JPH0819569B2 - 導電性ブラシ用毛材 - Google Patents
導電性ブラシ用毛材Info
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- JPH0819569B2 JPH0819569B2 JP60105954A JP10595485A JPH0819569B2 JP H0819569 B2 JPH0819569 B2 JP H0819569B2 JP 60105954 A JP60105954 A JP 60105954A JP 10595485 A JP10595485 A JP 10595485A JP H0819569 B2 JPH0819569 B2 JP H0819569B2
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Description
【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はすぐれた物性、耐久性、直線性、真円性およ
び１×107Ω・cm以下の体積固有抵抗値を備えた、直径
が0.3〜3.0mmのモノフィラメントからなる導電性ブラシ
用毛材に関するものである。
び１×107Ω・cm以下の体積固有抵抗値を備えた、直径
が0.3〜3.0mmのモノフィラメントからなる導電性ブラシ
用毛材に関するものである。
（従来技術） 従来、衣料用やカーペット用繊維などの繊維度繊維の
分野においては、静電気による障害を克服すべく導電性
合成繊維についての研究が数多くなされており、繊維の
断面形態や製造方法およびたとえば導電性カーボンブラ
ック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、ヨウ化第１銅な
どの粉体状固形物やポリアルキレングリコール、ポリア
ルキレンオキシドなどの親水性有機重合体など導電性付
与のための添加剤の種類や形態などについてすでに数多
くの提案が知られている。
分野においては、静電気による障害を克服すべく導電性
合成繊維についての研究が数多くなされており、繊維の
断面形態や製造方法およびたとえば導電性カーボンブラ
ック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、ヨウ化第１銅な
どの粉体状固形物やポリアルキレングリコール、ポリア
ルキレンオキシドなどの親水性有機重合体など導電性付
与のための添加剤の種類や形態などについてすでに数多
くの提案が知られている。
一方、太繊度繊維の分野においても、たとえばヘアブ
ラシの場合は洗髪後の乾燥状態でのブラッシング時に静
電気が発生し、整髪がしにくく、また工業用ブラシの場
合は使用時に帯電することによる安全上の問題、精密機
械の誤動作やほこりの吸着といった静電気による種々の
障害があり、その解決が望まれているのが実情である。
ラシの場合は洗髪後の乾燥状態でのブラッシング時に静
電気が発生し、整髪がしにくく、また工業用ブラシの場
合は使用時に帯電することによる安全上の問題、精密機
械の誤動作やほこりの吸着といった静電気による種々の
障害があり、その解決が望まれているのが実情である。
しかしながらモノフィラメントのような太繊度繊維に
対する制電性の付与は、単糸繊度が高々50デニール程度
の衣料用やカーペット用繊維に対する制電性付与に比較
して種々の困難を包含している。すなわち細繊度繊維は
一般に溶融紡出後、巻き取られる間、空冷、固化などに
より冷却が徐々に進行するのに対し、太繊度繊維は次工
程での延伸性を向上させ、しかも真円性を保ち直径の均
一性を維持するために溶融紡出後、冷水や温水により急
冷する方法がとられているため、たとえばカーボンブラ
ツクを含有する重合体層を導電性成分として用い、複合
紡糸により導電性モノフィラメントを得ようとする場合
に上記急冷と繊維が太いことに起因していくつかの障害
が生ずるのである。
対する制電性の付与は、単糸繊度が高々50デニール程度
の衣料用やカーペット用繊維に対する制電性付与に比較
して種々の困難を包含している。すなわち細繊度繊維は
