JP2007126718A - 溶融めっき方法及び溶融めっき設備 - Google Patents

溶融めっき方法及び溶融めっき設備 Download PDF

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Abstract

【課題】電熱ヒータを用いずに,スナウトを高温に加熱する。
【解決手段】スナウト11の下端部を溶融亜鉛に浸漬し,スナウト11の上端部にブスバー33を接続する。これによって,鋼帯H,溶融亜鉛B,スナウト11,ブスバー33及び導電ロール30による二次コイル34を構成する。スナウト11とその上流側のケーシング40との間には,絶縁体を介在する。通電加熱装置10により,二次コイル34に電流を誘導し,スナウト11に電流を流すことにより,スナウト11をジュール熱により,溶融亜鉛温度の−100℃以上の温度まで加熱する。
【選択図】図1

Description

本発明は,鋼帯を溶融めっきする溶融めっき方法と,溶融めっき設備に関する。
鋼帯の溶融亜鉛めっき工程は,例えば鋼帯の搬送路上において鋼帯を所定温度に加熱し,その鋼帯を溶融亜鉛槽の溶融亜鉛内に浸漬することにより行われる。溶融亜鉛槽の直前の搬送路には,鋼帯の周りを筒状に囲むスナウトが設けられ,通搬中の鋼帯の酸化を防止している。
ところで,上述の溶融亜鉛めっき工程では,従来より,溶融亜鉛槽内の溶融亜鉛が蒸発し,その蒸発物がスナウトの内壁で凝固して堆積し,その後その堆積物がスナウトから落下して,鋼帯を汚染することが問題となっていた。そこで,スナウトに電熱ヒータを設けて,スナウトを,溶融亜鉛のめっき浴の−100℃以上の高温にして,スナウト内の蒸発物の量を抑制する技術が提案されている(特許文献1参照。)。
特開平11-286762号公報
しかしながら,上述したように電熱ヒータを用いてスナウトを加熱する場合,スナウト自体に電熱ヒータを取り付ける必要がある。また,電熱ヒータを制御する新たな温度制御装置が必要になる。このため,溶融亜鉛めっき装置が大型化し複雑化し,設備のコストも増大する。また,給電により電熱ヒータを発熱させるため,電気消費量が増えて,溶融亜鉛めっき工程のランニングコストも増大する。
本発明は,かかる点に鑑みてなされたものであり,より単純な機構で低コストにスナウトなどの包囲体の温度を上げて,溶融亜鉛などの溶融金属の蒸発物が包囲体に堆積するのを抑制することをその目的とする。
上記目的を達成するための本発明は,鋼帯を加熱し,その後鋼帯を溶融金属内に進入させて,鋼帯を溶融めっきする方法であって,前記鋼帯の加熱は,鋼帯に通電することにより行い,前記溶融金属に進入する直前の鋼帯の周りを囲む包囲体に,前記加熱時に鋼帯に流れる電流を通電し,当該包囲体を前記通電によるジュール熱によって加熱して,前記包囲体を,溶融金属の温度の−100℃よりも高い温度に加熱することを特徴とする。
本発明によれば,鋼帯を加熱するときに用いられるエネルギーを利用して,包囲体を所定の高温度に加熱するので,従来のように包囲体に別途電熱ヒータを設ける必要がなく,単純な機構でなおかつ低コストに,溶融金属からの蒸発物の包囲体への堆積を抑制できる。なお,「溶融金属に進入する直前の鋼帯」とは,溶融金属の液面から長くても5mm以内の部分である。
前記包囲体は,前記溶融金属に浸漬しており,前記包囲体は,前記通電によるジュール熱と前記溶融金属からの伝導熱によって前記温度に加熱されるようにしてもよい。
別の観点による本発明は,鋼帯を加熱し,その後鋼帯を溶融金属内に進入させて,鋼帯を溶融めっきする装置であって,鋼帯に通電して鋼帯を加熱する通電加熱装置と,溶融金属内に進入する直前の鋼帯の周囲を囲む導電性の包囲体と,前記溶融金属を貯留する溶融金属槽と,を鋼帯の搬送路上に上流側からこの順で備え,前記包囲体には,前記通電加熱装置により鋼帯に流れる電流が通電し,当該包囲体を当該通電によるジュール熱によって加熱でき,前記包囲体は,鋼帯の溶融めっき処理時の前記通電加熱装置による通電により,溶融金属の温度の−100℃よりも高い温度に昇温されるように形成されていてもよい。
