JP2852526B2 - 寸法安定性に優れた湿式不織布及びその製造方法 - Google Patents

寸法安定性に優れた湿式不織布及びその製造方法

Info

Publication number
JP2852526B2
JP2852526B2 JP14520089A JP14520089A JP2852526B2 JP 2852526 B2 JP2852526 B2 JP 2852526B2 JP 14520089 A JP14520089 A JP 14520089A JP 14520089 A JP14520089 A JP 14520089A JP 2852526 B2 JP2852526 B2 JP 2852526B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
heat
fibers
nonwoven fabric
fused
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP14520089A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0314694A (ja
Inventor
文悟 後藤
憲二 中前
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Kogyo KK filed Critical Asahi Kasei Kogyo KK
Priority to JP14520089A priority Critical patent/JP2852526B2/ja
Publication of JPH0314694A publication Critical patent/JPH0314694A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2852526B2 publication Critical patent/JP2852526B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Nonwoven Fabrics (AREA)
  • Paper (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は寸法安定性に優れた湿式不織布、特に高強度
で風合がソフト且つ寸法安定性に優れている為、医療用
ガウン、シーツ、寝間着、衣料芯地、靴ライニング材、
コーティング基布、ワイパー、ウェットティッシュなど
多岐分野に好適な湿式不織布及びその製造方法に関す
る。
〔従来の技術〕
近年、不織布は、その優れた性能と高生産性の特徴を
生かして、従来の編織物の代替用途、あるいは編織物で
は対応出来ない機能的用途に用いられ著しい発展を示し
ている。不織布には種々の種類が知られているが、代表
的なものとしては、スパンボンド法、フラッシュ紡糸法
等の繊維形成高分子重合体を直接紡糸すると同時に空
気、ガス等でフィラメントを牽引し集積して得られる長
繊維乾式不織布、短繊維をカーディングした後、クロス
レイヤー、エアーレイ等でシート化し目的に応じてニー
ドルパンチや接着剤、熱融着繊維等で接合して得られる
短繊維不織布、及び抄造法によって得られる湿式不織布
等が知られている。湿式不織布の中には熱融着繊維、熱
溶解性繊維を混抄しカレンダーロール等で熱固定され
た、いわゆる化繊紙等も知られている。しかし、この様
な従来技術で得られる不織布は寸法安定性の面では不充
分なものである。例えば、医療用ガウンにおいては、従
来パルプ/ポリエステル繊維の複合不織布が使われてい
るが、寸法安定性が悪く、伸ばされた時にパルプ層によ
るバクテリアバリアー性が破壊されるという問題があ
る。又、衣料芯地として熱融着性繊維によって結合され
た乾式短繊維不織布が使用されているが、風合が硬く、
伸度も小さく寸法安定性が悪い為、表地の風合が損わ
れ、表地に対する追従性が良くない等の問題が提起され
ている。更に、コーティング基布にはニードルパンチに
よる短繊維交絡不織布や、湿式交絡不織布が使用された
り、靴ライニング材としてスパンボンド長繊維不織布が
従来使われている。しかし、この種の不織布は寸法安定
性が不充分な事に加え層間剥離強度が低い等の問題があ
る。
〔発明が解決しようする課題〕
