JPH08196887A - 攪拌装置、微小液滴の形成方法及びその装置 - Google Patents

攪拌装置、微小液滴の形成方法及びその装置

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JPH08196887A
JPH08196887A JP7007974A JP797495A JPH08196887A JP H08196887 A JPH08196887 A JP H08196887A JP 7007974 A JP7007974 A JP 7007974A JP 797495 A JP797495 A JP 797495A JP H08196887 A JPH08196887 A JP H08196887A
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敬 原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 バッチ式と連続式の利点を生かし、粒度分布
がシャープな微小液滴を容易に大量に製造できる微小液
滴の形成方法及びその装置、並びに攪拌装置を提供しよ
うとするものである。 【構成】 縦型円筒容器内に、垂直回転軸に設けた複数
段の攪拌羽根と、前記回転軸の周囲に処理液の流路を残
し、前記羽根の間に水平に設けた仕切り板と、前記円筒
容器内壁から突出する垂直邪魔板とを備えた攪拌装置に
おいて、前記攪拌羽根が、円板の縁部近傍の上下に溶液
に剪断力を付与するための剪断歯を有することを特徴と
する攪拌装置、及び、2種以上の液体を連続的に乳化す
る連続乳化機に、前記攪拌装置を接続した微小液滴の形
成装置、並びに、形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、実質的に溶解しない2
種以上の液体、例えば、水、アルコールのような水性液
体と、それには溶解しない油性液体を攪拌して乳化分散
し、微小液滴を形成する方法及びその装置、並びに、そ
の使用に適した攪拌装置に関する。
【0002】
【従来の技術】実質的に溶解しない2種以上の液体原料
を攪拌し、乳化分散して微小液滴を形成する装置として
は、IKA社製のホモジナイザー、特殊機化工業社製の
TKホモミクサー、並びに、荏原製作所製のエバラマイ
ルダー、三井三池化工機製のスラッシャーなどの乳化
機、分散機などが使用されている。前の2社の装置は、
バッチ式であり、粒度分布をシャープにしやすいが、少
量生産であり、スケールアップが難しく、装置が大きく
なると高価で高出力になり、ロット間の差が出やすいな
どの欠点がある。他方、後の2社の装置は、連続式であ
り、大量処理が可能で、スケールアップが容易であり、
かつ、低価格、低動力であるが、粒度分布をシャープに
することが難しいなどの欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の欠点
を解消し、バッチ式と連続式の利点を生かし、粒度分布
がシャープな微小液滴を容易に大量に製造できる微小液
滴の形成方法及びその装置、並びに、その使用に適した
攪拌装置を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の構成を
採用することにより、上記の課題を解決することに成功
した。 (1) 縦型円筒容器内に、垂直回転軸に設けた複数段の攪
拌羽根と、前記回転軸の周囲に処理液の流路を残し、前
記羽根の間に水平に設けた仕切り板と、前記円筒容器内
壁から突出する垂直邪魔板とを備えた攪拌装置におい
て、前記攪拌羽根が、円板の縁部近傍の上下に溶液に剪
断力を付与するための剪断歯を有することを特徴とする
攪拌装置。 (2) 2種以上の液体を連続的に乳化する連続乳化機に、
上記(1) 記載の攪拌装置を接続したことを特徴とする微
小液滴の形成装置。
【0005】(3) 2種以上の液体を連続乳化機で混合し
て乳化分散させ、その分散液を上記(1) 記載の攪拌装置
の下部注入口から導入し、上部排出口から微小液滴を含
有処理液を回収することを特徴とする微小液滴の形成方
法。 (4) 前記連続乳化機と前記攪拌装置とを接続する導管、
又は、前記攪拌装置の中段から、処理液の一部を取り出
し、前記連続乳化機に循環することを特徴とする上記