一般に溶融紡出後、巻き取られる間、空冷、固化などに
より冷却が徐々に進行するのに対し、太繊度繊維は次工
程での延伸性を向上させ、しかも真円性を保ち直径の均
一性を維持するために溶融紡出後、冷水や温水により急
冷する方法がとられているため、たとえばカーボンブラ
ツクを含有する重合体層を導電性成分として用い、複合
紡糸により導電性モノフィラメントを得ようとする場合
に上記急冷と繊維が太いことに起因していくつかの障害
が生ずるのである。
その一つの例は、冷却固化の工程で導電性カーボンブ
ラックを含有する導電性成分と、それを含有しない非導
電性成分との収縮挙動が相違することであり、導電性成
分層の収縮が大きいためにモノフィラメントの真円性が
悪化し、偏平化するばかりか、複合層の剥離を招くこと
もある。また、モノフィラメントの場合は導電性成分層
の厚さが必然的に大きいため、これを延伸する場合に導
電性成分層と非導電性成分層の間に延伸性の差異が顕著
に現われ、モノフィラメント自体の物性が阻害されるば
かりか、延伸時に導電性カーボンブラックの鎖状構造が
切断、破壊されて導電性も著しく低下する傾向があるの
である。
ラックを含有する導電性成分と、それを含有しない非導
電性成分との収縮挙動が相違することであり、導電性成
分層の収縮が大きいためにモノフィラメントの真円性が
悪化し、偏平化するばかりか、複合層の剥離を招くこと
もある。また、モノフィラメントの場合は導電性成分層
の厚さが必然的に大きいため、これを延伸する場合に導
電性成分層と非導電性成分層の間に延伸性の差異が顕著
に現われ、モノフィラメント自体の物性が阻害されるば
かりか、延伸時に導電性カーボンブラックの鎖状構造が
切断、破壊されて導電性も著しく低下する傾向があるの
である。
本発明者らは、上記導電性モノフィラメントを製造す
る際の問題点を改良し、物性と導電性のすぐれたブラシ
用モノフィラメントの取得を目的として種々検討した結
果、カーボンブラックを含有する導電性成分からなる層
を有する芯鞘構造の複合モノフィラメントにおける各層
の厚み比率と線径を特定化することにより、物性および
導電性の面で問題のない特性を備えた導電性ブラシ用毛
材が得られることを見出し、先に特願昭58−220785号と
して提案した。
る際の問題点を改良し、物性と導電性のすぐれたブラシ
用モノフィラメントの取得を目的として種々検討した結
果、カーボンブラックを含有する導電性成分からなる層
を有する芯鞘構造の複合モノフィラメントにおける各層
の厚み比率と線径を特定化することにより、物性および
導電性の面で問題のない特性を備えた導電性ブラシ用毛
材が得られることを見出し、先に特願昭58−220785号と
して提案した。
（本発明が解決しようとする問題点） しかしながらその後の検討によれば、上記本発明者ら
が提案した導電性ブラシ用毛材は、単繊維の直径が0.3
〜3.0mmと太い繊度であって、かつ体積固有抵抗値が１
×107Ω・cm以下とすぐれた導電性を発揮するにもかか
わらず、真円性を充分満足せず、しかもそりを生じて直
線性にも劣るため、実用上さらに改善の余地が残されて
いることが知見された。
が提案した導電性ブラシ用毛材は、単繊維の直径が0.3
〜3.0mmと太い繊度であって、かつ体積固有抵抗値が１
×107Ω・cm以下とすぐれた導電性を発揮するにもかか
わらず、真円性を充分満足せず、しかもそりを生じて直
線性にも劣るため、実用上さらに改善の余地が残されて
いることが知見された。
そこで本発明者らは、すぐれた物性、耐久性、直線
性、真円性および１×107Ω・cm以下の体積固有抵抗値
を備えた、直径が0.3〜3.0mmのモノフィラメントからな
る導電性ブラシ用毛材の取得を目的として鋭意検討を続
けた結果、導電性付与物質としてカーボンブラックを用
いてなる導電性成分をモノフィラメントの外周部に特定
の条件で点在させるという複合構造を形成することによ
り、上記目的が効果的に達成できることを見出し、本発
明に到達した。
性、真円性および１×107Ω・cm以下の体積固有抵抗値
を備えた、直径が0.3〜3.0mmのモノフィラメントからな