本発明は上述した様な従来不織布の問題点である寸法
安定性を改良し、且つ風合がソフトで強度物性(引張強
度、引裂強度、摩耗強度、層間剥離強度等)が充分に高
いこと、これら全てを満足する湿式不織布を提供するこ
とを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、繊維長が20mm以下で、繊維長L(mm)と単
糸直径D(μm)の比L/Dが0.8×103〜2.0×103である
少くとも1種以上の短繊維と熱接合温度が該短繊維の融
点より20℃以上低い熱融着繊維の混合比率が10〜30%か
らなる湿式不織布であって、該短繊維及び熱融着繊維が
相互に立体的に交絡しており、該短繊維の平均繊維交絡
点間距離が300μm以下で、且つ熱融着繊維の一部又は
全てが熱溶融して繊維間接着したJIS L1096A法による1
0%伸長回復率が70%以上を有する寸法安定性に優れた
湿式不織布である。その製造方法は、繊維長が20mm以下
で、繊維長L(mm)と単糸直径D(μm)の比L/Dが0.8
×103〜2.0×103である少くとも1種以上の短繊維と熱
接合温度が該短繊維の融点より20℃以上低い熱融着繊維
の混合比率が10〜30%からなる混抄シートに高圧高速の
流体流を衝突させ、平均繊維交絡点間距離が300μm以
下になるまで構成短繊維及び熱融着繊維を三次元的に立
体交絡させた後、熱処理により熱融着繊維の一部又は全
てを溶融するとを特徴とする。
本発明において、繊維長が20mm以下の短繊維は好まし
くは均一な湿式シートを得る点から15mm以下であり、単
糸繊度は特に限定しないが、繊維長L(mm)と単糸直径
D(μm)の比L/Dが0.8×103〜2.0×103を満足する事
が必要である。したがって、単糸繊度が0.05〜0.5dの場
合は繊維長は3〜10mm、0.5〜10dの場合は5〜20mmであ
る事が望ましい。本発明の短繊維のL/Dは繊維同士の交
絡のし易さと重要な関係があり、L/Dが0.8×103未満で
ある場合、及び2.0×103を越える場合は充分な短繊維の
立体交絡が成されず、目的とする充分な不織布強度が得
られない。短繊維のL/Dが0.8×103〜2.0×103におい
て、実用的な強度が得られる。この驚くべき事実は次の
様に推定される。即ち、繊維の柱状水流等による動き易
さはL/Dが小さい、即ち太く短かい程大きく、繊維相互
の絡みは大きくなる。一方、繊維間相互の接触点の数は
繊維が細く長い、即ちL/Dが大きい程多くなる。しかし
ながらL/Dが大きすぎると交絡時に於ける繊維の動きが
抑制され繊維相互の絡みは逆に小さくなる。したがって
繊維同士の交絡密度が最大になる最適範囲のL/Dが存在
し、この範囲が0.8×103〜2.0×103であると理解され
る。
本発明でいう短繊維は、上記繊維長及びL/Dの範囲で
特定されるものが少くとも1種以上用いられる。即ち、
繊維長が20mm以下で、L/Dが0.8×103〜2.0×103の短繊
維に、他の短繊維を混合、或いは積層することも出来
る。この際、混合、或いは積層する他の短繊維の繊維長
は15mm以下で、L/Dは好ましくは0.8×103〜2.0×103
あるが、木材パイプ、合成パイプの様な微細繊維を使用
することも可能である。この様な微細繊維を該短繊維と
共に用いた場合は、不織布の強度は該短繊維(繊維長20
mm以下で、L/Dが0.8×103〜2.0×103の短繊維)の繊維
交絡に依存し、微細繊維は強度発現には寄与しない。但
し、木材パイプ等を用いることは液体バリアー性、バク
テリアバイアー性等の機能を合わせ持った本発明の湿式
不織布となり得る。
本発明における少くとも1種以上の短繊維として、例
えば次に例示する素材のものから選択出来る。ビスコー
スレーヨン、キュプラ、ナイロン、ポリエステル、アク
リル、ビニロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ウー
ル、アラミド、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、綿、こ
れらの共重合体、ブロックコポリマー、ブレンド物複合
体などであるが、これらに限定されるものではない。
本発明の不織布を構成する熱融着繊維はその熱接合温
度が前記短繊維の融点より20℃以上低いもので、該短繊
維が2種以上の場合は、最も低い融点を持つ短繊維より
