JPH08194907A - 磁気ヘッド - Google Patents

磁気ヘッド

Info

Publication number
JPH08194907A
JPH08194907A JP2453595A JP2453595A JPH08194907A JP H08194907 A JPH08194907 A JP H08194907A JP 2453595 A JP2453595 A JP 2453595A JP 2453595 A JP2453595 A JP 2453595A JP H08194907 A JPH08194907 A JP H08194907A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tape
magnetic
core
slider
magnetic head
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2453595A
Other languages
English (en)
Inventor
Eikichi Ariga
英吉 有賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nidec Instruments Corp
Original Assignee
Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd filed Critical Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2453595A priority Critical patent/JPH08194907A/ja
Publication of JPH08194907A publication Critical patent/JPH08194907A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Heads (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 テープと磁気ギャップとのスペーシングロス
を小さくしテープタッチを良好とし、しかもテープのベ
ース厚みが変更されたような場合も短時間に良好なテー
プタッチを得る。 【構成】 突き合わせ面で磁気ギャップ2aを構成する
一対の磁気コア片2c,2dとこの磁気コア片2c,2
dを支持するテープスライダーとを溶融した非磁性材1
2を固化させることにより接合している。磁気コア片2
c,2dのギャップ2a周辺のコア凸部81d,81e
とテープスライダーに形成され、このコア凸部81d,
81eを挟み十字状にクロスする形で形成されるスライ
ダー凸部42dと両凸部間に介在する非磁性材12の非
磁性凸部12a,12bとで凸状のテープ摺動面を構成
している。そして、コア凸部の磁気ギャップ2a近傍の
幅W3 を、テープ摺動方向の両端部に近づくに従い狭く
し、両端部では幅W4 としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ヘッドに関する。
更に詳述すると、本発明は、磁気ギャップとそのギャッ
プ上を摺動するテープとのスペーシングロスを極力小さ
く出来る磁気ヘッドの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ギャップとそのギャップ上を摺動す
るテープとのスペーシングロスを極力小さく出来る磁気
ヘッドの一例が、米国特許第5,055,959号に示
されている。この米国特許第5,055,959号に開
示されている磁気ヘッドの概要を図12に示す。
【0003】この磁気ヘッド90は、磁気ギャップ98
の周辺に十字形の摺動面94,94を形成するテープス
ライダー92を有している。摺動面94,94は、高さ
がHで長さがLの凸状とされている。そして、摺動面9
4,94には、テープ96の走行方向に対し直角方向、
即ち、テープ幅方向となる軸100に沿って、狭い幅W
2 を持つ第二の摺動部94bと、広い幅W1 を持ち、か
つ磁気ギャップ98を含む第一の摺動部94aとが交互
に隣接して設けられている。
【0004】このような構成をとっているため、テープ
摺動に伴って次のようなステップで摺動面94に摩耗が
生じる。軸100に沿う摺動面94の当初(t=0)の
高さは、図13に示されるように、どの場所でもHとな
っている。しかし、磁気記録再生装置が作動し、テープ
96と磁気ヘッド組90との間に摺動が生じると、摩耗
が始まるが、その摩耗は場所によりその程度が異なる。
即ち、テープ96の摺動面94,94に対する単位面積