(3) 記載の微小液滴の形成方法。 (5) 所望の微小液滴が形成された前記攪拌装置の中段か
ら、微小液滴を含有処理液を回収することを特徴とする
上記(3) 又は(4) 記載の微小液滴の形成方法。
【0006】
【作用】本発明者等は、シャープな粒度分布を有する微
小液滴の形成に適した攪拌装置を種々検討する中で、円
板の縁部近傍の上下に溶液に剪断力を付与するための剪
断歯を備えた攪拌羽根が有効であることを見出し、円筒
容器の内壁から突出した邪魔板と、各羽根の間に設けた
仕切り板との組み合わせにより、上記課題を解決できる
攪拌装置を完成することができた。また、この攪拌装置
を連続乳化機と組み合わせ、必要に応じて処理液を循環
させたり、最適な処理段階で攪拌装置から処理液を回収
する微小液滴の形成方法、及び、その装置を完成するこ
とができた。
【0007】図1は、本発明に係る攪拌装置の1具体例
の説明図である。縦型円筒容器1の中央には、剪断歯を
有する攪拌羽根3を4段に固定した回転軸5を配置し、
各羽根の間には仕切り板6を設けて混合室7を形成し、
かつ、仕切り板と前記回転軸との間に隙間9を設けて液
体の流路となし、混合室内壁には邪魔板11を設けると
ともに、最下段の混合室7には被処理液の注入口8を設
け、各混合室には、処理液を回収するための排出口1
0、及び、循環用の出口12を設けた。
【0008】本発明で使用する攪拌羽根は、図2のよう
に、円板の縁部近傍の上下に剪断歯を有しており、円板
の回転により円板の近傍の処理液に遠心力と回転力が付
与され、剪断歯の間を通過する処理液に剪断力を加える
構造になっている。図3のように、複数の羽根を有する
攪拌羽根は、羽根の間を通過する処理液と羽根の先端を
迂回する処理液があるため、滞留時間に差が生じ、粒度
分布をシャープにすることができない。図2の円板はこ
のショートパスを防止する。
【0009】邪魔板は、混合室内での攪拌による液の流
れを乱し、目標粒径より小さな微細な液滴を邪魔板に衝
突させることにより合一させて目標粒径に近づける働き
をする。仕切り板は、攪拌羽根と攪拌羽根の間に設けて
混合室を区画するもので、攪拌羽根の回転軸との間に隙
間を設けて液体流路とする。隙間の大きさは、円筒容器
の底部に設けた液入口の断面積と同じかそれ以上である
必要があるが、なるべく小さい方が良い。
【0010】本発明において、上記の攪拌装置に組み合
わせて使用する連続乳化機は、それ自体は公知のもので
あり、インライン式で強力な剪断力を付与できる装置で
ある。図11はその1例である。剪断部は回転子と固定
子からなり、その隙間を液体が通過するときに剪断力を
付与するか、回転子を回転することにより剪断力を与え
る構造になっている。好ましくは、剪断部は櫛歯状の歯
を有するか、凹凸状に対向する面を有する回転子と固定
子で構成することができる。また、回転子のみからな
り、回転子を回転させることにより剪断力を与える構造
になっていてもよい。具体的には、荏原製作所製のエバ
ラマイルダー、三井三池化工機製のスラッシャー、特殊
機化工業製のTKパイプラインホモミクサー、日鉄鉱業
製のキャビトロン、神鋼パンテック・ゴーリン製のコロ
イドミル、太平洋機工製のファインフローミル等を使用
することができる。
【0011】図11のような従来の連続乳化機は、固定
されたステータと回転するロータとの間で剪断力を加え
る装置であるため、ロータとステータの歯が揃ったとき
に通過する液体と、歯がずれた状態のときに通過する液
体では剪断力に差が生ずる。また、ロータの剪断歯を内
側から外側に二重三重に設けるときにも剪断力に差が生
ずる。このように、液体に不均一な剪断力がかかると粒
度分布がブロードになりやすい。
【0012】そこで、本発明では、上記の連続乳化機の
強力な剪断力で目標の粒径より小さな微小液滴を形成し
た後、本発明の特徴を備えた攪拌装置による弱い剪断力
で上記の微小液滴を凝集させて目標粒径よりも大きくな
らないように剪断して目標粒径に近づける2段階剪断力
付与方法であり、粒度分布のシャープな微小液滴の形成
を可能にするものである。
【0013】また、本発明では、バッチ式乳化機のよう
に、ある程度のホールドアップ量があるため、剪断力を
加える作用と、剪断された目標粒径より小さな微小液滴
を合一させる作用とを繰り返すことができ、徐々に粒径
