JPH081969A - 熱転写形シリアルプリンタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱転写形シリアルプリンタのカラー印刷にお
ける印刷速度の向上と印刷コストの削減を図る。 【構成】 熱転写形シリアルプリンタ１のプラテンロー
ラ７に対向して４台のプリンタユニット１０Ｂ，１０
Ｃ，１０Ｙ，１０Ｍを４列に設ける。４台のプリンタユ
ニットに黒、シアン、イエロー、マゼンタのインクリボ
ンカセットを装着し、之等４色を夫々個別のサーマルヘ
ッドにて印刷する。印刷データメモリには前記４色に対
応する格納領域を設け、夫々の色に対応するサーマルヘ
ッドへ個別にデータを転送する。各サーマルヘッドの紙
送り方向への位置偏差に対応してデータ転送タイミング
が制御され、４台のプリンタユニット１０Ｂ，１０Ｃ，
１０Ｙ，１０Ｍを同期駆動してカラー印刷を実行する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は熱転写形シリアルプリ
ンタに関するものであり、特にカラー印刷機能を備えた
熱転写形シリアルプリンタに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来，カラー印刷機能を備えた熱転写形
シリアルプリンタとしては、文字等の色を指定する制御
データを文字や図形等のデータに付加しておき、印刷時
に制御データによって表示されるインクリボンカセット
交換メッセージに従って指定された色のインクリボンカ
セットを装填してカラー印刷を行うもの等がある。

【０００３】また、一本のリボンに、シアン、イエロ
ー、マゼンタ、黒の４色のインクを一定長毎に交互に塗
布したインクリボンを収納したインクリボンカセットを
使用するように構成された熱転写形シリアルプリンタも
知られている。此種の熱転写形シリアルプリンタは、色
指定データに従って１行を１回または複数回印刷し、複
数種の単色或いは２色乃至３色の混合によって多色の印
刷結果が得られる。インクリボンには各色の開始位置に
インデックスが印されており、例えば、黒色印刷データ
が連続してそのデータを印刷中にインクリボンの黒領域
が一端終了した場合は、続くシアン、イエロー、マゼン
タの部分を巻取り、次の黒領域の開始位置から再度印刷
を開始する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の熱転写形シリア
ルプリンタによってカラー印刷を行う場合、単色のイン
クリボンカセットをカセット交換メッセージに従ってそ
の都度交換するものは交換作業が煩わしく、また、交換
の際に印刷が中断されるため印刷に長時間がかかり、作
業能率が低いという欠点がある。また、４色のインク層
を設けたインクリボンカセットを使用する形式の熱転写
形シリアルプリンタにおいては、４色のインク層を均等
に使用する場合が殆どないため、未使用のまま巻取られ
る部分が多い。従って、インクリボンの使用効率が低
く、印刷コストが極めて高くなり不経済である。

【０００５】そこで、熱転写形シリアルプリンタによる
カラー印刷速度を向上し、且つ、印刷コストを可及的に
低減するために解決すべき技術的課題が生じてくるので
あり、本発明は上記課題を解決することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を
達成するために提案するものであり、サーマルヘッドと
インクリボンカセットのホルダ部とを有するヘッドキャ
リッジと、前記ヘッドキャリッジを走行自在に支持する
ガイド軸と、ヘッドキャリッジ駆動機構とから構成され
たプリンタユニットをプラテンと平行に配設し、前記サ
ーマルヘッドをプラテンに対向させて配置した熱転写形
シリアルプリンタに於て、４台の前記プリンタユニット
をプラテンに対向させて４列に配設するとともに、各サ
ーマルヘッドへ個別の印刷データを転送する手段と、前
記４列のプリンタユニットを同期駆動する手段とを設け
たことを特徴とする熱転写形シリアルプリンタを提供す
るものである。

