JPH08192870A - ブリスターケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 外部の湿度変化によるブリスター台紙の自然
剥離を防止し得るブリスターケースを提供する。 【構成】 ブリスタードーム１１と、このブリスタード
ーム１１の開口部を閉鎖するブリスター台紙１２とを備
えたブリスターケース１０であって、ブリスター台紙１
２として、ブリスタードーム側から順番に、ホットメル
ト接着剤層２０、第１合成樹脂フィルム層２１、紙層２
２、第２合成樹脂フィルム層２３を積層状に設けたシー
ト素材を用いた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、歯ブラシ等の店頭販売
用の外装ケースとして好適なブリスターケースに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】一般に、歯ブラシの店頭販売用ケースと
して、ブリスターケースが広く普及している。このブリ
スターケースは、ポリエチレンテレフタレート（以下、
単にＰＥＴと称する）フィルムからなるブリスタードー
ムと、ブリスタードームの開口側の端面に熱融着された
ブリスター台紙とから構成されている。

【０００３】従来、ブリスター台紙としては、図５に示
すように、１枚ものの紙からなるブリスター台紙１００
を使用していたが、ブリスターケース１０１の中身を取
り出すために、ブリスタードーム１０２からブリスター
台紙１００を剥離すると、ブリスター台紙１００が破れ
てブリスタードーム１０２側に残り、中身を取出し難く
なることがあるという問題があった。このため、図６に
示すブリスター台紙１１０のように、ブリスター台紙１
１０を紙層１１１と合成樹脂フィルム層１１２の２層構
造とし、合成樹脂フィルム層１１２側をブリスタードー
ム１０２に熱融着したものも提案され実用化されてい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、前述の２層
構造のブリスター台紙においても、売り場に陳列してい
る間に、ブリスター台紙がブリスタードームから自然に
剥離するという問題が発生することがあった。本出願人
は、この問題を解決するため種々の試験を行った結果、
前述の２層構造のブリスター台紙では、紙層の背面が外
部に露出している関係上、売り場の湿度変化等による紙
層中の水分量の変化により、紙層が収縮してブリスター
台紙が自然剥離すること突き止めた。

【０００５】また、ブリスター台紙の自然剥離とは別の
問題として、前述の２層構造のブリスター台紙では、異
なる材料からなるシート状の部材を積層してブリスター
台紙を構成してあるので、ブリスター台紙の製造時に発
生する台紙の切れ端等を再生利用することが困難で、資
源を有効活用するという意味で多少の問題を含むもので
あった。本発明の目的は、外部の湿度変化によるブリス
ター台紙の自然剥離を防止し得るブリスターケースを提
供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１に係るブリスタ
ーケースは、ブリスタードームと、このブリスタードー
ムの開口部を閉鎖するブリスター台紙とを備えたブリス
ターケースであって、前記ブリスター台紙として、ブリ
スタードーム側から順番に、ホットメルト接着剤層、第
１合成樹脂フィルム層、紙層、第２合成樹脂フィルム層
を積層状に設けたシート素材を用いたものである。ここ
で、請求項２記載のように、第１合成樹脂フィルム層及
び第２合成樹脂フィルム層をＰＥＴフィルムで構成する
ことが好ましい実施例である。

【０００７】請求項３に係るブリスターケースは、ブリ
スタードームと、このブリスタードームの開口部を閉鎖
するブリスター台紙とを備えたブリスターケースであっ
て、前記ブリスター台紙として、ブリスタードーム側か
ら順番に、ホットメルト接着剤層、ＰＥＴフィルム層、
発泡ＰＥＴフィルム層を積層状に設けたシート素材を用
いたものである。

【０００８】

【作用】請求項１に係るブリスターケースにおいては、
紙層が第１合成樹脂フィルム層と第２合成樹脂フィルム
層間に設けられているので、ブリスターケース外部の湿
度が変化しても、紙層の水分量は常時一定に維持される
ことになる。また、紙層の外面側に第２合成樹脂フィル
ム層を形成してあるので、ブリスター台紙の剛性が適度
に高められ、貼着した状態でブリスター台紙が面一状態
に維持されるとともに、開封時におけるブリスター台紙
の剥離が容易になる。

【０００９】ここで、請求項２記載のように、第１合成
樹脂フィルム層及び第２合成樹脂フィルム層をＰＥＴフ
ィルムで構成すると、光沢性及び透明性に優れ、且つ持
った感じにもシットリ感のあるＰＥＴフィルムで紙層が
被覆され、高級感を持たすことが出来る。