20℃以上熱融着繊維の接合温度が低い事が必要である。
熱融着繊維の接合温度が短繊維の融点より20℃以下の場
合、熱融着繊維の熱溶融の際、該短繊維の一部が溶融し
たりするため、目的とする充分な不織布強度が得られ
ず、又風合が硬化するなどの欠点がある。本発明におけ
る熱融着繊維とは、従来熱融着乾式不織布、熱融着湿式
不織布に使用されている、ホモポリマー、コポリマー熱
融着繊維や、芯鞘型、サイドバイサイド型の複合繊維、
例えばポリプロピレン系、ポリエチレン系、ポリエステ
ル系、ナイロン系、塩ビ系の単一成分タイプ、複合成分
タイプなどから好適に選択出来る。該熱融着繊維の繊維
長は好ましくは均一シートを得る観点から20mm以下であ
って、パルプ様にフィブリル化せしめた微細繊維であっ
ても良い。熱融着繊維の混合比率は好ましくは不織布全
体の10〜30%である。混合比率が30%を越えると不織布
の風合が硬くなり、又、不織布強度を発現する構成短繊
維の比率が下がり充分な強度を得にくいので好ましくな
い。一方、混合比率が10%以下の場合は、繊維間接着が
不充分で目的とする良好な寸法安定性が得にくい。
本発明の湿式不織布は短繊維及び熱融着繊維が相互に
立体的に交絡している。交絡によって柔軟性を大きく損
うことなく、高強度の不織布を得るには、該短繊維の交
絡の度合を平均繊維交絡点間距離で表わした値が300mm
以下の状態まで高密度に高絡する必要がある。更に、本
発明の湿式不織布は熱融着繊維の一部又は全部が熱溶融
して繊維間接着をしている。この繊維間接着の強度は低
く、不織布の強度は平均繊維交絡点間距離が300μm以
下にまで緻密に三次元的に成し遂げられた繊維交絡強度
によって発揮され、且つ、熱融着繊維の熱溶融が先の繊
維交絡点を固定する等の効果によって寸法安定性が著し
く向上するものと考えられる。
即ち、本発明の湿式不織布は高密度の繊維交絡によっ
て得られる高強度と繊維間接着によって得られる寸法安
定性を同時に達成し得た新規な不織布構造物であり、高
強度、ソフト風合、寸法安定性が要求される多様な用途
分野、例えばサージカルガウン、コーティング基布、衣
料芯地、靴資材、ワイパー類等に適用が可能である。
次に、本発明の湿式不織布の製造方法について説明す
る。
本発明において、混抄シートは繊維長20mm以下、L/D
の比が0.8×103〜2.0×103である短繊維の1種以上を熱
融着繊維と共に水に分散して調製したスラリーを長網
式、丸網式などの抄造機にて抄造し形成する。この際、
L/Dの比が0.8×103〜2.0×103である短繊維とフィブリ
ル化した木材パイプ及び、熱融着繊維を一定割合で水に
分散して、混抄シートを得る方法、或いは、該短繊維と
熱融着繊維からなる混抄シートに木材パルプの混抄シー
トを積層する方法なども本発明の混抄シートの実施態様
の1つとして挙げられる。該融着繊維の混抄割合は全混
抄シート重量の2〜30%が好ましい。特に好ましくは2
〜20%であり、必要とする寸法安定性を得るに充分な最
低限の混抄割合に設定する方が、高強度、ソフト風合を
得るに好しい。好適なシートの全目付は5〜500g/m2
ある。次いで、上記混抄シートに高圧高速の流体流を衝
突させて三次元的に立体交絡させる。ここでいう流体と
は、液体或いは気体であるが、取り扱いやすさ、コス
ト、流体としての衝突エネルギーの大きさなど点から水
が最も好ましい。水を用いる場合、水圧は用いる原糸の
種類及び抄造シートの目付量によって異なるが、繊維間
の充分な交絡を得る為には5〜20kg/cm2、好ましくは10
〜80kg/cm2の範囲で衝突させる。同一原糸の場合、低目
付程水圧は低く、高目付になる程高水圧に設定すればよ
い。また、同一目付の場合ヤング率の高い原糸の場合に
は、より高圧の水流で処理することが本発明の目的とす
る高強度が得られる。水流を噴射するノズルの径は0.01
〜1mmが好ましい。水流の軌跡形状は抄造シートの進行
方向に対し平行な直線状であっても良いし、ノズルを取
り付けたヘッダーの回転運動やシートの進行方向に直角
に往復する振動運動によって得られる曲線形状であって
も良い。回転運動により得られる幾重にも重なった円形
状の水流軌跡の交絡は、ノズル1錘当たりのシートに対
する水流の噴射面積が大きくなり効率的であると同時
に、用途によっては商品価値を低下させる水流軌跡の斑