本発明によれば,鋼帯を加熱する通電加熱装置の電流を利用して,包囲体を所定の高温度に加熱できるので,従来のように包囲体に別途電熱ヒータを設ける必要がなく,単純な機構でなおかつ低コストに,溶融金属からの蒸発物の包囲体への堆積を抑制できる。
前記包囲体は,下流側の一端部が前記溶融金属槽内の溶融金属に浸漬しており,前記包囲体の上流側の他端部には,前記通電加熱装置の上流側に位置する鋼帯との間を電気的に接続する接続線が接続されており,鋼帯と,前記溶融金属槽内の溶融金属と,前記包囲体及び前記接続線によって,前記通電加熱装置により通電する通電回路が形成されていてもよい。
前記通電加熱装置から前記包囲体までの間の鋼帯は,搬送路に沿った他の包囲体により囲まれており,前記包囲体と前記他の包囲体との接続部には,絶縁体が介在されていてもよい。
前記包囲体の材質は,オーステナイト系ステンレス鋼であってもよい。
前記包囲体内には,包囲体内の通路の直線的な軸上を鋼帯が通るように鋼帯を押さえるセンタリングロールが設けられていてもよい。また,前記センタリングロールは,鋼帯が包囲体内の通路の軸上に位置するように鋼帯を下面から支持する一のロールと,当該軸上を通る鋼帯を上面から押さえる他のロールによって構成されていてもよい。
前記他のロールと前記一のロールは,前記包囲体の通路に沿って,上流側からこの順に配置され,鋼帯を挟んで斜めに対向していてもよい。
前記包囲体の壁部の一部は,前記一のロールと他のロールを迂回するように外側に突出していてもよい。また,前記包囲体の上方の壁部と下方の壁部の突出した部分は,前記包囲体の通路上において互いにずれた位置に形成されていてもよい。
前記センタリングロールは,前記包囲体に対して絶縁体を介在して取り付けられていてもよい。
前記鋼帯は,溶融めっき後に合金化処理が施されるものであってもよい。
本発明によれば,通電加熱装置の電力を用いて包囲体を加熱できるので,溶融めっき設備の小型化,低コスト化が図られる。
以下,本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は,本実施の形態にかかる溶融亜鉛めっき設備1の構成の概略を示す説明図である。
例えば溶融亜鉛めっき設備1は,鋼帯Hが一方向に搬送される搬送路Aを有している。その搬送路Aには,例えば鋼帯Hを加熱する通電加熱装置10と,包囲体としてのスナウト11と,溶融亜鉛Bが貯留された溶融亜鉛槽12と,溶融亜鉛めっき後に鋼帯Hを合金化処理する合金化処理装置13が上流側から順に配置されている。
通電加熱装置10は,例えば搬送路A上の鋼帯Hの周りを囲むリング状の鉄心20と,その鉄心20に巻きつけられた一次コイル21と,一次コイル21に給電する交流電源22を備えている。
通電加熱装置10の搬送路Aには,鋼帯Hに接触する導電ロール30と,シールロール31と,ターンロール32が上流側から順に設けられている。通電加熱装置10の鉄心20は,シールロール31とターンロール32の間に配置されている。
搬送路Aのタールロール32の下流側には,先端部(下端部)が溶融亜鉛槽12内の溶融亜鉛Bに浸漬された導電性のスナウト11が設けられている。このスナウト11の構成の詳細については後述する。スナウト11の後端部(上端部)と導電ロール30との間には,電気的な接続線としてのブスバー33が接続されている。これにより,導電ロール30,搬送路A上の鋼帯H,溶融亜鉛槽12内の溶融亜鉛B,スナウト11及びブスバー33によって,鉄心20を巻く二次コイル34(通電回路)が形成される。交流電源22により,一次コイル21に電圧を印加し電流を流すことによって,二次コイル34側に電力を誘起し,鋼帯Hに高電流を流すことができる。この電流により,鋼帯Hをジュール発熱させ,鋼帯Hを所定温度に加熱することができる。この通電加熱装置10により,変圧器効果型通電加熱法による加熱が実現される。
例えば搬送路Aのシールロール31からスナウト11までの間は,他の包囲体としてのケーシング40により覆われている。ケーシング40は,例えば搬送路Aに沿った角筒状に形成されている。ケーシング40は,例えば非磁性のステンレス鋼により形成されている。このケーシング40により,加熱された鋼帯Hを所定の不活性雰囲気内に維持できる。
