JPH08199034A - アクリル系エラストマ−組成物およびその加硫成形品 - Google Patents

アクリル系エラストマ−組成物およびその加硫成形品

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JPH08199034A
JPH08199034A JP3013295A JP3013295A JPH08199034A JP H08199034 A JPH08199034 A JP H08199034A JP 3013295 A JP3013295 A JP 3013295A JP 3013295 A JP3013295 A JP 3013295A JP H08199034 A JPH08199034 A JP H08199034A
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満 前田
Iwao Moriyama
五輪夫 守山
Kazuhiko Zenitani
和彦 銭谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 固着防止剤を配合したアクリル系エラストマ
ー組成物およびその加硫成形品であって、少なくとも15
0℃/70時間の条件での固着力が 0 kgfであるように固着
防止性の点ですぐれかつ実質的にゴム物性の低下のない
ものを提供する。 【構成】 アクリル系エラストマー100重量部に、フッ
素化ホスホン酸RfRnPO(OH)2およびフッ素化ホスホン酸
ジエステルRfRnPO(OR´)2の両者、好ましくは更にホス
ホン酸ジエステルHPO(OR´)2[これらの各一般式におい
て、Rfはポリフルオロカーボン基またはパーフルオロポ
リエーテル基であり、Rは炭素数1〜6のアルキレン基、
フェニレン基、オキシフェニレン基またはスルホンアミ
ド基であって、nは0または1であり、そしてR´は水素原
子、低級アルキル基、アリール基、アルキルアリール基
またはポリエーテル基である]をいずれも約0.1〜20重量
部配合したアクリル系エラストマー組成物およびその加
硫成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクリル系エラストマ
ー組成物およびその加硫成形品に関する。更に詳しく
は、金属などに対して固着防止性を有するアクリル系エ
ラストマー組成物およびその加硫成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル系エラストマーは、パッキン、
Oリングなどのシール材料に成形して用いられている
が、シール材料はそれと直接接触する材料、例えば鋳
鉄、アルミニウム、SUS、軟鉄などの金属やポリアミド
樹脂、フェノール樹脂などの樹脂にゴムが固着し、シー
ル性能を低下させる現象のみられることがある。
【0003】ここで、固着とはシール用ゴム材料と接触
材料とを約10〜40%圧縮し、空気中または使用油中に一
定温度、一定時間放置するとゴムと接触材料とが反応
し、強固に密着して剥がそうとしても剥がれない状態を
指しているが、上記の各種接触材料中、特に固着が問題
となるのは鋳鉄と軟鉄である。
【0004】こうした固着の問題を解決する方法として
は、以下に述べるように種々の提案がなされているが、
いずれも満足されるものは見当らない。 (1)ゴム中に可塑剤、滑剤などを比較的多量に配合し、
ゴムからブリードあるいはブルームさせ、相手材と直接
接触させない方法 この方法は、経済的には一番すぐれているが、ブリード
あるいはブルームさせるだけでは固着防止が不十分であ
るばかりではなく、ゴム物性の低下も大きくなる。 (2)ゴムに固体潤滑剤やシリコーンコーティング剤を付
着させる方法 固体潤滑剤を付着させる方法では、グラファイト、二硫
化モリブデンなどの固体潤滑剤がとれ易く、性能が安定
しないばかりか、油中などにこれらの固体潤滑剤が混入
し、異物となる可能性がある。シリコーンコーティング
剤の場合にも、同様の問題がみられる。 (3)ゴム系バインダーと固体潤滑剤とをベースとし、溶
媒に分散させた組成物としてシール材をコーティングす
る方法 この方法は、概してシール材との密着性が悪く、固着防
止に対しても十分な効果がない。また、加工コストが非
常に高くなる。 (4)表面をフッ素ガス等でフッ素化する方法 この方法は、耐固着性の点ではすぐれているが、処理コ
ストの面での難点がみられる。 (5)表面を硬化させる方法 この方法は、ポリチオール化合物、アミン類、有機過酸
化物等で処理することにより、表面を硬化させるもので
あり、耐固着性の点ではすぐれているが、変形時に割れ
などの問題がみられる。 (6)フッ素化ホスホン酸ジエステル RfRnPO(OR´)2を用
いる方法 このジエステルに相当する化合物を内部離型剤として各
種のエラストマーに添加することが、特開平2-18430号
公報に記載されている。ところで、自動車エンジンの高
性能化に伴うエンジンの高温化ならびに自動車の保証期