【０００７】

【作用】プラテンに対向して４列に配置されたプリンタ
ユニットは同期駆動され、夫々例えば黒、シアン、イエ
ロー、マゼンタ等の４色の中の１色の印刷を個別に担当
する。印刷制御部は各プリンタユニットのサーマルヘッ
ドへ該当する色のドットデータを転送する。

【０００８】印刷制御部は、各プリンタユニットの紙送
り方向の位置偏差に基づいて用紙に対する各サーマルヘ
ッドの相対位置が一致するように駆動タイミングを制御
する。各プリンタユニットへ指定された色のインクリボ
ンカセットを装着して印刷することにより、印刷データ
に従って単色印刷または多色印刷或は複数種のインクリ
ボンの重ね打ちによるカラー印刷が実行される。

【０００９】

【実施例】以下、この発明一実施例を図に従って詳述す
る。図１は熱転写形シリアルプリンタ１を示し、下部の
用紙収容室２にロール紙３が装填されている。ロール紙
３の中空コア（図示せず）の両端には軸受アダプタ４，
４が装着され、軸受アダプタ４，４のボス４ａを用紙収
容室２の軸受部５に係合させてロール紙３が回転自在に
支持される。

【００１０】ロール紙３をセットする際は、ロール紙３
の先端部を引出し、用紙収容室２の後方上部の用紙ガイ
ド６を経由し、上部のプラテンローラ７とピンチローラ
８との間を通過させて用紙排出口９へ引出す。印刷時に
は、ピンチローラ８とプラテンローラ７とによって挟圧
された用紙が、プラテン駆動モータ（図示せず）によっ
て駆動されるプラテンローラ７の回転に伴って用紙排出
口９へ送出される。

【００１１】プラテンローラ７の上方には、４台のプリ
ンタユニット１０がプラテンローラ７の軸心と平行に４
列（１０Ｂ，１０Ｃ，１０Ｙ，１０Ｍ）に配置されてい
る。プリンタユニット１０は、図２に示すようにフレー
ム１１の長手方向にガイド軸１２が架設され、ヘッドキ
ャリッジ１３の前部軸受１３ａ，１３ａにガイド軸１２
が遊挿されている。ヘッドキャリッジ１３の後部はガイ
ド軸１２と平行に配設したガイドレール１４に係合し、
ガイド軸１２とガイドレール１４とに沿ってヘッドキャ
リッジ１３が平行移動することができる。

【００１２】同図において、フレーム１１の右端部位に
設けたプーリ１５と左端部位に設けたテンションプーリ
１６とにはタイミングベルト１７が巻装され、タイミン
グベルト１７の一点がヘッドキャリッジ１３に止着され
ている。プーリ１５の軸には駆動ギヤ１８が嵌着され、
ステップ形ヘッド送りモータ１９のピニオンギヤ２０に
駆動ギヤ１８が噛合しており、ヘッド送りモータ１９の
回転によりヘッドキャリッジ１３を右または左へ走行さ
せる。

【００１３】ヘッドキャリッジ１３の上面にはインクリ
ボンカセット（図示せず）が装着されるカセットホルダ
部１３ｂが形成されており、前部にはサーマルヘッドホ
ルダ２１が装着されている。サーマルヘッドホルダ２１
の前面には放熱板２２を介してサーマルヘッド２３が固
着されている。サーマルヘッドホルダ２１は前後動自在
に支持され、ばね（図示せず）の付勢によってプラテン
ローラ７から離間している。

【００１４】ヘッドキャリッジ１３の下方にはガイド軸
１２と平行にリフトレバー２４が配設され、リフトレバ
ー２４の両端部はガイド軸１２に枢着されている。リフ
トレバー２４はモータ或いはプランジャによって構成し
たリフトレバー昇降機構（図示せず）によって昇降駆動
され、リフトレバー２４が上昇することによりサーマル
ヘッドホルダ２１が前方へ傾動してサーマルヘッド２３
がプラテンローラ７に圧接すると同時に、カセットホル
ダ部１３ｂの巻取りリール軸２５の下部に設けたローラ
またはギヤが、リフトレバー２４の表面またはリフトレ
バー２４の縁部に設けたラックギヤ等に係合する。そし
て、ヘッドキャリッジ１３の走行に連動して巻取りリー
ル軸２５が駆動され、カセットホルダ部１３ｂに装着さ
れたインクリボンカセットのインクリボンを巻取るよう
に構成されていることは従来のプリンタユニットと同一
である。