を均一にすることができる。本発明の攪拌羽根の円板部
分は、液体のショートパスを防止して滞留時間の差を少
なくするが、上記の液滴を分散と合一を繰り返す作用を
効果的になし、粒度分布をシャープにするために極めて
有効である。本発明の攪拌装置の混合室は2段以上を必
要とするが、多段にするほど効果的である。
【0014】以下、図4〜7により、連続乳化機と攪拌
装置を組み合わせた微小液滴形成装置を説明する。図4
の装置では、連続乳化機を1パスで通過させた乳化分散
液を本発明の攪拌装置に送り、頂部から回収する。図5
の装置では、連続乳化機と攪拌装置とを結ぶ導管に枝管
を設け、乳化分散液の一部を循環ポンプで連続乳化機に
戻す循環ラインを設けたもので、連続乳化機を1パスで
通過させる図4の装置に比べて、粒度分布をよりシャー
プにすることができる。
【0015】乳化分散液の循環を一層すすめるために図
6の装置では、攪拌装置の最上段を除く任意の混合室か
ら乳化分散液の一部を取り出し、図5の装置と同様に循
環ラインで連続乳化機に戻す構成になっている。この装
置では、循環ラインに組み込まれた連続乳化機と攪拌装
置の混合室の間で乳化分散が繰り返され、前記混合室よ
り上の段の混合室では弱い剪断力で微小液滴を合一させ
て粒度分布を揃える作用を有している。
【0016】図7の装置は、図6の装置の別の使用法を
示す。乳化分散液を循環ラインの中で繰り返し強い剪断
力を付与して所定の時間が経過した後、連続乳化機を停
止し、攪拌装置だけの弱い剪断力を付与し、循環ライン
から乳化分散液を回収する構成になっており、バッチ式
で目標にする粒径の微小液滴を得ることができる。スケ
ールアップをするときには、図6の装置に準じて循環ラ
インの最適滞留時間になるように2種の液体の供給量を
設定し、かつ、その上の混合室の段数を決定すればその
ままの条件で連続方式となり、簡単にスケールアップを
行うことができる。即ち、テストはバッチ方式で行い、
運転条件が決まればその条件のまま連続方式として簡単
にスケールアップを行うことができる。
【0017】
【実施例】
〔実施例1〕図1及び4の装置を使用して微小液滴の形
成実験を行った。連続乳化機は、エバラ製作所製のエバ
ラマイルダーを使用し、攪拌装置は、縦型容器の直径1
30mmで1室の高さが80mmであり、攪拌羽根は円
板部の直径80mmで縁部に高さ10mm、幅15mm
の剪断歯を上下に交互に折り曲げたもので、直径14m
mの回転軸に等間隔で6個固定し、仕切り板は中央に3
0mmの開口を有するもので5枚等間隔で前記容器内に
設けて混合室を形成した。室内壁には幅15mmの邪魔
板を3枚、等間隔で垂直に固定した。
【0018】連続相Aは、イオン交換水95.9wt%
にヒドロキシプロピルメチルセルロース4.0wt%及
びジエチレントリアミン0.1wt%を溶解して10℃
まで冷却した溶液である。また、連続相Bは、イオン交
換水95.0wt%にジエチレントリアミン5.0wt
%を溶解して70℃まで加熱した溶液である。
【0019】分散相は、酢酸エチル25.0wt%及び
脂肪族飽和炭化水素(エクソン化学製、アイソパーH)
15.0wt%の混合液に、ラウリルメタクリレート・
スチレン共重合体(Mw=90000)20.0wt%
を溶解し、磁性粉(戸田工業製、EPT1000T2)
25.0wt%を加えてボールミルで24時間分散させ
た。この分散液にイソシアネート(武田薬品工業製、D
−110N)15.0wt%を加えて十分に混合した液
体を上記分散相とした。
【0020】図4にしたがって、上記の連続乳化機を1
2000rpmで回転しながら、連続相Aを400g/
分、分散相を250g/分で連続的に供給し、次いで、
1000rpmで回転する上記攪拌装置に供給してO/
W型の懸濁液を得た。次に、連続相Bを収容したグラス
ライニングの反応釜を70℃に保ちながら、上記の懸濁
液を連続的に供給し、200rpmで3時間攪拌し、反
応と脱溶剤を行った。得られた微粒子は、累積重量分率
50%の粒子径(D50V)=14.9μmで、幾何学
的標準偏差(D50V/D84V)GSD=1.37で
あり、シャープな粒度分布であることが分かる。
【0021】〔実施例2〕実施例1の連続相A,B、分
散相及び攪拌装置を用い、図5にしたがって、微粒子を