間の延長化に対応するためには、少なくとも150℃、70
時間の条件下での固着力が、パッキン等の金属部品への
付着によるトラブルを防止する上からも、0 kgfである
ことが求められているが、上記フッ素化ホスホン酸ジエ
ステルではこのような要求をみたすことができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、固着
防止剤を配合したアクリル系エラストマー組成物および
その加硫成形品であって、少なくとも150℃/70時間の条
件下での固着力が 0 kgfであるように固着防止性の点で
すぐれかつ実質的にゴム物性の低下のないものを提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
アクリル系エラストマー100重量部に、一般式RfRnPO(O
H)2で表わされるフッ素化ホスホン酸および一般式RfRnP
O(OR´)2で表わされるフッ素化ホスホン酸ジエステルの
両者、好ましくは更に一般式HPO(OR´)2で表わされるホ
スホン酸ジエステル[これらの各一般式において、Rfは
ポリフルオロカーボン基またはパーフルオロポリエーテ
ル基であり、Rは炭素数1〜6のアルキレン基、フェニレ
ン基、オキシフェニレン基またはスルホンアミド基であ
って、nは0または1であり、そしてR´は水素原子、低級
アルキル基、アリール基、アルキルアリール基またはポ
リエーテル基である]をそれぞれ約0.1〜20重量部配合し
たアクリル系エラストマー組成物およびその加硫成形品
によって達成される。
【0007】アクリル系エラストマーとしては、一般に
(a)炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレ
ート、(b)炭素数2〜8のアルコキシアルキレン基を有す
るアルコキシアルキルアクリレート、(c)一般式CH2=CR
COO[(CH2)5COO]nCH2CH2CN(R:水素原子またはメチル
基、n:1以上の整数で平均1〜5)で表わされる(メタ)ア
クリル酸エステルまたは(d)一般式CH2=CR1COO(R2COO)n
R3 (R1:水素原子またはメチル基、R2:炭素数3〜20の
アルキレン基、R3:炭素数1〜20の炭化水素基または置
換炭化水素基、n:1〜20)で表わされる(メタ)アクリル
酸エステルの少なくとも一種の(共)重合体が用いられる
が、好ましくは更に(e)少なくとも一種の次のような架
橋性基含有単量体を約10重量%以下、好ましくは約5重量
%以下共重合させた共重合体が用いられる。 (イ)反応性ハロゲン含有ビニル単量体 (ロ)エポキシ基含有ビニル単量体 (ハ)カルボキシル基含有ビニル単量体 (マレイン酸モノ
アルキルエステル等も含む) (ニ)ジエン系単量体 (ホ)水酸基含有ビニル単量体 (ヘ)アミド基含有ビニル単量体 これらの(共)重合体中には、(a)〜(c)成分の一部、具体
的には約35重量%程度迄を他の共重合性ビニル単量体と
置換し、共重合させることもできる。
【0008】またアクリル系エラストマーとしては、他
に次のようなものも用いられる。 エチレン-アクリル酸エステル共重合エラストマー:こ
れは、エチレン約60〜20重量%と炭素数1〜8のアルキル
基を含有するアルキル(メタ)アクリレート約40〜80重量
%との共重合エラストマーであって、前記(e)成分架橋性
基含有単量体を約10重量%以下の割合で共重合させるこ
とができる。 エチレン-アクリル酸エステル-酢酸ビニル共重合エラス
トマー:これは、エチレン約45〜5重量%、前記(a)〜(d)
成分の少なくとも一種約5〜90重量%および酢酸ビニル約
45〜5重量%の共重合エラストマーであって、前記(e)成
分架橋性基含有単量体を約10重量%以下の割合で共重合
させることができる。 アクリル酸エステル-不飽和ニトリル-共役ジエン共重合
エラストマーおよびその水素添加物:前記(a)〜(d)成分
の少なくとも一種約5〜75重量%、(メタ)アクリロニトリ
ル、エタクリロニトリル、α-クロロアクリロニトリ
ル、α-フルオロアクリロニトリルの如き不飽和ニトリ
ル60〜10重量%およびブタジエン、2-クロロブタジエ
ン、2-メチルブタジエンの如き共役ジエン単量体15〜85
重量%の共重合エラストマーまたはその不飽和結合を約1
0〜100%水素添加した水素添加物。
【0009】また、これらの少なくとも一種のアクリル
系エラストマーは、それの100重量部中約95重量部以
下、好ましくは約50重量部以下をこれとブレンド可能な
エラストマー、例えば天然ゴム、SBR、ポリブタジエ
ンゴム、ポリイソプレンゴム、ブチルゴム、NBR、ク
ロロプレンゴム、EPDM、アクリルゴム、フッ素ゴ
ム、塩素化ポリエチレンゴム、ウレタンゴム、エピクロ
ルヒドリンゴム等で置換したブレンド体としても用いる
ことができる。
【0010】これらのアクリル系エラストマーまたはそ
れと他のエラストマーとのブレンド体には、それらの10
0重量部当りいずれも約0.1〜20重量部、好ましくは約0.