当たりの圧力は、ギャップ98及びその近傍では、広い
面、即ち、幅広の第一の摺動部94aの面でテープ96
の圧力を受けるので、小さくなる。一方、ギャップ98
から軸100に沿って離れた位置では、テープ96の圧
力を幅の狭い第二の摺動部94bで受けるので、単位面
積当たりの圧力は大きくなる。このため、ギャップ98
から離れた場所では、摩耗が激しく、ギャップ98及び
その近傍は、摩耗が少ない状況となり、次第に出っ張る
形となる。なお、この出っ張りは、ある一定以上になる
と、テープ96との摩擦が他の部分より大きくなり、削
られる。この結果、一定の高さを持った出っ張りがギャ
ップ98及びその近傍に生じる。図13に、一定時間経
過後(t=tx)の軸100に沿う摺動面94の高さの
状況を示す。このようにして、磁気ギャップ98とのス
ペーシングロスが小さい磁気記録再生装置が構築され
る。このヘッド原理は米国特許第5055959号に開
示されているものの、ヘッドとしての構成が具体的に開
示されていない。
【0005】そこで、本出願人はこのヘッド原理を研
究、改良した結果、図11に示す磁気ヘッドを具体化し
た。この磁気ヘッドは、スライダー第一部材82wと、
スライダー第二部材82yの切り欠き82cとで形成さ
れた穴部82aに、磁気ギャップ81aを構成する一対
の磁気コア片81b,81cが入れられ、その隙間には
非磁性材83が充填される構造となっている。
【0006】スライダー第二部材82yのスライダー凸
部82bの高さHは、磁気コア片81b,81cのコア
凸部81d,81eと同じ高さ面となるように設定され
ている。また、コア凸部81d,81eのテープ幅方向
の両側に配され、かつ台形状に形成される非磁性凸部8
3a,83bも、スライダー凸部82bやコア凸部81
d,81eと同じ高さHに設定される。一方、スライダ
ー凸部82bの幅W2は、コア凸部81d,81eの各
長さを足した幅W1 より狭くなっている。非磁性凸部8
3a,83bは、スライダー凸部82bの近傍では、幅
W2 とされ、コア凸部81d,81eに近づくに従い幅
広とされ、コア凸部81d,81eに接する部分は、幅
W1 となり最も広くなっている。
【0007】このようにして、スライダー凸部82bと
コア凸部81d,81eと非磁性凸部83a,83b
が、テープ摺動面を構成する形となっている。なお、非
磁性材83の摩耗特性は、スライダー凸部82bやコア
凸部81d,81eと略等しくなるように設定されてい
る。
【0008】このように構成された磁気ヘッドが磁気記
録再生装置に組み込まれ、磁気テープが矢示c方向に駆
動される場合と、図13に示されるものと同様な経過
で、一定の高さを持った出っ張りがギャップ81a及び
その近傍に生じる。このようにして、磁気ギャップ81
aとのスペーシングロスが小さく、テープタッチの良好
な磁気記録再生装置が構築される。
【0009】そして、この磁気ヘッドでは、テープ摺動
面の摩耗特性を同一にするため、磁気コア片81b,8
1cとテープスライダー82とを同材質あるいは同じ組
成でも結晶構造などに違いがある同材質系からなる部材
で構成している。しかしながら、この結果、両者を直
接、接合すると磁気ヘッドのインダクタンスが上昇して
しまい、コイル巻数を多くとることが出来ず、ヘッド感
度が小さくなる問題が生ずる。この問題に対し、本磁気
ヘッドでは、非磁性材83を介してテープスライダー8
2に固定しているので、磁気的結合は弱く、磁気ヘッド
のインダクタンスは上昇しないという利点を有してい
る。
【0010】なお、磁気ヘッドのインダクタンスを上昇
させないようにするには、磁気コア片81b,81cと
テープスライダー82との間隔を大きくすれば良いが、
単純に間隔を大きくするだけであると、磁気ギャップ8
1a,81aとその周辺の面圧を下げて、その部分を出
っ張らすという構成が取れなくなり、スペーシングロス
が大きくなる。これに対し、本磁気ヘッドは、非磁性材
の活用により、米国特許第5,055,959号に開示
されている磁気ヘッドの良さを維持すると共に、磁気ヘ
ッドのインダクタンスが上昇せず、ヘッド感度を大きく
出来るという良さを併せ持つ磁気ヘッドを得ることが出
来る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
の磁気ヘッドは、下位機種との互換性の確保のためなど
で古いタイプの記録媒体へも対応可能とする必要があ
る。しかし、記録媒体の種類が異なるとそのベース厚み
も異なることが多く、そのようなベース厚みが異なる記
録媒体が磁気記録再生装置にセットされると、この磁気
ヘッドは、磨耗しにくいが故に良好なテープタッチがと