【００１０】請求項３に係るブリスターケースにおいて
は、ブリスター台紙をホットメルト接着剤層とＰＥＴフ
ィルム層と発泡ＰＥＴフィルム層とで構成してあるの
で、ブリスター台紙がブリスターケース外部の湿度変化
による悪影響を受けることはない。また、同種の素材フ
ィルムでブリスター台紙を構成してあるので、ブリスタ
ー台紙の製造時に発生する切れ端等を再生利用すること
が可能となる。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。本実施例は、歯ブラシ用のブリスター
ケースに本発明を適用した場合のものである。図１、図
２に示すように、ブリスターケース１０は、歯ブラシ１
を収容するための収容突部１１ａを有するブリスタード
ーム１１と、ブリスタードーム１１の開口部を閉鎖する
略平板状のブリスター台紙１２とから構成され、歯ブラ
シ１はブリスタードーム１１とブリスター台紙１２とで
形成される収容空間１３内に装填されている。但し、ブ
リスタードーム１１及びブリスター台紙１２の形状は、
歯ブラシ１の形状等に応じて適宜設定することが可能で
ある。

【００１２】ブリスタードーム１１の外周部には平坦な
鍔部１１ｂが形成され、ブリスタードーム１１は、鍔部
１１ｂの背面がブリスター台紙１２の正面部に形成され
た後述するホットメルト接着剤層２０に熱融着されてブ
リスター台紙１２に固定されている。但し、ブリスター
ケース１０の下端部に対応するホットメルト接着剤層２
０は、鍔部１１ｂに対して熱融着しないようにし、歯ブ
ラシ１を取出すときには、その部分からブリスター台紙
１２を容易に剥離し得るように構成されている。

【００１３】ブリスタードーム１１は、例えば、ＰＥＴ
フィルムなどの透明な合成樹脂フィルムから構成され、
内装された歯ブラシ１の形状等をユーザーが十分に観察
出来るように構成されている。

【００１４】ブリスター台紙１２は、図２に示すよう
に、ブリスタードーム１１側から順番に、ホットメルト
接着剤層２０、第１合成樹脂フィルム層２１、紙層２
２、第２合成樹脂フィルム層２３が積層状に形成された
シート素材で構成されている。

【００１５】ホットメルト接着剤層２０は、ＥＶＡ樹脂
（エチレン−酢酸ビニル共重合体）材料やポリエステル
樹脂材料などで構成することが可能である。第１、第２
合成樹脂フィルム層２１、２３は、ＰＥＴ樹脂、ポリス
チレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂等で
構成することが可能であるが、触感性や光沢性や透明性
を考慮すると、ＰＥＴ樹脂製のフィルムを用いることが
好ましい。

【００１６】また、両合成樹脂フィルム層２１、２３の
厚さは、１１μｍよりも小さいと、こしが無く、波打ち
等で外観が悪くなり、また強度不足の恐れもある。３０
μｍよりも大きいと、剥離する際の触感が悪くなり、ま
た経済的でもない。したがって、１１〜３０μｍに設定
することが好ましい。紙層２２の厚さは、５０μｍより
も小さいと、紙の持つ特性、つまり、こし、剛性がでな
い。２００μｍよりも大きいと、剥離する際の触感が悪
くなるとともに、経済性も悪くなる。したがって、５０
〜２００μｍに設定することが好ましい。

【００１７】次に、ブリスターケース１０の作用、効果
について説明する。紙層２２が第１合成樹脂フィルム層
２１と第２合成樹脂フィルム層２３間に設けられている
ので、ブリスターケース１０外部の湿度が変化しても、
紙層２２の水分量は常時一定に維持されることになる。
このため、湿度変化による紙層２２の収縮が防止され、
紙層２２の収縮によるブリスター台紙１２の自然剥離が
効果的に防止される。

【００１８】また、紙層２２の外面側に第２合成樹脂フ
ィルム層２３を形成してあるので、ブリスター台紙１２
の剛性が適度に高められて、ブリスター台紙１２をブリ
スタードーム１１から剥離し易くなる。つまり、図３に
示すように、剥離されたブリスター台紙１２の円弧の半
径Ｒが大きくなることから、剥離部分に対して大きなモ
ーメントを作用させることが可能となり、ブリスター台
紙１２が剥離し易くなるのである。更に、ブリスター台
紙１２に適度な剛性が付加されることで、貼着した状態
でブリスター台紙１２が面一状態に保持され、ブリスタ
ーケース１０の外観低下を防止することが可能となる。

【００１９】次に、ブリスター台紙１２の構成を変更し
た変形例について説明する。尚、前記実施例と同一部材
には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。この
ブリスター台紙１２は、図４に示すように、ブリスター
ドーム１１側から順番に、ホットメルト接着剤層２０、
ＰＥＴフィルム層３０、発泡ＰＥＴフィルム層３１が積
層状に形成されたシート素材で構成されている。ＰＥＴ
フィルム層３０は、前述の第１合成樹脂フィルム層２１
と同様の厚さを有するものである。