ここで,スナウト11の構成について詳しく説明する。スナウト11は,図2に示すように全体が略角筒状に形成され,四角枠の断面形状を有している。スナウト11は,溶融亜鉛槽12に対して約30°の俯角方向に斜めに進入している。スナウト11は,例えば比電気抵抗が7×10−7Ω・m〜8×10−7Ω・m程度で導電性を有する非磁性のオーステナイト系のステンレス鋼により形成されている。スナウト11は,例えば1.7m程度の長さを有する。なお,溶融亜鉛の蒸発物が付着する範囲から考えて,スナウト11の長さは,1.7m程度で十分である。スナウト11の壁部の厚みは,ケーシング40の壁部よりも厚い例えば30mm〜50mm程度に形成されている。また,スナウト11の壁部の鋼帯Hを囲む周囲の長さ(スナウト11を鋼帯Hの進行方向に対して垂直な断面で切ったときのスナウト11の枠形状の周囲の長さ)は,3500〜5500mm程度に形成されている。かかる構成により,スナウト11は,全体の電気抵抗が例えば4×10−6Ω〜8×10−6Ω程度に設定されている。この結果,通電加熱装置10によりスナウト11に電流を流すことにより,スナウト11にジュール発熱させ,スナウト11を所定の高温度に加熱できる。
また,スナウト11の下端部は,溶融亜鉛槽12の高温の溶融亜鉛B内に浸漬されている。この溶融亜鉛Bからの伝導熱によっても,スナウト11を温度上昇できる。したがって,本実施の形態では,スナウト11に適切な電気抵抗値と,熱伝導度を持たせて,スナウト11に流れる電流により生じるジュール熱と,溶融亜鉛からの伝熱を利用して,スナウト11自体を加熱できる。なお,上述したようにスナウト11の壁部の厚みが30〜50mmであるので,溶融亜鉛からの伝導熱を伝えるのに有利である。このスナウト11の壁部の厚みは,伝熱効果を向上させるために,スナウト11の全長に渡って30〜50mmであるが,溶融亜鉛に浸漬されている部分のみが30〜50mmであってもよい。
ところで,スナウト11には交流電流が流れるので,スナウト11の通路内に磁場が形成される。図3に示すようにスナウト11の上下の壁部11a,11bから生じる磁場Gは,スナウト11の通路Sの側面から見た直線状の軸C上において打ち消されて零になる。この軸Cは,図4に示すようにスナウト11の壁部の形状に関わらず,通路Sの真ん中を通過する直線状の軸である。換言すると,軸Cは,スナウト11の壁部の後述する突出部分11d,11e以外の平坦壁部において,通路Sの上下方向の中心を通る直線状の軸である。このため,スナウト11の通路S内において,電流が流れる鋼帯Hが軸C上に位置していないと,鋼帯Hに法線方向Nのローレンツ力が作用し,鋼帯Hの振動が誘発される。
これを防止するため,図4に示すようにスナウト11内には,鋼帯Hをスナウト11内の通路Sの軸C上に位置させるための2つのセンタリングロール50,51が設けられている。センタリングロール50,51は,搬送路Aの上流側から順に間隔をおいて設けられている。センタリングロール50,51は,傾斜した鋼帯Hの上下面に斜めに対向して設けられている。下流側のセンタリングロール51は,鋼帯Hがスナウト11内の通路Sの軸C上を通るように鋼帯Hを下から支持している。これにより,鋼帯Hは,センタリングロール51から張力が掛けられている。上流側のセンタリングロール50は,センタリングロール51によりスナウト11内の通路Sの軸C上に支持された鋼帯Hを上方から押さえている。
スナウト11の上下の壁部11a,11bは,センタリングロール50,51を迂回するように,センタリングロール50,51のある部分が外側に突出している。
スナウト11の壁部11a,11bの外側への突出部分11d,11eは,センタリングロール50,51の位置に応じて,スナウト11の通路S上において互いにずれた位置に形成されている。このように,通路S上において突出部分11d,11eの位置が互いにずれていると,センタリングロール50,51のある部分だけスナウト11の通路Sの上下幅が変わり,スナウト11の通路S内の上下方向の中心が各突出部分11d,11e側にずれる。この結果,センタリングロール50,51のある位置に限って,上述した磁場Gの零になる位置が軸C上からずれて,鋼帯Hには,各センタリングロール50,51のある法線方向Nにローレンツ力が働く。それ故,センタリングロール50,51のある部分においては,鋼帯Hが常にセンタリングロール50,51側に押し付けられ,これによっても,鋼帯Hの磁場Gによる振動が抑制される。
