JPH0819612B2 - 湿式不織布とその製造方法並びに人工皮革 - Google Patents

湿式不織布とその製造方法並びに人工皮革

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JPH0819612B2
JPH0819612B2 JP2302767A JP30276790A JPH0819612B2 JP H0819612 B2 JPH0819612 B2 JP H0819612B2 JP 2302767 A JP2302767 A JP 2302767A JP 30276790 A JP30276790 A JP 30276790A JP H0819612 B2 JPH0819612 B2 JP H0819612B2
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優 上坂
文悟 後藤
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旭化成工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は手触り感が極めて優れた高強度湿式不織布及
びその製造方法に関する。より詳しくは風合い、ドレー
プ性そしてバリアー性に優れたワイパー、フイルターや
手術着など幅広い繊維布としての用途に適した高強度の
極細繊維不織布及びその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
優れた表面感触、風合いの不織布を得るためには極細
繊維を用いると良いことが知られている。しかし、極細
繊維は生産性が低くコストが高い、また、そのままでは
単糸直径が小さいため開繊性などの点で作業性が悪くカ
ーディングによるシート形成も劣るため満足な不織布が
得られないという問題がある。そこで易分割性複合繊維
を用いウエブ形成したのち極細繊維とする方法が多数提
案されている。
例えば、非相溶性の分割型複合繊維をカードにてウエ
ブとした後、高圧液体流にて分割フィブリル化させて極
細繊維不織布を作る方法(特開昭62−133164号公報)が
開示されている。
しかしながら、従来の技術では繊維長が長く(通常32
〜50mm)、高圧液体流により動き難いため、強度を発現
する複合繊維の支給が進まず更に割繊し極細繊維化を成
し得るには、大きなエネルギーを必要としコストが高く
つく。また得られる極細繊維不織布の強度物性が低く強
度を上げるためにはバインダーなど繊維間接着成分を必
要とするため部分接着であっても柔軟性が乏しく、風合
いが硬くなる等極細繊維不織布の特性を十分発揮できな
い。
更には、カード法によるウエブ形成段階で複合繊維が
分割してしまい、均一な不織布が得られない等の問題点
があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は表面感触に優れ、緻密でバリアー性に優れ、
かつ柔軟性に富み、その上、強度物性に優れている湿式
不織布及びその製造方法を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
即ち、本発明は以下の通りである。
1 繊維長10〜20mmの分割性繊維が抄造法でシート形成
され、次いで柱状の水流により処理された、割繊した0.
8d以下のバラけている極細繊維及び/またはバラけてい
ない極細繊維束が相互に三次元交絡していることを特徴
とする湿式不織布。
2 繊維長(L)が10〜20mmで、繊維の直径(D)との
比(L/D)が0.5×103〜1.5×103の分割性繊維からなる
繊維を抄造法でシート形成し、次いで柱状の水流により
処理し、該分割性繊維を交絡させると共に割繊させ、0.