れるまでに時間がかかるといった問題が生ずる。即ち、
この磁気ヘッドは、同じテープが何度もこの磁気ヘッド
上を摺動することにより、そのテープに合わせて磁気ギ
ャップ81a,81aとその周辺が出っ張り、その特定
のテープにとって良好なテープタッチが得られる。しか
し、その特定のテープとはテープ組成やベース厚みなど
が異なる他のタイプのテープがセットされると、磁気ギ
ャップ81a,81aとその周辺の出っ張りは、そのベ
ース厚みが異なるテープに対しては良好なテープタッチ
とはならず、再度磨耗が始まり、その異なるタイプのテ
ープに合った出っ張りとなる。このとき、コア凸部81
d,81eの各長さを足した幅W1 が、スライダー凸部
82bの幅W2 より大きいため、その出っ張り部は、磨
耗されにくい。これは、コア凸部81d,81eにおけ
る、テープの単位面積当たりの圧力が、他のテープ摺動
面であるスライダー凸部82bより小さくなるからであ
る。このように磁気ギャップ81a,81aとその周辺
の出っ張り部が磨耗されにくいため、異なるタイプのテ
ープに合った出っ張りが得られるまで、即ち異なるタイ
プのテープに対し良好なテープタッチがとれるまでに時
間がかかるとことになる。
【0012】本発明は、テープと磁気ギャップとのスペ
ーシングロスが小さくテープタッチの良好な磁気ヘッド
で、しかも異なるタイプのテープがセットされたような
場合も短時間に良好なテープタッチが得られる磁気ヘッ
ドを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、請求項1の発明は、突き合わせ面で磁気ギャップを
構成する一対の磁気コア片と、この磁気コア片を支持す
るテープスライダーとを溶融した非磁性材を固化させる
ことにより接合し、磁気コア片のギャップ周辺のコア凸
部と、テープスライダーに形成されこのコア凸部を挟み
十字状にクロスする形で形成されるスライダー凸部と、
両凸部間に介在する非磁性材の非磁性凸部とで凸状のテ
ープ摺動面を構成し、コア凸部の幅を、テープ摺動方向
の両端部に近づくに従い狭くしている。
【0014】また、請求項2の発明は、請求項1の磁気
ヘッドにおいて、凸状のテープ摺動面のテープ幅方向の
少なくとも一方の側端近傍にテープ摺動方向に延びる溝
を設けている。
【0015】
【作用】したがって、上記のように構成された磁気ヘッ
ドでは、一対の磁気コア片を突き合わせて磁気ギャップ
を形成するように、非磁性材を介してテープスライダー
に固定すれば、この磁気コア片のギャップ周辺のコア凸
部とテープスライダーのスライダー凸部と前記両凸部と
同じ高さの非磁性材とが凸状のテープ摺動面を構成する
ようになる。また、テープスライダーと磁気コア片とを
非磁性材を介して溶着しているので、磁気的結合が弱く
なる。しかも、コア凸部の幅をテープ摺動方向の両端部
に近づくに従い狭くしているので、コア凸部周辺の面積
が減少し、コア凸部におけるテープの単位面積当たりの
圧力の減少がそれほど大きくはならない。
【0016】また、凸状のテープ摺動面のテープ幅方向
の少なくとも一方の側端近傍にテープ摺動方向に延びる
溝が設けられるので、テープと磁気ヘッドとの間に閉じ
こめられる空気がその溝から外部へ逃がされ、圧力が高
まるのを防いでいる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の構成を図面に示す実施例に基
づいて詳細に説明する。
【0018】図1及び図2に本発明の磁気ヘッドの正面
及び下面から見た全体構成を示す。この磁気ヘッドは、
各二つずつの磁気ギャップを持つ三つの磁気ヘッド組
1,2,3から構成されている記録再生ヘッドである。
第一の磁気ヘッド組1は、テープスライダー41と、そ
の穴部41a,41bに一個ずつ配置される二つの記録
用の磁気ギャップ1a,1bを構成する二つのヘッドチ
ップとから主になる。第二の磁気ヘッド組2及び第三の
磁気ヘッド組3も、第一の磁気ヘッド組1と同様に構成
される。即ち、第二の磁気ヘッド組2は、テープスライ
ダー42と、その穴部42a,42bに一個ずつ配置さ
れる二つの再生用の磁気ギャップ2a,2bを構成する
二つのヘッドチップとから主になり、第三の磁気ヘッド
組3は、テープスライダー43と、その穴部43a,4
3bに一個ずつ配置される二つの記録用の磁気ギャップ
3a,3bを構成する二つのヘッドチップとから主にな
る。
【0019】テープスライダー41,42の両者の間に
は、スペース部材51が、また、テープスライダー4
2,43の両者の間には、スペース部材52がそれぞれ
配置されている。また、テープスライダー41とケース
7との間には、磁気テープを安定的に走行させるための