【００１５】図３は、熱転写形シリアルプリンタ１の回
路ブロック図である。キーボード装置２６等から入出力
制御装置２７を介してＣＰＵ２８へ入力された文字デー
タや図形データはデータ中の色指定データに基づいてＲ
ＡＭ２９の黒メモリ２９Ｂ、シアンメモリ２９Ｃ、イエ
ローメモリ２９Ｙ、マゼンタメモリ２９Ｍの何れかに格
納される。そして、上記４種のメモリ２９Ｂ，２９Ｃ，
２９Ｙ，２９Ｍと４台のプリンタユニット１０Ｂ，１０
Ｃ，１０Ｙ，１０Ｍのサーマルヘッド２３Ｂ，２３Ｃ，
２３Ｙ，２３Ｍとが個別に対応するようにソフトウエア
によって制御され、第１のサーマルヘッド２３Ｂへ黒色
印刷データを転送し、シアン印刷データは第２のサーマ
ルヘッド２３Ｃへ、また、イエロー印刷データは第３の
サーマルヘッド２３Ｙへ、そして、マゼンタ印刷データ
は第４のサーマルヘッド２３Ｍへ夫々転送する。

【００１６】各プリンタユニット１０Ｂ，１０Ｃ，１０
Ｙ，１０Ｍのヘッド送りモータ１９Ｂ，１９Ｃ，１９
Ｙ，１９Ｍ、ヘッド昇降モータ３０Ｂ，３０Ｃ，３０
Ｙ，３０Ｍ及びプラテン駆動モータ３１は夫々駆動回路
３２，３３，３４，３５，３６，３７，３８，３９，４
０に接続され、サーマルヘッド２３Ｂ，２３Ｃ，２３
Ｙ，２３Ｍのヒート信号入力端子ｈ，ｈ，ｈ，ｈはヒー
ト信号出力回路４１に接続されている。

【００１７】ＣＰＵ２８は、図１に示した各プリンタユ
ニット１０Ｂ，１０Ｃ，１０Ｙ，１０Ｍの用紙送り方向
の距離差に基づいてプラテンローラ駆動モータ３１の駆
動制御と印刷データの出力タイミング制御を行い、用紙
送り方向の印刷位置ずれが発生しないようにする。即
ち、第１のプリンタユニット１０Ｂがｎ行目を印刷する
際に、第２のプリンタユニット１０Ｃが例えばｎ＋α行
目に位置しており、第３と第４のプリンタユニット１０
Ｙ，１０Ｍが夫々ｎ＋２α行、ｎ＋３α行に位置してい
るとすると、各サーマルヘッド２３Ｂ，２３Ｃ，２３
Ｙ，２３Ｍに夫々ｎ行目、ｎ＋α行目、ｎ＋２α行目、
ｎ＋３α行目の印刷データが同時に転送され、４台のプ
リンタユニット１０Ｂ，１０Ｃ，１０Ｙ，１０Ｍが同期
駆動される。よって、各プリンタユニット１０Ｂ，１０
Ｃ，１０Ｙ，１０Ｍに指定された色のインクリボンカセ
ットを装着しておくことにより、印刷データに応じて単
色或いは多重印刷が行われ、例えばシアンとイエローと
の多重印刷によってグリーン、イエローとマゼンタとに
よってレッド、マゼンタとシアンとによってブルーの印
刷結果が得られる。