5〜10重量部のフッ素化ホスホン酸およびフッ素化ホス
ホン酸ジエステルが配合される。少なくとも150℃、70
時間の条件下での固着力を 0 kgfとするためには、ホス
ホン酸単独の場合にはその配合量を増やさなければなら
ず、フッ素化ホスホン酸ジエステルの場合にはその配合
量を5phr程度迄増加させても所望の程度の固着力とはな
らないが、両者を併用することにより、150℃、70時間
の条件はもとより、150℃、1000時間あるいは200℃、70
時間の条件下における固着力を 0 kgfとすることも可能
となる。更に、0.1〜20重量部、好ましくは約0.5〜10重
量部のホスホン酸ジエステルを配合した場合には、この
ようなよりシュビァな条件下での固着力を 0 kgfとする
ことはきわめて容易である。
【0011】前記各一般式で表わされるフッ素化ホスホ
ン酸、フッ素化ホスホン酸ジエステルまたはホスホン酸
ジエステルにおいて、Rf、RおよびR´としては次のよう
なものが用いられる。 Rf:ポリフルオロカーボン基としては、C6F13,C8F17
C10F21,C12F25,C14F29等のパーフルオロアルキル基が
一般に用いられるが、そこに一個の不飽和結合を導入し
たもの、フッ素原子の一部を水素原子や塩素原子で置換
したものなども用いられる。また、パーフルオロアルキ
ル基は、側鎖にトリフルオロメチル基を有する C2F5[CF(CF3)CF2]n(CF2CF2)m- CF(CF3)2(CF2CF2)n- などであってもよい。これらのポリフルオロカーボン基
の炭素数は1〜32、好ましくは4〜16である。また、パー
フルオロポリエーテル基としては、例えば次のようなも
のが用いられる。 CF3O(CF2CF2CF2O)n- C2F5O(CF2CF2CF2O)n- C3F7O[CF(CF3)CF2O]n- F(CF2CF2O)n(CF2O)m- CF3O(CF2CF2O)n(CF2O)m- CF3O(CF2CF2O)n(CF2O)m[CF(CF3)CF2O]k- C2F5O(CF2CF2O)n(CF2O)m[CF(CF3)CF2O]k- ここで、n,m,kは1以上の整数、好ましくは1〜100であ
る。 R:メチレン、エチレン、トリメチレン、プロピレン-CH
(CH3)CH2-、テトラメチレン、ヘキサメチレン等の炭素
数1〜6のアルキレン基 フェニレン基またはオキシフェニレン基 -SO2NH-,-SO2N(CH3)-,-SO2N(C3H7)-等のスルホンアミ
ド基 R´:水素原子または低級アルキル基 フェニル基等のアリール基 o-,m-またはp-メチルフェニル基等のアルキルアリール
基 CnH2n+1(OCH2CH2)m-,CnH2n+1[OCH2CH(CH3)]m-等のポリ
エーテル基、 ただしn:1〜18、m:1〜12
【0012】以上のアクリル系エラストマーまたはそれ
のブレンド体に、フッ素化ホスホン酸およびフッ素化ホ
スホン酸ジエステルの両者、好ましくは更にホスホン酸
ジエステルを配合したアクリル系エラストマー組成物中
には、架橋剤を始めとする必要な各種配合剤(加硫助
剤、補強剤、充填剤、安定剤、可塑剤、顔料等)が配合
され、ロール、バンバリーミキサー等で混練した後、一
般に用いられているアクリル系エラストマーまたはそれ
のブレンド体に適用される架橋条件に従って加硫が行わ
れる。架橋剤としては、アクリル系エラストマー中に含
まれる架橋性基の種類に応じて、特開昭63-218751号公
報に記載される如き、種々のものが用いられる。また、
架橋性基の有無にかかわらず、過酸化物加硫が可能であ
る。
【0013】
【発明の効果】アクリル系エラストマーまたはそれのブ
レンド体に、フッ素化ホスホン酸およびフッ素化ホスホ
ン酸ジエステルを配合することにより、その加硫成形品
が金属材料や樹脂成形品に直接接触した場合、ポリマー
の種類や加硫系に左右されることなく、そこに有効な固
着防止作用が発揮される。更に、そこにホスホン酸ジエ
ステルを配合した場合には、150℃、1000時間または200
℃、70時間といった条件下での完全な固着防止性も発揮