る導電性ブラシ用毛材の取得を目的として鋭意検討を続
けた結果、導電性付与物質としてカーボンブラックを用
いてなる導電性成分をモノフィラメントの外周部に特定
の条件で点在させるという複合構造を形成することによ
り、上記目的が効果的に達成できることを見出し、本発
明に到達した。
（問題点を解決するための手段） すなわち本発明は熱可塑性合成線状重合体（Ａ）と導
電性カーボンブラックを混練した組成物からなる導電性
成分および熱可塑性合成線状重合体（Ａ）および／また
は熱可塑性合成線状重合体（Ｂ）からなる非導電性成分
を溶融複合紡糸して得られる直径が0.3〜3.0mmのモノフ
ィラメントからなる導電性ブラシ用毛材であって、上記
導電性成分がモノフィラメントの断面外周部の回転対称
位置に点在し、その分割されて点在する導電性成分の数
が２〜10の整数で、かつ各導電性成分１個の重量分率が
モノフィラメントに対し４％以下であることを特徴とす
る導電性ブラシ用毛材を提供するものである。
電性カーボンブラックを混練した組成物からなる導電性
成分および熱可塑性合成線状重合体（Ａ）および／また
は熱可塑性合成線状重合体（Ｂ）からなる非導電性成分
を溶融複合紡糸して得られる直径が0.3〜3.0mmのモノフ
ィラメントからなる導電性ブラシ用毛材であって、上記
導電性成分がモノフィラメントの断面外周部の回転対称
位置に点在し、その分割されて点在する導電性成分の数
が２〜10の整数で、かつ各導電性成分１個の重量分率が
モノフィラメントに対し４％以下であることを特徴とす
る導電性ブラシ用毛材を提供するものである。
本発明で用いる熱可塑性合成線状重合体（Ａ）または
（Ｂ）としては、ナイロン６、ナイロン66、ナイロン61
0、ナイロン11、ナイロン12などのポリアミド、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートな
どのポリエステルおよびポリエチレン、ポリプロピレン
などのポリオレフィンなどが挙げられ、これらの中から
それぞれ導電性重合体層および非導電性重合体層の構成
成分を選択することができる。
（Ｂ）としては、ナイロン６、ナイロン66、ナイロン61
0、ナイロン11、ナイロン12などのポリアミド、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートな
どのポリエステルおよびポリエチレン、ポリプロピレン
などのポリオレフィンなどが挙げられ、これらの中から
それぞれ導電性重合体層および非導電性重合体層の構成
成分を選択することができる。
本発明で用いる導電性カーボンブラックとしてはアセ
チレンブラック、ファーネスブラックおよびチャンネル
ブラックなどの通常導電性樹脂組成物に適用されるもの
の中から任意に選択することができる。
チレンブラック、ファーネスブラックおよびチャンネル
ブラックなどの通常導電性樹脂組成物に適用されるもの
の中から任意に選択することができる。
上記導電性カーボンブラックの熱可塑性合成線状重合
体（Ａ）への配合量は、使用する導電性カーボブラック
の種類によって適正範囲が異なり、たとえば熱可塑性合
成線状重合体（Ａ）がポリアミドである場合に、アセチ
レンブラックでは20〜55重量％、とくに25〜35重量％、
ファーネスブラックでは５〜38重量％、とくに10〜35重
量％の範囲が好適である。これら配合量の適正範囲では
導電性カーボンブラックの粒度によっても異なり、一般
的には粒度が小さく、表面積の大きなものほど、比較的
低率の配合量ですぐれた導電性能を得ることができる。
体（Ａ）への配合量は、使用する導電性カーボブラック
の種類によって適正範囲が異なり、たとえば熱可塑性合
成線状重合体（Ａ）がポリアミドである場合に、アセチ
レンブラックでは20〜55重量％、とくに25〜35重量％、
ファーネスブラックでは５〜38重量％、とくに10〜35重
量％の範囲が好適である。これら配合量の適正範囲では
導電性カーボンブラックの粒度によっても異なり、一般
的には粒度が小さく、表面積の大きなものほど、比較的
低率の配合量ですぐれた導電性能を得ることができる。