【００２０】発泡ＰＥＴフィルム層３１の厚さは、５０
μｍよりも小さいと、ブリスター台紙１２の剛性が低下
して触感が悪くなり、２５０μｍよりも大きいと、ブリ
スター台紙１２を剥離し難くなるという問題が発生する
ので、５０〜２５０μｍに設定することが好ましい。

【００２１】このブリスター台紙１２を用いたブリスタ
ーケース１０では、ブリスター台紙１２がＰＥＴフィル
ムで構成されているので、前記実施例と同様に、外部の
湿度変化による悪影響を確実に防止出来るとともに、同
種の素材フィルムでブリスター台紙１２を構成してある
ので、ブリスター台紙１２の製造時に発生する台紙の切
れ端等を再生利用することが可能となる。

【００２２】尚、本実施例では、歯ブラシ１用のブリス
ターケース１０に本発明を適用したが、歯間清掃ブラシ
や歯肉マッサージなどの歯ブラシ以外の口腔内衛生具或
いはクリップやボールペンなどの文房具などの小物を装
填するブリスターケースに対しても本発明を同様に適用
することが可能である。

【００２３】

【発明の効果】請求項１に係るブリスターケースによれ
ば、紙層が第１合成樹脂フィルム層と第２合成樹脂フィ
ルム層間に設けられ、ブリスターケース外部の湿度が変
化しても、紙層の水分量は常時一定に維持されるので、
湿度変化による紙層の収縮を防止して、ブリスター台紙
の自然剥離を確実に防止出来る。また、紙層の外面側に
第２合成樹脂フィルム層を形成することで、ブリスター
台紙の剛性が適度に高められ、ブリスター台紙が面一状
態に維持されるので、ブリスターケースの外観低下を防
止出来る。更に、ブリスター台紙の剛性が適度に高めら
れることにより、ブリスター台紙の開封性を向上出来
る。

【００２４】ここで、請求項２記載のように、第１合成
樹脂フィルム層及び第２合成樹脂フィルム層をＰＥＴフ
ィルムで構成すると、ブリスター台紙の品質を大幅に向
上出来る。

【００２５】請求項３に係るブリスターケースによれ
ば、ブリスター台紙をホットメルト接着剤層とＰＥＴフ
ィルム層と発泡ＰＥＴフィルム層とで構成してあるの
で、外部湿度の変動による悪影響を防止して、ブリスタ
ー台紙の自然剥離を確実に防止出来る。また、同種の素
材フィルムでブリスター台紙を構成してあるので、ブリ
スター台紙の製造時に発生する切れ端等を再生利用する
ことが可能となり、産業廃棄物を極力少なくすることが
可能となる。更に、請求項１〜３に係るブリスターケー
スのいずれにおいても、最外面が剛性樹脂フィルムで覆
われるので、美麗性にも優れている。

【図面の簡単な説明】

【図１】 ブリスターケース及びそれに装填された歯ブ
ラシの斜視図

【図２】 ブリスターケースの要部縦断面図

【図３】 開封時における作動説明図

【図４】 変形例に係るブリスター台紙の図２相当図

【図５】 従来の技術に係るブリスターケースの要部縦
断面図

【図６】 従来の技術に係る別のブリスターケースの要
部縦断面図

【符号の説明】

１ 歯ブラシ ２０ ホットメルト
接着剤層 １０ ブリスターケース ２１ 第１合成樹脂
フィルム層 １１ａ 収容突部 ２２ 紙層 １１ ブリスタードーム ２３ 第２合成樹脂
フィルム層 １１ｂ 鍔部 ３０ ＰＥＴフィル
ム層 １２ ブリスター台紙 ３１ 発泡ＰＥＴフ
ィルム層 １３ 収容空間

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ブリスタードームと、このブリスタード
   ームの開口部を閉鎖するブリスター台紙とを備えたブリ
   スターケースであって、 前記ブリスター台紙として、ブリスタードーム側から順
   番に、ホットメルト接着剤層、第１合成樹脂フィルム
   層、紙層、第２合成樹脂フィルム層を積層状に設けたシ
   ート素材を用いたブリスターケース。
2. 【請求項２】 第１合成樹脂フィルム層及び第２合成樹
   脂フィルム層をＰＥＴフィルムで構成した請求項１に記
   載のブリスターケース。
3. 【請求項３】 ブリスタードームと、このブリスタード
   ームの開口部を閉鎖するブリスター台紙とを備えたブリ
   スターケースであって、 前記ブリスター台紙として、ブリスタードーム側から順
   番に、ホットメルト接着剤層、ＰＥＴフィルム層、発泡
   ＰＥＴフィルム層を積層状に設けたシート素材を用いた
   ブリスターケース。