なお,スナウト11の側壁部には,例えば鋼帯Hの位置又はセンタリングロール50,51の位置を把握するための目盛りが(図示せず)が形成されており,この目盛りにしたがって,センタリングロール50,51を厳格な位置に調整し,鋼帯Hの位置を正確に設定できる。さらに,電磁振動による揺れを抑えるために,センタリングロール50,51は,調整された位置に確実に固定されている。
図5に示すように例えばセンタリングロール50,51の各回転軸のシャフト55は,スナウト11の側壁を貫通するように設けられている。シャフト55の両端部は,軸受け56によって支持されている。軸受け56は,例えばリング状のジョイント57に支持され,当該ジョイント57は,絶縁体58を介在して,スナウト11の取り付け部59に取り付けられている。このように,センタリングロール50,51は,スナウト11に対して絶縁されており,スナウト11の電流がセンタリングロール50,51側に流れることが防止できる。なお,センタリングロール50,51の表面或いはセンタリングロール50,51全体が絶縁物によって形成されていてもよい。これにより,鋼帯Hとセンタリングロール50,51との間も絶縁できる。
図4に示すようにスナウト11の上端部の端面には,スナウト11の端面形状に沿った四角枠形状のフランジ11cが形成されている。このフランジ11cには,ケーシング40の端面が絶縁体60を介在して接続されている。この絶縁体60により,スナウト11を流れる交流電流の影響によりケーシング40に磁束変化が生じてケーシング40に渦電流が生じることがなく,ケーシング40が渦電流により温度上昇して溶融することを防止できる。例えばスナウト11のフランジ11cには,電極61が設けられており,この電極61にブスバー33が接続されている。
図1に示すように溶融亜鉛槽12内には,ロール70が配置されている。ロール70と上述のセンタリングロール51との距離は,例えば400mm程度に設定されている。このロール70により,斜め上方から溶融亜鉛槽12内に搬送された鋼帯Hを上方に向きを変えて送り出すことができる。合金化処理装置13には,図示しない加熱炉が配置され,鋼帯Hを加熱してめっき層を合金化することができる。
次に,以上のように構成された溶融亜鉛めっき設備1の作用を,鋼帯Hの処理プロセスと共に説明する。
例えば鋼帯Hの溶融亜鉛めっき処理が開始される前には,溶融亜鉛槽12内の例えば450℃の溶融亜鉛Bの熱によりスナウト11が予熱される。そして,溶融亜鉛めっき処理が開始されると,焼鈍の終了した鋼帯Hが搬送路Aに沿って搬送される。このとき,先ず通電加熱装置10において,一次コイル21に電流が流され,二次コイル34に高電流が誘導され,鋼帯H→溶融亜鉛B→スナウト11→ブスバー33→導電ロール30→鋼帯Hの通電回路に電流が流れる。鋼帯Hは,このときのジュール熱により溶融亜鉛温度と同等の例えば450℃程度まで加熱される。また,スナウト11もこの電流を利用して,例えば溶融亜鉛温度(例えば450℃)の−100℃(350℃)よりも高い温度に加熱される。この結果,スナウト11自体とスナウト11内部が高温になり,溶融亜鉛槽12内の溶融亜鉛Bの蒸発物がスナウト11に付着することが抑制される。
鋼帯Hがスナウト11内を通過する際には,鋼帯Hは,センタリングロール50,51により位置決めされ,側面から見てスナウト11内の通路の中央を通過する。スナウト11を通過した鋼帯Hは,溶融亜鉛槽12の溶融亜鉛B内に浸漬され,鋼帯Hの表面に溶融亜鉛Bがめっきされる。その後,鋼帯Hは,合金化処理装置13に搬送され,合金化処理が施される。
以上の実施の形態によれば,通電加熱装置10の高電流を利用してスナウト11を溶融亜鉛温度に近い高い温度に加熱できるので,従来のように別途電熱ヒータを設ける必要がなく,溶融亜鉛めっき設備1の大型化,複雑化を防止できる。また,通電加熱装置10の電気エネルギーを有効に利用できるので,コストの大幅な削減が図られる。