上記導電性層と非導電性層の複合形態としては上記導
電性層をモノフィラメント断面の外周部に特定の条件で
点在させることが重要である。すなわち本発明の導電性
ブラシ用毛材は、上記導電性成分がモノフィラメントの
断面外周部の回転対称位置に点在し、その分割されて点
在する導電性成分の数が２〜10、とくに３〜８の整数
で、かつ各導電性成分１個の重量分率がモノフィラメン
トに対し４％以下、とくに3.5％以下となるような分割
点在複合構造であることを特徴としている。ここで分割
されて点在する導電性成分の数が２未満では、モノフィ
ラメントの物性および真円性が不十分となり、10を越え
るとモノフィラメントの直線性の低下が著しくなるため
好ましくない。また各導電性成分１個の重量分率がモノ
フィラメントに対し４％を越える場合にもモノフィラメ
ントの直線性および物性が低下するため好ましくない。
なお分割されて点在する導電性成分の大きさは、なるべ
く均一にすることが望ましいが、分割数の大きい場合に
はその大きさを任意に変化させることもできる。
電性層をモノフィラメント断面の外周部に特定の条件で
点在させることが重要である。すなわち本発明の導電性
ブラシ用毛材は、上記導電性成分がモノフィラメントの
断面外周部の回転対称位置に点在し、その分割されて点
在する導電性成分の数が２〜10、とくに３〜８の整数
で、かつ各導電性成分１個の重量分率がモノフィラメン
トに対し４％以下、とくに3.5％以下となるような分割
点在複合構造であることを特徴としている。ここで分割
されて点在する導電性成分の数が２未満では、モノフィ
ラメントの物性および真円性が不十分となり、10を越え
るとモノフィラメントの直線性の低下が著しくなるため
好ましくない。また各導電性成分１個の重量分率がモノ
フィラメントに対し４％を越える場合にもモノフィラメ
ントの直線性および物性が低下するため好ましくない。
なお分割されて点在する導電性成分の大きさは、なるべ
く均一にすることが望ましいが、分割数の大きい場合に
はその大きさを任意に変化させることもできる。
本発明の導電性ブラシ用毛材における導電性カーボン
ブラックを含有する熱可塑性合成線状重合体（Ａ）から
なる導電性層と熱可塑性合成線状重合体（Ａ）および／
または（Ｂ）からなる非導電層の複合比率は、導電性カ
ーボンブラックの種類と配合量によって異なるが、一般
的には導電性層がモノフィラメント重量の２〜35重量
％、とくに５〜20重量％を占める割合にすることが好適
である。
ブラックを含有する熱可塑性合成線状重合体（Ａ）から
なる導電性層と熱可塑性合成線状重合体（Ａ）および／
または（Ｂ）からなる非導電層の複合比率は、導電性カ
ーボンブラックの種類と配合量によって異なるが、一般
的には導電性層がモノフィラメント重量の２〜35重量
％、とくに５〜20重量％を占める割合にすることが好適
である。
ここで本発明の導電性ブラシ用毛材の複合構造につい
て、図面を用いてさらに具体的に説明する。第１図は本
発明の導電性ブラシ用毛材の拡大断面図であり、第２図
は通常の芯鞘型複合モノフィラメントの拡大断面図であ
る。第１図に示したように、本発明の導電性ブラシ用毛
材においては導電性層１が非導電性層２を主体とするモ
ノフィラメントの外周部に８個に分割されて回転対称に
点在しており、このような複合構造をとることによっ
て、導電性層の収縮が緩和され、直線性および真円性が
極めて改善される。一方第２図に示したように、たとえ
ば導電性層１を鞘成分とする通常の芯鞘型モノフィラメ
ントにおいては、芯成分である非導電性層２と導電性層
１との収縮性の差異に起因して、芯成分が偏芯し、モノ
フィラメントの直線性や真円性が極めて阻害されたもの
となるのである。
て、図面を用いてさらに具体的に説明する。第１図は本
発明の導電性ブラシ用毛材の拡大断面図であり、第２図
は通常の芯鞘型複合モノフィラメントの拡大断面図であ
る。第１図に示したように、本発明の導電性ブラシ用毛
材においては導電性層１が非導電性層２を主体とするモ
ノフィラメントの外周部に８個に分割されて回転対称に