される。従って、このような固着防止作用のみられる本
発明のアクリル系エラストマー組成物からの加硫成形品
は、金属材料や樹脂成形品などに直接接触される部位に
使用されるシール材料などとして有効に使用される。
【0014】
【実施例】次に、実施例について本発明を説明する。
【0015】実施例1 (配合処方A) 反応性塩素含有アクリルエラストマー 100 重量部 (日本メクトロン製品ノックスタイトPA402) ステアリン酸 1 老化防止剤CD 2 HAFカーボンブラック 55 加硫剤TCY 0.5 加硫促進剤BZ 1.5 ホスホン酸誘導体 (a) C8F17CH2CH2PO(OH)2 (所定量) (b) C8F17CH2CH2PO(OC2H5)2 (所定量) (c) HPO(OC2H5)2 (所定量) 以上の各配合成分を、通常の混練方法に従ってオープン
ロールミルで混練し、得られたアクリル系エラストマー
組成物を180℃で8分間プレス加硫(一次加硫)した後、17
5℃で4時間オーブン加硫(二次加硫)して、厚さ2mmのア
クリルゴムシートを得た。
【0016】得られたアクリルゴムシートから10×20mm
の試験片を切り出し、この試験片をメタノール洗浄した
後、2枚のメタノール洗浄金属板(表面を#150サンドペ
ーパーで研磨した25×25×0.6mmのS-20C板)の間に挾み
込み、150℃/70時間、150℃/1000時間または200℃/70時
間の条件下で25%圧縮した後室温下に24時間放置し、2
枚の金属板をアクリルゴムシートから100mm/分の速度で
剥がすときの剥離力を固着力として測定した。得られた
結果は、ホスホスン酸誘導体(a)、(b)、(c)の配合量と
共に、次の表1に示される。なお、No.1〜8は比較例
である。 表1 配合量 固着力 (kgf) No. (a) (b) (c) 150℃/70hrs 150℃/1000hrs 200℃/70hrs 1 - - - 14 - - 2 0.25 - - 3.0 5.0 7.0 3 0.5 - - 1.0 4.0 5.0 4 1 - - 0 1.0 3.0 5 3 - - 0 0.5 1.5 6 5 - - 0 0.5 1.0 7 - 5 - 1.0 4.0 8.0 8 - - 5 18 - - 9 0.25 2.75 - 0 0.5 1.0 10 0.25 2.75 0.5 0 0 0 11 0.25 4.75 - 0 0 0 12 0.5 2.5 - 0 0 0.5 13 0.5 2.5 0.5 0 0 0 14 0.5 4.5 - 0 0 0 15 1 2 - 0 0.5 1.0 16 1 2 0.5 0 0 0 17 1 4 - 0 0 0 18 3 2 - 0 0 0 19 3 2 0.5 0 0 0
【0017】実施例2 実施例1のNo.13において、C8F17CH2CH2PO(OH)2に代え
て、次のような各種のフッ素化ホスホン酸を用いてアク
リルゴムシートを作製し、金属板との間の剥離力を測定
すると、それらの固着力はいずれの条件下でもすべて 0
kgfであった。 C8F17PO(OH)2 n-C3F7O[CF(CF3)CF2O]3C2H4PO(OH)2 n-C3F7O[CF(CF3)CF2O]mC2H4PO(OH)2 (m:20〜50) CF3(CFClCF2)3C2H4PO(OH)2 CF(CF3)2(CF2CF2)3C2H4PO(OH)2 C2F5[CF(CF3)(CF2)]3C2H4PO(OH)2 C8F17(CH2CH2)2PO(OH)2 C8F17CH(CH3)CH2PO(OH)2 C8F15O(p-C6H4)PO(OH)2 C8F17(p-C6H4)PO(OH)2 C8F17SO2NHC2H4PO(OH)2
【0018】実施例3 実施例1のNo.13において、C8F17CH2CH2PO(OC2H5)2に代
えて、次のような各種のフッ素化ホスホン酸ジエステル
を用いてアクリルゴムシートを作製し、金属板との間の
剥離力を測定すると、それらの固着力はいずれの条件下