8d以下のバラけている極細繊維及び/またはバラけてい
ない極細繊維束を相互に三次元交絡させることを特徴と
する湿式不織布の製造方法。
3 特許請求の範囲第1項の、湿式不織布に弾性重合体
が充填され、かつ弾性重合体からなる表面被覆層を有す
ることを特徴とする銀面様の人工皮革。
4 特許請求の範囲第1項の、湿式不織布に弾性重合体
が充填され、かつ、該極細繊維からなる表面起毛層を有
することを特徴とするスエード様の人工皮革。
本発明における分割性繊維とは非相溶性の多成分系複
合繊維、例えば、ポリエステル/ポリオレフイン、ポリ
エステル/ポリアミド、ポリエステル/共重合ポリエス
テル等、あるいは繊維内に多数の中空を有する易分割性
繊維、例えば旭化成工業(株)商標カシミロンFCA等、
あるいは自己接着性繊維をいう。
分割性繊維の繊度は特に限定されるものではないが割
繊後の単糸繊度、割繊本数を考え合わせると1〜3dが好
ましい。
本発明で極細繊維束とは分割性繊維が割繊して、集合
しておりバラバラになっていないものをいう。
本発明の不織布は特定の繊維長の繊維から構成され、
高交絡密度で交絡する事が必須の条件であり、この構成
で初めて従来の極細繊維不織布になかった高強度、高表
面感触の不織布が得られる。不織布を構成する分割性繊
維の繊維長は20mm以下であることが必要で、好ましくは
15mm以下である。
20mm以上の繊維長の繊維シートを柱状流処理し、極細
繊維不織布を得るためには高水圧水流でなければ十分な
分割性繊維の割繊が行われない。しかも得られるシート
の強度物性は弱い。
しかしながら、20mm以下の繊維長の繊維シートを用い
ることで非常に低水圧の柱状流処理で分割性繊維の割繊
が進み、20mm以上の繊維シートでは決して得られない高
強度の極細繊維不織布が得られることを見いだし本発明
の課題を達成した。この驚くべき事実は次のように推察
される。
繊維シートに水流エネルギーを与えると繊維の交絡と
割繊が行われる。このとき、繊維の交絡と割繊を比較す
ると繊維の交絡が容易であることから、始めは交絡が主
に進む。しかし、交絡の進行には限界がありその後は水
流のエネルギーは主に繊維割繊に使われる。交絡は主に
割繊前の太径の繊維相互で行われ、この交絡作用が不織
布の強度発現に効果がある。即ち、得られる不織布の強
度は分割性繊維の単糸直径と繊維長に関係し、この分割
性繊維の単糸直径Dとその繊維長Lの比L/Dが0.5×103
〜1.5×103の範囲にあるときその構成繊維から得られる
最高の強度になる。繊維長は短い方が柱状流で動き易く
交絡しやすいが交絡点の数が小さくなり不織布強度は下
がる。叉、分割性繊維の柱状流による割繊は繊維長が短
くなるほど低衝撃力で行われるが特に繊維長が20mm以下
の場合、この効果が著しい。それ故、繊維長20mm以下の
分割性繊維を用いることが必須の構成要素となる。
分割性繊維はすべて割繊することが最も望ましい極細
繊維不織布の形態ではあるが、未割繊の繊維が不織布中
に存在しても強度物性は低下しないことから、風合い、
表面感触、シートのカバーリング性、バリアー性の観点
から、未割繊繊維の割合は50%以下が好ましく、20%以
下がより好ましい。
本発明の不織布は柱状流により強固に三次元交絡して
いるため接着剤などの接合手段を用いることなしに充分
な強度物性(引張強度、引裂強度、剥離強度等)をも
ち、更に風合いがソフトでドレープ性に富むという特徴
を有する。
本発明の不織布は優れた強度を有するため、そのまま
でワイパー、手術着、フイルター等に使用できるが用途
によっては着色、撥水、制電加工等の仕上げ処理をする
ことも可能である。また、バインダーを付与してもよ
い。
本発明の不織布の製造方法は繊維長20mm以下の分割性
繊維からなる繊維を抄造法でシート形成し、ついで柱状
の水流により処理し、該分割性繊維を交絡させると共に
割繊させ、0.8d以下の極細繊維及び/または極細繊維束
を相互に三次元交絡させる。
上記の短繊維を用途に応じて5〜500g/m2の目付量の
繊維シートにするため抄造法を用いる。この抄造法はシ
ートの均一性が良いこと、熱融着繊維、合成パルプ、パ
ルプ、通常の化繊・合繊等の異種繊維の混合が容易であ
ること、また場合によって2層抄き合わせも可能であり