部材であるアウトリガー61が、テープスライダー43
とケース7との間には、アウトリガー62がそれぞれ配
置されている。そして三つのテープスライダー41,4
2,43等がケース7に嵌合された状態で、ヘッドプレ
ート8に固定される。このように構成された磁気ヘッド
は、図示しない磁気記録再生装置に組み込まれ、位置決
めピン9とヘッドプレート8に開けられた取り付け孔8
1,81とにより、位置決め固定される。なお、ヘッド
プレート8の下面に見える十字小ネジ10,10は、磁
気ヘッドを組み立てる際の位置決め調整の基準として使
われるもので、具体的には、カメラでその映像が取り込
まれ、その映像に基づき位置調整が行われる。
【0020】図3から図5に、三つの磁気ヘッド組1,
2,3のうち、第二の磁気ヘッド組2の詳細構成を示
す。なお、他の磁気ヘッド組1,3は第二の磁気ヘッド
組2と同様な構成となっているので、説明は省略する。
【0021】第二の磁気ヘッド組2のテープスライダー
42は、フィールドスルーを低減させるため磁気コア片
と同材質あるいは同じ組成でも結晶構造などの違いがあ
る同材質系の材料、例えばフェライト等の酸化物磁性材
料からなる直方体形状のスライダー第一部材42wと、
同じくフェライト等の酸化物磁性材料からなる棒状のス
ライダー第二部材42yとから構成されている。なお、
この両部材42w,42yは、磁気インダクタンスの上
昇を抑えるため、共に600〜800℃の高温大気中で
アニール処理され、磁気特性が劣化させられているが必
ずしも磁気特性を劣化させる必要はない。そして、スラ
イダー第二部材42yには、穴部42a,42bを形成
するための切欠き42e,42fと、テープと摺動する
凸状のスライダー凸部42dとが設けられている。
【0022】この穴部42a,42bには、それぞれ一
対の磁気コア片2c,2dが入れられている。そして、
一対の磁気コア片2c,2dの突き合わせ面のどちらか
一方にセンダスト等の金属磁性膜が被着されており、そ
の突き合わせ面で磁気ギャップ2a,2bを構成してい
る。各磁気コア片2c,2dは、スライダー第一、第二
部材42w,42yと同材質または同材質系の磁性材料
からなり、それぞれに図示しないコイルが巻回されてい
る。また、磁気コア片2c,2dには、磁気ループを構
成するように、フェライト等の酸化物磁性材料からなる
磁気コア片2eが接合されている。これらの磁気コア片
2c,2d,2eとコイルで磁気ヘッドチップ21,2
2を構成し、各磁気ヘッドチップ21,22は、ガラス
等の非磁性材12を介して、スライダー第一部材42w
やスライダー第二部材42yに溶着支持されている。
【0023】この溶着支持は、図6に示されるように、
テープスライダー42の穴部42a,42bに入れられ
た二つの磁気ヘッドチップ21,22を治具11でその
状態に保持し、溶融した非磁性材12により、ボンディ
ングすることによりなされる。即ち、溶融した非磁性材
12をテープスライダー42と磁気ヘッドチップ21,
22の間の隙間に入れ、冷却固化することにより両者が
溶着される。
【0024】テープスライダー42に非磁性材12を介
して溶着支持された二つの磁気ヘッドチップ21,22
の回りには、それらを囲むように、シールドケース2h
が設けられており、そして、このシールドケース2h内
の空間に樹脂材を注入し、二つの磁気ヘッドチップ2
1,22を封止している。なお、外部と磁気ヘッドチッ
プ21,22のコイル等とを電気的に接続するための複
数の端子を有する端子部2gが磁気ギャップ2a,2b
とは反対側に突き出ている。
【0025】次に、このように構成された第二の磁気ヘ
ッド組2の磁気ギャップ2aの周辺構造について、図5
の中の拡大図及び図7に基づき説明する。スライダー第
一部材42wとスライダー第二部材42yの切り欠き4
2eとで形成された穴部42aには、一対の磁気コア片
2c,2dが入れられ、その隙間には非磁性材12が充
填されている。
【0026】そして、スライダー第二部材42yのスラ
イダー凸部42dの高さHは、磁気コア片2c,2dの
コア凸部2c1,2d1の最も高い部分と同じ高さ面となる
ように設定されている。このコア凸部2c1,2d1は、テ
ープ摺動方向の両端部に近づくに従い、その幅が狭くな
っている。即ち、コア凸部2c1,2d1は、磁気ギャップ
2a,2bの近傍においては幅W3 となっているが、テ
ープ摺動方向(矢示c)の両端部に近づくに従い、その
幅が狭くなり、コア凸部2c1,2d1の両端部では幅W4
とかなり狭くなっている。このため、コア凸部周辺の面
積がかなり減少し、コア凸部におけるテープの単位面積
当たりの圧力の減少がそれほど大きくはならない。