また,スナウト11は,溶融亜鉛槽12の溶融亜鉛Bに浸漬されているので,高温の溶融亜鉛Bからの伝導熱を用いてスナウト11を温度上昇でき,ジュール熱による加熱の負担を軽減できる。また,短時間でスナウト11を所定の高温度に加熱できる。
スナウト11とケーシング40との接続部に絶縁体60が介在されているので,スナウト11の交流電流によりケーシング40内に磁束変化が生じて渦電流が生じることがなく,渦電流によりケーシング40が加熱され溶融することを防止できる。また,スナウト11からケーシング40側に漏電することがなく,通電加熱装置10の電力をスナウト11の加熱に効率的に用いることができる。
スナウト11がオーステナイト系のステンレス鋼により形成されているので,電気エネルギーを効率的にジュール熱に換えることができる。また,溶融亜鉛Bに対する耐食性に優れており,長期にわたりスナウト11を高温の溶融亜鉛B内に浸漬することができる。さらに,スナウト11は,非磁性体であるので,交流電流が流れる鋼帯Hからの磁場の影響を受けてスナウト11に誘導電流が生じることを防止できる。この結果,スナウト11に適正な電流が流れ,所望のジュール熱を発生させることができる。
スナウト11内に鋼帯Hを位置決めするセンタリングロール50,51を設けて,鋼帯Hがスナウト11内の通路の中央を通るようにしたので,鋼帯Hが中央からずれてローレンツ力により振動することを防止できる。この結果,鋼帯Hが溶融亜鉛B内にスムーズに進入し,溶融亜鉛Bの液面が大きく乱れることがないので,鋼帯Hに溶融亜鉛Bを斑なくめっきできる。
センタリングロール51が鋼帯Hの下面を支持し,センタリングロール50がその鋼帯Hの上面側を押さえるようにしたので,鋼帯Hの両面から鋼帯Hを位置決めして,鋼帯Hの中央からの位置ずれをより確実に防止できる。
スナウト11の壁部11a,11bの一部がセンタリングロール50,51を迂回するように外側に突出しているので,スナウト11内にセンタリングロール50,51を設けるにあたってスナウト11全体の内径を大きくする必要がなく,その分スナウト11内の通路容積を小さくすることができる。それ故,スナウト11本体の温度上昇によりスナウト11内の雰囲気全体を短時間で確実に昇温でき,溶融亜鉛Bの蒸発を効果的に抑制できる。また,スナウト11内の雰囲気に温度斑ができにくく,対流が発生し難いので,これによっても溶融亜鉛Bからの蒸発を抑制できる。
センタリングロール50,51は,スナウト11に対して絶縁体58を介して取り付けられているので,スナウト11を流れる電流がセンタリングロール50,51に通電することがなく,スナウト11内の電気の流れが変わってスナウト11の加熱を妨げることがない。
めっき後に合金化処理が行われる鋼帯Hは,合金化処理が行われない鋼帯よりも,異物が混入しない,より均一なめっきが要求される。以上の実施の形態では,スナウト11を加熱することにより,スナウト11から溶融亜鉛Bや鋼帯Hに汚染物が落下することが抑制されるので,合金化処理が行われる鋼帯Hであっても適正なめっき処理が行われる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において,各種の変更例または修正例に相到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。例えば以上の実施の形態では,めっき金属が亜鉛であったが,他の金属であってもよい。また,以上の実施の形態では,本発明を,めっき後に合金化処理を行なう鋼帯Hに適用していたが,合金化処理を行わない鋼帯Hに適用してもよい。通電加熱装置10は,変圧器効果型通電加熱法を用いたものであったが,直接通電加熱法や誘導加熱法などの他の通電加熱法を用いたものであってもよい。
本発明は,より簡単な機構を用いて低コストに,溶融金属の蒸発物が包囲体に堆積するのを抑制する際に有用である。
本実施の形態にかかる溶融亜鉛めっき設備の構成の概略を示す説明図である。 スナウトの斜視図である。 スナウト内の磁場を示す説明図である。 スナウトの構成の概略を示す縦断面の説明図である。 センタリングロールの取り付け機構を示すスナウトの横断面の説明図である。