カード法、エアーレイ法等の乾式法に比較して大きな利
点を有する。
さらに重要な点としてカード法、エアーレイ法等に比
べシート作成時に加えられる機械的剪断力が小さいこと
が挙げられる。
極細繊維を得るためには分割性繊維に衝撃力を与えて
割繊させるが、これは前述の理由により繊維交絡時ある
いは交絡後に行なわれるべきであり交絡以前に極細化す
ることすなわち、シート作成時にはできるだけは避けな
ければならない。カード法、エアーレイ法等ではこの制
約から分割性繊維の構造をより難分割性のものへ限定し
なければならず、それ故、交絡・割繊時に更に高エネル
ギーで繊維シートを処理しなければならない。
これに対して抄造法では分割性繊維の構造を広範囲に
選べるため省エネルギー化に加え、繊維組成においても
様々な用途に対応できる等の利点がある。
得られた繊維シートは透水性の支持材の上にのせ柱状
の高圧水流にて交絡する。使用する高圧水流の水圧の範
囲は用いる原糸の種類、繊維シートの目付量及び処理速
度等によって異なるが好ましくは5〜300kg/cm2より好
ましくは10〜150kg/cm2の範囲で衝突させる。同一原糸
の場合は高目付になるほど高水圧に設定すればよい。
繊維シートの支持材は透水性の部材、例えば金網、プ
ラスチックネット等が用いられる。
本発明においてこの部材の形状を変えることによって
開孔不織布を得る事もできる。すなわち、表面が凹凸若
しくは非開孔部の割合が高い透水性の部材を用いること
により交絡、割繊繊維を凹部若しくは開孔部へ移動させ
部材の凸部もしくは非開孔部に対応する位置に開孔を生
じさせるものである。部材に金網を用いる場合は50メッ
シュ以下の粗いメッシュが好ましい。このような開孔を
生じさせる支持材を用いると得られる本発明の不織布
は、開孔の模様付けをする前に比べて、バルキー性、寸
法安定性(伸長回復率)が向上する効果が認められる。
本発明において水流を噴射するノズル径は0.01〜1mm
が好ましいが割繊には高衝撃力を与えると良いことから
同水圧では径が太い方が良い。
ノズルとシート面の距離は0〜50mmであることが好ま
しい。
水流の軌跡形状は抄造シートの進行方向に対し並行な
直線状であっても良いし、ノズルを取り付けたヘッダー
の回転運動やシートの進行方向に直角に往復する振動運
動によって得られる曲線形状であっても良い。しかし、
ほとんど全ての繊維を割繊させるために水流はシート全
域にもれなく当たらねばならず、その点回転運動により
得られる幾重にも重なった円形状の水流軌跡の交絡はノ
ズル1錘当りのシートに対する水流の噴射面積が大きく
なり効率的である。同時に用途によっては商品価値を低
下させる水流軌跡の斑が見えにくい、更には不織布の経
緯の強度比が小さい等の利点があり好ましい。必要に応
じ、シート表面に残存する水流軌跡が製品品位を損なう
場合には、ノズルとシートの間に40〜100メッシュの金
網を挿入し柱状水流を散水化し、水流軌跡の深さを軽減
することも好ましい。
抄造シートに対する高圧水流の処理の仕方は、表・裏
交互に水流を噴射する方法でも良いし、片面だけを処理
する方法でも良い。また処理回数も目的に応じて最適条
件を選択すればよい。
本発明で得られる湿式不織布の後加工の一態様として
彫刻されたロール(エンボスロール)でもって冷間ある
いは熱間プレスし表面に賦型することも好ましい方法で
ある。この方法によると交絡シートの繊維相互を部分的
に接合することになるが引張強度等の強度が向上すると
いう効果のほか、寸法安定性も向上する。
この様に本発明の不織布は、湿式法の特徴である均一
性を有しつつ、高強度、ソフト風合を有するものである
ので、従来の不織布では適用困難であって新しい用途に
用いることができる。
その好適な例の一つは、医療、衛材向け素材、例えば
サージカルパック、サージカルガウン、アンダーパッド
等の医療用素材、オムツ、ナプキン、マスク等の衛生材
料である。これらの用途では本発明の不織布のドレープ
性に富んだ風合と高強度の特徴が良く活かされる。
特に手術着に本発明の不織布を用いる場合、手術着に
特に要求される液体バリアー性に優れているという特性
が良く活かされる。本発明の不織布は、特定された繊維
長をもつ短繊維から割繊された極細繊維が高密度に交絡