【0027】また、コア凸部2c1,2d1は、図5の中の
拡大図に示されるように、スライダー凸部42dと重な
る部分は、スライダー凸部42dの高さHと同じ高さで
あるが、その重なりから外れる部分は、テープ摺動方向
の両端部に近づくに従い低くなり、コア凸部2c1,2d1
の両端部では最も高い部分に比べLの値だけ低くなって
いる。この構成により、コア凸部周辺のテープとの接触
面積は一層減少し、コア凸部におけるテープの単位面積
当たりの圧力の減少は一層少なくなる。そして、スライ
ダー凸部42dの幅W2 は、コア凸部2c1,2d1の各長
さを足した幅W1 より狭くなっている。
【0028】一方、スライダー凸部42dと磁気コア片
2c,2dのコア凸部2c1,2d1の間に充填されている
非磁性材12の高さは、両凸部42d,2c1,2d1と同
じ高さHになるように形成され、非磁性凸部12a,1
2bとされている。なお、この非磁性凸部12a,12
bは、台形状に形成されている。即ち、スライダー凸部
42dの近傍は、幅W2 とされ、コア凸部2c1,2d1に
近づくに従い幅広とされ、コア凸部2c1,2d1に接する
部分は、幅W1 となり最も広くなっている。
【0029】このようにして、スライダー凸部42dと
コア凸部2c1,2d1と非磁性凸部12a,12bが、テ
ープ摺動面を構成する形となっている。なお、非磁性材
12の摩耗特性は、スライダー凸部42dやコア凸部2
c1,2d1と略等しくなるように設定されている。
【0030】次に、以上のように構成された磁気ヘッド
の摩耗状況について説明する。
【0031】磁気記録再生装置に組み込まれた磁気ヘッ
ドのテープ摺動面の当初(t=0)の高さは、図8に示
されるように、どの場所でもHとなっている。しかし、
磁気記録再生装置が作動し、図示しないテープがテープ
摺動面上を矢示C方向に摺動すると、摩耗が生じ始め
る。その際、テープ摺動面を構成するコア凸部2c1,2
d1における、テープの単位面積当たりの圧力は、他のテ
ープ摺動面であるスライダー凸部42dより小さくな
る。これは、コア凸部2c1,2d1の各長さを足した幅W
1 が、スライダー凸部42dの幅W2 より大きいためで
ある。このため、スライダー凸部42dは、摩耗が激し
く、コア凸部2c1,2d1は、摩耗が少ない状況となり、
図8に示されるように、次第にコア凸部2c1,2d1が出
っ張る形となる(t=ta)。なお、非磁性凸部12
a,12bは、スライダー凸部42dとコア凸部2c1,
2d1をつなぐ形で摩耗される。なお、この非磁性凸部1
2a,12bを両凸部42d,2c1,2d1より摩耗率が
大きい材料にしたとしても、若干窪みの程度が大きくな
るが、つなぐ形での摩耗は同様になされる。これは、非
磁性凸部12a,12bの幅がある程度広く形成されて
いるからである。このようにして、次第にコア凸部2c
1,2d1が出っ張る。この出っ張りは、ある一定以上に
なると、テープとの摩擦が他の部分より大きくなり、削
られる。この結果、一定の高さを持った出っ張りがギャ
ップ1a,1b,2a,2b,3a,3b及びその近傍
に生じる。図8に、一定時間経過後(t=tx)のテー
プ摺動面の高さの状況を示す。このようにして、テープ
と磁気ギャップ1a,1b,2a,2b,3a,3bと
のスペーシングロスが小さく良好なテープタッチとなる
磁気記録再生装置が構築される。そして、このテープ
は、その磁気ヘッドが組み込まれた磁気記録再生装置に
対して繰り返し使用される。例えば、ストリーマと呼ば
れているコンピュータ装置のバックアップ用磁気記録再
生装置では、数年に亙って同じテープまたは同じタイプ
のテープが使用される。
【0032】しかし、この磁気記録再生装置が異なるタ
イプのテープにも対応できるようになっている場合、何
らかの理由で当初セットされた特定のテープとはベース
厚みが異なるテープをセットする場合がある。すると、
磁気ギャップ1a,1b,2a,2b,3a,3bとそ
の周辺の出っ張りは、そのベース厚みが異なるテープに
対しては良好なテープタッチとはならない。そのため、
再度磨耗が始まり、その新テープに合った出っ張りとな
る(図8の破線で示す出っ張り参照)。この時、コア凸
部2c1,2d1の両端部では幅W4 とかなり狭くなってお
り、しかも最も高い部分に比べLの値だけ低くなってい
るので、コア凸部2c1,2d1周辺のテープとの接触面積
はかなり減少し、コア凸部2c1,2d1におけるテープの
単位面積当たりの圧力の減少がかなり押さえられる。こ
の結果、出っ張りの再磨耗は早い速度で行われる。
【0033】なお、上述の実施例は、本発明の好適な実
