JP2725878B2 - 薄膜磁気ヘッド - Google Patents

薄膜磁気ヘッド

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JP2725878B2 JP16087490A JP16087490A JP2725878B2 JP 2725878 B2 JP2725878 B2 JP 2725878B2 JP 16087490 A JP16087490 A JP 16087490A JP 16087490 A JP16087490 A JP 16087490A JP 2725878 B2 JP2725878 B2 JP 2725878B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明はVTR(ビデオテープレコーダ)等の磁気記録
装置に用いて好適な薄膜磁気ヘッドに関する。
(ロ) 従来の技術 従来、この種の薄膜磁気ヘッドは、例えば特開昭62−
46415号公報(G11B5/31)等に示されているように基板
上に薄膜堆積法及びフォトリソグラフィー技術を用いて
磁気回路、導体コイル、電極等を絶縁層を介して形成し
たものであり、従来の磁気コアと巻線より成るバルク型
磁気ヘッドに比べて、小型化、マルチチャンネル化が容
易である。
しかし乍ら、このような薄膜磁気ヘッドはギャップ深
さを大きくすると磁気コアの磁気飽和が生じやすいた
め、VTR等の記録媒体と直接摺動するヘッドとして用い
ると、十分なヘッド摩耗寿命が得られないという問題が
生じる。
第12図は上述の欠点を解消した従来の薄膜磁気ヘッド
の媒体摺接面を示す図である。
この従来の薄膜磁気ヘッドは、非磁性セラミクス等よ
りなる基板(1)上に溝(2)を形成し、該溝(2)内
に下部磁気コア(3)、ギャップスペーサ(4)、コイ
ル層、絶縁層(5)、上部磁気コア(6)及び保護膜
(7)を形成し、更に該保護膜(7)上にガラス(8)
により保護板(9)を接合固定した構造である。この薄
膜磁気ヘッドでは、前記下部磁気コア(3)に突起(3
a)を形成し、該突起(3a)により磁気ギャップgを規
定することにより、該磁気ギャップgのトラック幅Tw、
ギャップ深さを高精度に規定している。また、下部磁気
コア(3)と上部磁気コア(6)との間隔を増大させる
ことにより、磁束の漏洩を低減させている。尚、第12図
は媒体摺接面を示す図であるため、コイル層及び該コイ
ル層を絶縁する絶縁層は図示されていない。
また、上記構造の薄膜磁気ヘッドでは、下部磁気コア
(3)及び上部磁気コア(6)の端部からの擬似信号の
発生を防止するために、前記下部磁気コア(3)の下面
及び前記上部磁気コア(6)の上面を夫々磁気ギャップ
gに対して非平行になるように曲面形状にしている。し
かし乍らこのように上部磁気コア(6)の上面が曲面形
状であるため、該上部磁気コア(6)の磁路断面積は上
面側に行く程小さくなり、記録効率が低下するという問
題が生じる。また、十分な磁路を得るためには前記上部
磁気コア(6)の膜厚tを十分に大きくする必要があ
り、量産性に適していないという問題も生じる。
(ハ)発明が解決しようとする課題 本発明は上記従来例の欠点に鑑み為されたものであ
り、上部磁気コアの端部から擬似信号が発生するのを抑
え、且つ、上部磁気コアの膜厚を大きくすることなしに
磁路断面積を大きくすることが出来、記録効率の低下を
防止した薄膜磁気ヘッドを提供することを目的とするも
のである。
(ニ) 課題を解決するための手段 本発明は基板上に下部磁気コア、導体コイル層、該導
体コイル層を覆う絶縁層、磁気ギャップとなるギャップ
スペーサ及び上部磁気コアを被着形成してなる薄膜磁気
ヘッドにおいて、前記上部磁気コアの上面は磁気ギャッ
プから離れるに従って屈曲部を中心に両側に拡がる第
1、第2上面により構成され、且つ前記上部磁気コアの
両端間距離が前記磁気ギャップのトラック幅よりも大き
いことを特徴とする。
(ホ) 作用 上記構成に依れば、上部磁気コアの上面は磁気ギャッ
プに対して平行な部分を有さず、且つ上部磁気コアの磁
路断面積が大きくなる。
(ヘ) 実施例 以下、図面を参照しつつ本発明の第1実施例を詳細に
説明する。
第1図は第1実施例の薄膜磁気ヘッドの媒体摺接面を
示す図である。
図中、(11)は非磁性セラミックス等よりなる基板で