でもすべて0kgfであった。 C8F17PO(OC2H5)2 n-C3F7O[CF(CF3)CF2O]3C2H4PO(OC2H5)2 n-C3F7O[CF(CF3)CF2O]mC2H4PO(OC2H5)2 (m:20〜50) CF3(CFClCF2)3C2H4PO(OC2H5)2 CF(CF3)2(CF2CF2)3C2H4PO(OC2H5)2 C2F5[CF(CF3)(CF2)]3C2H4PO(OC2H5)2 C8F17(CH2CH2)2PO(OC2H5)2 C8F17CH(CH3)CH2PO(OC2H5)2 C8F15O(p-C6H4)PO(OC2H5)2 C8F17(p-C6H4)PO(OC2H5)2 C8F17SO2NHC2H4PO(OC2H5)2 C8F17CH2CH2PO(OC6H4CH3)2 C8F17CH2CH2PO[O(CH2CH2O)8C8H17]2
【0019】実施例4 実施例1のNo.13において、下記配合処方B〜Fのアク
リル系エラストマー組成物を用いてアクリルゴムシート
を作製し、金属板との間の剥離力を測定すると、それら
の固着力はいずれの条件下でもすべて 0 kgfであった。 (配合処方B) エポキシ基含有アクリルエラストマー 100 重量部 (日本メクトロン製品ノックスタイトPA302) ステアリン酸 1 老化防止剤CD 2 HAFカーボンブラック 55 加硫剤AB 2 C8F17CH2CH2PO(OH)2 0.5 C8F17CH2CH2PO(OC2H5)2 2.5 HPO(OC2H5)2 0.5 (配合処方C) エチレン-アクリル酸エステル共重合エラストマー 100 重量部 (デュポン社製品Vamac HG) ステアリン酸 1 老化防止剤CD 2 HAFカーボンブラック 50 加硫促進剤D 4 加硫剤 1.25 (日本メクトロン製品ケミノックスAC-6) C8F17CH2CH2PO(OH)2 0.5 C8F17CH2CH2PO(OC2H5)2 2.5 HPO(OC2H5)2 0.5 (配合処方D) 反応性塩素含有アクリルエラストマー(PA402) 50 重量部 エチレン-アクリル酸エステル共重合エラストマー 50 (Vamac HG) ステアリン酸 1 老化防止剤CD 2 HAFカーボンブラック 50 加硫剤TCY 0.5 加硫促進剤BZ 1.5 C8F17CH2CH2PO(OH)2 0.5 C8F17CH2CH2PO(OC2H5)2 2.5 HPO(OC2H5)2 0.5 (配合処方E) 反応性塩素含有アクリルエラストマー(PA402) 50 重量部 中ニトリル含量NBR(日本合成ゴム製品N241) 50 ステアリン酸 1 老化防止剤CD 2 HAFカーボンブラック 40 加硫剤TCY 0.5 加硫促進剤BZ 1.5 C8F17CH2CH2PO(OH)2 0.5 C8F17CH2CH2PO(OC2H5)2 2.5 HPO(OC2H5)2 0.5 (配合処方F) 架橋性基非含有アクリルエラストマー 100 重量部 (エチルアクリレート40重量%、n-ブチルアクリレート30重量%および 2-メトキシエチルアクリレート30重量%の乳化重合体) ステアリン酸 1 老化防止剤CD 2 HAFカーボンブラック 60 共架橋剤PM 6 加硫剤F40 1.3 C8F17CH2CH2PO(OH)2 0.5 C8F17CH2CH2PO(OC2H5)2 2.5 HPO(OC2H5)2 0.5
【0020】注) 老化防止剤CD:大内新興化学製品ノ
クラックCD;4,4´-ビス(α,α-ジメチルベンジル)ジフ
ェニルアミン 加硫剤TCY:三協化成製品Zisnet F;トリチオール-s-ト
リアジン 加硫促進剤BZ:大内新興化学製品ノクセラーBZ;ジブチ
ルジチオカルバミン酸亜鉛 加硫剤AB:大内新興化学製品バルノックAB;安息香酸ア
ンモニウム 加硫促進剤D:大内新興化学製品ノクセラーD;1,3-ジフ
ェニルグアニジン 共架橋剤PM:大内新興化学製品バルノックPM;N,N´-m-
フェニレンビスマレイミド 加硫剤F40:日本油脂製品ペロキシモンF40;α,α´-ビ
ス(第3ブチルペルオキシ-m-イソプロピル)ベンゼン