施例の一例ではあるが、これに限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実
施可能である。例えば、コア凸部2c1,2d1の幅を、テ
ープ摺動方向の両端部に行くに従い狭くする構成に加
え、図9のように、ガラス等の非磁性材12の部分に2
本の溝12c,12cをコア凸部2c1,2d1と接触する
ように設けたり、図10のように1本の溝12cをコア
凸部2c1,2d1と接触しないように設けたりして、テー
プと磁気ヘッドとの間に閉じこめられる空気がその溝1
2cから外部へ逃がされ、圧力が高まるのを防ぐように
しても良い。このようにすると、磁気ヘッドに対するテ
ープタッチが一層良好となる。なお、この溝は、図9の
ように穴部42a,42bの端から端まで形成するよう
にしたり、図10のように穴部42a,42bの端から
端までではなく、テープ摺動面から徐々に低くなる斜面
上で終えるようにしても良い。
【0034】また、コア凸部2c1,2d1の幅をテープ摺
動方向の両端部に近づくに従い狭くする構成とは、図1
0のように、磁気ギャップ2aの周辺は同じ幅にし、磁
気ギャップ2aから離れた部分を順次狭くする構造を含
むものである。更に、図9や図10に示されるように、
コア凸部2c1,2d1のスライダー凸部42dと重なる部
分及びその重なりから外れる部分を共にスライダー凸部
42dの高さHと同じくするようにしても良い。
【0035】また、上述の実施例は、テープ側が動く磁
気記録再生装置の例であるが、本発明の磁気ヘッドは、
磁気ヘッドが駆動するシステムにも利用出来る。また、
テープとしては、通常の磁気テープの他、通帳やクレジ
ットカード等の磁気媒体が利用できる。更に、テープス
ライダー42は、スライダー第一部材42wとスライダ
ー第二部材42yの二部材とされているが、スライダー
凸部42dを更に別部材としても良い。その際、スライ
ダー凸部42dと磁気コア片2c,2dのみを同材質と
し、テープスライダー42の他の部材は、真鍮や鉄等の
コストの安い材料を使うようにしても良い。
【0036】本発明は、テープと磁気ギャップ1a,
…,3bとのスペーシングロスを小さくする磁気ヘッド
を得ることを主たる目的とするが、そのような磁気ヘッ
ドだけに適用されるものではない。即ち、突き合わせ面
で磁気ギャップを構成する一対の磁気コア片と、この磁
気コア片を支持するテープスライダーとを、溶融した非
磁性材を固化させることにより接合するようにした磁気
ヘッド一般に適用できるものである。
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
では、磁気ヘッドを、突き合わせ面で磁気ギャップを構
成する一対の磁気コア片とこの磁気コア片を支持するテ
ープスライダーとを溶融した非磁性材を固化させること
により接合し、磁気コア片のギャップ周辺のコア凸部と
テープスライダーのこのコア凸部を挟み十字状にクロス
する形で形成されるスライダー凸部と両凸部間に介在す
る非磁性材の非磁性凸部とで凸状のテープ摺動面を構成
し、コア凸部の幅を、テープ摺動方向の両端部に近づく
に従い狭くしているので、テープと磁気ギャップとのス
ペーシングロスが小さくテープタッチの良好な磁気ヘッ
ドで、しかもテープのベース厚みが変更されたような場
合も短時間に良好なテープタッチが得られる磁気ヘッド
を得ることができる。
【0038】加えて、凸状のテープ摺動面のテープ幅方
向の少なくとも一方の側端近傍にテープ摺動方向に延び
る溝を設け、テープと磁気ヘッドとの間に閉じこめられ
る空気をその溝から外部へ逃がし、圧力が高まるのを防
いでいるため、テープタッチの一層良好な磁気ヘッドを
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気ヘッドを正面から見た全体構成図
である。
【図2】本発明の磁気ヘッドを下方から見た全体構成図
である。
【図3】本発明の磁気ヘッドを構成する三つの磁気ヘッ
ド組のうちの1つを示す正面図である。
【図4】図3の矢示IVから見た磁気ヘッド組の側面図で
ある。
【図5】図3の矢示Vから見た磁気ヘッド組の側面図及
びその一部拡大図である。
【図6】テープスライダーと磁気ヘッドチップの溶着方
法の説明図である。
【図7】本発明の磁気ヘッドの磁気ギャップ周辺の詳細
構成図である。
【図8】本発明の磁気ヘッドのテープ摺動面の摩耗状況
を示すグラフである。
【図9】本発明の磁気ヘッドの第二の実施例を示す図
で、(A)はその一部の正面図で、(B)は(A)の矢
示Bから見た側面図である。
【図10】本発明の磁気ヘッドの第三の実施例を示す図
で、(A)はその一部の正面図で、(B)は(A)の矢