が見えにくくなり、更には不織シートの経緯の強度比が
小さい等の利点があり好ましい。抄造シートに対する高
速水流の処理の仕方は、表・裏交互に水流を噴射する方
法でも良いし、片面だけを処理するのも良い。また処理
回数も目的に応じて最適条件を選択すればよい。
これら抄造シートの柱状水流処理の水圧条件は、目的
とする充分な繊維交絡を得る様に及び、均一性を得る様
な条件下で選択されるが、例えば10〜100g/m2の比較的
小さい目付の抄造シートの処理の場合は10〜40kg/cm2
水圧で片面或いは両面処理するのが好ましく、150〜500
g/m2の比較的大きい目付の場合には、30〜80kg/cm2の水
圧で交互に両面柱状水流を噴き当てるのが好ましい。
この交絡処理によって、混抄シートの構成繊維は水流
によって移動し、相互にからみ合って強固な結合を得る
に至る。すなわち構成短繊維及び熱融着繊維は相互に三
次元に立体交絡している。
このようにして得られる交絡結合は極めて強固であ
り、平均繊維交絡点間距離が300μm以下になる。得ら
れた交絡シートを熱処理することによって、熱融着繊維
の一部又は全部を溶融せしめる。熱処理条件は例えば、
熱融着繊維の熱接合温度で、非接触式の熱風乾燥機によ
る熱処理が風合をソフトに仕上げる目的で好適に用いら
れ、1〜10分の短時間処理が好ましい。本発明に於ける
熱接合温度は例えば、ホモポリマー、コポリマーからな
る単一成分の熱融着繊維の場合はその成分ポリマーの融
点に相当し、又、鞘芯型の複合繊維及び、サイドバイサ
イド型の複合繊維からなる熱融着繊維の場合は、それら
複合繊維の熱融着性を支配している側の素材ポリマーの
融点、即ち、鞘芯型の場合は鞘成分を構成するポリマー
の融点、サイドバイサイド型の場合は、構成するポリマ
ーの中の低融点のポリマーの融点に相当する。熱処理温
度は、この熱接合温度以上で実施しても良いが、風合ソ
フト化の面から、該温度より30℃以上高くない温度で処
理される。しかし、カレンダー乾燥機やエンボス機によ
り圧着処理する場合の温度は熱融着繊維の熱接合温度以
下でも目的を達することが出来る。このようにして得ら
れた不織布は、ソフトな風合と高強度及び従来の不織布
では得られなかった良好な寸法安定性、例えば10%伸長
回復率が50%以上、更には、70%以上を同時に達成する
ことができる。湿式法のような短い繊維を原料とする不
織シートでは、高強度、寸法安定性を望むことは困難と
されており、本発明の結果は驚くべきものである。
〔実施例〕
以下、実施例でもって本発明をさらに詳しく説明す
る。
実施例中、測定値は以下の方法によって測定したもの
であり、%は全て重量%である。
1) 引張強度:JIS L1096ストリップ法 2) 引裂強度:JIS L1096シングルタング法 3) 柔軟度:JIS L1096 45゜カンチレバー法 4) 平均繊維交絡点間距離:走査型電子顕微鏡 で100倍の倍率で測定し、50個の平均値をとった。ここ
でいう平均繊維交絡点間距離とは、特開昭58−191280号
公報で公知のつぎの方法で測定した値のことであり、繊
維間相互の交絡密度を示す1つの尺度として値が小さい
ほど交絡が緻密であることを示すものである。第1図
は、本発明による不織シートにおける構成繊維を平面方
向に表面から観察したときの構成繊維の拡大模式図であ
る。構成繊維をf1,f2,f3…とし、そのうちの任意の2本
の繊維f1,f2が交絡する点をa1で上になっている繊維f2
が他の繊維の下になる形で交差する点までたどってい
き、その交差した点をa2とする。同様にa3,a4…とす
る。つぎにこのようにして求めた交絡点の間の直線水平
距離a1〜a2,a2〜a3,…を測定し、これら多数の測定値の
平均値を求めこれを平均繊維交絡点間距離とする。
5) 層間剥離強度:不織シートを巾2.5cm、長さ13cm
にカットする。このサンプルに接着テープ(ソニーケミ
カル(株)製D3200)を接着させた後70g/cm2の圧力で20
0℃、30秒間プレスし貼り合わせる。
こうして得られた測定用サンプルの、接着テープと不
織シートの間に切れ込みを入れ、両端をオートグラフの
チャックでつかみ測定を行う。オートグラフの測定条件
は以下の様に設定する。
引張強度 :10cm/min チャート速度:10cm/min 測定値は最高強度3点と最低強度3点を読み取りその
平均値でもって表示する。この様な測定を不織シートの