形成した。上記の連続乳化機を12000rpmで回転
しながら、連続相Aを400g/分、分散相を250g
/分で連続的に供給し、循環ポンプで平均循環時間0.
75分で懸濁液を連続乳化機を含む循環ライン内を循環
させ、循環中の懸濁液の1部を、1000rpmで回転
する上記攪拌装置に供給してO/W型の懸濁液を得た。
攪拌装置の平均滞留時間は10分であった。
【0022】次に、連続相Bを収容したグラスライニン
グの反応釜を70℃に保ちながら、上記の懸濁液を連続
的に供給し、200rpmで3時間攪拌し、反応と脱溶
剤を行った。得られた微粒子は、D50V=14.8μ
mで、GSD=1.31であり、シャープな粒度分布で
あることが分かる。
【0023】〔実施例3〕図1及び図7の装置を使用し
て微小液滴の形成実験を行った。連続乳化機は、エバラ
製作所のエバラマイルダーを使用し、攪拌装置は、縦型
容器の直径300mmで1室の高さが150mmであ
り、攪拌羽根は円板部の直径200mmで縁部に高さ2
0mm、幅30mmの剪断歯を上下に交互に折り曲げた
もので、直径30mmの回転軸に等間隔で2個固定し、
仕切り板は中央に65mmの開口を有するもので1枚等
間隔で前記容器内に設けて混合室を形成した。室内壁に
は幅25mmの邪魔板を3枚、等間隔で垂直に固定し
た。連続相Aは、実施例1と同じものを使用し、連続相
Bは、加熱調整温度を90℃に変更した以外は実施例1
と同じものを使用した。
【0024】分散相は、メチルイソプロピルケトン2
5.0wt%及び脂肪族飽和炭化水素(エクソン化学
製、アイソパーH)15.0wt%の混合液に、ラウリ
ルメタクリレート・スチレン共重合体(Mw=9000
0)20.0wt%を溶解し、磁性粉(戸田工業製、E
PT1000T2)25.0wt%を加えてボールミル
で24時間分散させた。この分散液にイソシアネート
(武田薬品工業製、D−110N)15.0wt%を加
えて十分に混合した液体を上記分散相とした。
【0025】図7にしたがって、連続相Aを予め供給し
ておき、上記の連続乳化機を8000rpmで回転しな
がら、分散相を4kg供給し、循環ポンプで連続乳化機
と、1200rpmで回転する上記攪拌装置の最下混合
室の間を2分間循環させた。次に、連続乳化機だけを停
止し、攪拌装置は運転して2分間循環を続けてからO/
W型の懸濁液を回収した。そして、連続相Bを収容した
グラスライニングの反応釜を90℃に保ちながら、上記
の懸濁液を連続的に供給し、200rpmで1時間攪拌
し、反応と脱溶剤を行った。得られた微粒子は、D50
V=15.0μmで、GSD=1.27であり、シャー
プな粒度分布であることが分かる。
【0026】〔実施例4〕実施例3の連続相A,B、分
散相及び攪拌装置を用い、図6にしたがって、微粒子を
形成した。上記の連続乳化機を8000rpmで回転し
ながら、連続相Aを3kg/分、分散相を2kg/分で
連続的に供給し、連続乳化機と、1200rpmで回転
する上記攪拌装置の最下混合室との間を循環ポンプで平
均循環時間2分で懸濁液を循環させた。循環中の懸濁液
は、連続乳化機に供給される連続相Aと分散相の量だ
け、攪拌装置の2段目の混合室に供給され、頂部からO
/W型の懸濁液を得た。攪拌装置の2段目の混合室にお
ける平均滞留時間は2分であった。
【0027】次に、連続相Bを収容したグラスライニン
グの反応釜を90℃に保ちながら、上記の懸濁液を連続
的に供給し、200rpmで1時間攪拌し、反応と脱溶
剤を行った。得られた微粒子は、D50V=15.2μ
mで、GSD=1.33であり、シャープな粒度分布で
あることが分かる。
【0028】〔比較例1〕実施例1の連続相A,B及び
分散相を使用し、図8の連続乳化機(荏原製作所製、エ
バラマイルダー)を用いて微粒子を形成した。上記の連
続乳化機を12000rpmで回転しながら、連続相A
を400g/分、分散相を250g/分で連続的に供給
してO/W型の懸濁液を得た。次に、連続相Bを収容し
たグラスライニングの反応釜を70℃に保ちながら、上
記の懸濁液を連続的に供給し、200rpmで3時間攪
拌し、反応と脱溶剤を行った。得られた微粒子は、D5
0V=6.8μmで、GSD=1.57とブロードな粒
度分布であった。
【0029】〔比較例2〕比較例1において、連続乳化