符号の説明
1 溶融亜鉛めっき設備
10 通電加熱装置
11 スナウト
12 溶融亜鉛槽
30 導電ロール
33 ブスバー
A 搬送路
B 溶融亜鉛
H 鋼帯

Claims (13)

  1. 鋼帯を加熱し,その後鋼帯を溶融金属内に進入させて,鋼帯を溶融めっきする方法であって,
    前記鋼帯の加熱は,鋼帯に通電することにより行い,
    前記溶融金属に進入する直前の鋼帯の周りを囲む包囲体に,前記加熱時に鋼帯に流れる電流を通電し,当該包囲体を前記通電によるジュール熱によって加熱して,前記包囲体を,溶融金属の温度の−100℃よりも高い温度に加熱することを特徴とする,溶融めっき方法。
  2. 前記包囲体は,前記溶融金属に浸漬しており,
    前記包囲体は,前記通電によるジュール熱と前記溶融金属からの伝導熱によって前記温度に加熱されることを特徴とする,請求項1に記載の溶融めっき方法。
  3. 鋼帯を加熱し,その後鋼帯を溶融金属内に進入させて,鋼帯を溶融めっきする装置であって,
    鋼帯に通電して鋼帯を加熱する通電加熱装置と,
    溶融金属内に進入する直前の鋼帯の周囲を囲む導電性の包囲体と,
    前記溶融金属を貯留する溶融金属槽と,を鋼帯の搬送路上に上流側からこの順で備え,
    前記包囲体には,前記通電加熱装置により鋼帯に流れる電流が通電し,当該包囲体を当該通電によるジュール熱によって加熱でき,
    前記包囲体は,鋼帯の溶融めっき処理時の前記通電加熱装置による通電により,溶融金属の温度の−100℃よりも高い温度に昇温されるように形成されていることを特徴とする,溶融めっき設備。
  4. 前記包囲体は,下流側の一端部が前記溶融金属槽内の溶融金属に浸漬しており,
    前記包囲体の上流側の他端部には,前記通電加熱装置の上流側に位置する鋼帯との間を電気的に接続する接続線が接続されており,
    鋼帯と,前記溶融金属槽内の溶融金属と,前記包囲体及び前記接続線によって,前記通電加熱装置により通電する通電回路が形成されていることを特徴とする,請求項3に記載の溶融めっき設備。
  5. 前記通電加熱装置から前記包囲体までの間の鋼帯は,搬送路に沿った他の包囲体により囲まれており,
    前記包囲体と前記他の包囲体との接続部には,絶縁体が介在されていることを特徴とする,請求項3又は4のいずれかに記載の溶融めっき設備。
  6. 前記包囲体の材質は,オーステナイト系ステンレス鋼であることを特徴とする,請求項3〜5のいずれかに記載の溶融めっき設備。
  7. 前記包囲体内には,包囲体内の通路の直線的な軸上を鋼帯が通るように鋼帯を押さえるセンタリングロールが設けられていることを特徴とする,請求項3〜6のいずれかに記載の溶融めっき設備。
  8. 前記センタリングロールは,鋼帯が包囲体内の通路の軸上に位置するように鋼帯を下面から支持する一のロールと,当該軸上を通る鋼帯を上面から押さえる他のロールによって構成されていることを特徴とする,請求項7に記載の溶融めっき設備。
  9. 前記他のロールと前記一のロールは,前記包囲体の通路に沿って,上流側からこの順に配置され,鋼帯を挟んで斜めに対向していることを特徴とする,請求項8に記載の溶融めっき設備。
  10. 前記包囲体の上下の壁部の一部は,前記一のロールと他のロールを迂回するように外側に突出していることを特徴とする,請求項8又は9のいずれかに記載の溶融めっき設備。
  11. 前記包囲体の上方の壁部と下方の壁部の突出した部分は,前記包囲体の通路上において互いにずれた位置に形成されていることを特徴とする,請求項10に記載の溶融めっき設備。
  12. 前記センタリングロールは,前記包囲体に対して絶縁体を介在して取り付けられていることを特徴とする,請求項7〜11のいずれかに記載の溶融めっき設備。
  13. 前記鋼帯は,溶融めっき後に合金化処理が施されるものであることを特徴とする,請求項3〜12のいずれかに記載の溶融めっき設備。
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