タテ方向(MD)、横方向(CD)につき各々同様に行い、
そのタテ/ヨコ平均値でもって不織シートの層間剥離強
度とする。
6) 10%定伸長回復率;JIS L1096 A法(繰返し定速定
伸長法)において、つかみ間の距離は20cm、伸長率を10
%で3回繰り返した後の伸長回復率を求める。
実施例1 ポリエチレンテレフタレート(以下PETと略記)繊維
の1デニール(単糸直径D=10μm)、繊維長L=12mm
の短繊維(L/D=1.2×103)の90部と芯部がポリプロピ
レン、鞘部がポリエチレンからなる熱融着複合繊維EAC
(チッソ(株)製)の2デニール、繊維長10mmの短繊維
の10部を水に分散し、1%濃度のスラリー液に調整し
た。このスラリー液から傾斜型長網抄紙機により、目付
75g/m2からなる混抄シートを得た。得られた混抄シート
を80メッシュの金網上に乗せ、ノズル直径0.2mm、ノズ
ル間隔2mm、ノズル列数3列のノズルを装置したノズル
ヘッダーを100rpmで円運動させながら圧力35kg/cm2の水
を噴射させた混抄シートに衝突させることにより、短繊
維を交絡させた。更に、同じ処理を3回行なった後、交
絡シートの表裏を逆転させて又、同交絡処理を4回実施
した。続いて、同じノズルを装置したノズルヘッダーを
300rpmで円運動させながら、水圧20kg/cm2とし、ノズル
と交絡シートの間に80メッシュの金網を挿入することに
よって得られる散水流を交絡シートの表裏各1回づつ処
理した。次いで得られた交絡シートを130℃の温度でピ
ンテンター乾燥機を用いて乾燥すると同時に、交絡シー
ト内のEAC繊維の鞘部(融点110℃)を溶融せしめた、得
られた湿式不織布の繊維交絡点間距離は240μmであっ
た。その物性を以下に示す。
引張強度(MD/CD kg/cm) 3.5/1.8 引張伸度(MD/CD %) 54/45 引裂強度(MD/CD kg) 1.7/1.6 柔軟度(mm) 49 層間剥離強度(kg) 1.2 10%定伸長回復率(MD/CD %) 78/75 風合が柔軟で、引張強度、引裂強度共に充分に強く、
特に10%定伸長回復率は従来の湿式不織布では得られな
い高い値を示した。
比較例1 実施例1において、熱融着繊維EACを混抄しないで、P
ET短繊維100%からなるスラリー液から実施例1と同様
にして抄造シートを作成し、更に実施例1と同様に高速
流体処理を行った後、130℃のピンテンター乾燥機で乾
燥し湿式不織布を得た。繊維交絡点間距離は120μmで
あった。その物性を以下に示す。引張、引裂強度は充分
に強いものであったが、10%伸長回復率は小さく、寸法
安定性の良くない不織布であた。
引張強度(MD/CD kg/cm) 3.8/2.0 引張伸度(MD/CD %) 52/45 引裂強度(MD/CD kg) 1.3/0.9 柔軟度 40 層間剥離強度(kg) 1.3 10%定伸長回復率(MD/CD %) 42/48 実施例2 ナイロン6(以下、N6と略記)繊維の1.5デニール
(単糸直径13.1μm)、繊維長12mm(L/D=0.92×103
の短繊維と実施例1と同じ熱融着繊維EACの混合割合を
第1表に示す水準で変化させた80g/m4の混抄シート(N
o.B,C,D)を作成し、実施例1と同様にして、圧力は40k
g/−20kg/cm2の条件で高圧流体処理を行ない、続いて、
130℃のピンテンター乾燥機で5分間処理し、乾燥と同
時に熱融着させた。得られた湿式不織布の繊維交絡点間
距離、及びその物性を第1表に示す。
比較例2 実施例2において、熱融着繊維を含まないシートサン
プル(No.E)、N6/EACの混抄率が95:5のシートサンプル
(No.A)及びN6/EACの混抄率が50:50のシートサンプル
(No.F)を作成し、実施例2と同様に湿式不織布を得
た。繊維交絡点間距離及びその物性を第1表に示す。
実施例3 PETの1デニール、繊維長10mm(L/D=1.0×103)の短
繊維70部、SWP UL−410(三井石油化学工業(株)製、
ポリエチレン製パルプ状繊維)を10部、更に木材パルプ
をパルパーで離解したスラリーを固形分で20部の割合で
混合した1%濃度のスラリーを調合した。この混合スラ
リーから実施例と同様に傾斜型長網抄紙機により、100g
/m2目付の混抄シートを得た。混抄シートにノズル径0.2
mm、ノズル間隔5mm、ノズル列数15列のノズルを装置し