機の回転速度を6000rpmに変更した以外は、比較
例1と同様にして微粒子を得た。得られた微粒子は、D
50V=14.1μmで、GSD=1.61とブロード
な粒度分布であった。このように、連続乳化機だけで目
標の粒径を得ようとしても粒度分布がブロードのものし
か得られなかった。
【0030】〔比較例3〕実施例1の連続相A,B及び
分散相を使用し、図9のように連続乳化機(荏原製作所
製、エバラマイルダー)に循環ラインを設けて微粒子を
形成した。上記の連続乳化機を12000rpmで回転
しながら、連続相Aを400g/分、分散相を250g
/分で連続的に供給し、平均循環時間を0.75分間と
し、新たに供給される連続相A及び分散相に押し出され
るようにしてO/W型の懸濁液を得た。次に、連続相B
を収容したグラスライニングの反応釜を70℃に保ちな
がら、上記の懸濁液を連続的に供給し、200rpmで
3時間攪拌し、反応と脱溶剤を行った。得られた微粒子
は、D50V=7.1μmで、GSD=1.49とブロ
ードな粒度分布であった。
【0031】〔比較例4〕比較例3において、連続乳化
機の回転速度を6000rpmに変更した以外は、比較
例3と同様にして微粒子を得た。得られた微粒子は、D
50V=14.4μmで、GSD=1.52とブロード
な粒度分布であった。このように、連続乳化機に循環ラ
インを設けるだけで目標の粒径を得ようとしても粒度分
布がブロードのものしか得られなかった。
【0032】〔比較例5〕実施例1の連続相A,B及び
分散相を使用し、実施例1の攪拌装置だけを図10のよ
うに1パスで通過させて微粒子を形成した。上記の攪拌
装置は1000rpmで回転しながら、連続相Aを40
0g/分、分散相を250g/分で連続的に供給し、平
均滞留時間を10分間にしてO/W型の懸濁液を得た。
次に、連続相Bを収容したグラスライニングの反応釜を
70℃に保ちながら、上記の懸濁液を連続的に供給し、
200rpmで3時間攪拌し、反応と脱溶剤を行った。
得られた微粒子は、D50V=19.8μmで、GSD
=1.55とブロードな粒度分布であった。
【0033】
【発明の効果】本発明は、上記の構成を採用することに
より、粒度分布がシャープな微小液滴を大量に作製する
ことが可能になった。また、本発明に係る装置は、スケ
ールアップが容易であり、ロット間に誤差が出にくく、
装置が小型ですむため低価格で低出力等の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1具体例である攪拌装置の断面説明図
である。
【図2】図1の装置で使用する攪拌羽根の1例を示した
斜視図である。
【図3】従来の攪拌羽根の斜視図である。
【図4】本発明の微小液滴の形成装置のフローを示した
説明図である。
【図5】本発明の微小液滴の形成装置の別のフローを示
した説明図である。
【図6】本発明の微小液滴の形成装置のさらに別のフロ
ーを示した説明図である。
【図7】本発明の微小液滴の形成装置のもう1つのフロ
ーを示した説明図である。
【図8】従来の連続乳化機で微小液滴を形成するときの
フローを示した説明図である。
【図9】従来の連続乳化機に循環ラインを付設して微小
液滴を形成するときのフローを示した説明図である。
【図10】攪拌装置だけで微小液滴を形成するときのフ
ローを示した説明図である。
【図11】従来の連続乳化機の断面説明図である。
フロントページの続き (72)発明者 稲葉 義弘 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縦型円筒容器内に、垂直回転軸に設けた
    複数段の攪拌羽根と、前記回転軸の周囲に処理液の流路
    を残し、前記羽根の間に水平に設けた仕切り板と、前記
    円筒容器内壁から突出する垂直邪魔板とを備えた攪拌装
    置において、前記攪拌羽根が、円板の縁部近傍の溶液に
    上下に剪断力を付与するための剪断歯を有することを特
    徴とする攪拌装置。
  2. 【請求項2】 2種以上の液体を連続的に乳化する連続
    乳化機に、請求項1記載の攪拌装置を接続したことを特
    徴とする微小液滴の形成装置。
  3. 【請求項3】 2種以上の液体を連続乳化機で混合して
    乳化分散させ、その分散液を請求項1記載の攪拌装置の