しているのでそれ自体高度な液体バリアー性を有してい
る。従来の不織布で手術着に要求される液体バリアー性
を得る為の試みとして、例えば特開昭59−94659号公報
に開示されている様に、ポリエステル(ポリエチレンテ
レフタレート)に、微細なフィブリルで構成される木材
パルプを積層、或いは混合して得られたシートに柱状水
流を噴射させて、パルプをいわば“目詰め”的にポリエ
ステルに交絡させて不織布密度を高める工夫がされてき
たが、本発明においては、この様な特殊な目付め的なバ
インダー繊維を格別に用いなくても優れた液体バリアー
性が得られることが確認されている。
衣料用芯地に本発明不織布を用いた場合も、均一で強
度が大きいという特徴がよく活かされ、好適である。電
子分野等の工業用ワイピングクロスにも適性がある。こ
れは本発明の不織布がノーバインダーで繊維間の交絡に
より強固に繊維が接合されている為にリントフリー性に
優れ、かつ柔軟である為拭き取り性に優れている為であ
る。更に気体、液体用のフィルター、特に5〜25μmの
粒子をろ過する所謂プレフィルターとしての適性も認め
られる。これは本不織布に於いて極細繊維が緻密に交絡
しているという特性がフィルター機能に十分活かされる
結果である。
コーティング基布として本発明の不織布を用いる場
合、本発明の不織布の特性がよく活かされる。従来の織
編物の基布に代えて従来の不織布をコーティング基布と
して用いる試みが続けられてきたが、これらの不織布の
場合、層間剥離強度が織物、編物に比べ弱いので、不織
布の表面にポリウレタンやポリ塩化ビニルをコーティン
グしたのみでは、得られたコーティング品は使用中に不
織布の層間で剥離現象を起こし実用に耐えない場合が多
かった。
この欠点を改良すべく不織布にポリウレタン、ポリア
クリル酸エステル、SBR、MBR、NBR等の弾性重合体をバ
インダーとしてあらかじめ付与し、次いでポリウレタ
ン、ポリ塩化ビニル等を表面にコーティングすることも
行なわれてきているが、この場合には、どうしても風合
がペーパーライクになり織編物基布に対し品質が劣るこ
とは避けられなかった。
これに対し、本発明の不織布は、従来の不織布に比べ
極めて高い層間剥離強度を有するので、バインダーなし
でコーティング基布として使用することが可能であり、
従来の不織布をコーティング基布にしたものに見られな
い、ソフト風合に優れ層間剥離強度が高い新たな特徴を
有するものである。
人工皮革用の基布として本発明の不織布を用いること
も好適な例の1つである。例えば本不織布をそのまま基
布として用い、その表面にポリウレタン、塩化ビニル、
SBR、NBR、MBR等の弾性重合体の溶液、或いはエマルジ
ョンをグラビア、ドクターナイフ等で塗布することによ
り銀面様の人工皮革を得ることができる。この場合、必
要に応じて表面被覆層を形成する前にポリウレタン等の
弾性重合体を本不織布に含浸し、乾式、或いは湿式凝固
させ充填することも強度面、風合面でより好ましい。
さらに、スエード様の人工皮革を得たい場合には、本
不織布の極細糸交絡層を起毛させ、必要に応じ弾性重合
体等を含浸したり、染色加工することにより目的とする
スエード調人工皮革を得ることも可能である。
次に本発明の高強度湿式不織布の製造方法について説
明する。
まず、繊維長20mm以下の分割性繊維を0.1〜3%の濃
度になるように水に分散させスラリーを調製する。この
際少量の分散剤を加えることが好ましい。このスラリー
を長網式、或いは丸網式の抄造機を用いて抄紙する。
本発明において抄造シートを構成する原糸の種類につ
いては目的に応じ適宜選択すれば良いし、また素材およ
び/または形状の異なった2種類或いは3種類の原糸を
混合して用いることも好ましい。
得られた抄造シートは高速流体流を衝突させることに
よって交絡させる。ここでいう流体とは、液体或いは気
体であるが、取り扱いやすさ、コスト、流体としての衝
突エネルギーの大きさ等の点から水が最も好ましい。
このようにして本発明の湿式不織布が得られる。
〔実施例〕
以下、実施例でもって本発明をさらに詳しく説明す
る。
実施例中、測定値は以下の方法によって測定したもの
であり、%は全て重量%である。
