JPH0348020Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、段ボール箱の手提げ部分を補強する
防塵補強材に関するものである。

＜従来の技術＞ 一般の段ボール箱は、両側に手提げ用貫孔が施
こされているが、（４本の指が入り得る程度の大
きさで、貫孔の周囲をシート状のもので補強した
ものもある。＜実開昭47−7243＞）箱内の収納物
が電子応用機械等の精密部品、食品又は薬品類等
の場合、前記貫孔より塵埃、害虫又はネズミ等が
侵入することにより、収納物の品質を劣化させる
おそれがあり、また衛生上好ましくない。そこ
で、実公昭38−26590の考案のように手提げ用貫
孔をシール状態にしておくものが存在するが、こ
れは使用時にミシン目を破砕してしまい、上記同
様に以後収納物の品質の劣化を招き、又不衛生で
ある欠点がある。

そこで、本出願人は先に特開昭58−188646を発
明し特許権を取得している。すなわち、この発明
は貫孔を設けた厚紙に延伸力を有するフイルムを
積層したもので、フイルムの延伸力を利用して貫
孔より何回でも指を差し入れて使用可能にしてい
る。

＜考案が解決しようとする課題＞ しかし、段ボール箱は収納物によつて、貫孔に
フイルムを貼着する必要があるものとないものが
あり、さらにフイルム貼着の必要性の有無は収納
物を段ボールに収納した後にユーザー側で決めて
貼着作業を行なうことが多く、このために延伸力
を有するフイルムは段ボールの外側から貼る必要
が生じる。また、段ボール表面には、商品名の表
示、模様その他の記載事項が印刷されており、し
たがつて、上記した段ボールの外側から手提げ部
分の補強材を貼着する場合、これらを一部隠蔽し
て貼着しなければならず、記載事項によつてはフ
イルムが段ボールの外側の貫孔上から貼着できな
いという不都合も生じた。

このような不都合は、先の出願人の発明によつ
ては解釈できないものである。

本考案は、かかる従来の問題点に着目してなさ
れたもので、その目的は、通常は段ボール箱の手
提げ部に張設された状態で手提げ用の穴を覆う一
方、段ボール箱持運び時には指を入れる際に大き
な延伸力でもつてフイルムを内側へ凹状に変形し
て段ボール箱を持運び易くする防塵補強材におい
て、収納物を段ボール箱に収納後に、ユーザー側
においていつでも段ボールの外側から手提げ用貫
孔に延伸力を有するフイルムを貼着でき、しかも
貫孔付近の印刷記載事項を隠蔽することなく、フ
イルムを貼着できるようにした段ボール箱手提げ
部分の防塵補強材を提供せんとする。

＜課題を解決するための手段＞ 本考案は、上記目的を達成するために、なされ
たものであり、その要旨は手提げ補強用の貫孔を
穿設した透明の樹脂シートと、この樹脂シートの
片面に前記貫孔を覆つて積層した５倍以上の延伸
力を有する透明フイルムと、前記樹脂シートの他
面に積層した透明の接着剤塗布層と、この接着剤
塗布層に貼着した離型紙とからなる段ボール箱手
提げ部分の防塵補強材にある。透明の樹脂シート
は、塩化ビニール、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン等が使用され、透明フイルムには好ましくは厚
さ30〜100μのポリウレタンフイルムのような透
明材料が使われ、耐損傷性と光透過性、及び延伸
力とを兼ね備えた補強材となつている。このた
め、内容物の観察チエツク等が容易な他持ち運び
を安心して行ない得る。

＜実施例＞ 以下、本考案の一実施例について説明する。第
１図及び第２図は本考案の一実施例である段ボー
ル箱手提げ部分の防塵補強材を示す図である。こ
のうち、第１図は本考案の段ボール箱手提げ部分
を補強するための防塵補強材Ｒの正面図、第２図
は当該防塵補強材Ｒの一構造例を示す第１図のＡ
−Ａ拡大断面図である。これらの図において、１
は手提げ補強用の貫孔３を穿設した透明の樹脂シ
ートである。この透明の樹脂シート１は、塩化ビ
ニール、ポリプロピレンまたはポリエチレン等の
樹脂材料を一種類用いて、又は複数種類重ね合わ
せて形成あれ、主として防塵補強材Ｒの補強材部
分を構成する。この透明の樹脂シート１の片面
に、前記貫孔を覆つて積層した５倍以上の延伸力
を有する透明フイルムを積層し、前記樹脂シート
の他面には透明の感圧性粘着剤塗布層２と離型紙
６が順に積層されている。ここで、上記少なくと
も５倍以上の二軸性の延伸力を有する透明フイル
ムには、例えば、ポリウレタンフイルム又はラテ
ツクス等を加工したゴム系フイルム等がある。ま
た延伸力を有するフイルム４の厚さは、100μ以
上のものであれば手を入れるのに相当強い押力が
必要となり、30μ以下では瞬発的な強度に乏しく
使用上強靱性において欠陥があるのでこれら両値
の間に設定することが好ましい。さらに、透明の
樹脂シートと反対側の透明の感圧性粘着剤塗布層
２面には離型紙６が貼着されこの離型紙５は、防
塵補強材Ｒを段ボール箱の手提げ部分に貼付ける
時に透明の粘着剤塗布層２からひき剥がされる。

＜考案の効果＞ 以上説明したように、本考案によれば、貫孔を
設けた透明の樹脂シートの片面に延伸力の大きな
透明フイルムを前記貫孔を覆うように積層し、透
明の樹脂シートの他面に接着剤塗布層を積層した
ために、前記透明フイルムを破らないで段ボール
箱の持ち運び時に容易に手提げ用の孔へ指を挿入
することができ、段ボール箱内部を密封状態に保
つたままにしておくことができ、また収納物にも
邪魔にならず半永久的に使用することができる。
また、段ボール箱内に商品を収納した後の状態に
おいても、収納商品の種類によつては、本考案で
ある防塵補強材を手提げ部分に貼合する必要があ
るか否かをユーザー側において選択することがで
き、かつ必要がある場合に段ボールを外側から貼
着しても、手提げ用貫孔の周囲の段ボールに必要
な記載事項を隠蔽することなく貫孔の外側から本
防塵補強材を貼着することができる等、種々の効
果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る防塵補強材の一実施例を
示す図、第２図は上記実施例の構造を示す第１図
中Ａ−Ａ線における拡大断面図である。 １……透明の樹脂シート、２……透明の粘着
剤、３……貫孔、４……透明フイルム、６……離
型紙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 手提げ補強用の貫孔を穿設した透明の樹脂シー
   トと、この樹脂シートの片面に前記貫孔を覆つて
   積層した５倍以上の延伸力を有する透明フイルム
   と、前記樹脂シートの他面に積層した透明の接着
   剤塗布層と、この接着剤塗布層に貼着した離型紙
   とからなる段ボール箱手提げ部分の防塵補強材。