【００１８】そして、各プリンタユニット１０Ｂ，１０
Ｃ，１０Ｙ，１０Ｍの印刷データにスペース部分が或程
度連続する場合は、ヘッド昇降モータ３０Ｂ，３０Ｃ，
３０Ｙ，３０Ｍを夫々個別に駆動してサーマルヘッド２
３Ｂ，２３Ｃ，２３Ｙ，２３Ｍをプラテンローラ７から
離反させるように制御する。これにより、巻取りリール
軸２５の駆動が中断されて印刷が空白の部分におけるイ
ンクリボンの浪費が防止される。

【００１９】また、多色印刷を行わない場合は、各サー
マルヘッド２３Ｂ，２３Ｃ，２３Ｙ，２３Ｍの位置偏差
に応じてページ印刷データを分配するように制御するよ
うに構成し、各プリンタユニット１０Ｂ，１０Ｃ，１０
Ｙ，１０Ｍに同色のインクリボンカセットを装着して印
刷することにより、４台のプリンタユニット１０Ｂ，１
０Ｃ，１０Ｙ，１０Ｍが夫々の担当領域を同期して印刷
し、極めて高速にページ印刷が実行される。

【００２０】尚、本発明は上記一実施例に限定されるべ
きものではなく、種々の改変が可能であり、図示は省略
するが４台のプリンタユニットのヘッド送り機構をタイ
ミングベルト等によって連結し、１台のヘッド送りモー
タにて４台のヘッドキャリッジを連動させてもよい。ま
た、ロール紙に代えてカットシート紙を使用する熱転写
形シリアルプリンタにも応用することができる。また、
ローラ状のプラテンに代えて平板状のプラテンに４台の
プリンタユニットを対向させてもよく、この発明がそれ
らの改変されたものに及ぶことは当然である。

【００２１】

【発明の効果】この発明は、上記一実施例において詳述
したように、熱転写形シリアルプリンタに４台のプリン
タユニットを設けて４台のプリンタユニットを同期運転
するように構成したので、４台のプリンタユニットに夫
々異なる色のインクリボンカセットを装着して印刷する
ことにより、カラー印刷の際にインクリボンカセットの
交換が不要となって印刷時間が著しく高速化される。ま
た、従来のインクリボンに複数色のインクを分割して塗
布した多色インクリボンカセットを使用するものとは異
なり、インクリボンの無駄が生ずることがなく印刷コス
トが削減されて、印刷処理能力の向上とともに経費並び
に資源の節約に効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示し、熱転写形シリアルプ
リンタの側面断面図。

【図２】プリンタユニットの正面図。

【図３】本発明の熱転写形シリアルプリンタの回路ブロ
ック図。

【符号の説明】

１ 熱転写形シリアルプリンタ ７ プラテンローラ １０Ｂ，１０Ｃ，１０Ｙ，１０Ｍ プリンタユニット １２ ガイド軸 １３ ヘッドキャリッジ １３ｂ カセットホルダ部 ２３Ｂ，２３Ｃ，２３Ｙ，２３Ｍ サーマルヘッド ２４ リフトレバー ２８ ＣＰＵ ２９ ＲＡＭ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 サーマルヘッドとインクリボンカセット
   のホルダ部とを有するヘッドキャリッジと、前記ヘッド
   キャリッジを走行自在に支持するガイド軸と、ヘッドキ
   ャリッジ駆動機構とから構成されたプリンタユニットを
   プラテンと平行に配設し、前記サーマルヘッドをプラテ
   ンに対向させて配置した熱転写形シリアルプリンタに於
   て、４台の前記プリンタユニット（１０Ｂ，１０Ｃ，１
   ０Ｙ，１０Ｍ）をプラテン（７）に対向させて４列に配
   設するとともに、各サーマルヘッド（２３Ｂ，２３Ｃ，
   ２３Ｙ，２３Ｍ）へ個別の印刷データを転送する手段
   と、前記４列のプリンタユニットを同期駆動する手段と
   を設けたことを特徴とする熱転写形シリアルプリンタ。