    下部注入口から導入し、上部排出口から微小液滴を含有
    する処理液を回収することを特徴とする微小液滴の形成
    方法。
  4. 【請求項4】 前記連続乳化機と前記攪拌装置とを接続
    する導管、又は、前記攪拌装置の中段から、処理液の一
    部を取り出し、前記連続乳化機に循環することを特徴と
    する請求項3記載の微小液滴の形成方法。
  5. 【請求項5】 所望の微小液滴が形成された前記攪拌装
    置の中段から、微小液滴を含有する処理液を回収するこ
    とを特徴とする請求項3又は4記載の微小液滴の形成方
    法。
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Cited By (8)

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Lieberman greater the probability that the particles will miss the high shear zones on a single pass through the device. For this reason the discharge of many rotor/stator devices is re-stricted with a series of holes or bars, or with a grid, which performs two separate tasks. First, a discharge grid absolutely limits the maximum particle size that can exit the mixer. If the holes on the discharge grid are 2 mm, it is virtually impossible for par-ticles larger than that diameter to pass through the machine. Rotor/stator in-line mix-ers are made with restricting grids as small as 0.5 mm, and a wide range of larger sizes up to 50 mm or even unrestricted outlets. A sample of such grids is presented in Fig. 29. But even the smallest usable discharge grid does not necessarily provide abso-lute control of the required size distributions in the range of fine dispersion. This is the second reason for the restriction on the discharge. By putting a more limiting dis-charge on the outlet, the flow rate through the device for a given set of pumping cir-cumstances (viscosity, density, system suction, and discharge head) is reduced and the residence time in the machine for a given particle or droplet is increased. The longer residence time increases the probability that a particle has to travel through the highest shearing zones and, thereby, be reduced to the smallest size that the machine is capable of producing.••••"';•"**«L£ J-•
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