点在しており、このような複合構造をとることによっ
て、導電性層の収縮が緩和され、直線性および真円性が
極めて改善される。一方第２図に示したように、たとえ
ば導電性層１を鞘成分とする通常の芯鞘型モノフィラメ
ントにおいては、芯成分である非導電性層２と導電性層
１との収縮性の差異に起因して、芯成分が偏芯し、モノ
フィラメントの直線性や真円性が極めて阻害されたもの
となるのである。
本発明の導電性ブラシ用毛材を構成する複合モノフィ
ラメントの溶融紡糸法にはとくに制限がなく、通常のス
クリュー型またはプレッシャーメルター型押出紡糸機を
用い、複合紡糸口金の内部または出口付近で複合成分を
合体させた後、急冷、延伸する方法が採用される。複合
モノフィラメントの延伸手段にもとくに制限がなく、乾
熱空気浴、温・熱水浴、水蒸気浴およびポリエチレング
リコールなどの液体熱媒浴などの延伸浴中で１段または
２段以上の多段にて1.5〜5.5倍とくに2.0〜4.5倍の延伸
倍率となるまで延伸することが望ましい。なお延伸に引
続いてまたはまた延伸後巻き取ったモノフィラメントに
ついて別工程で弛緩熱処理を行なうこともでき、この処
理によって延伸時に低下した物性をある程度回復させる
ことが可能である。弛緩熱処理は延伸した複合モノフィ
ラメントを上記熱可塑性合成線状重合体（Ａ）の融点±
35℃、とくに（融点−20℃）〜（融点＋20℃）の温度
で、０〜10％、とくに５〜10％弛緩させながら、１〜60
秒間、とくに1.5〜45秒間加熱処理することにより行な
うのが好ましく、弛緩熱処理雰囲気としては熱風循環式
の乾燥熱処理浴が好適である。
ラメントの溶融紡糸法にはとくに制限がなく、通常のス
クリュー型またはプレッシャーメルター型押出紡糸機を
用い、複合紡糸口金の内部または出口付近で複合成分を
合体させた後、急冷、延伸する方法が採用される。複合
モノフィラメントの延伸手段にもとくに制限がなく、乾
熱空気浴、温・熱水浴、水蒸気浴およびポリエチレング
リコールなどの液体熱媒浴などの延伸浴中で１段または
２段以上の多段にて1.5〜5.5倍とくに2.0〜4.5倍の延伸
倍率となるまで延伸することが望ましい。なお延伸に引
続いてまたはまた延伸後巻き取ったモノフィラメントに
ついて別工程で弛緩熱処理を行なうこともでき、この処
理によって延伸時に低下した物性をある程度回復させる
ことが可能である。弛緩熱処理は延伸した複合モノフィ
ラメントを上記熱可塑性合成線状重合体（Ａ）の融点±
35℃、とくに（融点−20℃）〜（融点＋20℃）の温度
で、０〜10％、とくに５〜10％弛緩させながら、１〜60
秒間、とくに1.5〜45秒間加熱処理することにより行な
うのが好ましく、弛緩熱処理雰囲気としては熱風循環式
の乾燥熱処理浴が好適である。
かくして本発明の導電性ブラシ用毛材は、単繊維の直
径が0.3〜3.0mmでかつ体積固有抵抗値が１×107Ω・cm
以下であり、しかも物性、直線性および真円性がすぐれ
たものであり、ヘアブラシを代表とする種々の用途に適
用が期待できる。
径が0.3〜3.0mmでかつ体積固有抵抗値が１×107Ω・cm
以下であり、しかも物性、直線性および真円性がすぐれ
たものであり、ヘアブラシを代表とする種々の用途に適
用が期待できる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳述する。
なお実施例における引張強度および引張伸度はJIS
Ｌ−1013に順じて測定した値であり、体積固有抵抗値は
東亜電波工業（株）製の極超絶縁計を用いて測定した値
である。
Ｌ−1013に順じて測定した値であり、体積固有抵抗値は
東亜電波工業（株）製の極超絶縁計を用いて測定した値
である。
（実施例） 硫酸相対粘度2.7のナイロン６に導電性ファーネスブ
ラックを27重量％混合し、二軸押出機により溶融混練し
た後、これを水中に押出し、ペレタイズ、乾燥して導電
性成分を調整した。
ラックを27重量％混合し、二軸押出機により溶融混練し
た後、これを水中に押出し、ペレタイズ、乾燥して導電
性成分を調整した。
一方硫酸相対粘度2.9のナイロン66を非導電性成分と