示Bから見た側面図である。
【図11】米国特許第5,055,959号に開示され
た技術に基づき、出願人が先に開発し、実用に供し得る
ようにした磁気ヘッドの構成図である。
【図12】従来の磁気ヘッドの構成図である。
【図13】従来の磁気ヘッドのテープ摺動面の摩耗状況
を示すグラフである。
【符号の説明】
1a,1b,2a,2b,3a,3b 磁気ギャップ 2c,2d 磁気コア片 2c1,2d1 コア凸部 12 非磁性材 12a,12b 非磁性凸部 12c 溝 41,42,43 テープスライダー 42d スライダー凸部 W3 ,W4 コア凸部の幅

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】突き合わせ面で磁気ギャップを構成する一
    対の磁気コア片と、この磁気コア片を支持するテープス
    ライダーとを溶融した非磁性材を固化させることにより
    接合し、上記磁気コア片のギャップ周辺のコア凸部と、
    上記テープスライダーに形成され、このコア凸部を挟み
    十字状にクロスする形で形成されるスライダー凸部と、
    前記両凸部間に介在する非磁性材の非磁性凸部とで凸状
    のテープ摺動面を構成し、上記コア凸部の幅を、テープ
    摺動方向の両端部に近づくに従って狭くしたことを特徴
    とする磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】前記凸状のテープ摺動面のテープ幅方向の
    少なくとも一方の側端近傍にテープ摺動方向に延びる溝
    を設けたことを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド。
JP2453595A 1995-01-20 1995-01-20 磁気ヘッド Pending JPH08194907A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2453595A JPH08194907A (ja) 1995-01-20 1995-01-20 磁気ヘッド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2453595A JPH08194907A (ja) 1995-01-20 1995-01-20 磁気ヘッド

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08194907A true JPH08194907A (ja) 1996-07-30

Family

ID=12140855

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2453595A Pending JPH08194907A (ja) 1995-01-20 1995-01-20 磁気ヘッド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08194907A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3161733B2 (ja) 複合型磁気ヘッド
JPH08194907A (ja) 磁気ヘッド
JPH0836727A (ja) 磁気ヘッド
JPH0836707A (ja) 磁気ヘッド
JPH08194910A (ja) 磁気ヘッド
JPH0836708A (ja) 磁気ヘッド
JPH08194917A (ja) 磁気ヘッド
JPH0916903A (ja) ビデオカセットレコーダ用磁気ヘッド及びその製造方法
JPH04134608A (ja) 磁気ヘッド
JP2725878B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド
JPH04285709A (ja) 磁気ヘッド
JP3191079B2 (ja) 磁気ヘッド
JP3142452B2 (ja) 磁気ヘッド
JP2541902Y2 (ja) 磁気ヘッド用シールドケース
JPH0333927Y2 (ja)
JPH06180833A (ja) 浮動磁気ヘッド
JPH0439736B2 (ja)
JPH06101104B2 (ja) 磁気ヘッド装置
JPH0710802U (ja) 磁気ヘッド
JPS6295708A (ja) 消去用磁気ヘツド
JPH11213322A (ja) 薄膜磁気ヘッド
JPS6233311A (ja) 磁気ヘツド
JP2003196805A (ja) 磁気ヘッド及びその製造方法
JPH04137204A (ja) 磁気ヘッド
JPH04355208A (ja) 磁気ヘッド装置