JPH08197272A - スポット溶接方法およびそのスポット溶接装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】各種金属製品のスポット溶接において、所要溶
接間隔に対するバラツキを解決し、自在の所要間隔で高
速に溶接を行う方法およびその装置を提供することを目
的とする。 【構成】溶接治具１に設置されたワーク７は駆動源２に
より連続回転させられ、回転検出部６の回転板５および
検出センサ４により回転角度を検出され、その検出した
瞬間のタイミングで溶接ヘッド３により溶接を行う溶接
方法とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は各種産業における金属製
品の溶接結合の中でも、比較的簡単に実施できるスポッ
ト溶接方法およびその装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、物づくりの現場においては、従来
の加工工程と組立工程は別個という思想から、源泉加工
から組立完成までの一貫生産という思想へ変化しつつあ
り、生産設備もその流れを受け変化しつつある。また、
生産方式としては、単純動作の設備を連ねて速くつくる
生産方式と、複合動作の設備でゆっくりつくる生産方式
に大きく分けられる。前者の場合、いかに高速に作業で
きるかということが問題となってくる。

【０００３】以下に従来のスポット溶接方法およびその
装置について説明する。図３は従来のスポット溶接方法
で円すい体の外周をレーザ溶接で溶接する場合の溶接装
置を示すものである。

【０００４】図３において、構成要素として１は溶接し
ようとする金属製の円すい体（以下、ワークと呼ぶ）７
を設置する溶接治具、２はこの溶接治具１およびワーク
７を回転させるための駆動源、３は溶接ヘッドである。

【０００５】以上の各構成要素よりなる溶接装置につい
て、以下その動作を説明する。溶接治具１に設置された
円すい体のワーク７は駆動源２により回転され、あるタ
イミングをもって溶接ヘッド３より発せられるレーザ光
によりスポット溶接が行われる。

【０００６】このタイミングをとる方法は２通りあり、
まず第１の方法は、ワーク７を所定角度回転させるたび
に信号を出し、一点ずつスポット溶接していく方法であ
る。第２の方法は、溶接（時間）間隔と溶接点数をあら
かじめ設定しておき、ワーク７を連続回転させながらス
ポット溶接していく方法である。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来のスポット溶接方法では以下の問題を有していた。す
なわち第１の方法では、ワーク７を所定角度回転させる
たびに信号を出し一点ずつ溶接していくため、時間がか
かり高速でのスポット溶接に対応できない。また、所定
角度回転させるために、駆動源に正確な割出精度が要求
される。

【０００８】次に第２の方法では、溶接側と回転側が個
別の設定で溶接するため同期がとれず、溶接点にバラツ
キが生じる。また、この場合は駆動源に正確な回転速度
が要求される。

【０００９】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、スポット溶接において、所要溶接間隔に対するバラ
ツキを解消し、かつ、高速に溶接ができる溶接方法およ
びその装置を提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のスポット溶接方法は、連続回転している円筒
体または円すい体のワークの円周面に対して回転位置を
検出し、その検出したタイミングでスポット溶接をする
方法とする。

【００１１】また円筒体または円すい体のワークの円周
面を回転させる回転機構部と、その回転角度の検出を行
う回転検出部、および検出したタイミングで作動する溶
接ヘッドよりなるスポット溶接装置の構成とする。

【００１２】

【作用】上記において、回転機構部により連続して回転
を与えられた円筒体または円すい体のワークに対して回
転検出部で回転角度を検出し、その検出した瞬間のタイ
ミングでスポット溶接を行うことにより、所定間隔で高
速にスポット溶接することができることとなる。

【００１３】

【実施例】以下本発明の一実施例について、図面を参照
しながら説明する。図１は本発明の一実施例の溶接装置
の構成を示す。この装置はワークである円すい体の外周
をレーザ溶接でスポット溶接する場合の例である。図１
において、１は円すい体のワーク７を設置する溶接治
具、２はこの溶接治具１およびワーク７を回転させる回
転機構部６のうちの駆動源である。８は駆動源２で回転
させられて回転角度検出を行う回転検出部であり、その
うちの５は所要溶接点が設定された回転板、４は回転板
５の周縁に両面より対向するように設けられた検出セン
サである。３はワーク７に対応した溶接ヘッドである。
また、回転検出部８のうち回転板５は図２のように外周
に所要溶接接点に合わせて溝９を形成してあり、この溝
９の設定は自在としている。

【００１４】以上のよう構成されたスポット溶接装置に
ついて、その動作を説明する。溶接治具１に設置された
ワーク７は駆動源２により連続回転させられ、また回転
板５も連続回転させられる。この回転板５の回転によ
り、溝９の位置において信号を発生する検出センサ４に
より回転角度を検出し、その検出した瞬間のタイミング
で溶接ヘッド３はレーザ光を発し、このレーザ光により
スポット溶接が行われる。

【００１５】以上のように本実施例によれば、円周面を
もつワーク７を連続回転させる回転機構部６とそのワー
ク７の円周面の回転角度検出を行う回転検出部８および
溶接ヘッド３を設け、回転検出部６の検出した瞬間のタ
イミングでスポット溶接することにより、一点ずつ回転
を止めなくてよいので高速に、かつ駆動源２に正確な回
転割出精度も正確な回転速度も要求することなく、所要
間隔でのスポット溶接が可能となる。

【００１６】なお、実施例においてワーク７および溶接
治具１を円すい形状の外周部としているが、円筒体の外
周部あるいは平板の円周部としてもよい。また、レーザ
溶接にこだわる必要もない。

【００１７】

【発明の効果】以上の実施例の説明より明らかなよう
に、本発明は円周面をもつワークを回転させる回転機構
部と、そのワークの回転角度の検出を行う回転検出部お
よび溶接ヘッドを設け、回転検出部の検出したタイミン
グでスポット溶接することにより、正確な回転割出精度
も正確な回転速度も要求することなく自在の所要間隔で
の高速のスポット溶接を行うことができる優れたスポッ
ト溶接方法およびその装置を実現できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の溶接装置の構成図

【図２】同溶接装置における回転板の平面図

【図３】従来の溶接装置の構成図

【符号の説明】

１ 溶接治具 ２ 駆動源 ３ 溶接ヘッド ４ 回転板 ５ 検出センサ ６ 回転機構部 ７ ワーク ８ 回転検出部 ９ 溝

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 連続回転しているワークの円周面に対し
   て回転検出部で回転位置を検出し、その検出したタイミ
   ングでスポット溶接を行うスポット溶接方法。
2. 【請求項２】 円周面をもつワークを回転させる回転機
   構部と、そのワークの円周面の回転角度の検出を行う回
   転検出部と、検出したタイミングで作動する溶接ヘッド
   を備えたスポット溶接装置。