して用い、通常の複合紡糸法により、上記導電性成分と
の複合モノフィラメントを製造した。
して用い、通常の複合紡糸法により、上記導電性成分と
の複合モノフィラメントを製造した。
すなわち導電性成分がモノフィラメントの断面外周部
の回転対称位置に分割され点在する形態に複合し、口金
内部の構造を変えることにより、その点在数を表にした
ように種々変更した。
の回転対称位置に分割され点在する形態に複合し、口金
内部の構造を変えることにより、その点在数を表にした
ように種々変更した。
また吐出量を調整することにより、導電性成分の全体
に占める重量分率（以下複合比率という）を種々変更
し、表に示すような導電性成分分割型の断面形状を有す
る未延伸押出物を得た。
に占める重量分率（以下複合比率という）を種々変更
し、表に示すような導電性成分分割型の断面形状を有す
る未延伸押出物を得た。
未延伸押出物は押出し後、紡糸ノズル下10cmの箇所に
液面を有する60℃の温水浴にて冷却、固化した。引続い
て複合モノフィラメント未延伸物を90℃の熱水延伸浴に
導き、4.26倍に延伸することにより、直径0.58mmの延伸
モノフィラメントを得た。
液面を有する60℃の温水浴にて冷却、固化した。引続い
て複合モノフィラメント未延伸物を90℃の熱水延伸浴に
導き、4.26倍に延伸することにより、直径0.58mmの延伸
モノフィラメントを得た。
この延伸モノフィラメントを195℃の温度に調整した
熱風循環式の乾熱処理機に導き、８％弛緩させながら45
秒間熱処理した。なお弛緩熱処理速度は、巻上げ時の速
度が8m/分になるように調節した。
熱風循環式の乾熱処理機に導き、８％弛緩させながら45
秒間熱処理した。なお弛緩熱処理速度は、巻上げ時の速
度が8m/分になるように調節した。
かくして得られた、複合比率、導電性成分の分割数お
よび導電性成分１個の重量分率を相違する各種の複合モ
ノフィラメントについて、操業性、糸断面形状、ブラシ
用毛材としての直線性および物性を評価し、これらの結
果を表にまとめた。
よび導電性成分１個の重量分率を相違する各種の複合モ
ノフィラメントについて、操業性、糸断面形状、ブラシ
用毛材としての直線性および物性を評価し、これらの結
果を表にまとめた。
なおモノフィラメント断面の真円性については、長径
の平均値を短径の平均値で除した値が、1.04未満のもの
を◎、1.04以上1.07未満のものを○、1.07以上1.15未満
のものを△、15以上のものを×と評価した。
の平均値を短径の平均値で除した値が、1.04未満のもの
を◎、1.04以上1.07未満のものを○、1.07以上1.15未満
のものを△、15以上のものを×と評価した。
またブラシ用毛材としての直線性については、毛足長
さ３〜5cmのブラシ状に植毛した場合を想定し、５名の
判定者の常識的な判断に基づいて◎〜良好、○〜ほぼ良
好、△〜やや不良、×〜不良と判定した。
さ３〜5cmのブラシ状に植毛した場合を想定し、５名の
判定者の常識的な判断に基づいて◎〜良好、○〜ほぼ良
好、△〜やや不良、×〜不良と判定した。
表の結果から明らかなように、本発明のブラシ用毛材
（No.2、３、６、７、８、９、12、13、14、17および1
8）は、いずれもすぐれた導電性、真円性、直線性およ
び製糸性を備えている。
（No.2、３、６、７、８、９、12、13、14、17および1
8）は、いずれもすぐれた導電性、真円性、直線性およ
び製糸性を備えている。
これに対し導電性成分の分割数が１の場合、すなわち
二重芯鞘の場合（No.1）は、鞘部の厚さにバラツキが発
生し易く、真円性および直線性が不満足である。また導
電性成分の分割数が10を越えると（No.4、10、15および
19）、導電性成分が分割された後、再び連結するため、
真円性や直線性が阻害される。
二重芯鞘の場合（No.1）は、鞘部の厚さにバラツキが発
生し易く、真円性および直線性が不満足である。また導
電性成分の分割数が10を越えると（No.4、10、15および
19）、導電性成分が分割された後、再び連結するため、
真円性や直線性が阻害される。
また導電性成分１個の重量分率がモノフィラメントに