1)引張強度:JISL1096 ストリップ法 2)引裂強度:JISL1096 シングルタング法 3)層間剥離強度: 不織布を巾2.5cm、長さ13cmにカットする。このサン
プルに接着テープ(ソニーケミカル(株)製、商品名D3
200)を接着させた後70g/cm2の圧力で200℃、30秒間プ
レスし貼り合わせる。
こうして得られた測定用サンプルの、接着テープと不
織布の間に切れ込みを入れ、両端をオートグラフのチャ
ックでつかみ測定を行なう。オートグラフの測定条件は
以下の様に設定する。
引張速度:10cm/min チャート速度:10cm/min この場合テープは強く、叉テープと不織布は強固に接
着されているので、測定用サンプルのテープが測定用サ
ンプルから引き剥される時に、テープが切断したり、テ
ープと不織布の接着面が剥されることはなく、前記引き
剥し力は不織布の一部分を他の部分から引き剥すように
作用する。したがってこの方法によって不織布の層間剥
離強度を測定することができる。
前記測定をオートグラフで行う際に得られるストレス
ストレン曲線から強度値の大きい方の値3個と小さい方
の値3個を選んで計6個の値の平均値を得る。測定用サ
ンプルの試験数は5とする。この様な測定を不織布のタ
テ方向(以下、MDと略す)、ヨコ方向(以下、CDと略
す)につき各々同様に行ない、そのMDとCDの平均値でも
って不織布の層間剥離強度とする。
4)柔軟度:JISL1096 45゜カンチレバー法 MDとCDの平均値をとり、柔軟度とする。
実施例1 ポリエチレンテレフタレートを第1成分としナイロン
6とナイロン612を第2成分とした繊度が1dの分割性繊
維(容量比8:2)を10mmにカット(L/Dは1×103)し、
水中に分散させ1%濃度のスラリーとした。このスラリ
ーを傾斜式長網抄造機で抄造し、目付60g/m2のシートを
得た。
このシートに、ノズル径0.2mm、ノズル間ピッチ5mm、
列数18列の多数のノズルから40kg/cm2の水圧の柱状流を
噴射させて繊維を交絡、割繊させた(割繊後のポリエチ
レンテレフタレートは0.1d相当になる)。ノズルト抄造
シートの間隔は30mmで、抄造シートの下にはステンレス
製の80メッシュの金網を支持部材とし、金網を通して吸
引脱水した。同様の処理を柱状流を噴射したシート面の
反対面にも施した。
次いで水圧を15kg/cm2に設定し、両面を同様に柱状流
水流で噴射処理した。その後乾燥して交絡シートを得
た。物性は以下の値を示した。
引張強度(MD/CD):2.8/2.0kg/cm 引裂強度(MD/CD):1.3/1.1kg 層間剥離強度:2000g/cm 柔軟度(MD・CD):35mm 実施例2 実施例1と同様の方法で柱状流水圧を1回目は60kg/c
m2、2回目が15kg/cm2で処理した。得られた物性は以下
の通であった。
引張強度(MD/CD):3.8/3kg/cm 引裂強度(MD/CD):1.5/1.2kg 層間剥離強度:2200g/cm 柔軟度(MD/CD平均):33mm 比較例1 ポリエチレンテレフタレートの0.1d原糸を直接紡糸法
で作り、10mmの長さにカットした(L/Dは1×103)。こ
れを実施例1と同様の方法で抄造、柱状流処理した。物
性は以下の値を示した。
引張強度(MD/CD):0.9/0.9kg/cm 引裂強度(MD/CD):0.4/0.2kg 層間剥離強度:900g/cm 柔軟度(MD・CD平均):34mm 比較例2 実施例1と同様の方法で分割性繊維のカット長を51mm
とした(L/Dは0.2×103)。割繊は充分に進まなかっ
た。物性は以下の通りであった。
引張強度(MD/CD):0.7/0.7kg/cm 引裂強度(MD/CD):2.4/2.2kg 層間剥離強度:200g/cm 柔軟度(MD・CD平均):43mm 比較例3 比較例2と同構成繊維の分割性繊維1d、カット長51mm
を実施例1と同様に柱状流処理した。ただし圧力は1回
目は80kg/cm2、2回目が15kg/cm2とした。割繊は実施例
1と同レベルまで進んだ。物性は以下の通りであった。
引張強度(MD/CD):0.7/0.8kg/cm 引裂強度(MD/CD):2.0/1.7kg 層間剥離強度:250g/cm 柔軟度(MD・CD平均):36mm 実施例3 原糸として断面形状は実施例1と同様のポリエチレン