あり、該基板(11)の上面には底面(121)が曲面形状
である溝(12)が形成されている。前記溝(12)内には
センダスト等の強磁性金属材料よりなる下部磁気コア
(13)が被着形成されている。前記下部磁気コア(13)
の上面は前記基板(11)の上面と面一である。前記下部
磁気コア(13)の上面及び前記基板(11)の上面にはSi
O2等の非磁性材料よりなるギャップスペーサ(14)が被
着形成されている。前記ギャップスペーサ(14)上には
SiO2等の非磁性材料よりなる絶縁層(151)(152)及び
センダスト等の強磁性金属材料よりなる上部磁気コア
(16)が被着形成されている。前記上部磁気コア(16)
の下面は前記下部磁気コア(13)の上面にギャップスペ
ーサ(14)を介して対向しており、前記上部磁気コア
(16)の下面の幅が磁気ギャップgのトラック幅Twとな
る。
前記上部磁気コア(16)は前記磁気ギャップgから離
れるに従って両側に分岐しており、第1、第2下面(16
1)(162)は前記絶縁層(151)(152)の上面に沿って
磁気ギャップgから離れるに従って両側に拡がる曲面形
状をしている。また、前記上部磁気コア(16)の上面は
中央に屈曲部(16a)を有しており、前記磁気ギャップ
gから離れるに従って前記屈曲部(16a)を中心に両側
に拡がる曲面形状の第1、第2上面(163)(164)によ
り構成されている。上記上部磁気コア(16)は上述した
ように第1、第2下面(161)(162)及び第1、第2上
面(163)(164)が磁気ギャップgから離れるに従い両
側に拡がるように構成されているので、前記上部磁気コ
ア(16)の両端間距離lは常に磁気ギャップgのトラッ
ク幅Twよりも大きい。前記上部磁気コア(16)の第1、
第2上面(163)(164)上にはSiO2等よりなる保護膜
(17)が被着形成されている。更に、前記上部磁気コア
(16)上にはガラス(18)によりTi酸Ba等よりなる保護
板(19)が接合固定されている。
次に、上記第1実施例の薄膜磁気ヘッドの製造方法に
ついて説明する。
先ず、第2図に示すように基板(11)の上面に底面
(121)が曲面形状である溝(12)を形成し、該溝(1
2)内に下部磁気コア(13)をスパッタリング、イオン
ビームエッチング等により被着形成する。
次に、第3図に示すように前記基板(11)の上面全域
に所望のギャップ長と等しい厚みを有するギャップスペ
ーサ(14)を被着形成し、該ギャップスペーサ(14)上
全域に絶縁層(15)を被着形成する。
次に、第4図に示すように前記絶縁層(15)の上面の
うち上部磁気コア形成予定領域の両側にノボラック樹脂
系のポジ型レジスト(20)(20)を塗布し、該レジスト
(20)(20)を100〜150℃まで加熱することによりレジ
ストを形成する有機材料の粘度の低下による形状変化を
利用して前記レジスト(20)(20)の上側表面(20a)
(20a)をなだらかな曲面形状にする。
次に、第4図に示す基板(11)の上方からイオンビー
ムエッチング等を行うことにより絶縁層の余分な部分を
除去して第5図に示すように前記ギャップスペーサ(1
4)の上面のうち上部磁気コア形成予定領域の両側に絶
縁層(151)(152)を残す。前記絶縁層(151)(152)
の上面(151a)(152a)は前記レジスト(20)(20)と
略同形状となり、上側表面(20a)(20b)はなだらかな
曲面形状となる。
次に、第6図に示すように前記基板(11)の上方全
域、即ちギャップスペーサ(14)が露出している上部磁
気コア形成予定領域から前記絶縁層(151)(152)の上
面(151a)(152b)全域にかけて上部磁気コアとなる上
部磁気コア層(16′)及び保護層(17)をスパッタリン
グ等により被着形成する。
次に、第7図に示すように前記上部磁気コア層(1
6′)及び保護層(17)の両側部をリアクティブイオン
エッチング等により除去して下部磁気コア(16)を形成
する。
以後は、前記下部磁気コア(16)の上方にガラス(1
8)を溶融固化することにより保護板(19)を接合固定
して外形加工を行うことにより第1図に示す薄膜磁気ヘ
ッドが完成する。
上述のような第1実施例の薄膜磁気ヘッドでは、上部
磁気コア(16)の上面には、磁気ギャップgに対して平
行な部分が存在しないため、前記上部磁気コア(16)の