対して４％を越えると（No.5、11、16、20および21）、
導電性成分が均等分配され難く、かつ、分割後の再連結
も生じ易いため、非導電性成分との収縮率の差が明確と
なって、モノフィラメントの直線性が悪化する。
対して４％を越えると（No.5、11、16、20および21）、
導電性成分が均等分配され難く、かつ、分割後の再連結
も生じ易いため、非導電性成分との収縮率の差が明確と
なって、モノフィラメントの直線性が悪化する。
なお導電性成分は、導電性能付与を目的として多量の
カーボンブラックを含有しているため、延伸モノフィラ
メントの機械的強度の面からはできるだけ少量を使用す
ることが得策である。表からも明らかなように、導電性
と機械的強度を兼備させるためには５重量％の添加です
でに目標を達成する条件を選択することができる。表の
No.20および21からは、操業上の安定性、製造原価およ
び機械的強度のいずれの面からも、導電性成分を40重量
％を越えて使用することが無意味であることが明らかで
ある。
カーボンブラックを含有しているため、延伸モノフィラ
メントの機械的強度の面からはできるだけ少量を使用す
ることが得策である。表からも明らかなように、導電性
と機械的強度を兼備させるためには５重量％の添加です
でに目標を達成する条件を選択することができる。表の
No.20および21からは、操業上の安定性、製造原価およ
び機械的強度のいずれの面からも、導電性成分を40重量
％を越えて使用することが無意味であることが明らかで
ある。
（発明の効果） 以上説明したように、本発明導電性ブラシ用毛材は、
単繊維の直径が0.3〜3.0mmでかつすぐれた物性、耐久
性、直線性、真円性および１×107Ω・cm以下の体積固
有抵抗値を有しており、ヘアブラシなどの化粧用ブラシ
以外にも、耐久性のすぐれた除電ブラシや導電性搬送ベ
ルト用基布織物などの種々の用途に有用である。
単繊維の直径が0.3〜3.0mmでかつすぐれた物性、耐久
性、直線性、真円性および１×107Ω・cm以下の体積固
有抵抗値を有しており、ヘアブラシなどの化粧用ブラシ
以外にも、耐久性のすぐれた除電ブラシや導電性搬送ベ
ルト用基布織物などの種々の用途に有用である。
第１図は本発明の導電性ブラシ用毛材の拡大断面図であ
り、第２図は通常の芯鞘型複合モノフィラメントの拡大
断面図である。 １〜導電性層 ２〜非導電性層
り、第２図は通常の芯鞘型複合モノフィラメントの拡大
断面図である。 １〜導電性層 ２〜非導電性層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−31111（ＪＰ，Ａ) 特開 昭56−169816（ＪＰ，Ａ) 特開 昭54−134117（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−174626（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−228675（ＪＰ，Ａ) 実開 昭57−111874（ＪＰ，Ｕ)
Claims (1)
- 【請求項１】熱可塑性合成線状重合体（Ａ）と導電性カ
ーボンブラックを混練した組成物からなる導電性成分お
よび熱可塑性合成線状重合体（Ａ）および／または熱可
塑性合成線状重合体（Ｂ）からなる非導電性成分を溶融
複合紡糸して得られる直径が0.3〜3.0mmのモノフィラメ
ントからなる導電性ブラシ用毛材であって、上記導電性
成分がモノフィラメントの断面外周部の回転対称位置に
点在し、その分割されて点在する導電性成分の数が２〜
10の整数で、かつ各導電性成分１個の重量分率がモノフ
ィラメントに対し４％以下であることを特徴とする導電
性ブラシ用毛材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60105954A JPH0819569B2 (ja) | 1985-05-20 | 1985-05-20 | 導電性ブラシ用毛材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60105954A JPH0819569B2 (ja) | 1985-05-20 | 1985-05-20 | 導電性ブラシ用毛材 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61266615A JPS61266615A (ja) | 1986-11-26 |