たノズルヘッダーを100rpmで円運動させながら圧力40kg
/cm2の柱状水流を表裏それぞれ処理し、続いて、80メッ
シュの金網を挿入した散水流を15kg/cm2で同様に表裏処
理し、次いで、ピンテンター乾燥機で130℃×3分間乾
燥し、熱融着繊維の鞘部を溶融接着した。得られた湿式
不織布の繊維交絡点間距離は110μmであった。又、こ
の不織布を撥水加工したものは優れた液体バリアー性を
有し、且つ寸法安定性、耐摩耗性に優れ、バクテリアバ
リアー性が要求される手術着に好適に利用される。な
お、湿式不織布の物性を以下に示す。
引張強度(MD/CD kg/cm) 4.8/2.8 引張伸度(MD/CD %) 35/61 引裂強度(MD/CD kg) 1.8/1.2 柔軟度(mm) 72 層間剥離強度(kg) 1.2 10%定伸長回復率(MD/CD %) 75/72 〔発明の効果〕 本発明の湿式不織布は寸法安定性、柔軟性、強度物性
(引張、引裂、層間剥離、耐摩耗性)が優れており、簡
易衣料、手術着、衣料芯地、コーティング基布、靴裏材
等の用途に好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の不織布の表面拡大模式図である。 f1〜f7……構成繊維 a1〜a7……構成繊維同士の交絡点 b1〜b2……溶融した熱融着繊維
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−250260(JP,A) 特開 昭56−169899(JP,A) 特開 昭58−191280(JP,A) 特開 平1−221558(JP,A) 特開 昭59−60776(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D04H 1/46 - 1/48,1/54 D21H 15/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維長が20mm以下で、繊維長L(mm)と単
    糸直径D(μm)の比L/Dが0.8×103〜2.0×103である
    少くとも1種以上の短繊維と熱接合温度が該短繊維の融
    点より20℃以上低い熱融着繊維の混合比率が10〜30%か
    らなる湿式不織布であって、該短繊維及び熱融着繊維が
    相互に立体的に交絡しており、該短繊維の平均繊維交絡
    点間距離が300μm以下で、且つ熱融着繊維の一部又は
    全てが熱溶融して繊維間接着したJIS L1096A法による1
    0%伸長回復率が70%以上を有する寸法安定性に優れた
    湿式不織布。
  2. 【請求項2】繊維長さが20mm以下で繊維長L(mm)と単
    糸直径D(μm)の比L/Dが0.8×103〜2.0×103である
    少くとも1種以上の短繊維と熱接合温度が該短繊維の融
    点より20℃以上低い熱融着繊維の混合比率が10〜30%か
    らなる混抄シートに高圧高速の流体流を衝突させ、平均
    繊維交絡点間距離が300μm以下になるまで構成短繊維
    及び熱融着繊維を三次元的に立体交絡させた後、熱処理
    により熱融着繊維の一部又は全てを溶融するとを特徴と
    する寸法安定性に優れた湿式不織布の製造方法。
JP14520089A 1989-06-09 1989-06-09 寸法安定性に優れた湿式不織布及びその製造方法 Expired - Lifetime JP2852526B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14520089A JP2852526B2 (ja) 1989-06-09 1989-06-09 寸法安定性に優れた湿式不織布及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14520089A JP2852526B2 (ja) 1989-06-09 1989-06-09 寸法安定性に優れた湿式不織布及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0314694A JPH0314694A (ja) 1991-01-23
JP2852526B2 true JP2852526B2 (ja) 1999-02-03