【0021】比較例1 実施例4の配合処方Fにおいて、フッ素化ホスホン酸エ
ステルを配合しないものの固着力は、150℃/70時間の条
件下で12.0kgfであった。
【0022】実施例5 実施例1のNo.9〜19において、アクリルゴムシートで
はなく、内径9.8mm、太さ2.4mmのOリングを加硫成形
し、これをメタノール洗浄した後、実施例1と同様にし
て(ただし、圧縮率は40%)、金属板との間の剥離力を測
定した。
【0023】150℃/70時間および150℃/1000時間の条件
下では、すべて固着力は 0 kgfであった。また、200℃/
70時間の条件下では、No.9およびNo.15に対応するもの
は0.5kgfであったが、他はすべて 0 kgfであった。
【0024】実施例6 実施例2において、アクリルゴムシートではなく、実施
例5の如くOリングを加硫成形し、同様に金属板との間
の剥離力を測定すると、それらの固着力はいずれの条件
下でもすべて 0 kgfであった。
【0025】実施例7 実施例3において、アクリルゴムシートではなく、実施
例5の如くOリングを加硫成形し、同様に金属板との間
の剥離力を測定すると、それらの固着力はいずれの条件
下でもすべて 0 kgfであった。
【0026】実施例8 実施例4の各配合処方のアクリル系エラストマー組成物
から、アクリルゴムシートではなく、実施例5の如くO
リングを加硫成形し、同様に金属板との間の剥離力を測
定すると、それらの固着力はいずれの条件下でもすべて
0 kgfであった。
【0027】比較例2 実施例5において、ホスホン酸誘導体の代わりに、下記
の化合物5重量部を用いてOリングを作製し、金属板との
間の剥離力を測定すると、次の表2に示されるような結
果が得られた。 表2 固 着 力 (kgf) 化合物 150℃/70hrs 150℃/1000hrs 200℃/70hrs ジメチルシロキサン油(500cst) 5.0 10.0 11.5 (信越シリコンオイルKF96) アジピン酸エステル系可塑剤 7.0 15.0 18.0 (アデカサイザーRS700) リン酸エステル系可塑剤 4.0 8.0 9.0 (大八化学製品TBP) エチレンビスステアロアミド 2.0 5.0 14.0 (カオーワックスEB-P) なし 10.0 18.0 19.5

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル系エラストマー100重量部に、
    一般式RfRnPO(OH)2で表わされるフッ素化ホスホン酸お
    よび一般式RfRnPO(OR´)2で表わされるフッ素化ホスホ
    ン酸ジエステル[これらの各一般式において、Rfはポリ
    フルオロカーボン基またはパーフルオロポリエーテル基
    であり、Rは炭素数1〜6のアルキレン基、フェニレン
    基、オキシフェニレン基またはスルホンアミド基であっ
    て、nは0または1であり、そしてR´は水素原子、低級ア
    ルキル基、アリール基、アルキルアリール基またはポリ
    エーテル基である]をそれぞれ約0.1〜20重量部配合して
    なるアクリル系エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のアクリル系エラストマー
    組成物から加硫成形された加硫成形品。
  3. 【請求項3】 更に一般式HPO(OR´)2 [ここで、R´は
    水素原子、低級アルキル基、アリール基、アルキルアリ
    ール基またはポリエーテル基である]で表わされるホス
    ホン酸ジエステルがアクリル系エラストマー100重量部
    当り約0.1〜20重量部配合された請求項1記載のアクリ
    ル系エラストマー組成物。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のアクリル系エラストマー
    組成物から加硫成形された加硫成形品。
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