テレフタレート/共重合ポリエチレンテレフタレート
(容量比8:2)の1d、10mmカット(L/Dは1×103)を用
い実施例1と同様の方法て処理した。得られた物性は以
下の通りであった。
引張強度(MD/CD):2.3/2.3kg/cm 引裂強度(MD/CD):1.4/1.2kg 層間剥離強度:2100g/cm 柔軟度(MD・CD平均):33mm 実施例4 原糸として断面形状が実施例1と同様のポリエチレン
テレフタレートとポリプロピレン(容量比8/2)の分割
性繊維1d、10mmカット(L/Dは1×103)を用い実施例1
と同様の方法で処理した。得られた物性は以下の通りで
あった。
引張強度(MD/CD):2.2/2.0kg/cm 引裂強度(MD/CD):1.0/1.1kg 層間剥離強度:1700g/cm 柔軟度(MD・CD):35mm 実施例5 原糸として断面形状は実施例1と同様のポリエチレン
テレフタレートとポリエチレン(容量比8/2)の分割性
繊維1d、10mmカット(L/Dが1×103)を用い実施例1と
同様の方法で処理した。物性は以下の値を示した。
引張強度(MD/CD):2.3/2.2kg/cm 引裂強度(MD/CD):1.1/1.2kg 層間剥離強度:2000g/cm 柔軟度(MD・CD):37mm 実施例6 原糸として1.5d、12.5mmカット(L/Dは0.8×103)の
易分割性アクリル繊維、旭化成工業(株)製商品名カシ
ミロンFCAを用い実施例1と同様の方法で処理した。物
性は以下の通りであった。
引張強度(MD/CD):2.4/2.0kg/cm 引裂強度(MD/CD):1.5/1.2kg 層間剥離強度:1500g/cm 柔軟度(MD・CD平均):64mm 〔発明の効果〕 本発明の不織布は表面感触に優れ、緻密でバリアー性
に優れ、かつ柔軟性に富み、その上、強度物性に優れて
いる。このような特徴からフィルター、ワイパーや手術
着等の広範囲な繊維布として好適に使用される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 27/00 (56)参考文献 特開 平2−127552(JP,A) 特開 昭62−206075(JP,A) 特開 昭53−122875(JP,A) 特開 昭61−296157(JP,A) 特開 昭60−75656(JP,A) 特開 昭60−34608(JP,A) 特開 昭52−144476(JP,A) 特開 昭53−122869(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維長10〜20mmの分割性繊維が抄造法でシ
    ート形成され、次いで柱状の水流により処理された、割
    繊した0.8d以下のバラけている極細繊維及び/またはバ
    ラけていない極細繊維束が相互に三次元交絡しているこ
    とを特徴とする湿式不織布。
  2. 【請求項2】繊維長(L)が10〜20mmで、繊維の直径
    (D)との比(L/D)が0.5×103〜1.5×103の分割性繊
    維からなる繊維を抄造法でシート形成し、次いで柱状の
    水流により処理し、該分割性繊維を交絡させると共に割
    繊させ、0.8d以下のバラけている極細繊維及び/または
    バラけていない極細繊維束を相互に三次元交絡させるこ
    とを特徴とする湿式不織布の製造方法。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項の、湿式不織布に弾
    性重合体が充填され、かつ、該極細繊維弾性重合体から
    なる表面被覆層を有することを特徴とする銀面様の人工
    皮革。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項の、湿式不織布に弾
    性重合体が充填され、かつ、該極細繊維からなる表面起
    毛層を有することを特徴とするスエード様の人工皮革。
JP2302767A 1990-11-09 1990-11-09 湿式不織布とその製造方法並びに人工皮革 Expired - Lifetime JPH0819612B2 (ja)

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