Family

ID=15379728

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14520089A Expired - Lifetime JP2852526B2 (ja) 1989-06-09 1989-06-09 寸法安定性に優れた湿式不織布及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2852526B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003102640A (ja) * 2001-09-28 2003-04-08 Daio Paper Corp ウェットティッシュ用不織布

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE68916988T2 (de) * 1988-03-16 1995-03-16 Mitsui Toatsu Chemicals Verfahren zur Herstellung von gasförmigen Fluoriden.
EP0795916B1 (en) * 1994-12-28 2010-02-24 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Wet type nonwoven fabric for cell separator, its production method and enclosed secondary cell
JP2008214902A (ja) * 2007-03-01 2008-09-18 Takenaka Komuten Co Ltd 蒸発冷却機能を有する構造物外装用建材

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003102640A (ja) * 2001-09-28 2003-04-08 Daio Paper Corp ウェットティッシュ用不織布

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0314694A (ja) 1991-01-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2783602B2 (ja) 熱接着用極細複合繊維およびその織布または不織布
EP0796940B1 (en) Water jet intertwined nonwoven cloth and method of manufacturing the same
US5106457A (en) Hydroentangled nonwoven fabric containing synthetic fibers having a ribbon-shaped crenulated cross-section and method of producing the same
KR910005017B1 (ko) 고강도 습식 부직포 및 이의 제조방법
EP0534863A1 (en) Bonded composite nonwoven web and process
JPH0226972A (ja) 不織り繊維状流体からみ合い非弾性コンフォーム材料及びその形成法
JP2852526B2 (ja) 寸法安定性に優れた湿式不織布及びその製造方法
US20060252332A9 (en) Nonwoven fabrics with two or more filament cross sections
JP3102451B2 (ja) 三層構造不織布及びその製造方法
JPH10331063A (ja) 複合不織布およびその製造方法
JP3124017B2 (ja) 熱接着性繊維および不織布
JP2783411B2 (ja) 高強度湿式不織布及びその製造方法
JP3102450B2 (ja) 三層構造不織布及びその製造方法
JP2817057B2 (ja) 開孔模様を有する不織布及びその製造方法
JPH03193958A (ja) 不織布及びその製造方法
EP1438452A1 (en) Nonwoven fabrics with two or more filament cross sections
JP3278288B2 (ja) 絡合不織布およびこれを用いた芯地
JP2925582B2 (ja) 均一性に優れた接着芯地及びその製造方法
JP2871869B2 (ja) 地合の良好なスパンレース不織布およびその製造法
JP2871864B2 (ja) 地合の良好なスパンレース不織布およびその製造法
JP3452999B2 (ja) 芯地及びこれを用いた接着芯地
JPH05214649A (ja) 柔軟な不織布およびその製造法
JPH10158968A (ja) 不織布およびその製造方法
JP2989249B2 (ja) 高強度極細繊維不織布とその製造方法
JPH0841762A (ja) 積層不織布及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081120

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081120

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091120

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091120

Year of fee payment: 11