記後壁部を前記還元炉の出側に支
    持していることを特徴とする溶融めっき装置用スナウ
    ト。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の前壁部及び後壁部は、金
    属帯材の幅方向に相互にスライドする分割壁で構成され
    ていることを特徴とする溶融めっき装置用スナウト。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4855534B1 (ja) * 2010-11-08 2012-01-18 三菱電線工業株式会社 メッキ線材の製造方法
CN115418593A (zh) * 2022-08-12 2022-12-02 唐山钢铁集团高强汽车板有限公司 一种解决镀铝产线带钢表面漏镀的设备及方法

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