端部からの擬似信号の発生を防止することが出来る。ま
た、前記上部磁気コア(16)の両端間距離l1が常に磁気
ギャップgのトラック幅Twより大きいため前記上部磁気
コア(16)の厚みを大きくすることなしに該上部磁気コ
ア(16)の磁路断面積を大きくすることが出来、記録効
率が向上する。
次に、本発明の第2実施例について説明する。
第8図は第2実施例の薄膜磁気ヘッドの媒体摺接面を
示す図であり、第1実施例の第1図と同一部分には同一
符号を付し、その説明は割愛する。
第2実施例の上部磁気コア(26)は前記磁気ギャップ
gから所定量離れた部分から両側に分岐しており、第
1、第2下面(261)(262)は絶縁層(251)(252)の
上面に沿って平面形状をしている。また、前記上部磁気
コア(26)の上面は中央に屈曲部(26a)を有してお
り、該屈曲部(26a)を中心に両側に拡がる平面形状の
第1、第2上面(263)(264)により構成されている。
このため、前記上部磁気コア(26)の両端間距離l2は常
に磁気ギャップgのトラック幅Twよりも大きい。
次に、上記第2実施例の薄膜磁気ヘッドの製造方法に
ついて説明する。
先ず、第9図に示すように基板(11)の上面に溝(1
2)、下部磁気コア(13)及びギャップスペーサ(14)
を形成した後、該ギャップスペーサ(14)上全域に両側
に拡がる平面形状の斜面(251a)(252a)を有する絶縁
層(25)を形成する。
次に、第10図に示すように前記ギャップスペーサ(1
4)の上面のうち上部磁気コア形成予定領域上に被着し
た絶縁層をリアクティブイオンエッチング等により除去
することにより絶縁層(251)(252)に分断する。前記
絶縁層(251)(252)の除去面(251b)(252b)は前記
基板(11)上面に対して直交する。
次に、第11図に示すように前記ギャップスペーサ(1
4)が露出している上部磁気コア形成予定領域から前記
絶縁層(251)(252)の斜面(251a)(252a)上に下部
磁気コア(26)及び保護膜(17)を形成する。
以後は、前記上部磁気コア(26)の上方にガラス(1
8)により保護板(19)を接合固定して第8図に示す薄
膜磁気ヘッドが完成する。
上述のような第2実施例の薄膜磁気ヘッドにおいても
第1実施例と同様に上部磁気コア(26)の上面には磁気
ギャップgに対して平行な部分が存在しないため擬似信
号の発生が防止され、しかも前記上部磁気コア(26)の
厚みを大きくすることなしに該上部磁気コア(26)の磁
路断面積を大きくすることが出来、記録効率が向上す
る。
(ト) 発明の効果 本発明に依れば、擬似信号の発生を抑え、且つ記録効
率の低下を防止した薄膜磁気ヘッドを提供し得る。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第7図は本発明の第1実施例に係り、第1図
は薄膜磁気ヘッドの媒体摺接面を示す図、第2図、第3
図、第4図、第5図、第6図及び第7図は夫々薄膜磁気
ヘッドの製造方法を示す図である。第8図乃至第11図は
本発明の第2実施例に係り、第8図は薄膜磁気ヘッドの
媒体摺接面を示す図、第9図、第10図及び第11図は夫々
薄膜磁気ヘッドの製造方法を示す図である。第12図は従
来の薄膜磁気ヘッドの媒体摺接面を示す図である。 (11)……基板、(14)……ギャップスペーサ、(16)
……上部磁気コア、(163)……第1上面、(164)……
第2上面、(16a)……屈曲部、g……磁気ギャップ、T
w……トラック幅、l1、l2……両端間距離。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に下部磁気コア、導体コイル層、該
    導体コイル層を覆う絶縁層、磁気ギャップとなるギャッ
    プスペーサ及び上部磁気コアを被着形成してなる薄膜磁
    気ヘッドにおいて、前記上部磁気コアの上面は磁気ギャ
    ップから離れるに従って屈曲部を中心に両側に拡がる第
    1、第2上面により構成され、且つ前記上部磁気コアの
    両端間距離が前記磁気ギャップのトラック幅よりも大き
    いことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
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