| JPH0819569B2 true JPH0819569B2 (ja) | 1996-02-28 |
Family
ID=14421217
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP60105954A Expired - Fee Related JPH0819569B2 (ja) | 1985-05-20 | 1985-05-20 | 導電性ブラシ用毛材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0819569B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2019065681A1 (ja) * | 2017-09-28 | 2019-04-04 | 東レ株式会社 | 導電性複合繊維 |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0216123U (ja) * | 1988-07-13 | 1990-02-01 | ||
| JP2561075Y2 (ja) * | 1989-10-20 | 1998-01-28 | 住友電気工業株式会社 | 整髪用具 |
| JPH0420303A (ja) * | 1990-05-14 | 1992-01-23 | Toray Ind Inc | ブラシ |
| JPH0576584U (ja) * | 1992-03-26 | 1993-10-19 | アロン化成株式会社 | 曲管清掃具 |
Family Cites Families (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS54134117A (en) * | 1978-04-07 | 1979-10-18 | Unitika Ltd | Antistatic synthetic fibers |
| JPS56169816A (en) * | 1980-05-27 | 1981-12-26 | Unitika Ltd | Electrically conductive fiber |
| JPS57111874U (ja) * | 1980-12-26 | 1982-07-10 | ||
| JPS5831111A (ja) * | 1981-08-12 | 1983-02-23 | Kanebo Ltd | 導電性複合繊維を含有する混繊糸 |
| JPS58174626A (ja) * | 1982-04-01 | 1983-10-13 | Toray Ind Inc | 除電ブラシ用アクリル系導電性繊維 |
| JPS59228675A (ja) * | 1983-06-10 | 1984-12-22 | Fuji Xerox Co Ltd | 電子複写機の帯電装置 |
-
1985
- 1985-05-20 JP JP60105954A patent/JPH0819569B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2019065681A1 (ja) * | 2017-09-28 | 2019-04-04 | 東レ株式会社 | 導電性複合繊維 |
| JPWO2019065681A1 (ja) * | 2017-09-28 | 2020-09-10 | 東レ株式会社 | 導電性複合繊維 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61266615A (ja) | 1986-11-26 |
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